JP2018134781A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御基板の交換が必要となる場合であっても、メモリーの交換が必要となる可能性を低減させる。
【解決手段】記録材を用いて媒体に画像を形成する印刷ユニットと、媒体を搬送する搬送ユニットと、印刷ユニット及び搬送ユニットを制御する制御回路と、印刷ユニットの特性を示す印刷特性情報、及び、搬送ユニットの特性を示す搬送特性情報を記憶する記憶回路と、を備え、制御回路は、第1基板上に設けられ、記憶回路は、第2基板上に設けられている、ことを特徴とする印刷装置。
【選択図】図2
【解決手段】記録材を用いて媒体に画像を形成する印刷ユニットと、媒体を搬送する搬送ユニットと、印刷ユニット及び搬送ユニットを制御する制御回路と、印刷ユニットの特性を示す印刷特性情報、及び、搬送ユニットの特性を示す搬送特性情報を記憶する記憶回路と、を備え、制御回路は、第1基板上に設けられ、記憶回路は、第2基板上に設けられている、ことを特徴とする印刷装置。
【選択図】図2
Description
本発明は、印刷装置に関する。
インクやトナー等の記録材を用いて、記録媒体(単に「媒体」と称する場合がある)に画像を形成する印刷装置においては、記録材がミストとして浮遊する可能性がある。そして、ミストとして浮遊する記録材が、印刷装置内部の回路基板等に付着すると、回路基板上の導線をショートさせる等、印刷装置の不具合が生じる恐れがある。特許文献1には、印刷装置の内部におけるミストの付着・堆積に関する情報を取得し、ミストの堆積量が所定量以上となった場合に、メンテナンスを促す旨の警告メッセージを出力する技術が記載されている。
ところで、インク等の記録材がミストとして浮遊する場合、当該ミストが帯電することがある。このため、ミストとして浮遊する記録材は、回路等の電子部品に付着する可能性が高くなる。他方、印刷装置においては、印刷装置の各部を制御する制御回路や、各種情報を記憶するメモリー(記憶回路)等が、制御基板上に設けられる場合がある。このため、印刷装置において、ミストとして浮遊する記録材は、制御基板に付着する可能性が高くなる。
ミストとして浮遊する記録材が制御基板に付着する場合、制御基板に設けられた各種電子部品において不具合が生じ、制御基板の交換が必要となることがある。そして、制御基板を交換する場合、制御基板上に設けられたメモリーについても交換することになる。この場合、交換後のメモリーに対して、交換前のメモリーが記憶していた情報を新たに記憶させることが必要となり、印刷装置の利用者の利便性を損なう可能性があった。
ミストとして浮遊する記録材が制御基板に付着する場合、制御基板に設けられた各種電子部品において不具合が生じ、制御基板の交換が必要となることがある。そして、制御基板を交換する場合、制御基板上に設けられたメモリーについても交換することになる。この場合、交換後のメモリーに対して、交換前のメモリーが記憶していた情報を新たに記憶させることが必要となり、印刷装置の利用者の利便性を損なう可能性があった。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、制御基板の不具合に伴い制御基板の交換が必要となる場合であっても、メモリーの交換が必要となる可能性を低減させる技術の提供を、解決課題の一つとする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る印刷装置は、記録材を用いて媒体に画像を形成する印刷ユニットと、前記媒体を搬送する搬送ユニットと、前記印刷ユニット及び前記搬送ユニットを制御する制御回路と、前記印刷ユニットの特性を示す印刷特性情報、及び、前記搬送ユニットの特性を示す搬送特性情報を記憶する記憶回路と、を備え、前記制御回路は、第1基板上に設けられ、前記記憶回路は、第2基板上に設けられている、ことを特徴とする。
本発明によれば、記憶回路を、制御回路が設けられる第1基板とは異なる1枚の第2基板上に設ける。このため、第1基板を交換する場合であっても、記憶回路の交換が必要となる可能性を低減させることができる。
上述した印刷装置において、前記第1基板は、第1コネクタを有し、前記第2基板は、第2コネクタを有し、前記第1コネクタは、前記第2コネクタに接続されている、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、第1基板と第2基板とが直接接続するため、第1基板と第2基板とがケーブル等を介して接続する場合と比較して、印刷装置に設けられる部品数を低減させることができ、印刷装置の各部品にミストが付着すること等に起因する不具合の発生の可能性を低減させることができる。
上述した印刷装置において、前記記憶回路は、前記印刷装置の利用者により指定された前記印刷装置の設定情報を記憶する、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、第1基板を交換する場合であっても、印刷装置の設定情報を失うことがないため、印刷装置の利用者の利便性の低下を防止することができる。
上述した印刷装置は、媒体に印刷された画像を読み込むスキャナーユニットを備え、前記記憶回路は、前記スキャナーユニットの特性を示すスキャナー特性情報を記憶する、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、第1基板を交換する場合であっても、スキャナー特性情報を失うことがないため、印刷装置の利用者の利便性の低下を防止することができる。
上述した印刷装置は、媒体に印刷された画像を表す情報を外部装置に送信可能な通信ユニットを備え、前記記憶回路は、前記通信ユニットが行う前記画像を表す情報の送信についての設定を示す通信設定情報を記憶する、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、第1基板を交換する場合であっても、通信設定情報を失うことがないため、印刷装置の利用者の利便性の低下を防止することができる。
上述した印刷装置は、前記記録材を保管する記録材保管ユニットを備え、前記記憶回路は、前記記録材保管ユニットが保管する前記記録材の残量を示す記録材管理情報を記憶する、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、第1基板を交換する場合であっても、記録材管理情報を失うことがないため、印刷装置の利用者の利便性の低下を防止することができる。
上述した印刷装置は、廃棄された前記記録材である廃材を保管する廃材保管ユニットを備え、前記記憶回路は、前記廃材保管ユニットが保管する前記廃材の量を示す廃材管理情報を記憶する、ことを特徴としてもよい。
この態様によれば、第1基板を交換する場合であっても、廃材管理情報を失うことがないため、印刷装置の利用者の利便性の低下を防止することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<<A.実施形態>>
本実施形態では、インク(「記録材」の一例)を吐出して記録用紙P(「媒体」の一例)に画像を形成するインクジェットプリンターを例示して、印刷装置を説明する。
本実施形態では、インク(「記録材」の一例)を吐出して記録用紙P(「媒体」の一例)に画像を形成するインクジェットプリンターを例示して、印刷装置を説明する。
<<1.インクジェットプリンターの概要>>
以下、図1乃至図3を参照しつつ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成について説明する。図1は、インクジェットプリンター1の構成の一例を示す機能ブロック図である。図2は、インクジェットプリンター1に設けられた各種回路及び各種基板の一例を説明するための説明図である。図3は、インクジェットプリンター1の概略的な内部構成の一例を示す図である。なお、本実施形態では、インクジェットプリンター1がシリアルプリンターである場合を想定する。
以下、図1乃至図3を参照しつつ、本実施形態に係るインクジェットプリンター1の構成について説明する。図1は、インクジェットプリンター1の構成の一例を示す機能ブロック図である。図2は、インクジェットプリンター1に設けられた各種回路及び各種基板の一例を説明するための説明図である。図3は、インクジェットプリンター1の概略的な内部構成の一例を示す図である。なお、本実施形態では、インクジェットプリンター1がシリアルプリンターである場合を想定する。
インクジェットプリンター1には、パーソナルコンピューターやデジタルカメラ等のホストコンピューター(図示省略)から、インクジェットプリンター1が形成すべき画像を示す印刷データImgが供給される。インクジェットプリンター1は、ホストコンピューターから供給される印刷データImgの示す画像を記録用紙Pに形成するための印刷処理を実行する。
なお、詳細は後述するが、本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、上述した印刷処理の他に、記録用紙Pに印刷された画像を複写するコピー処理と、記録用紙Pに印刷された画像を読み取り、当該読み取った画像を示す画像データDatを生成し、生成した画像データDatを、ホストコンピューターに設けられた記憶装置等に記憶させるスキャン処理と、記録用紙Pに印刷された画像を読み取ることで得られた画像データDatを、公衆回線等のネットワークを介して外部装置に送信するファクシミリ送信処理と、外部装置から送信された画像データDatを受信して、当該受信した画像データDatに基づいて記録用紙Pに画像を形成するファクシミリ受信処理と、印刷処理の用に供しないインクを廃棄するクリーニング処理と、を実行可能である。
