JP2018120205A - 医療シミュレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】挿管手技などの医療手技に関して、実践に即した高精度の訓練を可能とする医療シミュレータを提供する。【解決手段】医療シミュレータは、少なくとも頭部から頸部にかけての人体外形、口腔部、鼻腔部、咽頭部、喉頭部、気管部45、及び食道部44をそれぞれ模した人体模型を有し、少なくとも挿管手技の訓練を可能とし、人体模型の頸部の骨組みとして頭部にかけて延設されている首支持部と、首支持部と第一バネ部材により連結されており、人体模型の喉頭部に配置された模擬甲状軟骨部と、を備え、人体模型の食道部44は、可撓性を有する管状部材により形成されており、人体模型の気管部45は、可撓性を有する管状部材により形成されており、模擬甲状軟骨部は、その管状部材よりも硬質な材料で形成されており、食道部44の管状部材が挿通される食道通路部及び気管部45の管状部材が挿通される気管通路部を内部に有する。【選択図】図10

Description

本発明は、医療シミュレータに関し、特に、挿管手技などの訓練を可能とするシミュレータに関する。
近年の医学の進歩及び医療技術の高度化に伴い、医療従事者にも高度な技能が求められるようになってきており、医療従事者に対する教育の充実が求められている。中でも、生体を模擬したモデルを用いたシミュレーション教育は、実践さながらの技術習得及び訓練が可能となるため、特に注目されている。
下記特許文献1には、そのようなシミュレーション教育のための介護実習シミュレーションモデルが開示されている。このモデルは、人体の頭部から胸部にかけての外形を模した人型模型と、模擬口腔と、模擬鼻腔と、模擬咽頭部と、模擬喉頭部と、模擬気管と、模擬気管支と、模擬食道の一部の各部を形成したマネキンと、気道挿管用のチューブを備える。更に、模擬気管又は模擬気管支に対するチューブの気道挿管時における正しい挿入位置に検知部が取り付けられ、チューブの先端がその検知部に到達したことを感知させる感知手段が設けられており、このモデルにより、介護実習者に介護時におけるチューブの適した挿入位置を学習させることが開示されている。
特開2015−18152号公報
しかしながら、上述の特許文献1のモデルのような既存のシミュレーションモデルは、医療現場での実際の患者の体の状態を精密に再現できていない。例えば、気管挿管や内視鏡検査の際には、舌根の後退や嘔気発話が起こる場合や、嚥下反射や咳嗽が生ずる場合などがある。また、麻酔時とそうでない時とで患者の体の状態は変わってくる。
単に体の部位を模擬しただけのモデルでは、限られた訓練しかできず、実践に即した訓練を行うのは困難である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、挿管手技などの医療手技に関して、実践に即した高精度の訓練を可能とする医療シミュレータを提供する。
本発明の一側面に係る医療シミュレータは、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
即ち、当該一側面に係る医療シミュレータは、少なくとも挿管手技の訓練を可能とし、少なくとも頭部から頸部にかけての人体外形、口腔部、鼻腔部、咽頭部、喉頭部、気管部、及び食道部をそれぞれ模した人体模型を有する。更に、当該医療シミュレータは、人体模型の頸部の骨組みとして頭部にかけて延設されている首支持部と、首支持部と第一バネ部材により連結されており、人体模型の喉頭部に配置された模擬甲状軟骨部と、を備える。人体模型の食道部は、可撓性を有する管状部材により形成されており、人体模型の気管部は、可撓性を有する管状部材により形成されており、模擬甲状軟骨部は、その管状部材よりも硬質な材料で形成されており、食道部の管状部材が挿通される食道通路部及び気管部の管状部材が挿通される気管通路部を内部に有する。
上述の「挿管手技」とは、気管挿管、内視鏡、喀痰吸引など何らかの管を体に通す医療行為を意味し、その具体的手技内容は制限されない。
また、「可撓性」とは、外力の作用によって外形が変形し得る性質を意味し、外力の作用によって変形した後の性質を限定するものではない。例えば、可撓性を有する模擬舌部では、変形後の状態が維持されてもよいし、変形前の状態又は変形前の状態に近い状態まで復元されてもよい。
従って、本発明によれば、挿管手技などの医療手技に関して、実践に即した高精度の訓練を可能とする医療シミュレータを提供することができる。
第一実施形態に係る医療シミュレータの外観を示す図である。 人体模型の骨組み構造の一部の側面図である。 人体模型の骨組み構造の一部の背面図である。 人体模型の断面模式図である。 図5(a)は、人体模型の鼻部及び口部の外観を示す図であり、図5(b)は、人体模型の下唇周辺の構造を示す図である。 口を開けた状態の口腔部を示す図である。 麻酔中の気道及び飲食物通路の狭窄状態を模擬する人体模型の動きを示す模式図である。 嚥下反射時の人体模型の動きを示す模式図である。 第一実施形態に係る医療シミュレータにおける人体模型の制御に関する構成を概念的に示す図である。 第二実施形態における人体模型の骨組み構造に設けられた模擬甲状軟骨部の側面図である。 模擬甲状軟骨部を上方から見た図である。 模擬甲状軟骨部の分解図である。 模擬甲状軟骨部の動作を概念的に示す図である。 第二実施形態における人体模型の鼻腔部周辺の構造を示す断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。以下に挙げる各実施形態はそれぞれ例示であり、本発明は以下の各実施形態の構成に限定されない。
[第一実施形態]
図1は、第一実施形態に係る医療シミュレータの外観を示す図である。
第一実施形態に係る医療シミュレータ1は、機器搭載台3、入出力パネル5、人体模型10などを有し、経鼻及び経口気管挿管、経鼻及び経口内視鏡検査、喀痰吸引などの挿管に関する手技の訓練を可能とする。但し、医療シミュレータ1により訓練可能な医療手技は、このような挿管に関する手技に限定されない。
機器搭載台3は、人体模型10を載置し、かつ、人体模型10を制御するための各種機器を内部に収容する構成要素である。具体的には、機器搭載台3は、人体模型10を載置可能な台座部4を上面に有し、内部を上面及び側面で遮蔽している。収容される機器としては、コンプレッサ等のようなアクチュエータの動力源6やシミュレータ制御部7、スピーカ8などがある。台座部4の高さは、訓練目的となる医療手技を医療現場で行う際に、患者を寝かせる台の高さに設定されることが望ましく、台座部4は高さ調節可能となっていてもよい。
入出力パネル5は、機器搭載台3の上面に設置されており、訓練メニュー、医療シミュレータ1の動作モード、実施内容、評価結果などを表示する表示装置、及び表示装置に表示された画面を操作するための入力装置を含む。図1の例では、入出力パネル5は、表示装置と入力装置とが一体化されたタッチパネルとして実現されている。
第一実施形態では、入出力パネル5に表示される内容は何ら制限しない。第一実施形態では、例えば、経鼻及び経口気管挿管、経鼻及び経口内視鏡検査、喀痰吸引のいずれか一つを訓練対象手技として選択するメニュー、選択された手技に対応する生体反応の要否を選択するメニュー、麻酔中か否かを選択するメニュー、評価結果などが表示される。
人体模型10は、訓練を受ける人(以降、被訓練者と表記する)により操作される人型モデルであり、人体模型10は、頭部から腹部にかけての人体外形、口腔部、鼻腔部、咽頭部、喉頭部、気管部、食道部、気管支部、及び胃部をそれぞれ模して形成されている。
ここで、「人体外形」とは、人体の外観形状を意味する。この「人体外形」に対して、口腔部、鼻腔部、咽頭部、喉頭部、気管部、食道部、気管支部、胃部などのような器官の形状を「器官形状」と表記する。
人体模型10は、訓練目的の手技に対応する姿勢で台座部4上に載置される。例えば、気管挿管の訓練時には、人体模型10は仰向け姿勢で台座部4上に載置され、内視鏡検査の訓練時には、人体模型10は横向き姿勢で台座部4上に載置される。
人体模型10に関する説明において、人体模型10を形成する各構成要素の相対的な位置関係を特定するために、人体の解剖学などで利用される方向を用いて、便宜的に上下方向、正面、背面などを設定している。具体的には、前額面と直交する方向を「前後方向」とし、矢状面と直交する方向を「左右方向」とし、横断面(水平面)と直交する方向を「上下方向」とし、人体の腹側を前、背側を後ろ、左手側を左、右手側を右、頭側を上、足側を下と表記する。
また、左右方向を軸とする回動を「上下方向」の回動と表記し、前後方向を軸とする回動を「左右方向」の回動と表記し、上下方向を軸とする回動を「前後方向」の回動と表記する。
以上のように、本明細書で表記する方向などは、重力方向の上下とは一致しない場合もあるし、各実施形態の使用態様を限定するものでもない。
また、人体の表面のうち外界に直接触れている表面を「体外表面」と表記し、口腔から消化器官に繋がる飲食物通路及び鼻腔から肺に繋がる気道の表面を「体内表面」と表記する。更に、「体外表面」又は「体内表面」から外側とは反対方向の側を「内側」又は「内部」と表記する。
図2は、人体模型10の骨組み構造の一部の側面図である。図3は、人体模型10の骨組み構造の一部の背面図である。図2の側面図は、人体模型10における左から右に向かう方向に見た場合の図であり、図3の背面図は、人体模型10における後ろから前に向かう方向に見た場合の図である。
人体模型10は、頸部の骨組み構造として、上下方向にそれぞれ延びる左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bを有する。左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bは、側面視において上方前側から下方後ろ側へ屈曲するクランク形状を有している。
更に、人体模型10の頸部の内部には、頭部の動きを実現するための第二アクチュエータとしての左首シリンダ12a及び右首シリンダ12bが設けられると共に、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12b内のピストンにより略上下方向に往復する左首ロッド13a及び右首ロッド13bが設けられている。左首ロッド13a及び右首ロッド13bの両方が上下方向にスライドすることにより、頭部の上下方向の傾きが実現され、左首ロッド13a又は右首ロッド13bのいずれか一方が上下方向にスライドすることにより、頭部の左右方向の傾きが実現される。
また、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bは、その下方で、左首支持プレート11a又は右首支持プレート11bの下端部(下端周辺)に設けられている左肩支軸14a又は右肩支軸14bにより上下方向に回動可能に軸支されている。
