JP2018118564A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステアリングホイールの回動を機械的に制限する。
【解決手段】ステアリング装置は、ステアリングホイールの操舵に伴って回動するステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを径方向外側から覆うハウジングと、前記ステアリングホイールが中立位置から最大操舵位置へ回動されたときに前記ステアリングシャフトの回動方向一方側または回動方向他方側の回動を制限する回動制限機構と、を備え、前記回動制限機構は、可撓性を有する長尺状に形成され、前記ステアリングシャフト及び前記ハウジングを連結すると共に、ステアリングホイールが中立位置から最大操舵位置へ操舵されたときに伸長した状態で前記ステアリングシャフトに巻付けられる連結部材と、を含んで構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
下記特許文献1に記載のステアリング装置は、運転者による操舵を入力するための操舵装置と、車輪を転舵するための転舵装置と、を含んで構成されている。また、操舵装置及び転舵装置が、クラッチによって連結可能に構成されており、クラッチによる両者の連結が遮断されたときは、ステアリング装置がステアリングバイワイヤとして実行される。さらに、操舵装置は反力モータ(反力アクチュエータ)を有している。そして、ステアリング装置がステアリングバイワイヤとして実行されたときに、路面から受ける反力に応じて反力モータを作動させることで、運転者の操舵に対して操舵反力を付与するようになっている。
特開2014−156152号公報
ところで、上記特許文献1に記載のステアリング装置では、ステアリングホイールが最大操舵角となる位置に操舵されたときには、反力モータを作動させることで、ステアリングホイールの最大操舵角以上の回動を制限するようになっている。具体的には、反力モータによって発生するトルクを高くするように反力モータを制御して、ステアリングホイールの回動を制限している。これにより、反力モータによって所定のトルクを発生させる必要があるため、反力モータの大型化を招くという問題がある。したがって、ステアリングバイワイヤ方式のステアリング装置では、反力モータの大型化を抑制するという観点から、ステアリングホイールの回動を機械的に制限する構造にすることが望ましい。
本発明は、上記事実を考慮して、ステアリングホイールの回動を機械的に制限することができるステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、ステアリングホイールの操舵に伴って回動するステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを径方向外側から覆うハウジングと、可撓性を有する長尺状に形成され、前記ステアリングシャフト及び前記ハウジングを連結すると共に、前記ステアリングホイールが中立位置から最大操舵位置へ操舵されたときに伸長した状態で前記ステアリングシャフトに巻付けられて前記ステアリングシャフトの回動方向一方側または回動方向他方側の回動を制限する連結部材と、を備えたステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記連結部材の長手方向両端部が、前記ステアリングシャフトの軸方向に離間して配置されており、前記ステアリングシャフトが中立位置から回動されたときには、前記連結部材が前記ステアリングシャフトの外周部に螺旋状に巻付けられるステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記ハウジングには、前記ハウジングから前記ステアリングシャフト側へ突出され且つ前記連結部材をハウジングに連結するハウジング側連結部が設けられ、前記ステアリングシャフトには、前記ステアリングシャフトから前記ハウジング側へ突出され且つ前記連結部材を前記ステアリングシャフトに連結するシャフト側連結部が設けられ、前記連結部材は、断面円形状に形成されており、前記ハウジング側連結部と前記ステアリングシャフトとの間の隙間及び前記シャフト側連結部と前記ハウジングとの間の隙間が、前記連結部材の外径と比べて小さく設定されているステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記ハウジング側連結部には、前記ステアリングシャフトの軸方向に貫通され且つ前記連結部材が挿通される第1挿通孔が形成され、前記シャフト側連結部には、前記ステアリングシャフトの軸方向に貫通され且つ前記連結部材が挿通される第2挿通孔が形