JP6421650B2 - プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法に関する。
プロジェクターの動作を停止させると、プロジェクターが備える放電灯内の温度が低下するため、放電灯内に封入されている水銀が凝縮して、放電灯の内壁や電極に付着する場合がある。このとき、水銀によって電極同士が接続される水銀ブリッジが生じる場合があった。水銀ブリッジが生じると、電極間が短絡するため、放電灯を点灯できなくなる。
これに対して、例えば、特許文献1には、水銀ブリッジの防止を目的として、放電灯が点灯状態から消灯に移る過渡状態において、電極に供給するランプ電力をアーク放電が消滅しない程度まで低減させ、発光管部を水銀が凝結する程度に冷却する方法が記載されている。
特許第4070420号公報
しかし、上記のような方法においては、発光管部を水銀が凝縮(凝結)する程度にまで冷却するのに時間が掛かる問題があった。そのため、使用者がプロジェクターの動作停止操作を行っても、しばらくの間プロジェクターは低電力で点灯し続けることとなり、プロジェクターの利便性が低下する問題があった。
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて成されたものであって、水銀ブリッジを抑制でき、かつ、利便性が低下することを抑制できる構成を有するプロジェクターおよびそのようなプロジェクターの制御方法を提供することを目的の一つとする。
本発明のプロジェクターの一つの態様は、光を射出する放電灯と、前記放電灯から射出された光を所定方向へ反射する反射鏡と、前記放電灯に駆動電流を供給する放電灯駆動部と、前記放電灯駆動部を制御する制御部と、所定の操作を受け付ける入力受付部と、前記放電灯からの光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備えるプロジェクターであって、前記放電灯は、内部に放電空間を有する放電灯本体と、前記放電空間に突出する第1電極および第2電極と、を有し、前記反射鏡は、前記放電灯本体の第1端部に取り付けられ、前記第1電極は、前記第1端部側に配置され、前記第2電極は、前記第1端部と反対の前記放電灯本体の第2端部側に配置され、前記駆動電流は、前記放電灯に交流電流が供給される第1交流期間および第2交流期間を有し、前記第1交流期間および前記第2交流期間は、前記第1電極が陽極となる第1極性期間と、前記第2電極が陽極となる第2極性期間と、を交互に含み、前記制御部は、前記入力受付部が前記プロジェクターの動作停止操作を受け付けた場合に、前記駆動電流において前記放電灯に交流電流が供給される期間を前記第1交流期間から前記第2交流期間に移行させ、前記第2交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値は、前記第1交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値よりも大きいことを特徴とする。
本発明のプロジェクターの一つの態様によれば、第2交流期間における第2極性期間の駆動電流の絶対値は、第1交流期間における第2極性期間の駆動電流の絶対値よりも大きい。そのため、第2交流期間において第2電極を加熱し、第2電極の温度を高くすることができる。これにより、放電灯が消灯した後、第2電極の温度が放電灯本体の温度より低くなるまでの時間を長くすることができる。その結果、第2電極の温度が放電灯本体の温度より低くなる前に、放電灯本体の温度が水銀の沸点よりも低くなりやすい。したがって、水銀が放電灯本体の内壁に凝縮しやすく、水銀ブリッジが生じることを抑制できる。
また、第2交流期間において第2極性期間の駆動電流の絶対値を大きくすると、比較的短い時間で、第2電極の温度を高くすることができる。したがって、入力受付部が動作停止操作を受け付けてから、比較的短い時間で放電灯を消灯することができる。これにより、プロジェクターの利便性が低下することを抑制できる。
以上により、本発明のプロジェクターの一つの態様によれば、水銀ブリッジを抑制でき、かつ、利便性が低下することを抑制できる構成を有するプロジェクターが得られる。
前記第2交流期間の長さは、5.0ms以上、10s以下である構成としてもよい。
この構成によれば、第2交流期間において第2電極を適切に加熱しつつ、かつ、プロジェクターの利便性が低下することを抑制できる。
前記第2交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値は、前記放電灯に定格電力が供給されたときの前記駆動電流の絶対値の0.8倍以上、1.25倍以下である構成としてもよい。
この構成によれば、第2電極を短い時間で適切に加熱しやすい。
前記動作停止操作は、第1停止操作と、前記第1停止操作よりも時間的に後に行われる第2停止操作と、を含み、前記第2交流期間は、前記第1停止操作から前記第2停止操作までの間の少なくとも一部の期間に設けられる構成としてもよい。
この構成によれば、使用者が第2停止操作を行った直後にプロジェクターの動作を停止できるため、プロジェクターの利便性が低下することをより抑制できる。
前記制御部は、前記入力受付部が前記第1停止操作を受け付けた場合に、前記プロジェクターの動作停止の要否を確認する確認動作を実行する構成としてもよい。
この構成によれば、使用者が誤ってプロジェクターの動作を停止することを抑制できる。
前記制御部は、前記入力受付部が前記第2停止操作を受け付けた場合に、前記放電灯への前記駆動電流の供給を停止するように前記放電灯駆動部を制御する構成としてもよい。
この構成によれば、プロジェクターの利便性が低下することを抑制できる。
前記放電灯を冷却可能な冷却部を備え、前記制御部は、前記第1交流期間において、前記放電灯に供給される駆動電力に応じて設定されている第1出力で前記冷却部を駆動し、前記第2交流期間の少なくとも一部の期間において、前記第1出力よりも大きい第2出力で前記冷却部を駆動する構成としてもよい。
この構成によれば、水銀ブリッジが生じることをより抑制できる。
前記反射鏡を冷却可能な冷却部を備え、前記制御部は、前記第1交流期間において、前記放電灯に供給される駆動電力に応じて設定されている第1出力で前記冷却部を駆動し、前記第2交流期間の少なくとも一部の期間において、前記第1出力よりも大きい第2出力で前記冷却部を駆動する構成としてもよい。
この構成によれば、水銀ブリッジが生じることをより抑制できる。
前記第2交流期間における前記第1極性期間の前記駆動電流の絶対値は、前記第1交流期間における前記第1極性期間の前記駆動電流の絶対値よりも小さい構成としてもよい。
この構成によれば、第1電極および第2電極のうち第2電極のみの温度を高くすることができるとともに、第1交流期間における平均電力量に対し第2交流期間における平均電力量の増加を抑えることができるため、放電灯のちらつきが生じることを抑制できる。
前記第2交流期間において前記放電灯に供給される駆動電力の平均値は、前記第1交流期間において前記放電灯に供給される駆動電力の値と同じである構成としてもよい。
この構成によれば、放電灯のちらつきが生じることを抑制できる。
前記第2交流期間における前記駆動電流の周波数は、前記第1交流期間における前記駆動電流の周波数よりも大きい構成としてもよい。
この構成によれば、第2交流期間の駆動電流の1周期における第2極性期間の長さを、第1交流期間の駆動電流の1周期における第2極性期間の長さよりも小さくすることができる。そのため、第2交流期間における駆動電流の絶対値の増加によって第2電極の先端の突起が大きく溶融されて変形することを抑制できる。これにより、第2交流期間において安定的に第2電極の温度を上昇させやすい。
本発明のプロジェクターの制御方法は、光を射出する放電灯と、前記放電灯から射出された光を所定の方向へ反射する反射鏡と、所定の操作を受け付ける入力受付部と、を備えるプロジェクターの制御方法であって、前記放電灯は、内部に放電空間を有する放電灯本体と、前記放電空間に突出する第1電極および第2電極と、を有し、前記反射鏡は、前記放電灯本体の第1端部に取り付けられ、前記第1電極は、前記第1端部側に配置され、前記第2電極は、前記第1端部と反対の前記放電灯本体の第2端部側に配置され、前記放電灯に駆動電流として交流電流が供給される第1交流期間および第2交流期間を有し、前記第1交流期間および前記第2交流期間は、前記第1電極が陽極となる第1極性期間と、前記第2電極が陽極となる第2極性期間と、を交互に含み、前記入力受付部が前記プロジェクター動作操作を受け付けた場合に、前記放電灯に交流電流が供給される期間を前記第1交流期間から前記第2交流期間に移行させることと、前記第2交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値を、前記第1交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値よりも大きくすることと、を含むことを特徴とする。
