JP2018126921A - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】重ね印刷に対応できかつキャリッジの大型化を抑えたインクジェットプリンタを提供することである。
【解決手段】
本発明に係るプリンタは、キャリッジ60に設けられ、第1インクヘッド40と第2インクヘッド50とを保持するホルダ70を備える。ホルダ70は、キャリッジ60に対して、第1位置と第2位置とを含む複数の位置に切替可能である。第1位置は、第1ノズル41および第2ノズル51が副走査方向Xに平行であって、第1ノズル41の一部41aが第2ノズル51よりも副走査方向Xの上流X1側に配置され、第2ノズル51の一部51aが第1ノズル41よりも副走査方向Xの上流X1側に配置される位置である。第2位置は、第1位置を180度回転させた位置である。
【選択図】図6

Description

本発明は、インクジェットプリンタに関する。
従来から、異なる種類のインクを重ねて記録媒体上に画像を形成するインクジェットプリンタが知られている。例えば、特許文献1には、地色層プリント用のサブヘッドと、画像プリント用のサブヘッドとを備えたインクジェットプリンタが開示されている。特許文献1に開示されているインクジェットプリンタにおいては、地色層プリント用のサブヘッドは、メディアの搬送方向において下流側に位置する前部地色層用インク吐出口と、上流側に位置する後部地色層用インク吐出口とを備えている。また、画像プリント用のサブヘッドは、メディアの搬送方向において下流側に位置する前部画像用インク吐出口と、上流側に位置する後部画像用インク吐出口とを備えている。
特許文献1に開示されたインクジェットプリンタでは、地色層を下層とし画像を上層とする重ね印刷を行う際には、後部地色層用インク吐出口から吐出される地色層プリント用のインクで下層を印刷し、その上から、前部画像用インク吐出口から吐出される画像プリント用のインクによって上層を印刷する。画像を下層とし地色層を上層とする重ね印刷を行う際には、地色層プリント用のサブヘッド、画像プリント用のサブヘッドのそれぞれについて、吐出口の前部と後部を逆にして印刷が行われる。特許文献1に開示されたインクジェットプリンタは、上記のような構成を取ることによって、メディアを戻すことなく連続的に重ね印刷を行うことができるようになっている。
特開2007−050555号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたインクジェットプリンタでは、重ね印刷時、半分のサブヘッドしか使用できないという問題がある。詳しくは、前部地色層用インク吐出口と後部画像用インク吐出口との組み合わせ、または、後部地色層用インク吐出口と前部画像用インク吐出口との組み合わせのどちらか一方しか使用できない。そこで、特許文献1に開示されたインクジェットプリンタにおいては、重ね印刷時のインクの吐出効率が通常印刷時の約半分になってしまう。それはつまり、印刷における印刷効率が約半分になること(印刷速度が約半分になること)を意味する。
一方、上記問題の対策として、例えば、地色層プリント用のサブヘッドをメディアの搬送方向の上流に配置し、画像層プリント用のサブヘッドをメディアの搬送方向の下流に配置すれば上記印刷効率の問題は解決するものの、上記構成は、画像を下層とし地色層を上層とする重ね印刷には好適でない。同様に、画像層プリント用のサブヘッドをメディアの搬送方向の上流に配置し、地色層プリント用のサブヘッドをメディアの搬送方向の下流に配置する構成の場合は、地色層を下層とし画像を上層とする重ね印刷に対して好適でない。その対策として地色層プリント用のサブヘッドをメディアの搬送方向の上流、下流の両方に設ければ、ヘッドを搭載するキャリッジが大型化してしまう。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記重ね印刷の2つのパターンの両方に対応でき、かつ、キャリッジの大型化を抑えることのできるインクジェットプリンタを提供することである。
本発明に係るインクジェットプリンタは、1方向に並んだ複数の第1ノズルを有し前記第1ノズルから記録媒体に向けて第1インクを吐出する第1インクヘッドと、1方向に並んだ複数の第2ノズルを有し前記第2ノズルから前記記録媒体に向けて第2インクを吐出する第2インクヘッドと、主走査方向に移動可能なキャリッジと、前記キャリッジに設けられ前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを保持するホルダと、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させる主走査方向移動装置と、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記主走査方向と垂直な副走査方向の上流から下流に向けて相対的に移動させる副走査方向移動装置と、前記第1インクヘッド、前記第2インクヘッド、前記主走査方向移動装置、および前記副走査方向移動装置を制御する制御装置とを備える。前記ホルダは、前記キャリッジにおいて、前記複数の第1ノズルが前記副走査方向に並び、かつ前記複数の第2ノズルが前記副走査方向に並び、かつ前記複数の第1ノズルの一部が前記第2ノズルよりも前記副走査方向の上流側に位置し、かつ前記複数の第2ノズルの一部が前記第1ノズルよりも前記副走査方向の下流側に位置するように前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドが保持される第1位置と、前記第1位置を前記主走査方向および前記副走査方向に対して垂直な回転軸線周りに180度回転させた第2位置と、を含む複数の位置に切替可能に構成されている。前記制御装置は、第1印刷制御部と、第2印刷制御部とを備える。前記第1印刷制御部は、前記ホルダが前記第1位置にあるときに、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第1ノズルの前記一部および他の一部から前記第1インクを吐出させることにより前記記録媒体上に第1印刷層を形成し、その後、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記副走査方向の上流側から下流側に移動させた後、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第2ノズルの前記一部および前記第1ノズルの前記他の一部よりも前記副走査方向の下流側に位置する他の一部から前記第2インクを吐出させることにより、前記第1印刷層の上に第2印刷層を形成する。前記第2印刷制御部は、前記ホルダが前記第2位置にあるときに、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第2ノズルの前記一部および他の一部から前記第2インクを吐出させることにより前記記録媒体上に前記第2印刷層を形成し、その後、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記副走査方向の上流側から下流側に移動させた後、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第1ノズルの前記一部および前記第2ノズルの前記他の一部よりも前記副走査方向の下流側に位置する他の一部から前記第1インクを吐出させることにより、前記第2印刷層の上に前記第1印刷層を形成する。
また、本発明に係る別のインクジェットプリンタは、1方向に並んだ複数の第1ノズルを有し前記第1ノズルから記録媒体に向けて第1インクを吐出する第1インクヘッドと、1方向に並んだ複数の第2ノズルを有し前記第2ノズルから前記記録媒体に向けて第2インクを吐出する第2インクヘッドと、主走査方向に移動可能なキャリッジと、前記キャリッジに設けられ前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを保持するホルダと、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させる主走査方向移動装置と、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記主走査方向と垂直な副走査方向の上流から下流に向けて相対的に移動させる副走査方向移動装置と、前記第1インクヘッド、前記第2インクヘッド、前記主走査方向移動装置、および前記副走査方向移動装置を制御する制御装置とを備える。前記ホルダは、前記キャリッジにおいて、前記複数の第1ノズルが前記副走査方向に並び、かつ前記複数の第2ノズルが前記副走査方向に並び、かつ前記複数の第1ノズルが前記第2ノズルよりも前記副走査方向の上流側に位置するように前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドが保持される第1位置と、前記第1位置を前記主走査方向および前記副走査方向に対して垂直な回転軸線周りに180度回転させた第2位置と、を含む複数の位置に切替可能に構成されている。前記制御装置は、第1印刷制御部と、第2印刷制御部とを備える。前記第1印刷制御部は、前記ホルダが前記第1位置にあるときに、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第1ノズルから前記第1インクを吐出させることにより前記記録媒体上に第1印刷層を形成し、その後、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記副走査方向の上流側から下流側に移動させた後、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第2ノズルから前記第2インクを吐出させることにより、前記第1印刷層の上に第2印刷層を形成する。前記第2印刷制御部は、前記ホルダが前記第2位置にあるときに、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第2ノズルから前記第2インクを吐出させることにより前記記録媒体上に前記第2印刷層を形成し、その後、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記副走査方向の上流側から下流側に移動させた後、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第1ノズルから前記第1インクを吐出させることにより、前記第2印刷層の上に前記第1印刷層を形成する。
