JP2018144532A - 車両用空調装置 - Google Patents

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金本 英之
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Abstract

【課題】車室外の空気及び車室内の空気を同時に導入可能な内外気二層流構造とする場合に、簡単な構造で、内外気二層流モードのときに下側空間の空気が上側空間に向かって流れないようにする。【解決手段】ヒート吹出口27a、27bを開いた状態にあるときにケーシング10の下側空間の空気が上側空間に向かって流れるのを抑制する空気案内板部75を有するヒートダンパ70がケーシング10の内部に設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される車両用空調装置に関し、特に、ケーシングの内部を流れる空気流を制御するダンパを備えた構造の技術分野に属する。
一般に、車両用空調装置は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器、冷風と温風の混合比を決定するエアミックスダンパ、吹出方向を切り替えるための吹き出し方向切替用ダンパ等を備えており、これらはケーシングに収容されるようになっている。また、車両用空調装置は、車両のインストルメントパネルの内部に配設されている(例えば特許文献1〜3参照)。
ケーシングの内部には、送風機により送風された空調用空気が流通する空気通路が形成されていて、この空気通路にエアミックスダンパ及び吹き出し方向切替用ダンパが配置されている。エアミックスダンパは車幅方向に延びる回動軸周りに回動することによって冷風量と温風量との比率を変更し、これにより、目標温度の調和空気を生成することが可能になっている。また、吹き出し方向切替用ダンパはデフロスタ吹出口を開閉するデフロスタダンパやヒート吹出口を開閉するヒートダンパ等からなり、いずれも車幅方向に延びる回動軸周りに回動することによってデフロスタ吹出口やヒート吹出口を開閉し、これにより、車室の所望の箇所に調和空気を供給することが可能になっている。
また、特許文献3の車両用空調装置は、ケーシングの下側に車室内の空気を導入し、上側に車室外の空気を導入する内外気二層流構造とされている。この特許文献3の車両用空調装置では、車室外の空気のみを導入する外気導入モードと、車室内の空気のみを導入する内気循環モードと、車室外の空気及び車室内の空気を同時に導入する内外気二層流モードとのうち、いずれかのモードに自動的に切り替えられるようになっている。
特開2008−62659号公報 特開2012−158219号公報 特開2015−646号公報
ところで、特許文献3の車両用空調装置のように内外気二層流構造とした場合には、内外気二層流モードのときに、ケーシングの下側に車室内の空気を導入し、上側に車室外の空気を導入してそれぞれ温度調節した後、ケーシングの下側に導入した空気を足元近傍に供給する一方、上側に導入した空気をデフロスタ吹出口に供給することで、フロントガラスの曇りを抑制しながら、暖房効率を向上させることができるので、特許文献1、2の車両用空調装置に比べて省エネルギ化できる。
しかしながら、特許文献3の場合、内外気二層流モードのときには、ケーシングの内部を上側と下側とに仕切る必要があるので、その仕切構造をどのようにして設けるかが問題となる。一般に、内外気二層流モードは暖房時に選択されるモードであって冷房時には選択されないモードであることから、冷房時にはケーシングの内部を上側と下側とに仕切る必要はないのであるが、暖房時にはケーシングの内部を上側と下側とに仕切らなければならず、このような仕切構造は複雑化する恐れがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車室外の空気及び車室内の空気を同時に導入可能な内外気二層流構造とする場合に、簡単な構造で、内外気二層流モードのときに下側空間の空気が上側空間に向かって流れないようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、吹出モードに応じて動作するヒートダンパを利用してケーシングの下側空間の空気が上側空間に向かって流れるのを抑制するようにした。
第1の発明は、熱交換器が収容されたケーシングと、上記ケーシング内部に配設され、該ケーシング内部を流れる空気流を制御するためのダンパとを備え、上記ケーシングに車室外の空気のみを導入する外気導入モードと、上記ケーシングに車室内の空気のみを導入する内気循環モードと、上記ケーシングに車室外の空気及び車室内の空気を同時に導入する内外気二層流モードとに切り替え可能に構成された車両用空調装置において、上記ケーシングの内部には、上記内外気二層流モードに切り替えられているときに、車室外の空気及び車室内の空気がそれぞれ導入される上側空間及び下側空間とが設けられ、上記ケーシングの上側には、車両のフロントガラスに調和空気を供給するためのデフロスタ吹出口及び乗員の上半身に調和空気を供給するためのベント吹出口がそれぞれ上記上側空間に連通するように形成され、上記ケーシングの下側には、乗員の足下近傍に調和空気を供給するためのヒート吹出口が上記下側空間に連通するように形成され、上記ヒート吹出口を開閉するとともに、該ヒート吹出口を開いた状態にあるときに上記下側空間の空気が上記上側空間に向かって流れるのを抑制する空気案内板部を有するヒートダンパが上記ケーシングの内部に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、例えば暖房時のように、内外気二層流モードに切り替えられているときには、車室外の空気及び車室内の空気がそれぞれケーシングの上側空間及び下側空間に導入されて熱交換器によって温度調節された後、吹出モードに応じて各吹出口から車室の各部に供給される。暖房時には、通常、ヒート吹出口が開かれているので、ケーシングの下側空間に導入された車室内の空気はケーシングの下側に形成されているヒート吹出口から乗員の足下近傍に供給されることになる。このとき、ヒートダンパはヒート吹出口を開いた状態にあるので、ケーシングの下側空間の空気が上記上側空間に向かって流れるのがヒートダンパの空気案内板部によって抑制される。従って、吹出モードに応じて動作するような別部材等を設けることなく、ヒートダンパを利用してケーシングの下側空間の空気が上側空間に向かって流れるのを抑制することが可能になる。