本発明のプロジェクターの制御方法によれば、上記と同様にして、水銀ブリッジを抑制でき、かつ、利便性が低下することを抑制できる構成を有するプロジェクターが得られる。
第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。 第1実施形態の光源装置の構成を示す断面図である。 第1実施形態の放電灯の部分拡大断面図である。 第1実施形態の放電灯点灯装置および制御装置の回路図である。 第1実施形態の制御装置の一構成例を示すブロック図である。 第1実施形態のプロジェクターの各種構成要素を示すブロック図である。 放電灯の電極先端の突起の様子を示す図である。 第1実施形態の駆動電流波形の一例を示すグラフである。 第1実施形態の第2電極および放電灯本体の温度変化を示すグラフである。 第2実施形態の駆動電流波形の一例を示すグラフである。 水銀ブリッジについて説明するための説明図である。 水銀ブリッジについて説明するための説明図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクターについて説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
<第1実施形態>
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター500は、光源装置200と、平行化レンズ305と、照明光学系310と、色分離光学系320と、3つの液晶ライトバルブ(光変調装置)330R,330G,330Bと、クロスダイクロイックプリズム340と、投射光学系(投射光学装置)350と、を備える。
光源装置200から射出された光は、平行化レンズ305を通過して照明光学系310に入射する。平行化レンズ305は、光源装置200からの光を平行化する。
照明光学系310は、光源装置200から射出される光の照度を、液晶ライトバルブ330R,330G,330B上において均一化するように調整する。さらに、照明光学系310は、光源装置200から射出される光の偏光方向を一方向に揃える。その理由は、光源装置200から射出される光を液晶ライトバルブ330R,330G,330Bで有効に利用するためである。
照度分布と偏光方向とが調整された光は、色分離光学系320に入射する。色分離光学系320は、入射光を赤色光(R)、緑色光(G)、青色光(B)の3つの色光に分離する。3つの色光は、各色光に対応付けられた液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにより、映像信号に応じてそれぞれ変調される。液晶ライトバルブ330R,330G,330Bは、後述する液晶パネル560R,560G,560Bと、偏光板(図示せず)と、を有する。偏光板は、液晶パネル560R,560G,560Bのそれぞれの光入射側および光射出側に配置される。
変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム340により合成される。合成光は投射光学系350に入射する。投射光学系350は、入射光をスクリーン700(図6参照)に投射する。これにより、スクリーン700上に映像が表示される。なお、平行化レンズ305、照明光学系310、色分離光学系320、クロスダイクロイックプリズム340、投射光学系350の各々の構成としては、周知の構成を採用することができる。
光源装置200は、光源ユニット210と、放電灯点灯装置10と、制御装置(制御部)40と、入力受付部45と、冷却装置(冷却部)50と、を有する。
図2は、光源装置200の構成を示す断面図である。図2には、光源ユニット210の断面図が示されている。図2においては、制御装置40と冷却装置50との図示を省略している。
(光源ユニット)
光源ユニット210は、図2に示すように、放電灯90と、主反射鏡(反射鏡)112と、副反射鏡113と、を有する。
放電灯点灯装置10は、放電灯90に駆動電流Iを供給して放電灯90を点灯させる。主反射鏡112は、放電灯90から射出された光を照射方向(所定方向)Dに向けて反射する。照射方向Dは、放電灯90の光軸AXと平行である。
放電灯90は、放電灯本体510と、第1電極92および第2電極93と、を有する。
放電灯本体510の形状は、照射方向Dに沿って延びる棒状である。放電灯本体510の一方の端部、すなわち、放電灯90の一方の端部を第1端部90e1とする。放電灯本体510の他方の端部、すなわち、放電灯90の他方の端部を第2端部90e2とする。放電灯本体510の材料は、例えば、石英ガラス等の透光性材料である。放電灯本体510の中央部は球状に膨らんでおり、その内部は放電空間91である。放電空間91には、水銀、希ガス、金属ハロゲン化合物等を含む放電媒体であるガスが封入されている。
放電空間91には、第1電極92および第2電極93の先端が突出している。第1電極92は、放電空間91の第1端部90e1側に配置されている。第2電極93は、放電空間91の第2端部90e2側に配置されている。第1電極92および第2電極93の形状は、光軸AXに沿って延びる棒状である。放電空間91には、第1電極92および第2電極93の電極先端部が、所定距離だけ離れて対向するように配置されている。第1電極92および第2電極93の材料は、例えば、タングステン等の金属である。
図3は、放電灯90の部分を示す拡大断面図である。
第1電極92は、図3に示すように、芯棒533と、コイル部532と、本体部531と、突起531pと、を有する。第1電極92は、放電灯本体510への封入前の段階において、芯棒533に電極材(タングステン等)の線材を巻き付けてコイル部532を形成し、形成されたコイル部532を加熱・溶融することにより形成される。これにより、第1電極92の先端側には、熱容量が大きい本体部531と、アークARの発生位置となる突起531pが形成される。
第2電極93は、芯棒543と、コイル部542と、本体部541と、突起541pと、を有する。第2電極93は、第1電極92と同様にして形成される。
なお、第1電極92と第2電極93とは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して第1電極92についてのみ説明する場合がある。また、第1電極92の先端の突起531pと第2電極93の先端の突起541pとは、同様の構成であるため、以下の説明においては、代表して突起531pについてのみ説明する場合がある。
図2に示すように、放電灯90の第1端部90e1には、第1端子536が設けられている。第1端子536と第1電極92とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材534により電気的に接続されている。同様に、放電灯90の第2端部90e2には、第2端子546が設けられている。第2端子546と第2電極93とは、放電灯90の内部を貫通する導電性部材544により電気的に接続されている。第1端子536および第2端子546の材料は、例えば、タングステン等の金属である。導電性部材534,544の材料としては、例えば、モリブデン箔が利用される。
第1端子536および第2端子546は、放電灯点灯装置10に接続されている。放電灯点灯装置10は、第1端子536および第2端子546に、放電灯90を駆動するための駆動電力を供給する。その結果、第1電極92および第2電極93の間でアーク放電が起きる。アーク放電により発生した光(放電光)は、破線の矢印で示すように、放電位置から全方向に向かって放射される。
図3に示すように、放電灯90を点灯すると、放電空間91内に封入されたガスは、アークARの発生により加熱され、放電空間91内において対流する。詳細には、アークARおよびその付近の領域は極めて高温となるため、放電空間91内において、アークARから鉛直方向上側に流れる対流AF(図3に一点鎖線の矢印で示す)が形成される。対流AFは、放電灯本体510の内壁に当たって放電灯本体510の内壁に沿って移動し、第1電極92および第2電極93の芯棒533,543等を通過することによって冷却されつつ降下する。
降下した対流AFは、放電灯本体510の内壁に沿って更に降下するが、アークARの鉛直方向下側で互いに衝突して上方のアークARに戻されるように上昇する。対流AFが、放電灯本体510の内壁を沿って移動することによって、放電灯本体510は加熱される。