上記インクジェットプリンタによれば、第1インクを吐出する第1インクヘッドおよび第2インクを吐出する第2インクヘッドは、キャリッジにおいて互いに180度ずれた「第1位置」と「第2位置」とに切替可能に構成されたホルダに保持されている。上記「第1位置」において、第1インクヘッドおよび第2インクヘッドは、副走査方向に平行であって、第1ノズルの少なくとも一部が第2ノズルよりも副走査方向の上流に位置し、第2ノズルの少なくとも一部が第1ノズルよりも副走査方向の下流に位置するように保持される。「第2位置」は、「第1位置」を主走査方向および副走査方向に対して垂直な回転軸周りに180度回転させた位置である。そこで、上記「第2位置」においては、第1インクヘッドおよび第2インクヘッドは、副走査方向に平行であって、第2ノズルの少なくとも一部が第1ノズルよりも副走査方向の上流に位置し、第1ノズルの少なくとも一部が第2ノズルよりも副走査方向の下流に位置するように保持される。そして、上記インクジェットプリンタに係る制御装置は、ホルダが「第1位置」を取っているときには、第1インクによる印刷層を下層に印刷し、第2インクによる印刷層を上層に印刷する重ね印刷を行うように設定されている。また、上記制御装置は、ホルダが「第2位置」を取っているときには、第2インクによる印刷層を下層に印刷し、第1インクによる印刷層を上層に印刷する重ね印刷を行うように設定されている。上記構成および制御により、上記インクジェットプリンタは、第1インクが下層に印刷される場合と第2インクが下層に印刷される場合のいずれの重ね印刷においても、下層に印刷される方のインクを吐出するノズルを、上層に印刷される方のインクを吐出するノズルよりも副走査方向の上流に配置して印刷を行うことができる。従って、上記インクジェットプリンタは、第1インクが下層に印刷される場合と第2インクが下層に印刷される場合のいずれの重ね印刷おいても連続的に印刷を行うことができる。また、上記インクジェットプリンタによれば、ホルダ70が「第1位置」と「第2位置」に切替可能に構成されているため、第1のインクおよび第2のインクのうちの一方のインクを吐出するインクヘッドを他方のインクを吐出するインクヘッドの副走査方向の上流側と下流側の両方に備える必要がない。そこで、キャリッジの大型化が抑えられる。
第1実施形態に係るインクジェットプリンタの正面図である。 キャリッジの構成を示す模式図であって、キャリッジを上方から見た図である。 キャリッジの構成を示す模式図であって、キャリッジを前方から見た図である。 「第1位置」におけるインクヘッドの配置を示す模式図である。 プリンタのブロック図である。 「第1位置」と「第2位置」の中間位置、および「第2位置」におけるインクヘッドの配置を示す模式図である。 第1重ね印刷時におけるキャリッジ周辺を上方から見た模式図である。 第2重ね印刷時におけるキャリッジ周辺を上方から見た模式図である。 第2実施形態に係る制御装置のブロック図である。 記録媒体上に印刷される画像の例である。 記録媒体上に印刷される画像およびインクヘッドの配置を表す模式図である。
以下、図面を参照しながら、いくつかの実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。以下の説明では、インクジェットプリンタを正面から見たときに、インクジェットプリンタから遠ざかる方を前方、インクジェットプリンタに近づく方を後方とする。また、図面中の符号Yは主走査方向を示し、符号Xは主走査方向Yと直交する副走査方向Xを示している。また、図面中の符号F、Rr、L、R、は、それぞれ前、後、左、右を表している。ただし、これらは説明の便宜上の方向に過ぎず、インクジェットプリンタの設置態様等を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る大判のインクジェットプリンタ(以下、「プリンタ」とする。)10の正面図である。プリンタ10は、ロール状の記録媒体5を順次前方(副走査方向Xの下流X2側、図2参照)に移動させると共に、主走査方向Yに移動するキャリッジ60に搭載された第1インクヘッド40および第2インクヘッド50(図4参照)からインクを吐出することによって、記録媒体5上に画像を印刷する。
記録媒体5は、画像が印刷される対象物である。記録媒体5は特に限定されない。記録媒体5は、例えば、普通紙やインクジェット用印刷紙等の紙類であってもよいし、樹脂製やガラス製などの透明なシートであってもよいし、金属製やゴム製等のシートであってもよい。
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体10aと、プリンタ本体10aを支持する脚11とを備えている。プリンタ本体10aは、主走査方向Yに延びている。プリンタ本体10aは、ガイドレール21と、ガイドレール21に係合したキャリッジ60とを備えている。ガイドレール21は、主走査方向Yに延びている。ガイドレール21は、キャリッジ60の主走査方向Yへの移動をガイドする。キャリッジ60には無端状のベルト22が固定されている。ベルト22は、ガイドレール21の右側に設けられたプーリ23aおよび左側に設けられたプーリ23bに巻き掛けられている。右側のプーリ23aにはキャリッジモータ24が取り付けられている。キャリッジモータ24は、制御装置100と電気的に接続されている。キャリッジモータ24は、制御装置100によって制御される。キャリッジモータ24が駆動するとプーリ23aが回転し、ベルト22が走行する。それにより、キャリッジ60がガイドレール21に沿って主走査方向Yに移動する。このように、キャリッジ60が主走査方向Yに移動することによって、キャリッジ60に搭載された第1インクヘッド40(図4参照)および第2インクヘッド50(図4参照)も主走査方向Yに移動する。本実施形態では、ベルト22とプーリ23aとプーリ23bとキャリッジモータ24とが、キャリッジ60およびキャリッジ60に搭載された第1インクヘッド40、第2インクヘッド50を主走査方向Yに移動させる主走査方向移動装置20の一例である。
キャリッジ60の下方には、プラテン12が配置されている。プラテン12は、主走査方向Yに延びている。プラテン12には記録媒体5が載置される。プラテン12の上方には、記録媒体5を上から押下するピンチローラ31が設けられている。ピンチローラ31は、キャリッジ60より後方に配置されている。プラテン12には、グリッドローラ32が設けられている。グリッドローラ32は、ピンチローラ31の下方に配置されている。グリッドローラ32は、ピンチローラ31と対向する位置に設けられている。グリッドローラ32は、フィードモータ33(図5参照)に連結されている。グリッドローラ32は、フィードモータ33の駆動力を受けて回転可能に形成されている。フィードモータ33は、制御装置100と電気的に接続されている。フィードモータ33は、制御装置100によって制御される。ピンチローラ31とグリッドローラ32との間に記録媒体5が挟まれた状態でグリッドローラ32が回転すると、記録媒体5は副走査方向Xに搬送される。本実施形態では、ピンチローラ31とグリッドローラ32とフィードモータ33とが、記録媒体5を副走査方向Xに移動させる副走査方向移動装置30の一例である。
キャリッジ60には、ホルダ70が設けられている。ホルダ70は、第1インクヘッド40(図4参照)および第2インクヘッド50(図4参照)を保持するとともに第1インクヘッド40および第2インクヘッド50の配置を切り替える部材である。ホルダ70は、下面に第1インクヘッド40および第2インクヘッドを保持しつつ、キャリッジ60に上方から支持されている。具体的には、ホルダ70は、キャリッジ60によって、水平方向に回転可能に支持されている。
図2は、キャリッジ60の構成を示す模式図である。図2では、プリンタ10の上方Uからキャリッジ60を見ている。そこで、図2においては、キャリッジ60が前面に、ホルダ70が背面に見えている。また、図3は、キャリッジ60をプリンタ10の前方Fから見た模式図である。図2、図3に示されるように、キャリッジ60は、回転機構80を備えている。回転機構80は、ホルダ70を回転させる機構である。回転機構80は、回転軸81と回転駆動装置82と位置検出装置83とを備えている。