成されており、前記ハウジング側連結部が、前記ステアリングシャフトの径方向を軸方向として前記ハウジングに回動可能に支持され、前記シャフト側連結部が、前記ステアリングシャフトの径方向を軸方向として前記ステアリングシャフトに回動可能に支持されているステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記連結部材が、前記ステアリングシャフト及び前記ハウジングの少なくとも一方とボールジョイントによって連結されているステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記連結部材の長手方向一端部が、前記ハウジングの外周部に固定されており、前記連結部材が、前記ハウジングに形成された挿通孔から前記ステアリングシャフトへ向けて延出されているステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記連結部材が、帯状に形成されると共に、前記ステアリングシャフトの軸方向において、前記連結部材の長手方向両端部の位置が一致しており、前記ステアリングシャフトが中立位置から回動されたときには、前記連結部材が前記ステアリングシャフトの径方向を厚み方向として前記ステアリングシャフトの外周部に巻付けられるステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記連結部材の長手方向両端部の少なくとも一方には、前記連結部材を長手方向外側へ付勢する付勢部材が設けられているステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記ハウジングには、前記付勢部材が設けられた前記連結部材の端部を保持する保持部が設けられているステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記連結部材の長手方向一端部が、可変機構に連結されており、前記可変機構は、作動することによって、前記連結部材の長手方向一端部を前記ハウジングに対して相対変位させて、前記ステアリングホイールの最大操舵位置を可変にするステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記ハウジングは、可変機構に連結されており、前記可変機構は、作動することによって、前記ハウジングを前記ステアリングシャフトに対して相対変位させて、前記ステアリングホイールの最大操舵位置を可変にするステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記連結部材の破断を検出又は予知する破断検出部と、前記破断検出部が前記連結部材の破断を検出したとき又は前記連結部材の破断を予知したときに、その旨を報知する報知部と、を備えたステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記連結部材が複数設けられているステアリング装置である。
本発明の1またはそれ以上の実施形態は、ステアリングホイールの操舵に伴って回動するステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトを径方向外側から覆うハウジングと、前記ステアリングシャフトの径方向外側に設けられ、前記ステアリングシャフトの回動時にネジ機構によって前記ステアリングシャフトの軸方向に移動されるナットと、前記ステアリングホイールが中立位置から最大操舵位置へ回動されたときに前記ステアリングシャフトの回動方向一方側または回動方向他方側の回動を制限する回動制限機構と、を備え、前記回動制限機構は、可撓性を有する長尺状に形成され、前記ナットから前記ステアリングシャフトの軸方向一方側へ延在されると共に、前記ナットと前記ハウジングとを連結する第1連結部材と、可撓性を有する長尺状に形成され、前記ナットから前記ステアリングシャフトの軸方向他方側へ延在されると共に、前記ナットと前記ハウジングとを連結する第2連結部材と、のうち少なくとも一方を含んで構成されており、前記ステアリングホイールが中立位置から最大操舵位置へ回動されたときに、前記第1連結部材又は前記第2連結部材が長手方向に伸長されて、前記ナットの移動を制限するステアリング装置である。
上記構成のステアリング装置によれば、ステアリングホイールの回動を機械的に制限することができる。
