JP2018122596A - パターニング基板のブレイク方法並びにブレイク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】未分離や基板ダメージを生じないエキスパンド方式を用いたブレイク方法並びにブレイク装置を提供する。【解決手段】脆性材料基板の表面又は内部に電子回路パターンが形成されたパターニング基板のブレイク方法及び装置であって、パターニング基板Wをエキスパンドテープ2に貼り付け、パターニング基板Wの表面にレーザ光を照射して分断予定ラインLに沿った複数の分断起点5を形成するレーザ加工工程(レーザ加工装置A)と、パターニング基板Wに引張応力を負荷し、分断起点5の亀裂を伸展させる第一エキスパンド工程(第一エキスパンド機構)と、分断予定ラインLをブレイク刃12でブレイクするブレイク工程(ブレイク機構)と、必要に応じて全分断予定ラインLを完全分断する第二エキスパンド工程(第二エキスパンド機構)とから構成する。【選択図】図6
Description
本発明は、ガラスやセラミック、シリコン等の脆性材料基板の表面又は内部に、微細な電子回路パターンが形成されたパターニング基板を個々のデバイスに分断するブレイク方法並びにブレイク装置に関する。
従来より、基板の表面にレーザ光を照射してその焦点を基板内部に合わせることにより、基板内部に多光子吸収による改質領域(クラック領域、溶融処理領域、屈折率変化領域)を分断予定ラインに沿って形成し、その後、基板に引張応力を印加させて改質領域を起点として基板を分断する、所謂「エキスパンド方式」によるブレイク方法が、例えば特許文献1等で知られている。
この「エキスパンド方式」のブレイク方法を図1、図2並びに図9、図10を参照にして説明する。
図1、図2に示すように、分断すべきパターニング基板Wをダイシングリング1に張設された伸縮可能なエキスパンドテープ(一般的にはダイシングテープともいう)2に貼り付け、焦点Pを基板内部に合わせてレーザ光をパターニング基板Wに照射して、基板内部に多光子吸収による改質領域の分断起点5を分断予定ラインLに沿って形成する。
次いで、図9、図10に示すように、パターニング基板Wを上側にした状態でエキスパンドテープ2を昇降台11’上に載せ、昇降台11’を上昇(又は下降)させ、エキスパンドテープ2のパターニング基板Wを貼り付けた領域の外側周辺部を上向き(又は下向き)に撓ませてエキスパンドテープ2を伸張(エキスパンド)させることにより、エキスパンドテープ2に貼り付けたパターニング基板Wに引張応力を生じさせて、分断起点5からパターニング基板Wを分断する。
図1、図2に示すように、分断すべきパターニング基板Wをダイシングリング1に張設された伸縮可能なエキスパンドテープ(一般的にはダイシングテープともいう)2に貼り付け、焦点Pを基板内部に合わせてレーザ光をパターニング基板Wに照射して、基板内部に多光子吸収による改質領域の分断起点5を分断予定ラインLに沿って形成する。
次いで、図9、図10に示すように、パターニング基板Wを上側にした状態でエキスパンドテープ2を昇降台11’上に載せ、昇降台11’を上昇(又は下降)させ、エキスパンドテープ2のパターニング基板Wを貼り付けた領域の外側周辺部を上向き(又は下向き)に撓ませてエキスパンドテープ2を伸張(エキスパンド)させることにより、エキスパンドテープ2に貼り付けたパターニング基板Wに引張応力を生じさせて、分断起点5からパターニング基板Wを分断する。
分断起点の形成は、熱応力分布を利用した初期亀裂進展方法によっても形成することができる。この方法では、図3に示すように、エキスパンドテープ2に貼り付けたパターニング基板Wの表面に対して初期亀裂(トリガークラック)を形成し、初期亀裂からレーザ光を走査しながら照射加熱するとともに、これに追従して冷却機構のノズル6から加熱領域に冷媒を噴射する。このときの加熱による圧縮応力と、次の急冷による引張応力とによる基板厚み方向の熱応力分布(温度分布)によって、パターニング基板Wの表面に分断予定ラインに沿って初期亀裂(クラック)を進展させる。この進展した亀裂を分断起点5とすることができる。
分断起点の形成は、レーザ(例えば、紫外線(UV)レーザ)照射による基板表面でのアブレーション(溝形成)や改質領域の形成、基板内部での改質領域の形成によって行ってもよいし、レーザ(例えば、赤外線(IR)レーザ)による加熱と冷却とによる熱応力亀裂進展によって行ってもよい。