第一実施形態において左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bは、圧縮空気を動力源とするエアシリンダで実現される。但し、頭部の動きを実現するための第二アクチュエータは、エアシリンダではなく、油圧又は電気式のシリンダであってもよいし、モータなどの回転動力を生み出すものであってもよい。
人体模型10は、頭部の骨組み構造として、上顎骨部16、下顎骨部17、上顎支持プレート18、下顎支持部20、左頭部プレート21a、右頭部プレート21b等を有する。
上顎骨部16は、鼻腔部と口腔部との間に設けられている。
上顎支持プレート18は、頭部の傾きがない状態で前後方向に水平に延びる板状部材により形成されている。上顎支持プレート18は、上顎骨部16と連結されており上顎骨部16を上方から支持する。即ち、上顎支持プレート18は、上顎支持部に相当する。
下顎骨部17は、下顎を形成する皿形状の部材である。下顎骨部17は、前後方向の中央より後ろ寄りの位置で左右両端において下顎支持部20に軸支されており、下顎支軸19を軸に回動可能となっている。
下顎支持部20は、上下方向に延設された部材であり、その下端部(下端周辺)で下顎支軸19を介して下顎骨部17を上下方向に回動可能に支持している。
更に、下顎支持部20は、下顎骨部17を回動させるための回動機構を有している。具体的には、下顎支持部20は、その回動機構として、プーリ23、プーリ24、及び伝達ベルト25を有している。プーリ23は、下顎支持部20の上端部(上端周辺)に設けられたプーリ支軸28と共に回動可能な状態で下顎支持部20に支持されている。プーリ23の回転動力は、伝達ベルト25によりプーリ24に伝達される。プーリ24は、下顎支持部20の下端部(下端周辺)に設けられた支軸と共に回動可能に下顎支持部20に支持されており、その支軸の回動に伴い下顎支軸19と共に下顎骨部17が回動するよう構成されている。
プーリ23及び下顎骨部17を回動させる動力を出力する第三アクチュエータとして、下顎シリンダ29が設けられている。
第一実施形態において下顎シリンダ29は、圧縮空気を動力源とするエアシリンダで実現される。但し、下顎骨部17の回動を実現するための第三アクチュエータは、エアシリンダではなく、油圧又は電気式のシリンダであってもよいし、モータなどの回転動力を生み出すものであってもよい。
この下顎シリンダ29から出力される動力は、下顎ロッド27及び下顎リンク26によりプーリ23に伝達される。
下顎ロッド27は、下顎シリンダ29内のピストンにより略前後方向に往復運動する。
下顎リンク26は、下顎ロッド27の下顎シリンダ29とは逆側の端部に上下方向に回動可能に軸支されており、他端部において、下顎支持部20に設けられたプーリ支軸28に連結されている。これにより、下顎リンク26が回動すると、そのプーリ支軸28と共にプーリ23が回動する。
左頭部プレート21a及び右頭部プレート21bは、略上下方向にそれぞれ延設されており、その下端部で上顎支持プレート18とそれぞれ連結されている。左頭部プレート21a及び右頭部プレート21bは、上顎支持プレート18と一体形成されていてもよい。
また、左頭部プレート21a及び右頭部プレート21bは、その上端部で下顎シリンダ29を左右から挟むように下顎シリンダ29と連結されている。
ここで、頭部の骨組み構造と頸部の骨組み構造との連結構造について説明する。
頸部に設けられている左首ロッド13a及び右首ロッド13bは、その上端において、左首支軸15a又は右首支軸15bを介して首リンク30と連結されている。
首リンク30は、上顎支持プレート18の上面に立設されており、左端部で左首支軸15aと連結されており、右端部で右首支軸15bと連結されている。
更に、首リンク30は、左右方向の中央部で第一頭部軸31と連結されている。
第一頭部軸31は、前後方向に延設されており、その後端部で首リンク30と連結され、その前端部で左右の下顎支持部20を連結する連結プレート(図示せず)と連結されている。そして、第一頭部軸31は、前後方向の中央部において、第二頭部軸32を介して左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bと連結されている。
第二頭部軸32は、左右方向に延設されており、左右端部で左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bと連結されている。
首リンク30は、左首ロッド13aと右首ロッド13bとの上下方向の延びの差が生じている場合に、その第一頭部軸31を中心にして第一頭部軸31と共に左右方向に回動する。首リンク30の左右方向の回動により、上顎支持プレート18が同様に回動し、更に、その回動が第一頭部軸31で伝達され、下顎骨部17も同様に回動する。
また、左首ロッド13a及び右首ロッド13bの上下方向の往復運動により、首リンク30が上下移動し、更に、首リンク30と上顎支持プレート18との連結部を力点とし、第二頭部軸32を軸にして、上顎支持プレート18が上下方向に回動する。
このように、頸部の骨組み構造である左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bは、第一頭部軸31、第二頭部軸32及び首リンク30を介して頭部の骨組み構造である上顎支持プレート18と連結されている。また、左肩シリンダ12a又は右肩シリンダ12bからの動力により往復運動する左首ロッド13a及び右首ロッド13bは、左首支軸15a又は右首支軸15bと首リンク30とを介して、上顎支持プレート18と連結されている。
このような各構造の作用により、人体模型10の頭部は次のように動作する。
(頭部が傾く動作)
以下、頭部が顎を上げる方向に傾くことを頭部が上方に傾くと表記し、逆に、頭部が顎を引く方向に傾くことを頭部が下方に傾くと表記する。また、右耳が右肩に近づく方向に、頭部が傾くことを頭部が右側に傾くと表記し、逆に、左耳が左肩に近づく方向に、頭部が傾くことを頭部が左側に傾くと表記する。
頭部が上方に傾くときには、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bからの動力により左首ロッド13a及び右首ロッド13bが下方にスライドする。このとき、左首ロッド13a及び右首ロッド13bのスライド幅は、実質的に同一とされる。これに伴い、左首支軸15a及び右首支軸15bが、左首ロッド13a及び右首ロッド13bと共に下方に移動し、かつ、上顎支持プレート18は、首リンク30と上顎支持プレート18との接合部を力点として押し下げられる。一方、首リンク30は、第一頭部軸31と連結されており、第一頭部軸31は、第二頭部軸32を軸に回動(揺動)可能となっているため、左首支軸15a及び右首支軸15bを中心にして、左首ロッド13a及び右首ロッド13bと第一頭部軸31とのなす角度が増大する。
結果、上顎支持プレート18が第二頭部軸32を軸にして回転し、その前方が上方に移動しその後方が下方に移動する。即ち、頭部が上方に傾く。
逆に、頭部が下方に傾くときには、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bからの動力により左首ロッド13a及び右首ロッド13bが上方にスライドする。このときの左首ロッド13a及び右首ロッド13bのスライド幅も実質的に同一とされる。これに伴い、左首支軸15a及び右首支軸15bが、左首ロッド13a及び右首ロッド13bと共に上方に移動し、かつ、上顎支持プレート18は、首リンク30と上顎支持プレート18との接合部を力点として押し上げられる。このとき、左首支軸15a及び右首支軸15bを中心にして、左首ロッド13a及び右首ロッド13bと第一頭部軸31とのなす角度が減少する。
結果、上顎支持プレート18が第二頭部軸32を軸にして回転し、その前方が下方に移動しその後方が上方に移動する。即ち、頭部が下方に傾く。
また、頭部が右側に傾くときには、右首支軸15bが左首支軸15aよりも下方に位置するように、右首ロッド13bが下方にスライドされるか、左首ロッド13aが上方にスライドされるか、又はその両方が実行される。これにより、上顎支持プレート18は、その右側がその左側よりも低くなるように、傾く。結果、頭部が右側に傾く。
逆に、頭部が左側に傾くときには、左首支軸15aが右首支軸15bよりも下方に位置するように、右首ロッド13bが上方にスライドされるか、左首ロッド13aが下方にスライドされるか、又はその両方が実行される。これにより、上顎支持プレート18は、その左側がその右側よりも低くなるように、傾く。結果、頭部が左側に傾く。
上述のような頭部の動作は、上述したとおり、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bからの動力により自動で実現可能である。
更に、上述の頭部の動作は、ユーザが人体模型10を操作することで(手動で)実現することもできる。このとき、後述のシミュレータ制御部7の制御により、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bに供給されているエネルギが放出される。例えば、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bがエアシリンダで実現されている場合には、圧縮空気が左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bから放出される。これにより、ユーザは、操作を妨げられることなく、人体模型10の頭部を操作することができる。
(口の開閉動作)
口を開けるときには、下顎シリンダ29からの動力により、下顎ロッド27が前方にスライドする。これに伴い、下顎リンク26と下顎ロッド27との連結部(支軸)を力点として、下顎リンク26と共にプーリ支軸28が図2の紙面上反時計回りに回転し、プーリ23の外周と係合する伝達ベルト25も同方向に回転する。この伝達ベルト25の回転により、プーリ23とは逆端で係合するプーリ24も回転し、ひいては、下顎支軸19と共に下顎骨部17が図2の紙面上反時計回りに回転する。
一方で口を閉じるときには、下顎シリンダ29からの動力により、下顎ロッド27が後方にスライドする。これに伴い、下顎リンク26と共にプーリ支軸28が図2の紙面上時計回りに回転し、伝達ベルト25も同方向に回転する。この伝達ベルト25の回転により、プーリ24も回転し、ひいては、下顎支軸19と共に下顎骨部17が図2の紙面上時計回りに回転する。
ところで、下顎骨部17の回動可能範囲は、図2又は図3で示される構造上、下顎ロッド27のスライド幅に基づく下顎リンク26の回動可能範囲に基づいて制限されている。下顎骨部17の回動可能範囲は、人体の顎関節の可動域と同等程度に設定されることが望ましい。
上述のような下顎(口)の動作は、上述したとおり、下顎シリンダ29からの動力により自動で実現可能である。
