[第1の実施形態]
第1の実施形態に係るバブル含有液製造システム100について、図1〜図10を参照して説明する。本実施形態に係るバブル含有液製造システム100は、主に、牛乳や果汁等に代表される液体を製造する上で、液体内の粒子の均一化、液体内の溶存酸素の除去および液体の殺菌などを行うとともにバブル含有液を製造することを目的とする。特に、本実施形態においては、脂肪球などの粒子を含む牛乳の製造について説明する。しかし、バブル含有液製造システム100は他の用途に適用されてもよい。例えば、純粋にオゾンバブルを生成し、殺菌洗浄用のバブル含有液を製造してもよい。
図1は、バブル含有液製造システム100の機能ブロック図を示す。バブル含有液製造システム100は、主に、液体を均一化する均一化部110と、液体に微細気泡を生成するバブル生成部120と、液体内の微細気泡を圧壊して超微細気泡に変換するバブル圧壊部130と、液体を貯留する貯留部140と、液体内の溶存酸素を脱気する脱気部150とを備える。
バブル生成部120と、バブル圧壊部130と、貯留部140とは、相互に接続されており、バブル含有液体を循環させる第1の循環経路170(ループ)を形成している。また、脱気部150は、貯留部140に貯留された液体を循環させる第2の循環経路180内に組み込まれて接続されている。
また、バブル含有液製造システム100は、液体をバブル含有液製造システム100に導入する液体導入部101と、バブル含有液製造システム100に導入する気体導入部102と、液体をバブル含有液製造システム100から外部に取り出す取出部103と、バブル含有液製造システム100の各部に冷却水を供給する冷却部104と、貯留部140を加圧する加圧部105と、液体をバブル含有液製造システム100の外部に排出する排出部106とを備える。気体導入部102は、気体として二酸化炭素ガス、窒素ガス、オゾンガス、酸素ガス等のガスを選択的に導入できる。
バブル含有液製造システム100の各部は、バブル含有液製造システム100を集中管理する制御部199により管理される。制御部199は、外部の制御装置等と連携して、バブル含有液製造システム100を制御してもよい。また、バブル含有液製造システム100の各部は、他の制御装置等により制御されてもよい。
[均一化部]
均一化部110は、液体内の粒子を粉砕して微細化することにより均一化する。本実施の形態において、均一化部110は、いわゆる高圧式バルブ型ホモジナイザとして装置化された均質化装置である(例えば、特開2010−17623号公報を参照)。高圧式バルブ型ホモジナイザは、導入された液体に、いわゆるプランジャポンプにより高圧を作用させ、液体の流路に設けられたホモバルブ(均質バルブ)の微細な間隙より液体を噴出させる。その際に、液体内の粒子が、当該間隙で衝突、剪断されることにより粉砕されて微細化される。これにより、液体内の粒子のうち粒径の比較的大きなものが微細化されて、分散および均一化する。
均一化部110には、液体導入部101から液体が導入されると共に、気体導入部102から気体が導入される。本実施形態において、液体として牛乳(原乳)が導入され、気体として二酸化炭素ガスまたは窒素ガスが導入される。この液体と気体とが気液混合器(図示しない)を介して高圧印加部111に導入され、微細化部119を通過することで、液体内の粒子または気泡が微細化される。
図2は、バブル含有液製造システム100の均一化部110として機能する高圧式バルブ型ホモジナイザの高圧印加部111を示す概略側断面図である。高圧印加部111は、後述するように、プランジャ112をシリンダブロック113内で進退させることにより、液体に高圧を作用させることができる。
高圧印加部111は、気体が混合された液体を導入される導入路114と、導入路114に接続されたディスチャージバルブ115と、ディスチャージバルブ115の下流に設けられた加圧空間116と、加圧空間116内を進退可能で往復運動するプランジャ112と、加圧空間116の下流に設けられたサンクションバルブ117と、サンクションバルブ117に接続された導出路118とを備える。
本実施形態において、導入路114は図面の紙背方向から液体を導入する。また、導出路118は図面の紙面方向に液体を導出する。さらに、ディスチャージバルブ115およびサンクションバルブ117は導入路114から導出路118に向けた流れ(図2における下方から上方に向けた流れ)のみを許容する逆止弁として機能する。また、プランジャ112は、シリンダブロック113に設けられた加圧空間116内を往復運動(図2における矢印の方向)可能に駆動させる駆動機構(図示しない)に結合されている。駆動機構は、カムとモータ等から構成される。
導入路114からディスチャージバルブ115を介して加圧空間116に液体が導入された状態で、プランジャ112が加圧空間116内を前進運動することにより加圧空間116が加圧される。加圧された液体は、サンクションバルブ117を介して導出路118に、高圧を作用された状態で導出される。このとき、ディスチャージバルブ115は逆止弁の機能により加圧された液体を導入路114に戻すことはない。
一方、プランジャ112が加圧空間116内から後退運動することにより、加圧空間116は減圧される。これにより、再び、ディスチャージバルブ115を介して液体が導入路114から導入される。このとき、サンクションバルブ117は逆止弁の機能により導出された液体を加圧空間116に戻すことはない。これにより、高圧印加部111は、高圧が作用した液体を供給できる。本実施形態において、10MPa〜70MPaの高圧が液体に作用する。