図1に例示するように、インクジェットプリンター1は、インクジェットプリンター1の各部を制御する制御ユニット6と、インクを吐出する吐出部Dが設けられた印刷ユニット3と、印刷ユニット3に対する記録用紙Pの相対位置を変化させるための搬送ユニット7と、吐出部Dを駆動するための駆動信号Comを生成する駆動信号生成ユニット2と、インクジェットプリンター1の設定情報等の各種情報を記憶する記憶ユニット4と、記録用紙Pに印刷された画像を読み取るためのスキャナーユニット5と、インクジェットプリンター1の外部の機器との通信を実行するための通信ユニット8と、インクを保管するためのインク保管ユニット91(「記録材保管ユニット」の一例)と、クリーニング処理等において廃棄されたインク(以下、「廃インク」と称する。「廃材」の一例)を保管するための廃インク保管ユニット92(「廃材保管ユニット」の一例)と、を備える。
印刷ユニット3は、M個の吐出部Dを具備する記録ヘッドHDを備える(本実施形態において、Mは、1≦Mを満たす自然数)。
以下では、記録ヘッドHDに設けられたM個の吐出部Dの各々を区別するために、順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。また、m段の吐出部Dを、吐出部D[m]と称する場合がある(変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数)。また、インクジェットプリンター1の構成要素や信号等が、吐出部D[m]の段数mに対応するものである場合には、当該構成要素や信号等を表わすための符号に、段数mに対応していることを示す添え字[m]を付して表現することがある。
以下では、記録ヘッドHDに設けられたM個の吐出部Dの各々を区別するために、順番に、1段、2段、…、M段と称することがある。また、m段の吐出部Dを、吐出部D[m]と称する場合がある(変数mは、1≦m≦Mを満たす自然数)。また、インクジェットプリンター1の構成要素や信号等が、吐出部D[m]の段数mに対応するものである場合には、当該構成要素や信号等を表わすための符号に、段数mに対応していることを示す添え字[m]を付して表現することがある。
また、印刷ユニット3は、基板B3(図2参照)と、基板B3上に形成され、駆動信号生成ユニット2が出力する駆動信号Comを記録ヘッドHDに供給するか否かを切り替える供給回路30と、を備える。
以下では、駆動信号Comのうち、吐出部Dに供給される駆動信号Comを、供給駆動信号Vinと称する場合がある。また、吐出部D[m]に供給される供給駆動信号Vinを、供給駆動信号Vin[m]と称する場合がある。
以下では、駆動信号Comのうち、吐出部Dに供給される駆動信号Comを、供給駆動信号Vinと称する場合がある。また、吐出部D[m]に供給される供給駆動信号Vinを、供給駆動信号Vin[m]と称する場合がある。
図2に示すように、記憶ユニット4は、メモリー基板B4と、メモリー基板B4上に形成された設定情報記憶回路40(「記憶回路」の一例)と、を備える。設定情報記憶回路40は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、または、PROM(Programmable ROM)等の不揮発性メモリーを含んで構成される。設定情報記憶回路40は、例えば、インクジェットプリンター1の制御プログラム、インクジェットプリンター1の各種構成要素の動作態様を指定する各種設定値を含む設定情報、及び、インクジェットプリンター1の各種構成要素の特性を示す特性情報、及び、インクジェットプリンター1の各種構成要素の状態を管理するための管理情報、等の各種情報を記憶する。
本実施形態では、一例として、設定情報記憶回路40に記憶される設定情報が、印刷処理におけるインクジェットプリンター1の動作の態様を規定する印刷設定情報と、ファクシミリ送信処理におけるインクジェットプリンター1の動作の態様を規定する通信設定情報と、を含む場合を想定する。ここで、印刷設定情報とは、例えば、印刷処理における印刷解像度、印刷速度、及び、使用するインク種類(白黒印刷またはカラー印刷の別)等を規定する情報である。通信設定情報とは、例えば、ファクシミリ送信処理における送信先等を規定する情報である。これら、印刷設定情報及び通信設定情報を含む設定情報は、インクジェットプリンター1の利用者が、インクジェットプリンター1の操作パネル(図示省略)またはホストコンピューター等から入力できるものであってもよい。
また、本実施形態では、一例として、設定情報記憶回路40に記憶される特性情報が、印刷ユニット3の特性を示す印刷特性情報と、スキャナーユニット5の特性を示すスキャナー特性情報と、搬送ユニット7の特性を示す搬送特性情報と、を含む場合を想定する。ここで、印刷特性情報とは、例えば、印刷ユニット3の製造誤差等を示す情報を含む。制御ユニット6は、例えば、印刷特性情報に基づいて、駆動信号生成ユニット2を制御することで、印刷ユニット3が印刷データImgの示す画像を正確に形成できるように、駆動信号Comの波形を補正することができる。スキャナー特性情報とは、例えば、スキャナーユニット5の製造誤差等を示す情報を含む。スキャナーユニット5は、例えば、スキャナーユニット5が記録用紙Pに印刷された画像を読み取った場合において、スキャナーユニット5が読み取った結果を示す情報を、スキャナー特性情報に基づいて補正することで、記録用紙Pに印刷された画像を正確に表す画像データDatを生成することができる。搬送特性情報とは、例えば、搬送ユニット7の製造誤差等を示す情報を含む。制御ユニット6は、例えば、搬送特性情報に基づいて、搬送ユニット7を制御することで、印刷ユニット3に対する記録用紙Pの相対位置を正確に決定することができる。
また、本実施形態では、一例として、設定情報記憶回路40に記憶される管理情報が、インク保管ユニット91が保管するインクの残量や特性等を示すインク管理情報Info-K(「記録材管理情報」の一例)と、廃インク保管ユニット92が保管する廃インクの量を示す廃インク管理情報Info-H(「廃材管理情報」の一例)と、含む場合を想定する。
また、本実施形態では、一例として、設定情報記憶回路40に記憶される特性情報が、印刷ユニット3の特性を示す印刷特性情報と、スキャナーユニット5の特性を示すスキャナー特性情報と、搬送ユニット7の特性を示す搬送特性情報と、を含む場合を想定する。ここで、印刷特性情報とは、例えば、印刷ユニット3の製造誤差等を示す情報を含む。制御ユニット6は、例えば、印刷特性情報に基づいて、駆動信号生成ユニット2を制御することで、印刷ユニット3が印刷データImgの示す画像を正確に形成できるように、駆動信号Comの波形を補正することができる。スキャナー特性情報とは、例えば、スキャナーユニット5の製造誤差等を示す情報を含む。スキャナーユニット5は、例えば、スキャナーユニット5が記録用紙Pに印刷された画像を読み取った場合において、スキャナーユニット5が読み取った結果を示す情報を、スキャナー特性情報に基づいて補正することで、記録用紙Pに印刷された画像を正確に表す画像データDatを生成することができる。搬送特性情報とは、例えば、搬送ユニット7の製造誤差等を示す情報を含む。制御ユニット6は、例えば、搬送特性情報に基づいて、搬送ユニット7を制御することで、印刷ユニット3に対する記録用紙Pの相対位置を正確に決定することができる。
また、本実施形態では、一例として、設定情報記憶回路40に記憶される管理情報が、インク保管ユニット91が保管するインクの残量や特性等を示すインク管理情報Info-K(「記録材管理情報」の一例)と、廃インク保管ユニット92が保管する廃インクの量を示す廃インク管理情報Info-H(「廃材管理情報」の一例)と、含む場合を想定する。
図2に示すように、制御ユニット6は、制御基板B6と、制御基板B6上に設けられた制御回路60(「制御回路」の一例)と、制御基板B6上に設けられた処理情報記憶回路61と、を備える。
制御基板B6には、コネクタCn1が設けられている。当該コネクタCn1は、メモリー基板B4に設けられたコネクタCn2に接続される。すなわち、本実施形態では、制御基板B6及びメモリー基板B4が、ケーブルを介さずに直接に接続される場合を想定する。なお、本実施形態において、制御回路60が形成された制御基板B6は「第1基板」の一例であり、設定情報記憶回路40が形成されたメモリー基板B4は「第2基板」の一例であり、制御基板B6に設けられたコネクタCn1は「第1コネクタ」の一例であり、メモリー基板B4に設けられたコネクタCn2は「第2コネクタ」の一例である。
制御基板B6には、コネクタCn1が設けられている。当該コネクタCn1は、メモリー基板B4に設けられたコネクタCn2に接続される。すなわち、本実施形態では、制御基板B6及びメモリー基板B4が、ケーブルを介さずに直接に接続される場合を想定する。なお、本実施形態において、制御回路60が形成された制御基板B6は「第1基板」の一例であり、設定情報記憶回路40が形成されたメモリー基板B4は「第2基板」の一例であり、制御基板B6に設けられたコネクタCn1は「第1コネクタ」の一例であり、メモリー基板B4に設けられたコネクタCn2は「第2コネクタ」の一例である。
処理情報記憶回路61は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性のメモリーと、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、または、PROM(Programmable ROM)等の不揮発性メモリーと、の一方または両方を含んで構成される。処理情報記憶回路61は、印刷処理、コピー処理、スキャン処理、ファクシミリ送信処理、及び、ファクシミリ受信処理等の、各種処理を実行する際に必要となる各種情報を記憶する。例えば、処理情報記憶回路61は、インクジェットプリンター1が印刷処理を実行する場合に、ホストコンピューターから供給される印刷データImgを一時的に記憶する。また、処理情報記憶回路61は、インクジェットプリンター1がファクシミリ受信処理を実行する場合に、外部装置に送信するための画像データDatを一時的に記憶する。
