JP2018135821A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動部への負荷の増加を抑制しつつ、ノズルニードルの制御性を向上させることが可能な燃料噴射装置を提供する。【解決手段】第一弁体110は、圧力制御室25に収容され、流出開口部28の閉弁および開弁を行う。第二弁体120は、圧力制御室25に収容され、流入開口部27の閉弁および開弁を行う。圧力制御室25は、第二弁体120の閉弁により、第一弁体110を収容する上圧力制御室部251aと下圧力制御室部251bとに区分けされている。第二弁体120には、上圧力制御室部251aと下圧力制御室部251bとを連通し、圧力差を生じさせる第一絞り部120bを有する連通通路120aが形成されている。第二弁体120は、第一弁体110の開弁による上圧力制御室部251aと流出通路24aとの連通により、下圧力制御室部251bに充填された燃料から受ける力によって流入開口部27を閉弁する燃料噴射装置。【選択図】図3

Description

本発明は、燃焼室へ向けて噴孔から燃料を噴射する燃料噴射装置に関する。
従来、特許文献1のように、ハウジング部材に形成された噴孔から燃料を噴射するインジェクタが提案されている。このインジェクタは、制御室が区画された上記のハウジング部材に加えて、噴孔の開弁および閉弁を行うノズルニードル、およびピエゾアクチュエータを有する。ノズルニードルは、制御室に充填された燃料から受ける閉弁方向の燃料圧力の上昇および降下を行うことにより、ハウジン部材に対して相対変位する。
加えてハウジング部材には、制御室と連通する弁室が形成されている。弁室には、高圧燃料を制御室に流入させる通路と、制御室内の燃料を流出させる連通路とが繋げられている。
さらに弁室に収容される弁体は、ピエゾアクチュエータから伝達される駆動力で作動し、弁室に臨む通路の開口を閉弁し、弁室に臨む連通路の開口を開弁する。すると、通路から制御室への高圧燃料の流入が停止し、制御室の燃料は連通路から流出する。これにより制御室の燃料圧力は降下しノズルニードルが開弁する。
特開2006−46323号公報
上述のようにノズルニードルは、制御室の燃料圧力の変化に伴い弁ボデーに対して相対変位する。そのため、噴孔の閉弁方向へのノズルニードルの作動速度は、制御室の燃料圧力を上昇させる速度に依存する。よって、ノズルニードルの制御性を向上するためには、高圧燃料を制御室に流入させる通路の開口面積を大きくして高圧燃料の流入量を増やし、燃料圧力の上昇速度を向上する必要がある。
しかしながら、通路の開口面積を大きくするほど、通路の高圧燃料と弁体との接触面積も大きくなる。そのため、弁体が通路を閉弁する特許文献1の構成では、通路の高圧燃料が弁体を開弁方向に押す力も大きくなる。したがって、通路の開口面積を大きくすると、ピエゾアクチュエータのような駆動部への負荷が増大する可能性がある。
そこで、本発明は上記事項を鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動部への負荷の増加を抑制しつつ、ノズルニードルの制御性を向上させることが可能な燃料噴射装置を提供することである。
ここに開示される態様は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。尚、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
開示される態様の一つは、噴孔(23)から燃料を噴射する燃料噴射装置(10)であって、噴孔、燃料が充填された圧力制御室(25)、圧力制御室に高圧燃料を流入させる流入通路(21a)、および圧力制御室の燃料を流出させる流出通路(24a)が形成され、圧力制御室を区画する区画壁(25a)に流入通路の流入開口部(27)および流出通路の流出開口部(28)が開口している弁ボデー(20)と、圧力制御室の燃料から閉弁方向の力を受け、圧力制御室の燃料圧力の上昇および降下によって弁ボデーに対して相対変位することで、噴孔の開弁および閉弁を行うノズルニードル(50)と、圧力制御室に収容され、流出開口部の閉弁および開弁を行う第一弁体(110)と、第一弁体を駆動し、第一弁体の開弁によって圧力制御室と流出通路とを連通させ、第一弁体の閉弁によって圧力制御室と流出通路との連通を遮断する駆動部(30)と、駆動部に駆動される第一弁体の外周面(110f)に対し摺動可能に配置され、流入開口部の閉弁および開弁を行う第二弁体(120)と、を備え、圧力制御室は、第二弁体の閉弁により、第一弁体を収容する上圧力制御室部(251a)と、第二弁体を挟んで上圧力制御室部とは反対側に位置する下圧力制御室部(251b)と、に区分けされ、第二弁体には、上圧力制御室部と下圧力制御室部とを連通し、上圧力制御室部と下圧力制御室部との間に圧力差を生じさせる第一絞り部(120b)を有する連通通路(120a)が形成され、第二弁体は、第一弁体の開弁による上圧力制御室部と流出通路との連通により、下圧力制御室部に充填された燃料から受ける力によって流入開口部を閉弁する燃料噴射装置である。
上記態様によれば、圧力制御室は、第二弁体により、上圧力制御室部と下圧力制御室部とに区分けされる。そして、駆動部により第一弁体が開弁し、上圧力制御室部と流出通路とが連通すると、上圧力制御室部の圧力は下がる。上圧力制御室部と下圧力制御室部とを連通する連通通路には第一絞り部が形成されている。そのため、上圧力制御室部の圧力が低下したとしても下圧力制御室部の圧力はすぐには下がらず、上圧力制御室部と下圧力制御室部との間に圧力差が生じる。つまり、上圧力制御室部よりも下圧力制御室部の燃料の方が高圧になる。これにより、第二弁体は、上圧力制御室部の燃料および流入通路の高圧燃料よりも、下圧力制御室部の燃料から大きな力を受ける。つまり、第二弁体は、駆動部により駆動されなくても、下圧力制御室部に充填された燃料から受ける力により流入開口部を閉弁し得る。
