JP2018156854A - アルカリ電池 - Google Patents

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【課題】正極の高さ及び強度を維持しつつ、正極活物質量の低減を図ったリチウム電池を提供する。【解決手段】本発明のアルカリ電池は、正極2及び負極3がセパレータを介して電池ケース1内に収納されてなるアルカリ電池であって、正極は、二酸化マンガンからなる正極活物質に、ポリオレフィン粉末が添加されており、ポリオレフィン粉末は、平均粒径(D50)が100〜400μmの範囲にあり、かつ、平均アスペクト比が3.1以上であり、ポリオレフィン粉末は、正極活物質100質量部に対して、0.1〜2.0質量部の割合で、前記正極活物質に添加されている。【選択図】図1

Description

本発明は、二酸化マンガンを正極活物質とするアルカリ電池に関する。
アルカリ電池は、単位質量当たりのエネルギー密度が高いことから、近年の携帯用電子機器の急速な普及に伴い、その電源として広く用いられるようになっている。
特許文献1には、オキシ水酸化ニッケルを正極活物質とするアルカリ電池において、正極活物質に、ポリオレフィン粉末を添加する技術が開示されている。ポリオレフィン粉末は、結着性が優れているため、粒径が10〜100μmのポリオレフィン粉末を、比較的少量添加するだけで、成型性を損なうことなく、正極活物質を増量させることができる。これにより、電池の高容量化を図ることができる。
特開2007−115566号公報
アルカリ電池において、さまざまな商品需要に対応するために、高グレード(高性能、高価格)な電池だけでなく、低グレード(低性能、低価格)な電池が求められている。
アルカリ電池の性能は、基本的に、正極活物質の量に依存するため、低グレードな電池を設計するには、正極活物質の量を減らせばよい。しかしながら、単純に正極活物質の量を減らすと、成型後の正極の高さが低くなってしまう。その結果、負極との対向面積が減少するため、反応効率が低下し、必要以上の性能低下を引き起こしてしまう。また、正極は、セパレータの支持体としての役割も担っているため、正極の高さが低くなると、ゲル状負極がこぼれやすくなり、内部短絡を起こすそれがある。
一方、正極活物質の量を減らしつつ、正極の高さを維持しようとすると、正極合剤の密度が低下するため、成型後の正極の強度が低下してしまう。その結果、生産時に欠けや割れが発生しやすくなり、生産性の低下を招くことになる。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その主な目的は、正極の高さ及び強度を維持しつつ、正極活物質量の低減を図ったアルカリ電池を提供することにある。
本発明に係るアルカリ電池は、正極及び負極がセパレータを介して電池ケース内に収納されてなるアルカリ電池であって、正極は、二酸化マンガンからなる正極活物質に、ポリオレフィン粉末が添加されており、ポリオレフィン粉末は、平均粒径(D50)が100〜400μmの範囲にあり、かつ、平均アスペクト比が3.1以上であり、ポリオレフィン粉末は、正極活物質100質量部に対して、0.1〜2.0質量部の割合で、正極活物質に添加されていることを特徴とする。
本発明によれば、正極の高さ及び強度を維持しつつ、正極活物質量の低減を図ったアルカリ電池を提供することができる。
本発明の一実施形態におけるアルカリ電池の構成を模式的に示した半断面図である。 (a)、(b)は、図1に示したアルカリ電池の部分拡大図である。 図1に示したアルカリ電池の部分拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。また、本発明の効果を奏する範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。
図1は、本発明の一実施形態におけるアルカリ電池の構成を模式的に示した半断面図である。
図1に示すように、本実施形態におけるアルカリ電池20は、有底円筒状の電池ケース1内に、セパレータ4を介して正極2とゲル状負極3とが収納されている。正極2は、正極活物質である二酸化マンガンとアルカリ電解液とを含有し、ゲル状負極3は、亜鉛粉末とアルカリ電解液とゲル化剤とを含有する。電池ケース1の開口部は、ガスケット5、負極端子棒6及び負極端子を兼ねる封口板7が一体化された封口体9で封口されている。また、電池ケース1は、正極の一部を兼ねており、電池ケース1の底部に、正極端子となる突起部10が形成されている。また、電池ケース1の外周面は、外装ラベル8で被覆されている。