なお、本発明では、上記したように、レーザ光により形成された多光子吸収による基板表面又は内部に形成された改質領域、アブレーションにより形成された溝並びに熱応力分布による亀裂を含め、総称して「分断起点」という。
分断起点の形成は、レーザ(例えば、紫外線(UV)レーザ)照射による基板表面でのアブレーション(溝形成)や改質領域の形成、基板内部での改質領域の形成によって行ってもよいし、レーザ(例えば、赤外線(IR)レーザ)による加熱と冷却とによる熱応力亀裂進展によって行ってもよい。
なお、本発明では、上記したように、レーザ光により形成された多光子吸収による基板表面又は内部に形成された改質領域、アブレーションにより形成された溝並びに熱応力分布による亀裂を含め、総称して「分断起点」という。
上記した「エキスパンド方式」によるブレイク方法では、分断予定ラインに沿って形成された分断起点を、エキスパンドテープを伸張させることにより分断するものであるから、複数の分断予定ラインを比較的小さな力で同時に分断することができる。
しかし、このブレイク方法では、図5(a)の平面図並びに図5(b)の断面図に示すように、分断予定ラインL、すなわち、レーザ光を照射するストリート上にTEG等のパターン13があると、レーザ光の透過を阻害して充分な分断起点を形成することができない場合がある。したがって、次のエキスパンドブレイク工程でエキスパンドテープ2を伸張させたときに、未分離が生じたり、あるいは分断予定ラインL以外で枝状クラックや分断が生じたり、電子回路パターンが破損したりするなどのダメージが発生するといった問題点があった。
ここで、「TEG」とは、加工プロセスによって所望のデバイスが形成できているかを評価するために、本体デバイスとは別に作られる半導体素子のことである。TEGには、配線抵抗測定、ビアホール抵抗測定、パーティクルによるパターン欠損測定、ダイオード特性測定、ショート、リーク測定など種々のものがある。
しかし、このブレイク方法では、図5(a)の平面図並びに図5(b)の断面図に示すように、分断予定ラインL、すなわち、レーザ光を照射するストリート上にTEG等のパターン13があると、レーザ光の透過を阻害して充分な分断起点を形成することができない場合がある。したがって、次のエキスパンドブレイク工程でエキスパンドテープ2を伸張させたときに、未分離が生じたり、あるいは分断予定ラインL以外で枝状クラックや分断が生じたり、電子回路パターンが破損したりするなどのダメージが発生するといった問題点があった。
ここで、「TEG」とは、加工プロセスによって所望のデバイスが形成できているかを評価するために、本体デバイスとは別に作られる半導体素子のことである。TEGには、配線抵抗測定、ビアホール抵抗測定、パーティクルによるパターン欠損測定、ダイオード特性測定、ショート、リーク測定など種々のものがある。
本発明は、上記した従来課題の解決を図り、未分離や基板ダメージを生じない新規なブレイク方法並びにブレイク装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明では次のような技術的手段を講じた。すなわち、本発明の分断方法は、ガラスやセラミック、シリコン等の脆性材料基板の表面又は内部に電子回路パターンが形成されたパターニング基板のブレイク方法であって、分断すべきパターニング基板を伸縮性のあるエキスパンドテープに貼り付け、前記パターニング基板の表面に対してレーザ光を照射することにより分断予定ラインに沿った複数の分断起点を形成するレーザ加工工程と、前記エキスパンドテープを伸張させることにより前記パターニング基板に引張応力を負荷させて、前記分断起点の亀裂を基板厚み方向に伸展させる第一エキスパンド工程と、前記分断予定ラインに対し、外圧を加えて前記パターニング基板を撓ませることによりブレイクするブレイク工程と、必要に応じて、前記エキスパンドテープを伸張させて、全ての分断予定ラインを完全分断する第二エキスパンド工程とからなる。
本明細書において、外圧を加えて「パターニング基板を撓ませること」には、例えば、未分離箇所をブレイクバーで叩くように押圧して「パターニング基板を屈曲させること」も含まれるものとし、以下についても同様とする。