さらに、プランジャ112は、その先端面が前進時に加圧空間116の内面に当たるように設計され、さらに、プランジャ112の先端面には微細な突起が設けられている(図示しない)。そのようにすれば、プランジャ112先端面が収容空間の内面に当たるときに微細な空間が形成され、その空間内において粒子や気泡が微細化される。
図3は、バブル含有液製造システム100の均一化部110として機能する高圧式バルブ型ホモジナイザの微細化部119を示す概略側断面図である。均一化部110において、高圧印加部111の導出路118から導出された液体は、高圧が作用された状態で微細化部119に供給される(図3における矢印の方向)。なお、微細化部は、バルブ型であるが、液体内の粒子および気泡を微細化できれば、他の構成であってもよい。
微細化部119は、高圧を作用された状態で供給された液体が均質バルブ119aを通過する。均質バルブ119aは、微細な間隙119bが設けられており、この微細な間隙を通過する際に、粒子や気泡が衝突、剪断されて微細化して均一化する。この間隙を調整することにより、粒子や気泡を所望の粒径に調整することができる。一般に、均質バルブを通過した粒子および気泡は、1μm前後のサイズに微細化される。しかし、気泡は、数μm〜数十μmのマイクロオーダーに微細化されてもよい。
本実施形態において、均一化部110は、高圧印加部111と微細化部119とを備える高圧式バルブ型ホモジナイザであるが、液体内の粒子を微細化、均一化できれば、他の構成であってもよい。均一化部110は、一体的な1つの装置であってもよいし、分離されていくつかの別々の要素から構築されてもよい。
[バブル生成部]
バブル生成部120は、いわゆるバブル生成ノズルであり、図4〜図6を用いて説明する。バブル生成ノズルは、一端側に底部121aを形成された断面円形の有底管状の有底部材121と、筒状の筒状部材122とを備える。有底部材121の他端側から筒状部材122がはめ込まれることにより、断面円形の空間が気液混合室120mとして形成される。気液混合室120mは、気体と液体が流入し、混合されて気液混合体であるバブル含有液が生成される。
図4は有底部材の概略図を示し、図4(A)は有底部材の側面図、図4(B)は有底部材の底面図、図4(C)は(A)の4C−4C´の断面図、図4(D)は有底部材の斜視図を示す。また、図5は筒状部材の概略図を示し、図5(A)は筒状部材の側面図、図5(B)は筒状部材の底面図、図5(C)は(A)の5C−5C´の断面図、図5(D)は筒状部材の斜視図を示す。さらに、図6はバブル生成ノズルの動作を説明するための概略側断面図であり、バブル生成ノズルを実線で、他の構成を破線で示す。
有底部材121は、図4に示すように、円盤状の底部121aと、底部121aに連続する円環状の第1の側壁部121bと、第1の側壁部121bに連続する円環状の第2の側壁部121cとを備える。有底部材121は、第2の側壁部121bを貫通する気体供給孔121dを有する。有底部材121は、液体を供給するための液体供給孔121eを底部121aに有する。液体供給孔121eは、図4(B)に示すように、底部121aの中央に設けられている。
底部121aは、図4(C)に示すように、切頭円錐状の第1の切頭円錐空間121fを形成している。また、底部121aと第1の側壁部121bと第2の側壁部121cは、円柱状の第1の円柱空間121gを形成している。さらに、第2の側壁部121cは、第1の円柱空間121gよりも僅かに径の小さい円柱状の第2の円柱空間121hと、第1の円柱空間121gより径の大きい第3の円柱空間121iとを形成している。
第1の切頭円錐空間121fは、その切頭面で液体供給孔121eに連続し、第1の切頭円錐空間121fは、その底面で第1の円柱空間121gに連続する。すなわち、第1の切頭円錐空間121fは、液体供給孔121eから第1の円柱空間121gまで拡径するように延び、液体供給孔121eの内周面から第1の側壁部121bの内周面に連続するテーパ面から構成される。
筒状部材122は、図5に示すように、円環状の第1の側周部122aと、第2の側周部122bとを備える。第2の側周部122bは、第1の側周領域122cと、第1の側周領域122cより径の大きい第2の側周領域122dと、第2の側周領域122dより径の小さい第3の側周領域122eとを備える。第1の側周部122aおよび第2の側周部122bの第2の側周領域122dは、同一径で有底部材121の第2の円柱空間121hに収まる大きさとなっている。
第1の側周部122aは、図5(C)に示すように、一方から他方に向けて縮径する切頭円錐形状の第2の切頭円錐空間122fを形成する。第2の側周部122bは、一方から他方に向けて延びる円柱状の第4の円柱空間122gと、一方から他方に向けて拡径する第3の切頭円錐空間122hとを形成する。第2の切頭円錐空間122f、第4の円柱空間122gおよび第3の切頭円錐空間122hは、その順に連続しており、第2の切頭円錐空間122fの切頭面と、第4の円柱空間122gの底面および頂面と、第3の切頭円錐空間122hの切頭面とは、孔径を同じにして接続されており、第2の切頭円錐空間122fと、第4の円柱空間122gと、第3の切頭円錐空間122hとは、中心軸を同一にしている。
筒状部材122の第1の側周部122aは、その外周に4つの螺旋状の凹部122iが形成されている。各凹部122iは、相互に均等な間隔で形成されており、捻じれながら一方から他方に伸びる。各凹部122iの一端は、第2の切頭円錐空間122fに連通する連通部122jを有する。