更に、上述の下顎(口)の動作は、ユーザが人体模型10を操作することで(手動で)実現することもできる。この場合、後述のシミュレータ制御部7の制御により、下顎シリンダ29に供給されているエネルギが放出される。例えば、下顎シリンダ29がエアシリンダで実現されている場合には、圧縮空気が下顎シリンダ29から放出される。これにより、ユーザは、操作を妨げられることなく、人体模型10の口(下顎)を操作することができる。
図4は、人体模型10の断面模式図である。図4は、人体模型10を矢状面で切断した断面の前側の一部を左側から目視した状態を模式的に示している。
人体模型10は、人体の鼻腔部、口腔部、咽頭部、喉頭部、気管部、食道、気管支、及び胃部を模した模擬部位を有している。図4には、模擬部位として、鼻腔部41、口腔部42、咽頭部43、喉頭部47、気管部45、及び食道部44が示されている。
人体模型10の喉頭部47は、喉頭蓋48及び喉頭口49から気管45までの内腔を模擬した部位である。喉頭部47には、模擬された声帯部50が含まれる。
人体模型10の咽頭部43は、鼻腔部41、口腔部42、及び喉頭部47の後ろ側にある部位である。咽頭部43は、図4に示されるように、咽頭鼻部43n、咽頭口部43m、咽頭喉頭部43kから形成される。
人体模型10は、人体外形及び器官形状を形作る形状保持構造(図示せず)を有する。この形状保持構造には図2及び図3で示された骨組み構造も含まれる。図4で示される幅広斜線部は、このような形状保持構造、空間などにより形成される領域を示している。この幅広斜線部で示される領域を形成する具体的構造は制限されない。
人体模型10の外形及び見た目は、この形状保持構造に体外表面マスク55を被せることにより実現されている。体外表面マスク55は、頭部から腹部にかけての体外表面(皮膚、毛髪など)を模してなり、シリコーンゴム等の可撓性及び伸縮性を有する材質により形成されている。体外表面マスク55は、頭部から頸部とその他の部位とで別体形成されてもよいし、頭部、頸部などのようにより細かい部位ごとに別体形成されてもよい。体外表面マスク55の材質は制限されない。
第一実施形態では、体外表面マスク55の少なくとも頭部の部分(頭部マスクとも表記される)については、人体模型10に対して着脱可能に形成されている。例えば、この頭部マスクは、人体頭部を模してなり、人体口裂に対応する開口部を有しており、少なくとも口元(口輪筋及びその周辺)は一枚のシートで一体形成されていることが望ましい。これにより、頭部マスクにおける特に口元の伸縮性により手動で人体模型10の口部を開く際の開き易さ及び開き難さを再現することができる。更に、人体模型10は、伸縮度合の異なる少なくとも二種の頭部マスクを有しており、この二種の頭部マスクが、麻酔中か否かにより、切り替えて利用される。
麻酔中の人は、下顎を動かす筋肉が緩くなり、通常時よりも口が開き易くなる。第一実施形態ではこのような状況をシミュレートするべく、通常時の口の開き易さに対応する伸縮度を有する頭部マスクと、それよりも高い伸縮度(伸縮し易い)を有する頭部マスクとが切り替え利用される。この伸縮し難い頭部マスクに切り替えることにより、麻酔中の口の開き易さを実現することができる。これにより、医療現場で起こっている状況に即したより実践的な医療訓練を行うことができる。
図5(a)は、人体模型10の鼻部及び口部の外観を示す図である。図5(b)は、人体模型10の下唇周辺の構造を示す図である。図6は、口を開けた状態の口腔部42を示す図である。
鼻部及び口部の外観は、体外表面マスク55により実現されている。体外表面マスク55は、人体の口裂に相当する箇所に開口が設けられており、その開口から人体内側に口腔部42が形成されている。
口腔部42は、上顎骨部16及びその他の形状保持構造の外側に設けられる体内表面マスク57aと、下顎骨部17及びその他の形状保持構造の、体外表面(下顎表面)とは逆側に設けられる体内表面マスク57bとにより囲まれている。そして、その体内表面マスク57a及び57bの口腔部42側には上歯構造体46a及び下歯構造体46bが配設されている。図5(a)には、体外表面マスク55の上唇部と下唇部との間の開口から下歯構造体46bの歯の部分が表出している様子が示されている。また、図5(b)によれば、人体模型10の口元の体外表面から口腔部42側に向けて、体外表面マスク55、体内表面マスク57a又は57b、上歯構造体46a又は下歯構造体46の順に設けられていることがわかる。
上歯構造体46a及び下歯構造体46bは、歯列及び歯肉により形成されている。上歯構造体46aは、硬口蓋の一部を含み歯列及び歯肉に沿ったU字形状を有し、下歯構造体46bは、口腔底を含み歯列及び歯肉に沿ったU字形状を有している。即ち、上歯構造体46a及び下歯構造体46bは、いわゆる義歯の形状を有している。このため、図6に示されるように、口腔部42の上顎側には、上歯構造体46a及び体内表面マスク57aが表出しており、口腔部42の下顎側には、下歯構造体46b及び体内表面マスク57bが表出している。
上歯構造体46a及び下歯構造体46bは、体内表面マスク57a又は57bを介して、上顎骨部16若しくは下顎骨部17又は形状保持構造に上方又は下方から支持されている。第一実施形態では、形状保持構造が有する磁石60により、上歯構造体46a及び下歯構造体46bは、形状保持構造に磁着されている。但し、上歯構造体46a及び下歯構造体46bの支持構造はこのような構造に限定されない。上歯構造体46a及び下歯構造体46bは、形状保持構造が有するネジに体内表面マスク57a又は57bを介してネジ止めされてもよいし、接着剤などにより体内表面マスク57a又は57bと形状保持構造とに接着されてもよい。
図4及び図6に示されるように、口腔部42には模擬舌部51が設けられている。
模擬舌部51は、人体の舌を模した部位であり、体内表面マスク57bの突出形状により実現されている。模擬舌部51は、その内部(内空部)に舌可変機構(押圧機構63及び65)を有している。この舌可変機構により模擬舌部51は変形又は変位する。この舌可変機構の詳細については後述する。
体内表面マスク57aは、更に、軟口蓋、口蓋垂などを模擬した部位の表面を形成し、鼻腔部41及び咽頭部43の体内表面及び食道部44の体内表面を形成する。
体内表面マスク57bは、更に、喉頭蓋48の体内表面、喉頭部47及び気管45の体内表面を形成する。この体内表面マスク57bは、模擬舌部51と一体的に形成されており、可撓性を有する模擬喉頭蓋48の表面を実現する。例えば、模擬喉頭蓋48は、図4に示されるように、形状保持構造に体内表面マスク57bを被せることにより実現される。
体内表面マスク57a及び57bは、飲食物通路及び気道にある各器官の表面を模擬するべく、可撓性を有するシリコーンゴムなどの軟質材料で形成される。体内表面マスク57a及び57bの素材は限定されない。
第一実施形態における人体模型10は、更に、図7及び図8に示されるように、上述した模擬部位を変形又は変位させる機構を有する。上述した舌可変機構はその一つである。舌可変機構として、舌押圧機構63と舌押圧機構65とが設けられている。その他、人体模型10は、模擬部位を変形又は変位させる機構として食道押圧機構66を有している。
図7は、麻酔中の気道及び飲食物通路の狭窄状態を模擬する人体模型10の動きを示す模式図であり、図8は、嚥下反射時の人体模型10の動きを示す模式図である。
人は、麻酔中、仰向けで横になっている状態では、舌根部が後方に移動し(垂れ下がり)、食道部が狭窄状態となる。第一実施形態における人体模型10は、このような麻酔中の人体の状態を模擬するべく、舌押圧機構65及び食道押圧機構66を作動することにより、図7に示されるような人体の状態を実現する。
また、挿管などの医療行為時においても嚥下反射は起こる。第一実施形態における人体模型10は、このような嚥下反射を模擬するべく、舌押圧機構63を作動することにより、図8に示されるような人体の状態を実現する。
舌押圧機構63は、模擬舌部51の内部(中空部であり、模擬舌部51における表面より内側の部分)に設けられており、模擬舌部51を内側から上方に押圧して模擬舌部51の上側表面を上方に変位させる機構である。舌押圧機構63は、第二押圧機構に相当する。第一実施形態では、舌押圧機構63は、図8に示されるように、模擬舌部51を形成する体内表面マスク57bの形状を上方に突出するように変形させる。
舌押圧機構63は、例えば、シリンダ及びシリンダに対して往復運動するロッドにより実現可能である。この場合、シリンダのロッド自体で模擬舌部51の上側の裏面(中空部上面)を押すことで、模擬舌部51の上側表面を上方に変位させてもよい。また、シリンダのロッドと当接するリンクの動きにより、当該変位を実現してもよい。舌押圧機構63は、他の手法により実現されてもよく、例えば、空気等の出し入れで膨張及び収縮する袋体により実現されてもよい。このように、舌押圧機構63の具体的構造は制限されない。
第一実施形態では、模擬舌部51を上方に突出するように変形させると、模擬喉頭蓋48が下垂して喉頭口49を塞ぐように形成されている。これは、模擬喉頭蓋48と模擬舌部51とが体内表面マスク57bで繋がることで実現可能である。他の方法として、模擬喉頭蓋48を形成する形状保持構造内に上向き状態から下垂状態へ変位可能な機構が設けられてもよい。この機構が舌押圧機構63の動作に連動するよう構成されていればよい。
舌押圧機構65は、模擬舌部51の内部(中空部)に設けられており、模擬舌部51を内側から後方に押圧して模擬舌部51の舌根部表面を後方に変位させる機構である。舌押圧機構65は、第一押圧機構に相当する。第一実施形態では、舌押圧機構65は、図7に示されるように、模擬舌部51を形成する体内表面マスク57bの形状を後ろ側に延伸変形させる。
舌押圧機構65は、例えば、可撓性を有し、空気等の出し入れにより収縮及び膨張可能な袋体により実現される。この場合、その袋体が図7に示されるように後方に向かって膨張するよう形成されていればよい。舌押圧機構65は、他の手法により実現されてもよく、例えば、シリンダのロッドの伸縮により実現することも可能である。この場合、シリンダのロッドがり模擬舌部51の舌根部の裏側(内側)から後方外側に押圧することにより、舌根部表面を後方に変位させることができる。このように、舌押圧機構65の具体的構造は制限されない。
第一実施形態では、舌押圧機構63と舌押圧機構65とが別々に設けられる例が示されたが、両者は、一つの構造又は複数の構造の組合せで実現されてもよい。例えば、一つの袋体と、この袋体の膨張方向を上方向と後方との二方向に規制する構造とで実現されてもよい。この場合、規制する方向を制御することで、舌押圧機構63と舌押圧機構65とを実現することができる。
食道押圧機構66は、人体模型10の食道部44の表面の裏側に設けられており、図7に示されるように、押圧して食道部44の後ろ側(背中側)の表面を前方に変位させる。食道押圧機構66は、第三押圧機構に相当する。第一実施形態では、食道押圧機構66は、食道部44を形成する体内表面マスク57aの形状を前方に延伸変形させる。これにより、少なくとも食道部44が狭窄状態とされる。