本明細書において、外圧を加えて「パターニング基板を撓ませること」には、例えば、未分離箇所をブレイクバーで叩くように押圧して「パターニング基板を屈曲させること」も含まれるものとし、以下についても同様とする。
また、本発明は、脆性材料基板の表面又は内部に電子回路パターンが形成されたパターニング基板のブレイク装置であって、エキスパンドテープに貼り付けた前記パターニング基板の表面に対し、レーザ光を照射して分断予定ラインに沿った複数の分断起点を形成するレーザ照射部を備えたレーザ加工装置と、前記エキスパンドテープを伸張させることにより前記パターニング基板に引張応力を負荷させて、前記分断起点の亀裂を基板厚み方向に伸展させる第一エキスパンド機構と、前記分断予定ラインに対し、外圧を加えて前記パターニング基板を撓ませることによりブレイクするブレイク刃を備えたブレイク機構と、必要に応じて、前記エキスパンドテープを伸張させて、全ての分断予定ラインを完全分断する第二エキスパンド機構とからなる構成も特徴とする。
前記分断起点は、レーザ光の焦点を前記パターニング基板の内部に合わせて照射して、基板内部に多光子吸収による改質領域を生じさせることにより形成することができる。
また、前記分断起点は、前記パターニング基板表面に対してレーザ光を走査しながら照射加熱するとともに、これに追従して冷却機構のノズルから加熱領域に冷媒を噴射することによって、先行の加熱によって生じる圧縮応力と、次の急冷によって生じる引張応力とによる基板厚み方向の応力分布により、前記パターニング基板の表面に亀裂を生じさせることによって形成するようにしてもよい。
すなわち、分断起点の形成は、レーザ(例えば、紫外線(UV)レーザ)照射による基板表面でのアブレーション(溝形成)や改質領域の形成、基板内部での改質領域の形成によるものであってもよいし、レーザ(例えば、赤外線(IR)レーザ)による加熱と冷却とによる熱応力亀裂進展によるものであってもよい。
また、前記分断起点は、前記パターニング基板表面に対してレーザ光を走査しながら照射加熱するとともに、これに追従して冷却機構のノズルから加熱領域に冷媒を噴射することによって、先行の加熱によって生じる圧縮応力と、次の急冷によって生じる引張応力とによる基板厚み方向の応力分布により、前記パターニング基板の表面に亀裂を生じさせることによって形成するようにしてもよい。
すなわち、分断起点の形成は、レーザ(例えば、紫外線(UV)レーザ)照射による基板表面でのアブレーション(溝形成)や改質領域の形成、基板内部での改質領域の形成によるものであってもよいし、レーザ(例えば、赤外線(IR)レーザ)による加熱と冷却とによる熱応力亀裂進展によるものであってもよい。
本発明のブレイク方法では、ブレイク刃により外圧を加えてパターニング基板を撓ませる(屈曲させる)ことにより先行分断する。これにより、次の第二エキスパンド工程でパターニング基板に引張応力を加えて分断予定ラインをブレイクしたときに、未分離箇所の発生を防ぐことができると共に、分断予定ライン以外で枝状クラックや分断が生じたり、電子回路パターンに破損が生じたりするなどのダメージの発生を抑制することができ、端面強度に優れた高精度の単位デバイスを得ることができる。
前記ブレイク工程では、先端を尖らせた板状のブレイク刃を、分断予定ラインに押し付けることにより前記パターニング基板を撓ませて(屈曲させて)前記分断予定ラインから分断するのがよい。これにより、パターニング基板の未分離箇所を確実に分断することができる。
以下、本発明に係るブレイク方法並びにブレイク装置の詳細を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のブレイク方法及びブレイク装置では、ガラスやセラミック、シリコン等の脆性材料基板の表面又は内部に、電子回路やTEG等のパターンが形成されたパターニング基板Wがブレイク対象となる。
本発明のブレイク方法及びブレイク装置では、ガラスやセラミック、シリコン等の脆性材料基板の表面又は内部に、電子回路やTEG等のパターンが形成されたパターニング基板Wがブレイク対象となる。