有底部材121および筒状部材122はSUS316のステンレスを材料に切削加工により形成されている。しかし、有底部材121および筒状部材122は他の金属を材料としてもよい。また、他にも、ガラス、セラミック、樹脂、陶磁器等の個体材料であってもよく、切削加工に限らず、射出成型加工、プレス成型加工等の材料に応じた加工をされていてもよい。
バブル生成ノズルは、図6に示すように、有底部材121に筒状部材122を第1の側周部122aが奥となるように圧入により嵌め込むことにより、筒状部材122の第2の側周部122bの第2の側周領域122dおよび第1の側周部122aは、有底部材121の第2の円柱空間121hにおいて、第1の側壁部121bの内面に全周に渡って接する。円筒部材122の第2の側周部122bの第1の側周領域122cは、有底部材121の第2の側壁部121bと共同して、有底部材121の気体供給孔121dに連通する環状空間120sを形成する。凹部122iは、環状空間120sから気液混合室120mに連通し螺旋に延びる気体供給経路120tを形成する。
また、第1の切頭円錐空間121fと、第1の円柱空間121gと、第2の切頭円錐空間122fとは、気液混合室120mを形成する。気液混合室120mは、第1の切頭円錐空間121fが底面で第1の円柱空間121gに続き、第2の切頭円錐空間122fが、その底面で第1の切頭円錐空間121fと反対側から第1の円柱空間121gに続くことにより、円柱の両側から縮径する略ラグビーボールのような形状に形成されている。したがって、気液混合室120mは全体に渡って円形の断面空間を有する。
第1の切頭円錐空間121f、第1の円柱空間121g、第2の切頭円錐空間122f、第4の円柱空間122gおよび第3の切頭円錐空間122hとは、中心軸を同一にしている。第2の切頭円錐空間122fの切頭面は、液体供給孔121eよりも孔径が大きく、第1の切頭円錐空間121f、第1の円柱空間121gおよび第2の切頭円錐空間122fの底面は、略同一の孔径となっている。ここで、第4の円柱空間122gは、気液混合体が噴出する噴出孔122gとして機能する。
気体供給経路120tは、気液混合室120mの側周に沿った螺旋状の流れを形成する気体を前記第2の切頭円錐空間122fの底面の側周から供給し、供給された気体は、第2の切頭円錐空間122fと中心軸を同一にして螺旋状に回転する流れを形成する。これにより、第2の切頭円錐空間122fの側周から第1の円柱空間121gの側周に沿って螺旋状の流れを形成する気体が供給される。
なお、気液混合室120mの内壁には、凹凸形状(例えば、いわゆる鮫肌、セラミックの溶射肌と同様のもの、又は突起形状など)が形成されている。これらは、内壁全体に施されている必要はなく、一部に形成されているだけでもよい。
次に、バブル生成ノズルの動作について説明する。図6は、実線で示されたバブル生成ノズルの他に、バブル生成ノズルの有底部材121の一端側に接続された液体導入管123と、バブル生成ノズルの筒状部材122の他端側に接続された気液混合体導出管124と、バブル生成ノズルの有底部材121の気体供給孔121dに接続された気体導入管125とを破線で示した図である。液体導入管123は内ねじが切られており、当該内ねじが有底部材121の底部121aに切られた外ねじと螺合する。また、気液混合体導出管124は外ねじが切られており、当該外ねじが有底部材121の第3の円柱空間121iに切られた内ねじと螺合する。また、有底部材121は、これら他の管との螺合させるときにスパナで保持できるように、水平面が外周に設けられていてもよい。
また、液体導入管123は、ポンプ(図示しない)を介して貯留部140に接続されており、貯留部140に貯留された液体がポンプにより加圧されて(以下「加圧液体」とも称する。)導入される。また、気液混合体導出管124はバブル圧壊部130に接続され、バブル生成ノズルを介した第1の循環経路170が形成されている。また、気体導入管125は気体導入部102に絞り弁(図示しない)を介して接続されており、気体導入管125の内部には、バブルを安定して発生させることができるように、逆止弁126が設けられている。
まず、液体導入管123から液体供給孔121eを介して、加圧液体が気液混合室120mに供給される。このとき、加圧液体は、液体供給孔121eと、第1の切頭円錐空間121f及び噴出孔122gとを結ぶ線上に沿って流れた後、その一部が噴出孔122gから拡がりながら噴出する。ここで、気体導入管125から環状空間120sと気体供給経路120tとを介して、気液混合室120m内に気体が流入してくる。気体供給経路120tから気液混合室120m内に供給された気体は、気液混合室120m内で中心軸を流れ、気液混合室120mの他端側で周囲に広がり、中心軸の流れと反対向きの流れで気液混合室の側周を流れ、気液混合室120mの一端側で再び中心軸に戻るように循環するループ流を形成する。また、気液混合室120mが略円柱型の空間であるので、高速ループ流れを容易に形成することができ、上述の動作を容易に得ることができる。
さらに、気体供給孔121dから流入してきた気体は、環状空間120sにおいて中心軸を中心に周回されながら、気体供給経路から気液混合室120mの第1の切頭円錐空間121fに向かって気液混合室120m内に供給される。これにより、気液混合室120m内の真空度が向上されるため、気体供給孔121dから流入してくる気体の量を更に増加させることができて、気泡の発生が促進される。これらのような一連の動作によって、マイクロバブルなどのファインバブルが、連続的に発生される。
