JP2018133835A - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018133835A
JP2018133835A JP2017023783A JP2017023783A JP2018133835A JP 2018133835 A JP2018133835 A JP 2018133835A JP 2017023783 A JP2017023783 A JP 2017023783A JP 2017023783 A JP2017023783 A JP 2017023783A JP 2018133835 A JP2018133835 A JP 2018133835A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
motor
current
inverter circuit
voltage side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017023783A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6663368B2 (ja
Inventor
寛之 竹本
Hiroyuki Takemoto
寛之 竹本
恒平 明円
Kohei Myoen
恒平 明円
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2017023783A priority Critical patent/JP6663368B2/ja
Publication of JP2018133835A publication Critical patent/JP2018133835A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6663368B2 publication Critical patent/JP6663368B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Abstract

【課題】モータ・インバータ回路間に設置されている通常の電流センサを用いて、通電量を制御しながらモータ・インバータ回路間の断線状態を診断できるモータ制御装置を提供する。【解決手段】モータ制御装置が、三相交流モータ100を駆動するインバータ回路200と、インバータ回路を制御する制御装置600と、を備える。制御装置は、第2相および第3相における高電圧側および低電圧側の内の一方のアームをオンしながら、第1相における高電圧側および低電圧側の内の他方のアームを所定時間だけオンして、三相交流モータに流れる電流の第1の電流値を検出し、第1の電流値に基づいて、三相交流モータとインバータ回路との間における断線状態を診断する。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ側における断線状態を診断する機能を備えるモータ制御装置に関する。
モータ制御装置が備えるインバータ回路と、インバータ回路によって駆動されるモータとの間における欠相、すなわち断線の状態を診断する技術として、特許文献1に記載されるような従来技術が知られている。
本従来技術では、三相モータの起動前に、ある一相に電流を供給し他の二相から電流を吸い込む動作を相毎に実行し、その動作毎にインバータ回路から直流/直流変換回路に直流電流が流れるか否かを判定することで異常の有無を判断する。さらに、起動後には、三相モータを回転させるためにインバータ回路から三相モータに駆動電流を供給しているときに、直流電流を連続的に検出し、欠相がない場合にモータの1回転周期中に六つ現れ、欠相時には二つに減少する鋸波状のピークの数を判定することで異常の有無を判断する。異常有りと判定されると一旦モータの駆動を停止し、起動前と同じ断線検知処理を実行して欠相が生じている相を確認して異常報知する。
特開2013−132099号公報
上記の従来技術では、インバータ回路から直流/直流変換回路に流れる直流電流を検出するために、新たに直流電流センサの搭載が必要となる。さらに、モータへの通電量を制御していないため、起動時(走行前)の診断にてモータが回り、振動、異音、意図しない走行を生じる恐れがある。
そこで、本発明は、モータ・インバータ回路間に設置されている通常の電流センサを用いて、通電量を制御しながらモータ・インバータ回路間の断線状態を診断できるモータ制御装置を提供する。
上記課題を解決するために、本発明によるモータ制御装置は、三相交流モータを駆動するインバータ回路と、インバータ回路を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、第2相および第3相における高電圧側および低電圧側の内の一方のアームをオンしながら、第1相における高電圧側および低電圧側の内の他方のアームを所定時間だけオンして、三相交流モータに流れる電流の第1の電流値を検出し、第1の電流値に基づいて、三相交流モータとインバータ回路との間における断線状態を診断する。