パターニング基板Wは、図1、図2に示すように、ダイシングリング1に支持された伸縮性のあるエキスパンドテープ2に貼り付けられ、レーザ加工装置Aのテーブル3上に載置される。そして、レーザ照射部4からパターニング基板Wの表面に焦点Pを基板内部に合わせてレーザ光を照射して、基板内部に多光子吸収による改質領域(脆弱となった溶融処理領域等)、すなわち、分断起点5をX方向(又はY方向)の分断予定ラインLに沿って形成する。全てのX方向の分断予定ラインに沿って分断起点5を形成した後、テーブル3を回転させるなどして、Y方向の分断予定ラインLに沿って分断起点5を形成する(レーザ加工工程)。
分断起点5の形成は、前述のように、熱応力分布を利用した方法によっても加工することができる。
すなわち、図3に示すように、エキスパンドテープ2に貼り付けたパターニング基板Wの表面に対してレーザ照射部4からレーザ光を走査しながら照射加熱するとともに、これに追従して冷却機構のノズル6から加熱領域に冷媒を噴射する。このときの加熱による圧縮応力と、次の急冷による引張応力とによる基板厚み方向の熱応力分布(温度分布)によって、パターニング基板Wの表面に分断予定ラインLに沿って初期亀裂(クラック)が進展、すなわち、分断起点5となる連続して進展する亀裂を形成することができる。
すなわち、図3に示すように、エキスパンドテープ2に貼り付けたパターニング基板Wの表面に対してレーザ照射部4からレーザ光を走査しながら照射加熱するとともに、これに追従して冷却機構のノズル6から加熱領域に冷媒を噴射する。このときの加熱による圧縮応力と、次の急冷による引張応力とによる基板厚み方向の熱応力分布(温度分布)によって、パターニング基板Wの表面に分断予定ラインLに沿って初期亀裂(クラック)が進展、すなわち、分断起点5となる連続して進展する亀裂を形成することができる。
上記したレーザ加工工程において、図5に示すように、パターニング基板Wの分断予定ラインL、すなわち、レーザ光を照射するストリート上に、例えばTEG等のパターン13が存在すると、レーザ照射時にレーザ光の透過を阻害して充分な分断起点を形成することができず、不完全のまま残されることがある。そこで、次の第一エキスパンド工程、及び、未分離箇所検査工程で不完全な分断起点を検出し、未分離箇所ブレイク工程でその箇所をブレイク刃により分断する。
図4は、第一エキスパンド工程を行うための第一エキスパンド機構、及び、未分離箇所の検査を行うための光学検査部材、並びに未分離箇所をブレイクするための未分離箇所ブレイク機構を含むブレイク装置Bを概略的に示すものである。このブレイク装置Bは、後で述べる第二エキスパンド工程を行うための第二エキスパンド機構も兼用している。
ブレイク装置Bは、パターニング基板Wを備えたダイシングリング1を載置固定するための台盤7を備えている。台盤7の中間部分は中空に形成されており、この中空部9に、平らな上面を有する昇降台11がシリンダ等の昇降機構10により昇降可能に配置されている。昇降台11は、パターニング基板Wの分断すべき分断予定ラインL、すなわち、分断起点5を挟んでその両脇部分を受ける左右一対の受刃11a、11bを兼用している。また、左右の受刃11a、11bの上方には、先端を尖らせた板状のブレイク刃12が昇降可能に配置されている。
さらに、上方から受刃11a、11bの間に向かって光を照射する光源14と、受刃11a、11bの間に配置され、光源14からの光を観察するカメラ(例えばIRカメラ)15とからなる光学検査部材16が設けられている。
光学検査部材16は、受刃11並びにブレイク刃12と同調して中空部9内で図4の左右方向(矢印方向)に移動してその位置を変えることができるように形成されている。
ブレイク装置Bは、パターニング基板Wを備えたダイシングリング1を載置固定するための台盤7を備えている。台盤7の中間部分は中空に形成されており、この中空部9に、平らな上面を有する昇降台11がシリンダ等の昇降機構10により昇降可能に配置されている。昇降台11は、パターニング基板Wの分断すべき分断予定ラインL、すなわち、分断起点5を挟んでその両脇部分を受ける左右一対の受刃11a、11bを兼用している。また、左右の受刃11a、11bの上方には、先端を尖らせた板状のブレイク刃12が昇降可能に配置されている。
さらに、上方から受刃11a、11bの間に向かって光を照射する光源14と、受刃11a、11bの間に配置され、光源14からの光を観察するカメラ(例えばIRカメラ)15とからなる光学検査部材16が設けられている。