食道押圧機構66についても、舌押圧機構65と同様の袋体により実現可能である。また、食道押圧機構66についても、シリンダのロッドの伸縮により実現することも可能である。食道押圧機構66の具体的構造についても制限されない。
食道押圧機構66により、麻酔中、仰向けで横になっている患者における食道部の狭窄状態を再現することができるため、第一実施形態によれば、実践に即した高精度の訓練が可能となる。
第一実施形態では、食道押圧機構66は、食道部44の表面の裏側に設けられたが、食道部44の表面の裏側から咽頭喉頭部43kの表面の裏側にかけてより広い領域に設けられてもよい。この場合には、食道押圧機構66は、食道部44及び咽頭喉頭部43kを形成する体内表面マスク57aの形状を前方に延伸変形させ、食道部44及び咽頭喉頭部43kの周辺が狭窄状態とされる。
図9は、第一実施形態に係る医療シミュレータ1における人体模型10の制御に関する構成を概念的に示す図である。
図9に示されるように、医療シミュレータ1は、アクチュエータの動力源6、シミュレータ制御部7(以降、制御部7と略称する場合もある)、スピーカ8等を有する。スピーカ8は、音声出力部に相当する。
人体模型10は、上述したように、左肩シリンダ12a、右肩シリンダ12b、下顎シリンダ29、舌押圧機構63、舌押圧機構65、食道押圧機構66などのアクチュエータを備えている。動力源6は、このような各種アクチュエータのための動力源であり、例えば、コンプレッサやポンプなどである。例えば、左肩シリンダ12a、右肩シリンダ12b及び下顎シリンダ29が空気圧シリンダの場合、動力源6は、圧縮空気を供給するエアコンプレッサを含む。また、舌押圧機構65及び食道押圧機構66が上述のような袋体である場合、動力源6は、空気を出し入れするポンプを含む。第一実施形態では、人体模型10が備えるアクチュエータ及び動力源6のタイプは制限されない。
制御部7は、ハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)71、メモリ72、入出力インタフェース(I/F)ユニット73等を有する。
CPU71は、一般的な一以上のCPU又はMPU(Micro Processing Unit)であってもよいし、それに替え又はそれと共に、特定用途向け集積回路(ASIC)、DSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等であってもよい。
メモリ72は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)であり、補助記憶装置(ハードディスク等)を含んでもよい。
入出力I/Fユニット73は、CPU71で処理すべき又は処理された信号の入力又は出力を制御する機器であり、入出力パネル5等のユーザインタフェース装置、動力源6、人体模型10に設けられているセンサ、スピーカ8などに接続される。また、入出力I/Fユニット73は、他のコンピュータや機器との通信を行う通信ユニットを含んでもよく、可搬型記録媒体等にも接続され得る。
制御部7は、図9に図示されていないハードウェア要素を含んでもよく、制御部7のハードウェア構成は制限されない。
CPU71によりメモリ72に格納される制御プログラムが実行されることにより、制御部7は、人体模型10が有するセンサからの入力信号を受けつつ、動力源6の制御、スピーカ8からの音声出力の制御などを行う。当該制御プログラムは、出荷時に予め格納されてもいてもよいし、CD(Compact Disc)、メモリカード等のような可搬型記録媒体やネットワーク上の他のコンピュータから入出力I/Fユニット73を介してインストールされ、メモリ2に格納されてもよい。
制御部7の処理を説明する前に、人体模型10が有する各種センサについて説明する。
人体模型10は、図4に示されるように、舌根センサ76、咽頭センサ77、喉頭センサ78、気管センサ79等を有する。
舌根センサ76は、模擬舌部51の舌根部の表面周辺(例えば、体内表面マスク57bの表面又は裏面)に設けられており、模擬舌部51の舌根部表面への圧力を検出する。舌根センサ76は、第一センサに相当する。
咽頭センサ77は、咽頭部43の表面周辺(例えば、体内表面マスク57aの表面又は裏面)に設けられており、咽頭部43の表面への圧力を検出する。咽頭センサ77は、第一センサに相当する。
喉頭センサ78は、喉頭部47の表面周辺(例えば、体内表面マスク57bの表面又は裏面)に設けられており、喉頭部47の表面への圧力を検出する。喉頭センサ78は、第二センサに相当する。
気管センサ79は、気管部45の表面周辺(例えば、体内表面マスク57bの表面又は裏面)に設けられており、気管部45の表面への圧力を検出する。気管センサ79は、第二センサに相当する。
人体模型10は、鼻腔部41、口腔部42、食道部44などの他の部位にもセンサを有していてもよい。また、上述の各センサ76、77、78及び79の位置及び数は、図4に示される例に限定されない。
上述の各センサ76、77、78及び79による圧力の検出には公知の様々な圧力検出手法が利用可能である。例えば、公知の圧力検出手法として、ゲージの変形に伴う抵抗値の変化により圧力を検出する拡散式と呼ばれる圧力検出手法や、静電容量式、機械式などと呼ばれる他の手法が存在する。また、受光素子で受光される光の量の変化により圧力を検出する手法が利用されてもよい。
また、上述の各センサ76、77、78及び79は、圧力の有無、即ち、対象表面に接触したか否かを検出してもよいし、所定の閾値以上の圧力の有無を検出してもよいし、詳細な圧力値を測定してもよい。
各センサ76、77、78及び79による検出信号は、制御部7に送られ、入出力I/Fユニット73を介してCPU71により処理される。
以下、制御部7の具体的処理内容について説明する。但し、以下に説明する内容は例示であるため、制御部7は、その他の処理を実行してもよい。
(麻酔中の再現)
制御部7は、麻酔中に対応する所定契機に応じて、舌押圧機構65及び食道押圧機構66に押圧させて、模擬舌部51の舌根部表面を後方に移動させ、かつ、食道部44を狭窄させる。具体的には、制御部7は、動力源6に指示を出すことにより、舌押圧機構65及び食道押圧機構66を駆動する。例えば、舌押圧機構65及び食道押圧機構66が袋体で実現されている場合、制御部7は、その袋体に空気を供給するように動力源6に指示を送る。
これにより、図7に示されるように、麻酔中の患者が仰向けで横になっている際の患者の体の状態に近い状態を人体模型10において再現することができる。
ここで、麻酔中に対応する所定契機については何ら制限されない。例えば、制御部7は、入出力パネル5に麻酔中か否かの選択メニューを表示させており、その選択メニューに対するユーザ操作において麻酔中が選択されたことを検出することを当該所定契機とすることができる。他の例として、制御部7は、任意のタイミングで通常状態から麻酔中に自動で切り替えてもよく、この切り替えを当該所定契機とすることもできる。
(咽頭反射の再現)
また、制御部7は、舌根センサ76又は咽頭センサ77による圧力検出に応じて、舌押圧機構65に押圧させて、模擬舌部51の舌根部表面を後方に変位させ、かつ、スピーカ8に嘔気発話を出力させることもできる。具体的には、制御部7は、舌根センサ76及び咽頭センサ77からの検出信号に基づいて、舌根センサ76又は咽頭センサ77により圧力が検出されたか否かを判定する。制御部7は、圧力が検出されたと判定すると、上述したように、動力源6に指示を出すことにより、舌押圧機構65を駆動する。更に、制御部7は、メモリ72に予め格納されている嘔気発話の音声データを読み出し、その音声データを再生することにより、スピーカ8に嘔気発話を出力させる。
人は、舌根部や咽頭部43に物が触れると咽頭反射を起こす。経口気管挿管や経口内視鏡検査などでは、このような咽頭反射が生じる場合があり得る。制御部7の上述の処理によれば、この咽頭反射を人体模型10において再現することができるため、第一実施形態によれば、医療現場における実践に即した高精度の訓練が可能となる。
(嚥下反射の再現)
制御部7は、嚥下反射に対応する所定契機に応じて、舌押圧機構63に模擬舌部51を内側から上方に押圧させ、かつ、模擬喉頭蓋48を下垂させる。具体的には、制御部7は、動力源6に指示を出すことにより、舌押圧機構63を駆動する。例えば、舌押圧機構63がシリンダ及びシリンダ内のピストンにより往復運動するロッドで実現されている場合、制御部7は、そのシリンダに圧縮空気を供給するように動力源6に指示を送る。第一実施形態では、模擬舌部51の上方への変形により模擬喉頭蓋48が下垂して喉頭口49を塞ぐように形成されているため、舌押圧機構63の駆動に伴い模擬喉頭蓋48を下垂させることができる。
経口気管挿管や経口内視鏡検査などでは、患者は、反射的に嚥下動作を行う場合がある。上述のような制御部7の制御によれば、図8に示されるように、嚥下時の患者の体内の動きを人体模型10において再現することができる。これにより、第一実施形態によれば、医療現場における実践に即した高精度の訓練が可能となる。
(咳嗽の再現)
更に、制御部7は、喉頭センサ78又は気管センサ79による圧力検出に従って、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bに、上顎支持プレート18(上顎支持部)を上下方向に回動させ、かつ、スピーカ8に咳嗽音を出力させることもできる。具体的には、制御部7は、喉頭センサ78及び気管センサ79からの検出信号に基づいて、喉頭センサ78又は気管センサ79により圧力が検出されたか否かを判定する。制御部7は、圧力が検出されたと判定すると、動力源6に指示を出すことにより、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bを駆動し、左首ロッド13a及び右首ロッド13bを往復運動させる。更に、制御部7は、メモリ72に予め格納されている咳嗽音の音声データを読み出し、その音声データを再生することにより、スピーカ8に咳嗽音を出力させる。
人は、気道などにある異物を除去するべく咳嗽反射を行う。よって、気管挿管時などの際には、咳嗽反射が起こる場合がある。咳嗽反射時には、急激に息を吐き出す動作が行われ、このとき、コンコン、ゴホンゴホンなどのような咳嗽音が聞こえる。第一実施形態では、上顎支持プレート18を上下方向に回動することで人体模型10の頭部を上下方向に動かし(激しいうなずき動作に近似)、更に、咳嗽音を出力することで、咳嗽時の患者の動きを再現することができる。
[第二実施形態]
以下、第二実施形態に係る医療シミュレータ1について説明する。
第二実施形態に係る医療シミュレータ1は、第一実施形態の構成に加えて、鼻中隔弯曲と食道拡張とを更に再現している。以下の説明では、第一実施形態と同一の内容については説明を適宜割愛し、第一実施形態の内容とは異なる内容を中心に説明する。