また、上記課題を解決するために、本発明によるモータ制御装置は、三相交流モータを駆動するインバータ回路と、インバータ回路を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、第2相および第3相における高電圧側および低電圧側の内の一方のアームをオンしながら、第1相における高電圧側および低電圧側の内の他方のアームを所定時間だけオンして、三相交流モータに流れる電流の第1の電流値を検出し、さらに、第1相および第3相における高電圧側および低電圧側の内の一方のアームをオンしながら、第2相における高電圧側および低電圧側の内の他方のアームを所定時間だけオンして、三相交流モータに流れる電流の第2の電流値を検出し、第1の電流値および第2の電流値に基づいて、三相交流モータと前記インバータ回路との間における断線状態を診断する。
本発明によれば、交流の三相の内、二相における高電圧側および低電圧側の内の一方のアームをオンしながら、他の一相における高電圧側および低電圧側の内の他方のアームを所定時間だけオンして、この時、三相交流モータに流れる電流に基づいて断線状態を診断するので、通常の電流センサを用いて、通電量を制御しながらモータ・インバータ回路間の断線状態を診断できる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
実施例1であるモータ制御装置の構成図である。 断線診断における制御装置の処理動作を示すフローチャートである。 通電相のONタイミングおよびON時間の例である。 U相およびV相の上アームのON時間とインバータ回路における直流入力電圧の関係の一例を示す。 U相およびV相通電時におけるUVW相上下アームの通電状態を示す。 U相通電時およびV相通電時の電流ルートを示す回路図である。 U相通電時およびV相通電時におけるUVW相電流の波形例を示す。 断線状態の診断結果と、UV相通電時における各相の電流との関係を示す。 実施例2における、断線診断時の通電相のONタイミングおよびON時間の一例を示す。 実施例2における、U相通電時の各相の電流を示す。
以下、本発明の実施形態について、実施例1および実施例2により、図面を用いて説明する。なお、各図において、参照番号が同一のものは同一の構成要件あるいは類似の機能を備えた構成要件を示している。
図1は、本発明の実施例1であるモータ制御装置の構成図である。
図1に示すように、本実施例では、インバータ回路200とバッテリ400が、互いに接続され、閉回路を構成している。インバータ回路200は、いわゆる電圧形インバータの主回路を構成する。本実施例のモータ制御装置においては、バッテリ400の直流電力がインバータ回路200によって交流電力に変換され、インバータ回路200が出力する交流電力によって、モータ100が通電される。さらに、本実施例のモータ制御装置は、後述するように、インバータ回路200によって、モータ100の三相の内の二相、本実施例ではU相およびV相を通電し、モータ100とインバータ回路200の間のどの相が断線しているかを比較的短時間で判定する診断機能を備えている。
モータ100は、ハイブリッド車両や電気自動車の動力源であり、三相交流電力によって駆動される三相交流同期モータである。なお、本実施例において、モータ100は、永久磁石が設けられるロータと、U相、V相およびW相の三相分の巻線を有するステータとを有する永久磁石同期モータである。各巻線に交流電流が流れることによって発生する回転磁界と、永久磁石磁束との相互作用により、ロータに回転力が発生する。
なお、本実施例において、モータ100のU相巻線、V相巻線およびW相巻線は、Y(あるいはスター)結線されている。
インバータ回路200は、六個の半導体スイッチング素子(図1では、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT))を備え、二個ずつ直列接続され、3相分(U相、V相、W相)の上下アームを構成する。三相分の、高電圧側および低電圧側のアームすなわち上下アームの各直列接続点は、交流給電用ケーブル300を介して、それぞれ、モータ100のU相巻線、V相巻線およびW相巻線に電気的に接続される。上下アームの両端は、直流給電用ケーブル500を介してバッテリ400に電気的に接続される。また、インバータ回路200において、直流入力側には、平滑コンデンサ800が接続される。なお、各半導体スイッチング素子(図1中のIGBTのコレクタ・エミッタ間)には、電気的に逆並列にダイオードが接続される。このダイオードは、いわゆる環流(フリーホイーリング)ダイオードとして動作する。