制御回路60は、CPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。但し、制御回路60は、CPUの代わりに、または、CPUに加えて、FPGA(field-programmable gate array)等のプログラマブルロジックデバイスを備えるものでよい。
制御回路60は、制御回路60に設けられたCPUが、設定情報記憶回路40に記憶されている制御プログラムを実行し、当該制御プログラムに従って動作することで、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御する。具体的には、制御回路60は、印刷ユニット3に設けられた供給回路30を制御するための印刷信号SI、駆動信号生成ユニット2を制御するための波形指定信号dCom、スキャナーユニット5を制御するための制御信号CtrS、搬送ユニット7を制御するための制御信号CtrM、インク保管ユニット91を制御するための制御信号CtrK、及び、廃インク保管ユニット92を制御するための制御信号CtrH等、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御するための信号を生成する。
制御回路60は、制御回路60に設けられたCPUが、設定情報記憶回路40に記憶されている制御プログラムを実行し、当該制御プログラムに従って動作することで、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御する。具体的には、制御回路60は、印刷ユニット3に設けられた供給回路30を制御するための印刷信号SI、駆動信号生成ユニット2を制御するための波形指定信号dCom、スキャナーユニット5を制御するための制御信号CtrS、搬送ユニット7を制御するための制御信号CtrM、インク保管ユニット91を制御するための制御信号CtrK、及び、廃インク保管ユニット92を制御するための制御信号CtrH等、インクジェットプリンター1の各部の動作を制御するための信号を生成する。
ここで、波形指定信号dComとは、駆動信号Comの波形を指定するデジタルの信号である。
駆動信号Comとは、吐出部Dを駆動するためのアナログの信号である。
印刷信号SIとは、吐出部Dの動作の態様を指定するためのデジタルの信号である。具体的には、印刷信号SIは、吐出部Dに対して駆動信号Comを供給するか否かを指定することで、吐出部Dの動作の態様を指定する。ここで、吐出部Dの動作の態様の指定とは、例えば、吐出部Dを駆動するか否かを指定したり、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dからインクが吐出されるか否かを指定したり、また、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dから吐出されるインク量を指定したりすることである。
駆動信号Comとは、吐出部Dを駆動するためのアナログの信号である。
印刷信号SIとは、吐出部Dの動作の態様を指定するためのデジタルの信号である。具体的には、印刷信号SIは、吐出部Dに対して駆動信号Comを供給するか否かを指定することで、吐出部Dの動作の態様を指定する。ここで、吐出部Dの動作の態様の指定とは、例えば、吐出部Dを駆動するか否かを指定したり、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dからインクが吐出されるか否かを指定したり、また、吐出部Dを駆動した際に当該吐出部Dから吐出されるインク量を指定したりすることである。
図2に示すように、駆動信号生成ユニット2は、基板B2と、基板B2上に形成された駆動信号生成回路20と、を備える。基板B2は、フレキシブルフラットケーブル等のケーブルCb2により、制御基板B6と電気的に接続され、また、フレキシブルフラットケーブル等のケーブルCb3により、基板B3と電気的に接続されている。駆動信号生成回路20は、制御回路60からケーブルCb2を介して供給される波形指定信号dComに基づいて、波形指定信号dComにより規定される波形を有する駆動信号Comを生成し、生成した駆動信号Comを、ケーブルCb3を介して供給回路30に供給する。
図2に示すように、スキャナーユニット5は、記録用紙Pに印刷された画像を読み取るスキャナー(図示省略)と、基板B5と、基板B5上に形成されたスキャナー駆動回路50と、を備える。基板B5は、フレキシブルフラットケーブル等のケーブルCb5により、制御基板B6と電気的に接続されている。スキャナー駆動回路50は、ケーブルCb5を介して制御ユニット6から供給される制御信号CtrSに基づいて、スキャナーを駆動する。また、スキャナー駆動回路50は、例えば、スキャナーの読み取った画像を、スキャナー特性情報に基づいて補正することで、画像データDatを生成する。
通信ユニット8は、基板B8と、基板B8上に形成された通信回路80と、を備える。基板B8は、フレキシブルフラットケーブル等のケーブルCb8により、制御基板B6と電気的に接続され、LAN(Local Area Network)ケーブル等のケーブルCbxにより、外部機器との通信を中継する通信機器と電気的に接続されている。通信回路80は、制御回路60から供給される信号(例えば、画像データDatを含む信号)を、外部装置と通信するためのフォーマットに変換し、また、外部装置から受信した信号を、制御回路60の処理に適したフォーマットに変換する。
インク保管ユニット91は、インクを保管するインクカートリッジ911(図3参照)と、基板B91と、基板B91上に形成されたインク量検出回路910と、を備える。基板B91は、フレキシブルフラットケーブル等のケーブルCb91により、制御基板B6と電気的に接続されている。インク量検出回路910は、ケーブルCb91を介して制御回路60から供給される制御信号CtrKに基づいて動作する。具体的には、インク量検出回路910は、インクカートリッジ911内のインク残量を検出し、検出結果を表すインク管理情報Info-Kを出力する。
廃インク保管ユニット92は、廃インクを保管する廃インクタンク921(図3参照)と、基板B92と、基板B92上に形成された廃インク量検出回路920と、を備える。基板B92は、フレキシブルフラットケーブル等のケーブルCb92により、制御基板B6と電気的に接続されている。廃インク量検出回路920は、ケーブルCb92を介して制御回路60から供給される制御信号CtrHに基づいて動作する。具体的には、廃インク量検出回路920は、廃インクタンク921内の廃インク量を検出し、検出結果を示す廃インク管理情報Info-Hを出力する。
印刷処理が実行される場合、制御回路60は、まず、ホストコンピューターから供給される印刷データImgを、処理情報記憶回路61に記憶させる。次に、制御回路60は、処理情報記憶回路61に記憶されている印刷データImgと、設定情報記憶回路40に記憶されている印刷設定情報と、に基づいて印刷信号SIを生成し、設定情報記憶回路40に記憶されている印刷特性情報に基づいて波形指定信号dComを生成し、設定情報記憶回路40に記憶されている搬送特性情報に基づいて制御信号CtrMを生成する。そして、制御回路60は、生成した各種信号により、搬送ユニット7の特性を考慮しつつ印刷ユニット3に対する記録用紙Pの相対位置を変化させるように搬送ユニット7を制御し、印刷ユニット3の特性を考慮しつつ吐出部Dが駆動されるように供給回路30を制御する。これにより、制御回路60は、吐出部Dからのインクの吐出の有無、インクの吐出量、及び、インクの吐出タイミング等を調整し、印刷データImgに対応する画像を記録用紙Pに形成する印刷処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する。
スキャン処理が実行される場合、スキャナーユニット5のスキャナー駆動回路50は、制御信号CtrSに基づいて、スキャナーが読み取り可能な位置に配置された記録用紙Pに印刷された画像を読み取るように、スキャナーを駆動する。次に、スキャナーユニット5のスキャナー駆動回路50は、設定情報記憶回路40に記憶されているスキャナー特性情報に基づいて、スキャナーの読み取った画像を示す画像データDatを生成する。そして、制御回路60は、スキャナーユニット5から出力される画像データDatを、例えば、処理情報記憶回路61または外部の記憶装置等に記憶させる。
コピー処理は、スキャン処理と印刷処理とを含む処理である。
コピー処理が実行される場合、まず、スキャナーユニット5及び制御回路60は、スキャン処理を実行し、画像データDatを生成する。次に、制御回路60は、画像データDatを印刷処理に適したフォーマットの印刷データImgに変換し、当該印刷データImgを処理情報記憶回路61に記憶させる。次に、制御回路60は、印刷データImgに基づいて印刷処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する。
コピー処理が実行される場合、まず、スキャナーユニット5及び制御回路60は、スキャン処理を実行し、画像データDatを生成する。次に、制御回路60は、画像データDatを印刷処理に適したフォーマットの印刷データImgに変換し、当該印刷データImgを処理情報記憶回路61に記憶させる。次に、制御回路60は、印刷データImgに基づいて印刷処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する。
ファクシミリ送信処理は、スキャン処理と画像データDatを送信する処理とを含む処理である。