まずは、図10から図13を用いて、第二実施形態で再現している食道拡張について詳述する。
図10は、第二実施形態における人体模型10の骨組み構造に設けられた模擬甲状軟骨部85の側面図である。図11は、模擬甲状軟骨部85を上方から見た図である。図12は、模擬甲状軟骨部85の分解図である。図13は、模擬甲状軟骨部85の動作を概念的に示す図である。
図10に示されるように、模擬甲状軟骨部85は、人体模型10の喉頭部に設けられており、その背面側において左支持バネ部86a及び右支持バネ部(図示せず)を介して左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bに連結されている。左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bが首支持部に相当し、左支持バネ部86a及び右支持バネ部が第一バネ部材に相当する。なお、図10では、模擬甲状軟骨部85及び左支持バネ部86aが実線で示され、それ以外の骨組み構造は破線で示されている。
模擬甲状軟骨部85の内側には、図10の長破線で示されるように、食道部44及び気管部45が挿通されている。食道部44及び気管部45の体内表面は、第一実施形態で述べたように、可撓性を有する体内表面マスク57a及び体内表面マスク57bで形成されている。即ち、食道部44及び気管部45は、体内表面マスク57a及び体内表面マスク57bで形成される管状部材によりそれぞれ形成されている。具体的には、体内表面マスク57a及び体内表面マスク57bにより形成された管状体の内側表面で咽頭部43の体内表面が実現されており、その管状体が分岐して、一方の管状体(管状部材)が食道部44を実現し、他方の管状体(管状部材)が喉頭部及び気管部45を実現している。
模擬甲状軟骨部85は、食道部44の管状部材及び気管部45の管状部材よりも硬質な材料で形成されており、その内側に食道部44の管状部材及び気管部45の管状部材を通す。即ち、模擬甲状軟骨部85は、人体における甲状軟骨及び輪状軟骨を模擬した構造を有している。
左支持バネ部86a及び右支持バネ部は、左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bに対して前後方向、左右方向、及び上下方向に移動可能に模擬甲状軟骨部85を左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bに連結する。左支持バネ部86a及び右支持バネ部は、伸縮及び傾倒可能であり、弾性変形可能であればよく、例えば、コイルバネ、板バネなどが利用可能である。但し、左支持バネ部86a及び右支持バネ部の素材及び形状については何ら制限されない。
このように第二実施形態では、模擬甲状軟骨部85が、食道部44及び気管部45の管状体(管状部材)が挿通された状態で、左首支持プレート11a及び右首支持プレート11b(首支持部)と、伸縮及び傾倒可能なバネ部材(第一バネ部材)により連結されている。これにより、模擬甲状軟骨部85は、外力が作用することにより、頸部に対して前後左右上下に移動可能となっており、人体の甲状軟骨周辺の構造がリアルに再現されている。結果、BURP(Back-Up-Right-Pressure)法と呼ばれる気管挿管時に声帯を見易くする手技の訓練などを現実に即した状態で行うことができる。
模擬甲状軟骨部85は、図12に示されるように、気管側軟骨部90及び食道側軟骨部91から構成されている。気管側軟骨部90は前方側に配置され、食道側軟骨部91は気管側軟骨部90よりも後方側に配置される。図11に示されるように、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91との組み合わせにより、食道部44の管状部材が挿通される食道通路部89及び気管部45の管状部材が挿通される気管通路部88が実現されている。このように、模擬甲状軟骨部85はその内部に気管通路部88及び食道通路部89を有している。
より具体的には、気管側軟骨部90には上下方向(図11の紙面に直交する方向)の貫通孔が設けられており、この貫通孔により気管通路部88が実現されている。この貫通孔に気管部45の管状部材が挿通される。気管側軟骨部90は、甲状軟骨及び輪状軟骨の前側一部を再現している。
一方で、食道側軟骨部91は、上下方向に延設された咽頭プレート99、咽頭プレート99の左右両側に設けられた左軟骨壁93a及び右軟骨壁93b、咽頭プレート99の下端に設けられた食道通路ボックス94などを有する。
咽頭プレート99は、前方及び後方に主要な二つの平面(以降、主面と表記する)を持つ。咽頭プレート99の前方の主面は、気管側軟骨部90と組み合わされている状態において、気管側軟骨部90に覆われる下方部分と気管側軟骨部90に覆われない上方部分とに分けられる。咽頭プレート99のその上方部分は、図10に示されるように、下側から上側にかけて後方に緩やかに傾斜している。咽頭プレート99のこの上方部分は、体内表面マスク57bに覆われることにより、咽頭の後壁を形成する。
また、咽頭プレート99の前方の主面における、気管側軟骨部90で覆われる下方部分、言い換えれば、食道通路部89が形成される部分には、図12に示されるように、食道係止孔98が設けられている。本実施形態では、食道係止孔98は、咽頭プレート99の主面を前後方向に貫通しており、食道部44の管状部材の外表面に設けられた凸部がこの食道係止孔98に嵌められることで、食道部44が模擬甲状軟骨部85に係止される。
左軟骨壁93a及び右軟骨壁93bは、咽頭プレート99の下方の左側方又は右側方において、前方に立設されている。左軟骨壁93a及び右軟骨壁93bの前方端面(上面)は、気管側軟骨部90の後方側の面と接合可能となっている。左軟骨壁93a及び右軟骨壁93bは、咽頭プレート99の前方の主面と気管側軟骨部90の後方側(背面側)の壁面と共に、食道通路部89を形成する。このように、本実施形態では、食道通路部89は、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91との組み合わせにより形成される。
食道通路ボックス94は、中空の略方形状の箱体であり、上下の各面に食道部44の管状部材が挿通される開口を有している。上述のように左軟骨壁93a、右軟骨壁93b、咽頭プレート99などで形成される食道通路部89は、食道通路ボックス94の上面の開口を通り、下面に設けられた開口で終端となる。食道通路ボックス94の下面に設けられた開口は符号95で示されており、食道通路開口95と表記される。食道通路ボックス94の内部で食道部44の管状部材を固定することもできる。
更に、本実施形態では、模擬甲状軟骨部85は、4つの分離バネ部105と、2つの軟骨ワイヤ108とを更に有する。図13では、4つの分離バネ部105のうち2つの分離バネ部105のみが概念的に図示されており、2つの軟骨ワイヤ108のうち1つの軟骨ワイヤ108のみが概念的に図示されている。なお、図13は概念図であるため、分離バネ部105及び軟骨ワイヤ108が図示されるように視認可能なわけではない。
分離バネ部105は、少なくとも長手方向に伸縮可能であり、弾性変形可能であればよく、例えば、コイルバネが利用可能である。但し、分離バネ部の素材及び形状については何ら制限されない。
各分離バネ部105は、気管側軟骨部90に設けられたバネ孔と食道側軟骨部91に設けられたバネ孔とにそれぞれ収容されている。即ち、各分離バネ部105は、食道側軟骨部91の左軟骨壁93a及び右軟骨壁93bにそれぞれ2つずつ設けられたバネ孔100a、101a、100b、又は101bと、これら各バネ孔に対応するように気管側軟骨部90に設けられた4つのバネ孔(図示せず)のいずれか一つとによって形成される空間にそれぞれ収容されている。例えば、1つの分離バネ部105は、左軟骨壁93aのバネ孔100aに差し込まれており、他の1つの分離バネ部105は、左軟骨壁93aのバネ孔101aに差し込まれている。
本実施形態では、分離バネ部105は、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とを離間させる方向(分離させる方向)に付勢する。更に言えば、本実施形態において、分離バネ部105の付勢方向は、人体模型10の前後方向に対して斜め上方向である(図13の破線矢印D1)。本実施形態では、バネ孔100a、101a、100b、101bの深さ方向が人体模型10の前後方向に対して斜め上下方向に設けられており、各バネ孔の深さ方向に各分離バネ部が伸縮することで、当該付勢方向が実現されている。このような分離バネ部105の付勢力により、気管側軟骨部90が食道側軟骨部91に対して分離バネ部105の付勢方向に移動する。このようにして人間の甲状軟骨の動きをリアルに再現している。
軟骨ワイヤ108は、分離バネ部105の付勢方向(バネ孔の深さ方向)に平行して、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91との間に架け渡されており、その一端に設けられた球状体109が気管側軟骨部90に固定されており、気管側軟骨部90及び食道側軟骨部91を通過して他端が軟骨アクチュエータ110に連結されている。
本実施形態では、2つの軟骨ワイヤ108が、食道側軟骨部91の左軟骨壁93a及び右軟骨壁93bに一つずつそれぞれ設けられたワイヤスリット103a及び103bに挿通され、気管側軟骨部90の左右両端に設けられた嵌合開口部(嵌合開口部104aのみが図示されている)にその端部の球状体109が嵌合されて固定されている。
軟骨ワイヤ108に連結されている軟骨アクチュエータ110は、模擬甲状軟骨部85に動力を付与する第一アクチュエータに相当し、エアシリンダであってもよいし、油圧又は電気式のシリンダであってもよいし、モータなどの回転動力を生み出すものであってもよい。なお、軟骨ワイヤ108とその軟骨アクチュエータ110の連結は、他の構造を介して間接的に連結されてもよい。
軟骨ワイヤ108は、軟骨アクチュエータ110の動力により気管側軟骨部90を食道側軟骨部91に近づく方向に引かれる。一方で、食道側軟骨部91の後方側(背面側)は、左支持バネ部86a及び右支持バネ部を介して左首支持プレート11a及び右首支持プレート11bに連結支持されている。結果、軟骨ワイヤ108は、分離バネ部105の付勢力の反力を気管側軟骨部90に付与し、この付勢力により気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とは分離しないように繋ぎ止められている。このように、軟骨ワイヤ108は、第二バネ部材(分離バネ部105)の付勢力の反力を気管側軟骨部90又は食道側軟骨部91に付与する反力付与部材と呼ぶことができる。本実施形態では、軟骨ワイヤ108が付与する反力は、分離バネ部の付勢方向の逆向き(図13の破線矢印D2)に作用する。