そのため、ノズルニードルの閉弁時における、応答性を向上させるべく、仮に、流入開口部の開口面積を大きくし、第二弁体が流入通路の高圧燃料から受ける力が増加したとしても、駆動部の負荷の増加が引き起こされ難い。
よって、駆動部への負荷の増加を抑制しつつ、圧力制御室への高圧燃料の流入量を増加させて、ノズルニードルの制御性を向上させることが可能な燃料噴射装置を提供することが可能である。
第一実施形態における燃料供給システムの全体構成を示す図。 第一実施形態における燃料噴射装置の縦断面図。 図2のIII部の拡大図。 図2のIV−IV線の断面図。 弁体およびノズルニードルの変位などの相関を示すタイムチャート。 第二実施形態における拡大図。 第二実施形態における弁体およびノズルニードルの変位などの相関を示すタイムチャート。
以下、図面を参照しながら発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態に関して、図1から図5を用いて説明する。図1に示す燃料供給システム1には、第一実施形態による燃料噴射装置10が用いられている。燃料供給システム1の燃料噴射装置10は、内燃機関であるディーゼルエンジン2の各燃焼室2bに、燃料タンク4に貯留された燃料を供給する。以下、ディーゼルエンジン2を単にエンジン2と表記する。燃料供給システム1はフィードポンプ5、高圧燃料ポンプ6、コモンレール3および制御装置7等を、燃料噴射装置10と共に備えている。
フィードポンプ5は、高圧燃料ポンプ6に内蔵された電動式のポンプである。フィードポンプ5は、具体的には、トロコイド式のポンプである。フィードポンプ5は、燃料タンク4に貯留された燃料としての軽油を高圧燃料ポンプ6に圧送する。フィードポンプ5は、高圧燃料ポンプ6と別体であってもよい。
高圧燃料ポンプ6は、エンジン2の出力軸によって駆動される例えばプランジャ式のポンプである。高圧燃料ポンプ6は、燃料配管6aによってコモンレール3と接続されている。高圧燃料ポンプ6は、フィードポンプ5により供給された燃料をさらに昇圧し、コモンレール3に供給する。
コモンレール3は、高圧燃料配管3bを介して各燃料噴射装置10と接続されている。コモンレール3は、高圧燃料ポンプ6から供給される高圧燃料を一時的に蓄え、圧力を保持したまま各燃料噴射装置10に高圧燃料を配分する。コモンレール3には、圧力センサ3aおよび減圧弁8が備えられている。圧力センサ3aはコモンレール3に蓄えられた燃料圧力を検出する。減圧弁8は、圧力センサ3aによる検出値が目標とする圧力よりも高い場合に、余剰になった燃料を燃料タンク4に繋がっている余剰燃料配管8aへ排出する。
制御装置7は、プロセッサ、RAMおよび書き換え可能な不揮発性のメモリ装置を含むマイクロコンピュータまたはマイクロコントローラを主体に構成された演算回路等により構成されている。制御装置7は、図1にて破線で示すように、各燃料噴射装置10と電気的に接続されている。制御装置7は、エンジン2の稼動状態に応じて各燃料噴射装置10の作動を制御する。
燃料噴射装置10は、燃焼室2bを形成するヘッド部材2aの挿入孔に挿入された状態で、ヘッド部材2aに取り付けられている。燃料噴射装置10は、高圧燃料配管3bを介して供給される燃料を噴孔23から燃焼室2bへ向けて直接的に噴射する。燃料噴射装置10は、噴孔23からの燃料の噴射を制御する弁構造を備えている。燃料噴射装置10は、高圧燃料配管3bを介して供給される高圧燃料の一部を、噴孔23の開閉に使用する。また、燃料噴射装置10に供給された燃料の一部は、戻り配管8bを通り余剰燃料配管8aから燃料タンク4へ戻される。
次に燃料噴射装置10の詳細な構造に関して、図2から図4を用いて説明する。燃料噴射装置10は、図2のように弁ボデー20、ノズルニードル50、駆動部30および弁体100を含んで構成されている。
弁ボデー20は、金属材料により形成された複数の部材を組み合わせることによって構成されている。弁ボデー20には、高圧通路21、低圧通路24、圧力制御室25、流入通路21a、流出通路24a、噴孔23およびニードル室22が形成されている。
高圧通路21は、図1に示す高圧燃料配管3bと接続されている。高圧通路21は、高圧燃料配管3bを通じてコモンレール3から供給される高圧燃料をニードル室22に供給する。低圧通路24は、燃料噴射装置10に供給された燃料を戻り配管8bに流出させる通路である。低圧通路24を流通する燃料は、高圧通路21を流通する燃料よりも低圧である。
圧力制御室25は、高圧燃料が充填されている。尚、圧力制御室25の詳細は後述する。流入通路21aは、高圧通路21から分岐する。流入通路21aは、高圧通路21を流通する高圧の燃料の一部を圧力制御室25へ流入させる。流出通路24aは、圧力制御室25の燃料を低圧通路24へ流出させる。
噴孔23は、ヘッド部材2aへ挿入される弁ボデー20において、挿入方向の先端部に形成されている。噴孔23は、燃焼室2bに露出している。弁ボデー20の先端部は、円錐状または半球状に形成されている。噴孔23は、弁ボデー20の内側から外側に向けて放射状に複数設けられている。高圧燃料は、各噴孔23から燃焼室2bに向けて噴射される。高圧燃料は、噴孔23を通過することによって霧化され、空気と混合し易い状態となる。