光学検査部材16は、受刃11並びにブレイク刃12と同調して中空部9内で図4の左右方向(矢印方向)に移動してその位置を変えることができるように形成されている。
このブレイク装置Bの昇降台11に、パターニング基板Wを上側にした状態で載置し、ダイシングリング1を台盤7上に固定する。そして、図6に示すように、昇降台11を少し上昇させてエキスパンドテープ2を伸張させる(第一エキスパンド工程)。
この第一エキスパンド工程における昇降台11の上昇量は、エキスパンドテープ2の伸張によってパターニング基板Wが外方向に引っ張られて、分断予定ラインLの分断起点5の亀裂が厚み方向に浸透し、僅かに、例えば、10〜1000μmだけ分離する程度に設定しておくようにする。しかし、TEG等のパターンにより不完全であった分断起点5は分離せず、そのまま残される。
この第一エキスパンド工程における昇降台11の上昇量は、エキスパンドテープ2の伸張によってパターニング基板Wが外方向に引っ張られて、分断予定ラインLの分断起点5の亀裂が厚み方向に浸透し、僅かに、例えば、10〜1000μmだけ分離する程度に設定しておくようにする。しかし、TEG等のパターンにより不完全であった分断起点5は分離せず、そのまま残される。
この状態で、パターニング基板Wの分断予定ラインLが光源14の直下にくるように、光源14とカメラ15を昇降台11と共に左右に移動させて光源14から光を照射し、カメラ15の画像に写る明暗で分断起点5の分離可否の判別を行う。そして、未分離と判断された場合には、ブレイク刃12を下降させて、ブレイク刃12と受刃11a、11bとによる3点曲げモーメントによってパターニング基板Wを叩くように押圧することにより屈曲させて未分離箇所をブレイクする。なお、この場合、エキスパンドテープ2は光を透過する材料で形成しておくのがよい。
光学検査部材16による検査では、透過する光の明暗で未分離箇所を検出することができるので、安価で簡単な光学系の検査器具を用いることが可能となる。
光学検査部材16による検査では、透過する光の明暗で未分離箇所を検出することができるので、安価で簡単な光学系の検査器具を用いることが可能となる。
上記したブレイク工程では、分断予定ラインLの分断起点5に対し、順次光学検査部材16で検査を行いながら、未分離箇所があればその都度ブレイク刃12でブレイクしてもよく、全ての分断予定ラインLを検査した後、検出された未分離箇所をブレイク刃12でブレイクするようにしてもよい。
後者の場合、検出された未分離箇所を指定した加工レシピが、付帯するコンピュータに自動的に入力されるようにプログラムしておき、全ての分断予定ラインLを検査した後、入力された加工レシピに基づいてブレイク刃12により未分離箇所を順次ブレイクするのがよい。
後者の場合、検出された未分離箇所を指定した加工レシピが、付帯するコンピュータに自動的に入力されるようにプログラムしておき、全ての分断予定ラインLを検査した後、入力された加工レシピに基づいてブレイク刃12により未分離箇所を順次ブレイクするのがよい。
次いで、図7に示すように、昇降台11をさらに上昇させて、全ての分断予定ラインLを完全にブレイクする(第二エキスパンド工程)。
第二エキスパンド工程により、エキスパンドテープ2がさらに伸張し、エキスパンドテープ2に貼り付けられたパターニング基板Wは外方向への引張応力を受けて、全ての分断予定ラインLが完全ブレイクされる。個々に分断された単位デバイスは、エキスパンドテープ2に貼り付けられた状態で取り出される。
この第二エキスパンド工程では、分断される各単位デバイスの間隔(分断幅)が0.05〜2mm程度になるように、昇降台11の昇降率を予め設定するのがよい。
また、エキスパンドテープ2を伸張させた状態で、パターニング基板W(個々に分断された単位デバイス)を他のダイシングリング(エキスパンドテープ)に貼り付け直してもよい。この場合、伸張されていない状態の新たなエキスパンドテープに個々に分断された単位デバイスが貼り付けられた状態となるので、エキスパンドテープからの個々に分断された単位デバイスの取り出し(ピックアップ)が容易になる。
第二エキスパンド工程により、エキスパンドテープ2がさらに伸張し、エキスパンドテープ2に貼り付けられたパターニング基板Wは外方向への引張応力を受けて、全ての分断予定ラインLが完全ブレイクされる。個々に分断された単位デバイスは、エキスパンドテープ2に貼り付けられた状態で取り出される。