このような構造により、軟骨ワイヤ108が軟骨アクチュエータ110の動力により引かれ、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とが接合すると、図11に示されるように、食道通路部89は、気管側軟骨部90の後方側の壁面と咽頭プレート99の前方の主面とに押しつぶされ、その横断面積が小さくなる。結果、食道通路部89を通る食道部44の管状部材も狭窄状態となる。ここでの狭窄状態は、完全に潰れた状態ではなく、或る程度、隙間の空いた状態である。また、食道通路部89の横断面積とは、食道通路部89(空間)を食道部44の管状部材の挿通方向に直交する平面で切断した場合のその空間の面積である。人体においても通常時には食道は押しつぶされている状態となっているため、本実施形態では、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とを接合させることで、人体の通常状態時を再現している。
逆に、軟骨ワイヤ108の引力が弱まり、分離バネ部105の付勢力が優位となると、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とが離間する。気管側軟骨部90の食道側軟骨部91に対する離間方向は、分離バネ部105の付勢方向に略一致しているため、このような模擬甲状軟骨部85の動きは人間の甲状軟骨の動きに近似する。気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とが離間すると、図11において、気管側軟骨部90が紙面上方に移動するため、食道通路部89の横断面積が拡がる。結果、食道通路部89を通る食道部44の管状部材の横断面積も拡がる。
このように、模擬甲状軟骨部85は、軟骨アクチュエータ110の動力を用いて食道通路部89の少なくとも一部の横断面積を変える通路変形機構を有しているということができる。一方で、気管通路部88は、気管側軟骨部90の貫通孔により実現されており、気管側軟骨部90が移動したとしても、その横断面積が変わらないようになっている。
本実施形態では、このように甲状軟骨周辺の動きをリアルに再現しながら、食道拡張を実現する。
ところで、食道部44の管状部材は、食道通路部89の横断面積の拡張及び縮小に追随するように構成されている。この追随は、食道部44の管状部材の弾性変形性により実現されてもよいし、当該管状部材の外表面が食道通路部89を形成する壁面に接着されることで実現されてもよいし、他の手法により実現されてもよい。
また、模擬甲状軟骨部85における食道通路部89の少なくとも一部の横断面積を変える通路変形機構は、上述した構造に限定されない。例えば、食道側軟骨部91にも気管側軟骨部90と同様に上下方向の貫通孔が設けられており、その貫通孔が食道通路部89とされてもよい。この場合、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とは別部材が設けられ、この部材が食道側軟骨部91の貫通孔を途中まで塞ぐように移動してもよい。
上述した分離バネ部105の付勢力は、収縮した状態で分離バネ部105がバネ孔に収容されているため、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とを分離させる方向に作用するが、分離バネ部105の両端がバネ孔で固定されかつ分離バネ部105が伸張した状態でバネ孔に収容されている場合には、逆方向に作用する。即ち、分離バネ部105の付勢力の方向を、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とを引き付け合う方向に作用させることもできる。この場合には、その反力は、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とを離間させる方向に作用させればよく、軟骨ワイヤ108は、軟骨アクチュエータ110の動力により模擬甲状軟骨部85に対して押し出される方向の外力を受ければよい。この場合、軟骨ワイヤ108には、ワイヤ部材よりも曲げ剛性の大きいスライド部材(金属製など)が用いられることが望ましい。
また、上述の構成では、分離バネ部105の付勢力の反力は、気管側軟骨部90に付与したが、食道側軟骨部91に付与されてもよい。この場合には、気管側軟骨部90が別途固定(支持)され、食道側軟骨部91が気管側軟骨部90に接近又は離間する方向に移動されてもよい。
即ち、模擬甲状軟骨部85は、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とを引き付け合う方向又は離間させる方向に付勢する第二バネ部材(分離バネ部など)と、その第二バネ部材の付勢力の反力を気管側軟骨部90又は食道側軟骨部91に付与する反力付与部材とを含むと表記することもできる。上述した軟骨アクチュエータ110の動力が当該反力として用いられることで、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91が接近又は離間し、結果として、食道通路部89の少なくとも一部の横断面積を変えることができる。
第二実施形態に係る医療シミュレータ1における人体模型10の制御に関する構成は、第一実施形態と同様である(図9参照)。但し、制御部7における次のような処理内容が第一実施形態とは異なる。以下、第一実施形態とは異なる制御部7の処理内容を中心に説明する。
(咽頭反射の再現)
第二実施形態では、咽頭反射(嘔吐反射)時の食道拡張を再現する。
即ち、制御部7は、舌根センサ76又は咽頭センサ77による圧力検出に応じて、軟骨アクチュエータ110を動作させて、食道通路部89の少なくとも一部の横断面積を拡げる。具体的には、制御部7は、舌根センサ76及び咽頭センサ77からの検出信号に基づいて、舌根センサ76又は咽頭センサ77により圧力が検出されたと判定すると、動力源6に指示を出すことにより、軟骨アクチュエータ110を動作させて、軟骨ワイヤ108の引力を弱める。結果、分離バネ部105の付勢力が優位となり、気管側軟骨部90が食道側軟骨部91から離間し、食道通路部89の横断面積が拡張し、食道部44の管状部材が拡張する。所定時間経過後、制御部7は、更に動力源6に指示を出すことで、軟骨アクチュエータ110を動作させて軟骨ワイヤ108を引いて、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とを接合させる。これにより、咽頭反射で拡張された食道部44が通常時の潰れた状態に戻る。
このとき、制御部7は、第一実施形態のように、模擬舌部51の舌根部表面を後方に変位させ、かつ、スピーカ8に嘔気発話を出力させることもできる。更に、制御部7は、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bに、上顎支持プレート18(上顎支持部)を上下方向に回動させて人体模型10の頭部を上下方向に動かすこともできる。
このようにすれば、咽頭反射(嘔吐反射)時の食道拡張を再現することができるため、咽頭反射(嘔吐反射)のリアリティを向上させることができ、医療現場における訓練精度を実践に即してより向上させることができる。
加えて、制御部7は、下顎シリンダ29に下顎ロッド27を前後方向に往復動作させることで下顎骨部17を回動させて、人体模型10の口を開閉することもできる。例えば、制御部7は、舌根センサ76又は咽頭センサ77による圧力検出に応じて、軟骨アクチュエータ110を動作させて食道通路部89の少なくとも一部の横断面積を拡げ、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bを動作させて人体模型10の頭部を上下方向に動かし、下顎シリンダ29を動作させて人体模型10の口を開け、かつ、スピーカ8に嘔気発話を出力させることもできる。
このようにすれば、咽頭反射(嘔吐反射)時の身体の動作をリアルに再現することができ、実践に即した高精度の訓練が可能となる。
(嚥下反射の再現)
経鼻又は経口内視鏡検査時には、食道に内視鏡を入れなければならないところ、通常状態では、食道は潰れた状態のため、内視鏡を挿入し難い状態である。このため、医師は、唾を飲み込んでくださいといった語りかけにより嚥下を促し、嚥下により食道が拡張する間に内視鏡を食道に挿入する。そこで、第二実施形態では、嚥下反射時の食道拡張を再現する。
即ち、制御部7は、嚥下反射に対応する所定契機に応じて、軟骨アクチュエータ110を動作させて、食道通路部89の少なくとも一部の横断面積を拡げる。具体的には、制御部7は、嚥下反射に対応する所定契機に応じて、動力源6に指示を出すことにより、軟骨アクチュエータ110を動作させて、軟骨ワイヤ108の引力を弱める。結果、分離バネ部105の付勢力が優位となり、気管側軟骨部90が食道側軟骨部91から離間し、食道通路部89の横断面積が拡張し、食道部44の管状部材が拡張する。所定時間経過後、制御部7は、更に動力源6に指示を出すことで、軟骨アクチュエータ110を動作させて軟骨ワイヤ108を引いて、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とを接合させる。これにより、嚥下反射で拡張された食道部44が通常時の潰れた状態に戻る。
このとき、制御部7は、舌押圧機構63に模擬舌部51を内側から上方に押圧させ、かつ、模擬喉頭蓋48を下垂させることもできる。
嚥下反射に対応する所定契機については何ら制限されない。例えば、制御部7は、入出力パネル5に嚥下の実行メニューを表示させており、その実行メニューに対するユーザ操作が検出されたことを当該所定契機とすることができる。他の例として、制御部7は、任意(ランダム)のタイミングで嚥下反を実行させてもよく、そのタイミングの発生を当該所定契機とすることもできる。
このようにすれば、嚥下反射として、食道拡張を再現することができるため、嚥下反射のリアリティを向上させることができ、医療現場における訓練精度を実践に即してより向上させることができる。
次に、図14を用いて、第二実施形態で再現している鼻中隔弯曲について詳述する。
図14は、第二実施形態における人体模型10の鼻腔部41周辺の構造を示す断面模式図である。右上に示される人体模型10の断面模式図における線DLで切断し前方側から目視した断面の一部が示されている。
図14に示されるように、鼻腔部41は、鼻中隔プレート部80により左右に区分けされている。鼻中隔プレート部80を介して左側が左鼻腔部41aと表記され、右側が右鼻腔部41bと表記される。
鼻中隔プレート部80は、鼻中隔を模擬し、人体模型10の骨組み構造である上顎骨部16、上顎支持プレート18などと同程度の硬質材料で形成される。例えば、鼻中隔プレート部80の素材には、金属又は樹脂が用いられる。鼻中隔プレート部80は、上顎支持プレート18の上面における前方から目視した場合の中央に立設されている。鼻中隔プレート部80と上顎支持プレート18とは結合されている。