第2の発明は、第1の発明において、上記ヒートダンパは、上記ヒート吹出口を開閉するための開閉板部を有しており、上記開閉板部と上記空気案内板部とは互いに離れて配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、ヒートダンパの開閉板部によってヒート吹出口が開閉される。この開閉板部と空気案内板部とが互いに離れているので、ヒート吹出口を開閉するのに適した位置に開閉板部を配置しながら、空気案内板部を、下側空間の空気が上側空間に向かって流れるのを抑制するのに適した位置に配置することが可能になる。
第3の発明は、第1または2の発明において、上記ヒート吹出口を閉じた状態で、上記デフロスタ吹出口または上記ベント吹出口から調和空気を供給する吹出モード時に、上記ヒートダンパの上記空気案内板部は上記ケーシングの上側へ向かって延びるように配置されることを特徴とする。
すなわち、ヒート吹出口を閉じた状態でデフロスタ吹出口またはベント吹出口から調和空気を供給する場合には、デフロスタ吹出口及びベント吹出口がケーシングの上側に形成されているので、ケーシングの内部の空気の流れは上側へ向かう流れになる。このとき、ヒートダンパの空気案内板部がケーシングの上側へ向かって延びるように配置されるので、ケーシングの内部の空気を空気案内板部によってデフロスタ吹出口及びベント吹出口方向へ案内することが可能になる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、上記ヒートダンパが上記ヒート吹出口を開いた状態にあるときに、上記空気案内板部が上記下側空間の上部に配置されることを特徴とする。
すなわち、ヒート吹出口から調和空気が吹き出す際には、調和空気がケーシングの下側空間からヒート吹出口に向けて流れ、このときの調和空気の主流は下側空間の上下方向略中間部に位置することになる。この構成では、ヒートダンパがヒート吹出口を開いた状態にあるときに、空気案内板部が下側空間の上部に配置されるので、主流を避けたところに配置される。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、上記空気案内板部は上記ヒートダンパに一体成形されていることを特徴とする。
この構成によれば、空気案内板部を別部材としてヒートダンパに組み付ける場合に比べて部品点数が削減される。
第6の発明は、第1から5のいずれか1つの発明において、上記ヒートダンパは、上記ケーシングに回動可能に支持される回動軸と、該回動軸から径方向に離れて配置され、該回動軸に連結される開閉板部とを有するロータリダンパであることを特徴とする。
この構成によれば、回動軸周りに開閉板部が回動することにより、ヒート吹出口が開閉板部によって開閉される。このとき、空気案内板部も回動軸周りに回動することになり、開閉板部と空気案内板部とを容易に連動させることが可能になる。
第1の発明によれば、ケーシングの下側空間の空気が上側空間に向かって流れるのを抑制する空気案内板部を有するヒートダンパをケーシングの内部に設けたので、簡単な構造で、内外気二層流モードのときに下側空間の空気が上側空間に向かって流れないようにすることができる。
第2の発明によれば、ヒートダンパの開閉板部と空気案内板部とが互いに離れて配置されているので、開閉板部及び空気案内板部をそれぞれ適した位置に配置することができる。
第3の発明によれば、ヒート吹出口を閉じた状態で、デフロスタ吹出口またはベント吹出口から調和空気を供給する吹出モード時に、ヒートダンパの空気案内板部が上側へ向かって延びるように配置されるので、ケーシングの内部の空気を空気案内板部によってデフロスタ吹出口及びベント吹出口方向へ案内することができ、デフロスタ吹出口及びベント吹出口へ向かう流れを積極的に形成することができる。
第4の発明によれば、ヒートダンパがヒート吹出口を開いた状態にあるときに、空気案内板部を、調和空気の主流を避けるように配置することができる。これにより、ヒート吹出口から吹き出す調和空気の流れを邪魔しないようにすることができる。
第5の発明によれば、空気案内板部をヒートダンパに一体成形したので部品点数を削減することができる。
第6の発明によれば、ヒートダンパをロータリダンパとしたことで、開閉板部と空気案内板部とを容易に連動させることができる。
実施形態に係る車両用空調装置を後側から見た図である。 実施形態に係る車両用空調装置の左側面図である。 車両用空調装置がベントモードにある場合の図1におけるIII−III線断面図である。 車両用空調装置がヒートモードにある場合の図3相当図である。 車両用空調装置がバイレベルモードにある場合の図3相当図である。 ヒートダンパを右側から見た斜視図である。 ヒートダンパを左側から見た斜視図である。 ヒートダンパの右側面図である。 ヒートダンパの平面図である。 ヒートダンパを開閉板部側から見た図である。 ヒートダンパを空気案内板部側から見た図である。 図10におけるXII−XII線断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置1を示すものである。車両用空調装置1は、例えば自動車の車室内に設けられているインストルメントパネル(図示せず)の内部に収容された状態で車体に取り付けられるようになっている。車両用空調装置1は、図示しないが送風機を有する送風ユニットを備えている。送風ユニットは、車室内の空気のみ、車室外の空気のみを導入可能であるとともに、車室内の空気及び車室外の空気を同時に導入して上下二層流状態で送風することが可能に構成されている。二層流状態では、車室外の空気が上層で、車室内の空気が下層になる。二層流状態で送風可能な構造の具体例は、たとえば特許文献3等に開示されているので詳細な説明は省略する。この送風ユニットは、車幅方向の一方側に配設することができる。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。また、この実施形態では車両用空調装置1を車両に搭載した状態であると仮定して前後左右を定義する。
