JP2018128637A - カラーフィルタ用有機顔料組成物及び有機顔料分散体、並びにこれらを用いたカラーフィルタ - Google Patents

カラーフィルタ用有機顔料組成物及び有機顔料分散体、並びにこれらを用いたカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】より高輝度、高コントラストを達成するためのカラーフィルタ用有機顔料組成物を提供する。【解決手段】有機顔料と、下記式(I):(R1〜R4は、それぞれ独立して、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R1、R2の組み合わせとR3、R4の組み合わせは異なる。R5〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R11、R12は、それぞれ独立して、炭素数が1〜6のアルキル基を表す。R13は、炭素数が1〜3のフッ素化されたアルキル基を表す。)で表される化合物と、を含有することを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶表示装置のカラーフィルタの作製に好適なカラーフィルタ用有機顔料組成物及び有機顔料分散体、該カラーフィルタ用有機顔料組成物を含有することを特徴とするカラーフィルタに関する。
液晶表示装置のカラーフィルタは、赤色画素部、緑色画素部及び青色画素部を有する。これらの各画素部は、いずれも有機顔料が分散した合成樹脂の薄膜が基板上に設けられた構造であり、有機顔料としては、赤、緑及び青の各色の有機顔料が用いられている。
これら画素部のうち、青色画素部を形成するための青色有機顔料としては、一般に、ε型銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:6)が用いられており、必要に応じて調色のために、これに紫色有機顔料のジオキサジンバイオレット顔料(C.I.ピグメントバイオレット23)や、紫色染料が少量併用されている。
カラーフィルタを作製する際の有機顔料は、従来の汎用用途とは全く異なる特性、具体的には、液晶表示装置の表示画面がより明るくなる様にする(高輝度化)、或いは、同じく表示画面がよりハッキリ見える様にする(高コントラスト化)等が要求され、さらに、カラーフィルタ作成においては、一般的に、230℃以上の高温で焼成処理を行うため、使用する有機顔料は230℃以上の耐熱性が要求され、焼成後においてもコントラスト、輝度が低下しない着色剤が要求されている。
しかしながら、一般に、染料は鮮明性などでは顔料に対し優位であるものの、耐熱性においては劣っているものが多かった。
このような中、耐熱性の高い染料を用いる方法が検討されており、例えば、特許文献1には、下記のような一定の構造を有する化合物、及びこれを用いたカラーフィルタ用組成物が開示されている。
Figure 2018128637
(一般式(A5)中、R20〜R23はそれぞれ独立して、水素原子、脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基を表す;Aは下記一般式(AN−1)〜(AN−4)のいずれかで表されるアニオン部位を表す)
Figure 2018128637
(一般式(AN−1)中、*はキサンテン構造との結合部位を表す;Rf1は脂肪族炭化水素基、ハロゲン化された脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化された芳香族炭化水素基を表す;一般式(AN−2)中、*はキサンテン構造との結合部位を表す;Rf2はハロゲン化された脂肪族炭化水素基を表す;一般式(AN−3)中、*はキサンテン構造との結合部位を表す;Rf3は脂肪族炭化水素基、ハロゲン化された脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはハロゲン化された芳香族炭化水素基を表す;Bは置換基を表す;一般式(AN−4)中、*はキサンテン構造との結合部位を表す;Rf4はハロゲン化された脂肪族炭化水素基を表す;Bは置換基を表す。)
また、特許文献2には、下記一般式(1)で表される化合物、及びこれを用いたカラーフィルタが開示されている。
Figure 2018128637
(式中、R〜R15は、それぞれ独立に、H、−R16、−OH等、R〜R15のうち1つは−SO−;R16は、置換基を有していてもよいC1〜10の1価の飽和炭化水素基)
特開2015−071743号公報 特開2010−254964号公報
しかしながら、年々高まるカラーフィルタの要求性能を鑑みると、特許文献1及び特許文献2に記載の化合物では、輝度及びコントラストともに十分とは言えない場合があった。このような状況下、本発明が解決する課題は、より高輝度、高コントラストを達成するためのカラーフィルタ用有機顔料組成物およびカラーフィルタ用有機顔料分散体を提供することにある。
本発明者らは、このような状況を鑑み鋭意検討した結果、有機顔料と下記式(I)で表される化合物とを併用することで、カラーフィルタとして用いたときに、高輝度かつ高コントラストを達成できることを見出し、本発明を完成した。即ち本発明は、
有機顔料と、下記式(I):
Figure 2018128637