ファクシミリ送信処理が実行される場合、まず、スキャナーユニット5及び制御回路60は、スキャン処理を実行し、画像データDatを生成する。次に、制御回路60は、設定情報記憶回路40に記憶されている通信設定情報に基づいて、画像データDatが外部装置に送信されるように通信ユニット8を制御する。
ファクシミリ送信処理が実行される場合、まず、スキャナーユニット5及び制御回路60は、スキャン処理を実行し、画像データDatを生成する。次に、制御回路60は、設定情報記憶回路40に記憶されている通信設定情報に基づいて、画像データDatが外部装置に送信されるように通信ユニット8を制御する。
ファクシミリ受信処理は、画像データDatを受信する処理と印刷処理とを含む処理である。
ファクシミリ受信処理が実行される場合、まず、制御回路60は、外部装置がインクジェットプリンター1に送信した画像データDatを受信するように、通信ユニット8を制御する。次に、制御回路60は、通信ユニット8が受信した画像データDatを、印刷処理に適したフォーマットの印刷データImgに変換し、当該印刷データImgを処理情報記憶回路61に記憶させる。次に、制御回路60は、印刷データImgに基づいて印刷処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する。
ファクシミリ受信処理が実行される場合、まず、制御回路60は、外部装置がインクジェットプリンター1に送信した画像データDatを受信するように、通信ユニット8を制御する。次に、制御回路60は、通信ユニット8が受信した画像データDatを、印刷処理に適したフォーマットの印刷データImgに変換し、当該印刷データImgを処理情報記憶回路61に記憶させる。次に、制御回路60は、印刷データImgに基づいて印刷処理が実行されるように、インクジェットプリンター1の各部を制御する。
クリーニング処理は、吐出部Dからインクを予備的に吐出させる処理である。
クリーニング処理が実行される場合、まず、制御回路60は、印刷ユニット3が廃インクタンク921から見て+Z方向の位置に移動するように、搬送ユニット7を制御する。次に、制御回路60は、印刷ユニット3から廃インクタンク921に対してインクを吐出するように、印刷ユニット3を制御する。
クリーニング処理が実行される場合、まず、制御回路60は、印刷ユニット3が廃インクタンク921から見て+Z方向の位置に移動するように、搬送ユニット7を制御する。次に、制御回路60は、印刷ユニット3から廃インクタンク921に対してインクを吐出するように、印刷ユニット3を制御する。
上述のとおり、本実施形態では、インクジェットプリンター1がシリアルプリンターである場合を想定する。具体的には、図3に示すように、インクジェットプリンター1は、印刷処理を実行する場合、副走査方向に記録用紙Pを搬送しつつ、副走査方向に交差する主走査方向に印刷ユニット3を往復動させながら、吐出部Dからインクを吐出させることで、記録用紙P上に印刷データImgに応じたドットを形成する。
以下では、+X方向とその逆方向である−X方向とを「X軸方向」と総称し、+Y方向とその逆方向である−Y方向とを「Y軸方向」と総称し、+Z方向とその逆方向である−Z方向とを「Z軸方向」と総称する。本実施形態では、図3に示すように、−X側(上流側)から+X側(下流側)に向かう方向を副走査方向とし、Y軸方向を主走査方向とする。なお、本実施形態では、一例として、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向が、互いに直交する方向である場合を想定するが、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向は、互いに交差する方向であればよい。
以下では、+X方向とその逆方向である−X方向とを「X軸方向」と総称し、+Y方向とその逆方向である−Y方向とを「Y軸方向」と総称し、+Z方向とその逆方向である−Z方向とを「Z軸方向」と総称する。本実施形態では、図3に示すように、−X側(上流側)から+X側(下流側)に向かう方向を副走査方向とし、Y軸方向を主走査方向とする。なお、本実施形態では、一例として、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向が、互いに直交する方向である場合を想定するが、X軸方向、Y軸方向、及び、Z軸方向は、互いに交差する方向であればよい。
図1〜図3に例示するように、搬送ユニット7は、筐体FMの内部においてY軸方向に往復動可能であり印刷ユニット3を搭載するキャリッジ700と、キャリッジ700を往復動させるための駆動源となる搬送モーター71と、記録用紙Pを搬送するための駆動源となる給紙モーター73と、基板B7と、基板B7上に形成されたモーター駆動回路72と、基板B7上に形成されたモーター駆動回路74と、を具備する。基板B7は、フレキシブルフラットケーブル等のケーブルCb7により、制御基板B6と電気的に接続されている。モーター駆動回路72は、制御回路60からケーブルCb7を介して供給される制御信号CtrMに基づいて、搬送モーター71を駆動する。モーター駆動回路74は、制御回路60からケーブルCb7を介して供給される制御信号CtrMに基づいて、給紙モーター73を駆動する。
また、搬送ユニット7は、Y軸方向に延在するキャリッジガイド軸76と、搬送モーター71により回転駆動されるプーリー711、及び、回転自在なプーリー712の間に掛け渡されY軸方向に延在するタイミングベルト710と、を具備する。キャリッジ700は、キャリッジガイド軸76によりY軸方向に往復自在に支持されるとともに、固定具701を介してタイミングベルト710の所定箇所に固定されている。このため、搬送ユニット7は、搬送モーター71によりプーリー711を回転駆動させることで、キャリッジ700を印刷ユニット3と共に、キャリッジガイド軸76に沿ってY軸方向に往復動させることができる。
また、搬送ユニット7は、キャリッジ700の下側(−Z側)に設けられたプラテン75と、給紙モーター73の駆動に応じて回転し記録用紙Pを1枚ずつプラテン75上に供給するための給紙ローラ(図示省略)と、給紙モーター73の駆動に応じて回転しプラテン75上の記録用紙Pを排紙口へと搬送する排紙ローラ730と、を備える。このため、搬送ユニット7は、記録用紙Pをプラテン75上において−X側(上流側)から+X側(下流側)へと搬送することができる。
このように、搬送ユニット7は、印刷処理が実行される場合に、印刷ユニット3をY軸方向に往復動させるとともに、記録用紙Pを+X方向に搬送することで、記録用紙Pの印刷ユニット3に対する相対位置を変化させ、記録用紙Pの全体に対するインクの着弾を可能とする。
また、搬送ユニット7は、キャリッジ700の下側(−Z側)に設けられたプラテン75と、給紙モーター73の駆動に応じて回転し記録用紙Pを1枚ずつプラテン75上に供給するための給紙ローラ(図示省略)と、給紙モーター73の駆動に応じて回転しプラテン75上の記録用紙Pを排紙口へと搬送する排紙ローラ730と、を備える。このため、搬送ユニット7は、記録用紙Pをプラテン75上において−X側(上流側)から+X側(下流側)へと搬送することができる。
このように、搬送ユニット7は、印刷処理が実行される場合に、印刷ユニット3をY軸方向に往復動させるとともに、記録用紙Pを+X方向に搬送することで、記録用紙Pの印刷ユニット3に対する相対位置を変化させ、記録用紙Pの全体に対するインクの着弾を可能とする。
本実施形態では、図3に例示するように、
インクジェットプリンター1のキャリッジ700に、4個のインクカートリッジ911が登載されている場合を想定する。より具体的には、本実施形態では、一例として、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの4色(CMYK)のインクと1対1に対応する4個のインクカートリッジ911が、キャリッジ700に搭載されている場合を想定する。
また、本実施形態では、一例として、M個の吐出部Dが、4個のインクカートリッジ911と1対1に対応する4個のグループに区分されている場合を想定する。そして、各吐出部Dは、当該吐出部Dの属するグループに対応するインクカートリッジ911からインクの供給を受ける。これにより、各吐出部Dは、供給されたインクを内部に充填し、充填したインクをノズルN(図4参照)から吐出することができる。つまり、印刷ユニット3が具備する合計M個の吐出部Dは、全体としてCMYKの4色のインクを吐出することができる。なお、図3は一例に過ぎず、インクカートリッジ911は、キャリッジ700の外部に設けられるものであってもよい。
インクジェットプリンター1のキャリッジ700に、4個のインクカートリッジ911が登載されている場合を想定する。より具体的には、本実施形態では、一例として、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの4色(CMYK)のインクと1対1に対応する4個のインクカートリッジ911が、キャリッジ700に搭載されている場合を想定する。
また、本実施形態では、一例として、M個の吐出部Dが、4個のインクカートリッジ911と1対1に対応する4個のグループに区分されている場合を想定する。そして、各吐出部Dは、当該吐出部Dの属するグループに対応するインクカートリッジ911からインクの供給を受ける。これにより、各吐出部Dは、供給されたインクを内部に充填し、充填したインクをノズルN(図4参照)から吐出することができる。つまり、印刷ユニット3が具備する合計M個の吐出部Dは、全体としてCMYKの4色のインクを吐出することができる。なお、図3は一例に過ぎず、インクカートリッジ911は、キャリッジ700の外部に設けられるものであってもよい。
<<2.記録ヘッド及び吐出部の概要>>
図4及び図5を参照しつつ、記録ヘッドHDと、記録ヘッドHDに設けられる吐出部Dと、について説明する。
図4及び図5を参照しつつ、記録ヘッドHDと、記録ヘッドHDに設けられる吐出部Dと、について説明する。