さらに、気体供給経路120tは、第2の切頭円錐空間122fの中心軸を中心に螺旋状に形成されているため、気体供給経路120tから供給される気体は、螺旋状に周回しながら、円形の断面形状を有する気液混合室120mの空間の周面に沿った流れを形成する。これにより、気液混合室120mでは、周方向に回転するスクリュー状のループ流が形成される。そして、気液混合室120mの内壁には、凹凸形状が形成されているので、高速ループ流れをしている液体と気体との混合流体である気液混合体が凹凸形状に衝突することによって、気液混合室120m内の気体を更に細分化することができると共に、高速ループ流れを加速させ、気液混合室120m内の真空度を高くすることができる。
また、気体供給経路120tから供給された気体は、気体供給経路120tと気液混合室120mとの境界で発生した乱流により細分化され、第1の切頭円錐空間121f及び第2の切頭円錐空間122fによって加速されたループ流において撹拌、剪断され、気液混合室120mの内壁の凹凸形状と衝突し、途中で一部が液体供給孔121eから供給された加圧液体と衝突した際に発生した乱流により更に細分化され、噴出孔122gにおいて、流入してきた外部気体及び/又は外部液体と衝突して、更に微細化され、バブル又は/及びマイクロバブルなどのファインバブルを含む気液混合体であるバブル含有液として第2の切頭円錐空間122fから噴出される。
[バブル圧壊部]
図7は、バブル圧壊部130の概略図を示し、(A)はバブル圧壊部130の側面図を示し、(B)はバブル圧壊部130の正面図を示す。バブル圧壊部130は、バブル生成部120に接続され、バブル生成部120で製造されたバブル含有液を通過させる通路131と、通路131の周囲を覆う外装体132とを備え、通路131と外装体132とから中間空間130sを有する二層構造とされている。バブル圧壊部130は、通路131が水平方向に延びるように配置されている。
外装体132は、ステンレスを材料とし、正六角形の断面を有する六角柱の形状に延びる側周部材134と、側周部材134を延在方向の両側から挟む円板状の一対の平面部材135とからなる。両平面部材135は、中央に通路131をはめ込まれることにより、側周部材134の六角形の中心軸上に通路131が延びるように、通路131が固定されている。これにより、通路131の外側と外装体132の側周部材134には中間空間130sが形成され、通路131の外周と、六角形の側周部材134の各面は、それぞれ同様の距離関係となっている。
外装体132は、六角柱の各面に超音波振動子133を取り付けられている。超音波振動子133は、通路131の延在方向に2段に分けて設けられており、バブル生成部120側を前段の超音波振動子群、貯留部140側を後段の超音波振動子群としている。各段の超音波振動子群は、通路131の中心軸から放射状に設けられた6つの超音波振動子133からなる。対向する2つの超音波振動子133が一対の振動子対となり、6つの超音波振動子133は3対の振動子対となっている。各超音波振動子は、周波数および出力を制御部199により調整可能とされている。本実施形態において、12個の超音波振動子133は、それぞれ、同一周波数、同一出力で超音波を照射している。
各超音波振動子133は、通路131に向けて超音波を照射する。通路131と外装体132との間の中間空間130sには伝搬液が充填され、超音波振動子133から照射された超音波は、伝搬液を介して通路131の内部に伝搬され、通路131を流れるバブル含有液の微細気泡を超音波圧壊する。
伝搬液は、冷却部104から供給される冷却水であり、外装体132に設けられた伝搬液導入口136から中間空間130sに導入され、伝搬液導出口137から導出される。バブル圧壊部130は、超音波振動子の超音波照射により、通過するバブル含有液が加熱される。しかし、伝搬液がバブル圧壊部130を冷却する作用も有し、冷却液の流量により、バブル圧壊部を通過するバブル含有液の温度を調整できる。
図8はバブル圧壊部130を図7の矢印8−8’で切断した側断面図を示す。図8に示すように、バブル圧壊部130は、通路131と外装体132から形成される中間空間130sに超音波を伝搬可能な伝搬液を充填される。本実施の形態において、伝搬液として冷却部104から供給される冷却水が充填される。伝搬液は、通路131が水平方向に向く状態に配置されたバブル圧壊部130において、外装体132の平面部材135の下側に設けられた伝搬液導入口136から導入され、外装体132の平面部材135の上側に設けられた伝搬液導出口137から導出される。これにより、中間空間130sでは、伝搬液は、図面の左側から供給され、下側から上側に充填されていき、上側から排出される。したがって、伝搬液は、中間空間130s中に空気を残さず充填される。
外装体132に取り付けられた超音波振動子133から照射される超音波は、伝搬液を介して通路131に伝搬される。このとき、中間空間130sに空気が残ると、伝搬液と空気における超音波の伝搬率が異なるため、超音波が均等に伝搬しない。したがって、中間空間130s中に空気を残さないことにより、効率的かつ均一に超音波を通路131の内部に伝搬できる。バブル圧壊部130は、温度センサ(図示しない)が設けられており、超音波による発熱状態を見ながら伝搬液の流速を制御することができる。
