JP2018137873A - リニアモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】小さい駆動起磁力にて所定の推力を得ることができるコア付き型リニアモータの特性を維持しながら、可動子と固定子との間に発生する吸引力を小さくできるリニアモータを提供する。
【解決手段】リニアモータ10は、可動子コア14の上下2列で等間隔に配列された凹部に永久磁石13を埋め込んでなる可動子本体11に駆動コイル12を巻回してなる可動子1と、可動子1の両列に対向するヨーク21の2つの面それぞれに等間隔に複数の磁極歯22が配列されている固定子2とを組み合わせている。各永久磁石13は移動方向に平行に磁化されており、各列の隣り合う永久磁石13,13は磁化方向が逆向きであって、移動方向で同じ位置にある上下の永久磁石13,13も磁化方向が逆向きである。上下の複数の磁極歯22は移動方向で同じ位置にあり、磁極歯22の配列間隔は、永久磁石13の配列間隔の2倍である。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動コイル及び永久磁石を有する可動子と、磁極歯を有する固定子とを組み合わせて直線運動出力を取り出す電機子可動型のリニアモータに関する。
半導体、液晶ディスプレイの製造設備では、重力方向に対して垂直なX−Y平面内で製造中間物を低振動で精度よく搬送させる機構が必要である。直交配置されたリニアガイド上を独立して移動できるアクチュエータによりX−Yテーブルが駆動されて、製造中間物が搬送される。この機構の移動には、精度の高さと振動の無いことが要求されるため、一般の加工機械に用いられているような回転機の力をボールねじにより平行移動に変えるような方式は利用されず、直接平行移動が可能なリニアモータが駆動機構として利用されている。このようなリニアモータとして、ディテント力(可動子を駆動せずに移動させたときに生じる応力脈動)を小さくするために、ディテント力が原理的に発生しないコアレス型リニアモータが広く使用されている。
前記X−Yテーブルのリニアガイドに平行して取り付けられた長尺の永久磁石界磁を有するリニアモータが用いられている。具体的には、前記X−Yテーブルの側面に駆動する電機子が取り付けやすいように、永久磁石界磁は溝型断面をもつ外ヨークの内側に周期的に極性が変わるように配列された永久磁石を有し、これらの永久磁石が作る磁界に3相駆動コイルが挿入され、界磁周期に同期した3相交流電流を印加することにより界磁の長手方向に発生する推力を得ている。このような構造では、駆動コイルが移動方向以外の応力を発生しない。よって、内部の支持構造は持たず、前記X−Yテーブルの側面に片持ち固定するだけでよいため、支持構造が簡素化される。
コアレス型リニアモータでは、駆動コイルが鉄芯を持たず、空芯コイルであるため駆動推力はローレンツ力のみとなる。このため、駆動電流に対して発生する推力がコア付き型リニアモータと比較して小さい。したがって、所定の推力を得るためにコア付き型リニアモータより多くの電流を印加することで推力を確保している。ここで、駆動コイルに発生する銅損は駆動電流の二乗に比例するため、コアレス型リニアモータは発熱が大きいという課題がある。そして、駆動コイルの発熱が大きいため、大型の液冷式の冷却装置が必要となり、コストアップを招くことになる。また、液漏れが発生する可能性もある。
駆動コイルをコア付きのコイルとすることにより、推力をマックスウェル力で得るようにして、発熱を抑えるべく、小さい駆動起磁力にて所定の推力が得られるコア付き型リニアモータが種々提案されている(特許文献1〜3など)。
国際公開第2014/148434号 特開2001−157435号 国際公開第2014/141887号
特許文献1に開示されたリニアモータでは、固定子が可動子の移動方向に長い2つの板状部を有し、2つの板状部の対向する面には、複数の磁極歯が、一方の板状部の磁極歯と他方の板状部の磁極歯とが千鳥状となるように移動方向に並設しており、可動子は、駆動コイルの内部に、移動方向に沿って2つの永久磁石及び3つのヨークを交互に配列させた構成を有し、2つの永久磁石は移動方向に平行に磁化してあって、磁化方向が逆向きである。
このリニアモータでは、固定子の磁極歯が2つの板状部同士で移動方向にずれて配設されているので、可動子の移動に伴って、その移動方向に垂直な方向(2つの板状部の対向方向)に大きな吸引力が正、負の方向に交互に発生する。この結果、可動子の振動、固定子への可動子の接触という問題が生じる。そして、可動子の支持構造にも大きな負担がかかるため、大型の支持構造が必要であるという問題もある。
特許文献2に開示されたリニアモータは、可動子の駆動コイルの内部に電機子ヨークを介在させて複数の永久磁石が移動方向に配列されており、複数の永久磁石は移動方向に平行に磁化してあって、隣り合う磁石は磁化方向が逆向きである可動子と、移動方向に磁極歯を配置した固定子とを対向させた構成を有している。