インバータ回路200においては、半導体スイッチング素子がスイッチング動作することにより、バッテリ400から入力する直流電力が交流電力に変換され、この交流電力が上下アームの直列接続点からモータ100へ出力される。なお、平滑コンデンサ800は、スイッチング動作に伴う入力側電圧の変動を抑制して、インバータ回路200の動作を安定化する。
バッテリ400は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池である。本実施例において、バッテリ400の端子電圧は、100Vから400V程度の比較的高い電圧である。
制御装置600は、インバータ回路200中の各半導体スイッチング素子の制御端子(図1中では、IGBTのゲート端子)に制御信号(PWM信号)を出力し、各半導体スイッチング素子を制御することにより、モータ100へ供給する電流を制御して、モータ100のトルクや速度を制御する。本実施例において、制御装置600は、電流センサ700によって検出される三相交流電流値iu,iv,iwに基づいて、iu,iv,iwが所望のトルクあるいは速度を得るための電流指令値に近づくように、各半導体スイッチング素子を制御する。
なお、図1中では、簡単のために、三相交流電流を検出するセンサを一つの電流センサ700で表している。
さらに、制御装置600は、後述するように、電流センサ700によって検出される三相交流電流値iu,iv,iwに基づいて、モータ100とインバータ回路200との間における断線状態を診断する。
なお、制御装置600は、マイクロコンピュータなどの演算処理装置を備え、演算処理装置が所定のプログラムに従って処理動作することにより、モータ100のトルクや速度を制御したり、モータ100とインバータ回路200との間における断線状態を診断したりする。
次に、制御装置600による、モータ起動前(すなわちハイブリッド車両や電気自動車の走行開始前)の、モータ100とインバータ回路200間の断線診断について説明する。
図2は、本実施例の断線診断における制御装置600の処理動作を示すフローチャートである。
ステップS1000において、インバータ回路200の起動によって処理動作がスタートする。
次に、ステップS1001において、インバータ回路200にバッテリ400から、高電圧(直流電圧)が入力されているかが判定される。本判定においては、直流電圧が所定の閾値を超えているかが判定されたり、高圧リレーのON・OFF信号に基づいて高圧リレー(図示せず)がONしているかが判定されたりする。ここで、高圧リレーは、インバータ回路200とバッテリ400の間に接続される。なお、直流電圧は、例えば、平滑コンデンサ800の両端において検出されて、制御装置600に入力される。
さらに、本ステップS1001においては、モータ100を通電する前に、モータ100の回転数が所定の閾値より小さいかが判定される。すなわち、モータ起動前すなわち走行開始前であるかが判定される。なお、モータ100の回転数は、ロータリエンコーダやレゾルバなどの公知の手段によって検出される。
本ステップS1001において、インバータ回路200に高電圧(直流電圧)が入力されていると判定され、かつモータ起動前であると判定されると(S1001のYES)、次にステップS1002が実行され、そうでなければ(S1001のNO)、ステップS1001の判定処理が繰り返し実行される。
ステップS1002では、U相およびV相のDuty、すなわちONタイミングと直流電圧に応じたON時間が設定される。そして、一つの断線診断期間における、断線診断のための各電流検知タイミングにおいて、Dutyに従って、U相通電あるいはV相通電が設定される。これにより、一つの断線診断期間において、U相およびV相が順次通電される。U相通電の場合、三相分の上アームの内、U相の上アームのみがオンして、三相分の下アームの内、V相およびW相のみがオンする。V相通電の場合、三相分の上アームの内、V相の上アームのみがオンして、三相分の下アームの内、U相およびW相のみがオンする。なお、Dutyは、モータへの通電量が、モータ100の起動前の状態が保持されるような通電量となるように設定される。これにより、断線診断時に、モータの回転を抑え、振動、異音、意図しない走行などが防止される。
次に、ステップS1003において、断線の有無を検知するため、U相、V相、W相の電流値iu,iv,iwの絶対値が所定の閾値を超えているかが判定される。電流値iu,iv,iwのいずれかの絶対値が所定の閾値をいずれかの超えていると判定される場合(S1003のYES)すなわち断線が無いと推定される場合、次にステップS1004が実行される。また、全ての電流値の絶対値が閾値を超えていないと判定される場合(S1003のNO)すなわち断線が有ると推定される場合、次にステップS1005が実行される。