(車両用空調装置の概略構造)
例えば、図3に示すように、車両用空調装置1は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器2と、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器3及び電気ヒータ4と、冷却用熱交換器2により冷却された冷風と加熱用熱交換器3及び電気ヒータ4により加熱された温風との混合比を決定する上側エアミックスダンパ5及び下側エアミックスダンパ6と、冷却用熱交換器2、加熱用熱交換器3、電気ヒータ4及びエアミックスダンパ5、6を収容する空調ケーシング10(図1等に示す)とを備えている。
図2にも示すように、空調ケーシング10は、前後方向の中間部において分割可能に構成されている。空調ケーシング10の前側部分は、上下方向の中間部において分割可能に構成されていて、上側ケーシング構成部材11と、下側ケーシング構成部材12とを有している。図1に示すように、空調ケーシング10の後側部分は、左右方向の中間部において分割可能に構成されていて、右側ケーシング構成部材13と、左側ケーシング構成部材14とを有している。上側ケーシング構成部材11、下側ケーシング構成部材12、右側ケーシング構成部材13及び左側ケーシング構成部材14は樹脂材からなるものであり、互いに締結部材等によって締結されて一体化されている。
図3に示すように、上側ケーシング構成部材11及び下側ケーシング構成部材12の内部に冷却用熱交換器2が収容されている。右側ケーシング構成部材13及び左側ケーシング構成部材14の内部に加熱用熱交換器3、電気ヒータ4及びエアミックスダンパ5、6が収容されている。
また、車両用空調装置1は、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ70及び後席ベント用ダンパ23を有しており、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ70及び後席ベント用ダンパ23は右側ケーシング構成部材13及び左側ケーシング構成部材14の内部に収容されている。デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ70、80及び後席ベント用ダンパ23は、空調ケーシング10内部を流れる空気流を制御することによって調和空気の吹出方向を切り替えるための吹出方向切替ダンパである。「空気流を制御する」とは、例えば空気の流れを止めたり、空気の流れる方向を変更したりすることである。
つまり、車両用空調装置1は、上側エアミックスダンパ5及び下側エアミックスダンパ6によって決定された混合比となるように温風及び冷風を混合して調和空気を生成し、生成された調和空気を、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ70及び後席ベント用ダンパ23の動作に応じて車室の各部に供給するように構成されている。
図1等に示すように、空調ケーシング10の上壁部(空調ケーシング10の上側)には、調和空気が吹き出すデフロスタ吹出口25が形成されている。このデフロスタ吹出口25は左右方向に長い形状となっている。デフロスタ吹出口25から吹き出す調和空気は、車両のフロントガラス(図示せず)の内面に向けて供給される。デフロスタ吹出口25には、デフロスタダクト(図示せず)を接続することができる。
空調ケーシング10の上壁部におけるデフロスタ吹出口25よりも後側には、左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bと、センターベント吹出口26cとが形成されている。左側ベント吹出口26aは、空調ケーシング10の左側部分に開口しており、左側ベント吹出口26aから吹き出す調和空気は、前席の左側に着座している乗員の上半身に向けて供給される。右側ベント吹出口26bは、空調ケーシング10の右側部分に開口しており、右側ベント吹出口26bから吹き出す調和空気は、前席の右側に着座している乗員の上半身に向けて供給される。センターベント吹出口26cは、空調ケーシング10の上部における車幅方向中央部、即ち、左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bとの間に開口している。センターベント吹出口26cから吹き出す調和空気は、主に前席に着座している乗員の上半身に向けて供給される。左側ベント吹出口26a、右側ベント吹出口26b及びセンターベント吹出口26cには、ベントダクト(図示せず)を接続することができる。
図2及び図3に示すように、空調ケーシング10の後壁部には、上下方向の中間部にフロントヒート吹出口27aと、リヤヒート吹出口27bとが上下方向に互いに離れて形成されている。フロントヒート吹出口27aは、空調ケーシング10の左側及び右側に向けてそれぞれ開口しており、フロントヒート吹出口27aから吹き出す調和空気は、車両の前席乗員の足下近傍において運転席側及び助手席側にそれぞれ供給される。リヤヒート吹出口27bは、空調ケーシング10の左側及び右側に向けてそれぞれ開口しており、リヤヒート吹出口27bから吹き出す調和空気は、車両の後席乗員の足下近傍において左右両側にそれぞれ供給される。フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bには、ヒートダクト(図示せず)を接続することができる。また、フロントヒート吹出口27aはリヤヒート吹出口27bの上方に形成されている。