主反射鏡112は、図2に示すように、固定部材114により、放電灯90の第1端部90e1に固定されている。主反射鏡112は、放電光のうち、照射方向Dと反対側に向かって進む光を照射方向Dに向かって反射する。主反射鏡112の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電光を照射方向Dに向かって反射できる範囲内において、特に限定されず、例えば、回転楕円形状であっても、回転放物線形状であってもよい。例えば、主反射鏡112の反射面の形状を回転放物線形状とした場合、主反射鏡112は、放電光を光軸AXに略平行な光に変換することができる。これにより、平行化レンズ305を省略することができる。
副反射鏡113は、固定部材522により、放電灯90の第2端部90e2側に固定されている。副反射鏡113の反射面(放電灯90側の面)の形状は、放電空間91の第2端部90e2側の部分を囲む球面形状である。副反射鏡113は、放電光のうち、主反射鏡112が配置された側と反対側に向かって進む光を主反射鏡112に向かって反射する。これにより、放電空間91から放射される光の利用効率を高めることができる。
固定部材114,522の材料は、放電灯90からの発熱に耐え得る耐熱材料である範囲内において、特に限定されず、例えば、無機接着剤である。
(放電灯点灯装置)
図4は、放電灯点灯装置10および制御装置40の回路構成の一例を示す図である。
放電灯点灯装置10は、図4に示すように、電力制御回路20と、極性反転回路30と、動作検出部60と、イグナイター回路70と、を有する。
電力制御回路20は、放電灯90に供給する駆動電力を生成する。本実施形態においては、電力制御回路20は、直流電源装置80からの電圧を入力とし、入力電圧を降圧して直流電流Idを出力するダウンチョッパー回路で構成されている。
電力制御回路20は、スイッチ素子21、ダイオード22、コイル23およびコンデンサー24を含んで構成される。スイッチ素子21は、例えば、トランジスターで構成される。本実施形態においては、スイッチ素子21の一端は直流電源装置80の正電圧側に接続され、他端はダイオード22のカソード端子およびコイル23の一端に接続されている。
コイル23の他端にコンデンサー24の一端が接続され、コンデンサー24の他端はダイオード22のアノード端子および直流電源装置80の負電圧側に接続されている。スイッチ素子21の制御端子には、制御装置40から電流制御信号が入力されてスイッチ素子21のON/OFFが制御される。電流制御信号には、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)制御信号が用いられてもよい。
スイッチ素子21がONすると、コイル23に電流が流れ、コイル23にエネルギーが蓄えられる。その後、スイッチ素子21がOFFすると、コイル23に蓄えられたエネルギーがコンデンサー24とダイオード22とを通る経路で放出される。その結果、スイッチ素子21がONする時間の割合に応じた直流電流Idが発生する。
極性反転回路30は、電力制御回路20から入力される直流電流Idを所定のタイミングで極性反転させる。これにより、極性反転回路30は、制御された時間だけ継続する直流である駆動電流I、もしくは、任意の周波数を持つ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。本実施形態において、極性反転回路30は、インバーターブリッジ回路(フルブリッジ回路)で構成されている。
極性反転回路30は、例えば、トランジスターなどで構成される第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34を含んでいる。極性反転回路30は、直列接続された第1のスイッチ素子31および第2のスイッチ素子32と、直列接続された第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34と、が互いに並列接続された構成を有する。第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33、および第4のスイッチ素子34の制御端子には、それぞれ制御装置40から極性反転制御信号が入力される。この極性反転制御信号に基づいて、第1のスイッチ素子31、第2のスイッチ素子32、第3のスイッチ素子33および第4のスイッチ素子34のON/OFF動作が制御される。
極性反転回路30においては、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34と、第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33と、を交互にON/OFFさせる動作が繰り返される。これにより、電力制御回路20から出力される直流電流Idの極性が交互に反転する。極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31と第2のスイッチ素子32との共通接続点、および第3のスイッチ素子33と第4のスイッチ素子34との共通接続点から、制御された時間だけ同一極性状態を継続する直流である駆動電流I、もしくは制御された周波数をもつ交流である駆動電流Iを生成し、出力する。
すなわち、極性反転回路30は、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がOFFであり、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がOFFのときには第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONであるように制御される。したがって、第1のスイッチ素子31および第4のスイッチ素子34がONのときには、コンデンサー24の一端から第1のスイッチ素子31、放電灯90、第4のスイッチ素子34の順に流れる駆動電流Iが発生する。第2のスイッチ素子32および第3のスイッチ素子33がONのときには、コンデンサー24の一端から第3のスイッチ素子33、放電灯90、第2のスイッチ素子32の順に流れる駆動電流Iが発生する。
本実施形態において、電力制御回路20と極性反転回路30とを合わせた部分が放電灯駆動部230に対応する。すなわち、放電灯駆動部230は、放電灯90を駆動する駆動電流Iを放電灯90に供給する。
動作検出部60は、放電灯90のランプ電圧を検出して制御装置40にランプ電圧情報を出力する電圧検出部を含む。また、動作検出部60は、駆動電流Iを検出して制御装置40に駆動電流情報を出力する電流検出部などを含む。本実施形態においては、動作検出部60は、第1の抵抗61、第2の抵抗62および第3の抵抗63を含んで構成されている。
本実施形態において、動作検出部60の電圧検出部は、放電灯90と並列に、互いに直列接続された第1の抵抗61および第2の抵抗62で分圧した電圧によりランプ電圧を検出する。また、本実施形態において、電流検出部は、放電灯90に直列に接続された第3の抵抗63に発生する電圧により駆動電流Iを検出する。
イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時にのみ動作する。イグナイター回路70は、放電灯90の点灯開始時に放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)を絶縁破壊して放電路を形成するために必要な高電圧(放電灯90の通常点灯時よりも高い電圧)を、放電灯90の電極間(第1電極92と第2電極93との間)に供給する。本実施形態においては、イグナイター回路70は、放電灯90と並列に接続されている。
(制御装置)
制御装置40は、プロジェクター500の動作開始から動作停止に至るまでの各種の動作を制御する。制御装置40は、駆動電流Iの駆動電流波形に従って放電灯駆動部230を制御する。図4の例では、制御装置40は、電力制御回路20および極性反転回路30を制御することにより、駆動電流Iが同一極性を継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数等のパラメーターを制御する。制御装置40は、極性反転回路30に対して、駆動電流Iの極性反転タイミングにより、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの周波数等を制御する極性反転制御を行う。制御装置40は、電力制御回路20に対して、出力される直流電流Idの電流値を制御する電流制御を行う。