このリニアモータでも、駆動していないときに永久磁石からの磁束が固定子の磁極歯側に多く発生するため、固定子と可動子との間に大きい吸引力が発生し、特に電機子ヨークと磁極歯との位置が一致するときに大きな吸引力が発生するため、可動子の移動に伴い大きな吸引力リプルが発生する。したがって、この大きな吸引力リプルを抑えるために剛性が高い支持構造を必要とする。
特許文献3に開示されたリニアモータでは、駆動コイルの内部に電機子ヨークを介在させて複数の永久磁石を移動方向に配列させた2つの固定子を対向させ、この2つの固定子の間に可動子を挿入させた構成としている。このリニアモータでは、上下の固定子の対向配置された電機子ヨーク間に大きなギャップ磁束が発生するが、可動子には上下の電機子ヨークから方向が逆である吸引力がそれぞれ働くため、可動子に働く力は相殺されて小さくなる。
しかしながら、このリニアモータでは、可動子が僅かでも上下方向に位置ずれを起こした場合には、ギャップが狭くなった方に大きな吸引力が働くため、可動子は位置ずれと同じ方向にさらに移動することになる。よって、可動子の支持構造の剛性が小さいときには可動子と固定子とが接触する可能性があり、可動子の支持構造が大型化する問題がある。
上述したように、発熱を抑えるべく、小さい駆動起磁力にて所定の推力を得るようにした従来のコア付き型リニアモータでは、駆動していないとき、駆動しているときに関わらずに、固定子と可動子との間に、移動方向に垂直な方向(上下方向)に推力に寄与しない大きな吸引力が発生するため、大型で剛性が高い可動子の支持構造が必要であるという問題がある。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、小さい駆動起磁力にて所定の推力を得ることができるコア付き型リニアモータの特性を維持しながら、可動子と固定子との間に発生する吸引力が小さくて、可動子の移動方向に垂直な方向(上下方向)の吸引力リプルを低減できて、可動子の支持構造の小型化を図れるリニアモータを提供することを目的とする。
本発明に係るリニアモータは、駆動コイル及び永久磁石を有する可動子と、磁極歯を有する固定子とを組み合わせて直線運動出力を取り出す電機子可動型のリニアモータにおいて、前記可動子は、2列それぞれに移動方向にわたって等間隔に複数の凹部が形成された軟質磁性体からなる可動子コアと、前記複数の凹部それぞれに嵌め込まれた永久磁石とを有する可動子本体に駆動コイルを巻回した構成をなし、一方の列の前記凹部と他方の列の前記凹部との位置は移動方向において同じであり、前記永久磁石の磁化方向は移動方向に平行であり、各列にあって隣り合う前記永久磁石の磁化方向は互いに逆向きであって、移動方向において同じ位置にある両列の前記永久磁石の磁化方向も互いに逆向きであり、前記固定子は、前記可動子の両列それぞれの前記永久磁石に対向する2つの面を有しており、該2つの面それぞれに移動方向にわたって等間隔に複数の磁極歯が設けられており、一方の面の前記磁極歯と他方の面の前記磁極歯との位置は、移動方向において同じであり、移動方向に隣り合う前記磁極歯の間隔は、移動方向に隣り合う前記永久磁石の間隔の2倍であることを特徴とする。
本発明のリニアモータにあっては、上下2列それぞれに移動方向にわたって可動子コアの等間隔に配列された複数の凹部に永久磁石を埋め込んだ構成をなす可動子本体に駆動コイルを巻回してなる可動子と、可動子の両列に対向する2つの面それぞれに移動方向にわたって等間隔に複数の磁極歯が配列されている固定子とを組み合わせている。一方の列の凹部(永久磁石)の移動方向における位置は、他方の列の凹部(永久磁石)の移動方向における位置と同じである。全ての永久磁石は移動方向に平行に磁化されているが、各列の隣り合う永久磁石同士は磁化方向が逆向きであり、移動方向で同じ位置にある上下の永久磁石同士も磁化方向が逆向きである。上側の磁極歯の移動方向における位置は、下側の磁極歯の移動方向における位置と同じである。固定子における移動方向の磁極歯の配列間隔は、可動子における移動方向の永久磁石の配列間隔の2倍である。
上下の永久磁石の磁化方向が逆向きであるため、駆動コイルに通電しないときに、可動子コア内で閉じるように磁束が発生するので、可動子及び固定子間に発生する磁束密度は小さく、可動子が固定子の磁極歯を吸引する力は非常に小さい。また、駆動コイルに通電したときには、固定子の上下の磁極歯が移動方向で同じ位置に設けられているため、上下で同時に逆向きに吸引されることになり、上下方向の吸引力は相殺される。よって、このときにも、固定子の磁極歯を吸引する力は小さい。したがって、吸引力が小さいので、可動子を支持する構造は小型であって、剛性が高い構造を用いなくても良い。
本発明に係るリニアモータは、前記2列それぞれにおける前記永久磁石の個数は奇数であることを特徴とする。