空調ケーシング10の後壁部におけるフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bよりも下側には、後席用吹出口28が形成されている。後席用吹出口28から吹き出す調和空気は、後席に着座している乗員(後席乗員)の例えば上半身に供給される。後席用吹出口28は左右方向に長い形状とされており、空調ケーシング10の左右方向中央部に位置している。後席用吹出口28には、後席近傍まで延びる後席用ダクト(図示せず)を接続することができる。
図3に示すように、空調ケーシング10の内部には、冷却用熱交換器2が配置される冷却用熱交換器配置通路30と、上側温風通路R1と、下側温風通路R2と、上側冷風通路32と、下側冷風通路33と、デフロスタ通路34と、ベント通路35と、ヒート通路36と、後席用通路37とが形成されている。冷却用熱交換器配置通路30は、図示しない送風機により送風された空調用空気を冷却用熱交換器2に送るための空気通路である。
また、図3に示すように、空調ケーシング10の右側壁部の前部には、空調用空気を導入するための空気導入口24が形成されている。空気導入口24は上下方向に長い形状とされている。空気導入口24には、送風ユニットが接続されている。また、この空気導入口24は、冷却用熱交換器配置通路30と連通している。
冷却用熱交換器配置通路30は、上層通路(上側空間)30aと下層通路(下側空間)30bとからなり、上層通路30aと下層通路30bとの間には左右方向及び前後方向に延びる仕切板(図示せず)を配設することができる。上層通路30aには、送風ユニットから送風された上層空気が導入され、下層通路30bには、送風ユニットから送風された下層空気が導入される。つまり、空調ケーシング10内部には、送風ユニットから送風された空気が上下二層流状態で導入される場合があり、この導入モードを内外気二層流モードと呼ぶことができる。尚、送風ユニットが有する内外気ダンパの切り替え動作により、上記内外気二層流モードの他、上層通路30aと下層通路30bに車室外の空気が導入される外気導入モードや、上層通路30aと下層通路30bに車室内の空気が導入される内気循環モードにも切り替えられる。
冷却用熱交換器配置通路30は、空調ケーシング10の内部において前部に形成されている。この冷却用熱交換器配置通路30の上流端には空気導入口24が連通しており、送風ユニットから送風された空調用空気は全量が冷却用熱交換器配置通路30に導入されるようになっている。冷却用熱交換器配置通路30の縦断面は、空調ケーシング10の上部から下部に亘るとともに、空調ケーシング10の左側から右側に亘っており、広い断面となっている。
冷却用熱交換器配置通路30に配置されている冷却用熱交換器2は、冷凍サイクルの蒸発器(エバポレータ)で構成されている。冷却用熱交換器配置通路30は、空気通過面が上下方向に延びる姿勢とされている。冷却用熱交換器配置通路30の上部は上側ケーシング構成部材11に保持される一方、冷却用熱交換器配置通路30の下部は下側ケーシング構成部材12に保持されている。上層通路30aの空気は冷却用熱交換器配置通路30の上側を通過し、下層通路30bの空気は冷却用熱交換器配置通路30の下側を通過することになる。
冷却用熱交換器配置通路30には減圧弁(図示せず)を経て減圧された冷媒が流入するようになっており、この冷媒と空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が冷却されるようになっている。空調用空気の冷却時に発生した凝縮水は、下側ケーシング構成部材12に形成されたドレン部(図示せず)から空調ケーシング10の外部に排出されるようになっている。
上側温風通路R1及び下側温風通路R2は、加熱用熱交換器3により加熱された温風が流通する通路であり、この実施形態では下側温風通路R2には電気ヒータ4によって加熱された温風も流通するが、上側温風通路R1には電気ヒータ4によって加熱された温風が流通しないようになっている。
上側温風通路R1及び下側温風通路R2は、空調ケーシング10の内部において上下方向中間部に形成されており、前後方向に延びている。上側温風通路R1の縦断面及び下側温風通路R2の縦断面を合わせた面積は、冷却用熱交換器配置通路30の縦断面の面積よりも狭く設定されている。上側温風通路R1は、本発明の上側空間に相当しており、冷却用熱交換器配置通路30の上層通路30aの下流端と連通している。下側温風通路R2は、本発明の下側空間に相当しており、冷却用熱交換器配置通路30の下層通路30bの下流端と連通している。
加熱用熱交換器3は、車両に搭載されたエンジン(図示せず)の冷却水が流れるヒータコアで構成されている。加熱用熱交換器3を流れるエンジンの冷却水と空調用空気とが熱交換することによって空調用空気が加熱されるようになっている。上層通路30aの空気は加熱用熱交換器3の上側を通過し、下層通路30bの空気は加熱用熱交換器3の下側を通過することになる。
また、電気ヒータ4は、例えば車両のバッテリ(図示せず)等から電力を供給することによって発熱する発熱素子(図示せず)を有しており、この発熱素子が発した熱によって空調用空気が加熱されるようになっている。尚、電気ヒータ4は、省略してもよい。また、加熱用熱交換器3の代わりに、電気ヒータ4を用いてもよいし、冷媒を凝縮する冷媒凝縮器を用いてもよい。また、これら熱源は任意に組み合わせて用いることができ、例えば、冷媒凝縮器と電気ヒータ4とを併用することもできる。電気自動車の場合には、エンジンが無いので、冷媒凝縮器や電気ヒータ4を使用することができる。
上側冷風通路32は、空調ケーシング10の内部において上側温風通路R1の上方に設けられている。上側冷風通路32は、前後方向に延びており、上流端は冷却用熱交換器配置通路30の下流端における上部に連通している。
下側冷風通路33は、空調ケーシング10の内部において下側温風通路R2の下方に設けられている。下側冷風通路33は、前後方向に延びており、上流端は冷却用熱交換器配置通路30の下流端における下部に連通している。下側冷風通路33は、空調ケーシング10の底壁部に沿って後方へ延びた後、上方へ屈曲している。
上側冷風通路32及び下側冷風通路33には、冷却用熱交換器2により冷却された冷風が流通する。上側冷風通路32及び下側冷風通路33を流通した冷風は、上側温風通路R1及び下側温風通路R2をバイパスして流れることになる。