図4は、吐出部Dを含むように記録ヘッドHDを切断した、記録ヘッドHDの概略的な一部断面図である。
図4に示すように、吐出部Dは、圧電素子PZと、内部にインクが充填されたキャビティ320と、キャビティ320に連通するノズルNと、振動板310と、を備える。吐出部Dは、圧電素子PZが供給駆動信号Vinにより駆動されることにより、キャビティ320内のインクをノズルNから吐出させる。キャビティ320は、キャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。キャビティ320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取入口370を介して、当該吐出部Dに対応するインクカートリッジ911と連通している。
図4に示すように、吐出部Dは、圧電素子PZと、内部にインクが充填されたキャビティ320と、キャビティ320に連通するノズルNと、振動板310と、を備える。吐出部Dは、圧電素子PZが供給駆動信号Vinにより駆動されることにより、キャビティ320内のインクをノズルNから吐出させる。キャビティ320は、キャビティプレート340と、ノズルNが形成されたノズルプレート330と、振動板310と、により区画される空間である。キャビティ320は、インク供給口360を介してリザーバ350と連通している。リザーバ350は、インク取入口370を介して、当該吐出部Dに対応するインクカートリッジ911と連通している。
本実施形態では、圧電素子PZとして、図4に示すようなユニモルフ(モノモルフ)型を採用する。なお、圧電素子PZは、ユニモルフ型に限らず、バイモルフ型や積層型等を採用してもよい。
圧電素子PZは、上部電極Zuと、下部電極Zdと、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に設けられた圧電体Zmと、を有する。下部電極Zdは、低電位側の電源電位VBSに設定された給電線LHd(図6参照)と電気的に接続される。そして、上部電極Zuに駆動信号Com(供給駆動信号Vin)が供給されて、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に電圧が印加されると、当該印加された電圧に応じて圧電素子PZが+Z方向または−Z方向に変位し、その結果、圧電素子PZが振動する。
圧電素子PZは、上部電極Zuと、下部電極Zdと、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に設けられた圧電体Zmと、を有する。下部電極Zdは、低電位側の電源電位VBSに設定された給電線LHd(図6参照)と電気的に接続される。そして、上部電極Zuに駆動信号Com(供給駆動信号Vin)が供給されて、上部電極Zu及び下部電極Zdの間に電圧が印加されると、当該印加された電圧に応じて圧電素子PZが+Z方向または−Z方向に変位し、その結果、圧電素子PZが振動する。
キャビティプレート340の上面開口部には、振動板310が設置される。振動板310には、下部電極Zdが接合されている。このため、圧電素子PZが供給駆動信号Vinにより駆動されて変位すると、振動板310も変位する。そして、振動板310の変位によりキャビティ320の容積が変化し、キャビティ320内に充填されたインクがノズルNより吐出される。インクの吐出によりキャビティ320内のインクが減少した場合、リザーバ350からインクが供給される。
図5は、+Z方向または−Z方向からインクジェットプリンター1を平面視した場合の、記録ヘッドHDに設けられたM個のノズルNの配置の一例を説明するための説明図である。
図5に示すように、記録ヘッドHDには、4列のノズル列Lnが設けられる。ここで、ノズル列Lnとは、所定方向に列状に延在するように設けられた複数のノズルNである。本実施形態では、各ノズル列Lnが、複数のノズルNをX軸方向に列状に延在するように配置して構成される場合を想定する。
以下では、記録ヘッドHDに設けられる4列のノズル列Lnを、それぞれ、ノズル列Ln-BK、Ln-CY、Ln-MG、Ln-YLと称する。ここで、ノズル列Ln-BKは、ブラックのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-CYは、シアンのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-MGは、マゼンタのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-YLは、イエローのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnである。
但し、図5に示すノズル列Lnは一例であり、各ノズル列Lnに属する複数のノズルNは、ノズル列Lnの延在する方向と交差する方向に所定の幅を有して配置されていてもよい。つまり、各ノズル列Lnにおいて、+X側から偶数番目のノズルNと奇数番目のノズルNのY軸方向の位置が相違するように、各ノズル列Lnに属する複数のノズルNが千鳥状に配置されてもよい。また、各ノズル列LnはX軸方向とは異なる方向に延在してもよい。また、本実施形態では、記録ヘッドHDに設けられるノズル列Lnの列数が「4」である場合を例示しているが、記録ヘッドHDには、1列以上のノズル列Lnが設けられていればよい。
図5に示すように、記録ヘッドHDには、4列のノズル列Lnが設けられる。ここで、ノズル列Lnとは、所定方向に列状に延在するように設けられた複数のノズルNである。本実施形態では、各ノズル列Lnが、複数のノズルNをX軸方向に列状に延在するように配置して構成される場合を想定する。
以下では、記録ヘッドHDに設けられる4列のノズル列Lnを、それぞれ、ノズル列Ln-BK、Ln-CY、Ln-MG、Ln-YLと称する。ここで、ノズル列Ln-BKは、ブラックのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-CYは、シアンのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-MGは、マゼンタのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnであり、ノズル列Ln-YLは、イエローのインクを吐出する吐出部DのノズルNを配列したノズル列Lnである。
但し、図5に示すノズル列Lnは一例であり、各ノズル列Lnに属する複数のノズルNは、ノズル列Lnの延在する方向と交差する方向に所定の幅を有して配置されていてもよい。つまり、各ノズル列Lnにおいて、+X側から偶数番目のノズルNと奇数番目のノズルNのY軸方向の位置が相違するように、各ノズル列Lnに属する複数のノズルNが千鳥状に配置されてもよい。また、各ノズル列LnはX軸方向とは異なる方向に延在してもよい。また、本実施形態では、記録ヘッドHDに設けられるノズル列Lnの列数が「4」である場合を例示しているが、記録ヘッドHDには、1列以上のノズル列Lnが設けられていればよい。
<<3.印刷ユニットの構成>>
以下、図6を参照しつつ、印刷ユニット3の構成について説明する。
以下、図6を参照しつつ、印刷ユニット3の構成について説明する。
図6は、印刷ユニット3の構成の一例を示すブロック図である。上述のように、印刷ユニット3は、記録ヘッドHDと、供給回路30と、駆動信号生成ユニット2から駆動信号Comが供給されるケーブルCb3に電気的に接続された内部配線LHaと、給電線LHdと、を備える。
供給回路30は、M個のスイッチSW(SW[1]〜SW[M])と、各スイッチSWの接続状態を指定する接続状態指定回路31と、を備える。なお、各スイッチSWとしては、例えば、トランスミッションゲートを採用することができる。なお、図6では、簡単のために、M=3の場合を示している。
接続状態指定回路31は、制御回路60から供給されるクロック信号CLK、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及び、チェンジ信号CNGの少なくとも一部の信号に基づいて、スイッチSW[1]〜SW[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SL[1]〜SL[M]を生成する。
スイッチSW[m]は、接続状態指定信号SL[m]に応じて、内部配線LHaと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSW[m]は、接続状態指定信号SL[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。上述のとおり、駆動信号Comのうち、スイッチSW[m]を介して、吐出部D[m]の圧電素子PZ[m]に実際に供給される信号が供給駆動信号Vin[m]である。
供給回路30は、M個のスイッチSW(SW[1]〜SW[M])と、各スイッチSWの接続状態を指定する接続状態指定回路31と、を備える。なお、各スイッチSWとしては、例えば、トランスミッションゲートを採用することができる。なお、図6では、簡単のために、M=3の場合を示している。
接続状態指定回路31は、制御回路60から供給されるクロック信号CLK、印刷信号SI、ラッチ信号LAT、及び、チェンジ信号CNGの少なくとも一部の信号に基づいて、スイッチSW[1]〜SW[M]のオンオフを指定する接続状態指定信号SL[1]〜SL[M]を生成する。
スイッチSW[m]は、接続状態指定信号SL[m]に応じて、内部配線LHaと、吐出部D[m]に設けられた圧電素子PZ[m]の上部電極Zu[m]と、の導通及び非導通を切り替える。例えば、スイッチSW[m]は、接続状態指定信号SL[m]がハイレベルの場合にオンし、ローレベルの場合にオフする。上述のとおり、駆動信号Comのうち、スイッチSW[m]を介して、吐出部D[m]の圧電素子PZ[m]に実際に供給される信号が供給駆動信号Vin[m]である。
