JP2018120046A - プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法 - Google Patents

プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法 Download PDF

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友造 村澤
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友造 村澤
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Abstract

【課題】水銀ブリッジが生じることを抑制できるプロジェクターを提供する。【解決手段】本発明のプロジェクターは、一対の電極92,93を有し、光を射出する放電灯と、放電灯に対して送風して放電灯を冷却する冷却部と、冷却部を制御する制御部と、放電灯からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、光変調装置により変調された光を投射する投射光学系と、を備え、放電灯は、内部に放電空間91を含む発光部を有し、一対の電極92,93は、第1方向において互いに対向して放電空間91内に配置され、制御部は、放電灯が定常点灯状態にある場合、冷却部の送風方向を、発光部の所定部位に向けて送風する第1送風方向とし、放電灯が消灯した場合、冷却部の送風方向を、所定部位とは異なる発光部の第1方向における端部のうちいずれか一方の端部に向けて送風する第2送風方向とすることを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、プロジェクター、およびプロジェクターの制御方法に関する。
放電灯が消灯すると、放電灯内の温度が低下するため、放電灯内に封入されている水銀
が凝縮して、放電灯の内壁や電極に付着する場合がある。このとき、水銀によって電極同
士が接続される水銀ブリッジが生じる場合があった。水銀ブリッジが生じると、電極間が
短絡するため、放電灯を点灯できなくなる。
これに対して、例えば、特許文献1には、水銀ブリッジの防止を目的として、放電灯が
点灯状態から消灯に移る過渡状態において、電極に供給するランプ電力をアーク放電が消
滅しない程度まで低減させ、発光管部を水銀が凝縮する程度に冷却する方法が記載されて
いる。
特許第4070420号公報
しかし、上記のような方法においては、発光管部(発光部)内における水銀が凝縮する
位置が不規則であり、水銀が電極先端に付着する場合があった。また、凝縮した水銀が発
光管部内で移動して、電極先端に付着する場合があった。そのため、水銀ブリッジの発生
を十分に抑制できない問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、水銀ブリッジが生じることを抑
制できるプロジェクターおよびそのようなプロジェクターの制御方法を提供することを目
的の一つとする。
本発明のプロジェクターの一つの態様は、一対の電極を有し、光を射出する放電灯と、
前記放電灯に対して送風して前記放電灯を冷却する冷却部と、前記冷却部を制御する制御
部と、前記放電灯からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置に
より変調された光を投射する投射光学系と、を備え、前記放電灯は、内部に放電空間を含
む発光部を有し、前記一対の電極は、第1方向において互いに対向して前記放電空間内に
配置され、前記制御部は、前記放電灯が定常点灯状態にある場合、前記冷却部の送風方向
を、前記発光部の所定部位に向けて送風する第1送風方向とし、前記放電灯が消灯した場
合、前記冷却部の送風方向を、前記所定部位とは異なる前記発光部の前記第1方向におけ
る端部のうちいずれか一方の端部に向けて送風する第2送風方向とすることを特徴とする
本発明のプロジェクターの一つの態様によれば、制御部は、放電灯が消灯した場合の冷
却部の送風方向を発光部の第1方向における端部のうちいずれか一方の端部に向けて送風
する第2送風方向とする。そのため、発光部の第1方向における端部のうちいずれか一方
の端部の温度が、発光部の他の部分よりも早く水銀の凝縮温度以下となりやすい。これに
より、水銀の凝縮する位置が、放電空間内における第1方向の一方の端部側に集中する。
したがって、一対の電極の間を繋ぐ位置に水銀が凝縮しにくく、水銀ブリッジが生じるこ
とを抑制できる。
また、いずれか一方の端部が冷却されることで、当該一方の端部と接続される電極の芯
棒も冷却され、芯棒の温度が水銀の凝縮温度以下となりやすく、水銀が芯棒にも付着する
。そのため、水銀が凝縮した後に、放電空間内を移動することを抑制できる。したがって
、水銀ブリッジが生じることをより抑制できる。
前記冷却部は、送風装置と、前記送風装置の送風方向を変化させる風向変化部と、を有
し、前記制御部は、前記放電灯が消灯した場合、前記風向変化部によって前記送風装置の
送風方向を前記第1送風方向から前記第2送風方向に変化させる構成としてもよい。
この構成によれば、1つの送風装置で、第1送風方向と第2送風方向とに送風方向を切
り換えることができる。したがって、冷却部を構成する部品点数を低減することができる
前記冷却部は、送風方向が前記第1送風方向である第1送風装置と、送風方向が前記第
2送風方向である第2送風装置と、を有し、前記制御部は、前記放電灯が定常点灯状態に
ある場合、前記第1送風装置によって前記放電灯を冷却し、前記放電灯が消灯した場合、
前記第2送風装置によって前記放電灯を冷却する構成としてもよい。
この構成によれば、送風方向を変化させる風向変化部を設ける必要がなく、例えば既存
の送風装置のみを用いて冷却部を構成することができる。これにより、冷却部の構成を簡
単にできる。
前記制御部は、前記放電灯が消灯した場合、前記第1送風装置による送風を停止させ、
前記第2送風装置による送風を開始させる構成としてもよい。
この構成によれば、第2送風装置によって発光部の第1方向における端部のうちいずれ
か一方の端部を好適に冷却しやすく、水銀ブリッジが生じることをより抑制できる。また
、第1送風装置を停止させない場合に比べて、プロジェクターの消費電力を低減できる。
前記放電灯から射出された光を所定方向へ反射する反射鏡をさらに備え、前記反射鏡は
、前記放電灯における前記第1方向の一方側の端部に固定され、前記第2送風方向は、前
記発光部における前記第1方向の他方側の端部に向けて送風する方向である構成としても
よい。
例えば、反射鏡は、熱容量が大きく、温度が低下しにくい場合がある。この場合、発光
部における第1方向の一方側の端部の温度が、反射鏡によってある程度維持される。その
ため、発光部における第1方向の一方側の端部の温度は、発光部における第1方向の他方
側の端部の温度よりも低下しにくい場合がある。言い換えれば、発光部における第1方向
の他方側の端部の温度は、発光部における第1方向の一方側の端部の温度よりも低下しや
すい場合がある。
したがって、この構成によれば、放電灯が消灯した場合に、温度が低下しやすい発光部
における第1方向の他方側の端部に向けて送風するため、発光部における第1方向の他方
側の端部の温度を好適に低下させやすい。これにより、発光部の温度を部分的に低下させ
て、より水銀を特定の部位に集めて凝縮させやすい。そのため、水銀ブリッジが生じるこ
とをより抑制できる。
前記放電灯から射出された光を所定方向へ反射する反射鏡をさらに備え、前記反射鏡は
、前記放電灯における前記第1方向の一方側の端部に固定され、前記第2送風方向は、前
記発光部における前記第1方向の前記一方側の端部に向けて送風する方向である構成とし
てもよい。
この構成によれば、例えば、反射鏡を冷却する装置を併用することで、発光部における
第1方向の一方側の端部の温度を好適に低下させることができる。
前記放電灯が消灯した場合に前記反射鏡を冷却する反射鏡冷却部をさらに備える構成と
してもよい。
この構成によれば、反射鏡冷却部によって反射鏡を冷却することで、間接的に冷却部に
よる発光部における第1方向の一方側の端部の冷却を補助することができる。そのため、
冷却部によって発光部における第1方向の一方側の端部を冷却する場合に、水銀ブリッジ
が生じることをより抑制できる。
前記所定部位は、前記発光部の鉛直方向上側の端部である構成としてもよい。
発光部の鉛直方向上側の端部は発光部における最熱部となるため、この構成によれば、
放電灯が定常点灯状態である場合に、放電灯を効率よく冷却することができる。
本発明のプロジェクターの制御方法の一つの態様は、一対の電極を有し、光を射出する
放電灯と、前記放電灯に対して送風して前記放電灯を冷却する冷却部と、を備えるプロジ
ェクターの制御方法であって、前記放電灯は、内部に放電空間を含む発光部を有し、前記
一対の電極は、第1方向において互いに対向して前記放電空間内に配置され、前記放電灯
が定常点灯状態にある場合、前記冷却部の送風方向を、前記発光部の所定部位に向けて送
風する第1送風方向とし、前記放電灯が消灯した場合、前記冷却部の送風方向を、前記所