本発明のリニアモータにあっては、上下の各列に奇数個の永久磁石を設ける。このように永久磁石を奇数個とした場合、最大の推力が得られる例えば電気角90°及び電気角270°のときに磁極歯との間で磁束が流れる箇所の数が同数となる。よって、1周期の間で推力リプルは生じず、滑らかな移動が実現される。
本発明に係るリニアモータは、前記固定子は、断面がU字状をなして一端が開放されており、移動方向に平行で前記可動子に対向する2つの面を有する固定子であることを特徴とする。
本発明のリニアモータにあっては、U字状断面を持つ一端が開放され、移動方向に平行で可動子に対向する2つの面を有する固定子を用いることで、固定子の構成が簡素となる。可動子と固定子との間に発生する吸引力が小さくて、可動子の移動方向に垂直な方向(上下方向)の吸引力リプルを低減できることに加えて、可動子と固定子とを合わせたリニアモータ全体の小型化を図れる。
本発明のリニアモータでは、駆動コイルとしてコア付きのコイルを用いることにより、推力をマックスウェル力で得るようにしたので、コアレス型リニアモータに比べて、小さな駆動起磁力にて所定の推力を得ることができる。また、印加する電流が小さいので、発熱量を少なく抑えることができ、コアレス型リニアモータのような大型の冷却設備を必要としない。一方で、本発明のリニアモータは、駆動していないときの可動子及び固定子間に発生する磁束密度を低減し、かつ駆動したときに推力を発生する磁束が多く発生するようにしたので、可動子と固定子との間の吸引力を小さくできて、可動子を支持するために大型の支持構造を必要としない。したがって、本発明のリニアモータでは、大幅な小型化及び低コスト化を実現することができる。
本発明のリニアモータの構成を示す斜視図である。 本発明のリニアモータにおける可動子の構成を示す図1のA−A′線からの部分破断斜視図である。 本発明のリニアモータにおける可動子本体の構成を示す斜視図である。 本発明のリニアモータにおける固定子の構成を示す斜視図である。 本発明のリニアモータ(駆動起磁力の電気角0°)における磁束の流れを示す図である。 本発明のリニアモータ(駆動起磁力の電気角90°)における磁束の流れを示す図である。 本発明のリニアモータ(駆動起磁力の電気角270°)における磁束の流れを示す図である。 特許文献1に開示されたリニアモータの磁束発生モデルを示す図である。 本発明のリニアモータの磁束発生モデルを示す図である。 可動子コアの作製に用いる素材を示す平面図である。 作製したリニアモータの構成を示す縦断面図である。 作製したリニアモータの構成を示す横断面図である。 リニアモータの駆動起磁力に対して発生した推力の測定結果を示すグラフである。 本発明の単相のリニアモータの電気角に対する推力変動及び吸引力変動の測定結果を示すグラフである。 特許文献1に開示されたリニアモータ(第1比較例)の構成を示す平面図及び側面図である。 従来のコアレス型リニアモータ(第2比較例)の構成を示す上面図、平面図及び側面図である。 第1比較例の駆動起磁力に対して発生した推力の測定結果を示すグラフである。 第1比較例の単相のリニアモータの電気角に対する推力変動及び吸引力変動の測定結果を示すグラフである。 第2比較例の駆動起磁力に対して発生した推力及び銅損の測定結果を示すグラフである。 本発明例、第1比較例及び第2比較例における最大推力を示すグラフである。 本発明例、第1比較例及び第2比較例における移動方向に垂直な方向での吸引力を示すグラフである。 本発明例、第1比較例及び第2比較例における推力300N発生時の銅損を示すグラフである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、寸法において、特に高さ、長さ、幅と記載している場合、高さは平面図、B−B´断面図または側面図での上下方向の寸法、長さは平面図での左右方向の寸法、幅はB−B´断面図または側面図での左右方向の寸法を示している。
図1は、本発明のリニアモータの構成を示す斜視図である。また、図2、図3、及び図4は、それぞれ、本発明のリニアモータにおける、可動子の構成を示す図1のA−A′線からの部分破断斜視図、可動子本体の構成を示す斜視図、及び固定子の構成を示す斜視図である。なお、図1及び図3にあって、実線の矢印は可動子の移動方向(以下、単に「移動方向」ともいう)を表している。
本発明のリニアモータ10は、駆動コイル12及び複数の永久磁石13を有する可動子1と、複数の磁極歯22を有する固定子2とを組み合わせて構成されており、実線の矢印方向に直線運動出力を取り出す電機子可動型のリニアモータである。まず、可動子1の構成について説明する。
可動子1は、可動子本体11に駆動コイル12を巻回した構成をなす(図2参照)。図2では、可動子本体11の内部構成が分かりやすいように、駆動コイル12の一部(前面側)の図示を省略している。可動子本体11は、複数の永久磁石13と、永久磁石13を保持する軟質磁性体製の可動子コア14とを一体化させた構成をなす(図3参照)。