(R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R、Rの組み合わせとR、Rの組み合わせは異なる。R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R11、R12は、それぞれ独立して、炭素数が1〜6のアルキル基を表す。R13は、炭素数が1〜3のフッ素化されたアルキル基を表す。)で表される化合物と、を含有することを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物(以下、本発明組成物と表現する場合がある)に関する。
また、本発明組成物を、画素部に含有することを特徴とするカラーフィルタに関する。
また、有機顔料と、上記式(I)で表される化合物とを、いずれか又はその両方を、有機溶剤等の液媒体に溶解及び/又は分散させたものを併用するような態様(有機顔料と、上記式(I)で表される化合物とを含有するカラーフィルタ用有機顔料分散体)も本発明に含まれる。
また、前記した本発明のカラーフィルタ用有機顔料分散体を、画素部に含有することを特徴とするカラーフィルタに関する。
本発明によれば、カラーフィルタの調製に用いた際に、高輝度、高コントラストを得ることができるカラーフィルタ用有機顔料組成物を提供することができる。
本発明に用いる有機顔料としては、公知の有機顔料をいずれも使用することができる。 例えば、アゾ系、ジスアゾ系、アゾメチン系、アントラキノン系、キノフタロン系、キナクリドン系、ジケトピロロピロール系、ジオキサジン系、ベンズイミダゾロン系、フタロシアニン系、イソインドリン系、イソインドリノン系、ペリレン系顔料などが挙げられる。
特にカラーフィルタ用途における青色画素部形成用として本発明化合物を使用する場合には、青色顔料を用いることもできる。青色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、アルミニウムフタロシアニン誘導体などが挙げられる。
ここで、上記のアルミニウムフタロシアニン誘導体とは、例えば、下記一般式(3−1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018128637
(式(3−1)中、Rはハロゲン原子、ヒドロキシ基、又は下記一般式(3−2)で表される基である。)
Figure 2018128637
(式(3−2)中、Xは直接結合又は酸素原子である。Arはフェニル基又はナフチル基である。式中、アスタリスクは結合部位を示す。)
上記した式(3−1)中のRにおける前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。中でも、Rにおける前記ハロゲン原子としては、塩素原子、又は臭素原子であることが好ましい。
式(3−1)中、Rは、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、又は上記一般式(3−2)で表される基であることが好ましい。
式(3−2)中、Xは酸素原子であることが好ましい。
式(3−1)の中でも好ましいものとしては、例えば、ヒドロキシアルミニウムフタロシアニン、クロロアルミニウムフタロシアニン、ブロモアルミニウムフタロシアニン、下記式(3−1−1)で表される化合物、下記式(3−1−2)で表される化合物、下記式(3−1−3)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 2018128637

Figure 2018128637

Figure 2018128637
本発明に用いる前述のような有機顔料は、ソルトミリング処理などにより顔料粒子の微細化等各種処理を施すことで、より好適に使用できる場合がある。このような処理は、公知慣用の方法で行えばよい。
次に、上記式(I)の化合物(染料)について説明する。
上記式(I)中のR〜R10における炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられる。
上記式(I)中の、R、Rの組み合わせとR、Rの組み合わせは異なるため、R〜Rのアルキル基はキサンテン骨格に対して非対称になる。
上記式(I)中のR11、R12における炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖又は分枝状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、セカンダリーブチル、ターシャリーブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。化合物の合成をより容易に実施できるという工業的生産性の観点からいえば、R11、R12は同じ官能基であると好ましい。
このような上記式(I)の化合物は、特許文献1、特許文献2のいずれにも具体的な開示はない。上記式(I)の化合物は、以下述べる発明思想に基づき構造を着想し、顕著な効果を見出したものである。
上記式(I)の化合物(染料)は、Nフェニルに非対称に「炭素数1〜3のアルキル基」を導入したことで、特許文献1及び特許文献2に記載の発明と相違する。
上記式(I)の表現を用いて説明すれば、R〜R10にアルキル鎖が長すぎると色調がずれるため、アルキル基の炭素数は1〜3を採用し、色調変化を抑えつつ、かつ、R〜Rに非対称にアルキル基を導入することにより、溶解性の向上を達成した。さらに、アルキル基が非対称であることは染料同士の凝集抑制にも貢献していると考えられる。これにより、有機顔料とのπ−π相互作用が強まり、染料が結晶成長抑制剤のような効果を発揮し、顔料粒子が微細化し、コントラストが向上したと考えられる。