定部位とは異なる前記発光部の前記第1方向における端部のうちいずれか一方の端部に向
けて送風する第2送風方向とすることを特徴とする。
本発明のプロジェクターの制御方法の一つの態様によれば、上述したのと同様にして、
水銀ブリッジが生じることを抑制できる。
第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。 第1実施形態の光源装置を示す図である。 第1実施形態の放電灯の部分拡大断面図である。 第1実施形態の放電灯点灯装置および制御部の回路図である。 第1実施形態の制御部の一構成例を示すブロック図である。 第1実施形態のプロジェクターの各種構成要素を示すブロック図である。 第1実施形態における風向変化部によって送風装置の送風方向が変化した状態を示す図である。 第1実施形態における風向変化部によって送風装置の送風方向が変化した状態を示す図である。 第1実施形態における冷却部の送風方向を消灯時送風方向とした場合の放電灯の消灯後の状態を示す図である。 第1実施形態の他の一例である光源装置を示す図である。 第2実施形態の光源装置を示す図である。 第3実施形態の光源装置を示す図である。 比較例における放電灯の消灯後の状態を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する
。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的
思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりや
すくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
また、適宜図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ
座標系において、Z軸方向は、鉛直方向とする。Y軸方向およびX軸方向は、Z軸方向と
直交する水平方向であり、互いに直交する方向とする。以下の説明においては、Z軸方向
と平行な方向を「鉛直方向Z」と呼ぶ場合があり、X軸方向と平行な方向を「前後方向X
」と呼ぶ場合がある。また、以下の説明においては、Z軸方向の正の側(+Z側)を鉛直
方向上側とし、Z軸方向の負の側(−Z側)を鉛直方向下側とする。X軸方向の正の側(
+X側)を前側とし、X軸方向の負の側(−X側)を後側とする。なお、前後方向、前側
および後側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係
等はこれらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態のプロジェクター500の概略構成図である。図1に示すように、
本実施形態のプロジェクター500は、光源装置200と、平行化レンズ305と、照明
光学系310と、色分離光学系320と、3つの液晶ライトバルブ(光変調装置)330
R,330G,330Bと、クロスダイクロイックプリズム340と、投射光学系360
と、入力部45と、を備える。
光源装置200から射出された光は、平行化レンズ305を通過して照明光学系310
に入射する。平行化レンズ305は、光源装置200からの光を平行化する。
照明光学系310は、光源装置200から射出される光の照度を、液晶ライトバルブ3
30R,330G,330B上において均一化するように調整する。さらに、照明光学系
310は、光源装置200から射出される光の偏光方向を一方向に揃える。その理由は、
光源装置200から射出される光を液晶ライトバルブ330R,330G,330Bで有
効に利用するためである。
照度分布と偏光方向とが調整された光は、色分離光学系320に入射する。色分離光学
系320は、入射光を赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)の3つの色光に分離す
る。3つの色光は、各色光に対応付けられた液晶ライトバルブ330R,330G,33
0Bにより、映像信号(画像情報)に応じてそれぞれ変調される。すなわち、液晶ライト
バルブ330R,330G,330Bは、放電灯90から射出される光を画像情報に応じ
て変調する。液晶ライトバルブ330R,330G,330Bは、後述する液晶パネル5
60R,560G,560Bと、偏光板(図示せず)と、を有する。偏光板は、液晶パネ
ル560R,560G,560Bのそれぞれの光入射側および光射出側に配置される。
変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム340により合成される。合
成光は投射光学系360に入射する。投射光学系360は、入射光をスクリーン700(
図6参照)に投射する。すなわち、投射光学系360は、液晶ライトバルブ330R,3
30G,330Bにより変調された光を投射する。これにより、スクリーン700上に映
像が表示される。なお、平行化レンズ305、照明光学系310、色分離光学系320、
クロスダイクロイックプリズム340、投射光学系360の各々の構成としては、周知の
構成を採用することができる。
光源装置200は、光源ユニット210と、放電灯点灯装置10と、制御部40と、冷
却部50と、を有する。
図2は、光源装置200を示す図である。図2には、光源ユニット210の断面図が示
されている。図2においては、制御部40の図示を省略している。また、図2においては
、放電灯90が定常点灯している状態を示している。本実施形態において、放電灯90の
定常点灯とは、予め設定された駆動電力が放電灯90に供給されて放電灯90が点灯して
いる状態を示す。
光源ユニット210は、図2に示すように、放電灯90と、反射鏡112と、を有する
。放電灯90は、光を射出する。放電灯点灯装置10は、放電灯90に駆動電流Iを供給
して放電灯90を点灯させる。反射鏡112は、放電灯90から射出された光を照射方向
(所定方向)Dへ反射する。照射方向Dは、放電灯90の光軸AXと平行である。また、
照射方向Dは、前後方向Xと平行な方向であり、後側(−X側)から前側(+X側)に向
かう方向である。
放電灯90は、放電灯本体90aと、一対の電極としての第1電極92および第2電極
93と、を有する。放電灯本体90aの形状は、前後方向Xに沿って延びる棒状である。
放電灯本体90aの一方の端部、すなわち、放電灯90の一方の端部を第1端部90e1
とする。放電灯本体90aの他方の端部、すなわち、放電灯90の他方の端部を第2端部
90e2とする。第1端部90e1は、放電灯90における前後方向Xの後側(一方側,
−X側)の端部であり、第2端部90e2は、放電灯90における前後方向Xの前側(他
方側,+X側)の端部である。放電灯本体90aの材料は、例えば、石英ガラス等の透光
性材料である。
放電灯本体90aは、内部に放電空間91を含む発光部510と、発光部510の前後
方向Xの両端部に設けられた封止部551,552と、を有する。発光部510は、放電
灯本体90aの前後方向Xの中央部であり、球状に膨らんでいる。発光部510の内部は
放電空間91である。放電空間91には、水銀Hg、希ガス、金属ハロゲン化合物等を含
む放電媒体であるガスが封入されている。封止部551,552は、発光部510から前
後方向Xに延びる棒状である。封止部551,552は、放電空間91を封止する。封止
部551は、第1端部90e1を有する。封止部552は、第2端部90e2を有する。
放電空間91には、第1電極92および第2電極93の先端が突出している。一対の電
極である第1電極92および第2電極93は、前後方向Xにおいて互いに対向して放電空
間91内に配置されている。すなわち、本実施形態において前後方向Xは、第1方向に相
当する。第1電極92は、放電空間91の第1端部90e1側(後側,−X側)に配置さ
れている。第2電極93は、放電空間91の第2端部90e2側(前側,+X側)に配置
されている。第1電極92および第2電極93の形状は、光軸AXに沿って延びる棒状で
ある。放電空間91には、第1電極92および第2電極93の電極先端部が、所定距離だ
け離れて対向するように配置されている。第1電極92および第2電極93の材料は、例
えば、タングステン等の金属である。第1電極92の基端部は、封止部551に保持され
ている。第2電極93の基端部は、封止部552に保持されている。
図3は、放電灯90の部分を示す拡大断面図である。
発光部510は、図3に示すように、放電空間91を囲む内壁である第1壁部510a
〜第4壁部510dを有する。第1壁部510aおよび第2壁部510bは、放電空間9
1に対して、第1電極92および第2電極93が互いに対向して並ぶ前後方向Xと直交す
る方向(図3では鉛直方向Z)の両端側に位置する壁部である。図3では、第1壁部51
0aは、放電空間91の上端側に位置する壁部であり、第2壁部510bは、放電空間9
1の下端側に位置する壁部である。本実施形態において第1壁部510aは、発光部51
0の鉛直方向上側の端部に相当し、第2壁部510bは、発光部510の鉛直方向下側の
端部に相当する。