ステップS1004では、各相のOKフラグ用のカウンタvCnt_iu,vCnt_iv,vCnt_iwの内、ステップS1003において、電流値の絶対値が所定の閾値を超えていると判定された相のカウンタをインクリメントする。すなわち、本ステップS1004では、相毎に、一つの断線診断期間において、通電されていること、すなわち断線無と推定された回数がカウントされる。ステップS1004が実行されたら、次に、ステップS1005が実行される。
ステップS1005では、通電時間用カウンタvCnt_Ripoffがインクリメントされる。通電時間用カウンタの計数値によって、電流検知すなわち断線診断の経過時間が監視される。ステップS1005が実行されたら、次に、ステップS1006が実行される。
ステップS1006において、通電時間用カウンタvCnt_Ripoffが所定の閾値を超えているかが判定される。すなわち、一つの断線診断期間が終了したかが判定される。通電時間用カウンタvCnt_Ripoffが所定の閾値を超えていると判定される場合(ステップS1006のYES)、次にステップS1007が実行される。また、超えていないと判定される場合(ステップS1006のNO)、すなわちまだ断線診断期間中であると判定される場合、ステップS1002に戻って、ステップS1002以降の処理が繰り返し実行される。
ステップS1007においては、各相のOKフラグ用カウンタの計数値に基づいて、断線状態、すなわち異常の有無や断線している相などが判定される。まず、OKフラグ用カウンタvCnt_iu,vCnt_iv,vCnt_iwのすべてが所定の閾値以上である場合、3相とも通電されているとして、異常なし(全相断線無)と判定される。次に、vCnt_iuのみ閾値より小である場合、U相のみ通電されていないとして、U相オープン(U相断線)と判定する。同様に、vCnt_ivのみ閾値より小である場合、V相のみ通電されていないとして、V相オープン(V相断線)と判定される。また、vCnt_iwのみ閾値より小である場合、W相のみ通電されていないとして、W相オープン(W相断線)と判定される。ステップS1007において、OKフラグ用カウンタの計数値が、前述のいずれの場合でもない場合、U相、V相およびW相の内、2相あるいは3相(全相)が通電されていないとして、2相あるいは3相オープン(2相あるいは3相断線)と判定される。
図3は、図2のステップS1002において設定される、通電相のONタイミングおよびON時間の例である。
図3の例において、U相は、Timing=0[ms]においてONし、ON時間0.1ms(100μs)にてONし続けた後、OFFする。V相は、U相がONした5ms後(図3中のTiming=5[ms])に、ONし、ON時間0.1ms(100μs)にてONし続けた後、OFFする。なお、U相のON期間は、U相上アームの半導体スイッチング素子のON期間、すなわちこの半導体スイッチング素子の制御端子(本実施例では、IGBTのゲート端子)にON信号が与えられる期間である。また、V相のON期間は、V相上アームの半導体スイッチング素子のON期間、すなわちこの半導体スイッチング素子の制御端子(本実施例では、IGBTのゲート端子)にON信号が与えられる期間である。また、図3に示すように、W相はONされない。
なお、U,V相上アームがOFFした後も、環流電流が流れ得る。そこで、本実施例においては、上アームのON期間とOFF後の環流電流が流れる期間とを併せて通電時とする。本実施例においては、図3に示すように、U相通電時およびV相通電時が5ms程度である。従って、U相およびV相のON時間は、それぞれU相通電時およびV相通電時よりも短い。
図4は、本実施例における、U相およびV相の上アームのON時間とインバータ回路における直流入力電圧(DC電圧)の関係の一例を示す。
図4に示すように、本実施例においては、U,V相への通電量を、所定量、例えば20Arms程度に抑えるために、DC電圧が高くなるに応じてON時間が短くなるように、ON時間が設定される。これにより、U,V相への通電量が、モータ100が回転しないように、すなわちモータ100の起動前の状態が保持されるような通電量となるように設定され、断線診断時に、モータの回転を抑え、振動、異音、意図しない走行などが防止される。
図5は、U相およびV相通電時におけるUVW相上下アームの通電状態を示す。
図5に示すように、U相通電時において、U相上アームはONしてからOFFするが(図3参照)、VW相上アームはOFF状態が保持される。また、U相通電時において、UVW相下アームは、それぞれ、OFF状態、ON状態、ON状態が保持される(前述の図3において、下アームのON/OFF状態は省略されている)。
また、図5に示すように、V相通電時において、V相上アームはONしてからOFFするが(図3参照)、U相上アームはOFF状態が保持される。また、V相通電時において、UVW相下アームは、それぞれ、ON状態、OFF状態、ON状態が保持される。