可動子コア14には、上下2列それぞれにわたって、移動方向に等間隔にて複数(本例では7個)の矩形形状の凹部14aが形成されている。これらの凹部14aの形状はすべて同じであり、また、上の列の凹部14aと下の列の凹部14aとの位置は、移動方向において同じである。これらの凹部14aそれぞれに、1個ずつの永久磁石13が嵌め込まれた態様で、複数の永久磁石13及び可動子コア14が一体化されている。使用する矩形状をなす複数(14個)の永久磁石13はすべて同一の形状である。なお、各列に配置する永久磁石13の個数は、本例(7個)のように奇数であることが好ましい。好ましい理由については後述する。
この結果、上下2列それぞれにわたって、隣り合う永久磁石13,13間に軟質磁性体を介在させた複数(7個)の永久磁石13を移動方向に沿って等ピッチ(図3のP1)で配列させた構成となっている。ここでP1は配列される永久磁石13の周期である。そして、上側の磁石配列での複数(7個)の永久磁石13の移動方向における位置と、下側の磁石配列における複数(7個)の永久磁石13の移動方向における位置とは同じである。
図3にあって、白抜矢印は各永久磁石13の磁化方向を表している。各永久磁石13は何れも移動方向に磁化されているが、上下の各列にあって、隣り合う永久磁石13,13同士は逆向きに磁化されている。また、移動方向に同じ位置にある上列の永久磁石13と下列の永久磁石13とも、磁化方向は逆向きである。
上記のように複数の永久磁石13及び可動子コア14を一体化させてなる可動子本体11の外周に、可動子本体11を巻回する態様で、駆動コイル12が配置されている。駆動コイル12への通電により、可動子本体11に対して、上下方向(後述する固定子2の磁極歯22の対向方向)に駆動起磁力が印加される。
次に、固定子2の構成について説明する。固定子2は、断面がU字状をなして一端が開放されている軟質磁性体製のヨーク21を備え、ヨーク21は、移動方向に平行で可動子1の上面及び下面にそれぞれ対向する2つの面21a,21bを有する(図4参照)。この2つの面21a,21bには、複数(本例では8個)の矩形状の磁極歯22が移動方向に等ピッチで設けられている。配列された矩形状をなす複数(16個)の磁極歯22はすべて同一の形状である。また、上側の面21aでの複数(8個)の磁極歯22の移動方向における位置と、下側の面21bでの複数(8個)の磁極歯22の移動方向における位置とは同じである。
磁極歯22の配列ピッチ(図4のP2)は、可動子1における永久磁石13の配列ピッチ(P1)の2倍である。ここでP2は配列される磁極歯22の周期である。一例では、後述するようにP1=7.5mm、P2=15mmである。
上述したような固定子2内に、上下列の磁極歯22から所定距離(例えば1mm)ずつ隔てて可動子1を挿入させて、単相駆動のリニアモータ10が構成される。また、固定子2内に、3個の可動子1を互いに電気角で120°ずれた位置に配置すれば、3相駆動のリニアモータ10が構成される。
次に、本発明のリニアモータ10における磁束の流れについて、図5−図7を参照して説明する。図5は、駆動起磁力を印加しない場合(電気角0°)の磁束の流れを表し、図6及び図7は駆動起磁力を印加した場合(図6:電気角90°、図7:電気角270°)の磁束の流れを表している。図5−図7では、図1−図4と同一部材には同一番号を付している。この磁束の流れを説明するのに必要なものだけを示しているので、固定子2のヨーク21は図示していない。また、破線矢印及び細線矢印は磁束の流れを表し、太線矢印は電流による起磁力の向きを表し、ハッチング矢印は推力を表している。また、図6及び図7において、●、×は駆動コイルの通電の向きを示し、●は紙面の裏から表への通電、×は紙面の表から裏への通電を表している。なお、図5−図7では、上下の各列における永久磁石13の個数を5個としている。
駆動起磁力を印加していない場合、図5に示すように、可動子コア14に埋め込まれた永久磁石13は、固定子2に対向する面で互いに逆向きに磁化されているため、可動子コア14(ヨーク)内部に破線矢印で示すような磁束が発生する。そして、上下で移動方向の同じ位置に永久磁石13が配列しているので、上下一対の永久磁石13,13で閉じるように磁束が発生する。よって、可動子コア14内部で磁束の流れが閉じることになり、可動子1外部に発生する磁束は極めて小さくなる。このため磁極歯22を吸引する力は従来のコア型リニアモータに比べて非常に小さくなる。
駆動起磁力を印加している場合(電気角90°)、図6に示すように、永久磁石13から発生する磁束の流れを妨げない位置から磁極歯22との間に実線矢印で示すような磁束が発生している。この磁束が発生する位置は、固定子2と対向する面の可動子ヨークの1つおきであり、図6の上下で同じ位置に逆向きの磁束が発生する。そして、磁極歯22は図の上下方向で移動方向の同じ位置に設けられているため、上下間で交互に吸引力が発生する特許文献1のリニアモータとは異なり、上下同時に吸引されるので、上下方向の吸引力は相殺されて、移動方向のみの応力が発生し、この応力が可動子1の推力となる。このため、コアレス型リニアモータと同様に、可動子1の静粛な移動が可能である。