第3壁部510cおよび第4壁部510dは、放電空間91に対して、第1電極92お
よび第2電極93が互いに対向して並ぶ前後方向Xの両端側に配置される壁部である。図
3では、第3壁部510cは、放電空間91の第1電極92側(後側,−X側)に位置す
る壁部であり、第4壁部510dは、放電空間91の第2電極93側(前側,+X側)に
位置する壁部である。第3壁部510cおよび第4壁部510dは、発光部510の前後
方向Xにおける端部である。
第3壁部510cは、例えば、領域S1に含まれる発光部510の部分を含む。領域S
1は、第1電極92と第2電極93とが互いに対向して並ぶ方向(本実施形態では前後方
向X)の位置が、後述する本体部531とコイル部532との接続部の前後方向位置から
、発光部510と封止部551との接続部の前後方向位置までの間となる領域である。
第4壁部510dは、例えば、領域S2に含まれる発光部510の部分を含む。領域S
2は、第1電極92と第2電極93とが互いに対向して並ぶ方向(本実施形態では前後方
向X)の位置が、後述するコイル部542と本体部541との接続部の前後方向位置から
、発光部510と封止部552との接続部の前後方向位置までの間となる領域である。
第1電極92は、芯棒533と、コイル部532と、本体部531と、突起531pと
、を有する。第1電極92は、放電灯本体90aへの封入前の段階において、芯棒533
に電極材(タングステン等)の線材を巻き付けてコイル部532を形成し、形成されたコ
イル部532を加熱・溶融することにより形成される。これにより、第1電極92の先端
側には、熱容量が大きい本体部531と、アークARの発生位置となる突起531pが形
成される。
第2電極93は、芯棒543と、コイル部542と、本体部541と、突起541pと
、を有する。第2電極93は、第1電極92と同様にして形成される。
なお、第1電極92と第2電極93とは、同様の構成であるため、以下の説明において
は、代表して第1電極92についてのみ説明する場合がある。また、第1電極92の先端
の突起531pと第2電極93の先端の突起541pとは、同様の構成であるため、以下
の説明においては、代表して突起531pについてのみ説明する場合がある。
図2に示すように、放電灯90の第1端部90e1には、第1端子536が設けられて
いる。第1端子536と第1電極92とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材53
4により電気的に接続されている。同様に、放電灯90の第2端部90e2には、第2端
子546が設けられている。第2端子546と第2電極93とは、放電灯90の内部を貫
通する導電性部材544により電気的に接続されている。第1端子536および第2端子
546の材料は、例えば、タングステン等の金属である。導電性部材534,544の材
料としては、例えば、モリブデン箔が利用される。
第1端子536および第2端子546は、放電灯点灯装置10に接続されている。放電
灯点灯装置10は、第1端子536および第2端子546に、放電灯90を駆動するため
の駆動電力を供給する。その結果、第1電極92および第2電極93の間でアーク放電が
起きる。アーク放電により発生した光(放電光)は、破線の矢印で示すように、放電位置
から全方向に向かって放射される。
図3に示すように、放電灯90を点灯すると、放電空間91内に封入されたガスは、ア
ークARの発生により加熱され、放電空間91内において対流する。詳細には、アークA
Rおよびその付近の領域は極めて高温となるため、放電空間91内において、アークAR
から鉛直方向上側に流れる対流AF(図3に一点鎖線の矢印で示す)が形成される。対流
AFは、発光部510の第1壁部510aに当たって、発光部510の第1壁部510a
から第3壁部510cおよび第4壁部510dに沿って移動し、第1電極92および第2
電極93の芯棒533,543等を通過することによって冷却されつつ降下する。
降下した対流AFは、発光部510の第3壁部510cおよび第4壁部510dに沿っ
てさらに降下するが、アークARの鉛直方向下側で互いに衝突して上方のアークARに戻
されるように上昇する。対流AFが、発光部510の内壁(第1壁部510a〜第4壁部
510d)に沿って移動することによって、発光部510は加熱される。ここで、対流A
Fは、アークARの鉛直方向上側において最も温度が高く、アークARの鉛直方向下側に
おいて最も温度が低い。そのため、アークARの鉛直方向上側において対流AFと接触す
る発光部510の壁部が、放電灯本体90a(放電灯90)において最も高温となる最熱
部となる。また、アークARの鉛直方向下側において対流AFと接触する発光部510の
壁部が、放電灯本体90a(放電灯90)において最も低温となる最冷部となる。
図3の例では、第1壁部510aがアークARの鉛直方向上側に位置するため、第1壁
部510aが最も高温となる最熱部となる。一方、第2壁部510bがアークARの鉛直
方向下側に位置するため、第2壁部510bが最も低温となる最冷部となる。
反射鏡112は、図2に示すように、固定部材114により、放電灯90の第1端部9
0e1に固定されている。反射鏡112は、放電光のうち、照射方向Dと反対側(後側,
−X側)に向かって進む光を照射方向D(前側,+X側)に向かって反射する。反射鏡1
12の反射面112a(放電灯90側の面)の形状は、放電光を照射方向Dに向かって反
射できる範囲内において、特に限定されず、例えば、回転楕円形状であっても、回転放物
線形状であってもよい。例えば、反射鏡112の反射面112aの形状を回転放物線形状
とした場合、反射鏡112は、放電光を光軸AXに略平行な光に変換することができる。
これにより、平行化レンズ305を省略することができる。
固定部材114の材料は、放電灯90からの発熱に耐え得る耐熱材料である範囲内にお
いて、特に限定されず、例えば、無機接着剤である。
図4は、放電灯点灯装置10および制御部40の回路構成の一例を示す図である。
放電灯点灯装置10は、図4に示すように、電力制御回路20と、極性反転回路30と
、動作検出部60と、イグナイター回路70と、を有する。
電力制御回路20は、放電灯90に供給する駆動電力を生成する。本実施形態において
は、電力制御回路20は、直流電源装置80からの電圧を入力とし、入力電圧を降圧して
直流電流Idを出力するダウンチョッパー回路で構成されている。
電力制御回路20は、スイッチ素子21、ダイオード22、コイル23およびコンデン
サー24を含んで構成される。スイッチ素子21は、例えば、トランジスターで構成され
る。本実施形態においては、スイッチ素子21の一端は直流電源装置80の正電圧側に接
続され、他端はダイオード22のカソード端子およびコイル23の一端に接続されている
コイル23の他端にコンデンサー24の一端が接続され、コンデンサー24の他端はダ
イオード22のアノード端子および直流電源装置80の負電圧側に接続されている。スイ
ッチ素子21の制御端子には、制御部40から電流制御信号が入力されてスイッチ素子2
1のON/OFFが制御される。電流制御信号には、例えば、PWM(Pulse Wi
dth Modulation)制御信号が用いられてもよい。
スイッチ素子21がONすると、コイル23に電流が流れ、コイル23にエネルギーが
蓄えられる。その後、スイッチ素子21がOFFすると、コイル23に蓄えられたエネル
ギーがコンデンサー24とダイオード22とを通る経路で放出される。その結果、スイッ
チ素子21がONする時間の割合に応じた直流電流Idが発生する。
極性反転回路30は、電力制御回路20から入力される直流電流Idを所定のタイミン
グで極性反転させる。これにより、極性反転回路30は、制御された時間だけ継続する直
流である駆動電流I、もしくは、任意の周波数を持つ交流である駆動電流Iを生成し、出
力する。本実施形態において、極性反転回路30は、インバーターブリッジ回路(フルブ
リッジ回路)で構成されている。
極性反転回路30は、例えば、トランジスターなどで構成される第1のスイッチ素子3
1、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34
を含んでいる。極性反転回路30は、直列接続された第1のスイッチ素子31および第2
のスイッチ素子32と、直列接続された第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素
子34と、が互いに並列接続された構成を有する。第1のスイッチ素子31、第2のスイ
ッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34の制御端子には
、それぞれ制御部40から極性反転制御信号が入力される。この極性反転制御信号に基づ
いて、第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33およ
び第4のスイッチ素子34のON/OFF動作が制御される。
極性反転回路30においては、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34