本実施形態において、バブル圧壊部130の通路131は、PFA(ポリテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)を材料としたパイプから形成されているが、他の樹脂を材料としていてもよいし、衛生面で問題のない金属を材料としてもよい。また、バブル圧壊部130は、通路131と外装体132とからなる二層構造とされているが、超音波を照射してバブルを圧壊できれば他の構成であってもよい。例えば、飲料を通過させても衛生面で問題のないステンレスのような金属を材料に単層構造の筒状部材を形成し、当該筒状部材の周囲に直接超音波振動子を配置し、筒状部材の内部に飲料を通過させるようにしてもよい。
本発明の実施形態に係るバブル圧壊部130は、超音波圧壊場を形成し、液体内の微細気泡を圧壊して超微細気泡に変換する。超音波圧壊場は、連続的に超音波を照射されて形成されており、超音波圧壊場には紫外線が発生する。これにより、超音波圧壊場を通過する液体は、紫外線による殺菌効果を得られる。
さらに、バブル圧壊部130では、超音波圧壊場を形成する超音波が液体に照射されることにより、液中でキャビテーションにより無数の真空気泡が生じる。この真空気泡が圧縮と膨張を繰り返して崩壊する際に、超高温高圧の反応場が形成される。この反応場では、真空気泡が破裂することにより細菌の細胞壁を破壊し、一般生菌やレジオネラ菌、大腸菌等を殺菌する殺菌効果を得られる。
図9は、貯留部140の概略図であり、図9(A)は貯留部140の平面図を示し、図9(B)は貯留部140の正面図を示し、図9(C)は貯留部140の側面図を示し、図9(D)は貯留部140の底面図を示す。
貯留部140は、図9に示すように、主に、円柱状のタンク容器141と、タンク容器141を覆う外装容器142とからなる。タンク容器141は、バブル含有液を貯留するための所定量の容積を有する貯留空間140sを形成する。また、タンク容器141と外装容器142との間には、冷却部104から冷却水が供給される冷却空間140tが形成される。
貯留部140は、さらに、均一化部110に接続される原液導入口143aと、バブル圧壊部130に接続されるバブル含有液導入口143bと、循環経路170に接続される再帰導出口143cと、取出部103に接続されるバブル含有液導出口143dと、排出部106に接続される排出口143eと、加圧部105に接続される加圧口143fと、脱気用導出口(図示しない)と、脱気用導入口(図示しない)を備え、これらがタンク容器141に設けられている。
原液導入口143aは、円筒のパイプからなり、タンク容器141の上面からタンク容器141内まで延在し、これにより、貯留空間140sの頂部から原液が供給される。また、加圧口143fは、円筒のパイプからなり、タンク容器141の上面からタンク容器141内まで延在し、加圧部105からの圧力をタンク容器141の貯留空間140s内に印加する。
バブル含有液導入口143bは、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器141の上面から、タンク容器141内の底面部から1/2の高さ位置まで延在し、タンク容器141の上側からバブル含有液を供給する。バブル含有液導入口143bのパイプは、L字形状に折り曲げられており、水平方向にバブル含有液を吐出する。これにより、バブル含有液は、水平方向に吐出圧を受け、貯留空間140s内で撹拌される。しかし、バブル含有液は上下方向に吐出圧を受けることがないため、粒径の小さいバブルが貯留空間の下方で高濃度化することを妨げない。
再帰導出口143cは、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器141の底部から、タンク容器141内の底部から1/4の高さ位置まで延在し、タンク容器141の底部から1/4の高さ位置のバブル含有液を循環経路170に導出し、バブル含有液をバブル生成部120に供給する。再帰導出口143cのパイプは、L字形状に折り曲げられており、水平方向にバブル含有液を吸引する。これにより、バブル含有液は、水平方向に吸引圧を受け、貯留空間140s内で撹拌される。しかし、バブル含有液は上下方向に吸引圧を受けることがないため、粒径の小さいバブルが貯留空間の下方で高濃度化することを妨げない。
バブル含有液導出口143dは、円筒のパイプからなり、タンク容器141の底部に設けられた底弁であり、バブル含有液をタンク容器141の底から取り出す。バブル含有液導出口143dは、減圧バルブ(図示しない)を介して取出部160に接続されている。これにより、貯留空間140s内で加圧されたバブル含有液が、減圧バルブを介して、減圧されながら取出部103に導出されるため、高濃度化されたバブル含有液を取り出すことができる。取出部103はバブル含有液導出部として機能する。また、減圧バルブは、従来よく知られる直動式減圧弁、パイロット作動形式減圧弁等の減圧弁を利用できる。
排出口143eは、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器141内の底面からタンク容器141外の下段まで延在し、バブル含有液をタンク容器141の底から排出する。
ここで、バブル含有液は、粒径の小さい気泡ほど下方に拡散する傾向がある。したがって、本実施形態において、タンク容器141の底部には、ウルトラファインバブルの存在が支配的なUFB領域が形成され、その上側にはウルトラファインバブルとマイクロバブルが混在するUFB+MB領域が形成され、さらにその上側にはマイクロバブルの存在が支配的なMB領域が形成される。これらの各領域は、液体の貯留量や装置の動作状況によりタンク容器141内の位置が変動する。