デフロスタ通路34は、空調ケーシング10の内部において上側冷風通路32の上方に設けられ、上下方向に延びている。デフロスタ通路34の上流端(下端部)は、上側冷風通路32の上流端近傍に位置している。デフロスタ通路34の下流端(上端部)は、デフロスタ吹出口25に接続されている。
ベント通路35は、空調ケーシング10の内部において上側冷風通路32の上方に設けられ、上下方向に延びている。ベント通路35の上流端(下端部)は、上側冷風通路32の上流端近傍に位置している。ベント通路35の下流端(上端部)は、左側ベント吹出口26aと、右側ベント吹出口26bと、センターベント吹出口26cとに接続されている。
後席用通路37は、空調ケーシング10の下部に設けられており、後席乗員へ調和空気を供給するための通路である。後席用通路37は前後方向に延びている。後席用通路37の上流端(前端部)は、下側冷風通路33の下流端近傍に位置している。後席用通路37の下流端(後端部)は、後席用吹出口28に接続されている。
ヒート通路36は、空調ケーシング10の内部において上側冷風通路32の下方であって、かつ、下側冷風通路33の上方に設けられている。つまり、ヒート通路36は、後席用通路37の上方に設けられている。そして、ヒート通路36は、乗員の足下近傍へ調和空気を供給するためのものである。
空調ケーシング10の内部には、加熱用熱交換器3よりも前側に離れた部分に、上下方向に延びる中間縦壁部10bが形成されている。また、空調ケーシング10の内部には、中間縦壁部10bから上側に離れた部分に、上下方向に延びる上側縦壁部10cが形成されている。さらに、空調ケーシング10の内部には、中間縦壁部10bから下側に離れた部分に、上下方向に延びる下側縦壁部10dが形成されている。
そして、上側縦壁部10cの下端部と中間縦壁部10bの上端部との間には上側開口部10eが形成され、また、下側縦壁部10dの上端部と中間縦壁部10bの下端部との間には下側開口部10fが形成されている。上側エアミックスダンパ5は、上側開口部10e内で動作し、冷却用熱交換器配置通路30から上側冷風通路32に流入する冷風量と、冷却用熱交換器配置通路30から上側温風通路R1の上側に流入する冷風量との比率を変更する。
すなわち、上側エアミックスダンパ5は、左右方向に延びる回動軸5aと、回動軸5aの径方向に延びる板部5bとを有している。回動軸5aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。上側エアミックスダンパ5が回動軸5a周りに上方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から上側冷風通路32に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は上側開口部10eから上側温風通路R1に流入する。一方、上側エアミックスダンパ5が回動軸5a周りに下方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から上側温風通路R1に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は上側開口部10eから上側冷風通路32に流入する。
上側エアミックスダンパ5が中間の回動位置にあるときには、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は上側開口部10eから上側冷風通路32及び上側温風通路R1の両方に流入する。上側エアミックスダンパ5の回動位置によって上側冷風通路32に流入する冷風量と、上側温風通路R1に流入して加熱されることになる冷風量との比率が変更される。つまり、上側エアミックスダンパ5は、冷却用熱交換器2により冷却された冷風と、加熱用熱交換器3により加熱された温風との混合比を決定するためのものである。
また、下側エアミックスダンパ6は、下側開口部10f内で動作し、冷却用熱交換器配置通路30から下側冷風通路33に流入する冷風量と、冷却用熱交換器配置通路30から下側温風通路R2の下側に流入する冷風量との比率を変更する。
すなわち、下側エアミックスダンパ6は、左右方向に延びる回動軸6aと、回動軸6aの径方向に延びる板部6bとを有している。回動軸6aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。下側エアミックスダンパ6が回動軸6a周りに下方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から下側冷風通路33に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は下側開口部10fから下側温風通路R2に流入する。一方、下側エアミックスダンパ6が回動軸6a周りに上方へいっぱいまで回動すると、冷却用熱交換器配置通路30から下側温風通路R2に流入する冷風量が0となり、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は下側開口部10fから下側冷風通路33に流入する。
下側エアミックスダンパ6が中間の回動位置にあるときには、冷却用熱交換器配置通路30の冷風は下側開口部10fから下側冷風通路33及び下側温風通路R2の両方に流入する。下側エアミックスダンパ6の回動位置によって下側冷風通路33に流入する冷風量と、下側温風通路R2に流入して加熱されることになる冷風量との比率が変更される。つまり、下側エアミックスダンパ6は、冷却用熱交換器2により冷却された冷風と、加熱用熱交換器3(及び電気ヒータ4)により加熱された温風との混合比を決定するためのものである。
空調ケーシング10の内部には、加熱用熱交換器3よりも空気流れ方向上流側に、中間縦壁部10bの上下方向中間部から後側へ向けて延びる中間板部10gが形成されている。この中間板部10gは左右方向に延びている。中間板部10gよりも上側が、送風ユニットから送風された上層の空気が流通する上側温風通路R1となり、中間板部10gよりも下側が、送風ユニットから送風された下層の空気が流通する下側温風通路R2となり、中間縦壁部10bは空調ケーシング10内部を上下に仕切る仕切板として作用する。中間縦壁部10bは加熱用熱交換器3の空気流れ方向上流側の面近傍まで延びている。