と、第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33と、を交互にON/OFFさ
せる動作が繰り返される。これにより、電力制御回路20から出力される直流電流Idの
極性が交互に反転する。極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31と第2のスイッチ
素子32との共通接続点、および第3のスイッチ素子33と第4のスイッチ素子34との
共通接続点から、制御された時間だけ同一極性状態を継続する直流である駆動電流I、も
しくは制御された周波数をもつ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。
すなわち、極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子3
4がONのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がOFFであ
り、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がOFFのときには第2のス
イッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONであるように制御される。したがっ
て、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには、コンデン
サー24の一端から第1のスイッチ素子31、放電灯90、第4のスイッチ素子34の順
に流れる駆動電流Iが発生する。第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33
がONのときには、コンデンサー24の一端から第3のスイッチ素子33、放電灯90、
第2のスイッチ素子32の順に流れる駆動電流Iが発生する。
本実施形態において、電力制御回路20と極性反転回路30とを合わせた部分が放電灯
駆動部230に対応する。すなわち、放電灯駆動部230は、放電灯90を駆動する駆動
電流Iを放電灯90に供給する。
動作検出部60は、放電灯90のランプ電圧を検出して制御部40にランプ電圧情報を
出力する電圧検出部を含む。また、動作検出部60は、駆動電流Iを検出して制御部40
に駆動電流情報を出力する電流検出部などを含む。本実施形態においては、動作検出部6
0は、第1の抵抗61、第2の抵抗62および第3の抵抗63を含んで構成されている。
本実施形態において、動作検出部60の電圧検出部は、放電灯90と並列に、互いに直
列接続された第1の抵抗61および第2の抵抗62で分圧した電圧によりランプ電圧を検
出する。また、本実施形態において、電流検出部は、放電灯90に直列に接続された第3
の抵抗63に発生する電圧により駆動電流Iを検出する。
イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時にのみ動作する。イグナイター回路
70は、放電灯90の点灯開始時に放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93と
の間)を絶縁破壊して放電路を形成するために必要な高電圧(放電灯90の通常点灯時よ
りも高い電圧)を、放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)に供給す
る。本実施形態においては、イグナイター回路70は、放電灯90と並列に接続されてい
る。
制御部40は、プロジェクター500の動作開始から動作停止に至るまでの各種の動作
を制御する。制御部40は、駆動電流Iの駆動電流波形に従って放電灯駆動部230を制
御する。また、制御部40は、冷却部50を制御する。図4の例では、制御部40は、電
力制御回路20および極性反転回路30を制御することにより、駆動電流Iが同一極性を
継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数等のパラメーターを制御する。制御部4
0は、極性反転回路30に対して、駆動電流Iの極性反転タイミングにより、駆動電流I
が同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの周波数等を制御する極性反転制御を行う。
制御部40は、電力制御回路20に対して、出力される直流電流Idの電流値を制御する
電流制御を行う。
制御部40の構成は、特に限定されない。本実施形態においては、制御部40は、シス
テムコントローラー41、電力制御回路コントローラー42、および極性反転回路コント
ローラー43を含んで構成されている。なお、制御部40は、その一部または全てを半導
体集積回路で構成してもよい。
システムコントローラー41は、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路
コントローラー43を制御することにより、電力制御回路20および極性反転回路30を
制御する。システムコントローラー41は、動作検出部60が検出したランプ電圧および
駆動電流Iに基づき、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラ
ー43を制御してもよい。
本実施形態においては、システムコントローラー41には、記憶部44が接続されてい
る。
システムコントローラー41は、記憶部44に格納された情報に基づき、電力制御回路
20および極性反転回路30を制御してもよい。記憶部44には、例えば、駆動電流Iが
同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数、波形、変調パターン等の駆
動パラメーターに関する情報が格納されていてもよい。
電力制御回路コントローラー42は、システムコントローラー41からの制御信号に基
づき、電力制御回路20へ電流制御信号を出力することにより、電力制御回路20を制御
する。
極性反転回路コントローラー43は、システムコントローラー41からの制御信号に基
づき、極性反転回路30へ極性反転制御信号を出力することにより、極性反転回路30を
制御する。
制御部40は、専用回路を用いて実現され、上述した制御や後述する処理の各種制御を
行うようにすることができる。これに対して、制御部40は、例えば、記憶部44に記憶
された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、これらの処理
の各種制御を行うようにすることもできる。
図5は、制御部40の他の構成例について説明するための図である。図5に示すように
、制御部40は、制御プログラムにより、電力制御回路20を制御する電流制御手段40
−1、極性反転回路30を制御する極性反転制御手段40−2として機能するように構成
されてもよい。
図1に示す冷却部50は、放電灯90に対して冷却空気を送風して放電灯90を冷却す
る。本実施形態において冷却部50は、冷却空気の送風方向を変化させることができ、放
電灯90における異なる複数の部位に向けて送風することが可能である。冷却部50の詳
細については、後述する。
入力部45は、使用者による所定の操作を受け付ける部分である。入力部45は、例え
ば、プロジェクター500の電源のON/OFF、点灯モードの変更等の使用者による操
作を受け付ける。本実施形態において入力部45は、制御部40に接続されている。使用
者の操作を受け付けた場合、入力部45は、制御部40に、操作に応じた操作信号を出力
する。
入力部45が操作を受け付ける方法は、特に限定されない。入力部45は、例えば、プ
ロジェクター500の筐体に取り付けられた各種ボタンが押されることによって操作を受
け付けてもよいし、プロジェクター500のリモートコントローラーから送られる信号に
よって操作を受け付けてもよい。
以下、プロジェクター500の回路構成について説明する。
図6は、本実施形態のプロジェクター500の回路構成の一例を示す図である。プロジ
ェクター500は、図1に示した構成の他、図6に示すように、画像信号変換部501と
、直流電源装置80と、液晶パネル560R,560G,560Bと、画像処理装置57
0と、を備える。
画像信号変換部501は、外部から入力された画像信号502(輝度−色差信号やアナ
ログRGB信号など)を所定のワード長のデジタルRGB信号に変換して画像信号512
R,512G,512Bを生成し、画像処理装置570に供給する。
画像処理装置570は、3つの画像信号512R,512G,512Bに対してそれぞ
れ画像処理を行う。画像処理装置570は、液晶パネル560R,560G,560Bを
それぞれ駆動するための駆動信号572R,572G,572Bを液晶パネル560R,
560G,560Bに供給する。
直流電源装置80は、外部の交流電源600から供給される交流電圧を一定の直流電圧
に変換する。直流電源装置80は、トランス(図示しないが、直流電源装置80に含まれ
る)の2次側にある画像信号変換部501、画像処理装置570およびトランスの1次側
にある放電灯点灯装置10に直流電圧を供給する。
