JP2018134645A - フランジ付き穴形状の成形方法 - Google Patents
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Description
バーリング加工はブランク11に製品径より小さい径の下穴3(φd)をあけた後(図5(a)参照)、ブランク11をダイ13とブランクホルダ15で挟み、製品の目標穴内径(φD)と同じ直径のパンチ17で押し広げながらフランジ11aを立て(図6(a)〜(c)参照)、あるいはさらに所定のフランジ11aを残して底部を切除すること(図5(b)参照)で所望の形状を得る(図5(c)参照)。このとき、目標とする穴径だけでなくフランジ11aの高さも考慮して下穴径を決める必要がある。すなわち、製品の目標フランジ高さをhとすれば下穴径φdはd+2h=Dを目安に調整する必要がある。一方で穴フチの最大伸び率はD/dなので、フランジ高さ(h)が高いときはdが小さくなって穴フチの伸び率も大きくなり穴フチには割れを生じやすい。
バーリング加工による従来法では外側(ブランク11)からの材料流入が殆どない。その結果、下穴3のある中央側からの材料流入が支配的となり、下穴3の穴フチの伸びが大きく割れを生じやすい(図7参照)。
円筒絞り成形はブランク11に下穴3をあけることなく(図8(a)参照)、製品の目標穴内径と同じ直径のパンチ17で円筒形状に絞り加工した後(図9(a)〜(c)参照)、所定高さのフランジ11aを残して底部を切除することで(図8(b)参照)、フランジ付穴形状を得る(図8(c)参照)。フランジ11aを高くするためには円筒絞りを深くする必要があり、目標の円筒絞りに到達せずにパンチ肩部で割れを生じることがある(図10(a)参照)。
この割れを防ぐ対策として円筒絞りのプレス成形におけるシワ押さえ荷重を低減して材料を流入しやすくすると、割れは生じなくなるが、ブランク面にシワが発生して部品の品質(平坦度)が阻害されることもある(図10(b)参照)。
母材金属板に下穴を形成する下穴形成工程と、前記下穴を前記母材金属板よりも変形しやすい金属板からなる閉塞部材で塞いで該閉塞部材を前記母材金属板に接合して成形用のブランクとするブランク製造工程と、前記ブランクにおける前記閉塞部材を含む部分を円筒絞り成形する円筒絞り成形工程と、円筒形状の底部を切除して前記閉塞部材を取り除く工程とを備えたことを特徴とするものである。
例えば、強度が母材金属板1と同等で板厚が母材金属板1よりも薄いものを適用できる。また、強度が母材金属板1よりも大きくても、板厚を母材金属板1よりも十分薄くすることで母材金属板1よりも変形しやすくすることもできる。
また、強度が母材金属板1よりも小さく板厚が母材金属板1と同等のものを適用できる。また、強度が母材金属板1よりも十分小さければ、母材金属板1よりも板厚が厚いものも適用できて、母材金属板1よりも変形しやすくすることができる。
閉塞部材5は母材金属板1に形成した下穴3とほぼ同じか若干小さくして下穴3にはめ込むようにしてもよいし、あるいは下穴径よりも大きな面積で下穴3を覆うようにして塞いでもよい。
円筒絞り成形工程では、下穴3が母材金属板1よりも変形しやすい閉塞部材5で塞がれているため、バーリング加工のような穴フチが過剰に伸ばされることによる割れ発生が回避される。また、かかる円筒絞り成形には、閉塞部材5が伸ばされて径を拡大する変形だけでなく、バーリング加工とは異なるため、円筒部の周辺の母材金属板1が縦壁に流入する変形も寄与する。すなわちフランジに対応する円筒部の縦壁には母材金属板1の下穴周辺と、母材金属板1の周囲の両方から材料が移動して成形されるため下穴フチの広がりは従来のバーリング加工に較べて低減され、それ故に割れが抑制される。
したがって、フランジ付き穴形状の成形において、バーリング加工や円筒絞り成形では割れを生じる場合に本発明を適用することで成形性が向上し、割れのない成形が可能な範囲を拡大できる。
実施例1では、閉塞部材の材料強度を母材金属板と同等にし、板厚を母材金属板よりも薄くした場合において、その板厚を変化させた場合について検討した。
実験は、板厚0.50mm、200×300mmサイズのフェライト系ステンレス鋼板(YS=310MPa,TS=480MPa)を母材金属板として、中央に穴内径φ100のフランジ付き穴形状を成形するというものである。