この第二エキスパンド工程では、分断される各単位デバイスの間隔(分断幅)が0.05〜2mm程度になるように、昇降台11の昇降率を予め設定するのがよい。
また、エキスパンドテープ2を伸張させた状態で、パターニング基板W(個々に分断された単位デバイス)を他のダイシングリング(エキスパンドテープ)に貼り付け直してもよい。この場合、伸張されていない状態の新たなエキスパンドテープに個々に分断された単位デバイスが貼り付けられた状態となるので、エキスパンドテープからの個々に分断された単位デバイスの取り出し(ピックアップ)が容易になる。
上述したブレイク方法の工程を、フローチャートで概略的に示すと図8のようになる。
まず、エキスパンドテープ2に貼り付けたパターニング基板Wを、レーザ加工装置Aで分断起点5を加工する(S1)。
続いて、第一エキスパンド工程により、分断予定ラインLの分断起点5を少しだけ分離する(S2)。
次いで、光学検査部材16により分断予定ラインLの未分離箇所を検出する(S3)。
続いて、ブレイク刃12により分断予定ラインLの未分離箇所をブレイクする(S4)。このブレイクは、光学検査部材16で検査しながら未分離箇所があればその都度ブレイクしてもよく、全ての分断予定ラインLを検査した後、未分離箇所をブレイクするようにしてもよい。
次いで、第二エキスパンド工程により、パターニング基板Wの全ての分断予定ラインLを同時にブレイクする(S5)。
まず、エキスパンドテープ2に貼り付けたパターニング基板Wを、レーザ加工装置Aで分断起点5を加工する(S1)。
続いて、第一エキスパンド工程により、分断予定ラインLの分断起点5を少しだけ分離する(S2)。
次いで、光学検査部材16により分断予定ラインLの未分離箇所を検出する(S3)。
続いて、ブレイク刃12により分断予定ラインLの未分離箇所をブレイクする(S4)。このブレイクは、光学検査部材16で検査しながら未分離箇所があればその都度ブレイクしてもよく、全ての分断予定ラインLを検査した後、未分離箇所をブレイクするようにしてもよい。
次いで、第二エキスパンド工程により、パターニング基板Wの全ての分断予定ラインLを同時にブレイクする(S5)。
以上説明したように、本ブレイク方法では、先行するレーザ加工工程でパターニング基板Wに形成されるべき分断起点5が不完全であって、未分離を生じる虞のある部分を光学検査部材16で検出し、この検出された箇所をブレイク刃12により外圧を加えてパターニング基板Wを撓ませることにより先行分断する。これにより、第二エキスパンド工程でエキスパンドテープ2を伸張させたときに、未分離箇所が発生するのを防ぐことができると共に、分断予定ライン以外で枝状クラックや分断が生じたり、電子回路パターンが破損したりするなどのダメージの発生を抑制することができ、端面強度に優れた高精度の単位デバイスを得ることが可能となる。
また、光学検査部材16による検査工程に先立ち、第一エキスパンド工程でパターニング基板Wに引張応力を加えて完全な分断起点5を僅かに分離するとともに、TEG等のパターンにより不完全であった分断起点を未分離のまま残存させるようにしたので、分断起点5の分離された箇所と未分離箇所での光の透過率の差が顕著に表れてカメラ画像の明暗を容易に判別でき、正確に未分離箇所の検出を行うことができる。
また、光学検査部材16による検査工程に先立ち、第一エキスパンド工程でパターニング基板Wに引張応力を加えて完全な分断起点5を僅かに分離するとともに、TEG等のパターンにより不完全であった分断起点を未分離のまま残存させるようにしたので、分断起点5の分離された箇所と未分離箇所での光の透過率の差が顕著に表れてカメラ画像の明暗を容易に判別でき、正確に未分離箇所の検出を行うことができる。
以上、本発明の代表的な実施例について説明したが、本発明は必ずしも上記の実施例構造のみに特定されるものではなく、その目的を達成し、請求の範囲を逸脱しない範囲内で適宜修正、変更することができる。
例えば、上記実施例では、パターニング基板Wの未分離箇所の検査と、未分離箇所のブレイクを同じステージ上で行うようにしたが、光学検査部材による未分離検査工程を別のステージで行って、未分離箇所を検出した後、ブレイク刃と受刃による3点曲げ方式のブレイク手段によりブレイクするようにしてもよい。