<<4.印刷ユニットの動作>>
以下、図7〜図9を参照しつつ、印刷ユニット3の動作について説明する。
以下、図7〜図9を参照しつつ、印刷ユニット3の動作について説明する。
本実施形態において、インクジェットプリンター1の動作期間は、1または複数の単位期間Tuを含む。インクジェットプリンター1は、各単位期間Tuにおいて、印刷処理のために各吐出部Dを駆動することができる。そして、インクジェットプリンター1は、連続的または間欠的に設けられた複数の単位期間Tuにおいて印刷処理を実行することで、複数の吐出部Dの各々から例えば1または複数回ずつインクを吐出させて、印刷データImgの示す画像を形成する。
図7は、単位期間Tuにおけるインクジェットプリンター1の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図7に示すように、制御回路60は、パルスPlsLを有するラッチ信号LATを出力する。これにより、制御回路60は、パルスPlsLの立ち上がりから次のパルスPlsLの立ち上がりまでの期間として、単位期間Tuを規定する。また、制御回路60は、パルスPlsCを有するチェンジ信号CNGを出力する。これにより、制御回路60は、単位期間Tuを、パルスPlsLの立ち上がりからパルスPlsCの立ち上がりまでの制御期間Tu1と、パルスPlsCの立ち上がりからパルスPlsLの立ち上がりまでの制御期間Tu2と、に区分する。
また、印刷信号SIは、各単位期間Tuにおける吐出部D[1]〜D[M]の動作の態様を指定する個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む。そして、制御回路60は、単位期間Tuにおいて印刷処理が実行される場合、当該単位期間Tuに先立って、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む印刷信号SIを、クロック信号CLKに同期させて接続状態指定回路31に供給する。この場合、接続状態指定回路31は、当該単位期間Tuにおいて、個別指定信号Sd[m]に基づいて接続状態指定信号SL[m]を生成する。
図7に示すように、制御回路60は、パルスPlsLを有するラッチ信号LATを出力する。これにより、制御回路60は、パルスPlsLの立ち上がりから次のパルスPlsLの立ち上がりまでの期間として、単位期間Tuを規定する。また、制御回路60は、パルスPlsCを有するチェンジ信号CNGを出力する。これにより、制御回路60は、単位期間Tuを、パルスPlsLの立ち上がりからパルスPlsCの立ち上がりまでの制御期間Tu1と、パルスPlsCの立ち上がりからパルスPlsLの立ち上がりまでの制御期間Tu2と、に区分する。
また、印刷信号SIは、各単位期間Tuにおける吐出部D[1]〜D[M]の動作の態様を指定する個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む。そして、制御回路60は、単位期間Tuにおいて印刷処理が実行される場合、当該単位期間Tuに先立って、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]を含む印刷信号SIを、クロック信号CLKに同期させて接続状態指定回路31に供給する。この場合、接続状態指定回路31は、当該単位期間Tuにおいて、個別指定信号Sd[m]に基づいて接続状態指定信号SL[m]を生成する。
図7に示すように、駆動信号Comは、制御期間Tu1に設けられた波形PXと、制御期間Tu2に設けられた波形PYと、を有する。本実施形態では、波形PXの最高電位VHXと最低電位VLXとの電位差が、波形PYの最高電位VHYと最低電位VLYとの電位差よりも大きくなるように、波形PX及び波形PYを定める。具体的には、波形PXを有する駆動信号Comにより吐出部D[m]を駆動する場合、吐出部D[m]から中ドットに相当する量(中程度の量)のインクが吐出されるように、波形PXの波形を定める。また、波形PYを有する駆動信号Comにより吐出部D[m]を駆動する場合、吐出部D[m]から小ドットに相当する量(小程度の量)のインクが吐出されるように、波形PYの波形を定める。なお、波形PX及び波形PYは、開始時及び終了時の電位が基準電位V0に設定されている。
図8は、個別指定信号Sd[m]と、接続状態指定信号SL[m]と、の関係を説明するための説明図である。
図8に示すように、本実施形態では、個別指定信号Sd[m]が、2ビットのデジタル信号である場合を想定する。具体的には、個別指定信号Sd[m]は、各単位期間Tuにおいて、吐出部D[m]に対して、大ドットに相当する量(大程度の量)のインクの吐出(「大ドットの形成」と称する場合がある)を指定するする値(1,1)、中程度の量のインクの吐出(「中ドットの形成」と称する場合がある)を指定する値(1,0)、小程度の量のインクの吐出(「小ドットの形成」と称する場合がある)を指定する値(0,1)、及び、インクの非吐出を指定する値(0,0)、の4値のうち、何れか一つの値に設定される。
図8に示すように、本実施形態では、個別指定信号Sd[m]が、2ビットのデジタル信号である場合を想定する。具体的には、個別指定信号Sd[m]は、各単位期間Tuにおいて、吐出部D[m]に対して、大ドットに相当する量(大程度の量)のインクの吐出(「大ドットの形成」と称する場合がある)を指定するする値(1,1)、中程度の量のインクの吐出(「中ドットの形成」と称する場合がある)を指定する値(1,0)、小程度の量のインクの吐出(「小ドットの形成」と称する場合がある)を指定する値(0,1)、及び、インクの非吐出を指定する値(0,0)、の4値のうち、何れか一つの値に設定される。
個別指定信号Sd[m]が、大ドットの形成を指定する値(1,1)に設定されている場合、接続状態指定回路31は、接続状態指定信号SL[m]を、制御期間Tu1及びTu2においてハイレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、制御期間Tu1において波形PXの駆動信号Comにより駆動されて中程度の量のインクを吐出し、また、制御期間Tu2において波形PYの駆動信号Comにより駆動されて小程度の量のインクを吐出する。これにより、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて、合計で大程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには大ドットが形成される。
個別指定信号Sd[m]が、中ドットの形成を指定する値(1,0)に設定されている場合、接続状態指定回路31は、接続状態指定信号SL[m]を、制御期間Tu1においてハイレベルに、制御期間Tu2においてローレベルに、それぞれ設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて中程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには中ドットが形成される。
個別指定信号Sd[m]が、小ドットの形成を指定する値(0,1)に設定されている場合、接続状態指定回路31は、接続状態指定信号SL[m]を、制御期間Tu1においてローレベルに、制御期間Tu2においてハイレベルに、それぞれ設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて小程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには小ドットが形成される。
個別指定信号Sd[m]が、インクの非吐出を指定する値(0,0)に設定されている場合、接続状態指定回路31は、接続状態指定信号SL[m]を制御期間Tu1及びTu2においてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて、インクを吐出せず、記録用紙Pにドットを形成しない。
個別指定信号Sd[m]が、中ドットの形成を指定する値(1,0)に設定されている場合、接続状態指定回路31は、接続状態指定信号SL[m]を、制御期間Tu1においてハイレベルに、制御期間Tu2においてローレベルに、それぞれ設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて中程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには中ドットが形成される。
個別指定信号Sd[m]が、小ドットの形成を指定する値(0,1)に設定されている場合、接続状態指定回路31は、接続状態指定信号SL[m]を、制御期間Tu1においてローレベルに、制御期間Tu2においてハイレベルに、それぞれ設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて小程度の量のインクを吐出し、記録用紙Pには小ドットが形成される。
個別指定信号Sd[m]が、インクの非吐出を指定する値(0,0)に設定されている場合、接続状態指定回路31は、接続状態指定信号SL[m]を制御期間Tu1及びTu2においてローレベルに設定する。この場合、吐出部D[m]は、単位期間Tuにおいて、インクを吐出せず、記録用紙Pにドットを形成しない。
図9は、本実施形態に係る接続状態指定回路31の構成の一例を示す図である。図9に示すように、接続状態指定回路31は、接続状態指定信号SL[1]〜SL[M]を生成する。