さらに、貯留部140には、複数の水位センサが設けられており、制御部199が貯留部140内のバブル含有液の貯留量を管理することができる。さらに、貯留部140には、圧力を測定する圧力トランスミッター(図示しない)と、タンク容器内の貯留空間140sを大気圧に開放するベントフィルター(図示しない)とが設けられている。
圧力トランスミッターは、タンク容器141に設けられ、電気的に制御部199に接続され、制御部199が貯留空間140sの圧力を測定することができる。ベントフィルターは、タンク容器141に設けられ、電気的に制御部199に接続され、制御部199が貯留空間140sからの通気路を確保しながら、貯留空間140s内の圧力調整を可能とする。
本実施形態において、タンク容器141は、SUS316やSUS304等のステンレス材料が使用される。しかし、タンク容器141は、他のステンレスのような金属または、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂、石英等を材料としてもよい。タンク容器141は、樹脂材料の場合には上部を樹脂溶接や接着などで完全密閉構造とされ、金属材料や樹脂材料においてはフランジ構造が採用される場合もある。石英を材料とする場合には、PTFE、バイトン等のシール材を介して密閉構造とされる場合もある。
貯留部140が密閉構造となることにより、貯留空間140sは大気から隔離され、貯留空間140sを加圧部105により加圧することが可能になる。また、ベントフィルターにより、加圧された貯留空間140sの圧力調整も可能となる。貯留空間140sの圧力は、制御部199が、圧力トランスミッターにより貯留空間140s内の圧力を測定し、加圧部105とベントフィルターにより、所定の値に調整される。本実施形態において、加圧部105は、0.6MPa程度まで貯留空間140sを加圧することができる。さらに、制御部199は、冷却部104から冷却空間140tに供給される冷却水の量を管理し、貯留空間140sに貯留されたバブル含有液の温度を調整できる。
本実施形態に係るバブル含有液製造システム100は、バブル圧壊部130とバブル生成部120とから構成されるバブル含有液供給部と貯留部140とが分離されている。これにより、バブル含有液供給部は貯留部140の容量に影響を受けずに、粒径の均一なバブル含有液を一定量連続して供給し、バブル含有液は貯留部140において貯留されるので、貯留部140でバブルが凝集することが抑止される。
[脱気部]
図10は、脱気部150を構成する脱気装置の側断面を示す概略図である。脱気部150は、第2の循環経路180に組み込まれており、貯留部140から液体を導入され、当該液体を脱気した後に、再び貯留部140に再帰させる。すなわち、脱気部150は、貯留部140に貯留された液体を循環させる第2の循環経路180内に組み込まれて接続されている。
脱気装置は、略円筒状の分離空間150sを形成するケーシング151と、ケーシング151の分離空間150s内の中央を軸方向に伸びる回転軸部材152と、回転軸部材152に設けられた分離羽根車153、インデューサ154、主羽根車155とを備える。ケーシング151は、ケーシング151内に液体を流入させる流入路156と、ケーシング151から液体を流出させる流出路157と、ケーシング151から気体を排出する排出路158とを備える。回転軸部材152は、モータ159に接続されており、回転可能である。
脱気装置は、第2の循環経路180に組み込まれて接続されており、流入路156は貯留部140の脱気用導出口(図示しない)に接続され、流出路157は貯留部140の脱気用導入口(図示しない)に接続されている。また、排出路158は、真空ポンプ(図示しない)に接続されている。また、分離羽根車153、インデューサ154、主羽根車155は、それぞれ、回転軸部材152に取り付けられた所定形状の羽根部材が所定枚数設けられることにより形成されており、回転軸部材152が回転することにより、液体と機体を遠心力により分離する羽根車として機能する。
貯留部140に貯留された液体は、脱気工程において、まず、回転軸部材152が回転した状態で、第2の循環経路180を介して脱気部150の流入路156に流入する。ここで流入路156は絞り構造となっており、流入する液体を一度絞込んだ後に開放する。これにより、ケーシング151内に流入した液体は、減圧されて、液体中に溶存する気体が減圧作用により析出し、気液混合体となってインデューサ154の方に導かれる。
インデューサ154に導かれた気液混合体は、回転軸部材152の回転によるインデューサ154の羽根車の機能で、液体成分がケーシング151内の外周側に集積され、一方で、気体成分がケーシング151内の中央側(回転軸部材152側)に集積されて、液体成分と気体成分に分離される。さらに、ケーシング151内は、前記した真空ポンプにより減圧されているため、液体と気体との境界部では、液体中に残る気体が気泡として析出して分離される。
気体成分を分離された液体は、主羽根車155に導かれ主羽根車155の回転により、さらに外側方向の力を受け、ケーシング151の外側に設けられた流出路157に向けた流路を形成する。一方で、液体から分離された気体は、真空ポンプの吸引により排出路158に向けた流路を形成する。このとき、一部の液体が真空ポンプの吸引力により真空ポンプ側に引き寄せられるが、分離羽根車153の羽根車の機能により、ケーシング151の外側に退避される。退避された液体は、ケーシング151の外側を通じて再びインデューサ154の方に再び導かれる。