放電灯点灯装置10は、起動時に放電灯90の電極間に高電圧を発生し、絶縁破壊を生
じさせて放電路を形成する。以後、放電灯点灯装置10は、放電灯90が放電を維持する
ための駆動電流Iを供給する。
液晶パネル560R,560G,560Bは、前述した液晶ライトバルブ330R,3
30G,330Bにそれぞれ設けられている。液晶パネル560R,560G,560B
は、それぞれ駆動信号572R,572G,572Bに基づいて、前述した光学系を介し
て各液晶パネル560R,560G,560Bに入射される色光の透過率(輝度)を変調
する。
次に、冷却部50について詳細に説明する。図2に示すように、本実施形態において冷
却部50は、送風装置51と、風向変化部53,54と、を有する。
送風装置51は、発光部510の鉛直方向上側斜め前方に配置されている。送風装置5
1は、例えば、シロッコファンである。送風装置51は、放電灯90の鉛直方向上側の端
部である第1壁部510aに向かって延びる筒状の送風ノズル51aを有する。送風ノズ
ル51aの先端は、開口する送風口51bである。本実施形態において送風ノズル51a
は、送風装置51の本体部から鉛直方向下側斜め後方に延びている。送風装置51は、プ
ロジェクター500の筐体内外の冷却空気を吸引して、送風口51bを介して風を排出す
る。これにより、送風装置51は、冷却空気を放電灯90に送風する。
風向変化部53,54は、送風ノズル51aの前後方向Xの両側にそれぞれ設けられた
シャッターである。風向変化部53は、送風ノズル51aの後側(−X側)に設けられて
いる。風向変化部54は、送風ノズル51aの前側(+X側)に設けられている。風向変
化部53,54は、鉛直方向上側から鉛直方向下側に向かうに従って後側に位置する向き
に傾いて延びている。風向変化部53の鉛直方向Zに対する傾きは、送風ノズル51aの
鉛直方向Zに対する傾きよりも小さい。風向変化部54の鉛直方向Zに対する傾きは、送
風ノズル51aの鉛直方向Zに対する傾きよりも大きい。
風向変化部53,54は、各風向変化部53,54の延伸方向に沿って移動可能に設け
られている。風向変化部53,54が移動することによって、送風口51bから排出され
る風の流れが変化し、送風装置51(冷却部50)の送風方向が変化する。図2では、風
向変化部53,54の両方が、送風口51bよりも送風ノズル51aの基端側に配置され
た状態である。この状態においては、風向変化部53,54は、送風口51bから排出さ
れる風と接触せず、送風装置51の送風方向を変化させない。風向変化部53,54によ
って送風方向が変化しない状態において、送風装置51の送風方向は、発光部510の第
1壁部510aに向けて送風する定常送風方向(第1送風方向)BD1である。ここで、
本実施形態において第1壁部510aは、所定部位に相当する。
図7は、風向変化部53によって送風装置51の送風方向が変化した状態を示す図であ
る。図8は、風向変化部54によって送風装置51の送風方向が変化した状態を示す図で
ある。図7および図8においては、放電灯90が消灯した場合を示している。なお、図7
および図8においては、制御部40の図示を省略している。
図7に示すように、風向変化部53が、延伸方向に沿って鉛直方向下側斜め後方に移動
して、送風口51bの延長線上の一部を覆うことで、送風口51bから排出される風の一
部が風向変化部53に接触する。これにより、送風装置51の送風方向を風向変化部53
の延伸方向に沿った方向に変化させることができる。本実施形態では、風向変化部53に
よって変化させられる送風装置51の送風方向は、第4壁部510dに向けて送風する消
灯時送風方向(第2送風方向)BD2である。消灯時送風方向BD2は、定常送風方向B
D1よりも鉛直方向Zに対する傾きが小さい方向である。
図8に示すように、風向変化部54が、延伸方向に沿って鉛直方向下側斜め後方に移動
して、送風口51bの延長線上の一部を覆うことで、送風口51bから排出される風の一
部が風向変化部54に接触する。これにより、送風装置51の送風方向を風向変化部54
の延伸方向に沿った方向に変化させることができる。本実施形態では、風向変化部54に
よって変化させられる送風装置51の送風方向は、第3壁部510cに向けて送風する消
灯時送風方向(第2送風方向)BD3である。消灯時送風方向BD3は、定常送風方向B
D1よりも鉛直方向Zに対する傾きが大きい方向である。
以上のようにして、風向変化部53,54は、送風装置51の送風方向を変化させる。
なお、本実施形態において第3壁部510cおよび第4壁部510dは、所定部位として
の第1壁部510aとは異なる発光部510の前後方向Xにおける端部のうちいずれか一
方の端部に相当する。
制御部40は、図2に示すように、放電灯90が定常点灯状態にある場合、送風装置5
1(冷却部50)の送風方向を、定常送風方向BD1とする。すなわち、制御部40は、
第1壁部510aに向けて送風するように冷却部50を制御する。これにより、放電灯9
0の温度が過度に上昇することを抑制できる。
制御部40は、放電灯90が消灯した後も、冷却部50によって所定時間、放電灯90
を冷却する。制御部40は、図7および図8に示すように、放電灯90が消灯した場合、
送風装置51(冷却部50)の送風方向を、消灯時送風方向BD2と消灯時送風方向BD
3とのうちのいずれか一方の送風方向とする。すなわち、制御部40は、第3壁部510
cと第4壁部510dとのうちのいずれか一方に向けて送風するように冷却部50を制御
する。より詳細には、本実施形態において、制御部40は、放電灯90が消灯した場合、
風向変化部53あるいは風向変化部54を移動させて、送風装置51の送風方向を定常送
風方向BD1から消灯時送風方向BD2あるいは消灯時送風方向BD3に変化させる。
本実施形態において放電灯90が消灯した場合の冷却部50の送風方向は、例えば、消
灯時送風方向BD2と消灯時送風方向BD3とのうちのいずれか一方に予め設定されてお
り、記憶部44に格納されている。制御部40は、放電灯90が消灯した場合に、記憶部
44を参照して、冷却部50の送風方向を消灯時送風方向BD2と消灯時送風方向BD3
とのうちのいずれにするか決定する。
制御部40は、例えば、使用者が入力部45に対して行ったプロジェクター500の電
源をOFFにする操作に基づいて、冷却部50の送風方向を制御する。制御部40は、入
力部45にプロジェクター500の電源をOFFにする操作が行われることで、放電灯9
0の消灯動作を開始するとともに、冷却部50の送風方向を変化させる準備を行う。そし
て、制御部40は、冷却部50の送風方向を変化させる。
放電灯90の消灯後において冷却部50によって放電灯90を冷却する所定時間は、例
えば、発光部510が冷却されて放電空間91内の水銀Hgが凝縮するまでの時間以上と
することができる。なお、放電灯90の消灯後において冷却部50によって放電灯90を
冷却する所定時間は、放電空間91内の水銀Hgが凝縮するまでの時間よりも短くてもよ
い。
上述した制御を行う制御部40を備えるプロジェクター500は、プロジェクターの制
御方法としても表現できる。すなわち、本実施形態のプロジェクターの制御方法の一つの
態様は、一対の電極として第1電極92および第2電極93を有し、光を射出する放電灯
90と、放電灯90に対して送風して放電灯90を冷却する冷却部50と、を備えるプロ
ジェクター500の制御方法であって、放電灯90は、内部に放電空間91を含む発光部
510を有し、第1電極92および第2電極93は、前後方向Xにおいて互いに対向して
放電空間91内に配置され、放電灯90が定常点灯状態にある場合、冷却部50の送風方
向を、発光部510の第1壁部510aに向けて送風する定常送風方向BD1とし、放電
灯90が消灯した場合、冷却部50の送風方向を、第1壁部510aとは異なる発光部5
10の前後方向Xにおける端部のうちいずれか一方の端部に向けて送風する消灯時送風方
向BD2,BD3とすることを特徴とする。
本実施形態によれば、制御部40は、放電灯90が消灯した場合に、冷却部50の送風
方向を発光部510の前後方向Xにおける端部のうちいずれか一方の端部に向けて送風す
る消灯時送風方向とするため、水銀ブリッジが生じることを抑制することができる。以下
、詳細に説明する。
図13は、比較例における放電灯90の消灯後の状態を示す図である。比較例において
は、放電灯90が消灯した場合、冷却部50による放電灯90の冷却を中止する、あるい
は、冷却部50による送風方向を定常送風方向BD1としたまま冷却部50によって放電
灯90を所定時間冷却する。このような場合、放電灯90の消灯後において、発光部51
0と第1電極92および第2電極93とのうちで、温度が水銀Hgの凝縮温度以下となっ
た部分から順次水銀Hgが凝縮して付着する。そのため、水銀Hgが凝縮する位置が不規
則となり、図13に示すように第1電極92および第2電極93に付着した水銀Hgによ
って第1電極92と第2電極93とが接続される水銀ブリッジが生じる場合がある。また
、例えば、発光部510の内壁に凝縮して付着した水銀Hgが移動して、第1電極92と