本発明は、二酸化マンガンからなる正極活物質に、結着剤として、ポリオレフィン粉末を添加することを特徴とするものであるが、本発明を説明する前に、本発明を想到するに至った経緯をまず説明する。
低グレードの電池を設計するためには、正極の高さを維持しつつ、正極活物質量の低減を図る必要がある。
本願発明者は、結着性に優れた結着剤として、ポリオレフィン粉末に着目し、この材料を、正極活物質の量を低減し、体積だけを稼ぐための嵩上げ材として、正極活物質に添加したときの嵩上げ効果を検討した。なお、嵩上げ効果は、以下のような方法により評価した。
電解二酸化マンガン粉末と黒鉛粉末とを93:7の質量比で混合し、これに、結着剤として、ポリオレフィン粉末としてポリエチレン(PE)粉末を添加した。この混合物に、水酸化カリウム水溶液を混合して攪拌した後、フレーク状に圧縮成形し、その後、粉砕及び篩によって、顆粒状に造粒して正極合剤を作製した。そして、造粒した正極合剤を加圧成形して、ペレット状の正極を得た。なお、加圧成形は、ポリオレフィン粉末を添加せずに作製した正極ペレットに対して、ペレットの高さを維持して、圧力が同じになるように行った。
嵩上げ効果は、ポリオレフィン粉末を添加して作製した正極ペレットの質量(M1)と、ポリオレフィン粉末を添加せずに作製した正極ペレットの質量(M2)との比(正極質量比)(M1/M2)を測定し、(1−M1/M2)を、正極活物質(電解二酸化マンガン)100質量部に対するポリオレフィン粉末の添加率(P)で割った値を嵩上げ効果指数として評価した。すなわち、嵩上げ効果指数が1では嵩上げ効果は得られず、嵩上げ効果指数が大きい程、嵩上げ効果が大きいことになる。
表1は、正極活物質(電解二酸化マンガン)100質量部に対して、ポリエチレン(PE)粉末の添加量を、1〜3質量部の範囲に変えて正極ペレットを作製して、正極質量比を測定した結果を示したものである。なお、使用したポリエチレン粉末の平均粒径(D50)は、20μmであった。ここで、平均粒径(D50)は、体積基準のメジアン径であり、粒度分布(体積の積算分布)において、体積の積算が全体の50%となる粒径である。この平均粒径(D50)は、例えば、レーザ回折/散乱式粒子分布測定装置を用いて求めることができる。
Figure 2018156854
表1に示すように、ポリエチレン粉末の添加量が3質量部を超えると、正極合剤の造粒ができなかった。これは、ポリエチレン粉末の結着力が強いため、造粒プロセスにおけるフレーク化時に、強度が高くなりすぎたため、続く粉砕化ができなかったためと考えられる。
一方、ポリエチレン粉末の添加量が2質量部までは造粒ができたが、嵩上げ効果指数は1を少し超える程度で、嵩上げ効果はほとんど得られなかった。
そこで、本願発明者等は、嵩上げ効果を上げるために、ポリエチレン粉末の平均粒径を大きくすることによって、正極活物質との接触面積を低減し、結着力を弱めることを試みた。表2に、その結果を示す。
Figure 2018156854
表2に示すように、平均粒径が100μmのポリエチレン粉末(試料B)の場合、2質量部まで添加することによって、正極質量比が92.5%まで下げることができ、嵩上げ効果指数を3.8まで上げることができた。
しかしながら、表1で示した結果と同じように、平均粒径が100μmのポリエチレン粉末(試料B)では、添加量が2.5質量部を超えると、正極合剤の造粒ができなかった。また、平均粒径が200μmのポリエチレン粉末(試料C)では、添加量が2質量部を超えると、正極合剤の造粒ができなかった。また、平均粒径が400μmのポリエチレン粉末(試料D)では、添加量が0.4質量部を超えると、成型の際、打錠圧を維持しながらペレット成型を行おうとすると、打錠後の強度が確保できず、ペレット化ができなかった。
すなわち、正極合剤の造粒が可能なポリエチレン粉末の添加量に限度があり、そのため、嵩上げ効果(正極活物質量の低減効果)は、限定的なものになってしまう。
また、ポリエチレン粉末の平均粒径を大きくすることによって、多少の嵩上げ効果が得られたものの、造粒した正極合剤を加圧成形して得られた正極ペレットの強度が低下することが新たに分かった。加えて、ハイレートの放電性能が、ローレートの放電性能に比べて、大きく低下することが新たに分かった。