また、空調ケーシング10の内部には、加熱用熱交換器3よりも空気流れ方向下流側に、下流側仕切板17が設けられている。下流側仕切板17は、加熱用熱交換器3の空気流れ方向下流側の面近傍から後側へ延びる前側仕切部17aと、前側仕切部17aの後端部から上方へ延びる後側仕切部17bとを有している。前側仕切部17aの高さは、中間板部10gの高さと略等しく設定されており、前側仕切部17aよりも上側が、送風ユニットから送風された上層の空気が流通する上側温風通路R1となり、前側仕切部17aよりも下側が、送風ユニットから送風された下層の空気が流通する下側温風通路R2となる。前側仕切部17aよりも下側に電気ヒータ4が配置される。
後側仕切部17bは、加熱用熱交換器3の空気流れ方向下流側の面に対して所定の間隔をあけた状態で対向するように配置されている。後側仕切部17bと加熱用熱交換器3の空気流れ方向下流側の面との間の隙間は、加熱用熱交換器3を通過した空気が流出し易いように広く設定されている。また、後側仕切部17bは上側へいくほど加熱用熱交換器3から離れるように形成されており、このことによっても加熱用熱交換器3を通過した空気が流出し易くなっている。
デフロスタ通路34には、デフロスタ通路34を開閉するためのデフロスタダンパ20が配設されている。デフロスタダンパ20は、左右方向に延びる回動軸20aと、回動軸20aの径方向に延びる板部20bとを有している。回動軸20aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。デフロスタダンパ20が回動軸20a周りに回動することによってデフロスタ通路34が開閉される。
ベント通路35には、ベント通路35を開閉するためのベントダンパ21が配設されている。ベントダンパ21は、左右方向に延びる回動軸21aと、回動軸21aから径方向に離れた状態で該回動軸21aに支持される板部21bとを有している。回動軸21aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。ベントダンパ21が回動軸21a周りに回動することによってベント通路35が開閉される。
後席用通路37には、後席用通路37を開閉するための後席ベント用ダンパ23が配設されている。後席ベント用ダンパ23は、左右方向に延びる回動軸23aと、回動軸23aから径方向に延びる板部23bとを有している。回動軸23aは空調ケーシング10の左側壁部及び右側壁部に対して回動可能に支持されている。後席ベント用ダンパ23が回動軸23a周りに回動することによって後席用通路37が開閉される。
ヒートダンパ70は、空気流を制御することにより、ヒート通路36に空気を流入させる状態と、流入させない状態とに切り替えるための部材である。図6及び図7等にも示すように、ヒートダンパ70は、左右方向に延びる回動軸71、71と、回動軸71、71から径方向に離れて該回動軸71と一体に設けられ、ヒート吹出口27a、27bを開閉する開閉板部72と、開閉板部72の右端部に設けられる右端板部73と、開閉板部72の左端部に設けられる左端板部74と、空気案内板部75とを備えており、いわゆるロータリダンパで構成されている。ヒートダンパ70の回動軸71、開閉板部72、右端板部73、左端板部74及び空気案内板部75を樹脂材により一体成形することで、空気案内板部75をヒートダンパ70に一体成形することが可能になる。尚、ヒートダンパ70の回動軸71、開閉板部72、右端板部73、左端板部74及び空気案内板部75を別々に成形した後、組み立てて一体化するようにしてもよい。また、ヒートダンパ70の縁部には、例えば発泡ウレタン等の弾性材からなるシール材76が設けられている。
ヒートダンパ70の左側に位置する回動軸71は、該ヒートダンパ70の左端板部74よりも左側へ突出しており、空調ケーシング10の左側壁部に回動可能に支持されている。ヒートダンパ70の右側に位置する回動軸71は、該ヒートダンパ70の右端板部73よりも右側へ突出しており、空調ケーシング10に対して回動可能に支持されている。
尚、空調ケーシング10に該空調ケーシング10の一部を構成する中間プレート(図示せず)が設けられている場合には、ヒートダンパ70の右側に位置する回動軸71は中間プレート対して回動可能に支持することができる。中間プレートは、空調ケーシング10の内部を左側と右側とに区画するための部材であり、空調ケーシング10の内部において前後方向及び上下方向に延びている。空調ケーシング10の内部において中間プレートよりも右側の空間は、車室の右側領域に供給する調和空気を生成する空間となり、空調ケーシング10の内部において中間プレートよりも左側の空間は、車室の左側領域に供給する調和空気を生成する空間となる。つまり、中間プレートを設けることで、左右独立温度コントロールタイプの車両用空調装置1にすることができる。この場合、ヒートダンパ70を左右それぞれ設ければよい。左右独立温度コントロールタイプの車両用空調装置1にしない場合には、中間プレートを省略してもよい。
ヒートダンパ70の回動軸71には、図1や図2に示すアクチュータAの駆動力が入力されるようになっているが、これに限らず、乗員による操作力が入力されるように構成してもよい。右端板部73と左端板部74とは、回動軸71の径方向に延びており、開閉板部72を回動軸71に連結するための部分である。また、開閉板部72と空気案内板部75とは、回動軸71の径方向に互いに離れて配置されるとともに、回動軸71方向に延びている。
車両用空調装置1は、図3に示すベントモード、図4に示すヒートモード、図5に示すバイレベルモードの他にも、図示しないが、デフロスタモードやデフ/ヒートモード等の吹出モードにも切り替えられるように構成されている。吹出モードの切り替えは、デフロスタダンパ20、ベントダンパ21、ヒートダンパ70及び後席ベント用ダンパ23を作動させることによって行われるのであるが、これらダンパの作動は従来から周知のリンク機構や個別に設けられたアクチュエータ等によってなされるものであることから駆動機構の詳細についての説明は省略する。