制御装置40は、放電灯駆動部230を制御して、入力受付部45がプロジェクター500の動作停止操作、すなわち放電灯90の消灯操作を受け付けた場合に、駆動電流Iにおいて放電灯90に交流電流が供給される期間を後述する定常点灯期間(第1交流期間)PH1から加熱期間(第2交流期間)PH21へと移行させる。詳細については、後述する。
また、本実施形態において制御装置40は、冷却装置50を制御する。制御装置40は、後述する加熱期間PH21において、定常ファン電圧(第1出力)よりも大きいファン電圧(第2出力)で冷却装置50を駆動する。詳細については、後述する。
制御装置40の構成は、特に限定されない。本実施形態においては、制御装置40は、システムコントローラー41、電力制御回路コントローラー42、および極性反転回路コントローラー43を含んで構成されている。なお、制御装置40は、その一部または全てを半導体集積回路で構成してもよい。
システムコントローラー41は、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御することにより、電力制御回路20および極性反転回路30を制御する。システムコントローラー41は、動作検出部60が検出したランプ電圧および駆動電流Iに基づき、電力制御回路コントローラー42および極性反転回路コントローラー43を制御してもよい。
本実施形態においては、システムコントローラー41には、記憶部44が接続されている。
システムコントローラー41は、記憶部44に格納された情報に基づき、電力制御回路20および極性反転回路30を制御してもよい。記憶部44には、例えば、駆動電流Iが同一極性で継続する保持時間、駆動電流Iの電流値、周波数、波形、変調パターン等の駆動パラメーターに関する情報が格納されていてもよい。
電力制御回路コントローラー42は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、電力制御回路20へ電流制御信号を出力することにより、電力制御回路20を制御する。
極性反転回路コントローラー43は、システムコントローラー41からの制御信号に基づき、極性反転回路30へ極性反転制御信号を出力することにより、極性反転回路30を制御する。
制御装置40は、専用回路を用いて実現され、上述した制御や後述する処理の各種制御を行うようにすることができる。これに対して、制御装置40は、例えば、記憶部44に記憶された制御プログラムを実行することによりコンピューターとして機能し、これらの処理の各種制御を行うようにすることもできる。
図5は、制御装置40の他の構成例について説明するための図である。図5に示すように、制御装置40は、制御プログラムにより、電力制御回路20を制御する電流制御手段40−1、極性反転回路30を制御する極性反転制御手段40−2として機能するように構成されてもよい。
(入力受付部)
図1に示す入力受付部45は、使用者による所定の操作を受け付ける部分である。入力受付部45は、例えば、プロジェクター500の電源のON/OFF、点灯モードの変更等の使用者による操作を受け付ける。本実施形態において入力受付部45は、制御装置40に接続されている。使用者の操作を受け付けた場合、入力受付部45は、制御装置40に、操作に応じた操作信号を出力する。
入力受付部45が操作を受け付ける方法は、特に限定されない。入力受付部45は、例えば、プロジェクター500の筐体に取り付けられた各種ボタンが押されることによって操作を受け付けてもよいし、プロジェクター500のリモートコントローラーから送られる信号によって操作を受け付けてもよい。
本実施形態においては、プロジェクター500の電源をOFFにする操作、すなわち、動作停止操作は、第1停止操作と、第2停止操作と、を含む。言い換えると、本実施形態において使用者は、第1停止操作と、第2停止操作と、を行うことによって、プロジェクター500の電源をOFFにすることができる。一例として、使用者は、プロジェクター500の筐体に取り付けられた電源ボタンを2回押すことにより、プロジェクター500の電源をOFFにすることができる。
入力受付部45が第1停止操作を受け付けると、制御装置40は、プロジェクター500の電源をOFFにすることの要否を確認する確認動作を実行する。言い換えると、制御装置40は、入力受付部45が第1停止操作を受け付けた場合に、放電灯90への駆動電流Iの供給停止の要否を確認する確認動作を実行する。
確認動作としては、特に限定されず、使用者に対してプロジェクター500の動作停止を確認する動作であれば、いかなる方法を用いてもよい。確認動作としては、例えば、プロジェクター500の動作停止を確認する映像をスクリーン700に表示する方法を選択できる。また、確認動作としては、例えば、プロジェクター500の動作停止を確認する音声を流す方法を選択できる。
第2停止操作は、第1停止操作よりも時間的に後に行われる操作である。使用者は、第1停止操作を行った後、確認動作に対してプロジェクター500の動作停止の実行を決定した場合に、第2停止操作を行う。入力受付部45が第2停止操作を受け付けると、制御装置40は、放電灯90への駆動電流Iの供給を停止するように放電灯駆動部230を制御する。これにより、プロジェクター500の電源がOFFになる。
入力受付部45は、第1停止操作と第2停止操作とを同様の方法により受け付けてもよいし、異なる方法で受け付けてもよい。
(冷却装置)
冷却装置50は、例えば、ファンにより構成されている。冷却装置50のファンは、例えば、シロッコファンで構成されている。冷却装置50のファンは、プロジェクター500の筐体内の冷却空気を吸引して、光源ユニット210に送風する。冷却装置50は、光源ユニット210の放電灯90と、光源ユニット210の主反射鏡112と、を冷却可能である。
本実施形態において冷却装置50は、例えば、放電灯90と主反射鏡112とに送風可能な1つのファンを有する構成であってもよいし、放電灯90に送風可能なファンと、主反射鏡112に送風可能なファンと、をそれぞれ含む構成であってもよい。
以下、プロジェクター500の回路構成について説明する。
図6は、本実施形態のプロジェクター500の回路構成の一例を示す図である。プロジェクター500は、図1に示した構成の他、図6に示すように、画像信号変換部501と、直流電源装置80と、液晶パネル560R,560G,560Bと、画像処理装置570と、を備える。
画像信号変換部501は、外部から入力された画像信号502(輝度−色差信号やアナログRGB信号など)を所定のワード長のデジタルRGB信号に変換して画像信号512R,512G,512Bを生成し、画像処理装置570に供給する。
画像処理装置570は、3つの画像信号512R,512G,512Bに対してそれぞれ画像処理を行う。画像処理装置570は、液晶パネル560R,560G,560Bをそれぞれ駆動するための駆動信号572R,572G,572Bを液晶パネル560R,560G,560Bに供給する。
直流電源装置80は、外部の交流電源600から供給される交流電圧を一定の直流電圧に変換する。直流電源装置80は、トランス(図示しないが、直流電源装置80に含まれる)の2次側にある画像信号変換部501、画像処理装置570およびトランスの1次側にある放電灯点灯装置10に直流電圧を供給する。
放電灯点灯装置10は、起動時に放電灯90の電極間に高電圧を発生し、絶縁破壊を生じさせて放電路を形成する。以後、放電灯点灯装置10は、放電灯90が放電を維持するための駆動電流Iを供給する。
液晶パネル560R,560G,560Bは、前述した液晶ライトバルブ330R,330G,330Bにそれぞれ設けられている。液晶パネル560R,560G,560Bは、それぞれ駆動信号572R,572G,572Bに基づいて、前述した光学系を介して各液晶パネル560R,560G,560Bに入射される色光の透過率(輝度)を変調する。
以下、駆動電流Iの極性と電極の温度との関係について説明する。
図7(A)〜図7(D)は、放電灯90に供給する駆動電流Iの極性と電極の温度との関係を示す説明図である。図7(A)および図7(B)は、第1電極92及び第2電極93の動作状態を示している。
図7(A),(B)には、第1電極92および第2電極93の先端部分が示されている。第1電極92と第2電極93の間で生じる放電は、主として突起531pと突起541pとの間で生じる。本実施形態のように突起531p,541pがある場合には、突起が無い場合と比べて、第1電極92および第2電極93における放電位置(アーク位置)の移動を抑えることができる。
図7(A)は、第1電極92が陽極として動作し、第2電極93が陰極として動作する第1極性状態を示している。第1極性状態では、放電により、第2電極93(陰極)から第1電極92(陽極)へ電子が移動する。陰極(第2電極93)からは電子が放出される。陰極(第2電極93)から放出された電子は陽極(第1電極92)の先端(突起531p)に衝突する。この衝突によって熱が生じ、陽極、すなわち、第1電極92の温度が上昇する。