このような本発明化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく従来公知の方法を適宜利用して製造することができる。以下、本発明化合物の製造方法の一態様を記載する。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記式(I)の化合物は、例えば、前記特許文献1、テトラへドロン レターズ、2003年、vol.44,No.23、4355〜4360頁、テトラへドロン、2005年、vol.61,No.12、3097〜3106頁などに記載の方法を適用することができる。
より具体的な反応スキームを示すとすれば、例えば、以下のような方法が挙げられる。
Figure 2018128637
さらに、上記式(I)以外の染料を、調色などの目的で併用してもよい。
上記式(I)以外の染料としては、キサンテン系、アゾ系、ジスアゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、トリアリールメタン系、メチン系、フタロシアニン系、ローダミン系染料などが挙げられる。
下記に、本発明で用いられる上記式(I)の染料の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2018128637
好適な本発明組成物を得るに当たっては、顔料100質量部に対して、上記式(I)の化合物1〜40質量部、なかでも3〜30質量部、特に3〜20質量部を含有するのが好ましい。
顔料と上記式(I)の化合物を混合する方法については特に制限はなく、固形の顔料と固形の染料を混合してもよいし、顔料を有機溶剤等に分散した顔料分散液と、染料を有機溶剤等に溶解または分散した染料溶解液または染料分散液を混合してもよい。また、固形の顔料または染料と、顔料分散液または染料溶解液または染料分散液を混合してもよい。
本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物を調製するための調整装置としては、従来公知の装置が使用できる。使用可能な装置としては、ニーダー、ミックスマーラー、特開2007−100008公報に記載のプラネタリーミキサーである井上製作所製のトリミックス(商標名)や、特開平4−122778号公報に記載の連続二軸押出機や、特開2006−306996号公報に記載の連続式一軸混練機である浅田鉄工株式会社製のミラクルKCK等が使用できるが、これに限定されるものでない。
本発明のカラーフィルタ用有機顔料分散体を調製するための調製方法及び装置としては、従来公知の方法及び装置が使用できる。以下、より具体的な説明を記載するが、以下の方法や装置に限定されるものではない。
分散方法は、有機顔料と、必要に応じ顔料分散剤を液状媒体(有機溶剤、水など)中に、例えば、散布混入又は攪拌混入することにより該顔料や顔料誘導体を十分濡らして、例えば10℃〜200℃、好ましくは50℃〜100℃の範囲で攪拌し懸濁させる。
分散時間は、特に制限されないが、例えば30分間〜20時間を挙げることができる。この際、一次粒子の粒子径は処理前に比べて増大しやすい。そこで、この分散は、一次粒子の平均粒子径が30nmを超える前に終了させることが好ましい。
上記方法を実施するに当たっては、有機顔料と、顔料分散剤(必要に応じ)と、を含む液状媒体(有機溶剤、水など)、必要に応じて有機顔料誘導体を、攪拌式ビーズミルを用いることができる。攪拌式ビーズミルでは、磨砕媒介物の存在下に有機顔料や有機顔料誘導体が湿式微磨砕される特徴を有するので好適である。好ましい装置として、例えばスーパーアペックスミル(コトブキ技研工業社製)、ウルトラアペックスミル(コトブキ技研工業社製)、ドライスヴェルケPM―DCP撹拌式ビーズミル装置(ドライスヴェルケ社製)、ピコグレンミル(浅田鉄工(株)製)等を挙げることができる。この様な装置により一次粒子の平均粒子径が10〜30nmの顔料または顔料誘導体を含む顔料分散体が得られる。
湿式微磨砕の際に用いる磨砕媒介物としては、例えば、ジルコニア製又は鋼製の磨砕媒介物が挙げられ、これらの中でも、耐摩耗性に優れるジルコニア製の磨砕媒介物が特に好ましい。また、磨砕媒介物の直径は、0.01〜3.0mmの範囲が好ましく、0.05〜0.5mmの範囲が特に好ましい。
有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレン、メトキシベンゼン等の芳香族系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の酢酸エステル系溶剤、エトキシエチルプロピオネート等のプロピオネート系溶剤、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、アニリン、ピリジン等の窒素化合物系溶剤などが挙げられる。
本発明組成物のカラーフィルタ用有機顔料組成物は、従来公知の方法で主にカラーフィルタの青色画素部に好ましく使用することができる。また、カラーフィルタを構成する他の赤色画素部、緑色画素部、ブラックマトリックス部や、ディスプレイを構成するカラムスペーサーの着色にも使用することが可能であり、本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物がカラーフィルタの青色画素部の使用に限定されるものではない。
本発明組成物の分散方法で代表的な方法としては、フォトリソグラフィー法であり、これは、後記する光硬化性組成物を、カラーフィルタ用の透明基板のブラックマトリックスを設けた側の面に塗布、加熱乾燥(プリベーク)した後、フォトマスクを介して紫外線を照射することでパターン露光を行って、画素部に対応する箇所の光硬化性化合物を硬化させた後、未露光部分を現像液で現像し、非画素部を除去して画素部を透明基板に固着させる方法である。この方法では、光硬化性組成物の硬化着色皮膜からなる画素部が透明基板上に形成される。赤色、緑色、青色の色ごとに、後記する光硬化性組成物を調製して、前記した操作を繰り返すことにより、所定の位置に赤色、緑色、青色の着色画素部を有するカラーフィルタを製造することができる。