ホルダ70は、キャリッジ60に対して回転軸81を中心に回転するように構成されている。詳しくは、図3に示すように、回転軸81は鉛直に設置され、ホルダ70は回転軸81に固定されている。回転軸81は、キャリッジ60に回転可能に挿入されている。そこで、ホルダ70は、回転軸81の回転に伴って、キャリッジ60に対して回転するようになっている。回転軸81は、キャリッジ60を貫通し、キャリッジ60の上面よりも上方に突出している。キャリッジ60の上面よりも上方に突出した回転軸81の上端には、回転駆動装置82が連結されている。回転駆動装置82は、例えば、モータ82aとベルト82bとを備えている。また、回転軸81の上端には、ベルト82bが巻き掛けられるプーリ81aが設けられている。ベルト82bは、モータ82aの駆動軸にも巻き掛けられている。回転軸81は、ベルト82bがモータ82aによって走行されることによって回転される。回転駆動装置82は、例えば上記のような機構で回転軸81を回転させるように構成されている。ただし、回転駆動装置82の構成は上記機構に限定されない。例えば、ベルトとプーリではなく、スプロケットを使用する機構等でもよい。
回転機構80はさらに、位置検出装置83を備えている。位置検出装置83は、ホルダ70の回転位置が所定の回転位置のいずれであるかを検知する機構である。より詳しくは、ホルダ70が、後述する「第1位置」にあるか、「第2位置」にあるか、そのどちらでもない中間位置にあるかを検出する機構である。位置検出装置83は、例えば、ホルダ70が「第1位置」に配置されたときに押下されるリミットスイッチと、ホルダ70が「第2位置」に配置されたときに押下されるリミットスイッチとを備えている。ホルダ70には、上記リミットスイッチを押下するための突起等が設けられている。位置検出装置83は制御装置100(図1参照)に接続され、制御装置100は位置検出装置83の信号によってホルダ70の回転位置を把握する。ただし、位置検出装置83の構成は上記された構成に限定されず、例えば、光電センサ等によるものであってもよい。
ホルダ70の下面には、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50が保持されている。図4は、ホルダ70におけるインクヘッドの配置を示す模式図であって、ホルダ70を下方Dから上方Uに向かって見た図である。上記したようにホルダ70は水平方向に回転するので、インクヘッドの配置はプリンタ本体10aに対して変化するが、図4では「第1位置」の場合を図示する。図4に示されるように、「第1位置」においては、第1インクヘッド40は、ホルダ70下面の左後方の隅付近に配置されている。第2インクヘッド50は、第1インクヘッド40よりも右前方に配置されている。
第1インクヘッド40は、1つのインクヘッドからなっている。本実施形態においては、第1インクヘッド40は、カラー画像の色調や意匠性に変化を与えるための、所謂、特色インクを吐出する。特色インクは、「第1インク」の一例である。特色インクとは、CMYKといったプロセスカラーインク以外の色のインクである。特色インクには、例えば、代表的なものとしてのホワイトインクの他に、シルバーインクやゴールドインクなどのメタリックインクや、透明インク等が含まれる。本実施形態では、第1インクヘッド40のインクヘッドは1個であるが、これに限定されない。第1インクヘッド40のインクヘッドの数は、例えば2個以上であってもよい。また、特色インクの色調は何ら限定されるわけではない。
図4に示すように、「第1位置」における第1インクヘッド40は、副走査方向Xに並んだ複数のノズル41を有している。以下では、適宜、第1インクヘッド40のノズルを第1ノズル41と称することとする。本実施形態に係る第1インクヘッド40においては、複数の第1ノズル41が1列に並び、ノズル列を構成している。ただし、第1ノズル41の配置は1列に限定されるわけではない。例えば、第1インクヘッド40は、2列以上のノズル列を有していてもよい。なお、以下では適宜、ホルダ70の回転によらない第1ノズル41の並び方向をノズル列方向Nと称する。
図4に示すように、第2インクヘッド50は、複数のインクヘッド50C、50M、50Y、50Kからなっている。複数のインクヘッド50C、50M、50Y、50Kは、ノズル列方向Nに直交する方向(「第1位置」にあっては主走査方向Y)に並んでいる。複数のインクヘッド50C、50M、50Y、50Kは、それぞれ、カラー画像を形成するためのプロセスカラーインクを吐出する。プロセスカラーインクは、「第2インク」の一例である。本実施形態にあっては、インクヘッド50Cは、シアンインクを吐出する。インクヘッド50Mは、マゼンタインクを吐出する。インクヘッド50Yは、イエローインクを吐出する。インクヘッド50Kは、ブラックインクを吐出する。ただし、第2インクヘッド50のインクヘッドの数は4個に限定されない。第2インクヘッド50のインクヘッドの数は、例えば5個以上であってもよいし、1個(例えばインクヘッド50Kのみ)であってもよい。また、プロセスカラーインクの色調は何ら限定されるわけではない。
図4に示すように、複数のインクヘッド50C、50M、50Y、50Kは、ノズル列方向N(「第1位置」にあっては副走査方向X)に並んだ複数のノズル51を有している。以下では適宜、第2インクヘッド50の各インクヘッドが備えるノズルを第2ノズル51と称することとする。本実施形態において、各インクヘッド50C、50M、50Y、50Kでは、それぞれ、複数の第2ノズル51が1列に並んでノズル列を構成している。第2ノズル51のノズル列の方向は、第1ノズル41のノズル列方向Nと平行である。本実施形態では、第2インクヘッド50を構成する複数のインクヘッド50C、50M、50Y、50Kの各第2ノズル51は、ノズル列方向Nに関して揃った位置に配置されている。また、複数のインクヘッド50C、50M、50Y、50Kのノズル列方向Nに関する長さは同じであり、第2ノズル51の数も同じである。さらに、第2インクヘッド50の各インクヘッドと第1インクヘッド40のノズル列方向Nに関する長さは同じであり、第1ノズル41の数と、第2インクヘッド50のそれぞれのインクヘッドが備える第2ノズル51の数も同じである。
なお、図4において、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50C、50M、50Y、50Kには、それぞれ10個のノズルが図示されているが、実際にはさらに多数(例えば360個)のノズルが形成されている。ただし、ノズルの個数は何ら限定されるわけではない。
第1インクヘッド40と第2インクヘッド50とは、ノズル列方向Nに関して互いにずれた位置に配置されている。そこで、図4に示すように、ノズル列方向Nのうち第1ノズル41側の方向をN1方向、第2ノズル51側の方向をN2方向と称するものとすると、第1ノズル41の一部は、第2ノズル51よりもN1方向に突出している(以下、第1ノズル41の第2ノズル51から突出した部分を適宜、第1突出部分41aと称する。)。また、第2ノズル51の一部は、第1ノズル41よりもN2方向に突出している(以下、第2ノズル51の第1ノズル41から突出した部分を適宜、第2突出部分41aと称する。)。図4に示された各インクヘッドの配置によれば、第1突出部分41aには、10個中6個の第1ノズル41が属している。つまり、第1ノズル41全体に対して60%の第1ノズル41が、第1突出部分41aに属している。第1ノズル41の残り40%は、第1ノズル41のうち第2ノズル51とノズル列方向Nに関して重なっている部分(以下、第1重複部分41bと称する。)に属している。同様に、図4に示された各インクヘッドの配置によれば、第2突出部分51aには、10個中6個の第2ノズル51が属している。つまり、第2ノズル51全体に対して60%の第2ノズル51が、第2突出部分51aに属している。第2ノズル51の残り40%は、第2ノズル51のうち第1ノズル41とノズル列方向Nに関して重なっている部分(以下、第2重複部分51bと称する。)に属している。
第1インクヘッド40および第2インクヘッド50C、50M、50Y、50Kの内部には、圧電素子等を備えたアクチュエータ(図示せず)が設けられている。アクチュエータは、制御装置100と電気的に接続されている。アクチュエータは、制御装置100によって制御される。アクチュエータが駆動することによって、第1インクヘッド40の第1ノズル41および第2インクヘッド50C、50M、50Y、50Kの第2ノズル51から記録媒体5に向かってインクが吐出される。
インクヘッド40、50C、50M、50Y、および50Kは、それぞれ、図示しないインク供給路によって、図示しないインクカートリッジと連通されている。インクカートリッジは、例えばプリンタ本体10aの右端部に着脱可能に配置されている。なお、インクの材料は何ら限定されず、従来からインクジェットプリンタのインクの材料として用いられている各種の材料を使用することができる。上記インクは、例えば、ソルベント系(溶剤系)顔料インクや水性顔料インクであってもよいし、水性染料インク、あるいは、紫外線を受けて硬化する紫外線硬化型顔料インク等であってもよい。