図7(B)は、第1電極92が陰極として動作し、第2電極93が陽極として動作する第2極性状態を示している。第2極性状態では、第1極性状態とは逆に、第1電極92から第2電極93へ電子が移動する。その結果、第2電極93の温度が上昇する。
このように、放電灯90に駆動電流Iが供給されることで、電子が衝突する陽極の温度は上昇する。一方、電子を放出する陰極の温度は、陽極に向けて電子を放出している間、低下する。
第1電極92と第2電極93との電極間距離Lは、突起531pと突起541pとの間の距離である。放電灯90の駆動時において突起531pは、第1電極92の温度の上昇・低下に伴って、溶融と成長とを繰り返している。突起541pについても同様である。電極間距離Lは、突起531p,541pが溶融されると大きくなり、成長すると小さくなる。
図7(C)は、放電灯90に供給される駆動電流Iの一例を示すタイミングチャートである。図7(C)において横軸は時間Tを示し、縦軸は駆動電流Iの電流値を示している。駆動電流Iは、放電灯90を流れる電流を示す。正値は第1極性状態を示し、負値は第2極性状態を示す。図7(C)においては、定常点灯期間PH1における駆動電流Iを示している。
本実施形態においては、図7(C)に示すように、駆動電流Iとして矩形波交流電流が利用されている。定常点灯期間PH1においては、第1極性状態となる第1極性期間P1と、第2極性状態となる第2極性期間P2とが交互に繰り返されるように、駆動電流Iが放電灯90に供給される。
図7(C)に示す例では、第1極性期間P1の平均電流値はIm1であり、第2極性期間P2の平均電流値は−Im1である。放電灯90の駆動に適した駆動電流Iの駆動周波数は、放電灯90の特性に合わせて実験的に決定することができる。
図7(D)は、第1電極92の温度変化を示すタイミングチャートである。横軸は時間Tを示し、縦軸は温度Hを示している。第1極性期間P1では、第1電極92の温度Hが上昇し、第2極性期間P2では、第1電極92の温度Hが低下する。第1極性期間P1と第2極性期間P2とが繰り返されるので、温度Hは最小値Hminと最大値Hmaxとの間で周期的に変化する。図示は省略するが、第2電極93の温度は、第1電極92の温度Hとは逆位相で変化する。すなわち、第1極性期間P1では、第2電極93の温度が低下し、第2極性期間P2では、第2電極93の温度が上昇する。
次に、制御装置40による冷却装置50の制御について説明する。
冷却装置50は、定常出力モードと、高出力モードと、を実行可能である。冷却装置50の出力モードは、制御装置40によって制御される。
定常出力モードは、定常ファン電圧(第1出力)が冷却装置50のファンに印加される出力モードである。定常ファン電圧は、放電灯90の温度を適正温度に維持するために設定されるファン電圧であり、駆動電力に応じて設定される。本実施形態において定常ファン電圧は、例えば、駆動電力に比例するように設定される。
なお、本明細書において、ファン電圧(定常ファン電圧)が駆動電力に比例するとは、ファン電圧が厳密に駆動電力に比例する場合のみを意味するものではなく、例えば、0.9倍以上、1.1倍以下程度の誤差は許容されるものとする。
高出力モードは、駆動電力に対して定常ファン電圧(第1出力)よりも大きいファン電圧(第2出力)が冷却装置50のファンに印加される出力モードである。すなわち、本実施形態において第2出力は、駆動電力で放電灯90が駆動される際に、放電灯90の温度を適正温度よりも低下させるファン電圧である。
本実施形態において制御装置40は、定常点灯期間PH1において、定常出力モードで冷却装置50を駆動する。本実施形態において制御装置40は、加熱期間PH21の少なくとも一部の期間において、高出力モードで冷却装置50を駆動する。
例えば、冷却装置50が、放電灯90に送風可能なファンと、主反射鏡112に送風可能なファンと、をそれぞれ有する構成である場合には、放電灯90に送風可能なファンと、主反射鏡112に送風可能なファンと、のいずれか一方のみを高出力モードで実行してもよい。
次に、本実施形態における放電灯90へ供給される駆動電流Iについて説明する。
図8は、本実施形態の駆動電流波形DW1の一例を示す図である。図8においては、入力受付部45が動作停止操作を受け付ける前後の駆動電流波形DW1を示している。
駆動電流波形DW1(駆動電流I)は、図8に示すように、放電灯90に交流電流が供給される定常点灯期間PH1および加熱期間PH21を有する。本実施形態において駆動電流波形DW1は、入力受付部45が第1停止操作を受け付けた場合に、定常点灯期間PH1から加熱期間PH21へと移行する。
定常点灯期間PH1は、上述したように、第1極性期間P1と第2極性期間P2とを交互に含む。
本実施形態において加熱期間PH21は、入力受付部45が第1停止操作を受け付けてから、第2停止操作を受け付けるまでの間の全体に設けられている。すなわち、本実施形態において加熱期間PH21の長さt1は、使用者が第1停止操作を行ってから、第2停止操作を行うまでの時間に相当する。
加熱期間PH21は、第1極性状態となる第1極性期間P11と、第2極性状態となる第2極性期間P21と、を交互に含む。すなわち、加熱期間PH21においては、放電灯90に交流電流が供給される。
本実施形態において第1極性期間P11の駆動電流Iの値は、例えば、Im1である。すなわち、第1極性期間P11の駆動電流Iの値は、例えば、定常点灯期間PH1における第1極性期間P1の駆動電流Iの値と同じである。
第2極性期間P21の駆動電流Iの値は、例えば、−Im2である。−Im2の絶対値は、−Im1の絶対値よりも大きい。すなわち、加熱期間PH21における第2極性期間P21の駆動電流Iの絶対値は、定常点灯期間PH1における第2極性期間P2の駆動電流Iの絶対値よりも大きい。
一例として、加熱期間PH21における第2極性期間P21の駆動電流Iの絶対値は、放電灯90に定格電力が供給されたときの駆動電流Iの絶対値の0.8倍以上、1.25倍以下である。言い換えると、加熱期間PH21における第2極性期間P21の駆動電力は、定格電力の0.8倍以上、1.25倍以下である。第2極性期間P21の駆動電流Iの絶対値をこのようにすることで、第2電極93の温度を適切に上昇させつつ、第2電極93が損耗することを抑制できる。
図8に示す例では、加熱期間PH21における駆動電流Iの周波数は、定常点灯期間PH1における周波数と同じである。定常点灯期間PH1の第1極性期間P1の長さtpと、加熱期間PH21の第1極性期間P11の長さtp1とは、同じである。定常点灯期間PH1の第2極性期間P2の長さtnと、加熱期間PH21の第2極性期間P21の長さtn1とは、同じである。
以上の駆動電流波形DW1に従って、制御装置40は放電灯駆動部230を制御する。
上記説明した実施形態は、プロジェクターの制御方法として表現することもできる。すなわち、本実施形態のプロジェクターの制御方法は、光を射出する放電灯90と、放電灯90から射出された光を照射方向Dへ反射する主反射鏡112と、所定の操作を受け付ける入力受付部45と、を備えるプロジェクターの制御方法であって、放電灯90は、内部に放電空間91を有する放電灯本体510と、放電空間91に突出する第1電極92および第2電極93と、を有し、主反射鏡112は、放電灯本体510の第1端部90e1に取り付けられ、第1電極92は、第1端部90e1側に配置され、第2電極93は、第1端部90e1と反対の放電灯本体510の第2端部90e2側に配置され、放電灯90に駆動電流Iとして交流電流が供給される定常点灯期間PH1および加熱期間PH21を有し、定常点灯期間PH1および加熱期間PH21は、第1電極92が陽極となる第1極性期間P1,P11と、第2電極93が陽極となる第2極性期間P2,P21と、を交互に含み、入力受付部45がプロジェクターの動作停止操作を受け付けた場合に、放電灯90に交流電流が供給される期間を定常点灯期間PH1から加熱期間PH21に移行させることと、加熱期間PH21における第2極性期間P21の駆動電流Iの絶対値を、定常点灯期間PH1における第2極性期間P2の駆動電流Iの絶対値よりも大きくすることと、を含むことを特徴とする。
本実施形態によれば、水銀ブリッジを抑制でき、かつ、利便性が低下することを抑制できる構成を有するプロジェクターが得られる。以下、詳細に説明する。
まず、水銀ブリッジについて説明する。
図11および図12は、水銀ブリッジを説明するための説明図である。図11は、放電灯90を消灯した後、比較的時間が経過していない状態を示している。図12は、放電灯90を消灯した後、ある程度時間が経過し、水銀ブリッジが生じた状態を示している。