表3は、その結果を示したものである。表3では、平均粒径が20μm〜400μmのポリエチレン粉末(試料A〜D)を、それぞれ正極活物質(二酸化マンガン)100質量部に対して、1.0質量部(試料Dは0.2質量部)添加した場合の結果を示している。
Figure 2018156854
ここで、正極ペレットの強度は、水平に配置した正極ペレットに、打錠面と垂直な方向から荷重をかけ、正極ペレットの破壊が生じるときの荷重を測定することにより評価した。また、ローレート放電性能は、IECに準拠した条件、すなわち、20±2℃の環境で、43Ωの負荷を与えて1日あたり4時間放電するサイクルを毎日繰り返し行ったとき、0.9Vに達するまでの累計放電持続時間で評価した。また、ハイレート放電性能は、IECに準拠した条件、すなわち、20±2℃の環境で、1.5Wで2秒間放電した後、0.65Wで28秒間放電するサイクルを繰り返すパルス放電を1時間あたり10サイクル行い続けたとき、1.05Vに達するまでの累計サイクル数で評価した。なお、ローレート放電性能、及びハイレート放電性能は、ポリエチレン粉末を添加していないアルカリ電池での値を100として規格化した値で示している。
表3に示すように、ポリエチレン粉末の平均粒径が大きくなると(試料B、C、D)、正極ペレットの強度が低下しているのが分かる。また、ポリエチレン粉末の平均粒径が大きくなると(試料B、C、D)、表2に示したように、正極質量比が下がるため、ローレート放電性能は、正極活物質量の低下に応じて低下しているのが分かる。これに対して、ハイレート放電性能は、ポリエチレン粉末の平均粒径が大きくなると(試料B、C、D)、正極活物質量の低下以上に大きく低下しているのが分かる。
ポリエチレン粉末の平均粒径が大きくなると、正極ペレットの強度が低下したのは、次のような理由によるものと考えられる。
二酸化マンガン粉末の平均粒径は、充填性や、電解液の含浸性などの観点から、通常、20〜60μmの範囲が好適に用いられている。そのため、ポリエチレン粉末の平均粒径が100μm以上になると、二酸化マンガン粉末の平均粒径よりも大きくなる。その結果、二酸化マンガン同士の接触面積が小さくなったために、正極ペレットの強度が低下したものと考えられる。
また、ポリエチレン粉末の平均粒径が大きくなると、ハイレート放電性能が、ローレートの放電性能に比べて、大きく低下したのは、次のような理由によるものと考えられる。
図2(a)、(b)は、図1に示したアルカリ電池20の部分拡大図を示す。ここで、符号1、2、3、4は、それぞれ、電池ケース、正極、負極、セパレータを示す。また、符号11は、ポリエチレン粉末を示し、図2(a)は、平均粒径が小さいポリエチレン粉末を、図2(b)は、平均粒径が大きいポリエチレン粉末を示す。なお、図中のポリエチレン粉末11の大きさは、説明の便宜上拡大して示したもので、実際の寸法を表しているものでない。
図2(a)、(b)に示すように、アルカリ電池内の電流は、図中の矢印Iで示すように、正極2から集電子(不図示)に向けて、電池ケース1の軸方向Xに対して垂直方向に流れる。そのため、正極2から負極3に向けて流れる電流パスは、図2(a)に示すように、ポリエチレン粉末11の平均粒径が小さいときは、ポリエチレン粉末11によってあまり阻害されないが、図2(b)に示すように、ポリエチレン粉末11の平均粒径が大きくなると、ポリエチレン粉末11によって阻害されやすくなる。そのため、電流パスが長くなり、ハイレート放電性能が大きく低下したものと考えられる。
ところで、ポリエチレン粉末は、本来、少量の添加量で正極活物質を増量させることができる結着剤として、正極活物質に添加するものであるから、その特性を発揮するために、球状に近いポリエチレン粉末が用いられている。
しかしながら、球状に近いポリエチレン粉末を、本来とは逆に、正極活物質量を低減させる目的で、正極活物質に添加したとき、上述したような新たな課題が発生することとなった。
本願発明者は、上記の結果を踏まえ、新たに発生した課題が、球状に近いポリエチレン粉末を用いたことに起因すると考えた。そして、ポリエチレン粉末の平均粒径を100μm以上にすることによって、嵩上げ効果を上げつつ、アスペクト比の大きな粒子を含むポリエチレン粉末を用いることによって、ペレット強度の低下やハイレート放電性能の低下を抑制できると考え、本発明を想到するに至った。