ニードル室22は、円柱状に形成された空間である。ニードル室22には、ノズルニードル50が収容されている。ニードル室22は、高圧通路21と接続されている。ニードル室22には、高圧通路21を通じて供給される高圧燃料が充填されている。
ノズルニードル50は、金属材料により円柱形に形成されている。ノズルニードル50の噴孔23側の先端は円錐形を有している。ノズルニードル50は、ニードル室22の内部に円筒形に形成されたニードル壁51に摺動可能に保持されている。ノズルニードル50には、ニードル室22の高圧燃料から開弁方向の力が付与されている。ノズルニードル50には、ニードルスプリング52から閉弁方向の力が付与されている。ノズルニードル50が弁ボデー20に対して相対変位することにより、噴孔23は、開閉弁する。噴孔23が開弁状態となることで、ニードル室22に充填された高圧燃料が噴孔23から燃焼室2bへ向けて噴射される。
駆動部30は、ピエゾアクチュエータ31および伝達機構32等によって構成されている。ピエゾアクチュエータ31は、ピエゾ素子によって構成された層と薄い電極層とが交互に積まれた積層体を有している。ピエゾアクチュエータ31には、制御装置7から出力された入力駆動信号が入力される。ピエゾアクチュエータ31は、駆動信号に応じた電圧(以下、駆動電圧)に従ってピエゾ素子の特性である逆電圧効果により、ノズルニードル50の摺動方向に沿って伸長する。
伝達機構32は、ピエゾアクチュエータ31の伸長を弁体100に伝達する機構である。伝達機構32は、第一ピストン321および第二ピストン322を有している。第一ピストン321および第二ピストン322は円筒状に形成されている。第二ピストン322は第一ピストン321よりも小径である。第一ピストン321はピエゾアクチュエータ31と接している。第二ピストン322には、第二ピストンの軸方向に沿って噴孔方向に延びた突起部322aが形成されている。第一ピストン321および第二ピストン322の間には、油密室323が区画されている。油密室323には、実質的に油密の状態で燃料が充填されている。
駆動部30は、駆動信号によって伸長したピエゾアクチュエータ31により、第一ピストン321が押される。第一ピストン321の動きは、油密室323の燃料によって第二ピストン322に伝達される。第二ピストン322は第一ピストン321よりも小径なため、ピエゾアクチュエータ31の伸長による第一ピストン321の変位は、油密室323の燃料によって拡大されて第二ピストン322に伝達される。つまり、第二ピストン322の変位量は、第一ピストン321の変位量よりも大きくなる。
図2から図4に基づき、圧力制御室25の詳細をさらに説明する。圧力制御室25は、弁ボデー20の内部において、ノズルニードル50を挟んで噴孔23の反対側に設けられている。つまり、圧力制御室25は、駆動部30とニードル室22との間に形成されている。圧力制御室25は、図3のように、弁ボデー20に形成された区画壁25aによって区画されている。区画壁25aのうち、駆動部30の摺動方向と垂直で最も駆動部30に近い一面に着座壁面25bが形成されている。着座壁面25bには、流出通路24aの流出開口部28および流入通路21aの流入開口部27が開口している。図4のように、流出開口部28は円形であり、流入開口部27は、流出開口部28を囲うように円環状に形成されている。
圧力制御室25は、駆動部30から噴孔23方向に向かって、弁体収容空間251、付勢部材収容空間254および圧力作用空間252を含んでいる。さらに、圧力制御室25は、付勢部材収容空間254と圧力作用空間252との間に、圧力制御連通路253を有する。
弁体収容空間251は、円柱状の空間である。弁体収容空間251は、流入開口部27および流出開口部28それぞれの仮想の中心軸線と同軸配置されている。弁体収容空間251を区画する区画壁25aのうちの一面が着座壁面25bに該当する。弁体収容空間251には、弁体100が収容されている。付勢部材収容空間254は、弁体収容空間251よりも小径な円柱状の空間である。付勢部材収容空間254の高さは、弁体収容空間251の高さよりも低い。また、付勢部材収容空間254の容積は、弁体収容空間251の容積よりも小さい。付勢部材収容空間254は、弁体100を挟んで着座壁面25bとは反対側に形成されている。
付勢部材収容空間254は、弁体100の閉弁方向に付勢力を加える付勢部材130を収容する空間である。尚、付勢部材130についての詳細は後述する。
圧力作用空間252は、ニードル壁51およびノズルニードル50の端面により区画された円盤状の空間である。圧力作用空間252は、付勢部材収容空間254を挟んで弁体収容空間251の反対側に形成されている。圧力作用空間252の燃料は閉弁方向の力をノズルニードル50に付与している。そのため、圧力作用空間252の燃料圧力の変化に伴って、ノズルニードル50は弁ボデー20に対して相対的に変位する。具体的には、圧力作用空間252の燃料圧力が低くなると、ノズルニードル50に対して閉弁方向の力を付与する燃料圧力が低くなるため、ノズルニードル50は開弁方向に変位する。
圧力制御連通路253は、付勢部材収容空間254と圧力作用空間252との間に形成された燃料通路である。圧力制御連通路253は、付勢部材収容空間254と圧力作用空間252とを連通させており、圧力作用空間252の燃料圧力を、弁体収容空間251および付勢部材収容空間254の燃料圧力に追従させる。
弁体100は、第一弁体110と第二弁体120とを有する。第一弁体110は、弁体収容空間251に収容され、流出開口部28の閉弁および開弁を行う。第二弁体120は、第一弁体110の外周面110fに対し摺動可能に配置され、流入開口部27の閉弁および開弁を行う。第二弁体120は、着座壁面25bに着座し流入開口部27を閉弁することにより、第一弁体110を収容する上圧力制御室部251aと、第二弁体120を収容する下圧力制御室部251bとに弁体収容空間251を区分けする。