図11に示すように、放電灯90を消灯すると、第1電極92および第2電極93の温度と、放電灯本体510の温度と、が低下する。そのため、放電空間91に封入されている水銀Hgのガスが、凝縮する。放電灯本体510の温度は、第1電極92および第2電極93の温度よりも低いため、水銀Hgは、放電灯本体510の内壁に凝縮する。水銀Hgは、放電灯本体510の内壁のうち、第1電極92が突出する側の端部と、第2電極93が突出する側の端部と、において特に凝縮しやすい。これは、放電灯本体510の内壁の第1電極92が突出する側の端部と、放電灯本体510の内壁の第2電極93が突出する側の端部とは、アーク放電が生じる箇所から距離が離れており、放電灯本体510の内壁の他の部分に比べて温度が低くなりやすいためである。
図12に示すように、放電灯90を消灯してからある程度時間が経過すると、水銀Hgの一部が再び気化する。これは、水銀Hgが凝縮することで、放電空間91内の圧力が低下し、水銀Hgの沸点が低下するためである。
ここで、放電灯90の第1端部90e1側には主反射鏡112が取り付けられている。主反射鏡112は、熱容量が比較的大きいため、温度が保持されやすい。これにより、主反射鏡112の熱が第1端部90e1に伝わり、放電灯本体510の第1端部90e1側の温度は、放電灯本体510の第2端部90e2側の温度よりも低下しにくい。したがって、放電灯本体510の内壁の第1端部90e1側の温度が、水銀Hgの沸点よりも大きくなりやすく、放電灯本体510の内壁の第1端部90e1側に凝縮した水銀Hgが気化しやすい。
気化した水銀Hgは、放電空間91内における水銀Hgの沸点よりも温度が低い箇所において、再び凝縮する。第1電極92および第2電極93は、放電灯本体510に比べて温度が低下しやすい。そのため、第1電極92の温度および第2電極93の温度は、放電灯90の消灯後、ある程度時間が経過すると、放電灯本体510の温度よりも低くなる。このとき、第1電極92は、第1端部90e1側に設けられているため、主反射鏡112によって温度が保持されやすい。すなわち、第1電極92の温度は、第2電極93の温度よりも低下しにくい。したがって、第2電極93の温度は、第1電極92よりも先に、放電灯本体510の温度よりも低く、かつ、水銀Hgの沸点よりも低くなりやすい。
図9は、第2電極93の温度変化および放電灯本体510の温度変化を示すグラフである。図9において横軸は時間Tを示し、縦軸は温度Hを示している。図9において実線は、本実施形態の第2電極93の温度Hp1を示している。図9において破線は、比較例の第2電極93の温度Hp2を示している。図9において一点鎖線は、放電灯本体510の温度Hlaを示している。
なお、比較例とは、入力受付部45がプロジェクター500の動作停止操作を受け付けた場合、放電灯90に交流電流が供給される期間が定常点灯期間PH1から加熱期間PH21に移行することなく、放電灯90が消灯される場合である。
また、放電灯本体510の温度Hlaとは、放電灯本体510の内壁において、最も温度が低くなる部分の温度である。
図9に示すように、放電灯90が消灯された時点においては、放電灯本体510の温度Hlaは、H3であり、比較例の第2電極93の温度Hp2は、H3よりも大きいH4である。温度Hlaと温度Hp2とは、時間の経過に伴って徐々に低下する。時刻T1において、温度Hlaと温度Hp2とは、同じ値H2となる。時刻T1を超えると、放電灯本体510の温度Hlaと比較例の第2電極93の温度Hp2との関係は逆転する。すなわち、放電灯本体510の温度Hlaよりも、比較例の第2電極93の温度Hp2の方が低くなる。
比較例の第2電極93の温度Hp2が放電灯本体510の温度Hlaよりも低くなった場合において、第2電極93の温度Hp2が水銀Hgの沸点よりも低い場合、気化した水銀Hgは、第2電極93に凝縮しやすい。水銀Hgは、第2電極93の突起541pにおいて、特に凝縮しやすい。これにより、図12に示すように、第1電極92と第2電極93とが、凝縮した水銀Hgによって接続される水銀ブリッジが生じる場合があった。
これに対して、本実施形態においては、駆動電流波形DW1が加熱期間PH21を有する。加熱期間PH21においては、第2極性期間P21の駆動電流Iの絶対値が、定常点灯期間PH1における第2極性期間P2の駆動電流Iの絶対値よりも大きい。そのため、加熱期間PH21においては、定常点灯期間PH1に比べて、第2電極93がより加熱され、第2電極93の温度Hp1が大きくなる。これにより、図9に示すように、放電灯90が消灯された時点において、第2電極93の温度Hp1の値は、比較例の第2電極93の温度Hp2よりも大きいH5となる。
本実施形態の第2電極93の温度Hp1は、時間の経過とともに低下し、時刻T2において、放電灯本体510の温度Hlaと同じ値(H1)となる。放電灯90が消灯された時点において、第2電極93の温度Hp1の値は、比較例の第2電極93の温度Hp2よりも大きいため、時刻T2は、時刻T1よりも後の時刻である。すなわち、第2電極93の温度Hp1と放電灯本体510の温度Hlaとの関係が逆転する交差点C2となるまでの時間は、第2電極93の温度Hp2と放電灯本体510の温度Hlaとの関係が逆転する交差点C1となるまでの時間よりも、長い。
したがって、交差点C2になる前、すなわち、第2電極93の温度Hp1が放電灯本体510の温度Hlaよりも低くなる前に、放電灯本体510の温度Hlaが水銀Hgの沸点よりも低くなりやすい。その結果、本実施形態によれば、気化した水銀Hgが放電灯本体510の内壁において凝縮しやすく、第2電極93に水銀Hgが凝縮することを抑制できる。
また、第2電極93の温度Hp1は、加熱期間PH21において、比較的短い時間で上昇する。そのため、使用者が動作停止操作を行ってから、プロジェクター500を動作させた状態のまま維持する期間を短くできる。これにより、本実施形態によれば、プロジェクター500の利便性が低下することを抑制できる。
以上により、本実施形態によれば、水銀ブリッジを抑制でき、かつ、利便性が低下することを抑制できる構成を有するプロジェクターが得られる。
また、定常点灯期間PH1における駆動電力が、定格電力よりも小さい場合、すなわち低電力モードで放電灯90が駆動される場合、冷却装置50による放電灯90の冷却度合が低くなる。そのため、放電灯90が消灯された時点の放電灯本体510の温度Hlaが高くなりやすい。これにより、放電灯90の消灯後、第2電極93の温度Hp1が放電灯本体510の温度Hlaより低くなるまでの時間が短くなりやすい。
また、低電力モードにおいては、第1電極92および第2電極93が成長しやすく、電極間距離Lが小さくなりやすい。そのため、凝縮した水銀Hgによって、第1電極92と第2電極93とが接続されやすい。
以上のことから、定常点灯期間PH1において放電灯90が低電力モードで駆動される場合は、放電灯90が定格電力で駆動される場合に比べて、水銀ブリッジが発生しやすい。したがって、本実施形態は、定常点灯期間PH1において放電灯90が低電力モードで駆動される場合に、特に効果が大きい。
また、プロジェクター500の周囲の温度が高温である場合、放電灯90の消灯後に、放電灯本体510の温度が低下しにくくなる。そのため、第2電極93の温度Hp1が放電灯本体510の温度Hlaより小さくなるまでに要する時間が長くなる。これにより、プロジェクター500の周囲の温度が高温である程、水銀ブリッジが生じやすい。したがって、本実施形態は、プロジェクター500の周囲の温度が高温となる場合に、特に効果が大きい。
また、本実施形態によれば、加熱期間PH21において第2電極93が加熱されるため、第2電極93の先端の突起541pの溶融する量が増加する。これにより、第1電極92と第2電極93との電極間距離Lが大きくなる。したがって、第2電極93の突起541pに水銀Hgが凝縮した場合であっても、第1電極92と第2電極93とが接続されることを抑制できる。すなわち、本実施形態によれば、水銀ブリッジの発生をより抑制できる。
また、本実施形態によれば、加熱期間PH21は、第1停止操作と第2停止操作との間に設けられている。そのため、使用者が第2停止操作を行った後、放電灯90が点灯した状態を維持することなく、プロジェクター500の動作を停止することができる。したがって、本実施形態によれば、プロジェクター500の利便性を向上できる。
また、本実施形態によれば、入力受付部45が第1停止操作を受け付けた場合に、プロジェクター500の電源をOFFにすることの要否、すなわち放電灯90の消灯の要否を確認する確認動作が実行される。そのため、使用者が誤ってプロジェクターの電源をOFFにすることが抑制される。