第2電極93とに付着して、水銀ブリッジが生じる場合もある。水銀ブリッジが生じた状
態においては、第1電極92と第2電極93との間が短絡し、放電灯90を点灯できない
という問題があった。
この問題に対して、本実施形態によれば、制御部40は、放電灯90が消灯した場合の
冷却部50の送風方向を発光部510の前後方向Xにおける端部のうちいずれか一方の端
部に向けて送風する消灯時送風方向とする。図9は、冷却部50の送風方向を消灯時送風
方向BD2とした場合の放電灯90の消灯後の状態を示す図である。例えば、図9に示す
ように、放電灯90が消灯した場合の冷却部50の送風方向を、消灯時送風方向BD2と
した場合、第4壁部510dが集中的に冷却される。そのため、第4壁部510dの温度
が、発光部510の他の部分よりも早く水銀Hgの凝縮温度以下となりやすい。これによ
り、水銀Hgの凝縮する位置が、放電空間91内における第4壁部510d側(前側,+
X側)に集中する。したがって、第1電極92と第2電極93との間を繋ぐ位置に水銀H
gが凝縮しにくく、水銀ブリッジが生じることを抑制できる。
また、第4壁部510dが集中的に冷却されることで、第4壁部510dと接続される
第2電極93の芯棒543も冷却され、芯棒543の温度が水銀Hgの凝縮温度以下とな
りやすく、水銀Hgが芯棒543にも付着する。そのため、水銀Hgが凝縮した後に、放
電空間91内を移動することを抑制できる。したがって、水銀ブリッジが生じることをよ
り抑制できる。
上記説明においては、放電灯90が消灯した場合の冷却部50の送風方向を消灯時送風
方向BD2とした場合について説明したが、放電灯90が消灯した場合の冷却部50の送
風方向を図8に示す消灯時送風方向BD3とした場合についても、同様に水銀ブリッジが
生じることを抑制できる。この場合、放電灯90が消灯した後において、水銀Hgの凝縮
する位置は、放電空間91内における第3壁部510c側(後側,−X側)に集中する。
また、本実施形態によれば、送風装置51の送風方向を風向変化部53,54によって
変化させることができるため、1つの送風装置51で、定常送風方向BD1と消灯時送風
方向BD2,BD3とに送風方向を切り換えることができる。したがって、冷却部50を
構成する部品点数を低減することができる。
また、例えば、反射鏡112は、熱容量が大きく、温度が低下しにくい場合がある。こ
の場合、発光部510における前後方向Xの反射鏡112が取り付けられる側(第1方向
の一方側)の端部の温度、すなわち第3壁部510cの温度が、反射鏡112によってあ
る程度維持される。そのため、第3壁部510cの温度は、発光部510における前後方
向Xの反射鏡112が取り付けられる側と逆側(第1方向の他方側)の端部の温度、すな
わち第4壁部510dの温度よりも低下しにくい場合がある。言い換えれば、第4壁部5
10dの温度は、第3壁部510cの温度よりも低下しやすい場合がある。
したがって、放電灯90が消灯した場合の冷却部50の送風方向(第2送風方向)が、
第4壁部510dに向けて送風する消灯時送風方向BD2である場合には、第4壁部51
0dの温度を好適に低下させやすい。これにより、発光部510の温度を部分的に低下さ
せて、より水銀Hgを特定の部位に集めて凝縮させやすい。そのため、水銀ブリッジが生
じることをより抑制できる。
また、本実施形態によれば、冷却部50によって放電灯90が定常点灯状態にある場合
に送風される発光部510の所定部位は、発光部510の鉛直方向上側の端部(第1壁部
510a)である。上述したように発光部510における鉛直方向上側の端部は、発光部
510における最熱部である。そのため、放電灯90が定常点灯状態である場合に、発光
部510の鉛直方向上側の端部(第1壁部510a)に向けて送風することで、放電灯9
0を効率よく冷却することができる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、使用者が入力部45に対して行ったプロジ
ェクター500の電源をOFFにする操作に基づいて、冷却部50の送風方向を制御する
。そのため、放電灯90が消灯する前に冷却部50の送風方向を変化させる準備を行うこ
とができ、放電灯90が消灯した場合に、好適なタイミングで冷却部50の送風方向を変
化させることができる。
なお、本実施形態においては、下記のような構成および方法を採用することもできる。
本実施形態において放電灯90が消灯した場合の冷却部50の送風方向を、第3壁部5
10cに向けて送風する消灯時送風方向BD3とする場合には、例えば、図10に示すよ
うな構成を取ることもできる。
図10は、本実施形態における他の一例である光源装置1200を示す図である。図1
0においては、放電灯90が消灯した場合を示している。なお、図10においては、制御
部40の図示を省略している。
光源装置1200は、図10に示すように、反射鏡冷却部152を有する。反射鏡冷却
部152は、反射鏡112の反射面112aと逆側(後側,−X側)に配置されている。
反射鏡冷却部152は、例えば、シロッコファンである。反射鏡冷却部152は、放電灯
90が消灯した場合に反射鏡112を冷却する。より詳細には、反射鏡冷却部152は、
反射鏡112の反射面112aと逆側の面に送風して、反射鏡112を冷却する。図10
においては、反射鏡冷却部152は、反射鏡112の後側斜め上方から、前側斜め下方に
送風して反射鏡112を冷却する。光源装置1200のその他の構成は、上述した光源装
置200の構成と同様である。
この構成によれば、反射鏡冷却部152によって反射鏡112を冷却することで、間接
的に冷却部50による第3壁部510cの冷却を補助することができる。そのため、冷却
部50によって第3壁部510cを冷却する場合、すなわち放電灯90が消灯した場合の
冷却部50の送風方向が消灯時送風方向BD3である場合に、水銀ブリッジが生じること
をより抑制できる。
なお、本実施形態において、反射鏡冷却部152が配置される位置は、特に限定されな
い。反射鏡冷却部152は、例えば、反射鏡112に対し逆側(−X側)であり、かつ鉛
直方向下側(−Z側)の位置や、反射鏡112に対し逆側(−X側)であり、かつ横方向
のいずれか一方側(+Y側,−Y側)の位置に配置されてもよい。
また、本実施形態において、送風装置51は、上述したように、放電灯90が定常点灯
状態にある場合に、発光部510の鉛直方向上側の端部である第1壁部510aに冷却空
気を送風できる構成であれば、送風装置51が配置される位置は、特に限定されない。例
えば、送風装置51が、発光部510の鉛直方向下側(−Z側)や発光部510の横方向
のいずれか一方側(+Y側,−Y側)の位置に配置され、送風装置51の送風ノズル51
aが送風装置51の配置位置から発光部510の鉛直方向上側まで延出する構成としても
よく、また、別部材として、送風装置51の送風口51bに接続され、送風口51bから
発光部510の鉛直方向上側まで延出するダクト等を設けてもよい。
また、本実施形態において、冷却部50は、風向変化部53および風向変化部54の両
方を有する構成としたが、これに限定されない。冷却部50は、風向変化部53および風
向変化部54のうちいずれか一方を備えていればよい。これにより、冷却部50は、発光
部510の前後方向Xにおける端部(第3壁部510cおよび第4壁部510d)のうち
、いずれか一方の端部を冷却することができる。
また、本実施形態において、制御部40は、放電灯90が消灯した場合に風向変化部5
3および風向変化部54のうちいずれか一方を移動させ、送風装置51の送風口51bか
ら排出される冷却空気に一方の風向変化部を接触させることで、送風方向を変化させる構
成としたが、これに限定されない。制御部40は、逆に、放電灯90が定常点灯状態であ
る場合、送風装置51の送風口51bから排出される冷却空気に一方の風向変化部を接触
させて冷却空気を発光部510の鉛直方向上側の端部に送風させ、放電灯90が消灯した
場合、送風装置51からの冷却空気に接触しない位置に風向変化部を移動させ、冷却空気
を発光部510の前後方向Xにおける端部に送風させる構成としてもよい。
また、本実施形態において制御部40は、放電灯90が消灯する度に消灯時送風方向B
D2と消灯時送風方向BD3とのうちのいずれの方向にするかを判断してもよい。この場
合、制御部40は、例えば、発光部510の温度情報に基づいて送風方向を決定してもよ
い。具体的には、制御部40は、放電灯90が消灯した時点において、第3壁部510c
の温度と第4壁部510dの温度とのうち温度が低い方の壁部に向けた送風方向となるよ
うに、冷却部50の送風方向を制御してもよい。
また、本実施形態において制御部40は、入力部45にプロジェクター500の電源を
OFFにする操作が入力されずに放電灯90が消灯した場合に、放電灯90が消灯したこ
とに基づいて冷却部50の送風方向を変化させてもよい。入力部45にプロジェクター5
00の電源をOFFにする操作が入力されずに放電灯90が消灯した場合とは、例えば、
プロジェクター500の電源コードが直接コンセントから抜かれたような場合である。こ
の場合、プロジェクター500は、例えば、内部バッテリーを備えており、内部バッテリ