上圧力制御室部251aは、弁体100と着座壁面25bとの間に形成される空間である。上圧力制御室部251aは、流出開口部28と流入開口部27との間に形成されており、流出開口部28を囲うように円環状に形成されている。上圧力制御室部251aは、流出開口部28と同軸となるに形成されている。
下圧力制御室部251bは、第二弁体120を挟んで上圧力制御室部251aとは反対側に位置する。下圧力制御室部251bに充填された燃料は、閉弁方向の力を第一弁体110に付与している。
弁体100には、付勢部材130によって閉弁方向の付勢力が加えられている。付勢部材130は、第二弁体120に対して下圧力制御室部251b側となる付勢部材収容空間254に収容されている。付勢部材130は、第一付勢部材130aと第二付勢部材130bとを有する。第一付勢部材130aおよび第二付勢部材130bは共に、圧力制御室25のうちで上圧力制御室部251a以外の空間に収容されている。
第一付勢部材130aは、線状の金属材料を円筒状に巻くことで形成されている。第一付勢部材130aは付勢部材収容空間254の仮想の中心軸線と同軸配置されるように付勢部材収容空間254に収容されている。第一付勢部材130aは、閉弁方向の力を第一弁体110に付与している。
第二付勢部材130bは、線状の金属材料を円筒状に巻くことで形成される。第二付勢部材130bの直径は、第一付勢部材130aの直径よりも大きく、第一付勢部材130aを円筒状の内部に収容することが可能な大きさに形成されている。第二付勢部材130bは、付勢部材収容空間254の仮想の中心軸線と同軸配置されるように付勢部材収容空間254に収容されている。第二付勢部材130bは、閉弁方向の力を第二弁体120に付与している。
第一弁体110は、駆動部30からの駆動力により変位し、着座壁面25bに離着座する。第一弁体110の開弁により圧力制御室25と流出通路24aとが連通状態になる。第一弁体110の閉弁により圧力制御室25と流出通路24aとの連通が遮断状態になる。第一弁体110は、閉弁部材111と嵌合部材112とを有している。
閉弁部材111は、例えば金属材料により形成されている。閉弁部材111は、閉弁部111aおよび球面部111bを有している。閉弁部111aは、円形の平面形状に形成されている。閉弁部111aの直径は、流出開口部28の直径よりも大きい。閉弁部111aは、着座壁面25bに着座することで流出開口部28を閉弁する。球面部111bは、略球面状に形成されている。球面部111bは、嵌合部材112の軸方向の端部と接触している。
嵌合部材112は、例えば金属材料により円柱状に形成されている。嵌合部材112は嵌合部112aを有する。嵌合部112aは、上圧力制御室部251aおよび下圧力制御室部251bの間の液密状態を維持しつつ第二弁体120に摺動可能に嵌合している。嵌合部材112は、第一付勢部材130aからの付勢力および弁体収容空間251の燃料から受ける閉弁方向の力を閉弁部材111に伝達する。
第二弁体120は、金属材料により円筒状に形成されている。第二弁体120は、弁体収容空間251に収容されている。第二弁体120は、流入開口部27および流出開口部28の各中心軸線と同軸配置されている。また、第二弁体120は、弁体収容空間251の中心軸線と同軸配置されている。第二弁体120の外周壁と、弁体収容空間251の内周壁との間には、円筒状の隙間120eが形成されている。隙間120eは、流入開口部27から下圧力制御室部251bへ向けて流れる高圧燃料の流路となる。
第二弁体120には、第二着座面120d、嵌合穴120cおよび連通通路120aが形成されている。第二着座面120dは、着座壁面25bと平行な平面として形成されている。第二着座面120dが着座壁面25bに着座することにより、第二弁体120は、流入開口部27を閉弁する。
嵌合穴120cは、第二弁体120の径方向の中央に形成された円柱状の貫通孔である。嵌合穴120cは、第二弁体120の中心軸線と同軸となるように延伸している。嵌合穴120cは、第二弁体120を軸方向に貫通している。嵌合穴120cの直径は、嵌合穴120cに球面部111bが収容可能な大きさで形成されている。
嵌合穴120cには、嵌合部112aが摺動可能に嵌合している。嵌合穴120cへの嵌合部112aの嵌合により、上述した上圧力制御室部251aおよび下圧力制御室部251bの間の液密状態が維持されている。嵌合穴120cの両端部のうちで、第二着座面120dと連続する一方の端部の内径は、他の部分よりも拡大されており球面部111bを収容可能な大きさで形成されている。
連通通路120aは、第二弁体120の軸方向に貫通している。連通通路120aは、円柱状の貫通孔である。連通通路120aは、上圧力制御室部251aと下圧力制御室部251bとを連通しする。連通通路120aには、第一絞り部120bが形成されている。第一絞り部120bは、連通通路120aのうち中央よりも駆動部30側に近い位置に形成されている。第一絞り部120bは、円柱状の貫通孔であり、その直径は連通通路120aより小さい。第一絞り部120bは、上圧力制御室部251aおよび下圧力制御室部251bの間の燃料の流通量を規制することにより、上圧力制御室部251aと下圧力制御室部251bとの間に圧力差を生じさせる。