また、本実施形態によれば、入力受付部45が第2停止操作を受け付けた場合に、放電灯90への駆動電流Iの供給が停止される。そのため、使用者が第2停止操作を行った直後にプロジェクター500の電源をOFFにできる。
また、本実施形態によれば、加熱期間PH21の少なくとも一部において、冷却装置50が高出力モードで駆動される。そのため、放電灯90、すなわち、放電灯本体510の温度Hlaと主反射鏡112の温度との両方、またはいずれか一方を適正温度よりも低下できる。
加熱期間PH21において放電灯本体510の温度Hlaが低下した場合、放電灯90を消灯した時点における放電灯本体510の温度Hlaが低くなる。これにより、放電灯90が消灯された後、第2電極93の温度Hp1が放電灯本体510の温度Hlaよりも低くなるまでの時間をより長くできる。したがって、本実施形態によれば、水銀ブリッジの発生をより抑制できる。
また、加熱期間PH21において主反射鏡112の温度が低下した場合、放電灯90の第1端部90e1の温度が保持されにくくなる。これにより、放電灯本体510の内壁における第1端部90e1側の温度が低くなりやすく、水銀Hgの沸点よりも高くなることが抑制される。したがって、本実施形態によれば、第1端部90e1側の水銀Hgが再び気化することを抑制でき、結果として水銀ブリッジの発生をより抑制できる。
なお、本実施形態においては、以下の構成および方法を採用することができる。
本実施形態においては、加熱期間PH21が、第1停止操作から第2停止操作までの間の一部の期間に設けられてもよい。その場合においては、加熱期間PH21の長さt1は、適宜設定される。加熱期間PH21の長さt1は、例えば、5.0ms(ミリ秒)以上、10s(秒)以下に設定される。加熱期間PH21の長さt1をこのように設定することで、第2電極93を適切に加熱でき、かつ、第2電極93を溶融させ過ぎることを抑制できる。
加熱期間PH21の長さt1が所定の長さに設定される場合には、加熱期間PH21が終了する前に、入力受付部45が第2停止操作を受け付ける場合がある。この場合、使用者が第2停止操作を行った後から加熱期間PH21が終わるまでの間、放電灯90は点灯された状態となる。しかし、その場合であっても、本実施形態によれば、加熱期間PH21を短くできるため、プロジェクター500の利便性が低下することを抑制できる。
また、上記説明においては、使用者は第1停止操作と第2停止操作との2回動作停止操作を行うことでプロジェクター500の電源をOFFにできる構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、1回の動作停止操作によってプロジェクター500の電源をOFFにできる構成としてもよい。この場合においては、入力受付部45が動作停止操作を受け付けた後において、加熱期間PH21が終了した後に放電灯90が消灯される。
また、本実施形態においては、冷却装置50は、加熱期間PH21において定常出力モードで駆動されてもよい。
また、本実施形態においては、冷却装置50は、放電灯90のみを冷却する構成であってもよい。
また、本実施形態においては、加熱期間PH21における駆動電流Iの周波数は、定常点灯期間PH1における駆動電流Iの周波数よりも大きくてもよい。すなわち、加熱期間PH21における第1極性期間P12の長さtp1は、定常点灯期間PH1における第1極性期間P1の長さtpよりも小さくてもよい。加熱期間PH21における第2極性期間P21の長さtn1は、定常点灯期間PH1における第2極性期間P2の長さtnよりも小さくてもよい。このように設定することで、第2電極93の突起541pが急激に溶融されて変形することを抑制でき、加熱期間PH21において、第2電極93の温度Hp1を安定的に、より大きくできる。
また、本実施形態においては、加熱期間PH21における第1極性期間P11の駆動電流Iの絶対値は、定常点灯期間PH1における第1極性期間P1の駆動電流Iの絶対値よりも大きい構成としてもよい。この構成によれば、加熱期間PH21において第1電極92をより溶融することができるため、電極間距離Lをより大きくできる。これにより、水銀ブリッジの発生をより抑制できる。
また、加熱期間PH21の第1極性期間P11および第2極性期間P21において、放電灯90に供給される駆動電力を同じに設定できる。そのため、加熱期間PH21において、放電灯90に供給される駆動電力を変更する手間がなく、簡便である。また、加熱期間PH21において、駆動電力が変更されないため、放電灯90のちらつきが生じることを抑制できる。
また、本実施形態においては、例えば、プロジェクター500の回路構成にキャパシターまたはバッテリーを組み込み、加熱期間PH21においては、キャパシターまたはバッテリーから放電灯90に駆動電流Iが供給される構成としてもよい。この構成によれば、例えば、プロジェクター500に電源を供給するコンセントを直接引き抜く等によって、プロジェクター500の電源をOFFにする方法を採用する場合であっても、加熱期間PH21を設けることができる。この場合、コンセントを直接引き抜くことが、動作停止操作に相当する。入力受付部45は、主電源の供給が停止されたことを検知することで、動作停止操作を受け付ける。
また、上記説明においては、加熱期間PH21における第2極性期間P21の駆動電流Iの値は、−Im2で一定としたが、これに限られない。本実施形態においては、定常点灯期間PH1における第2極性期間P2の駆動電流Iの絶対値より大きい範囲内で、加熱期間PH21における第2極性期間P21の駆動電流Iの絶対値は変化してもよい。
また、本実施形態においては、複数の加熱期間PH21が設けられていてもよい。この場合、動作停止操作を受け付けた後に、加熱期間PH21と定常点灯期間PH1とが交互に繰り返される。この構成によれば、第2電極93の温度Hp1を適切に上昇させつつ、第2電極93の突起541pが損耗することを抑制できる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態に対して、駆動電流波形が異なる。
なお、以下の説明においては、第1形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により説明を省略する場合がある。
図10は、本実施形態の駆動電流波形DW2の一例を示す図である。図10においては、入力受付部45が動作停止操作を受け付ける前後の駆動電流波形DW2を示している。
駆動電流波形DW2(駆動電流I)は、図10に示すように、定常点灯期間PH1および加熱期間(第2交流期間)PH22を有する。本実施形態において駆動電流波形DW2は、入力受付部45が第1停止操作を受け付けた場合に、定常点灯期間PH1から加熱期間PH22へと移行する。
加熱期間PH22は、第1極性状態となる第1極性期間P12と、第2極性状態となる第2極性期間P21と、を交互に含む。
本実施形態において第1極性期間P12の駆動電流Iの値は、例えば、Im3である。Im3の絶対値は、Im1の絶対値よりも小さい。すなわち、加熱期間PH22における第1極性期間P12の駆動電流Iの絶対値は、定常点灯期間PH1における第1極性期間P1の駆動電流Iの絶対値よりも小さい。
本実施形態においては、例えば、Im1の絶対値とIm3の絶対値との差は、−Im2の絶対値と−Im1の絶対値との差と同じである。すなわち、第1極性期間P1の駆動電力に対する第1極性期間P12の駆動電力の減少量は、第2極性期間P2の駆動電力に対する第2極性期間P21の駆動電力の増加量と同じである。これにより、加熱期間PH22において放電灯90に供給される駆動電力の平均値は、定常点灯期間PH1において放電灯90に供給される駆動電力の値と同じである。
第1極性期間P12の長さtp2は、第1実施形態の第1極性期間P11の長さtp1と同様に設定できる。
加熱期間PH22の長さt2は、第1実施形態の加熱期間PH21の長さt1と同様に設定できる。
上記説明した点以外の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
本実施形態によれば、加熱期間PH22における第1極性期間P12の駆動電流Iの絶対値が、定常点灯期間PH1における第1極性期間P1の駆動電流Iの絶対値よりも小さい。そのため、加熱期間PH22における平均駆動電力の値を、定常点灯期間PH1における駆動電力の値に近づけることができる。これにより、放電灯90に交流電流が供給される期間が定常点灯期間PH1から加熱期間PH22に移行した際に、放電灯90のちらつきが生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、加熱期間PH22において放電灯90に供給される駆動電力の平均値が、定常点灯期間PH1において放電灯90に供給される駆動電力の値と同じである。そのため、放電灯90に交流電流が供給される期間が定常点灯期間PH1から加熱期間PH22に移行した際に、放電灯90のちらつきが生じることをより抑制できる。