また、上記実施例では、ブレイク工程において、エキスパンドテープ2に貼り付けられたパターニング基板Wを昇降台11で支持する形態としたが、通常のテーブルで支持する形態としても実施可能である。なお、パターニング基板をテーブルで支持する場合には、テーブル表面に弾性体を配置し、弾性体を介して支持することが好ましく、未分離検査のために透明のテーブル及び弾性体を使用することが好ましい。
例えば、上記実施例では、パターニング基板Wの未分離箇所の検査と、未分離箇所のブレイクを同じステージ上で行うようにしたが、光学検査部材による未分離検査工程を別のステージで行って、未分離箇所を検出した後、ブレイク刃と受刃による3点曲げ方式のブレイク手段によりブレイクするようにしてもよい。
また、上記実施例では、ブレイク工程において、エキスパンドテープ2に貼り付けられたパターニング基板Wを昇降台11で支持する形態としたが、通常のテーブルで支持する形態としても実施可能である。なお、パターニング基板をテーブルで支持する場合には、テーブル表面に弾性体を配置し、弾性体を介して支持することが好ましく、未分離検査のために透明のテーブル及び弾性体を使用することが好ましい。
本発明は、ガラスやセラミック等の脆性材料基板の表面又は内部に、電子回路パターンや薄膜が形成されたパターニング基板をエキスパンド方式でブレイクするのに好適に利用される。
A レーザ加工装置
B ブレイク装置
L 分断予定ライン
W パターニング基板
1 ダイシングリング
2 エキスパンドテープ
5 分断起点
10 昇降機構
11 昇降台
11a、11b 受刃
12 ブレイク刃
13 TEGパターン
14 光源
15 カメラ
16 光学検査部材
B ブレイク装置
L 分断予定ライン
W パターニング基板
1 ダイシングリング
2 エキスパンドテープ
5 分断起点
10 昇降機構
11 昇降台
11a、11b 受刃
12 ブレイク刃
13 TEGパターン
14 光源
15 カメラ
16 光学検査部材
Claims (4)
- 脆性材料基板の表面又は内部に電子回路パターンが形成されたパターニング基板のブレイク方法であって、
分断すべきパターニング基板を伸縮性のあるエキスパンドテープに貼り付け、前記パターニング基板の表面に対してレーザ光を照射することにより分断予定ラインに沿った複数の分断起点を形成するレーザ加工工程と、
前記エキスパンドテープを伸張させることにより前記パターニング基板に引張応力を負荷させて、前記分断起点の亀裂を基板厚み方向に伸展させる第一エキスパンド工程と、
前記分断予定ラインを、外圧を加えて前記パターニング基板を撓ませることによりブレイクするブレイク工程とからなるパターニング基板のブレイク方法。 - 前記ブレイク工程の後に、前記エキスパンドテープを伸張させて、全ての分断予定ラインを完全分断する第二エキスパンド工程を有する請求項1に記載のパターニング基板のブレイク方法。
- 脆性材料基板の表面又は内部に電子回路パターンが形成されたパターニング基板のブレイク装置であって、
エキスパンドテープに貼り付けた前記パターニング基板の表面に対してレーザ光を照射して分断予定ラインに沿った複数の分断起点を形成するレーザ照射部を備えたレーザ加工装置と、
前記エキスパンドテープを伸張させることにより前記パターニング基板に引張応力を負荷させて、前記分断起点の亀裂を基板厚み方向に伸展させる第一エキスパンド機構と、
前記分断予定ラインを、外圧を加えて前記パターニング基板を撓ませることによりブレイクするブレイク刃を備えたブレイク機構とからなるパターニング基板のブレイク装置。 - さらに、前記エキスパンドテープを伸張させて、全ての分断予定ラインを完全分断する第二エキスパンド機構とを有する請求項3に記載のパターニング基板のブレイク装置。
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JP2011166002A (ja) * | 2010-02-12 | 2011-08-25 | Disco Abrasive Syst Ltd | ウエーハの加工方法 |
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-
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