左鼻腔部41a及び右鼻腔部41bの体内表面は、第一実施形態で述べたとおり、体内表面マスク57aにより形成されており、左鼻腔部41a及び右鼻腔部41bの形状は、上鼻甲介、中鼻甲介、下鼻甲介などを模した形状保持構造により形作られている。
第二実施形態では、左鼻腔変形機構81a及び右鼻腔変形機構81bが更に設けられている。
左鼻腔変形機構81aは、鼻中隔プレート部80の左鼻腔部41a側と左鼻腔部41aの体内表面との間に介在し、左鼻腔部41aの体内表面を変位させて左鼻腔部41aを狭めることができる。
右鼻腔変形機構81bは、鼻中隔プレート部80の右鼻腔部41b側と右鼻腔部41bの体内表面との間に介在し、右鼻腔部41bの体内表面を変位させて右鼻腔部41bを狭めることができる。
左鼻腔変形機構81a及び右鼻腔変形機構81bは、例えば、空気等の出し入れで膨張及び収縮する袋体(エアパック)により実現可能である。また、左鼻腔変形機構81a及び右鼻腔変形機構81bは、シリンダ及びシリンダに対して往復運動するロッドにより実現されてもよいし、その他の手法で実現されてもよい。左鼻腔変形機構81a及び右鼻腔変形機構81bの具体的構造は制限されない。
左鼻腔変形機構81a及び右鼻腔変形機構81bは、制御部7が動力源6を動作させることで自動的に動作させることができる。例えば、制御部7は、入出力パネル5に対するユーザ操作を検出したことを契機に動力源6を動作させることで、左鼻腔変形機構81a及び右鼻腔変形機構81bを動作させ、左鼻腔部41a又は右鼻腔部41bのいずれか一方又は両方を狭める又はもとに戻すことができる。
鼻中隔の弯曲により左鼻腔部41a又は右鼻腔部41bのいずれか一方が狭くなっている人が存在する。このような人に対して経鼻内視鏡や経鼻挿管を行う場合、医師は、手技を行い易い鼻腔を左か右かで選ぶことになる。
第二実施形態では、左鼻腔変形機構81a又は右鼻腔変形機構81bのいずれか一方を動作させることで、鼻中隔の弯曲を再現し、左鼻腔部41a又は右鼻腔部41bのいずれか一方を狭めることができる。もちろん、左鼻腔変形機構81a及び右鼻腔変形機構81bを元の状態に戻すことで、左鼻腔部41a及び右鼻腔部41bの体内表面の変位も元に戻し、結果として、鼻中隔が弯曲していない状態に戻すこともできる。
これにより、様々な人の鼻腔の状態をリアルに再現することができ、実践に即した高精度な訓練を行うことができる。
[変形例]
上述の各実施形態はそれぞれ、医療シミュレータ1の例示である。医療シミュレータ1は、上述の全ての構成を有する必要はなく、その一部の構成を有していてもよい。
例えば、少なくとも挿管手技の訓練を可能とするべく、頭部から頸部にかけての人体外形、口腔部42、鼻腔部41、咽頭部43、喉頭部47、気管部45、及び食道部44をそれぞれ模した人体模型10を有する医療シミュレータ1であってもよい。即ち、人体模型10の外形は、胸部や腹部を有していなくてもよく、人体模型10は、気管支部及び胃部を有していなくてもよい。
医療シミュレータ1は、人体模型10の口腔部42に設けられ、可撓性を有する模擬舌部51と、模擬舌部51の内部に設けられ、模擬舌部51を変形又は変位させる舌可変機構と、舌可変機構を制御する制御部7と、を備えていればよい。そして、舌可変機構は、模擬舌部51を内側から後方に押圧して模擬舌部51の舌根部表面を後方に変位させる第一押圧機構(図4の舌押圧機構65)を含んでいればよく、制御部7は、所定の契機に応じて、その第一押圧機構の押圧動作を制御すればよい。人体模型10は、図4に図示されるその他の構成、例えば、舌押圧機構63、上歯構造体46a、下歯構造体46bなどを備えていなくてもよいし、図2及び図3に示される頭部や下顎を動かす骨組み構造及びアクチュエータを備えていなくてもよい。
このようなシンプルな構成であっても、制御部7の制御により、所定の契機で、人体模型10の口腔部42に設けられた模擬舌部51の舌根部表面が後方に変位する。これにより、麻酔中や咽頭反射時などの患者の体の状態をリアルに再現することができる。
また、医療シミュレータ1は、第二実施形態で付加された構成要素のみを備えていてもよい。例えば、医療シミュレータ1は、人体模型10の頸部の骨組みとして頭部にかけて延設されている首支持部(左首支持プレート11a及び右首支持プレート11b)と、この首支持部と第一バネ部材(左支持バネ部86a)により連結されており、人体模型10の喉頭部に配置された模擬甲状軟骨部85とを備えていればよい。この場合、人体模型10の食道部44及び気管部45は、可撓性を有する管状部材(体内表面マスク57a及び57b)により形成されており、模擬甲状軟骨部85は、それら管状部材よりも硬質な材料で形成されており、食道部44の管状部材が挿通される食道通路部89及び気管部45の管状部材が挿通される気管通路部88を内部に有していればよい。
他の例として、医療シミュレータ1は、第一バネ部材(左支持バネ部86a)及び首支持部(左首支持プレート11a及び右首支持プレート11b)を持たず、人体模型10の人体模型10の喉頭部に配置された模擬甲状軟骨部85を備えていてもよい。この場合も、人体模型10の食道部44及び気管部45は、可撓性を有する管状部材(体内表面マスク57a及び57b)により形成されていればよい。模擬甲状軟骨部85は、食道部44の管状部材が挿通される食道通路部89と、気管部45の管状部材が挿通される気管通路部88と、人体模型10の前面側に配置され気管通路部88の少なくとも一部を形成する気管側軟骨部90と、人体模型10の背面側に配置され食道通路部89の少なくとも一部を形成する食道側軟骨部91と、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91とを引き付け合う方向又は離間させる方向に付勢する第二バネ部材(分離バネ部105)と、その第二バネ部材の付勢力の反力を気管側軟骨部90又は食道側軟骨部91に付与する反力付与部材(軟骨ワイヤ108)とを含んでおり、気管側軟骨部90と食道側軟骨部91との接近又は離間により、食道通路部89の少なくとも一部の横断面積が変わるよう構成されていればよい。
舌根部表面が後方に変位するのは、麻酔中、咽頭反射時などである。よって、制御部7は、例えば、麻酔中に対応する所定契機又は咽頭反射に対応する所定契機に応じて、第一押圧機構を制御すればよい。第一押圧機構を制御する当該所定の契機は、入出力パネル5に対するユーザ操作の検出、各種センサの検出、ユーザの音声認識などどのような契機であってもよい。
このような構成を有する医療シミュレータ1であっても、少なくとも、麻酔中や咽頭反射時の舌根部の状態が再現できるため、単に人体外形及び器官を模擬するに過ぎないシミュレータに比べて、挿管手技などの医療手技に関して、実践に即した高精度の訓練が可能となる。
また、麻酔中における筋肉等が弛緩した状態を再現することもできる。この場合、制御部7は、麻酔中に対応する所定契機に応じて、人体模型10が備えるアクチュエータの少なくとも一つを無負荷状態とすればよい。具体的には、制御部7は、麻酔中に対応する所定契機に応じて、左首シリンダ12a及び右首シリンダ12b、下顎シリンダ29、並びに軟骨アクチュエータ110の全て又は一以上を無負荷状態とすることができる。
ここでアクチュエータの無負荷状態とは、動力を出力していないときにアクチュエータに加えられる動力に対して反力としての負荷をかけない状態を意味する。例えば、アクチュエータがエアシリンダである場合には、エアシリンダ内の圧縮空気を抜くことで、エアシリンダを無負荷状態とすることができる。その他、アクチュエータからの動力を伝達するリンクの一部を解除することも、アクチュエータを無負荷状態とする手法に含まれる。
このように麻酔中に対応する所定契機に応じて少なくとも一つのアクチュエータを無負荷状態とすることで、麻酔中における筋肉等が弛緩した状態をリアルに再現することができ、実践に即した高精度の訓練が可能となる。
また、再現される医療現場における患者の体の状態は、上述の例のみに制限されず、他の状態が再現されてもよい。例えば、開口障害や頭部の可動域障害が再現されてもよい。
開口障害では、口の開きが制限される。各実施形態では、下顎骨部17の回動可能範囲を制限することにより、この開口障害を再現することができる。例えば、下顎骨部17若しくは下顎リンク26の回動可能範囲、又は下顎ロッド27のスライド範囲を制限する機構(ピンなど、図示せず)を手動又は自動(制御部7の制御)で作用させてもよい。また、下顎シリンダ29内のピストンのスライド範囲が制御部7の制御により制限されてもよい。
上顎支持プレート18の上方への回動可能範囲を制限する機構(ピンなど、図示せず)を設けることにより、頭部の可動域障害を再現することもできる。この場合も、その機構を手動又は自動(制御部7の制御)で作用させることができる。
上述したとおり、上述の各実施形態は医療シミュレータ1の例示であるため、頭部の傾き動作及び口の開閉動作を実現するための構造は、言うまでもなく上述の各実施形態の例に限定されない。このため、例えば、下顎ロッド27のスライド方向と口の開閉動作との関係は、上述の各実施形態の逆であってもよい。即ち、下顎ロッド27が後方にスライドすることにより口が開き、下顎ロッド27が前方にスライドすることにより口が閉じる構造が採用されてもよい。この場合、口の開きを制限する機構としてロッド及びシリンダが設けられ、そのロッドの出し入れにより、下顎ロッド27が後方にスライドする(下顎シリンダ29内に入る)範囲が制限されてもよい。また、左肩シリンダ12a及び右肩シリンダ12bはそれぞれ2個のシリンダが縦列(上下)に並ぶ構成とされてもよい。この場合、各シリンダのロッドの出し入れにより、頭部の可動域を制限することができる。
上述した各実施形態の内容は、次のように特定することもできる。
(付記1)少なくとも頭部から頸部にかけての人体外形、口腔部、鼻腔部、咽頭部、喉頭部、気管部、及び食道部をそれぞれ模した人体模型を有し、少なくとも挿管手技の訓練を可能とする医療シミュレータにおいて、
前記人体模型の前記喉頭部に配置された模擬甲状軟骨部、
を備え、
前記人体模型の前記食道部は、可撓性を有する管状部材により形成されており、
前記人体模型の前記気管部は、可撓性を有する管状部材により形成されており、
前記模擬甲状軟骨部は、
前記食道部の前記管状部材が挿通される食道通路部と、
前記気管部の前記管状部材が挿通される気管通路部と、
前記人体模型の前面側に配置され、前記気管通路部の少なくとも一部を形成する気管側軟骨部と、
前記人体模型の背面側に配置され、前記食道通路部の少なくとも一部を形成する食道側軟骨部と、
前記気管側軟骨部と前記食道側軟骨部とを引き付け合う方向又は離間させる方向に付勢する第二バネ部材と、
前記第二バネ部材の付勢力の反力を前記気管側軟骨部又は前記食道側軟骨部に付与する反力付与部材と、
を含み、
前記気管側軟骨部と前記食道側軟骨部との接近又は離間により、前記食道通路部の少なくとも一部の横断面積が変わる、
医療シミュレータ。
(付記2)前記反力として用いられる動力を出力するアクチュエータと、
前記人体模型の前記口腔部に設けられ、可撓性を有する模擬舌部と、