(A)は、第1の実施の形態に係るステアリング装置の操舵装置に用いられる回動制限機構の作動後の状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示される回動制限機構を一部破断した断面図(図1(A)の1A−1A線断面図)である。 第1の実施の形態に係るステアリング装置の全体を示す模式図である。 図1(A)に示される回動制限機構の作動前の状態を示す斜視図である。 (A)は、図1(B)に示される回動制限機構のバリエーション1を示す断面図であり、(B)は、図1(B)に示される回動制限機構のバリエーション2を示す断面図である。 図1(B)に示される回動制限機構のバリエーション3を示す断面図である。 (A)は、第2の実施の形態に係るステアリング装置の操舵装置に用いられる回動制限機構における第1連結軸周辺を示す断面図であり、(B)は、第2の実施の形態の回動制限機構における第2連結軸周辺を示す断面図である。 (A)は、第2の実施の形態の回動制限機構における、ワイヤとハウジングとの連結の別例を示す断面図であり、(B)は、第2の実施の形態の回動制限機構における、ワイヤとステアリングシャフトとの連結をボールジョイントにした例を示す断面図である。 (A)は、第3の実施の形態に係るステアリング装置の操舵装置に用いられる回動制限機構における第1連結軸周辺を示す断面図であり、(B)は、(A)に示される回動制限機構の作動後の状態を示す断面図である。 第4の実施の形態に係るステアリング装置の操舵装置に用いられる回動制限機構の作動前の状態を示す断面図である。 図9に示される回動制限機構をハウジングの径方向外側から見た側面図である。 図9に示される回動制限機構の作動後の状態を示す断面図である。 (A)は、第4の実施の形態の回動制限機構に用いられる可変機構の変形例1を示すハウジングの径方向外側から見た側面図であり、(B)は、(A)に示される可変機構の変形例1を一部破断した断面図(図12(A)の12B−12B線断面図)である。 第4の実施の形態の回動制限機構に用いられる可変機構の変形例2を示す断面図である。 第4の実施の形態の回動制限機構に用いられる可変機構の変形例3を示す断面図である。 第5の実施の形態に係るステアリング装置の操舵装置に用いられる回動制限機構の作動後の状態を示す断面図である。 (A)は、第6の実施の形態に係るステアリング装置の操舵装置に用いられる回動制限機構の作動前の状態を示すステアリングシャフトの軸方向から見た断面図であり、(B)は、(A)に示される回動制限機構の第1ストッパ及び第2ストッパ周辺を示す断面図(図16(A)の16B−16B線断面図)である。 第7の実施の形態に係るステアリング装置の操舵装置に用いられる回動制限機構を示す断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、図1〜図3を用いて、第1の実施の形態のステアリング装置10について説明する。図2に示されるように、ステアリング装置10は、車両(自動車)の前部に設置されている。このステアリング装置10は、運転者によって操舵される操舵装置12と、車両の車輪(前輪)Hを転舵させるための転舵装置30と、を含んで構成されており、操舵装置12及び転舵装置30の機械的連結が切り離された状態になっている。また、ステアリング装置10は、操舵装置12及び転舵装置30を制御する制御部(ECU)40を有している。すなわち、ステアリング装置10は、所謂ステアリングバイワイヤ方式のステアリング装置として構成されている。以下、ステアリング装置10の各構成について説明する。
<操舵装置の構成>
操舵装置12は、ステアリングシャフト14と、ステアリングホイール16と、操舵角センサ18と、トルクセンサ20と、反力モータ(反力アクチュエータ)22と、回動制限機構24と、を含んで構成されている。
ステアリングシャフト14は、略丸棒状に形成されると共に、車両上方側から見て前後方向に延在されている。具体的には、図示は省略するが、ステアリングシャフト14は、車両後側へ向かうに従い車両上方側へ傾斜して配置されており、ステアリングシャフト14の後端部(軸方向一方側(図2の矢印A方向側)の端部)が、車両のキャビン内における運転席の前側に配置されている。また、ステアリングシャフト14は、操舵装置12の外郭を構成する操舵ハウジング12Aによって回動可能に支持されており、操舵ハウジング12Aは図示しないブラケット等によって車体に固定されている。
ステアリングホイール16は、略円環状に形成されて、図示しないスポークを介してステアリングシャフト14の後端部に一体回動可能に固定されている。これにより、ステアリングホイール16が回動方向一方側又は他方側へ回動されることで、ステアリングシャフト14が自身の軸回りに回動するようになっている。また、本実施の形態では、ステアリングホイール16の許容操舵角が、一例として、720°に設定されている。すなわち、ステアリングホイール16の最大操舵角(中立位置(車両が前進走行するときのステアリングホイール16の位置)から回動方向一方側又は他方側へ回動できる最大角度)が360°に設定されている。そして、以下の説明では、最大操舵角に操舵されたときのステアリングホイール16の位置を、「最大操舵位置」と称する。また、ステアリングホイール16が最大操舵位置に回動されたときには、ステアリングホイール16の回動が、後述する回動制限機構24によって制限される構成になっている。なお、回動制限機構24の詳細については、後述する。