ーから供給される電力によって冷却部50を動作させる。
また、風向変化部の構成は、冷却部50の送風方向を変化させられるならば、特に限定
されない。風向変化部は、例えば、鉛直方向Zおよび前後方向Xの両方と直交する軸(Y
軸)周りに送風装置51を回動させる回動装置であってもよい。回動装置によって送風装
置51を回動させることで、送風ノズル51aおよび送風口51bの向きを変化させるこ
とができ、送風装置51(冷却部50)の送風方向を変化させることができる。
また、例えば、冷却部50が、内部に冷却空気が流通する複数の流路と、各流路に備え
られ、発光部510の鉛直方向上側の端部および発光部510の前後方向Xにおける一方
の端部へ向けて、それぞれ冷却空気を排出する複数の送風口と、を有し、風向変化部は、
放電灯90が消灯した場合、冷却空気の流通を、発光部510の鉛直方向上側の端部を冷
却する流路から、発光部510の前後方向Xにおける一方の端部を冷却する流路に切り替
える流路切替機構であってもよい。
また、定常送風方向BD1は、消灯時送風方向が送風する発光部510の箇所と異なる
ならば、発光部510の第1壁部510a以外の箇所に向けて送風する方向であってもよ
い。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態に対して、冷却部が第1送風装置と第2送風装置とを有
する点が異なる。なお、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等
により説明を省略する場合がある。
図11は、本実施形態の光源装置2200を示す図である。図11においては、放電灯
90が消灯した場合を示している。なお、図11においては、制御部40の図示を省略し
ている。
本実施形態の光源装置2200は、図11に示すように、冷却部250を有する。冷却
部250は、第1送風装置251と、第2送風装置252と、を有する。第1送風装置2
51には、第1実施形態の送風装置51と異なり、風向変化部53,54が設けられてい
ない。第1送風装置251のその他の構成は、送風装置51と同様である。すなわち、第
1送風装置251の送風方向は、放電灯90の点灯状態によらず、定常送風方向(第1送
風方向)BD1である。
第2送風装置252は、発光部510の鉛直方向下側斜め前方に配置されている。第2
送風装置252は、例えば、シロッコファンである。第2送風装置252は、第3壁部5
10cに向かって延びる筒状の送風ノズル252aを有する。本実施形態において送風ノ
ズル252aは、第2送風装置252の本体部から鉛直方向上側斜め後方に延びている。
第2送風装置252は、配置される位置および姿勢が異なる点を除いて、例えば、第1送
風装置251と同様の送風装置である。第2送風装置252の送風方向は、第3壁部51
0cに向けて送風する消灯時送風方向(第2送風方向)BD4である。
本実施形態において制御部40は、放電灯90が定常点灯状態にある場合、第1送風装
置251によって放電灯90を冷却する。すなわち、制御部40は、放電灯90が定常点
灯状態にある場合、図11に二点鎖線で示すように、冷却部250の送風方向を定常送風
方向BD1とする。より具体的には、第1送風装置251は、放電灯90が定常点灯状態
にある場合、発光部510の第1壁部510aに向けて冷却空気を送風する。なお、放電
灯90が定常点灯状態にある場合、第2送風装置252による送風は停止されている。一
方、制御部40は、放電灯90が消灯した場合、第1送風装置251による送風を停止さ
せ、さらに、第2送風装置252による送風を開始させ、第2送風装置252によって放
電灯90を冷却する。すなわち、制御部40は、放電灯90が消灯した場合、冷却部25
0の送風方向を、消灯時送風方向BD4とする。より具体的には、第2送風装置252は
、放電灯90が消灯した場合、発光部510の第3壁部510cに向けて冷却空気を送風
する。光源装置2200のその他の構成は、第1実施形態の光源装置200の構成と同様
である。
本実施形態によれば、放電灯90が消灯した場合に、第2送風装置252によって第3
壁部510cに向けて送風を行えるため、第3壁部510cを集中的に冷却することがで
きる。これにより、第3壁部510cの温度を低下させて、水銀Hgの凝縮を集中的に生
じさせることができる。したがって、本実施形態によれば、水銀ブリッジが生じることを
抑制できる。
また、本実施形態によれば、冷却部250が、放電灯90が定常点灯状態にある場合に
放電灯90を冷却する第1送風装置251と、放電灯90が消灯した場合に放電灯90を
冷却する第2送風装置252と、がそれぞれ設けられている。そのため、送風方向を変化
させる風向変化部を設ける必要がなく、例えば既存の送風装置のみを用いて冷却部250
を構成することができる。これにより、冷却部250の構成を簡単にできる。
また、本実施形態によれば、制御部40は、放電灯90が消灯した場合、第1送風装置
251による送風を停止させ、第2送風装置252による送風を開始させる。そのため、
第2送風装置252によって第3壁部510cを好適に冷却しやすく、水銀ブリッジが生
じることをより抑制できる。また、第1送風装置251を停止させない場合に比べて、プ
ロジェクターの消費電力を低減できる。
なお、本実施形態において第2送風装置252は、第4壁部510dに向けて送風する
送風装置であってもよい。
また、本実施形態において、制御部40は、放電灯90が消灯した場合に第1送風装置
251による送風を停止させたが、これに限定されない。制御部40は、放電灯90が消
灯した場合の第1送風装置251による冷却空気の送風量が、放電灯90が消灯した場合
の第2送風装置252による冷却空気の送風量よりも十分に小さければ、放電灯90が消
灯した場合に第1送風装置251を停止させなくともよい。
また、本実施形態において、上記実施形態の反射鏡冷却部152を採用し、制御部40
は、放電灯90が消灯した場合に反射鏡112を冷却する構成としてもよい。
また、本実施形態において、第2送風装置252は、上述したように、放電灯90が消
灯した場合に発光部510の前後方向Xにおける一方の端部に冷却空気を送風できる構成
であれば、第2送風装置が配置される位置は、上記実施形態における送風装置51と同様
に、特に限定されない。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態に対して、光源ユニットの配置される姿勢が異なる。な
お、上記実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略す
る場合がある。
図12は、本実施形態の光源装置3200を示す図である。図12においては、制御部
40の図示を省略している。図12に示すように、本実施形態の光源装置3200は、光
源ユニット3210と、冷却部350と、を有する。光源ユニット3210は、第1実施
形態の光源ユニット210に対して、配置される姿勢が90°回転した状態である点が異
なる。光源ユニット3210の姿勢は、第1電極92および第2電極93が鉛直方向Zに
おいて互いに対向して並んで配置される姿勢である。すなわち、本実施形態において、第
1電極92および第2電極93が互いに対向して並ぶ第1方向は、鉛直方向Zである。光
源ユニット3210のその他の構成は、光源ユニット210の構成と同様である。
冷却部350は、第1実施形態の冷却部50に対して、配置される姿勢が90°回転し
た状態である点が異なる。冷却部350の光源ユニット3210に対する相対的な配置お
よび姿勢は、第1実施形態の冷却部50の光源ユニット210に対する相対的な配置およ
び姿勢と同様である。本実施形態において風向変化部54によって変化させられる冷却部
350の送風方向は、第3壁部510cに向けて送風する定常送風方向(第1送風方向)
BD5である。本実施形態において風向変化部53によって変化させられる冷却部350
の送風方向は、第4壁部510dに向けて送風する消灯時送風方向(第2送風方向)BD
6である。冷却部350のその他の構成は、冷却部50の構成と同様である。
本実施形態では、第3壁部510cが発光部510における鉛直方向上側の端部であり
、発光部510における最熱部である。そのため、制御部40は、放電灯90が定常点灯
状態にある場合、図12の二点鎖線で示すように、冷却部350の送風方向を定常送風方
向BD5とし、冷却部350によって第3壁部510cに向けて送風する。このとき、送
風装置51の送風方向は、風向変化部53によって変化させられた状態である。
一方、制御部40は、放電灯90が消灯した場合、冷却部350の送風方向を消灯時送
風方向BD6とし、冷却部350によって第4壁部510dに向けて送風する。このとき
、制御部40は、風向変化部53を収納しつつ、風向変化部54を移動させて、風向変化
部54によって、送風装置51の送風方向を消灯時送風方向BD6に変化させる。光源装
置3200のその他の構成は、第1実施形態の光源装置200の構成と同様である。
本実施形態によれば、放電灯90が消灯した場合に、第4壁部510dに向けて送風を