赤色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド177、同209、同254等が、緑色画素部を形成するための顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、同10、同36、同47、同58、同59等が挙げられる。これら赤色画素部と緑色画素部の形成には、黄色顔料を併用することもできる。その後、必要に応じて、未反応の光硬化性化合物を熱硬化させるために、カラーフィルタ全体を加熱処理(ポストベーク)することもできる。
後記する光硬化性組成物をガラス等の透明基板上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
透明基板に塗布した光硬化性組成物の塗膜の乾燥条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常、50〜150℃で、1〜15分間程度である。また、光硬化性組成物の光硬化に用いる光としては、200〜500nmの波長範囲の紫外線、あるいは可視光を使用するのが好ましい。この波長範囲の光を発する各種光源が使用できる。
現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、スプレー法等が挙げられる。光硬化性組成物の露光、現像の後に、必要な色の画素部が形成された透明基板は水洗いし乾燥させる。こうして得られたカラーフィルタは、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、90〜280℃で、所定時間加熱処理(ポストベーク)することによって、着色塗膜中の揮発性成分を除去すると同時に、光硬化性組成物の硬化着色皮膜中に残存する未反応の光硬化性化合物が熱硬化し、カラーフィルタが完成する。
カラーフィルタの画素部を形成するための光硬化性組成物は、本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物と、光硬化性化合物と、有機溶剤とを必須成分とし、必要に応じて分散剤や熱可塑性樹脂を用いて、これらを混合することで調製することができる。画素部を形成する着色樹脂皮膜に、カラーフィルタの実生産で行われるベーキング等に耐え得る強靱性等が要求される場合には、前記光硬化性組成物を調製するに当たって、光硬化性化合物だけでなく、この熱可塑性樹脂を併用することが不可欠である。熱可塑性樹脂を併用する場合には、有機溶剤としては、それを溶解するものを使用するのが好ましい。
前記光硬化性組成物の製造方法としては、本発明の顔料組成物と、有機溶剤とを必須成分として使用し、必要に応じて分散剤を加え、これらを混合し均一となる様に攪拌分散を行って、まずカラーフィルタの画素部を形成するための顔料分散液を調製してから、そこに、光硬化性化合物と、必要に応じて熱可塑性樹脂や光重合開始剤等を加えて前記光硬化性組成物とする方法が一般的である。
ここで分散剤、有機溶剤は、前記のものが使用可能である。
光硬化性組成物の調製に使用する熱可塑性樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、スチレンマレイン酸系樹脂、スチレン無水マレイン酸系樹脂等が挙げられる。
光硬化性化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、3−メチルペンタンジオールジアクリレート等のような2官能モノマー、トリメチルロールプロパトントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の比較的分子量の小さな多官能モノマー、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレート等の様な比較的分子量の大きな多官能モノマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、例えばアセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルパーオキサイド、2−クロロチオキサントン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン、1,3−ビス(4’−アジドベンザル)−2−プロパン−2’−スルホン酸、4,4’−ジアジドスチルベン−2,2’−ジスルホン酸等が挙げられる。市販の光重合開始剤としては、たとえば、チバスペシャルティーケミカルズ社製「イルガキュア(商標名)−184」、「イルガキュア(商標名)−369」、「ダロキュア(商標名)−1173」、BASF社製「ルシリン−TPO」、日本化薬社製「カヤキュアー(商標名)DETX」、「カヤキュアー(商標名)OA」、ストーファー社製「バイキュアー10」、「バイキュアー55」、アクゾー社製「トリゴナールPI」、サンド社製「サンドレー1000」、アップジョン社製「デープ」、黒金化成社製「ビイミダゾール」などがある。