図1に示すように、プリンタ10は、ヒータ35を備えている。ヒータ35は、プラテン12の下方に設けられている。ヒータ35は、グリッドローラ32より前方に配置されている。ヒータ35は、プラテン12を加熱する。プラテン12が加熱されることによって、プラテン12上に配置されている記録媒体5および記録媒体5に着弾したインクが加熱され、インクの乾燥が促進される。ヒータ35は、制御装置100に電気的に接続されている。ヒータ35の加熱温度は、制御装置100によって制御される。
図1に示すように、プリンタ本体10aの右端部には、操作パネル150が設けられている。操作パネル150には、機器状態を表示する表示部と、ユーザーによって操作される入力キー等が設けられている。操作パネル150の内側には、プリンタ10の各種の動作を制御する制御装置100が収容されている。図5は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。図5に示すように、制御装置100は、フィードモータ33、キャリッジモータ24、ヒータ35、第1インクヘッド40、第2インクヘッド50の各インクヘッド50C〜50K、回転駆動装置82のモータ82aとそれぞれ接続されており、それらを制御可能に構成されている。制御装置100は、モード選択部110と、印刷制御部120と、回転制御部130とを備えている。
制御装置100の構成は特に限定されない。制御装置100は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェア構成は特に限定されないが、例えば、ホストコンピュータ等の外部機器から印刷データ等を受信するインターフェイス(I/F)と、制御プログラムの命令を実行する中央演算処理装置(CPU:central processing unit)と、CPUが実行するプログラムを格納したROM(read only memory)と、プログラムを展開するワーキングエリアとして使用されるRAM(random access memory)と、上記プログラムや各種データを格納するメモリ等の記憶装置とを備えている。なお、制御装置100は必ずしもプリンタ本体10aの内部に設けられている必要はなく、例えば、プリンタ本体10aの外部に設置され、有線または無線を介してプリンタ本体10aと通信可能に接続されたコンピュータ等であってもよい。
モード選択部110は、印刷方法が選択される部位である。本実施形態では、印刷方法は「通常印刷」、「重ね印刷」に区別される。さらに、「重ね印刷」は、「第1重ね印刷」と「第2重ね印刷」とに区別される。「第1重ね印刷」では、第1インクヘッド40が吐出する特色インクによる印刷層(本願発明の「第1印刷層」に相当)が下層として印刷され、上記特色インクによる印刷層の上に、第2インクヘッド50が吐出するプロセスカラーインクによる印刷層(本願発明の「第2印刷層」に相当)が重ねて印刷される。「第2重ね印刷」では、プロセスカラーインクによる印刷層(第2印刷層)が下層として印刷され、上記プロセスカラーインクによる印刷層の上に、特色インクによる印刷層(第1印刷層)が重ねて印刷される。「通常印刷」は、上記2パターンの重ね印刷と異なり、1層だけの印刷を行う印刷方法である。なお、印刷方法は、印刷データに予め組み込まれていてもよいし、作業者が適宜選択できるようになっていてもよい。
印刷制御部120は、インクヘッド40および50C〜50K、キャリッジモータ24、フィードモータ33を制御して記録媒体5に対して印刷を施すとともに、ヒータ35を制御して記録媒体5に吐出されたインクを乾燥させる部位である。図5に示されるように、印刷制御部120は、第1印刷制御部121と、第2印刷制御部122と、第3印刷制御部123とを備えている。第1印刷制御部121は、「第1重ね印刷」モードによる印刷において、第1インクヘッド40、第2インクヘッド50、キャリッジモータ24、フィードモータ33、およびヒータ35を制御し、印刷を行わせる部位である。第2印刷制御部122は、「第2重ね印刷」モードによる印刷において、第1インクヘッド40、第2インクヘッド50、キャリッジモータ24、フィードモータ33、およびヒータ35を制御し、印刷を行わせる部位である。第3印刷制御部123は、「通常印刷」モードによる印刷において、第2インクヘッド50、キャリッジモータ24、フィードモータ33、およびヒータ35を制御し、印刷を行わせる部位である。印刷制御部120は、モード選択部110で選択された印刷モードごとに異なった動きで各部を制御する。印刷モードごとの各部の動きについては後述する。
回転制御部130は、回転駆動装置82を制御して、ホルダ70を回転させる部位である。回転制御部130は、印刷方法として「第1重ね印刷」が選択されたときには、ホルダ70を「第1位置」に配置する。さらに、回転制御部130は、印刷方法として「第2重ね印刷」が選択されたときには、ホルダ70を「第2位置」に配置する。また、回転制御部130は、印刷方法として「通常印刷」が選択されたときには、ホルダ70を「第1位置」または「第2位置」のどちらかに配置すればよいが、本実施形態にあっては「第1位置」に配置する。上記「第2位置」の詳細については後述する。また、回転制御部130は、回転機構80の位置検出装置83の信号を受け、例えば操作パネル150にホルダ70の位置を表示する。
モード選択部110で「通常印刷」が選択された場合、前述のように、回転制御部130は、ホルダ70を「第1位置」に配置する。「第1位置」においては、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50C〜50Kは、図4に示された配置を取っている。「通常印刷」においてはプロセスカラーインクだけが用いられる。「通常印刷」において、印刷制御部120は、キャリッジモータ24を駆動してキャリッジ60を主走査方向Yに移動させるとともに、アクチュエータを駆動して第2インクヘッド50の各インクヘッド50C、50M、50Y、50Kからプロセスカラーインクを吐出させ、記録媒体5の印刷面にプロセスカラーインクを着弾させる。また、印刷制御部120は、記録媒体5が順次前方F(副走査方向Xの下流X2側)に送り出されるように、フィードモータ33を制御する。印刷制御部120は、例えば、記録媒体5が1回前方Fに送り出されるまでに、キャリッジ60を主走査方向Yに1回または複数回移動させる。
ところで、本実施形態に係るモード選択部110は、上記のような「通常印刷」だけでなく、下層の画像の上に上層の画像を重ねる「重ね印刷」を選択することもできるように構成されている。「重ね印刷」のうち「第1重ね印刷」においては、まず記録媒体5上に特色インクによって地色が印刷される。次いで、記録媒体5上に吐出された特色インクの上に、プロセスカラーインクによる画像の印刷が行われる。「重ね印刷」のうち「第2重ね印刷」においては逆に、プロセスカラーインクによる画像を印刷した下層の上に、上層として特色インクを重ね印刷する。いずれの場合でも、重ね印刷の目的は、画像に対する特定の視覚効果の付与である。例えば、記録媒体5が透明シートの場合には、画像に対する地色の付与である。
上記「重ね印刷」において、従来のプリンタは、例えば、第1インクヘッド、第2インクヘッドのそれぞれを副走査方向の上流側/下流側に2分割し、第1インクヘッドの上流側と第2インクヘッドの下流側、または、第1インクヘッドの下流側と第2インクヘッドの上流側の組み合わせで、地色用の特色インクと画像用のプロセスカラーインクを吐出していた。そのように構成されることにより、従来のプリンタは、記録媒体を戻すことなく連続的に重ね印刷を行うことができるようになっていた。
しかしながら、従来のインクジェットプリンタでは、重ね印刷時、第1インクヘッドにおいても第2インクヘッドにおいても、その副走査方向における上流側または下流側のどちらか一方のノズルしか使用できない。即ち、従来のインクジェットプリンタでは、重ね印刷時、半分のノズルしか使用することができない。そこで、重ね印刷時のインクの吐出効率は、通常印刷時の約半分になってしまう。それはつまり、印刷効率が約半分になることを意味する。
上記印刷効率の問題の対策として、例えば、特色インクを吐出するインクヘッドを副走査方向の上流に配置し、プロセスカラーインクを吐出するインクヘッドを副走査方向の下流に配置すれば上記印刷効率の問題は解決するものの、上記構成は、画像を下層とし地色層を上層とする重ね印刷には好適でない。同様に、プロセスカラーインクを吐出するインクヘッドを副走査方向の上流に配置し、特色インクを吐出するインクヘッドを副走査方向の下流に配置する構成の場合は、地色層を下層とし画像を上層とする重ね印刷に対して好適でない。その対策として特色インクを吐出するインクヘッドを副走査方向の上流、下流の両方に設ければ、インクヘッドを搭載するキャリッジが大型化してしまう。