表4は、平均粒径が100μm以上で、平均アスペクト比が3.1以上のポリエチレン粉末からなる試料E、F、Gを、二酸化マンガンに添加したときの、正極質量比を測定し、嵩上げ効果指数を算出した結果を示したものである。ここで、平均アスペクト比は、走査型電子顕微鏡の外観観察から任意の20個の粒子について測定したアスペクト比の平均値である。平均アスペクト比が3以上の場合、アスペクト比が4以上の粒子が、大凡30質量%以上含まれている勘定になる。
Figure 2018156854
表4に示すように、平均粒径が100μm以上で、平均アスペクト比が3.1以上のポリエチレン粉末(試料E、F、G)を、二酸化マンガン100質量部に対して、0.1〜2質量部添加することによって、正極質量比を99.5〜83.5%まで下げることができ、嵩上げ効果指数を2.4〜10程度まで上げることができた。特に、平均粒径が400μmの場合、少ない添加量で、大きな嵩上げ効果を得ることができる。
次に、同じ試料E、F、Gを用いて、正極ペレットの強度、ローレートの放電性能、及びハイレートの放電性能を測定した結果を、表5に示す。なお、各特性は、表3で示した各特性の測定と同じ方法で行った。なお、比較データとして、表3に示した平均アスペクト比が小さい(球状に近い)試料B、C、Dを用いたときの結果も併せ示す。
Figure 2018156854
表5に示すように、ポリエチレン粉末の平均粒径が大きくなっても(試料E、F、G)、同サイズの平均アスペクト比が小さい(球状に近い)ポリエチレン粉末(試料B、C、D)に比べて、正極ペレットの強度の低下、及び、ハイレート放電性能の低下が、共に抑制されていることが分かる。
このように、アスペクト比の大きな粒子を含むポリエチレン粉末を用いることによって、ペレット強度の低下、及び、ハイレート放電性能の低下が抑制されたのは、次の様な理由によるものと考えられる。
図3は、図2(a)、(b)と同様に、図1に示したアルカリ電池20の部分拡大図を示す。ここで、符号1、2、3、4、11は、それぞれ、電池ケース、正極、負極、セパレータ、ポリエチレン粉末を示す。
図3に示すように、加圧成形によってペレット状の形成された正極2は、電池ケース1の軸方向Xに対して垂直な面に打錠圧が加わるため、ポリエチレン粉末11は、長径方向が、軸方向Xに垂直な方向に揃って配列されている。なお、ポリエリレン粉末は、打錠によって変形することはなく、形状は保持される。
その結果、同サイズの平均アスペクト比が小さい(球状に近い)ポリエチレン粉末に比べて、加圧方向のスプリングバックが低減されるため、正極ペレットの強度の低下が抑制されたものと考えられる。
また、図3に示すように、アルカリ電池内の電流は、図中の矢印Iで示すように、正極2から集電子(不図示)に向けて、電池ケース1の軸方向Xに対して垂直方向に流れる。すなわち、ポリエチレン粉末11の長径方向は、電流パスの方向Iと平行になっている。そのため、正極2内に平均粒径の大きなポリエチレン粉末が添加されていても、電流パスが、ポリエチレン粉末によって阻害されるおそれは少ない。その結果、ハイレート放電性能の低下が抑制されたものと考えられる。
表6は、表5に示した平均粒径が100μmのポリエチレン粉末(試料F)に対して、平均アスペクト比の大きさを変えて(試料F1〜F3)、正極ペレットの強度、ローレートの放電性能、及びハイレートの放電性能を測定した結果を示したものである。なお、ポリエチレン粉末の添加量は、全て、正極活物質100質量部に対して、2.0質量部とした。また、平均アスペクト比の大きさは、アスペクト比が4以上の粒子の含有量を変えることによって調整した。具体的には、試料F1、F2、F3(平均アスペクト比が3.1、3.7、4.2)は、それぞれ、アスペクト比が4以上の粒子を、30質量%、40質量%、50質量%、それぞれ含有させて調整した。
Figure 2018156854
表6に示すように、平均アスペクト比が3.1以上であれば、嵩上げ効果を上げつつ、ペレット強度の低下やハイレート放電性能の低下を抑制することができる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、二酸化マンガンからなる正極活物質に、平均粒径が100μm以上で、平均アスペクト比の大きなポリエチエン粉末を添加することによって、嵩上げ効果を上げつつ、ペレット強度の低下やハイレート放電性能の低下を抑制したアルカリ電池を実現することができる。これにより、正極の高さ及び強度を維持しつつ、正極活物質量の低減を図った低グレードのアルカリ電池を提供することができる。