また上記光重合開始剤に公知慣用の光増感剤を併用することもできる。光増感剤としては、たとえば、アミン類、尿素類、硫黄原子を有する化合物、燐原子を有する化合物、塩素原子を有する化合物またはニトリル類もしくはその他の窒素原子を有する化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。光重合開始剤の配合率は、特に限定されるものではないが、質量基準で、光重合性あるいは光硬化性官能基を有する化合物に対して0.1〜30%の範囲が好ましい。0.1%未満では、光硬化時の感光度が低下する傾向にあり、30%を超えると、顔料分散レジストの塗膜を乾燥させたときに、光重合開始剤の結晶が析出して塗膜物性の劣化を引き起こすことがある。
前記したような各材料を使用して、質量基準で、本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物100部当たり、300〜1000部の有機溶剤と、必要に応じて0〜100部の分散剤とを、均一となる様に攪拌分散して前記顔料分散液を得ることができる。次いでこの顔料分散液に、本発明の顔料組成物1部当たり、熱可塑性樹脂と光硬化性化合物の合計が0.1〜5部、光硬化性化合物1部当たり0.05〜3部の光重合開始剤と、必要に応じてさらに有機溶剤を添加し、均一となる様に攪拌分散してカラーフィルタ青色画素部を形成するための光硬化性組成物を得ることができる。
現像液としては、公知慣用の有機溶剤やアルカリ水溶液を使用することができる。特に前記光硬化性組成物に、熱可塑性樹脂または光硬化性化合物が含まれており、これらの少なくとも一方が酸価を有し、アルカリ可溶性を呈する場合には、アルカリ水溶液での洗浄がカラーフィルタ画素部の形成に効果的である。
顔料分散法のうち、フォトリソグラフィー法によるカラーフィルタ画素部の製造方法について詳記したが、本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物を使用して調製されたカラーフィター画素部は、その他の電着法、転写法、ミセル電解法、PVED(PhotovoltaicElectrodeposition)法、インクジェット法、反転印刷法、熱硬化法等の方法で画素部を形成して、カラーフィルタを製造してもよい。
カラーフィルタは、青色顔料、赤色顔料、緑色顔料を使用して得た各色の光硬化性組成物を使用し、平行な一対の透明電極間に液晶材料を封入し、透明電極を不連続な微細区間に分割すると共に、この透明電極上のブラックマトリクスにより格子状に区分けされた微細区間のそれぞれに、赤、緑および青のいずれか1色から選ばれたカラーフィルタ着色画素部を交互にパターン状に設ける方法、あるいは基板上にカラーフィルタ着色画素部を形成した後、透明電極を設ける様にすることで得ることができる。
本発明のカラーフィルタ用有機顔料組成物より得られる有機顔料分散体は、鮮明性と明度に優れた顔料分散体であり、カラーフィルタ用途の他、塗料、プラスチック(樹脂成型品)、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、静電荷像現像用トナー、インクジェット記録用インキ、熱転写インキ等の着色にも適用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において特に断りがない場合は、「部」及び「%」は質量基準である。
また、後記する実施例で使用した測定方法は以下の通り。
[コントラストの評価]
得られたカラーフィルタの230℃焼成前後のコントラストをコントラストテスター(壺坂電気株式会社製、装置名:CT−1)を用いて測定した。この装置は2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設置する場所があり、偏光板の一方には光源を、更にその反対側には色彩輝度計を設置しているものである。偏光軸が平行になる時と垂直になる時との輝度(透過光強度)の比よりコントラストを算出している。尚、カラーフィルタのない状態であるブランクのコントラストが、10,000となるように、あらかじめ調整してから測定した。コントラストは高いほど優れる。
[輝度の評価]
得られたカラーフィルタのC光源における色度x,y及び輝度を、分光光度計U−3900(株式会社日立ハイテクサイエンス製)で測定し、y=0.090における輝度を算出した。輝度は高いほど優れる。
[合成例1]
下記反応式1において(a)で示される化合物10.43質量部、イソプロピルアルコール28.36質量部、2,6−ジメチルアニリン3.74の混合物を60℃で15時間、攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、17.5%塩酸50.46質量部に注ぎ室温で1時間攪拌した。その後、析出物をろ過して80℃の純水で洗浄し、減圧下60℃で乾燥することで濃橙色結晶(下記反応式1において(b)で示される化合物)10.12質量部を得た(収率80%)。この下記反応式1において(b)で示される化合物10.00質量部、エチレングリコール50.00質量部、2−メチル−6−エチルアニリン8.28質量部の混合物を120℃で20時間、攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、17.5%塩酸200質量部に注ぎ、室温で1時間攪拌した。その後、析出物をろ過して80℃の純水で洗浄し、残渣を減圧下60℃で乾燥することで濃赤色結晶(下記反応式1において(c)で示される化合物)10.69質量部を得た(収率89%)。
反応式1
Figure 2018128637
[合成例2]