そこで、本実施形態に係るプリンタ10は、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50を保持し、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50を複数の位置に配置することが可能なホルダ70を備えている。ここでは、上記複数の位置は、「第1位置」および「第2位置」である。ただし、上記複数の位置には、「第1位置」および「第2位置」以外の位置が含まれていてもよい。上記「第1位置」は、第1ノズル41および第2ノズル51が副走査方向Xに平行であって、かつ第1ノズル41の第1突出部分41aが第2ノズル51よりも副走査方向Xの上流X1側に配置され、第2ノズル51の第2突出部分51aが第1ノズル41よりも副走査方向Xの下流X2側に配置される位置である。一方、「第2位置」は、「第1位置」を水平方向に180度回転させた位置である。即ち、「第2位置」は、第1ノズル41および第2ノズル51が副走査方向Xに平行であって、かつ第2ノズル51の第2突出部分51aが第1ノズル41よりも副走査方向Xの上流X1側に配置され、第1ノズル41の第1突出部分41aが第2ノズル51よりも副走査方向Xの下流X2側に配置される位置である。そして、本実施形態に係る第1印刷制御部121は、ホルダ70が上記「第1位置」に配置されたときには「第1重ね印刷」を行うように設定され、また、第2印刷制御部122は、ホルダ70が上記「第2位置」に配置されたときには「第2重ね印刷」を行うように設定されている。
本実施形態に係るプリンタ10によれば、ホルダ70の回転によって、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50の配置を、第1ノズル41の突出部分41aが第2ノズル51よりも副走査方向Xの上流X1側にある「第1位置」と、第2ノズル51の突出部分51aが第1ノズル41よりも副走査方向Xの上流X1側にある「第2位置」とに切り替えることができる。上記切り替えによって、「第1重ね印刷」および「第2重ね印刷」のいずれの重ね印刷おいても、下層に印刷される方のインクを吐出するノズルを、上層に印刷される方のインクを吐出するノズルよりも副走査方向の上流に配置して印刷を行うことができる。従って、「第1重ね印刷」および「第2重ね印刷」のいずれの重ね印刷おいても、連続的に重ね印刷を行うことができる。また、本実施形態によれば、「第1重ね印刷」および「第2重ね印刷」の両方に対応するために、特色インクを吐出するインクヘッドをプロセスカラーインクインクを吐出するインクヘッドの副走査方向の上流側と下流側の両方に備える必要がなく、キャリッジの大型化が抑えられる。
図6は、「第1位置」と「第2位置」の中間位置、および「第2位置」におけるインクヘッドの配置を示す模式図である。図6(a)は、「第1位置」と「第2位置」の中間位置におけるキャリッジ60の状態を表している。図6(b)は、「第2位置」におけるキャリッジ60の状態を表している。図6も、キャリッジ60の下面を上方Uに向かって見た図である。図6に示されるように、ホルダ70は、回転軸81を中心に水平回転するように構成されている。「第1位置」において副走査方向Xに平行に保持されていた第1インクヘッド40および第2インクヘッド50は、ホルダ70が回転することによって一時的に副走査方向Xに平行でなくなるが、ホルダ70が「第2位置」に停止することで再び副走査方向Xに平行な配置を取る。「第1位置」と「第2位置」とは180度ずれている。「第2位置」では第2ノズル51の突出部分51aが第1ノズル41よりも副走査方向Xの上流X1側に配置されている。また、第1ノズル41の突出部分41aが第2ノズル51よりも副走査方向Xの下流X2側に配置されている。
図7は、「第1重ね印刷」におけるキャリッジ60周辺を上方Uから見た模式図である。図7において、第1ノズル41および第2ノズル51に施された黒丸は、当該ノズルからインクが吐出されていることを表している。図7に示すキャリッジ60において、ホルダ70は、「第1位置」に配置されている。「第1重ね印刷」では、各部の制御は第1印刷制御部121が行っている。「第1重ね印刷」においては、まず第1ノズル41のうち、第1突出部分41aに属するノズル41と、第1重複部分41bのN1側の半分41cに属するノズル41とからなる第1使用ノズル41dから特色インクが吐出される。図7(a)は、「第1重ね印刷」の最初のパス中を示す図である。図7(a)に示されるように、第1使用ノズル41dからは記録媒体5上の領域E1に対して特色インクが吐出されている。つまり、特色インクによる印刷層で下層が形成されている。上記実施形態によれば、第1ノズル41全体に対する第1使用ノズル41dの割合、即ち第1インクヘッド40のノズル使用率は80%である。
図7(a)に示された吐出の後、第1印刷制御部121は、フィードモータ33を駆動させて、記録媒体5を1回前方Fへ移動させる。このときの移動距離は、第1使用ノズル41dの長さ分である。記録媒体5の移動後、第1印刷制御部121は、第2インクヘッド50C〜50Kの一部のノズル51にプロセスカラーインクを吐出させる。詳しくは、第1印刷制御部121は、第2ノズル51のうち、第2突出部分51aに属するノズル51と、第2重複部分51bのN2側の半分51cに属するノズル51とからなる第2使用ノズル51dからプロセスカラーインクを吐出させる。図7(b)は、図7(a)に示された時点の次のパス時における記録媒体5上の状態を示す図である。図7(b)において、第2インクヘッド50C〜50Kの第2使用ノズル51dからは、領域E1に向かってプロセスカラーインクが吐出されている。つまり、プロセスカラーインクによる印刷層(画像層)で上層が形成されている。同時に、第1インクヘッド40の第1使用ノズル41dからは、領域E1の次の(副走査方向Xの上流X1側の)領域E2に向けて特色インクが吐出されている。このように、本実施形態に係るプリンタ10では、「第1重ね印刷」において、第1ノズル41の一部を第2ノズル51よりも副走査方向Xの上流X1側に配置し、第2ノズル51の一部を第1ノズル41より副走査方向Xの下流X2側に配置するため、記録媒体5を戻すことなく連続的に印刷を行うことができる。なお、第2インクヘッド50のノズル使用率も、第1インクヘッド40の場合と同じく80%である。
一方、「第2重ね印刷」では、記録媒体5上の同一地点においてプロセスカラーインクが特色インクよりも先に吐出される。従って、「第2重ね印刷」においては、第2使用ノズル51dが、第1使用ノズル41dよりも副走査方向Xの上流X1側に配置されることが好ましい。
図8は、「第2重ね印刷」におけるキャリッジ60周辺を上方Uから見た模式図である。図7と同様、図8においても、第1ノズル41および第2ノズル51に施された黒丸は、当該ノズルからインクが吐出されていることを表している。図8に示すキャリッジ60において、ホルダ70は、「第2位置」に配置されている。「第2位置」においては、第2使用ノズル51dが第1使用ノズル41dよりも副走査方向Xの上流X1側に配置されている。「第2重ね印刷」では、各部の制御は第2印刷制御部122が行っている。「第2重ね印刷」においては、まず第2使用ノズル51dからプロセスカラーインクが吐出される。図8(a)は、「第2重ね印刷」の最初のパス中を示す図である。図8(a)に示されるように、第1使用ノズル41dからは記録媒体5上の領域E1に対してプロセスカラーインクが吐出されている。つまり、プロセスカラーインクによる印刷層で下層が形成されている。図8(a)に示された吐出の後、第2印刷制御部122は、フィードモータ33を駆動させて、記録媒体5を1回前方Fへ移動させる。このときの移動距離は、第2使用ノズル51dの長さ分である。図8(b)は、図8(a)に示された時点の次のパス時における記録媒体5上の状態を示す図である。図8(b)に示されるように、記録媒体5の移動後、第2印刷制御部122は、第1使用ノズル41dから、領域E1に向かって特色インクを吐出させて、特色インクによる印刷層で上層を形成する。同時に、第2使用ノズル51dからは、領域E1の次の領域E2に向けてプロセスカラーインクが吐出され、プロセスカラーインクによる印刷層で下層を形成する。このように、本実施形態に係るプリンタ10は、「第2重ね印刷」においても、記録媒体5を戻すことなく連続的に印刷を行うことができる。
さらに、本実施形態に係るプリンタ10によれば、ホルダ70が回転するため、特色インクを吐出するインクヘッドは、プロセスカラーインクを吐出するインクヘッドのノズル列方向Nの一方の側にだけ(本実施形態ではN1側にだけ)配置されていれば足りる。つまり、特色インクを吐出するインクヘッドを、プロセスカラーインクを吐出するインクヘッドの副走査方向の上下流に配置する必要がない。それによりキャリッジの大型化が抑えられる。
また、本実施形態に係るプリンタ10では、ホルダ70は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに対して垂直な(本実施形態では鉛直な)回転軸81周りに回転可能に構成されており、プリンタ10は、ホルダ70を回転させる回転駆動装置82を備えている。そこで、本実施形態に係るプリンタ10は、ホルダ70の位置を簡易に、かつ自動で切り替えることができる。さらに、本実施形態に係るプリンタ10は、モード選択部110と回転制御部130とを備え、印刷モードが「第1重ね印刷」か「第2重ね印刷」かによって、ホルダ70の位置を自動選択することができる。