具体的には、接続状態指定回路31は、吐出部D[1]〜D[M]と1対1に対応するように、転送回路SR[1]〜SR[M]と、ラッチ回路LT[1]〜LT[M]と、デコーダーDC[1]〜DC[M]と、を有する。このうち、転送回路SR[m]には、個別指定信号Sd[m]が供給される。なお、この図では、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]がシリアルで供給され、例えば、m段に対応する個別指定信号Sd[m]が、転送回路SR[1]から転送回路SR[m]へと、クロック信号CLKに同期して順番に転送される場合を例示している。また、ラッチ回路LT[m]は、ラッチ信号LATのパルスPlsLがハイレベルに立ち上がるタイミングにおいて、転送回路SR[m]に供給された個別指定信号Sd[m]をラッチする。また、デコーダーDC[m]は、個別指定信号Sd[m]、ラッチ信号LAT、及び、チェンジ信号CNGに基づいて、図8に従って、接続状態指定信号SL[m]を生成する。
具体的には、接続状態指定回路31は、吐出部D[1]〜D[M]と1対1に対応するように、転送回路SR[1]〜SR[M]と、ラッチ回路LT[1]〜LT[M]と、デコーダーDC[1]〜DC[M]と、を有する。このうち、転送回路SR[m]には、個別指定信号Sd[m]が供給される。なお、この図では、個別指定信号Sd[1]〜Sd[M]がシリアルで供給され、例えば、m段に対応する個別指定信号Sd[m]が、転送回路SR[1]から転送回路SR[m]へと、クロック信号CLKに同期して順番に転送される場合を例示している。また、ラッチ回路LT[m]は、ラッチ信号LATのパルスPlsLがハイレベルに立ち上がるタイミングにおいて、転送回路SR[m]に供給された個別指定信号Sd[m]をラッチする。また、デコーダーDC[m]は、個別指定信号Sd[m]、ラッチ信号LAT、及び、チェンジ信号CNGに基づいて、図8に従って、接続状態指定信号SL[m]を生成する。
<<5.実施形態の結論>>
印刷処理において、吐出部Dから吐出されたインクは、ミストとなって筐体FMの内部を浮遊することがある。そして、ミストとして浮遊するインクは、帯電している場合がある。このため、ミストとして浮遊するインクは、印刷信号SI、波形指定信号dCom等の多くの信号を生成する制御回路60が形成される制御基板B6、または、高電圧の駆動信号Comを生成する駆動信号生成回路20が形成される基板B2等に付着する可能性が高い。そして、基板にインクが付着すると、当該基板上の回路に不具合が生じる可能性が生じる。よって、インクジェットプリンター1においては、制御回路60が形成された制御基板B6、及び、駆動信号生成回路20が形成された基板B2において、ミストとして浮遊するインクが付着することに起因する不具合が生じる可能性が高い。すなわち、インクジェットプリンター1において、制御基板B6または基板B2の交換が必要となる可能性は、他の基板の交換が必要となる可能性よりも高い。
これに対して、本実施形態では、設定情報、特性情報、及び、管理情報を記憶する設定情報記憶回路40を、制御基板B6及び基板B2とは異なるメモリー基板B4上に形成する。このため、制御基板B6または基板B2の交換が必要となる場合であっても、制御基板B6または基板B2の交換に伴いメモリー基板B4の交換が必要となる可能性を低減させることができる。これにより、本実施形態によれば、制御基板B6または基板B2を交換する場合に、設定情報記憶回路40に記憶された設定情報、特性情報、及び、管理情報を失う可能性を低減させることができる。
印刷処理において、吐出部Dから吐出されたインクは、ミストとなって筐体FMの内部を浮遊することがある。そして、ミストとして浮遊するインクは、帯電している場合がある。このため、ミストとして浮遊するインクは、印刷信号SI、波形指定信号dCom等の多くの信号を生成する制御回路60が形成される制御基板B6、または、高電圧の駆動信号Comを生成する駆動信号生成回路20が形成される基板B2等に付着する可能性が高い。そして、基板にインクが付着すると、当該基板上の回路に不具合が生じる可能性が生じる。よって、インクジェットプリンター1においては、制御回路60が形成された制御基板B6、及び、駆動信号生成回路20が形成された基板B2において、ミストとして浮遊するインクが付着することに起因する不具合が生じる可能性が高い。すなわち、インクジェットプリンター1において、制御基板B6または基板B2の交換が必要となる可能性は、他の基板の交換が必要となる可能性よりも高い。
これに対して、本実施形態では、設定情報、特性情報、及び、管理情報を記憶する設定情報記憶回路40を、制御基板B6及び基板B2とは異なるメモリー基板B4上に形成する。このため、制御基板B6または基板B2の交換が必要となる場合であっても、制御基板B6または基板B2の交換に伴いメモリー基板B4の交換が必要となる可能性を低減させることができる。これにより、本実施形態によれば、制御基板B6または基板B2を交換する場合に、設定情報記憶回路40に記憶された設定情報、特性情報、及び、管理情報を失う可能性を低減させることができる。
<<B.変形例>>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
<<変形例1>>
上述した実施形態において、メモリー基板B4及び制御基板B6は、ケーブルを介さずに直接に接続されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、メモリー基板B4及び制御基板B6は、フレキシブルフラットケーブル等のケーブルにより電気的に接続されてもよい。
上述した実施形態において、メモリー基板B4及び制御基板B6は、ケーブルを介さずに直接に接続されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、メモリー基板B4及び制御基板B6は、フレキシブルフラットケーブル等のケーブルにより電気的に接続されてもよい。
<<変形例2>>
上述した実施形態及び変形例において、駆動信号生成回路20は、制御基板B6とは異なる基板B2上に形成されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、駆動信号生成回路20は、制御基板B6上に形成されてもよい。また、上述した実施形態及び変形例において、スキャナー駆動回路50、モーター駆動回路72、モーター駆動回路74、通信回路80、インク量検出回路910、及び、廃インク量検出回路920は、制御基板B6とは異なる基板上に形成されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、スキャナー駆動回路50、モーター駆動回路72、モーター駆動回路74、通信回路80、インク量検出回路910、及び、廃インク量検出回路920は、制御基板B6上に形成されてもよい。要するに、本発明においては、設定情報記憶回路40以外の回路は、制御基板B6上に形成されてもよい。
上述した実施形態及び変形例において、駆動信号生成回路20は、制御基板B6とは異なる基板B2上に形成されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、駆動信号生成回路20は、制御基板B6上に形成されてもよい。また、上述した実施形態及び変形例において、スキャナー駆動回路50、モーター駆動回路72、モーター駆動回路74、通信回路80、インク量検出回路910、及び、廃インク量検出回路920は、制御基板B6とは異なる基板上に形成されるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、スキャナー駆動回路50、モーター駆動回路72、モーター駆動回路74、通信回路80、インク量検出回路910、及び、廃インク量検出回路920は、制御基板B6上に形成されてもよい。要するに、本発明においては、設定情報記憶回路40以外の回路は、制御基板B6上に形成されてもよい。
<<変形例3>>
上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、印刷処理、コピー処理、スキャン処理、ファクシミリ送信処理、ファクシミリ受信処理、及び、クリーニング処理を実行可能であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、少なくとも印刷処理を実行可能であればよい。
また、上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、制御ユニット6、駆動信号生成ユニット2、印刷ユニット3、記憶ユニット4、搬送ユニット7、スキャナーユニット5、通信ユニット8、インク保管ユニット91、及び、廃インク保管ユニット92を備えるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、少なくとも、制御ユニット6、駆動信号生成ユニット2、印刷ユニット3、搬送ユニット7、及び、記憶ユニット4を備えればよい。
上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、印刷処理、コピー処理、スキャン処理、ファクシミリ送信処理、ファクシミリ受信処理、及び、クリーニング処理を実行可能であるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、少なくとも印刷処理を実行可能であればよい。
また、上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、制御ユニット6、駆動信号生成ユニット2、印刷ユニット3、記憶ユニット4、搬送ユニット7、スキャナーユニット5、通信ユニット8、インク保管ユニット91、及び、廃インク保管ユニット92を備えるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、少なくとも、制御ユニット6、駆動信号生成ユニット2、印刷ユニット3、搬送ユニット7、及び、記憶ユニット4を備えればよい。
<<変形例4>>