図6の場合から電気角を180°進ませて駆動起磁力を印加している場合(電気角270°)にも、図7に示すように、永久磁石13から発生する磁束の流れを妨げない位置から磁極歯22との間に実線矢印で示すような磁束が発生している。この際、図6の場合(電気角90°)に磁束が発生していた可動子ヨークの隣の可動子ヨークに磁束が発生している。図6の場合と同様に、上下方向の吸引力は相殺されるため、移動方向のみの応力(推力)が発生する。
以上のことから、固定子2の磁極歯22の位置に同期した交流電流を駆動コイル12に印加することにより、移動方向に対して連続した推力が得られて、可動子1の滑らかな移動を実現できる。
ここで、永久磁石13を配列する個数は、偶数個、奇数個のいずれであってもよいが、奇数個の永久磁石13を配列する場合には、電気角90°及び電気角270°のときで、磁極歯22との間で磁束が流れる箇所の数が同数(図6及び図7の例では3箇所ずつ)となる。よって、1周期の間で推力リプルは生じない。各列に配置する永久磁石13の個数を、5個または7個のように奇数とすることがより好ましい。
以上のように、本発明のリニアモータ10では、駆動起磁力を印加していないときは固定子2とのギャップに発生する磁束が小さいため、ディテント力及び可動子1固定子2間の吸引力は小さい。よって、コアレス型リニアモータと同様に、可動子1の支持構造は小型のものでよい。また、駆動時に移動方向に垂直な方向の吸引力の発生が小さいため静粛な移動が可能である。また、コア付き構成であるため、コアレス型リニアモータに比べて大幅に発熱量は少なくなり、大型の冷却設備は不要である。
特許文献1に開示されたリニアモータと本発明のリニアモータとについて、可動子と固定子との間の磁束発生モデルを求めた。比較のため、固定子、可動子本体、駆動コイルのサイズは同じにしている。なお、可動子及び固定子間の吸引力を求めるために、固定子の磁極歯がない構成を測定の対象とした。以下、求めた磁束発生モデルに関して説明する。
図8は、特許文献1に開示されたリニアモータの磁束発生モデルを示す図であり、図8Aは駆動起磁力を印加していないときの磁束密度分布、図8Bは一方向に駆動起磁力(1200A)を印加したときの磁束密度分布、図8Cは図8Bとは逆方向に駆動起磁力(−1200A)を印加したときの磁束密度分布を表している。図8A−Cにあって、細線矢印は磁束の流れを示し、太線矢印は起磁力の向きを示している。可動子61及び固定子42間の隙間の磁束密度が高くなることで吸引力も高くなる。
特許文献1に開示されたリニアモータは、固定子42の対向する2つの面間に、永久磁石51とヨーク52とを交互に配列させたものに駆動コイル53を巻回してなる可動子61を挿入させた構成をなす。永久磁石51は何れも移動方向に磁化されているが、隣り合う永久磁石51,51は磁化方向が逆方向である。各永久磁石51は長さが4mmであって、電機子(永久磁石51とヨーク52の配列体)の外形は高さ12mm×長さ24mm×幅20mmであり、可動子61及び固定子42間の隙間は上下それぞれ2mmである。
図8Aに示す如く、駆動していないときも多くの磁束が可動子61及び固定子42間に発生していることが分かる。このときの可動子61(ヨーク52)と固定子42との間の吸引力は、計算で片面分で53Nであった。また、図8B,Cに示す如く、駆動したときの吸引力は、計算で片面分で73.3Nであった。ここで、片面分とは可動子と固定子の対向する面間の吸引力の片面分を指している。
図9は、本発明のリニアモータの磁束発生モデルを示す図であり、図9Aは駆動起磁力を印加していないときの磁束密度分布、図9Bは一方向に駆動起磁力(1200A)を印加したときの磁束密度分布、図9Cは図9Bとは逆方向に駆動起磁力(−1200A)を印加したときの磁束密度分布を表している。図9A−Cにあって、細線矢印は磁束の流れを示し、太線矢印は起磁力の向きを示している。
対象とした本発明のリニアモータは、上下に3個ずつの永久磁石13を配列させた構成である。各永久磁石13は高さ4mm、長さ4mmであって、電機子(可動子本体11)の外形は、上記特許文献1に開示されたリニアモータと同じで高さ12mm×長さ24mm×幅20mmである。また、可動子1及び固定子2間の隙間も上下それぞれ2mmであって、上記特許文献1に開示されたリニアモータと同じである。
図9Aに示す如く、駆動していない状態では磁束の流れが電機子コア14内で閉じるように発生しているため、可動子1及び固定子2間には磁束がほとんど発生していないことが分かる。このため、駆動していない状態では可動子1と固定子2との間に働く吸引力が小さくなる特徴がある。駆動していないときの吸引力は、計算で片面分で0.8Nであった。また、図9B,Cに示す如く、駆動状態でも、駆動していないときの隙間の磁束密度が小さいために駆動によって磁束が増加しても吸引力は、特許文献1に開示されたリニアモータに比較して小さくなっている。駆動したときの吸引力は、計算で片面分で11.8Nであった。