操舵角センサ18は、ステアリングシャフト14の軸方向一方側の部分に設けられている。この操舵角センサ18は、例えば、レゾルバを用いたセンサとして構成されており、ステアリングシャフト14の操舵角を検出するようになっている。また、操舵角センサ18は、制御部40に電気的に接続されており、検出したステアリングシャフト14の操舵角を制御部40へ出力するように構成されている。
トルクセンサ20は、ステアリングシャフト14の軸方向一方側の部分で、且つ操舵角センサ18に対してステアリングシャフト14の先端側に設けられている。このトルクセンサ20はステアリングシャフト14の操舵トルクを検出するようになっている。また、トルクセンサ20は、制御部40に電気的に接続されており、検出したステアリングシャフト14の操舵トルクを制御部40へ出力するように構成されている。
反力モータ22は、ステアリングシャフト14の先端側(軸方向他方側(図2の矢印B方側)であり、車両の前側)の端部に設けられると共に、制御部40に電気的に接続されている。そして、制御部40の制御によって反力モータ22が作動することで、操舵方向とは反対側のトルクをステアリングホイール16に生じさせるようになっている。
<転舵装置の構成>
転舵装置30は、車両のパワーユニット室(図示省略)において、車両の左右一対の車輪Hの間に配置されると共に、車両の左右方向(車幅方向)に延在されている。この転舵装置30は、車両の左右方向に延在された転舵ロッド32を有しており、転舵ロッド32の長手方向両端部が、タイロッド34を介して車輪Hに連結されている。転舵ロッド32の長手方向中間部には、図示しないラック部が形成されており、ラック部には、転舵モータ36に連結されたピニオン(図示省略)が噛合されている。また、転舵モータ36は、制御部40に電気的に接続されており、制御部40の制御によって転舵モータ36が駆動することで、車輪Hが転舵されるようになっている。
また、転舵モータ36には、転舵センサ38が設けられており、転舵センサ38は、路面状況によって車輪Hに作用する反力を電流として検出して、制御部40へ出力するようになっている。そして、制御部40は、転舵センサ38からの出力に基づいて、反力モータ22を駆動させるように構成されている。
<回動制限機構について>
次に、本発明の要部である回動制限機構24について説明する。図2に示されるように、回動制限機構24は、操舵装置12の一部を構成すると共に、反力モータ22とトルクセンサ20との間に配置されている。図1及び図3に示されるように、回動制限機構24は、回動制限機構24の外郭を構成するハウジング50と、「ハウジング側連結部」としての第1連結軸60と、「シャフト側連結部」としての第2連結軸70と、「連結部材」としてのワイヤ80と、を含んで構成されている。
ハウジング50は、略円筒状に形成されると共に、ステアリングシャフト14と同軸上に配置されて、ステアリングシャフト14を径方向外側から覆っている。このハウジング50は、操舵装置12の外郭を構成する操舵ハウジング12Aの一部を構成している。また、ハウジング50には、後述する第1連結軸60を固定するための固定部52が一体に形成されており、固定部52は、ハウジング50の径方向外側へ突出された略円筒状に形成されている。また、固定部52の基端側の開口部には、ハウジング50の径方向内側へ開放された凹状のザグリ部52A(図1(B)参照)が形成されている。ザグリ部52Aは、断面略円形状に形成されており、ザグリ部52Aの底面が、固定部52の軸方向に対して直交する面に沿って配置されている。
第1連結軸60は、ハウジング50の径方向を軸方向とした略円柱状に形成されている。具体的には、第1連結軸60は、第1連結軸60の基端側の部分を構成する取付軸部60Aと、第1連結軸60の先端側の部分を構成する連結軸部60Bと、を含んで構成されており、連結軸部60Bの径寸法が取付軸部60Aの径寸法よりも大きく設定されている。また、第1連結軸60の長手方向中間部には、略円環状のフランジ60Cが形成されており、フランジ60Cは、連結軸部60Bの外周部に対して径方向外側へ突出されている。