なお、本実施形態に係るプリンタ10にあっては、第1突出部分41aの第1ノズル41全体に対する割合、および第2突出部分51aの第2ノズル51全体に対する割合は60%であったが、上記割合はこれに限られない。上記割合は、印刷効率とキャリッジサイズとの兼ね合いで決定される。上記割合が50%以上に設定される場合は、印刷効率を重視する場合である。第1突出部分41aの第1ノズル41全体に対する割合、および第2突出部分51aの第2ノズル51全体に対する割合を50%以上に設定すれば、印刷効率を高めることができる。逆に、上記割合が50%未満に設定される場合は、キャリッジの小型化を重視する場合である。第1突出部分41aの第1ノズル41全体に対する割合、および第2突出部分51aの第2ノズル51全体に対する割合を50%未満に設定すれば、キャリッジ60の副走査方向Xについての長さを短くすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態は、同じ画像データを元に「第1重ね印刷」と「第2重ね印刷」の両方を行うことができる実施形態である。具体的には、インクヘッドが回転することでプリンタ本体に対するインクヘッドの配置が変わっても、同じ画像データから同じ画像が印刷できる実施形態である。本実施形態に係るプリンタ10は、上記差異に関わる部材を除き、第1実施形態に係るプリンタ10と共通である。そこで、以下の第2実施形態の説明においては、第1実施形態と同じ部材には同じ符号を付すものとし、重複する説明は省略または簡略化する。
図9は、本実施形態に係る制御装置100の構成を示すブロック図である。図9に示されるように、本実施形態に係る制御装置100は、画像データ処理部140を備えている。本実施形態に係る画像データ処理部140は、記録媒体5に印刷される画像の画像データを、画像に垂直な回転軸周りに180度回転させた回転画像データを作成する部位である。画像データ処理部140は、さらに画像データ受信部141と、回転画像データ生成部142とを備えている。
画像データ受信部141は、プロセスカラーインクおよび特色インクによって形成される画像を印刷するための画像データを受信する部位である。上記画像データは、「第1重ね印刷」および「第2重ね印刷」のどちらか一方の印刷モード用として作成されている画像データである。
また、回転画像データ生成部142は、上記画像を上記画像に垂直な回転軸線周りに180度回転させた回転画像の画像データを生成する部位である。第1印刷制御部121および第2印刷制御部122は、上記画像データおよび上記回転画像データのうちのどちらか一方の画像データに基づいて各部を制御し印刷を行う。詳しくは、上記画像データが「第1重ね印刷」用の画像データとして作成されている場合には、第1印刷制御部121は、上記画像データに基づいて印刷を行い、第2印刷制御部122は、回転画像データに基づいて印刷を行う。逆に、上記画像データが「第2重ね印刷」用の画像データとして作成されている場合には、第2印刷制御部122は、上記画像データに基づいて印刷を行い、第1印刷制御部121は、回転画像データに基づいて印刷を行う。
図10は、記録媒体5上に印刷される画像の例である。ここでは、図10(a)に示される画像Aは、「第1重ね印刷」で印刷されるものとして作成された画像である。図10(b)に示されている画像Bは、画像Aが回転画像データ生成部142によって変換された回転画像である。図10に示されるように、回転画像Bは、画像Aを180度回転させた画像である。回転画像Bは画像Aと同じ画像であるが、画像Aとは印刷される向き(副走査方向Xに係る向き)が異なる画像である。
図10に示される例の場合、本実施形態に係るプリンタ10は、「第1重ね印刷」で画像を印刷するときには、画像Aのデータを元に印刷を行う。一方、「第2重ね印刷」で画像を印刷するときには、回転画像データ生成部142によって画像Aのデータが変換されてできた回転画像Bのデータを元に印刷を行う。
さらに、本実施形態に係るプリンタ10は、「第1重ね印刷」と「第2重ね印刷」とで印刷方向が異なるように設定されている。図11は、記録媒体5上に印刷される画像およびインクヘッドの配置を表す模式図である。図11では、記録媒体5およびキャリッジ60を上方Uから見ている。図11(a)は、「第1重ね印刷」における模式図であって、印刷される画像は画像Aである。またキャリッジ60付近に示された矢印は、「第1重ね印刷」における印刷方向を示す矢印である。図11(a)に示されるように、「第1重ね印刷」における印刷方向は、主走査方向Yの一方、Y1方向である。Y1方向は、プリンタ10の右方Rと一致している。以下、Y1方向を第1主走査方向Y1と呼ぶ。本実施形態に係るプリンタ10は、「第1重ね印刷」においては、キャリッジ60が第1主走査方向Y1に走査されるときにだけ印刷を行う。図11(b)は、「第2重ね印刷」における模式図であって、印刷される画像は回転画像Bである。キャリッジ60付近に示された矢印は、「第2重ね印刷」における印刷方向を示す矢印である。図11(b)に示されるように、「第2重ね印刷」における印刷方向は、主走査方向YのうちY1方向と逆方向であるY2方向である。Y2方向は、プリンタ10の左方Lと一致している。以下、Y2方向を第2主走査方向Y2と呼ぶ。本実施形態に係るプリンタ10は、「第2重ね印刷」にあっては、キャリッジ60が第2主走査方向Y2に走査されるときにだけ印刷を行う。
図11(b)に示されるように、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50は、図11(a)の状態から180度回転されている。そこで、第2ノズル51のうち図11(a)において最も副走査方向Xの上流X1側に配置されていた第2ノズル51caは、図11(b)において第2ノズル51の中で最も副走査方向Xの下流X2側に移動している。さらに、第2ノズル51によって構成されるノズル列の中で、インクヘッド50Cのノズル列52Cは、図11(a)において、最も第2主走査方向Y2側に配置されていたが、図11(b)では最も第1主走査方向Y1側に移動されている。従って、第2ノズル51caも、第2ノズル51の中で最も第1主走査方向Y1側に移動されている。つまり、第2ノズル51caは、第2ノズル51の中で、最も副走査方向Xの上流X1側かつ最も第2主走査方向Y2側の位置から、最も副走査方向Xの下流X2側かつ最も第1主走査方向Y1側の位置へと移動されている。
このように、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50が「第1位置」から「第2位置」に回転されることによって、ノズル列の並び、およびノズル列中のノズルの並びはともに逆転する。具体的には、「第1位置」では、ノズル列は、第2主走査方向Y2側から順に42、52C、52M、52Y、52Kの順で並んでいたが、「第2位置」では、第2主走査方向Y2側から順に52K、52Y、52M、52C、42の順に並んでいる。ノズル列中のノズルは、例えばノズル列52Cについて言えば、「第1位置」では、副走査方向Xの上流X1側から51ca〜51cjの順で並んでいたが、「第2位置」では、副走査方向Xの上流X1側から51cj〜51caの順に並んでいる。このように、ホルダ70が回転されることによって、プリンタ本体10aと各ノズルとの相対的位置関係は変化する。
しかしながら、本実施形態に係るプリンタ10によれば、画像と各ノズルとの相対的位置関係は、画像Aが回転画像Bに変換されることによって維持される。例えば、画像AのA1という隅を見てみると、A1は画像の最も左上に位置している。また、第2ノズル51caは、第2インクヘッド50の第2ノズル51中では、最も左上に位置している。一方、図11(b)に示された「第2位置」における状態について見ると、回転画像BにおいてA1に対応する隅はB1である。B1は回転画像Bの最も右下に位置している。また、第2ノズル51caは、第2インクヘッド50の第2ノズル51中では、最も右下に位置している。このように、印刷画像が回転画像に変換されることによって、インクヘッドが回転しても、画像とインクヘッドとの相対的位置関係が維持される。
また、本実施形態に係るプリンタ10では、印刷制御部120が「第1重ね印刷」の場合と「第2重ね印刷」の場合とで印刷方向を変えることによって、印刷方向とインクヘッドの並びとの相対的位置関係が維持されている。図11(a)に示されるように、画像Aにキャリッジ60が印刷しながら接近してくるとき、画像Aの隅A1に最も近いインクヘッドはインクヘッド50Kである。キャリッジ60の進行方向は、第1主走査方向Y1に向かう方向である。図11(b)では、印刷方向は、第2主走査方向Y2に向かう方向に変わっている。しかし、図11(b)の状態においても、回転画像Bにキャリッジ60が印刷しながら接近してくるとき、回転画像Bの隅B1に最も近いインクヘッドはインクヘッド50Kである。このように、本実施形態に係るプリンタ10では、「第1重ね印刷」の場合と「第2重ね印刷」の場合とで印刷方向を変えることによって、印刷方向とインクヘッドの並びとの相対的位置関係を維持している。
上記のように、本実施形態に係るプリンタ10によれば、インクヘッドの回転に対応して、画像方向と印刷方向が逆転する。そのため、「第1重ね印刷」「第2重ね印刷」のうち一方の印刷モード用として作成された画像データを元にして、他方のモードで同じ画像を印刷できる。
また、プロセスカラーインクの並びは印刷画質にとって重要である。つまり、例えば、「第1重ね印刷」において第2インクヘッド50が、第1主走査方向Y1側から50K、50Y、50M、50Cの順に並んでいるときに、インクヘッドを回転させて50C、50M、50Y、50Kの順に並びを変えてしまうと、出来上がりの印刷の色味が変化する。これはプロセスカラーインクの吐出順が逆になるからである。しかし、本実施形態に係るプリンタ10においては、印刷方向がインクヘッドの回転位置に応じて変わる。そこで、本実施形態に係るプリンタ10では、印刷方向に対するインクヘッドの並び順が変化せず、従って印刷の色味も変化しない。