このように、脱気装置では、流入路156から流入した液体が液体成分と気体成分に分離され、気体は排出路158から排出され、気体成分を分離された液体が流出路157から取り出される。これにより、脱気装置は、液体を脱気することができる。
脱気部150は、ケーシング内で回転する回転軸部材に取り付けられた羽根車の遠心力によって気体と液体とを分離することができる、いわゆるインデューサ型の気液分離装置(脱気装置)である(例えば、特表2004/058380号公報を参照)。このような羽根車式の脱気装置は、連続的に脱気が可能となるため、加熱や減圧による脱気装置のようなバッチ処理が不要となる。また、他の遠心分離式の装置のように圧力環境による問題も解決される。
したがって、本実施形態に係るバブル生成部120、バブル圧壊部130および貯留部140のように、液体の圧力調整が可能で連続的な処理が必要とされる装置と連携することに適している。しかし、脱気部150は、液体に含まれる気体、特に溶存酸素を脱気できれば、他の加圧式装置、減圧式装置、遠心分離式装置のような他の装置で構成されてもよい。また、脱気部150は、液体から気体成分を除去することで脱泡部としても作用する。
本実施形態に係るバブル含有液製造システム100において、液体導入部101は、均一化部110を介して、貯留部140に接続されている。気体導入部102は、均一化部110およびバブル生成部120に接続されている。貯留部140は、第1の循環経路170に組み込まれ、バブル生成部120に接続され、バブル生成部120は、バブル圧壊部130に接続され、バブル圧壊部130は、貯留部140に接続されている。すなわち、第1の循環経路170は、液体導入部101から導入された液体が、貯留部140に導入され、バブル生成部120、およびバブル圧壊部130を介して再び貯留部140に再帰するように形成されている。
しかし、バブル含有液製造システムは、他の構成であってもよく、例えば、本発明に係るバブル生成ノズルを介して、均一化部に液体と気体を導入するようにしてもよい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るバブル含有液製造システム200について図11〜図13を用いて説明する。図11は、バブル含有液製造システム200の機能ブロック図を示す。第2の実施形態に係るバブル含有液製造システム200は、バブル圧壊部を備えず、バブル生成部220がバブル圧壊部を介さずに貯留部240に接続されている事と、貯留部240の構成とにおいて、第1の実施形態に係るバブル含有液製造システム100と異なる。以下の説明では、第1および第2の実施形態に係るバブル生成部120、220の異なる部分においてのみ詳細に説明し、同様の部分については説明を省略する。
バブル含有液製造システム200は、バブル圧壊部を備えないため、バブル生成部220で生成されたバブル含有液が直接貯留部240に導入される。貯留部240は、複数の超音波振動子2424を備え、バブル生成部220から導入されたバブル含有液を超音波圧壊し、超微細気泡に変換する。
次に、貯留部240について図12および図13を用いて説明する。貯留部240の説明においては、貯留部140と重複する内容については、一部記載を省略する。図12(A)は貯留部240の平面図を示し、図12(B)は図12(A)のB−Bの断面図を示す。
図12(B)に示すように、貯留部240は、主に、円柱状のタンク容器2431と、タンク容器2431を覆う外装容器2437とからなる。タンク容器2431は、バブル含有液を貯留するための所定量の容積を有する貯留空間2439を形成する。また、タンク容器2431と外装容器2437との間には、冷却空間2494が形成されており、冷却水導入口291を介して冷却部204から冷却水が供給され、冷却水導出口(図示なし)より冷却水が導出される。
タンク容器2431および外装容器2437は、ステンレスを材料に形成され、タンク容器2431は密閉構造にされている。これにより、超音波圧壊時に発生する微量ガスは、大気と接触することない。さらに、タンク容器2431が密閉構造とされているため、貯留部240内の圧力制御が可能となる。
貯留部240は、また、タンク容器2431に、側周面の外側から取り付けられる複数の超音波振動子2424を備える。本実施形態において、貯留部240は、側周面に同一の角度で同一の高さ位置に配置された8つの超音波振動子2424を備える。各超音波振動子2424は、タンク容器2431の中央に向けて超音波を照射する。超音波振動子2424は、タンク容器2431に設けられており、直接タンク容器2431に貯留されたバブル含有液に超音波を照射する。
対向する2つの超音波振動子2424が一対の発振子対となり、8つの超音波振動子2424は4対の発振子対となり、タンク容器2431の中央に超音波圧壊場を形成する。各超音波振動子は、周波数および出力を制御部199により調整可能とされている。本実施の形態において、4つの超音波振動子2424は、それぞれ、同一周波数、同一出力で超音波を照射している。
図12(A)および図12(B)に示すように、貯留部240は、さらに、液体導入部201に接続される飲料導入口2432と、バブル生成部220に接続されるバブル含有液導入口2433と、循環経路270に接続される再帰導出口2434と、取出部160に接続されるバブル含有液導出口2435と、排出部203に接続される排出口2436と、加圧部205に接続される加圧口2438とを備え、これらがタンク容器2431に設けられている。