上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、1個の駆動信号生成回路20と、1個の記録ヘッドHDを備えるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、複数の駆動信号生成回路20を備えてもよいし、複数の記録ヘッドHDを備えてもよい。
例えば、インクジェットプリンター1は、記録ヘッドHDが備える各吐出部Dに対して、互いに異なる波形を有する複数種類の駆動信号Comを選択的に供給することで、当該吐出部Dを駆動してもよい。この場合、駆動信号生成ユニット2には、複数種類の駆動信号Comと1対1に対応するように、複数の駆動信号生成回路20が設けられていればよい。また、例えば、インクジェットプリンター1が、複数の記録ヘッドHDを有する場合、駆動信号生成ユニット2には、複数の記録ヘッドHDと1対1に対応するように、複数の駆動信号生成回路20が設けられていてもよい。
上述した実施形態及び変形例において、インクジェットプリンター1は、1個の駆動信号生成回路20と、1個の記録ヘッドHDを備えるが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、複数の駆動信号生成回路20を備えてもよいし、複数の記録ヘッドHDを備えてもよい。
例えば、インクジェットプリンター1は、記録ヘッドHDが備える各吐出部Dに対して、互いに異なる波形を有する複数種類の駆動信号Comを選択的に供給することで、当該吐出部Dを駆動してもよい。この場合、駆動信号生成ユニット2には、複数種類の駆動信号Comと1対1に対応するように、複数の駆動信号生成回路20が設けられていればよい。また、例えば、インクジェットプリンター1が、複数の記録ヘッドHDを有する場合、駆動信号生成ユニット2には、複数の記録ヘッドHDと1対1に対応するように、複数の駆動信号生成回路20が設けられていてもよい。
<<変形例5>>
上述した実施形態及び変形例では、インクジェットプリンター1がシリアルプリンターである場合を想定したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、記録ヘッドHDにおいて、複数のノズルNが記録用紙Pの幅よりも広く延在するように設けられた、所謂ラインプリンターであってもよい。
上述した実施形態及び変形例では、インクジェットプリンター1がシリアルプリンターである場合を想定したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、インクジェットプリンター1は、記録ヘッドHDにおいて、複数のノズルNが記録用紙Pの幅よりも広く延在するように設けられた、所謂ラインプリンターであってもよい。
<<変形例6>>
上述した実施形態及び変形例では、印刷装置として、圧電素子PZを用いてインクを吐出するピエゾ方式のインクジェットプリンター1を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、印刷装置は、ピエゾ方式のインクジェットプリンター以外のプリンターであってもよい。例えば、印刷装置は、サーマル方式のインクジェットプリンターであってもよいし、熱転写方式のプリンターであってもよいし、感熱式のプリンターであってもよいし、レーザープリンターであってもよいし、それ以外の種類のプリンターであってもよいし、所謂「複合機」であってもよい。
また、上述した実施形態及び変形例では、記録材として、インクを例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、記録材は、記録用紙Pに形成される画像の構成材料となりうる物質であればよい。例えば、記録材は、トナーであってもよい。
上述した実施形態及び変形例では、印刷装置として、圧電素子PZを用いてインクを吐出するピエゾ方式のインクジェットプリンター1を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、印刷装置は、ピエゾ方式のインクジェットプリンター以外のプリンターであってもよい。例えば、印刷装置は、サーマル方式のインクジェットプリンターであってもよいし、熱転写方式のプリンターであってもよいし、感熱式のプリンターであってもよいし、レーザープリンターであってもよいし、それ以外の種類のプリンターであってもよいし、所謂「複合機」であってもよい。
また、上述した実施形態及び変形例では、記録材として、インクを例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、記録材は、記録用紙Pに形成される画像の構成材料となりうる物質であればよい。例えば、記録材は、トナーであってもよい。
1…インクジェットプリンター、2…駆動信号生成ユニット、3…印刷ユニット、4…記憶ユニット、5…スキャナーユニット、6…制御ユニット、7…搬送ユニット、8…通信ユニット、20…駆動信号生成回路、30…供給回路、40…設定情報記憶回路、50…スキャナー駆動回路、60…制御回路、61…処理情報記憶回路、71…搬送モーター、72…モーター駆動回路、73…給紙モーター、74…モーター駆動回路、80…通信回路、91…インク保管ユニット、92…廃インク保管ユニット、910…インク量検出回路、920…廃インク量検出回路、B4…メモリー基板、B6…制御基板、Cn1…コネクタ、Cn2…コネクタ、D…吐出部、HD…記録ヘッド。
Claims (7)
- 記録材を用いて媒体に画像を形成する印刷ユニットと、
前記媒体を搬送する搬送ユニットと、
前記印刷ユニット及び前記搬送ユニットを制御する制御回路と、
前記印刷ユニットの特性を示す印刷特性情報、及び、前記搬送ユニットの特性を示す搬送特性情報を記憶する記憶回路と、
を備え、
前記制御回路は、第1基板上に設けられ、
前記記憶回路は、第2基板上に設けられている、
ことを特徴とする印刷装置。 - 前記第1基板は、第1コネクタを有し、
前記第2基板は、第2コネクタを有し、
前記第1コネクタは、前記第2コネクタに接続されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の印刷装置。 - 前記記憶回路は、
前記印刷装置の利用者により指定された前記印刷装置の設定情報を記憶する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の印刷装置。 - 媒体に印刷された画像を読み込むスキャナーユニットを備え、
前記記憶回路は、
前記スキャナーユニットの特性を示すスキャナー特性情報を記憶する、
ことを特徴とする、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の印刷装置。 - 媒体に印刷された画像を表す情報を外部装置に送信可能な通信ユニットを備え、
前記記憶回路は、
前記通信ユニットが行う前記画像を表す情報の送信についての設定を示す通信設定情報を記憶する、
ことを特徴とする、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の印刷装置。 - 前記記録材を保管する記録材保管ユニットを備え、
前記記憶回路は、
前記記録材保管ユニットが保管する前記記録材の残量を示す記録材管理情報を記憶する、
ことを特徴とする、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の印刷装置。 - 廃棄された前記記録材である廃材を保管する廃材保管ユニットを備え、
前記記憶回路は、
前記廃材保管ユニットが保管する前記廃材の量を示す廃材管理情報を記憶する、
ことを特徴とする、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017030144A JP2018134781A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017030144A JP2018134781A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 印刷装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018134781A true JP2018134781A (ja) | 2018-08-30 |
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ID=63366442
Family Applications (1)
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JP2017030144A Pending JP2018134781A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 印刷装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020199655A (ja) * | 2019-06-07 | 2020-12-17 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置 |
US11789376B2 (en) | 2020-09-25 | 2023-10-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Optical scanning device and image forming apparatus |
-
2017
- 2017-02-21 JP JP2017030144A patent/JP2018134781A/ja active Pending
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