加工方法は以下に示す条件1〜5で、いずれの条件でも、直径φ100、パンチ肩RがR=5mmの平頭形状パンチを用いた。また、条件1〜5のそれぞれでパンチのストロークを5、10、15、20、25、30mmと変化させて比較した。
ブランク11の中央に下穴3(φ40)をあけ、バーリング加工を行う(図3(a)参照)。なお、Sはパンチストロークであり、hはフランジ高さを示している。
●条件2(発明例)
母材金属板1の中央に下穴3(φ40)をあけ、その下穴3を板厚0.20mmの母材金属板1と同等の材質のフェライト系ステンレス鋼板(閉塞部材5)で塞ぎ、閉塞部材5をレーザーで円周方向12箇所を点付けで突合せ溶接してブランク7とし、これを円筒絞り成形した(図3(b)参照)。
●条件3(発明例)
条件3は、閉塞部材5の板厚を0.25mmとしたものであり、他の条件は条件2と同じである。
●条件4(発明例)
条件4は、閉塞部材5の板厚を0.30mmとしたものであり、他の条件は条件2と同じである。
●条件5(比較例)
ブランク11に下穴3をあけることなく、円筒絞り成形を行った(図3(c)参照)。
上記の結果から、下穴3を塞ぐ閉塞部材5を、母材金属板1より板厚を薄くして、相対的に変形しやすくすることで、成形性向上の効果が得られることが明らかとなった。
他方、閉塞部材5の板厚0.30mmの条件4での変形挙動の割れ形態は条件5に類似していた。
その結果として、閉塞部材5の板厚を条件2と条件4の中間とする条件3のような最適な条件設定があることが明らかになった。
実施例1と同様に、板厚0.50mm、200×300mmサイズのフェライト系ステンレス鋼板(YS=310MPa、TS=480MPa)を母材金属板1として、中央に穴内径φ100のフランジ付き穴形状を成形する。加工方法は以下に示す条件6、7とし、いずれの条件でも、直径φ100、パンチ肩RはR=5mmの平頭形状パンチを用いた。
また、それぞれパンチのストロークを5、10、15、20、25、30mmとして比較した。目標としたフランジ付き穴形状を図4に示す。
母材金属板1の中央に下穴3(φ40)をあけ、その下穴3を板厚0.50mmでYS=195MPa、TS=400MPaのフェライト系ステンレス鋼板(閉塞部材5)で塞ぎ、閉塞部材5をアーク溶接で穴の全周を接合してブランク7とし、これを円筒絞り成形した。
●条件7(発明例)
条件7は、閉塞部材5の強度をYS=245MPa、TS=429MPaとしたものであり、他の条件は条件6と同じである。
表2には条件1、6、7、5で成形または加工した結果を示す。
上記の結果から、下穴3を塞ぐ閉塞部材5を母材金属板1より強度を小さくして、相対的に変形しやすくすることで、成形性向上の効果が得られることが明らかとなった。
なお、閉塞部材5がより軟質な条件6での変形挙動と割れ形態は条件1に類似している。他方、閉塞部材5が条件6よりも硬質な条件7での変形挙動と割れ形態は条件5に類似している。
3 下穴
5 閉塞部材
7 ブランク
7a フランジ
11 ブランク(従来例)
11a フランジ(従来例)
13 ダイ
15 ブランクホルダ
17 パンチ
Claims (2)
- 金属板にフランジ付き穴形状を形成するフランジ付き穴形状の成形方法であって、
母材金属板に下穴を形成する下穴形成工程と、前記下穴を前記母材金属板よりも変形しやすい金属板からなる閉塞部材で塞いで該閉塞部材を前記母材金属板に接合して成形用のブランクとするブランク製造工程と、前記ブランクにおける前記閉塞部材を含む部分を円筒絞り成形する円筒絞り成形工程と、円筒形状の底部を切除して前記閉塞部材を取り除く工程とを備えたことを特徴とするフランジ付き穴形状の成形方法。 - 前記閉塞部材は、強度が前記母材金属板と同等もしくは大きく板厚が前記母材金属板よりも薄い金属板、または強度が前記母材金属板より小さく板厚が前記母材金属板と同等もしくは厚い金属板からなることを特徴とする請求項1記載のフランジ付き穴形状の成形方法。
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CN109848320A (zh) * | 2018-12-21 | 2019-06-07 | 建德市三业金属制造有限公司 | 一种桶圈法兰封闭器自动化生产线设备 |
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