下記反応式2において(c)で示される化合物10.00質量部、1−メチル−2−ピロリジノン70.00質量部、炭酸カリウム3.52質量部、ヨウ化メチル7.23質量部の混合物を80℃で2時間、攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、0〜10℃の17.5%塩酸271質量部に注ぎ、1時間攪拌した。その後、析出物をろ過し、80℃の純水で洗浄し、減圧下60℃で乾燥することで濃赤色結晶(下記反応式2において(d)で示される化合物)8.17質量部を得た(収率78%)。この(d)で示される化合物を得る操作を2回繰り返し実施した。
下記反応式2において(d)で示される化合物10.00質量部、オキシ塩化リン48.50質量部の混合物を60℃で2時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却した後、氷水750質量部に注ぎ、30分間攪拌した。その後、析出物をろ過して10℃の純水で洗浄し、減圧下60℃で乾燥して下記反応式2で(e)で示される化合物9.26質量部を得た(収率85%)。この(e)で示される化合物を得る操作を2回繰り返し実施した。
下記反応式2において(e)で示される化合物10.00質量部、トリフルオロメタンスルホンアミド2.60質量部、クロロホルム55.00質量部の混合物に攪拌しながらトリエチルアミン2.08質量部を添加した。得られた混合物を室温で1時間攪拌した後、純水100質量部を加えて水洗し、次いで有機層を分取した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下にクロロホルムを除き、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒はクロロホルム/メタノール混合溶媒)にて精製し、濃赤色結晶3.90質量部を得た(収率35%)。
FD−MS分析(電界脱離質量分析)によって同定したところ、下記反応式2において(A−1)で示される化合物であることを確認した。
・FD−MS分析の結果:m/z=747(M
・紫外可視分光分析の結果:λmax543nm (プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)
反応式2
Figure 2018128637
[合成例3]
合成例2においてヨウ化メチル7.23質量部の代わりにヨウ化エチル7.95質量部を使用した以外は同様の操作により、濃赤色結晶を得た。FD−MS分析(電界脱離質量分析)によって同定したところ、下記反応式3において(A−2)で示される化合物であることを確認した。
・FD−MS分析の結果:m/z=775(M
・紫外可視分光分析の結果:λmax547nm (プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)
反応式3
Figure 2018128637
[合成例4]
合成例2においてヨウ化メチル7.23質量部の代わりにヨウ化ブチル9.40質量部を使用した以外は同様の操作により、濃赤色結晶を得た。FD−MS分析(電界脱離質量分析)によって同定したところ、下記反応式4において(A−3)で示される化合物であることを確認した。
・FD−MS分析の結果:m/z=831(M
・紫外可視分光分析の結果:λmax549nm (プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)
反応式4
Figure 2018128637
[参考例]<アクリル樹脂(B)の合成>
撹拌機、温度計、冷却管および窒素導入管を装備した4つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業株式会社)1540部を仕込み、窒素気流下で110℃に昇温した後、メチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)597部、n−ブチルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)261部、グリシジルメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)142部およびtert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製)18部からなる混合液を、4時間かけて滴下した。滴下終了後、110℃にて7時間反応させて、不揮発分40%、重量平均分子量15,000の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を減圧乾燥(60℃、24時間)し、アクリル樹脂(B)を得た。
[実施例1]
FASTOGEN BLUE EP−207(DIC株式会社製C.I.Pigment Blue 15:6)225部、平均置換基数1.4の銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体(DIC株式会社製)12.5部、アクリル樹脂(B)12.5部、粉砕した塩化ナトリウム(日本食塩製造株式会社製)2500部、およびジエチレングリコール(三菱化学株式会社製)396部を双腕型ニーダー(株式会社井上製作所製)に仕込み、80〜90℃で10時間混練した。