以上のように、本発明のリニアモータの構造にあっては、可動子(電機子)と固定子との間の吸引力を小さくできることが判明した。したがって、コアレス型リニアモータと同様に、可動子の機械的保持構造を簡単にできて小型化できる特徴がある。
以下、本発明者が作製したリニアモータ10の具体的な構成と、作製したリニアモータ10の特性とについて説明する。
まず、可動子本体11(電機子)を作製した。図10は、可動子コア14の作製に用いる素材を示す平面図である。図10に示すような形状をなす高さ0.5mmの珪素鋼板からなる素材31を、ワイアーカットにて80枚切り出した。この切り出した素材31を重ねて端部をレーザ溶接し、図3に示したような高さ17mm×長さ52.5mm×幅40mmの外形をなして、上下2列それぞれに等間隔に7個の凹部14aを有する可動子コア14とした。
次に、Nd−Fe−B系希土類磁石(Br =1.395T、Hcj=1273kA/m)のブロック材より高さ7.5mm、長さ4.5mm、幅40mmの棒状の磁石を14個切り出した。切り出した棒状の磁石を長さ方向(移動方向に平行な方向)に着磁した。着磁後の磁石を、永久磁石13として、上記作製した可動子コア14の凹部14aに埋め込んだ。この際、永久磁石13の磁化方向は移動方向に隣り合う永久磁石13,13の磁化方向が互いに逆向きになるように、また、移動方向で同じ位置になる上下の永久磁石13,13の磁化方向が互いに逆向きになるように、14個の永久磁石13を挿入した。上下の各列における永久磁石13の配列周期(P1)は7.5mmであった。
最後に、上述のように作製した可動子本体11(電機子)の外側で、捲き線断面積18mm×16mmを有するプラスチック製の捲き線ボビン(図示せず)に直径1.5mmのエナメル被覆導線を100回捲き付けて駆動コイル12とし、図2に示したような単相分の可動子1を作製した。
次いで、固定子2を作製した。固定子2のヨーク21として厚さ6mmの軟鋼(SS400材)の板をU字形状に成形した。高さ0.5mmの珪素鋼板から長さ6mm、幅40mmの板を12枚ワイアーカットにて切り出し、切り出した素材を移動方向に垂直な方向(高さ方向)に積層接着させた。このような積層体を16個作製し、固定子2のヨーク21の上下の面21a,21bそれぞれに、8個ずつ等間隔に接着させて磁極歯22とした(図4参照)。上下の各列における磁極歯22の位置は、移動方向において同じとした。また、上下の各面における磁極歯22の配列周期(P2)は、上記永久磁石13の配列周期(P1=7.5mm)の2倍である15mmとした。
作製した可動子1を、移動方向に自由に移動できるようにリニアガイド(図示せず)を介して、作製した固定子2の内部に挿入し、固定子2の磁極歯22との隙間が上下それぞれ1mmになるように固定して、単相分のリニアモータ10とした。なお、推力測定時に移動方向に垂直に働く可動子1の吸引力も測定できるように、リニアガイドはロードセルを介して推力テストベンチに取り付けた。図11及び図12は作製したリニアモータ10の構成を示す縦断面図及び横断面図である。図11の縦断面図は図1のA−A′線からの断面図と同じところから見たものであり、図12の横断面図は図1のB−B′線からの断面図と同じところから見たものである。さらに、図11及び図12には各部分の寸法を表しており、寸法の数値の単位はmmである。
このような本発明のリニアモータ10の特性を測定した。作製した図2に示す可動子1(電機子ユニット)を3個準備し、互いに電気角で120°ずれた位置に配置し、リニアガイドに固定して、作製した図4に示す固定子2内に挿入した。この際、可動子1と固定子2の磁極歯22との隙間は上下それぞれ1mmとした。そして、駆動コイルをスター結線し、それぞれのコイルの端部をリニアモータドライバの電源のU相、V相、W相に接続し、可動子1の位置に同期した3相駆動電流を印加して推力を測定した。また、推力の測定時に、可動子1の吸引力も併せて測定した。
図13は、本発明のリニアモータ10の駆動起磁力に対して発生した推力の測定結果を示すグラフである。図13において、横軸は駆動起磁力(駆動コイルの駆動電流×巻き数)[A]であり、縦軸は推力[N]及び推力起磁力比[N/A]である。また、図中aは推力、図中bは推力起磁力比の測定結果を表している。推力は、3相の合成推力である。
図13に示すように、駆動起磁力に対してリニアな推力特性が得られている。また、推力起磁力比が例えば10%低下する比例限は明確には現れておらず、450N以上と推定できる。また、推力300N発生時の駆動起磁力の尖頭値は2200Aで、駆動電流の実効値は15.56Aであるため、銅損は(15.56A)2 ×0.2635Ω×3=192Wとなった。