(ベントモード)
図3に示すベントモードは、デフロスタダンパ20を閉状態にし、かつ、ベントダンパ21を全開状態にし、さらに、ヒートダンパ70を全閉状態にして調和空気(温風)を、左側ベント吹出口26a、右側ベント吹出口26b及びセンターベント吹出口26cに流すモードである。また、ベントモードでは、後席ベント用ダンパ23が開いた状態になる。
ベントモードでは、ヒートダンパ70の開閉板部72がフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bを閉じた状態になる。この状態では、ヒートダンパ70が回動軸71周りに後側へいっぱいまで回動し、ヒートダンパ70の開閉板部72が、上下方向に延びる姿勢とされてヒート通路36の入口を閉塞し、これにより、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bが閉じられる。
ヒートダンパ70がフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bを閉じた状態でベント吹出口26a、26b、26cから調和空気を供給するベントモード時には、ベント吹出口26a、26b、26cが空調ケーシング10の上側に形成されているので、空調ケーシング10の内部の空気の流れは上側へ向かう流れになる。このベントモード時には、ヒートダンパ70の空気案内板部75が空調ケーシング10の上側へ向かって延びるように配置される。これにより、空調ケーシング10の内部の空気を空気案内板部75によってベント吹出口26a、26b、26c方向へ案内することが可能になるので、ベント吹出口26a、26b、26cから吹き出す風量を十分に確保できる。
また、ベントモード時には、ヒートダンパ70の開閉板部72がフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bを閉じるので、上下方向に延びる姿勢となる。そして、空気案内板部75も上下方向に延びる姿勢となり、この空気案内板部75は開閉板部72から前側に離れて配置される。従って、下側温風通路R2及び下側冷風通路33を流通した空気は、主に、空気案内板部75と開閉板部72との間から上側へ流れていく。また、空気案内板部75は、加熱用熱交換器3から後側に離れて配置される。
(デフロスタモード)
図示しないが、デフロスタモードは、デフロスタダンパ20を全開状態にし、かつ、ベントダンパ21を全閉状態にし、さらに、ヒートダンパ70を全閉状態にして調和空気(温風)をデフロスタ吹出口25に流すモードである。このデフロスタモードでも、空調ケーシング10の内部の空気の流れは上側へ向かう流れになるとともに、ヒートダンパ70の空気案内板部75が空調ケーシング10の上側へ向かって延びるように配置される。これにより、空調ケーシング10の内部の空気を空気案内板部75によってベント吹出口26a、26b、26c方向へ案内することが可能になるので、デフロスタ吹出口25から吹き出す風量を十分に確保できる。
(ヒートモード)
図4に示すヒートモードは、デフロスタダンパ20をわずかに開いた状態にし、かつ、ベントダンパ21を全閉状態にし、さらに、ヒートダンパ70を全開状態にして調和空気(温風)を、デフロスタ吹出口25、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bに流すモードである。また、ヒートモードでは、後席ベント用ダンパ23が閉じた状態になる。
ヒートモードでは、ヒートダンパ70の開閉板部72がフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bを開いた状態になる。この状態では、ヒートダンパ70が回動軸71周りに前側へいっぱいまで回動し、ヒートダンパ70の開閉板部72が、前後方向に延びる姿勢とされてヒート通路36の入口を開放し、これにより、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bが開かれる。
ヒートダンパ70がフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bを開いた状態にあるときには、空気案内板部75の前端部が下流側仕切板17の前側仕切部17aの後端部近傍に位置し、空気案内板部75が前側仕切部17aを後側へ延長するように配置される。このとき、空気案内板部75は後側へ行くほど下に位置するように位置付けられるので、前側仕切部17aよりも下側の空間の空気が上側の空間に向かって流れるのが抑制される。また、ヒートダンパ70がフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bを開いた状態にあるときに、空気案内板部75が下側温風通路R2の上部に配置される。
(バイレベルモード)
図5に示すバイレベルモードは、デフロスタダンパ20を閉状態にし、かつ、ベントダンパ21を開いた状態にし、さらに、ヒートダンパ70を開いた状態にして調和空気(温冷風混流)をデフロスタ吹出口25、左側ベント吹出口26a、右側ベント吹出口26b、センターベント吹出口26c、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bに流すモードである。また、ヒートモードでは、後席ベント用ダンパ23が開いた状態になる。