なお、本実施形態においては、以下の構成および方法を採用することもできる。
本実施形態においては、Im1の絶対値とIm3の絶対値との差が、−Im2の絶対値と−Im1の絶対値との差と異なっていてもよい。すなわち、加熱期間PH22において放電灯90に供給される駆動電力の平均値が、定常点灯期間PH1において放電灯90に供給される駆動電力の値と異なっていてもよい。
また、本実施形態においては、加熱期間PH22における第1極性期間P12の駆動電流Iの値は、変化してもよい。
なお、上記の実施形態において、透過型のプロジェクターに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型のプロジェクターにも適用することも可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味する。「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味する。なお、光変調装置は、液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、上記の実施形態において、3つの液晶パネル560R,560G,560B(液晶ライトバルブ330R,330G,330B)を用いたプロジェクター500の例を挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクター、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクターにも適用可能である。
また、上記説明した第1実施形態および第2実施形態の各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
40…制御装置(制御部)、45…入力受付部、50…冷却装置(冷却部)、90…放電灯、90e1…第1端部、90e2…第2端部、91…放電空間、92…第1電極、93…第2電極、112…主反射鏡(反射鏡)、230…放電灯駆動部、330R,330G,330B…液晶ライトバルブ(光変調装置)、350…投射光学系(投射光学装置)、500…プロジェクター、502,512R,512G,512B…画像信号、510…放電灯本体、D…照射方向(所定方向)、I…駆動電流、P1,P11,P12…第1極性期間、P2,P21…第2極性期間、PH1…定常点灯期間(第1交流期間)、PH21,PH22…加熱期間(第2交流期間)

Claims (12)

  1. 光を射出する放電灯と、
    前記放電灯から射出された光を所定方向へ反射する反射鏡と、
    前記放電灯に駆動電流を供給する放電灯駆動部と、
    前記放電灯駆動部を制御する制御部と、
    所定の操作を受け付ける入力受付部と、
    前記放電灯からの光を画像信号に応じて変調する光変調装置と、
    前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、
    を備えるプロジェクターであって、
    前記放電灯は、内部に放電空間を有する放電灯本体と、前記放電空間に突出する第1電極および第2電極と、を有し、
    前記反射鏡は、前記放電灯本体の第1端部に取り付けられ、
    前記第1電極は、前記第1端部側に配置され、
    前記第2電極は、前記第1端部と反対の前記放電灯本体の第2端部側に配置され、
    前記駆動電流は、前記放電灯に交流電流が供給される第1交流期間および第2交流期間を有し、
    前記第1交流期間および前記第2交流期間は、前記第1電極が陽極となる第1極性期間と、前記第2電極が陽極となる第2極性期間と、を交互に含み、
    前記制御部は、前記入力受付部が前記プロジェクターの動作停止操作を受け付けた場合に、前記駆動電流において前記放電灯に交流電流が供給される期間を前記第1交流期間から前記第2交流期間に移行させ、
    前記第2交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値は、前記第1交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値よりも大きいことを特徴とするプロジェクター。
  2. 前記第2交流期間の長さは、5.0ms以上、10s以下である、請求項1に記載のプロジェクター。
  3. 前記第2交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値は、前記放電灯に定格電力が供給されたときの前記駆動電流の絶対値の0.8倍以上、1.25倍以下である、請求項1または2に記載のプロジェクター。
  4. 前記動作停止操作は、第1停止操作と、前記第1停止操作よりも時間的に後に行われる第2停止操作と、を含み、
    前記第2交流期間は、前記第1停止操作から前記第2停止操作までの間の少なくとも一部の期間に設けられる、請求項1から3のいずれか一項に記載のプロジェクター。
  5. 前記制御部は、前記入力受付部が前記第1停止操作を受け付けた場合に、前記プロジェクターの動作停止の要否を確認する確認動作を実行する、請求項4に記載のプロジェクター。
  6. 前記制御部は、前記入力受付部が前記第2停止操作を受け付けた場合に、前記放電灯への前記駆動電流の供給を停止するように前記放電灯駆動部を制御する、請求項4または5に記載のプロジェクター。
  7. 前記放電灯を冷却可能な冷却部を備え、
    前記制御部は、
    前記第1交流期間において、前記放電灯に供給される駆動電力に応じて設定されている第1出力で前記冷却部を駆動し、
    前記第2交流期間の少なくとも一部の期間において、前記第1出力よりも大きい第2出力で前記冷却部を駆動する、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロジェクター。
  8. 前記反射鏡を冷却可能な冷却部を備え、
    前記制御部は、
    前記第1交流期間において、前記放電灯に供給される駆動電力に応じて設定されている第1出力で前記冷却部を駆動し、
    前記第2交流期間の少なくとも一部の期間において、前記第1出力よりも大きい第2出力で前記冷却部を駆動する、請求項1から7のいずれか一項に記載のプロジェクター。
  9. 前記第2交流期間における前記第1極性期間の前記駆動電流の絶対値は、前記第1交流期間における前記第1極性期間の前記駆動電流の絶対値よりも小さい、請求項1から8のいずれか一項に記載のプロジェクター。
  10. 前記第2交流期間において前記放電灯に供給される駆動電力の平均値は、前記第1交流期間において前記放電灯に供給される駆動電力の値と同じである、請求項9に記載のプロジェクター。
  11. 前記第2交流期間における前記駆動電流の周波数は、前記第1交流期間における前記駆動電流の周波数よりも大きい、請求項1から10のいずれか一項に記載のプロジェクター。
  12. 光を射出する放電灯と、前記放電灯から射出された光を所定方向へ反射する反射鏡と、所定の操作を受け付ける入力受付部と、を備えるプロジェクターの制御方法であって、
    前記放電灯は、内部に放電空間を有する放電灯本体と、前記放電空間に突出する第1電極および第2電極と、を有し、
    前記反射鏡は、前記放電灯本体の第1端部に取り付けられ、
    前記第1電極は、前記第1端部側に配置され、
    前記第2電極は、前記第1端部と反対の前記放電灯本体の第2端部側に配置され、
    前記放電灯に駆動電流として交流電流が供給される第1交流期間および第2交流期間を有し、
    前記第1交流期間および前記第2交流期間は、前記第1電極が陽極となる第1極性期間と、前記第2電極が陽極となる第2極性期間と、を交互に含み、
    前記入力受付部が前記プロジェクターの動作停止操作を受け付けた場合に、前記放電灯に交流電流が供給される期間を前記第1交流期間から前記第2交流期間に移行させることと、
    前記第2交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値を、前記第1交流期間における前記第2極性期間の前記駆動電流の絶対値よりも大きくすることと、
    を含むことを特徴とするプロジェクターの制御方法。
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