図6は、図5に示したU相通電時(但し、U相上アームUHのON時)およびV相通電時(但し、V相上アームVHのON時)の電流ルートを示す回路図である。
図6に示すように、U相通電時において、U相上アームUHがONされると、V相下アームVLおよびW相下アームWLがONであるから、U相上アームUH、U相給電用ケーブル、U相巻線(抵抗、インダクタンス)、V相巻線、V相給電用ケーブル、V相下アームVLを順にたどる経路、並びに、U相上アームUH、U相給電用ケーブル、U相巻線、W相巻線、W相給電用ケーブル、W相下アームWLを順にたどる経路で電流(iu,iv,iw)が流れる。U相上アームUHがOFFされると、電流は、U相上アームUHからU相下アームUL(環流ダイオード)に転流して、巻線のインダクタンスに蓄積されたエネルギーによって、減衰しながらも流れ続ける。
また、図6に示すように、V相通電時において、V相上アームVHがONされると、U相下アームULおよびW相下アームWLがONであるから、V相上アームVH、V相給電用ケーブル、V相巻線、U相巻線、U相給電用ケーブル、U相下アームULを順にたどる経路、並びに、V相上アームVH、V相給電用ケーブル、V相巻線、W相巻線、W相給電用ケーブル、W相下アームWLを順にたどる経路で電流(iu,iv,iw)が流れる。V相上アームUHがOFFされると、電流は、V相上アームVHからV相下アームVL(環流ダイオード)に転流して、巻線のインダクタンスに蓄積されたエネルギーによって、減衰しながらも流れ続ける。
ここで、インバータ回路とモータの間において、UVW相の内のいずれかの相あるいは複数の相に断線が生じてオープン状態となると、上記したような電流経路のいずれかあるいは複数が断たれるため、電流の流れない相が発生する。後述するように、また、図6からも判るように、電流が流れる相と流れない相は、断線状態によって、およびU相通電であるかV相通電であるかによって異なる。このため、図2(ステップS1004)におけるOKフラグ用カウンタの計数値が各相で異なるので、図2のステップS1007のように断線状態を診断できる。
図7は、図3に示したタイミングによるU相通電時およびV相通電時におけるUVW相電流の波形例を示す。
図7に示すように、U相上アームUHがONしてからOFFするまでに、すなわちU相上アームUHのON時間(例えば、100μs)において、UVW相の各電流(U相電流は正、VW相電流は負)の絶対値は、急峻に立ち上がり、ピーク値まで増加する。U相上アームUHがOFFしてからは、UVW相の各電流は、減衰しながら流れ続ける。
ここで、正の電流とは、インバータ回路からモータへ向かって流れる電流である。また、負の電流とは、モータからインバータ回路へ向かって流れる電流である。
さらに、図7に示すように、U相上アームUHがONしてから5ms後に、U相通電から、V相通電に切り替わる。この時、V相上アームVHがONしてからOFFするまでに、すなわちV相上アームVHのON時間(例えば、100μs)において、UVW相の各電流(V相電流は正、UW相電流は負)の絶対値は、急峻に立ち上がり、ピーク値まで増加する。U相上アームUHがOFFしてからは、UVW相の各電流は、減衰しながら流れ続ける。
図7に示すようにU相通電およびW相通電、並びに各通電時における電流検出は、時間的に連続して実行されるので、断線診断に要する時間を短縮できる。例えば、本発明者の検討によれば、総通電時間は20ms以内とすることができるので、断線診断時間は20ms以内とすることができる。このように、本実施例によれば、短時間で断線診断を行うことができるので、車両起動後の走行開始前に、運転者に遅延を感じさせることなく、断線診断を実施することができる。
図8は、図2(ステップS1007)に示した断線状態の診断結果と、UV相通電時における各相の電流との関係を示す。図中の表記「X」および「Y」は、電流が流れていることを示す。また、表記「0」は、電流が流れていないことを示す。なお、「X」は、図2(ステップS1002)および図4に示したON時間の設定に応じた電流値(例えば、20Arms程度)を示す。また、「Y」は、X以下の所定の電流値を示す。
図8に示すように、七つの断線状態(「断線なし」(No Open)を含むCase 1-7)が、図2(ステップS1007)に示した断線状態の診断結果、すなわち「異常無し」、「U相オープン」(U相のみ断線)、「V相オープン」(V相のみ断線)、「W相オープン」(W相のみ断線)、「2,3相オープン」(UVW相の内の2相あるいは3相(全相)が断線)に対応する。