第二弁体120は、第一弁体110の外周面110fに対し摺動可能に配置されている。第二弁体120が変位する場合であっても第一弁体110は変位しない。第二弁体120は、下圧力制御室部251bの燃料および第二付勢部材130bから閉弁方向の力を受ける。また、第二弁体120は、流入開口部27の高圧燃料から開弁方向の力を受ける。第二弁体120は、第二弁体120に形成された第二着座面120dが着座壁面25bに着座することにより、流入開口部27を閉弁する。
次に燃料噴射装置10の作動について図3および図5を用いて説明する。
時刻t1でピエゾアクチュエータ31への通電が開始される前では、第一弁体110は、下圧力制御室部251bの燃料圧力および第一付勢部材130aから受ける閉弁力により、着座壁面25bに着座している。つまり、第一弁体110は、流出開口部28と上圧力制御室部251aとの連通を遮断している。第二弁体120は、下圧力制御室部251bの燃料圧力および第二付勢部材130bから受ける閉弁力により、着座壁面25bに着座している。第二弁体120は、圧力制御室25を上圧力制御室部251aと下圧力制御室部251bとに区分けしている。
時刻t1では、ピエゾアクチュエータ31への通電が開始されると、ピエゾアクチュエータ31の伸長により、突起部322aが第一弁体110を噴孔方向、つまり、開弁方向へ押す。第一弁体110が噴孔方向へ変位すると、閉弁部111aが着座壁面25bから離座する。閉弁部111aが着座壁面25bから離座すると、流出開口部28が上圧力制御室部251aと連通状態になる。
流出開口部28が上圧力制御室部251aと連通状態になると、上圧力制御室部251aの燃料は、流出開口部28を通り、流出通路24aから流出する。これにより、上圧力制御室部251aの燃料圧力は降下する。
下圧力制御室部251bの燃料は、連通通路120aを通じて上圧力制御室部251aに流入する。そのため、上圧力制御室部251aの燃料圧力の降下に追従して、下圧力制御室部251bの燃料圧力も降下する。連通通路120aに第一絞り部120bが形成されているため、上圧力制御室部251aからの燃料の流出速度と比較して、下圧力制御室部251bから上圧力制御室部251aへの燃料の流通速度は遅くなる。そのため、下圧力制御室部251bの燃料圧力と上圧力制御室部251aの燃料圧力との間に差が生じる。つまり、上圧力制御室部251aの燃料圧力よりも下圧力制御室部251bの燃料圧力の方が高圧になる。第二弁体120は、上圧力制御室部251aの圧力降下により、下圧力制御室部251bの燃料から受ける閉弁方向の力によって流入開口部27に押しつけられ、流入開口部27の閉弁状態を維持する。
ここで、下圧力制御室部251bの燃料圧力が低下すると、付勢部材収容空間254および圧力制御連通路253を介して下圧力制御室部251bと繋がっている圧力作用空間252の燃料圧力も低下する。
時刻t2では、下圧力制御室部251bの燃料圧力が所定の圧力まで低下すると、圧力作用空間252の燃料圧力も所定の圧力まで低下する。すると、ノズルニードル50が、圧力作用空間252の燃料圧力およびニードルスプリング52から閉弁方向に受ける力よりも、ニードル室22の燃料圧力から受ける開弁方向の力の方が大きくなる。そのため、ノズルニードル50は開弁を開始する。
時刻t3では、ピエゾアクチュエータ31への通電を停止すると、ピエゾアクチュエータ31が収縮する。その結果、第一弁体110を開弁方向に押す駆動部30からの駆動力が作用しなくなるため、第一弁体110は、閉弁方向に向けた変位を開始する。
時刻t4では、第一弁体110が閉弁すると、上圧力制御室部251aの燃料の流出開口部28からの流出が止まる。ここで、時刻t4では、上圧力制御室部251aの燃料圧力と下圧力制御室部251bの燃料圧力との間には差があり、下圧力制御室部251bの燃料圧力の方が高い。そのため、下圧力制御室部251bの燃料は連通通路120aを通り、上圧力制御室部251aへと流出する。下圧力制御室部251bの燃料が上圧力制御室部251aへ流出することにより、上圧力制御室部251aの燃料圧力は上昇する。
時刻t5では、上圧力制御室部251aの燃料圧力と下圧力制御室部251bの燃料圧力との差が小さくなる、または実質的に解消される。すると、第二弁体120が流入開口部27の高圧燃料から開弁方向に受ける力よりも、下圧力制御室部251bの燃料から閉弁方向に受ける力の方が小さくなる。その結果、第二弁体120が開弁を開始する。第二弁体120の開弁により、流入開口部27から上圧力制御室部251aに高圧燃料が流入する。さらに、第二弁体120の開弁によれば、所定の隙間120eを介して流入開口部27から下圧力制御室部251bにも高圧燃料が流入する。
時刻t6では、上圧力制御室部251aおよび下圧力制御室部251bの燃料圧力が所定の圧力まで上昇する。すると、下圧力制御室部251bと間接的に繋がっている圧力作用空間252の燃料圧力も、下圧力制御室部251bの燃料圧力と同様に上昇する。すると、ニードル室22の燃料圧力からノズルニードル50へ開弁方向に作用する力よりも、圧力作用空間252の燃料圧力およびニードルスプリング52からノズルニードル50へ閉弁方向に作用する力の方が大きくなる。そのため、圧力作用空間252の燃料によりノズルニードル50の閉弁方向に付与される力が大きくなり、ノズルニードル50は閉弁を開始する。時刻t6から時刻t7までの期間においては、ノズルニードル50が閉弁方向に変位することにより圧力作用空間252の体積が変化するため、流入開口部27から弁体収容空間251に燃料が流入したとしても、弁体収容空間251の圧力は一定を維持する。