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の各実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
例えば、第3印刷制御部123は、ホルダ70が「第1位置」または「第2位置」にあるときに、キャリッジ60を主走査方向Yに移動させながら、第1ノズル41のうち第1突出部分41a以外の部分(即ち、第1重複部分41b)からインクを吐出させるとともに、第2ノズル51のうち第2突出部分51a以外の部分(即ち、第2重複部分51b)からインクを吐出させることにより、前記記録媒体上に印刷層を形成することが可能なように構成されていてもよい。つまり、本発明に係るプリンタ10は、第1重複部分41bおよび第2重複部分51bに属するノズルを使用して1層印刷を行うことができるように構成されていてもよい。上記1層印刷によれば、第1インクヘッド40から吐出されるインクも第2インクヘッド50から吐出されるインクと同様に画像を形成するインクとして扱われる。そこで、上記1層印刷は、「通常印刷」とも「重ね印刷」とも印刷画質の異なる印刷モードとなる。
また、上記した実施形態では、第1インクヘッド40と第2インクヘッド50とは、ホルダ70においてノズル列方向Nに一部ずれて設けられていた。しかしながら、第1インクヘッド40と第2インクヘッド50は、例えば、ノズル列方向Nに完全にずれて設けられていてもよい。上記「完全にずれている」とは、第1ノズル41の全部が第2ノズル51よりもN1方向に位置していることを意味する。上記実施形態においては、第1使用ノズル41dは、第1ノズル41全体と一致する。また、第2使用ノズル51dは、第2ノズル51全体と一致する。上記実施形態に係る第1印刷制御部121は、ホルダ70が「第1位置」にあるときには、第1ノズル41から吐出される特色インクによって記録媒体5上に特色インクの印刷層を形成した後、記録媒体5を副走査方向Xの上流X1側から下流X2側に移動させ、その後、特色インクによる印刷層の上に、第2ノズル51から吐出されるプロセスカラーインクによってプロセスカラーインクの印刷層を形成する。一方、ホルダ70が「第2位置」にあるときには、上記実施形態に係る第2印刷制御部122は、第2ノズル51から吐出されるプロセスカラーインクによって記録媒体5上にプロセスカラーインクの印刷層を形成した後、記録媒体5を副走査方向Xの上流X1側から下流X2側に移動させ、その後、プロセスカラーインクによる印刷層の上に、第1ノズル41から吐出される特色インクによって特色インクの印刷層を形成する。上記実施形態によっても、第1実施形態と同様に「第1重ね印刷」と「第2重ね印刷」の両方に対応しつつキャリッジ60の大型化を抑えることができる。
上記した実施形態に係るプリンタ10は、モード選択部を備え、印刷モードに応じてホルダ70の回転位置が自動で切り替えられていた。しかし、プリンタ10はモード選択部を備えなくてもよく、ホルダ70の回転位置を手動で切り替えるように構成されていてもよい。例えば、上記のプリンタ10は、制御装置100に入力部を備え、回転制御部130は上記入力部に入力された位置にホルダ70を移動させるように設定されていてもよい。入力部は、ホルダ70の位置を作業者が入力する部材である。入力部は、例えば、コンピュータ等の表示装置に表示され、操作されるようになっていてもよい。あるいは、ボタンで操作されるようになっていてもよい。入力部の構成は限定されない。また、プリンタ10は、モード選択部と入力部の両方を備えていてもよい。その場合、プリンタ10は、自動と半自動の両方で印刷を実施できるプリンタである。
上記した実施形態では、キャリッジ60には回転駆動装置82が設けられていた。しかし、プリンタ10は回転駆動装置82を備えなくともよい。例えば、ホルダ70は作業者によって手作業で回転されるように構成されていてもよい。一度ホルダ70の回転位置を設定した後はほとんど変更することのない用途などでは上記のような手作業でホルダ70を回転させる仕様でもよい。その場合、キャリッジ60は、ホルダ70の位置決めおよび固定の部材を備えていることが好ましい。
上記した実施形態では、第1インクヘッド40および第2インクヘッド50は、回転軸81を中心にホルダ70を回転させることで位置を変えるように構成されていた。しかし、第1インクヘッドおよび第2インクヘッドの位置を変える方法は上記方法に限られない。例えば、ホルダ70をキャリッジ60から取り外し、方向を前後逆にして取り付け直すことによって第1インクヘッドおよび第2インクヘッドの位置を変える構成になっていてもよい。また、キャリッジ60とホルダ70とは、必ずしも上方と下方に配置される必要はなく、例えば前後に配置されていてもよい。
上記した第2実施形態では、「第1重ね印刷」と「第2重ね印刷」とで同じ画像を印刷した。しかし、例えば、記録媒体5が透明シート等であって、第1のインクがホワイトインク等の特色インクであった場合、「第2重ね印刷」による画像は、印刷面の裏面から見られることを前提にしていることが多い。そこで、本発明に係るプリンタは、「第2重ね印刷」において「第1重ね印刷」による画像の反転画像が印刷されるように設定されていてもよい。反転画像は、印刷面の裏面から見たときには正画像である。
上記した実施形態では、副走査方向移動装置30は、記録媒体5をプリンタ10の前方F方向に向かって搬送する機構を備えていた。しかし、副走査方向移動装置30は、上記機構を備えたものに限られない。副走査方向移動装置30は、記録媒体5とキャリッジ60を副走査方向Xについて相対的に移動させる装置であれば足り、例えば、キャリッジ60を副走査方向Xに移動させる機構を備えていてもよい。また、副走査方向移動装置30は、記録媒体5を副走査方向Xの上流X1側から下流X2側にのみ搬送するものに限られない。副走査方向移動装置30は、例えば画像を印刷した後に当該画像の周囲を切断するカッティング機構を備えたプリンタ等に見られるように、記録媒体5を必要に応じて副走査方向Xの下流X2側から上流X1側に搬送するように構成されていてもよい。
5 記録媒体
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
20 主走査方向移動装置
30 副走査方向移動装置
40 第1インクヘッド
41 第1ノズル
50 第2インクヘッド
51 第2ノズル
60 キャリッジ
70 ホルダ
80 回転機構
82 回転駆動装置
100 制御装置
110 モード選択部
120 印刷制御部
121 第1印刷制御部
122 第2印刷制御部
123 第3印刷制御部
130 回転制御部
140 画像データ処理部
141 画像データ受信部
142 回転画像データ生成部

Claims (14)

  1. 一方向に並んだ複数の第1ノズルを有し、前記第1ノズルから記録媒体に向けて第1インクを吐出する第1インクヘッドと、
    一方向に並んだ複数の第2ノズルを有し、前記第2ノズルから前記記録媒体に向けて第2インクを吐出する第2インクヘッドと、
    主走査方向に移動可能なキャリッジと、
    前記キャリッジに設けられ、前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを保持するホルダと、
    前記キャリッジを前記主走査方向に移動させる主走査方向移動装置と、
    前記記録媒体を前記キャリッジに対して、前記主走査方向と垂直な副走査方向の上流から下流に向けて相対的に移動させる副走査方向移動装置と、
    前記第1インクヘッド、前記第2インクヘッド、前記主走査方向移動装置、および前記副走査方向移動装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記ホルダは、前記キャリッジにおいて、前記複数の第1ノズルが前記副走査方向に並び、かつ前記複数の第2ノズルが前記副走査方向に並び、かつ前記複数の第1ノズルの一部が前記第2ノズルよりも前記副走査方向の上流側に位置し、かつ前記複数の第2ノズルの一部が前記第1ノズルよりも前記副走査方向の下流側に位置するように前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドが保持される第1位置と、前記第1位置を前記主走査方向および前記副走査方向に対して垂直な回転軸線周りに180度回転させた第2位置と、を含む複数の位置に切替可能に構成され、
    前記制御装置は、
    前記ホルダが前記第1位置にあるときに、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第1ノズルの前記一部および他の一部から前記第1インクを吐出させることにより前記記録媒体上に第1印刷層を形成し、その後、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記副走査方向の上流側から下流側に移動させた後、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第2ノズルの前記一部および前記第1ノズルの前記他の一部よりも前記副走査方向の下流側に位置する他の一部から前記第2インクを吐出させることにより、前記第1印刷層の上に第2印刷層を形成する第1印刷制御部と、