例えば、図8において、U相が断線している場合(Case 2,5,6)、U相通電(U相H側)だけであると、いずれのCaseもUVW相の各電流は「0」であり、「U相のみ断線」(Case 2)と「2相あるいは3相断線」(Case 5,6)とが識別できない。これに対し、さらにV相通電(V相H側)を実行すれば、図8から判るように、「U相のみ断線」(Case 2)と「2相あるいは3相断線」(Case 5,6)では、UVW相の各電流の流れ方が異なる。これにより、U相通電およびV相通電を共に実行することにより、「U相のみ断線」と「2相あるいは3相断線」とが識別できる。なお、「V相のみ断線」、並びに「W相のみ断線」の場合も、同様に、「2相あるいは3相断線」と識別できる。
このように、UVW相の一相のみ断線の場合と、2 or 3相断線の場合とでは、UVW相の各電流の流れ方が異なる。従って、図2(ステップS1004)におけるOKフラグ用カウンタの計数値が各相で異なるので、図2の処理によって断線診断ができる。
図8において、「UW相断線」(Case 6)でV相通電(V相H側)の場合、並びに「VW相断線」(Case 7)でU相通電(U相H側)の場合、通電相には電流(X)が流れ、他の2相には電流が流れない。これは、モータ100の巻線と、図示しない仮想接地点(仮想中性点)との間に、モータ内の浮遊容量などを介して、電流が流れるためである(後述する図10(Case 7)についても同様)。従って、本実施例では、U相通電およびV相通電を実行することにより、図8におけるCase 1, 2, 3, 4, 5, 6および7を識別できる。
なお、本実施例では、U相通電時およびV相通電時の電流を検知しているが、これに限らず、U相通電時およびW相通電時、もしくは、V相通電時およびW相通電時の電流を検知しても良い。なお、各相の電流は、相毎に設けられる電流センサによって検知しても良いし、UVW相の内の二相に電流センサを設け、この二相の電流検出値から、演算によって残りの一相の電流値を算出しても良い。
また、本実施例では、図5に示すように、U相通電時およびV相通電時に、それぞれU相上アームおよびV相上アームをON/OFFするが、これ限らず、U相下アームおよびV相下アームをON/OFFしても良い。但し、図5のON・OFF状態に準じて、U相下アームON/OFFの場合、VW相上アームONとなり、V相下アームON/OFFの場合、UW相上アームONとなる。このような点は、UV相通電に限らず、UW相通電およびVW相通電についても同様である。
上述のように、本実施例1のモータ制御装置によれば、モータ・インバータ回路間に設置され、モータ制御に用いられる電流センサを用いて、通電量を抑制しながらモータ・インバータ回路間の断線を検知できる。
また、三相の内の二相のみ通電し、さらに時間的に連続して通電されるので、断線診断に要する時間を短縮できる。
また、図2に示したように、一つの断線診断期間において、複数回電流を検知し、電流値が所定の閾値を超えた回数を計数し、この回数に基づいて断線状態を診断するので、ノイズなどによる誤検知に起因する誤診断が防止される。従って、診断の精度が向上する。
図9は、本発明の実施例2であるモータ制御装置における、断線診断時の通電相のONタイミングおよびON時間の一例を示す。
本実施例2は、図9に示すように、インバータ回路による通電が、実施例1(図3)とは異なり、U相通電のみである。
なお、本実施例2については、モータ制御装置の構成、断線検知における制御装置の処理動作、U相通電時におけるU相の上アームのON時間とインバータ回路における直流入力電圧の関係、U相通電時におけるUVW相上下アームの通電状態、U相通電時の電流ルート、並びに、U相通電時におけるUVW相電流の波形は、それぞれ、実施例1における、図1、図2、図4、図5、図6、並びに、図7とほぼ同様である。
以下、実施例1と異なる点について説明する。
図9に示すように、U相は、Timing=0[ms]においてONし、ON時間0.1ms(100μs)にてONし続けた後、OFFする。なお、U相のON期間は、U相上アームの半導体スイッチング素子のON期間、すなわちこの半導体スイッチング素子の制御端子(本実施例では、IGBTのゲート端子)にON信号が与えられる期間である。
なお、V相およびW相はONされない。すなわち、V相およびW相の上アームの半導体スイッチング素子はONされない(下アームについては、図5参照)。
図10は、本実施例2における、U相通電時の各相の電流を示す。
図10に示すように、本実施例2においても、実施例1と同様に、断線状態を診断することができる。断線状態の診断については、「異常無し」(Case 1)、「V相のみ断線」(Case 3)、「W相のみ断線」(Case 4)、「U相のみ断線、もしくは、2 or 3相断線」(Case 2,5-7)を識別できる。
なお、U相のみの通電に替えて、V相のみの通電、あるいはW相のみの通電とすることもできる。