時刻t7では、ノズルニードル50が閉弁する。ノズルニードル50の開弁後、弁体収容空間251の燃料圧力は、流入通路21aの燃料圧力まで上昇する。よって、第二弁体120が下圧力制御室部251bの燃料から閉弁方向に受ける力と、流入開口部27の燃料から開弁方向に受ける力との差が小さくなる。すると、第二弁体120が、流入開口部27の燃料圧力から受ける開弁方向の力よりも、下圧力制御室部251bの燃料圧力および第二付勢部材130bから受ける閉弁方向の力の方が大きくなる。そのため、第二弁体120は下圧力制御室部251bの燃料圧力および第二付勢部材130bから受ける閉弁方向の力により着座壁面25bに着座し、流入開口部27を閉弁する。
以上のように、本実施形態によれば、第二弁体120は、駆動部30により駆動されなくても、下圧力制御室部251bに充填された燃料から受ける力により流入開口部27を閉弁し得る。そのため、ノズルニードル50の閉弁時における、応答性を向上させるべく、仮に、流入開口部27の開口面積を大きくし、第二弁体120が流入通路21aの高圧燃料から受ける力が増加したとしても、駆動部30の負荷の増加が引き起こされ難い。よって、駆動部30への負荷の増加を抑制しつつ、圧力制御室25への高圧燃料の流入量を増加させて、ノズルニードル50の制御性を向上させることが可能な燃料噴射装置10を提供することが可能である。
また、本実施形態によれば、第一弁体110の閉弁により、連通通路120aを通じて下圧力制御室部251bの燃料が上圧力制御室部251aへ流れ、上圧力制御室部251aの燃料圧力と下圧力制御室部251bの燃料圧力との差が小さくなる。これにより、上圧力制御室部251aの燃料が第二弁体120を閉弁方向へ押す力が小さくなるため、第二弁体120は、流入通路21aの高圧燃料から受ける力により流入開口部27を開弁する。よって、第二弁体120は、駆動部30により駆動されなくとも閉弁制御および開弁制御される。
また、本実施形態によれば、流出開口部28および流入開口部27は、区画壁25aのうち第一弁体110および第二弁体120を共に着座させる着座壁面25bに開口している。故に、第一弁体110および第二弁体120と着座壁面25bとの間には、隙間が形成され難くなる。よって、上圧力制御室部251aの容積を低減しやすい。
また、本実施形態によれば、嵌合部材112は、第二弁体120に対して摺動可能に嵌合しており、かつ上圧力制御室部251aと下圧力制御室部251bとの間の液密状態を維持している。そのため、第一弁体110が付勢部材130から付勢力を受けることにより摺動したとしても、上圧力制御室部251aと下圧力制御室部251bとは嵌合部材112により圧力差が生じる状態で区分けされる。よって、下圧力制御室部251bに付勢部材130を収容しつつ、付勢部材130の付勢力で閉弁部材111を閉弁方向に押すことができる。尚、液密状態とは、嵌合部材112および第二弁体120の間を流通する燃料量が、第一絞り部120bを流通する燃料量よりも少ない状態とする。
また、本実施形態によれば、閉弁部材111と嵌合部材112とは別体で形成され、閉弁部材111は閉弁部111aと球面部111bとを備える。そして、球面部111bは、球面部111bが接触している嵌合部材112から閉弁方向の力を受ける。これにより、仮に、嵌合部材112の変位方向が着座壁面25bに対して傾いていたとしても、嵌合部材112の上圧力制御室部251a側の端面と球面部111bとの接触部分で嵌合部材112に対する閉弁部材111の相対的な回転が許容される。そのため、閉弁部材111は、着座壁面25bに閉弁部111aを着座させることができる。
また、本実施形態によれば、第二弁体120に閉弁方向の付勢力を作用させる付勢部材130が下圧力制御室部251bに収容される。そして、上圧力制御室部251aには、付勢部材130が収容されていない。このように、上圧力制御室部251aに付勢部材130を配置しない構成であれば、上圧力制御室部251aに付勢部材130を配置する場合と比較して、上圧力制御室部251aの容積を小さくすることが可能である。
以上の上圧力制御室部251aの容積低減によれば、第一弁体110が流出開口部28を閉弁後、上圧力制御室部251aの燃料圧力は、速やかに下圧力制御室部251bの燃料圧力に近づく。その結果、第一弁体110の閉弁から第二弁体120の開弁までの時間(図5 時刻t4〜t5参照)が短縮される。このような第二弁体120の開弁応答性の向上によれば、圧力作用空間252の燃料圧力は、早急に上昇し得る。したがって、ノズルニードル50の閉弁応答性が向上可能となる。
また、本実施形態によれば、第一弁体110および第二弁体120が収容される弁体収容空間251と、ノズルニードル50に圧力を作用させる燃料が充填される圧力作用空間252とに分かれている。そして、弁体収容空間251と圧力作用空間252とは圧力制御連通路253で連通されている。このような構成により、弁体収容空間251の容積を小さくし易くなるため、ノズルニードル50に作用する燃料の上昇および降下を短い時間で行うことができる。
また、本実施形態によれば、第二弁体120と弁体収容空間251とは概ね相似な形状に形成されている。そして、第二弁体120は、弁体収容空間251の中心軸線と同軸になるように、この弁体収容空間251に収容されている。これらの構成により、弁体収容空間251と第二弁体120との間に形成される空間、即ち燃料が充填される燃料空間の容積が低減されやすくなる。
そのため、容積が大きい形態と比較して弁体収容空間251の燃料圧力の上昇および降下を短い時間で行うことができる。よって、第二弁体120の応答性を向上することができ、延いては、ノズルニードル50の制御性を向上することが可能になる。