なお、図12においては、定置洗浄(CIP:Cleaning In Place)に利用する洗浄液導入口2499を示すが、通常時は閉鎖され、装置の停止時にタンク内の洗浄に利用される。洗浄液導入口2499は、シャワーボール2499aを介してタンク容器2431に洗浄液を導入する。
飲料導入口2432は、円筒のパイプからなり、後述するバブル含有液導入口2433のパイプと同様に、くの字形状に30°程度の角度に折り曲げられており、さらに、先端が鉛直方向に切断されている。これにより、原液を吐出する吐出口(図示なし)を貯留空間2439の側面に沿わせながら、水平方向に向けて原液を吐出し、当該側面に向けて原液が吐出される。液体導入部201から供給される原液が貯留空間2439の側面に沿って吐出されることにより、バブル含有液は貯留空間2439の側面に沿って導入されることになり、飲料が泡立つことを抑制される。
また、加圧口2438は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器2431の上面からタンク容器2431内の頂面まで連通し、加圧部205から二酸化炭素ガス、窒素ガス等の所望の気体をタンク容器2431の貯留空間2439内に供給して、加圧する。貯留部240は、加圧部205により加圧された状態で液体を貯留することができる。
バブル含有液導入口2433は、主に円筒のパイプ2433aからなり、タンク容器2431の上面から、タンク容器2431内の底面部より2/3の高さ位置まで延在し、バブル生成部220から第2のバブル含有液をタンク容器2431の上側から供給する。
図13に示すように、バブル含有液導入口2433のパイプ2433aは、くの字形状に30°程度の角度に折り曲げられており、さらに、先端が鉛直方向に切断されている。これにより、バブル含有液を吐出する吐出口2433bを貯留空間2439の側面に沿わせながら、水平方向に向けてバブル含有液を吐出し、当該側面に向けてバブル含有液が吐出される。バブル含有液が貯留空間2439の側面に沿って吐出されることにより、バブル含有液は貯留空間2439の側面に沿って導入されることになり、泡立つことを抑制される。
再帰導出口2434は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器2431内の底部から1/3の高さ位置においてタンク容器2431の側部から水平方向に延在してタンク容器2431内に連通し、タンク容器2431の底部から1/3の高さ位置のバブル含有液を循環経路270に導出し、バブル含有液をバブル生成部220に再帰させる。
再帰導出口2434のパイプは、水平方向にバブル含有液を吸引する。これにより、バブル含有液は、水平方向に吸引圧を受け、貯留空間2439内で撹拌される。しかし、バブル含有液は上下方向に吸引圧を受けることがないため、粒径の小さいバブルが貯留空間の下方で高濃度化することを妨げない。
バブル含有液導出口2435は、貯留部140と同様に、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器2431の底部からタンク容器2431外まで延在し、バブル含有液をタンク容器2431の底から取り出す。排出口2436は、主に、円筒のパイプからなり、タンク容器2431内の底面からタンク容器2431外まで延在し、タンク容器2431の底からバブル含有液を排出する。
貯留部240が密閉構造となることにより、貯留空間2439は大気から隔離され、貯留空間2439を加圧部205により加圧することが可能になる。本実施の形態において、加圧部205は、0.6MPa程度まで貯留空間2439を加圧することができる。また、貯留部240は、加圧部205を作動しない場合であっても、バブル生成部220から圧送されるバブル含有液により、大気圧から0.01MPа〜0.05MPa程度加圧される。
貯留部240は、タンク容器の上面に設けられた減圧口2498aをさらに備え、ベントフィルターを介して外部に連通して、貯留空間2439からの通気路を確保する。ベントフィルターと減圧口2498aとの間には、開閉バルブ(図示なし)が設けられており、制御部199が開閉バルブの開度を調整することにより貯留空間2439内の圧力調整を可能とする。貯留空間2439の圧力は、制御部199が、圧力トランスミッターにより貯留空間2439内の圧力を測定し、加圧部205とベントフィルターにより、所定の値に調整される。
さらに、貯留部240は、タンク容器2431内に貯留された液体を撹拌する撹拌機Kを備える。撹拌機Kは、タンク容器2431の上方に設けられたモータK1と、モータK1に接続するシャフトK2と、シャフトK2に取り付けられた撹拌羽K3とを備える。モータK1は制御部199に接続しており、駆動するタイミングを制御される。
ここで、微細気泡または超微細気泡をバブル含有液は、微細気泡を含有しない液体に比較して泡立ちやすい特性を有し、その特性は、牛乳等のコロイド成分を有する液体で顕著となる。したがって、バブル含有液の導入および貯留において、バブル含有液は、貯留部240に導入される際に、泡立ってしまうと、バブル濃度の低下、および安定的に取出し困難となる。
本変形例に係る貯留部240では、バブル含有液導入口2433の吐出口2433bが貯留空間2439の側面に沿わせて形成され、バブル含有液導入口2433が水平方向にバブル含有液をタンク容器2431の側面に向けて吐出する。これにより、バブル含有液がタンク容器2431の側周面に沿って貯留空間2439に導入されることにより、泡立つことを抑制して貯留することができる。
以上、本発明に具体的な態様を、上記の実施形態により説明したが、本発明は、当該実施形態に限定されるものではない。