また、本実施例2においては、U相のみの通電時に、U相の上アームを所定のON時間だけONしているが(下アームは、VW相をON)、これに限らず、U相の下アームを所定のON時間だけONしてもよい(上アームは、VW相をON)。V相のみの通電、あるいはW相のみの通電についても同様である。
上述のように、本実施例2のモータ制御装置によれば、実施例1と同様に、モータ制御に用いられる電流センサを用いて、通電量を抑制しながらモータ・インバータ回路間の断線を検知できる。また、三相の内の一相のみ通電されるので、断線診断に要する時間を短縮できる。また、実施例1と同様に、一つの断線診断期間において、複数回電流を検知し、電流値が所定の閾値を超えた回数を計数し、この回数に基づいて断線状態を診断するので、ノイズなどによる誤検知に起因する誤診断が防止される。従って、診断の精度が向上する。
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置き換えをすることが可能である。
例えば、図中の制御線や信号線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や信号線を示しているとは限らない。
100:モータ
200:インバータ回路
300:交流給電用ケーブル
400:バッテリ
500:直流給電用ケーブル
600:制御装置
700:電流センサ
800:平滑コンデンサ

Claims (5)

  1. 三相交流モータを駆動するインバータ回路と、
    前記インバータ回路を制御する制御装置と、
    を備えるモータ制御装置において、
    前記制御装置は、
    第2相および第3相における高電圧側および低電圧側の内の一方のアームをオンしながら、
    第1相における前記高電圧側および前記低電圧側の内の他方のアームを所定時間だけオンして、
    前記三相交流モータに流れる電流の第1の電流値を検出し、
    前記第1の電流値に基づいて、前記三相交流モータと前記インバータ回路との間における断線状態を診断することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 三相交流モータを駆動するインバータ回路と、
    前記インバータ回路を制御する制御装置と、
    を備えるモータ制御装置において、
    前記制御装置は、
    第2相および第3相における高電圧側および低電圧側の内の一方のアームをオンしながら、第1相における前記高電圧側および前記低電圧側の内の他方のアームを所定時間だけオンして、前記三相交流モータに流れる電流の第1の電流値を検出し、
    さらに、
    前記第1相および前記第3相における前記高電圧側および前記低電圧側の内の前記一方のアームをオンしながら、前記第2相における前記高電圧側および前記低電圧側の内の前記他方のアームを前記所定時間だけオンして、前記三相交流モータに流れる電流の第2の電流値を検出し、
    前記第1の電流値および前記第2の電流値に基づいて、前記三相交流モータと前記インバータ回路との間における断線状態を診断することを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置において、
    前記所定時間は、前記三相交流モータが回転しないように、前記インバータ回路の直流入力電圧に応じて設定されることを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置において、
    前記制御装置は、前記三相交流モータの起動前に、前記断線状態を診断することを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置において、
    前記制御装置は、
    前記第1の電流値の絶対値が所定の閾値を超えた回数を計数し、計数された前記回数に基づいて、前記断線状態を診断することを特徴とするモータ制御装置。
JP2017023783A 2017-02-13 2017-02-13 モータ制御装置 Active JP6663368B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017023783A JP6663368B2 (ja) 2017-02-13 2017-02-13 モータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017023783A JP6663368B2 (ja) 2017-02-13 2017-02-13 モータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018133835A true JP2018133835A (ja) 2018-08-23
JP6663368B2 JP6663368B2 (ja) 2020-03-11

Family

ID=63249910