得られた内容物を大過剰の水で洗浄、濾過し、濾液の比電導度が原水の比電導度+20μS/cm以下となるまで水洗することによって、ε型銅フタロシアニン顔料組成物のウエットケーキを得た。得られたウエットケーキをビーカーに移し、2%塩酸(ダイキン工業株式会社)水溶液3000部を加え、撹拌分散してスラリーとし、70℃で1時間撹拌後、濾過、水洗し、ウエットケーキを得た。得られたウエットケーキをビーカーに移し、室温の水3000部を加え、撹拌分散してスラリーとした。引き続き、平均置換基数0.8の銅フタロシアニンスルホン酸誘導体(DIC株式会社製)5部の水酸化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)水溶液を前記顔料スラリー中に添加し、1時間撹拌後、塩酸(ダイキン工業株式会社)を添加してスラリーのpHを7まで戻し、銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を顔料の表面に析出させた。そのまま1時間保持後、濾過、温水洗浄、乾燥、粉砕し、カラーフィルタ用有機顔料組成物(C−1)を得た。
このようにして得られたカラーフィルタ用有機顔料組成物(C−1)1.98部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ダイセル化学工業株式会社)9.99部、DISPERBYK LPN21116(ビックケミー株式会社製)3.13部、0.3−0.4mmφセプルビーズ(サンゴバン株式会社製)34.2部を加え、ペイントコンディショナー(東洋精機株式会社製)で4時間分散し、カラーフィルタ用有機顔料分散液(D−1)を得た。
前記合成例4で得られた化合物(A−3)0.55部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.45部に溶解させ、(A−3)溶液を作製した。この(A−3)溶液0.48部、カラーフィルタ用有機顔料分散液(D−1)2.00部、ユニディックZL−295(DIC株式会社製アクリル樹脂)1.02部を、ペイントコンディショナーで混合することで、カラーフィルタ用青色画素部を形成するための評価用組成物を得た。この評価用組成物をソーダガラスに色度y=0.090となるよう膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥し、さらに230℃で1時間焼成を行い、カラーフィルタ(E−1)を得た。
実施例1で得られたカラーフィルタ(E−1)を用いて、色度y=0.090における輝度、コントラスト、色度xを測定したところ、輝度は10.86、コントラストは5,100、色度xは0.138であった。
[実施例2]
実施例1の化合物(A−3)に変えて、前記合成例3で得られた化合物(A−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、カラーフィルタ(E−2)を作製した。得られたカラーフィルタ(E−2)を用いて、色度y=0.090における輝度、コントラスト、色度xを測定したところ、輝度は10.92、コントラストは5,000、色度xは0.138であった。
[実施例3]
前記合成例2で得られた化合物(A−1)0.44部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.56部に溶解させ、(A−1)溶液を作製した。この(A−1)溶液0.48部、カラーフィルタ用有機顔料分散液(D−1)2.00部、ユニディックZL−295 1.02部を、ペイントコンディショナーで混合することで、カラーフィルタ用青色画素部を形成するための評価用組成物を得た。この評価用組成物をソーダガラスに色度y=0.090となるよう膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥し、さらに230℃で1時間焼成を行い、カラーフィルタ(E−3)を得た。
得られたカラーフィルタ(E−3)を用いて、色度y=0.090における輝度、コントラスト、色度xを測定したところ、輝度は10.92、コントラストは4,700、色度xは0.138であった。
[実施例4]
実施例1のカラーフィルタ用有機顔料組成物(C−1)1.78部と化合物(A−3)0.20部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.79部、DISPERBYK LPN21116 3.13部、0.3−0.4mmφセプルビーズ34.2部を加え、ペイントコンディショナーで4時間分散し、カラーフィルタ用有機顔料分散液(D−2)を得た。
得られたカラーフィルタ用有機顔料分散液(D−2)2.00部、ユニディックZL−295 1.02部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.48部を、ペイントコンディショナーで混合することで、カラーフィルタ用青色画素部を形成するための評価用組成物を得た。この評価用組成物をソーダガラスに色度y=0.090となるよう膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥し、さらに230℃で1時間焼成を行い、カラーフィルタ(E−4)を得た。
得られたカラーフィルタ(E−4)を用いて、色度y=0.090における輝度、コントラスト、色度xを測定したところ、輝度は10.83、コントラストは5,100、色度xは0.138だった。
[実施例5]
FASTOGEN BLUE EP−207 202.5部、化合物(A−3)25.0部、平均置換基数1.4の銅フタロシアニンフタルイミドメチル誘導体 11.3部、アクリル樹脂(B)11.3部、粉砕した塩化ナトリウム2500部、およびジエチレングリコール396部を双腕型ニーダーに仕込み、80〜90℃で10時間混練した。