本実施形態において、ポリエチレン粉末は、平均粒径(D50)が100〜400μmの範囲にあることが好ましく、100〜200μmの範囲にあることがより好ましい。平均粒径(D50)が100μm未満だと、正極活物質の嵩上げ効果があまり得られず、また、400μmを超えると、正極合剤のペレット化が難しくなる。
また、平均アスペクト比は、3.1以上であることが好ましい。平均アスペクト比は、3.1未満だと、ペレット強度の低下やハイレート放電性能の低下を抑制することが難しくなる。なお、平均アスペクト比の上限は特に限定されないが、製造上、アスペクト比4以上の粒子を50質量%以上含むポリエチレン粉末を得るのは難しいことを考慮すると、実質的には、平均アスペクト比は、4.2以下が好ましいと言える。
また、ポリエチレン粉末は、正極活物質(二酸化マンガン)100質量部に対して、0.1〜2.0質量部の割合で、正極活物質に添加されていることが好ましい。ポリエチレン粉末の添加量が0.1質量部未満だと、正極活物質の嵩上げ効果があまり得られず、また、2.0質量部を超えると、正極合剤の造粒が難しくなる。
また、正極活物質(二酸化マンガン)の平均粒径(D50)は、ポリエチレン粉末の平均粒径(D50)よりも小さいことが好ましく、典型的には、20〜60μmの範囲にあることが好ましい。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、もちろん、種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では、正極活物質に添加するポリオレフィン粉末として、ポリエチレン粉末を例に説明したが、これに限定されず、例えば、ポリプロピレン粉末を添加しても、同様の効果を得ることができる。
表7は、正極活物質(二酸化マンガン)にポリプロピレン(PP)粉末を添加したときの、正極質量比、正極ペレットの強度、ローレート放電性能、及びハイレート放電性能を、それぞれ測定した結果を示したものである。試料Jは、平均粒径が20μmと小さく、また、平均アスペクト比も1.4と小さく、球状に近いポリプロピレン粉末である。また、試料Kは、平均粒径は200μmと大きいが、平均アスペクト比も1.4と小さく、球状に近いポリプロピレン粉末である。一方、試料Lは、平均粒径が200μmと大きく、かつ、平均アスペクト比が3.1と大きいポリプロピレン粉末である。
Figure 2018156854
表7に示すように、試料J、Kと比較しても分かるように、二酸化マンガンに、平均粒径が200μmで、平均アスペクト比が3.1のポリプロピレン粉末(試料L)を添加することによって、嵩上げ効果を上げつつ、ペレット強度の低下やハイレート放電性能の低下を抑制したアルカリ電池を実現することができる。
1 電池ケース
2 正極
3 ゲル状負極
4 セパレータ
5 ガスケット
6 負極端子棒
7 封口板
8 外装ラベル
9 封口体
10 突起部
11 ポリエチレン粉末( ポリオレフィン粉末)
20 アルカリ電池

Claims (5)

  1. 正極及び負極がセパレータを介して電池ケース内に収納されてなるアルカリ電池であって、
    前記正極は、二酸化マンガンからなる正極活物質に、ポリオレフィン粉末が添加されており、
    前記ポリオレフィン粉末は、平均粒径(D50)が100〜400μmの範囲にあり、かつ、平均アスペクト比が3.1以上であり、
    前記ポリオレフィン粉末は、正極活物質100質量部に対して、0.1〜2.0質量部の割合で、前記正極活物質に添加されている、アルカリ電池。
  2. 前記正極活物質の平均粒径(D50)は、20〜60μmの範囲にある、請求項1に記載のアルカリ電池。
  3. 前記ポリオレフィン粉末の平均粒径(D50)は、100〜200μmの範囲にある、請求項1に記載のアルカリ電池。
  4. 前記正極は、中空円筒形に成型されて、前記電池ケース内に収容され、前記負極は、セパレータを介して、前記正極の中空部内に収容されており、
    前記ポリオレフィン粉末は、粒子の長径方向が、前記正極内において、前記電池ケースの軸方向に垂直な方向に揃って配列されている、請求項1〜3の何れかに記載のアルカリ電池。
  5. 前記ポリオレフィン粉末は、ポリエチレン粉末からなる、請求項1〜4の何れかに記載のアルカリ電池。
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