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017023783A Active JP6663368B2 (ja) 2017-02-13 2017-02-13 モータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6663368B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021102877A1 (de) 2020-02-12 2021-08-12 Okuma Corporation Motorsteuervorrichtung

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0666901A (ja) * 1991-11-26 1994-03-11 Hitachi Ltd モータ制御装置
JPH07154901A (ja) * 1993-11-29 1995-06-16 Nippondenso Co Ltd 電気自動車のモータ制御装置
JP2009050059A (ja) * 2007-08-16 2009-03-05 Mitsubishi Electric Corp 異常検出装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0666901A (ja) * 1991-11-26 1994-03-11 Hitachi Ltd モータ制御装置
JPH07154901A (ja) * 1993-11-29 1995-06-16 Nippondenso Co Ltd 電気自動車のモータ制御装置
JP2009050059A (ja) * 2007-08-16 2009-03-05 Mitsubishi Electric Corp 異常検出装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102021102877A1 (de) 2020-02-12 2021-08-12 Okuma Corporation Motorsteuervorrichtung
US11728711B2 (en) 2020-02-12 2023-08-15 Okuma Corporation Motor control device

Also Published As

Publication number Publication date
JP6663368B2 (ja) 2020-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6169203B1 (ja) 電動機制御装置および電動機制御方法
US9054626B2 (en) Motor control apparatus
US7279862B1 (en) Fault handling of inverter driven PM motor drives
JP5095042B1 (ja) モータ駆動装置
JP6394030B2 (ja) インバータ制御装置
KR101831468B1 (ko) 삼상 이상의 전기 기기를 포함하는 차량 내 구동 어셈블리의 작동 방법 및 인버터용 제어 장치
JP2010158089A (ja) 電動機の制御装置
JP2013046432A (ja) 回転電機の駆動システム
CN111095778B (zh) 逆变器控制装置
JP2015173554A (ja) モータ制御装置
JP6348424B2 (ja) 電力変換装置
JP6307983B2 (ja) インバータ制御装置
JP5934295B2 (ja) インバータシステムにおける電力ケーブルの状態検出方法
JP6173516B1 (ja) 電動機制御装置および電動機制御方法
JP6983305B2 (ja) 車両制御装置
JP6663368B2 (ja) モータ制御装置
JP6674765B2 (ja) 電動機の制御装置及びそれを用いた電動車両
JP2019004670A (ja) 電動機制御装置および電動機制御方法
JP2018160972A (ja) モータ駆動回路の制御装置及びモータ駆動回路の診断方法
JP2015126608A (ja) 車両の電力制御装置
JP6203318B1 (ja) 電動機制御装置および電動機制御方法
JP2019170057A (ja) モータ制御装置
JP2014236664A (ja) インバータシステム及びその電力ケーブルの状態検出方法
JP6850267B2 (ja) 回転電機の駆動装置
JP2010246281A (ja) 回転電機制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6663368

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250