    前記ホルダが前記第2位置にあるときに、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第2ノズルの前記一部および他の一部から前記第2インクを吐出させることにより前記記録媒体上に前記第2印刷層を形成し、その後、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記副走査方向の上流側から下流側に移動させた後、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第1ノズルの前記一部および前記第2ノズルの前記他の一部よりも前記副走査方向の下流側に位置する他の一部から前記第1インクを吐出させることにより、前記第2印刷層の上に前記第1印刷層を形成する第2印刷制御部と、を備えている、
    インクジェットプリンタ。
  2. 前記ホルダは、前記主走査方向および前記副走査方向に対して垂直な回転軸線周りに回転可能に構成されている、
    請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記ホルダを回転させる回転駆動装置を備えた、
    請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記第2インクヘッドは、第1の色の第2インクを吐出する第1色インクヘッドと、第2の色の第2インクを吐出する第2色インクヘッドとを含み、
    前記第1色インクヘッドは、前記第2色インクヘッドに対して前記主走査方向の一方に配置され、
    前記第1印刷制御部は、前記第2インクヘッドが前記第2インクを吐出する際に、前記キャリッジを前記主走査方向の前記一方から他方に移動させるように構成され、
    前記第2印刷制御部は、前記第2インクヘッドが前記第2インクを吐出する際に、前記キャリッジを前記主走査方向の前記他方から前記一方に移動させるように構成されている、
    請求項1〜3のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記制御装置は、
    少なくとも前記第1の色の第2インクおよび前記第2の色の第2インクによって形成される画像を印刷するための画像データを受信する画像データ受信部と、
    前記画像データから、前記画像を前記画像に垂直な回転軸線周りに180度回転させた回転画像の画像データを生成する回転画像データ生成部と、を備え、
    前記第1印刷制御部は、前記画像データに基づいて前記第2インクヘッドを制御するように構成され、
    前記第2印刷制御部は、前記回転画像の画像データに基づいて前記第2インクヘッドを制御するように構成されている、
    請求項4に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記複数の第1ノズルの前記一部は、前記複数の第1ノズルの全体の50%以上である、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
  7. 前記複数の第1ノズルの前記一部は、前記複数の第1ノズルの全体の50%未満である、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
  8. 前記制御装置は、前記ホルダが前記第1位置または前記第2位置にあるときに、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら、前記複数の第1ノズルのうち前記一部以外の部分から前記第1インクを吐出させるとともに、前記複数の第2ノズルのうち前記一部以外の部分から前記第2インクを吐出させることにより、前記記録媒体上に印刷層を形成する第3印刷制御部を備えている、
    請求項1〜7のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記第1のインクは、特色インクであり、
    前記第2のインクは、プロセスカラーインクである、
    請求項1〜8のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
  10. 一方向に並んだ複数の第1ノズルを有し、前記第1ノズルから記録媒体に向けて第1インクを吐出する第1インクヘッドと、
    一方向に並んだ複数の第2ノズルを有し、前記第2ノズルから前記記録媒体に向けて第2インクを吐出する第2インクヘッドと、
    主走査方向に移動可能なキャリッジと、
    前記キャリッジに設けられ、前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドを保持するホルダと、
    前記キャリッジを前記主走査方向に移動させる主走査方向移動装置と、
    前記記録媒体を前記キャリッジに対して、前記主走査方向と垂直な副走査方向の上流から下流に向けて相対的に移動させる副走査方向移動装置と、
    前記第1インクヘッド、前記第2インクヘッド、前記主走査方向移動装置、および前記副走査方向移動装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記ホルダは、前記キャリッジにおいて、前記複数の第1ノズルが前記副走査方向に並び、かつ前記複数の第2ノズルが前記副走査方向に並び、かつ前記複数の第1ノズルが前記第2ノズルよりも前記副走査方向の上流側に位置するように前記第1インクヘッドおよび前記第2インクヘッドが保持される第1位置と、前記第1位置を前記主走査方向および前記副走査方向に対して垂直な回転軸線周りに180度回転させた第2位置と、を含む複数の位置に切替可能に構成され、
    前記制御装置は、
    前記ホルダが前記第1位置にあるときに、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第1ノズルから前記第1インクを吐出させることにより前記記録媒体上に第1印刷層を形成し、その後、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記副走査方向の上流側から下流側に移動させた後、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第2ノズルから前記第2インクを吐出させることにより、前記第1印刷層の上に第2印刷層を形成する第1印刷制御部と、
    前記ホルダが前記第2位置にあるときに、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第2ノズルから前記第2インクを吐出させることにより前記記録媒体上に前記第2印刷層を形成し、その後、前記記録媒体を前記キャリッジに対して前記副走査方向の上流側から下流側に移動させた後、前記キャリッジを前記主走査方向に移動させながら前記複数の第1ノズルから前記第1インクを吐出させることにより、前記第2印刷層の上に前記第1印刷層を形成する第2印刷制御部と、を備えている、
    インクジェットプリンタ。
  11. 前記ホルダは、前記主走査方向および前記副走査方向に対して垂直な回転軸線周りに回転可能に構成されている、
    請求項10に記載のインクジェットプリンタ。
  12. 前記ホルダを回転させる回転駆動装置を備えた、
    請求項11に記載のインクジェットプリンタ。
  13. 前記第2インクヘッドは、第1の色の第2インクを吐出する第1色インクヘッドと、第2の色の第2インクを吐出する第2色インクヘッドとを含み、
    前記第1色インクヘッドは、前記第2色インクヘッドに対して前記主走査方向の一方に配置され、
    前記第1印刷制御部は、前記第2インクヘッドが前記第2インクを吐出する際に、前記キャリッジを前記主走査方向の前記一方から他方に移動させるように構成され、
    前記第2印刷制御部は、前記第2インクヘッドが前記第2インクを吐出する際に、前記キャリッジを前記主走査方向の前記他方から前記一方に移動させるように構成されている、
    請求項10〜12のいずれか一つに記載のインクジェットプリンタ。
  14. 前記制御装置は、
    少なくとも前記第1の色の第2インクおよび前記第2の色の第2インクによって形成される画像を印刷するための画像データを受信する画像データ受信部と、
    前記画像データから、前記画像を前記画像に垂直な回転軸線周りに180度回転させた回転画像の画像データを生成する回転画像データ生成部と、を備え、
    前記第1印刷制御部は、前記画像データに基づいて前記第2インクヘッドを制御するように構成され、
    前記第2印刷制御部は、前記回転画像の画像データに基づいて前記第2インクヘッドを制御するように構成されている、
    請求項13に記載のインクジェットプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7082086B2 (ja) 2019-04-25 2022-06-07 コニカミノルタ株式会社 インク供給装置および画像形成装置

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