また、本実施形態によれば、流入開口部27は環状に形成され、流入開口部27と同軸となるように第二弁体120は弁体収容空間251に収容される。そのため、第二弁体120は、流入通路21aの高圧燃料から受ける力を、周方向に概ね均一に受けることが可能である。よって、流入通路21aの高圧燃料から受ける力で第二弁体120が開弁する場合に、第二弁体120は、弁体収容空間251に対して斜めになり難い。これにより、第二弁体120は円滑に開弁できる。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に関して図6および図7を用いて説明する。本実施形態では、圧力制御室25の構成が第一実施形態とは異なっている。
図6のように、燃料噴射装置10は、付勢部材130を備えない。そのため、圧力制御室25には、付勢部材を収容するための付勢部材収容空間254が形成されていない。よって、弁体収容空間251と圧力作用空間252とが圧力制御連通路253で直接的に繋がっている。
嵌合部材112の下圧力制御室部251b側に形成された端面112cには、小突起部112bが形成されている。小突起部112bは、嵌合部材112のうち、下圧力制御室部251bの底面25cに対向する端面112cに形成され、端面112cから底面25c方向へ突出している。第一弁体110の閉弁状態において、小突起部112bと底面25cとの間には、隙間が形成されている。また、第一弁体110の閉弁状態において、端面112cと底面25cとの間には、小突起部112bと底面25cとの間に形成された隙間よりも広い隙間が形成されている。第一弁体110が開弁し、嵌合部材112が変位すると、小突起部112bの先端は底面25cに密着する。小突起部112bの先端と底面25cとが密着した状態において、端面112cと底面25cとの間の隙間は維持されている。
次に燃料噴射装置10の作動について図7を用いて説明する。尚、時刻t2から時刻t7までの作動は、第一実施形態と実質同一である。
時刻t1でピエゾアクチュエータ31への通電が開始される前では、上圧力制御室部251a、下圧力制御室部251bおとび流入通路21aの燃料圧力の実質的な差がない。そのため、上圧力制御室部251aおよび流入開口部27の燃料圧力から第二弁体120が受ける開弁方向の力と、下圧力制御室部251bから第二弁体120が受ける閉弁方向の力とが釣り合う。よって、第二弁体120、着座壁面25bに押し付けられていない。
時刻t1では、ピエゾアクチュエータ31の伸長により、突起部322aが第一弁体110を噴孔方向、つまり、開弁方向へ押す。第一弁体110が噴孔23方向へ変位すると、閉弁部111aが着座壁面25bから離座する。閉弁部111aが着座壁面25bから離座すると、流出開口部28が上圧力制御室部251aと連通状態になる。そのため、上圧力制御室部251aの燃料圧力は、下圧力制御室部251bの燃料圧力に対して、相対的に負圧となる。よって、第二弁体120は、上圧力制御室部251aの燃料に吸い寄せられて閉弁方向の力を受け着座壁面25bに着座する。以上により、流入開口部27と弁体収容空間251との連通が遮断状態となる。
時刻t8では、時刻t5で開始された高圧燃料の流入により、上圧力制御室部251a、下圧力制御室部251bおよび流入通路21aの燃料圧力の実質的な差がなくなる。そのため、第二弁体120が周囲の燃料から受ける閉弁方向の力が釣り合った状態となる。よって第二弁体120は時刻t8では着座壁面25bに着座せず、弁体収容空間251と流入開口部27との連通状態は維持される。そして、次回の噴射の時刻t1で流出開口部28が開弁されると、第二弁体120は閉弁する。
以上のように、本実施形態の第二弁体120は、第一弁体110の開弁により生じる燃料負圧により閉弁方向へ引き寄せられる。そのため、第二弁体120は、駆動部30により駆動されず、且つ、第二付勢部材130bに付勢されなくても、流入開口部27を適切に閉弁できる。
また、本実施形態によれば、圧力制御室25には、付勢部材収容空間254が形成されていない。そのため、付勢部材収容空間254が形成された構成と比較して、圧力制御室25の容積を小さくすることが可能である。そのため、容積が大きい形態と比較して弁体収容空間251の燃料圧力の上昇および降下を短い時間で行うことができる。よって、第二弁体120の応答性を向上することができ、延いては、ノズルニードル50の制御性を向上することが可能になる。
また、第二実施形態によれば、嵌合部材112のうち、下圧力制御室部251b側の端面112cには、小突起部112bが形成されている。これにより、第一弁体110の開弁状態において、小突起部112bの先端が弁体収容空間251の底面25cと接触する。そのため、第一弁体110の開弁状態において、端面112cと底面25cとの間に形成された隙間を維持することが可能である。つまり、端面112c全体が弁体収容空間251の底面25cに密着することを抑制することができる。これにより、端面112cと底面25cとの隙間に燃料を介在させておくことが可能である。よって、下圧力制御室部251bの燃料圧力から受ける閉弁方向の力を嵌合部材112に作用させることが可能である。
(他の実施形態)
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に何ら制限されることなく、以下に例示するように種々変形して実施することが可能である。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
なお、第一実施形態では、第一弁体110は、閉弁部111aおよび嵌合部112aを有する二つの部材で形成されている。しかしながら、第一弁体110は、閉弁部111aおよび嵌合部112aを有する一つの部材によって形成されていてもよい。