得られた内容物を大過剰の水で洗浄、濾過し、濾液の比電導度が原水の比電導度+20μS/cm以下となるまで水洗することによって、ε型銅フタロシアニン顔料組成物のウエットケーキを得た。得られたウエットケーキをビーカーに移し、2%塩酸水溶液3000部を加え、撹拌分散してスラリーとし、70℃で1時間撹拌後、濾過、水洗し、ウエットケーキを得た。得られたウエットケーキをビーカーに移し、室温の水3000部を加え、撹拌分散してスラリーとした。引き続き、平均置換基数0.8の銅フタロシアニンスルホン酸誘導体5部の水酸化ナトリウム水溶液を前記顔料スラリー中に添加し、1時間撹拌後、塩酸を添加してスラリーのpHを7まで戻し、銅フタロシアニンスルホン酸誘導体を顔料の表面に析出させた。そのまま1時間保持後、濾過、温水洗浄、乾燥、粉砕し、カラーフィルタ用有機顔料組成物(C−2)を得た。
カラーフィルタ用有機顔料組成物(C−2)1.98部をポリビンに入れ、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.79部、DISPERBYK LPN21116 3.13部、0.3−0.4mmφセプルビーズ34.2部を加え、ペイントコンディショナーで4時間分散し、カラーフィルタ用有機顔料分散液(D−3)を得た。
得られたカラーフィルタ用有機顔料分散液(D−3)2.00部、ユニディックZL−295 1.02部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート0.48部を、ペイントコンディショナーで混合することで、カラーフィルタ用青色画素部を形成するための評価用組成物を得た。この評価用組成物をソーダガラスに色度y=0.090となるよう膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥し、さらに230℃で1時間焼成を行い、カラーフィルタ(E−5)を得た。
得られたカラーフィルタ(E−5)を用いて、色度y=0.090における輝度、コントラスト、色度xを測定したところ、輝度は10.85、コントラストは5,500、色度xは0.138であった。
[比較例1]
実施例1のカラーフィルタ用有機顔料組成物(C−1)1.88部と下記化合物(A−4)0.10部をポリビンに入れ、シクロヘキサノン(和光純薬工業株式会社製)9.79部、DISPERBYK LPN21116 3.13部、0.3−0.4mmφセプルビーズ34.2部を加え、ペイントコンディショナーで4時間分散し、カラーフィルタ用有機顔料分散液(D−4)を得た。
Figure 2018128637
なお、化合物(A−4)は、前記特許文献2に記載の「染料A6」である。
得られたカラーフィルタ用有機顔料分散液(D−4)2.00部、ユニディックZL−295 1.02部、シクロヘキサノン0.48部を、ペイントコンディショナーで混合することで、カラーフィルタ用青色画素部を形成するための評価用組成物を得た。この評価用組成物をソーダガラスに色度y=0.090となるよう膜厚を変えてスピンコートし、90℃で3分乾燥し、さらに230℃で1時間焼成を行い、カラーフィルタ(E−6)を得た。
得られたカラーフィルタ(E−6)を用いて、色度y=0.090における輝度、コントラスト、色度xを測定したところ、輝度は10.36、コントラストは4,600、色度xは0.138であった。
上記実施例1〜5および比較例1の評価結果を表1に示す。
Figure 2018128637
実施例1、4、5の対比から分かる通り、ブルー顔料と本発明の化合物は混合方法の違いによらず、輝度、コントラストの格別優れるカラーフィルタを与える。
また、実施例1〜3と比較例1の対比から分かる通り、本発明の化合物(A−1)〜(A−3)の染料を用いることにより、輝度、コントラストの格別優れるカラーフィルタを与える。

Claims (4)

  1. 有機顔料と、
    下記式(I):
    Figure 2018128637
    (R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R、Rの組み合わせとR、Rの組み合わせは異なる。R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R11、R12は、それぞれ独立して、炭素数が1〜6のアルキル基を表す。R13は、炭素数が1〜3のフッ素化されたアルキル基を表す。)で表される化合物と、を含有することを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料組成物。
  2. 有機顔料と、
    下記式(I):
    Figure 2018128637
    (R〜Rは、それぞれ独立して、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、R、Rの組み合わせとR、Rの組み合わせは異なる。R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、または、炭素数が1〜3のアルキル基を表す。R11、R12は、それぞれ独立して、炭素数が1〜6のアルキル基を表す。R13は、炭素数が1〜3のフッ素化されたアルキル基を表す。)で表される化合物と、有機溶剤と、を含有することを特徴とするカラーフィルタ用有機顔料分散体。
  3. 請求項1に記載のカラーフィルタ用有機顔料組成物を、画素部に含有することを特徴とするカラーフィルタ。
  4. 請求項2に記載のカラーフィルタ用有機顔料分散体を、画素部に含有することを特徴とするカラーフィルタ。
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