図14は、本発明の単相のリニアモータ10の電気角に対する推力変動及び吸引力変動の測定結果を示すグラフである。図14において、横軸は電気角[°]であり、縦軸は推力及び吸引力[N]である。また、図中a、bはそれぞれ、駆動起磁力1200Aを印加したときの単相ユニット分の推力、吸引力の測定結果を表している。吸引力は、可動子1の上下方向(移動方向に垂直である固定子2との対向方向)の吸引力である。
図14に示すように、単相分推力は、電気角0°から360°にわたって、駆動電流が最大となる90°及び270°付近で最大となる正弦波状のプロファイルが得られた。一方、可動子1の上下方向の吸引力はほぼ零であり、上下方向の応力変動は、コアレス型リニアモータと同様にほぼ発生しないことが判明した。
本発明のリニアモータ10(以下、単に本発明例ともいう)と特性を比較するため、特許文献1に開示されたリニアモータ(以下、単に第1比較例ともいう)、及び、特開平11−127569号、特開2001−197718号などに記載されているような従来のコアレス型リニアモータ(以下、単に第2比較例ともいう)を作製して、それらの特性を測定した。
図15は、特許文献1に開示されたリニアモータ(第1比較例)の構成を示す平面図及び側面図である。上下に対向する2つの板状部の内周面に磁極歯43が千鳥状となるように移動方向に並設してある固定子42と、移動方向に平行に磁化された永久磁石51及びヨーク52を交互に配列させて駆動コイル53を巻回した構成をなす可動子61とを、第1比較例は有している。なお、図15には各部分の寸法を表しており、寸法の数値の単位はmmである。
図16は、従来のコアレス型リニアモータ(第2比較例)の構成を示す上面図、平面図及び側面図である。界磁ヨーク71からなる固定子と、上下方向に平行に磁化された複数の永久磁石72を上下2列にわたって移動方向に等間隔に配置して、上下の磁石列の間に3相のコイル73,73,73を設けた構成をなす電機子からなる可動子とを、第2比較例は有している。なお、図16には各部分の寸法を表しており、寸法の数値の単位はmmである。
本発明例と比較するため、第1比較例では、永久磁石、電機子コア、駆動コイル、固定子ヨーク、磁極歯は、前述した本発明例と同じ材質を使用した。また、同一体格で比較するため、固定子ヨークの形状を、本発明例(図12参照)と同一形状である断面69mm×41mmとした(図15参照)。本発明例と同様の手順にて3相分作製し、推力テストベンチに固定して特性を測定した。
図17は、第1比較例の駆動起磁力に対して発生した推力の測定結果を示すグラフである。図17において、横軸は駆動起磁力[A]であり、縦軸は推力[N]及び推力起磁力比[N/A]である。また、図中aは推力、図中bは推力起磁力比の測定結果を表している。推力は、3相の合成推力である。
図17に示すように、推力起磁力比が5%低下する比例限は287Nであり、コアレス型リニアモータとほぼ同程度の推力を発生させることができた。また、推力300N発生時の駆動起磁力の尖頭値は1700Aであって、駆動電流の実効値は12.02Aであるため、銅損は(12.02A)2 ×0.634Ω×3=275Wとなった。
図18は、第1比較例の単相のリニアモータの電気角に対する推力変動及び吸引力変動の測定結果を示すグラフである。図18において、横軸は電気角[°]であり、縦軸は推力及び吸引力[N]である。また、図中a、bはそれぞれ、駆動起磁力1200Aを印加したときの単相ユニット分の推力、吸引力の測定結果を表している。
図18に示すように、1周期(電気角0°から360°)にわたって、本発明例とほぼ同様の推力プロファイルが得られた。しかし、可動子の吸引力は、0°(または360°)位置で下側に−55N、180°位置で上側に+55Nとなっており、1周期の間に上下交互に1回ずつ55N程度の大きな吸引力が発生していることが判明した。このため、第1比較例では、このような移動方向に垂直な方向での応力変動によって可動子及び固定子間の隙間が変動しないように、可動子の支持構造として、強固に保持しながらスライドする機構が必要となる。また、推力300N発生時における銅損による発熱量は、本発明例に比較して43%も高い数値である274.56Wとなった。
本発明例と比較するため、第2比較例では、永久磁石、駆動コイル、固定子ヨークは、前述した本発明例と同じ材質を使用した。また、同一体格で比較するため、固定子ヨークの形状を、本発明例(図12参照)と同一形状である断面69mm×41mmとした(図16参照)。本発明例と同様の手順にて作製し、推力テストベンチに固定して特性を測定した。
図19は、第2比較例の駆動起磁力に対して発生した推力及び銅損の測定結果を示すグラフである。図19において、横軸は駆動起磁力[A]であり、縦軸は推力[N]、推力起磁力比[N/A]及び銅損[W]である。また、図中aは推力、図中bは銅損、図中cは推力起磁力比の測定結果を表している。