前記人体模型の前記咽頭部の表面への圧力又は前記模擬舌部の舌根部表面への圧力を検出する第一センサと、
前記第一センサによる圧力検出、又は、咽頭反射若しくは嚥下反射に対応する所定契機に応じて、前記アクチュエータを動作させて、前記気管側軟骨部と前記食道側軟骨部とを接近又は離間させることにより、前記食道通路部の少なくとも一部の横断面積を拡げる制御部と、
を更に備える付記2に記載の医療シミュレータ。
(付記3)少なくとも頭部から頸部にかけての人体外形、口腔部、鼻腔部、咽頭部、喉頭部、気管部、及び食道部をそれぞれ模した人体模型を有し、少なくとも挿管手技の訓練を可能とする医療シミュレータにおいて、
鼻中隔を模擬し、前記人体模型の前記鼻腔部を左鼻腔部と右鼻腔部に区分けする鼻中隔プレート部と、
前記鼻中隔プレート部の前記左鼻腔部側と前記左鼻腔部の表面との間に介在し、該表面を変位させて前記左鼻腔部を狭める左鼻腔変形機構と、
前記鼻中隔プレート部の前記右鼻腔部側と前記右鼻腔部の表面との間に介在し、該表面を変位させて前記右鼻腔部を狭める右鼻腔変形機構と、
を備える医療シミュレータ。
(付記4)少なくとも頭部から頸部にかけての人体外形、口腔部、鼻腔部、咽頭部、喉頭部、気管部、及び食道部をそれぞれ模した人体模型を有し、少なくとも挿管手技の訓練を可能とする医療シミュレータにおいて、
前記人体模型の前記口腔部に設けられ、可撓性を有する模擬舌部と、
前記模擬舌部の内部に設けられ、前記模擬舌部を変形又は変位させる舌可変機構と、
前記舌可変機構を制御する制御部と、
を備え、
前記舌可変機構は、
前記模擬舌部を内側から後方に押圧して前記模擬舌部の舌根部表面を後方に変位させる第一押圧機構、
を含み、
前記制御部は、所定の契機に応じて、前記第一押圧機構の押圧動作を制御する、
医療シミュレータ。
(付記5)前記人体模型の前記食道部の表面の裏側に設けられ、押圧して前記食道部の表面を前方に変位させる第三押圧機構、
を更に備え、
前記制御部は、麻酔中に対応する所定契機に応じて、前記第一押圧機構及び前記第三押圧機構に押圧させて、前記模擬舌部の舌根部表面を後方に移動させ、かつ、前記人体模型の前記食道部を狭窄させる、
付記4に記載の医療シミュレータ。
(付記6)前記人体模型の前記咽頭部の表面への圧力又は前記模擬舌部の前記舌根部表面への圧力を検出する第一センサと、
嘔気発話を出力する音声出力部と、
を更に備え、
前記制御部は、前記第一センサによる圧力検出に応じて、前記第一押圧機構に押圧させて、前記模擬舌部の舌根部表面を後方に変位させ、かつ、前記音声出力部に前記嘔気発話を出力させる、
付記4又は付記5に記載の医療シミュレータ。
1 医療シミュレータ、3 機器搭載台、4 台座部、5 入出力パネル、6 動力源、7 シミュレータ制御部(制御部)、8 スピーカ、10 人体模型、11a 左首支持プレート、11b 右首支持プレート、12a 左肩シリンダ、12b 右肩シリンダ、13a 左首ロッド、13b 右首ロッド、14a 左肩支軸、14b 右肩支軸、15a 左首支軸、15b 右首支軸、16 上顎骨部、17 下顎骨部、18 上顎支持プレート、19 下顎支軸、20 下顎支持部、21b 右頭部プレート、21a 左頭部プレート、23 プーリ、24 プーリ、25 伝達ベルト、26 下顎リンク、27 下顎ロッド、28 プーリ支軸、29 下顎シリンダ、30 首リンク、31 第一頭部軸、32 第二頭部軸、41 鼻腔部、42 口腔部、43 咽頭部、44 食道部、45 気管部、46a 上歯構造体、46b 下歯構造体、47 喉頭部、48 模擬喉頭蓋、49 喉頭口、51 模擬舌部、55 体外表面マスク、57a 体内表面マスク、57b 体内表面マスク、63 舌押圧機構、65 舌押圧機構、66 食道押圧機構、71 CPU、72 メモリ、73 入出力I/Fユニット、76 舌根センサ、77 咽頭センサ、78 喉頭センサ、79 気管センサ
41a 左鼻腔部、41b 右鼻腔部、80 鼻中隔プレート部、81a 左鼻腔変形機構、81b 右鼻腔変形機構、85 模擬甲状軟骨部、86a 左支持バネ部、88 気管通路部、89 食道通路部、90 気管側軟骨部、91 食道側軟骨部、93a 左軟骨壁、93b 右軟骨壁、94 食道通路ボックス、95 食道通路開口、98 食道係止孔、99 咽頭プレート、100a バネ孔、100b バネ孔、101a バネ孔、101b バネ孔、105 分離バネ部、108 軟骨ワイヤ、109 球状体、110 軟骨アクチュエータ

Claims (13)

  1. 少なくとも頭部から頸部にかけての人体外形、口腔部、鼻腔部、咽頭部、喉頭部、気管部、及び食道部をそれぞれ模した人体模型を有し、少なくとも挿管手技の訓練を可能とする医療シミュレータにおいて、
    前記人体模型の前記頸部の骨組みとして前記頭部にかけて延設されている首支持部と、
    前記首支持部と第一バネ部材により連結されており、前記人体模型の前記喉頭部に配置された模擬甲状軟骨部と、
    を備え、
    前記人体模型の前記食道部は、可撓性を有する管状部材により形成されており、
    前記人体模型の前記気管部は、可撓性を有する管状部材により形成されており、
    前記模擬甲状軟骨部は、前記管状部材よりも硬質な材料で形成されており、前記食道部の前記管状部材が挿通される食道通路部及び前記気管部の前記管状部材が挿通される気管通路部を内部に有する、
    医療シミュレータ。
  2. 前記模擬甲状軟骨部に動力を付与する第一アクチュエータ、
    を更に備え、
    前記模擬甲状軟骨部は、前記第一アクチュエータの前記動力を用いて前記食道通路部の少なくとも一部の横断面積を変える通路変形機構を更に含む、
    請求項1に記載の医療シミュレータ。
  3. 前記模擬甲状軟骨部は、
    前記人体模型の前方側に配置される気管側軟骨部と、
    前記気管側軟骨部の後方側に配置される食道側軟骨部と、
    前記気管側軟骨部と前記食道側軟骨部とを引き付け合う方向又は離間させる方向に付勢する第二バネ部材と、
    前記第二バネ部材の付勢力の反力を前記気管側軟骨部又は前記食道側軟骨部に付与する反力付与部材と、
    を含み、
    前記第一アクチュエータの前記動力が前記反力として用いられることで、前記気管側軟骨部と前記食道側軟骨部とが接近又は離間し、前記食道通路部の少なくとも一部の横断面積が変わる、
    請求項2に記載の医療シミュレータ。
  4. 前記第二バネ部材の付勢方向は、前記人体模型の前後方向に対して斜め上方向又は斜め下方向である、
    請求項3に記載の医療シミュレータ。
  5. 前記人体模型の前記咽頭部の表面への圧力又は前記模擬舌部の前記舌根部表面への圧力を検出する第一センサと、
    前記第一アクチュエータを制御する制御部と、
    を更に備え、
    前記制御部は、前記第一センサによる圧力検出、又は、咽頭反射若しくは嚥下反射に対応する所定契機に応じて、前記第一アクチュエータを動作させて、前記食道通路部の少なくとも一部の横断面積を拡げる、
    請求項2から4のいずれか一項に記載の医療シミュレータ。
  6. 前記人体模型の前記頭部に設けられた上顎骨部及び下顎骨部と、
    前後方向に延設されており、前記上顎骨部を支持する上顎支持部と、
    前記上顎支持部と連動し、前記下顎骨部を支持する下顎支持部と、
    前記下顎骨部の回転軸よりも後方の回転軸を中心に前記上顎支持部を回動させる第二アクチュエータと、
    所定音を出力する音声出力部と、
    を更に備え、
    前記制御部は、所定の契機に応じて、前記第二アクチュエータに前記上顎支持部を回動させ、かつ、前記音声出力部に前記所定音を出力させる、
    請求項5に記載の医療シミュレータ。
  7. 前記下顎支持部に動力を付与する第三アクチュエータ、
    を更に備え、
    前記下顎支持部は、前記下顎骨部を回動可能に支持すると共に、下顎骨部を回動させるための回動機構を含み、
    前記制御部は、所定の契機に応じて、更に、前記第三アクチュエータに前記下顎支持部の前記回動機構を介して下顎骨部を回動させて、前記人体模型の口を開かせる、
    請求項6に記載の医療シミュレータ。
  8. 前記人体模型の前記喉頭部又は前記気管部の表面への圧力を検出する第二センサ、
    を更に備え、
    前記制御部は、前記第一センサによる圧力検出に応じて前記音声出力部に嘔気発話を前記所定音として出力させ、前記第二センサによる圧力検出に応じて前記音声出力部に咳嗽音を前記所定音として出力させる、
    請求項6又は7に記載の医療シミュレータ。
  9. 前記制御部は、麻酔中に対応する所定の契機に応じて、前記第一アクチュエータ、前記第二アクチュエータ、又は前記第三アクチュエータを含む一以上のアクチュエータを無負荷状態にする、
    請求項7又は8に記載の医療シミュレータ。
  10. 前記人体模型の前記口腔部に設けられ、可撓性を有する模擬舌部と、
    前記模擬舌部の内部に設けられ、前記模擬舌部を変形又は変位させる舌可変機構と、
    を備え、
    前記舌可変機構は、
    前記模擬舌部を内側から後方に押圧して前記模擬舌部の舌根部表面を後方に変位させる第一押圧機構、
    を含み、
    前記制御部は、所定の契機に応じて、前記第一押圧機構の押圧動作を制御する、
    請求項5から9のいずれか一項に記載の医療シミュレータ。
  11. 前記模擬舌部と一体的に形成されており、可撓性を有する模擬喉頭蓋、
    を更に備え、
    前記舌可変機構は、
    前記模擬舌部を内側から上方に押圧して前記模擬舌部の上側表面を上方に変位させる第二押圧機構、
    を更に含み、
    前記制御部は、嚥下反射に対応する所定契機に応じて、前記第二押圧機構に前記模擬舌部を内側から上方に押圧させ、かつ、前記模擬喉頭蓋を下垂させる、
    請求項10に記載の医療シミュレータ。
  12. 鼻中隔を模擬し、前記人体模型の前記鼻腔部を左鼻腔部と右鼻腔部に区分けする鼻中隔プレート部と、
    前記鼻中隔プレート部の前記左鼻腔部側と前記左鼻腔部の表面との間に介在し、該表面を変位させて前記左鼻腔部を狭める左鼻腔変形機構と、
    前記鼻中隔プレート部の前記右鼻腔部側と前記右鼻腔部の表面との間に介在し、該表面を変位させて前記右鼻腔部を狭める右鼻腔変形機構と、
    を更に備える請求項1から11のいずれか一項に記載の医療シミュレータ。
  13. 人体頭部の体外表面を模してなり、伸縮度合の異なる二種の頭部マスク、
    を更に備え、
    前記二種の頭部マスクは、麻酔中か否かにより切り替えるために、前記人体模型の前記頭部に着脱可能に形成されている、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の医療シミュレータ。
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