なお、第一実施形態では、付勢部材130は、第一付勢部材130aと第二付勢部材130bとを有していたが、第一付勢部材130aを有していなくてもよい。
なお、第二実施形態では、小突起部112bは端面112cに形成されていたが、底面25cのうち、端面112cに対向する位置に形成してもよい。つまり、端面112cの全体と底面25cの全体とが密着することを抑制することができる位置であれば、どのような位置に形成してもよい。
10 燃料噴射装置 112 嵌合部材
20 弁ボデー 110f 外周面
21a 流入通路 120 第二弁体
23 噴孔 120a 連通通路
24a 流出通路 120b 第一絞り部
25 圧力制御室 111a 閉弁部
25a 区画壁 111b 球面部
25b 着座壁面 130 付勢部材
27 流入開口部 251 弁体収容空間
28 流出開口部 251a 上圧力制御室部
30 駆動部 251b 下圧力制御室部
50 ノズルニードル 252 圧力作用空間
110 第一弁体 253 圧力制御連通路
111 閉弁部材

Claims (10)

  1. 噴孔(23)から燃料を噴射する燃料噴射装置(10)であって、
    前記噴孔、燃料が充填された圧力制御室(25)、前記圧力制御室に高圧燃料を流入させる流入通路(21a)、および前記圧力制御室の燃料を流出させる流出通路(24a)が形成され、前記圧力制御室を区画する区画壁(25a)に前記流入通路の流入開口部(27)および前記流出通路の流出開口部(28)が開口している弁ボデー(20)と、
    前記圧力制御室の燃料から閉弁方向の力を受け、前記圧力制御室の燃料圧力の上昇および降下によって前記弁ボデーに対して相対変位することで、前記噴孔の開弁および閉弁を行うノズルニードル(50)と、
    前記圧力制御室に収容され、前記流出開口部の閉弁および開弁を行う第一弁体(110)と、
    前記第一弁体を駆動し、前記第一弁体の開弁によって前記圧力制御室と前記流出通路とを連通させ、前記第一弁体の閉弁によって前記圧力制御室と前記流出通路との連通を遮断する駆動部(30)と、
    前記駆動部に駆動される前記第一弁体の外周面(110f)に対し摺動可能に配置され、前記流入開口部の閉弁および開弁を行う第二弁体(120)と、を備え、
    前記圧力制御室は、前記第二弁体の閉弁により、前記第一弁体を収容する上圧力制御室部(251a)と、前記第二弁体を挟んで前記上圧力制御室部とは反対側に位置する下圧力制御室部(251b)と、に区分けされ、
    前記第二弁体には、前記上圧力制御室部と前記下圧力制御室部とを連通し、前記上圧力制御室部と前記下圧力制御室部との間に圧力差を生じさせる第一絞り部(120b)を有する連通通路(120a)が形成され、
    前記第二弁体は、前記第一弁体の開弁による前記上圧力制御室部と前記流出通路との連通により、前記下圧力制御室部に充填された燃料から受ける力によって前記流入開口部を閉弁する燃料噴射装置。
  2. 前記第二弁体は、前記第一弁体の閉弁後における前記下圧力制御室部から前記上圧力制御室部への前記連通通路を通じた燃料の流通により前記圧力差が小さくなると、前記流入通路の高圧燃料から受ける力により開弁する請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記流出開口部および前記流入開口部は、前記区画壁のうち前記第一弁体および前記第二弁体がともに着座する着座壁面(25b)に開口している請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記第一弁体は、
    前記流出開口部を閉弁する閉弁部(111a)と、
    前記上圧力制御室部および前記下圧力制御室部の間の液密状態を維持しつつ前記第二弁体に摺動可能に嵌合する嵌合部(112a)と、を有する請求項1乃至3のいずれか1つに記載の燃料噴射装置。
  5. 前記第一弁体は、閉弁部材(111)と嵌合部材(112)とを有し、
    前記嵌合部材は、前記嵌合部を有し、
    前記閉弁部材は、前記閉弁部と、前記嵌合部材と接触し前記嵌合部材の摺動に伴う力を受ける略球面上の球面部(111b)と、を備える請求項4に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記流出開口部を閉弁する方向への付勢力を前記第一弁体に作用させる付勢部材(130)、をさらに備える請求項5に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記付勢部材は、前記圧力制御室のうちで前記上圧力制御室部以外の空間に収容されている請求項6に記載の燃料噴射装置。
  8. 前記圧力制御室は、
    前記第一弁体および前記第二弁体を収容し、前記上圧力制御室部を含む弁体収容空間(251)と、
    前記ノズルニードルに圧力を作用させる燃料が充填される圧力作用空間(252)と、
    前記弁体収容空間と前記圧力作用空間とを連通させる圧力制御連通路(253)と、を有する請求項1乃至7のいずれか1つに記載の燃料噴射装置。
  9. 前記弁体収容空間は円柱状の空間であり、
    前記第二弁体は、円筒状に形成され、前記弁体収容空間の仮想の中心軸線と同軸配置されるように前記弁体収容空間に収容されている請求項8に記載の燃料噴射装置。
  10. 前記流入開口部は、円環状に形成されており、
    前記第二弁体は、前記流入開口部と同軸となるように前記弁体収容空間に収容されている請求項8または9に記載の燃料噴射装置。
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