第2比較例は、コアレス型リニアモータであるため、図19に示すように、明確な推力比例限、即ち推力起磁力比が著明に低下する点は見られないが、駆動コイルの発熱により連続で動作可能な推力は90N、コイル焼損が起きない最大推力は300N程度と推定される。また、第2比較例の推力300N発生時の銅損は,駆動電流の実効値が7.07Aであるため、(7.07A)2 ×2.403Ω×3=360.45Wとなった。この発熱量は、前述した本発明例の1.88倍である。
上述した本発明例、第1比較例及び第2比較例における同一体格での種々の特性の比較について説明する。
図20は、本発明例、第1比較例及び第2比較例における最大推力を示すグラフである。本発明例、コアレス型リニアモータである第2比較例では、推力比例限がないため駆動コイルに安全に通電できる最大電流から最大推力を求めた。図20に示すように、本発明例が同一体格で最も大きな推力を得られることが分かる。なお、第2比較例は銅損が高く、発熱量が多いため、連続使用する場合、定格推力(90N)まで制御する必要がある。本発明例、第1比較例では定格推力まで考慮する必要がない。
図21は、本発明例、第1比較例及び第2比較例における移動方向に垂直な方向での吸引力を示すグラフである。コアレス型リニアモータである第2比較例は、ローレンツ力により推力を得るため、本来固定子との間で吸引力は発生しない構造である。第1比較例では、可動子には固定子への方向に対して吸引力が可動子全体が固定子に吸引される力、即ち固定子に対する可動子全体の吸引力において55N発生し、しかもこの吸引力は可動子の移動に伴って上下交互に発生するため、大きな吸引力が発生している。よって、可動子の支持構造に負担がかかることが分かる、これに対して、本発明例では、可動子全体が固定子に吸引される力、即ち固定子に対する可動子全体の吸引力において2.7Nと非常に小さな吸引力しか発生していない。よって、本発明例では、コアレス型リニアモータと同程度の小型の支持構造でリニアモータを構成できることが分かる。
図22は、本発明例、第1比較例及び第2比較例における推力300N発生時の銅損を示すグラフである。発熱量は、第2比較例が360.45Wと最も大きく、第1比較例(274.45W)、本発明例(192W)の順に小さくなっている。本発明例では、第2比較例(コアレス型リニアモータ)の約半分の発熱量にて同一の推力を発生できていることが分かる。
なお、実施例では断面U字状をなしている固定子の構造を開示したがこれに限定されるものではない。断面U字状は上部板状部、下部板状部が一部でもヨークで導通している構成でもよい。また、断面ロ字状をなしている固定子の内部に可動子が格納されている構成でもよい。
また、実施例にて、本発明の固定子が可動子の上下にある例を開示したがこれに限定されるものではない。本発明の固定子は、可動子の両列それぞれの永久磁石に対向する2つの面を有しておればよく、可動子の左右または斜めにあっても同様に効果がある。
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 可動子
2 固定子
10 リニアモータ
11 可動子本体
12 駆動コイル
13 永久磁石
14 可動子コア
14a 凹部
21 ヨーク
22 磁極歯

Claims (3)

  1. 駆動コイル及び永久磁石を有する可動子と、磁極歯を有する固定子とを組み合わせて直線運動出力を取り出す電機子可動型のリニアモータにおいて、
    前記可動子は、2列それぞれに移動方向にわたって等間隔に複数の凹部が形成された軟質磁性体からなる可動子コアと、前記複数の凹部それぞれに嵌め込まれた永久磁石とを有する可動子本体に駆動コイルを巻回した構成をなし、一方の列の前記凹部と他方の列の前記凹部との位置は移動方向において同じであり、前記永久磁石の磁化方向は移動方向に平行であり、各列にあって隣り合う前記永久磁石の磁化方向は互いに逆向きであって、移動方向において同じ位置にある両列の前記永久磁石の磁化方向も互いに逆向きであり、
    前記固定子は、前記可動子の両列それぞれの前記永久磁石に対向する2つの面を有しており、該2つの面それぞれに移動方向にわたって等間隔に複数の磁極歯が設けられており、一方の面の前記磁極歯と他方の面の前記磁極歯との位置は、移動方向において同じであり、
    移動方向に隣り合う前記磁極歯の間隔は、移動方向に隣り合う前記永久磁石の間隔の2倍であることを特徴とするリニアモータ。
  2. 前記2列それぞれにおける前記永久磁石の個数は奇数であることを特徴とする請求項1記載のリニアモータ。
  3. 前記固定子は、断面がU字状をなして一端が開放されており、移動方向に平行で前記可動子に対向する2つの面を有する固定子であることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ。
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