バイレベルモードでは、ヒートダンパ70がヒートモード時に比べて後側へ回動する。これにより、ヒートダンパ70の開閉板部72と、下流側仕切板17の後側仕切部17bとの間に隙間が形成され、下側温風通路R2及び下側冷風通路33を流通した空気がその隙間を通って上側へ流れていく。また、空気案内板部75の前端部が下流側仕切板17の前側仕切部17aの後端部近傍に位置し、空気案内板部75が前側仕切部17aを後側へ延長するように配置される。このとき、空気案内板部75は後側へ行くほど下に位置するように位置付けられるので、前側仕切部17aよりも下側の空間の空気が上側の空間に向かって流れるのが抑制される。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態に係る車両用空調装置1によれば、例えば暖房時のように、内外気二層流モードに切り替えられているときには、車室外の空気及び車室内の空気がそれぞれ空調ケーシング10の上側空間及び下側空間に導入されて熱交換器2、3によって温度調節された後、吹出モードに応じて各吹出口25、26a、26b、26c、27a、27b、28から車室の各部に供給される。暖房時には、通常、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bが開かれているので、空調ケーシング10の下側空間に導入された車室内の空気は空調ケーシング10の下側に形成されているフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bから乗員の足下近傍に供給されることになる。このとき、ヒートダンパ70はフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bを開いた状態にあり、空調ケーシング10の下側空間の空気が上側空間に向かって流れるのがヒートダンパ70の空気案内板部75によって抑制される。従って、吹出モードに応じて動作するような別部材等を設けることなく、ヒートダンパ70を利用して空調ケーシング70の下側空間の空気が上側空間に向かって流れるのを抑制することができ、暖房時の効率を高めることができる。
また、ヒートダンパ70の開閉板部72と空気案内板部75とが互いに離れて配置されているので、開閉板部72及び空気案内板部75をそれぞれ適した位置に配置することができる。
また、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bを閉じた状態で、デフロスタ吹出口25またはベント吹出口26a、26b、26cから調和空気を供給する吹出モード時に、ヒートダンパ70の空気案内板部75が上側へ向かって延びるように配置することができる。これにより、空調ケーシング10の内部の空気を空気案内板部75によってデフロスタ吹出口25及びベント吹出口26a、26b、26c方向へ案内することができ、デフロスタ吹出口25及びベント吹出口26a、26b、26cへ向かう流れを積極的に形成することができる。
また、ヒートダンパ70がフロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bを開いた状態にあるときに、空気案内板部75を、調和空気の主流を避けるように配置することができる。これにより、フロントヒート吹出口27a及びリヤヒート吹出口27bから吹き出す調和空気の流れを邪魔しないようにすることができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置は、例えば自動車等に搭載することができる。
1 車両用空調装置
2 冷却用熱交換器
3 加熱用熱交換器
10 空調ケーシング
25 デフロスタ吹出口
26a、26b、26c ベント吹出口
27a フロントヒート吹出口
27b リヤヒート吹出口
30a 上層通路
30b 下層通路
70 ヒートダンパ
71 回動軸
72 開閉板部
75 空気案内板部
R1 上側温風通路
R2 下側温風通路

Claims (6)

  1. 熱交換器が収容されたケーシングと、
    上記ケーシング内部に配設され、該ケーシング内部を流れる空気流を制御するためのダンパとを備え、
    上記ケーシングに車室外の空気のみを導入する外気導入モードと、上記ケーシングに車室内の空気のみを導入する内気循環モードと、上記ケーシングに車室外の空気及び車室内の空気を同時に導入する内外気二層流モードとに切り替え可能に構成された車両用空調装置において、
    上記ケーシングの内部には、上記内外気二層流モードに切り替えられているときに、車室外の空気及び車室内の空気がそれぞれ導入される上側空間及び下側空間とが設けられ、
    上記ケーシングの上側には、車両のフロントガラスに調和空気を供給するためのデフロスタ吹出口及び乗員の上半身に調和空気を供給するためのベント吹出口がそれぞれ上記上側空間に連通するように形成され、
    上記ケーシングの下側には、乗員の足下近傍に調和空気を供給するためのヒート吹出口が上記下側空間に連通するように形成され、
    上記ヒート吹出口を開閉するとともに、該ヒート吹出口を開いた状態にあるときに上記下側空間の空気が上記上側空間に向かって流れるのを抑制する空気案内板部を有するヒートダンパが上記ケーシングの内部に設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    上記ヒートダンパは、上記ヒート吹出口を開閉するための開閉板部を有しており、
    上記開閉板部と上記空気案内板部とは互いに離れて配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
    上記ヒート吹出口を閉じた状態で、上記デフロスタ吹出口または上記ベント吹出口から調和空気を供給する吹出モード時に、上記ヒートダンパの上記空気案内板部は上記ケーシングの上側へ向かって延びるように配置されることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記ヒートダンパが上記ヒート吹出口を開いた状態にあるときに、上記空気案内板部が上記下側空間の上部に配置されることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記空気案内板部は上記ヒートダンパに一体成形されていることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    上記ヒートダンパは、上記ケーシングに回動可能に支持される回動軸と、該回動軸から径方向に離れて配置され、該回動軸に連結される開閉板部とを有するロータリダンパであることを特徴とする車両用空調装置。
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