行えるため、第4壁部510dを集中的に冷却することができる。これにより、第4壁部
510dの温度を低下させて、水銀Hgの凝縮を集中的に生じさせることができる。した
がって、本実施形態によれば、水銀ブリッジが生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、第4壁部510dは、発光部510における鉛直方向下側
の端部である。そのため、凝縮した水銀Hgが自重によって放電空間91内の第4壁部5
10d側に集まりやすく、第2電極93に付着させて絡め取りやすい。したがって、凝縮
した水銀Hgが放電空間91内で移動することをより抑制でき、水銀ブリッジが生じるこ
とをより抑制できる。
なお、本実施形態においては、例えば、送風装置51の送風方向が、風向変化部53,
54によって変化されない状態において定常送風方向BD5となるように、冷却部350
を配置してもよい。この場合、冷却部350には、送風装置51の送風方向を消灯時送風
方向BD6に変化させる風向変化部のみ設けられていればよい。さらにこの場合、上記実
施形態と同様に、制御部40は、放電灯90が定常点灯状態である場合に、送風装置51
からの冷却空気を風向変化部によって第3壁部510cに送風させ、放電灯90が消灯し
た場合に、風向変化部を収納し、送風装置51からの冷却空気を直接第4壁部510dに
送風させる構成としてもよい。
なお、本発明のプロジェクターは、上述した第3実施形態の光源装置3200が上下反
転した光源装置を備える構成であってもよい。この構成の場合、第4壁部510dが発光
部510における鉛直方向上側の端部となり、第3壁部510cが発光部510における
鉛直方向下側の端部となる。この構成において制御部40は、放電灯90が定常点灯状態
となる場合には、冷却部50の送風方向を第4壁部510dに向けて送風する方向とし、
放電灯90が消灯した場合に、冷却部50の送風方向を第3壁部510cに向けて送風す
る方向とする。
また、上述した実施形態では、定常送風方向(第1送風方向)と消灯時送風方向(第2
送風方向)とが、互いに交差する方向としたが、これに限られない。定常送風方向と消灯
時送風方向とは、互いに異なる発光部の部分に向けて送風する方向であり、かつ、消灯時
送風方向が発光部の第1方向(一対の電極が互いに対向して並ぶ方向)における端部のう
ちいずれか一方の端部に向けて送風する方向であれば、特に限定されない。定常送風方向
と消灯時送風方向とは、例えば、互いに平行で、同じ向きを向く方向であってもよい。こ
の場合、姿勢を変えずに冷却部(送風装置)の位置を移動させて送風する発光部の部位を
変化させてもよいし、2つの送風装置を同じ姿勢として水平方向にずらして配置し、各送
風装置から送風される発光部の部位を異ならせてもよい。
また、本実施形態において、送風装置51は、上述したように、放電灯90が定常点灯
状態にある場合に発光部510の鉛直方向上側の端部に冷却空気を送風し、放電灯90が
消灯した場合に発光部510の鉛直方向下側の端部に冷却空気を送風できる構成であれば
、送風装置51が配置される位置は、上記実施形態における送風装置と同様に、特に限定
されない。
また、上記の各実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の
例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能であ
る。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイ
プであることを意味する。「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであ
ることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラ
ーを用いた光変調装置であってもよい。
また、上記の各実施形態において、3つの液晶パネル560R,560G,560B(
液晶ライトバルブ330R,330G,330B)を用いたプロジェクター500の例を
挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクター、4つ以上の液晶パ
ネルを用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせるこ
とができる。
40…制御部、50,250,350…冷却部、51…送風装置、53,54…風向変
化部、90…放電灯、91…放電空間、92…第1電極(電極)、93…第2電極(電極
)、112…反射鏡、152…反射鏡冷却部、251…第1送風装置、252…第2送風
装置、330R,330G,330B…液晶ライトバルブ(光変調装置)、360…投射
光学系、500…プロジェクター、510…発光部、BD1,BD5…定常送風方向(第
1送風方向)、BD2,BD3,BD4,BD6…消灯時送風方向(第2送風方向)、D
…照射方向(所定方向)、Z…鉛直方向

Claims (9)

  1. 一対の電極を有し、光を射出する放電灯と、
    前記放電灯に対して送風して前記放電灯を冷却する冷却部と、
    前記冷却部を制御する制御部と、
    前記放電灯からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
    前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学系と、
    を備え、
    前記放電灯は、内部に放電空間を含む発光部を有し、
    前記一対の電極は、第1方向において互いに対向して前記放電空間内に配置され、
    前記制御部は、
    前記放電灯が定常点灯状態にある場合、前記冷却部の送風方向を、前記発光部の所定
    部位に向けて送風する第1送風方向とし、
    前記放電灯が消灯した場合、前記冷却部の送風方向を、前記所定部位とは異なる前記
    発光部の前記第1方向における端部のうちいずれか一方の端部に向けて送風する第2送風
    方向とすることを特徴とするプロジェクター。
  2. 前記冷却部は、送風装置と、前記送風装置の送風方向を変化させる風向変化部と、を有
    し、
    前記制御部は、前記放電灯が消灯した場合、前記風向変化部によって前記送風装置の送
    風方向を前記第1送風方向から前記第2送風方向に変化させる、請求項1に記載のプロジ
    ェクター。
  3. 前記冷却部は、送風方向が前記第1送風方向である第1送風装置と、送風方向が前記第
    2送風方向である第2送風装置と、を有し、
    前記制御部は、前記放電灯が定常点灯状態にある場合、前記第1送風装置によって前記
    放電灯を冷却し、前記放電灯が消灯した場合、前記第2送風装置によって前記放電灯を冷
    却する、請求項1に記載のプロジェクター。
  4. 前記制御部は、前記放電灯が消灯した場合、前記第1送風装置による送風を停止させ、
    前記第2送風装置による送風を開始させる、請求項3に記載のプロジェクター。
  5. 前記放電灯から射出された光を所定方向へ反射する反射鏡をさらに備え、
    前記反射鏡は、前記放電灯における前記第1方向の一方側の端部に固定され、
    前記第2送風方向は、前記発光部における前記第1方向の他方側の端部に向けて送風す
    る方向である、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロジェクター。
  6. 前記放電灯から射出された光を所定方向へ反射する反射鏡をさらに備え、
    前記反射鏡は、前記放電灯における前記第1方向の一方側の端部に固定され、
    前記第2送風方向は、前記発光部における前記第1方向の前記一方側の端部に向けて送
    風する方向である、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロジェクター。
  7. 前記放電灯が消灯した場合に前記反射鏡を冷却する反射鏡冷却部をさらに備える、請求
    項6に記載のプロジェクター。
  8. 前記所定部位は、前記発光部の鉛直方向上側の端部である、請求項1から7のいずれか
    一項に記載のプロジェクター。
  9. 一対の電極を有し、光を射出する放電灯と、前記放電灯に対して送風して前記放電灯を
    冷却する冷却部と、を備えるプロジェクターの制御方法であって、
    前記放電灯は、内部に放電空間を含む発光部を有し、
    前記一対の電極は、第1方向において互いに対向して前記放電空間内に配置され、
    前記放電灯が定常点灯状態にある場合、前記冷却部の送風方向を、前記発光部の所定部
    位に向けて送風する第1送風方向とし、
    前記放電灯が消灯した場合、前記冷却部の送風方向を、前記所定部位とは異なる前記発
    光部の前記第1方向における端部のうちいずれか一方の端部に向けて送風する第2送風方
    向とすることを特徴とするプロジェクターの制御方法。
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