そして、第1連結軸60の取付軸部60Aが、ハウジング50の固定部52の孔部52B内に径方向内側から嵌入されて、第1連結軸60が、ハウジング50に固定されている。これにより、第1連結軸60がステアリングシャフト14の径方向外側に離間された状態で配置されており、第1連結軸60の先端面とステアリングシャフト14の外周面との間には、隙間G1(図1(B)参照)が形成されている。また、第1連結軸60のハウジング50への固定状態では、第1連結軸60のフランジ60Cがハウジング50のザグリ部52A内に配置されており、フランジ60Cの基端側の面が、ザグリ部52Aの底面に当接されている。これにより、ハウジング50の径方向において、第1連結軸60が、位置決めされた状態で、ハウジング50に固定されている。
また、第1連結軸60の連結軸部60Bには、円形状の「第1挿通孔」としてのワイヤ挿通孔62が形成されており、ワイヤ挿通孔62は、連結軸部60Bの径方向(具体的には、ハウジング50の軸方向)に貫通されている。ワイヤ挿通孔62の軸方向両側の開口部には、面取部62A,62Bが形成されており、面取部62A,62Bは、第1連結軸60の縦断面視で、ワイヤ挿通孔62の軸方向両側へ向かうに従いワイヤ挿通孔62の径方向外側へ傾斜されている。すなわち、面取部62A,62Bは、傾斜面によって構成されると共に、ワイヤ挿通孔62の開口側へ末広がりとなる略円錐状に形成されている。
第2連結軸70は、ステアリングシャフト14の径方向を軸方向とした略円柱状に形成されると共に、第1連結軸60に対してステアリングシャフト14の軸方向他方側(図1及び図3の矢印B方向側)に配置されている。そして、図示は省略するが、第2連結軸70の基端部が、ステアリングシャフト14に形成された孔部内に嵌入されて、第2連結軸70の先端部がステアリングシャフト14に対して径方向外側へ突出された状態で、第2連結軸70がステアリングシャフト14に固定されている。そして、第2連結軸70の先端面とハウジング50の内周面との間には、隙間G2(図1(B)参照)が形成されており、ステアリングシャフト14の径方向における隙間G1及び隙間G2の寸法が同じ寸法に設定されている。
また、ステアリングホイール16が中立位置に配置された状態(図3に示される状態)では、ステアリングシャフト14の周方向における第1連結軸60及び第2連結軸70の位置が一致する設定になっている。換言すると、ステアリングホイール16の中立位置では、ステアリングシャフト14の軸方向から見て、第1連結軸60と第2連結軸70とがラップして(重なって)配置されている。また、前述したように、本実施の形態では、ステアリングホイール16の最大操舵角が360°に設定されているため、ステアリングホイール16が最大操舵位置に操舵された状態においても、ステアリングシャフト14の周方向における第1連結軸60及び第2連結軸70の位置が一致する設定になっている。
第2連結軸70の先端部は、連結軸部70Aとされている。この連結軸部70Aには、円形状の「第2挿通孔」としてのワイヤ挿通孔72が径方向に貫通形成されており、ワイヤ挿通孔72は、ステアリングホイール16の中立位置において、ワイヤ挿通孔62と略同軸上に配置されている。このワイヤ挿通孔72は、第1連結軸60のワイヤ挿通孔62と、ステアリングシャフト14の軸方向において対称を成す形状に構成されている。すなわち、ワイヤ挿通孔72の軸方向両側の開口部には、面取部72A,72Bがそれぞれ形成されており、面取部72A,72Bは、第2連結軸70の縦断面視で、ワイヤ挿通孔72の軸方向両側へ向かうに従いワイヤ挿通孔72の径方向外側へ傾斜されている。すなわち、面取部72A,72Bは、傾斜面によって構成されると共に、ワイヤ挿通孔72の開口側へ末広がりとなる略円錐状に形成されている。
ワイヤ80は、複数の金属製の線材によって構成されると共に、可撓性を有する略長尺紐状(ロープ状)に形成されている。また、ワイヤ80は、断面略円形状に形成されており、ワイヤ80の径寸法が、第1連結軸60のワイヤ挿通孔62及び第2連結軸70のワイヤ挿通孔72の内径寸法よりも僅かに小さく設定されている。さらに、ワイヤ80の径寸法は、ステアリングシャフト14の径方向における隙間G1及び隙間G2の寸法よりも大きく設定されている。
このワイヤ80の長手方向両端部には、ストッパ82A、82B(広義には、「制限部材」として把握される要素である)が設けられており、ストッパ82A、82Bは、ワイヤ80の直径より大径の略球状(ボール状)に形成され、ワイヤ80に固定されている。具体的には、ストッパ82A、82Bには、図示しない孔部がワイヤ80の長手方向に貫通形成されており、ワイヤ80の長手方向両端部が当該孔部に挿通された状態で、ストッパ82A、82Bがカシメや溶接等によってワイヤ80に固定されている。そして、ワイヤ80の長手方向一方側の部分が、第1連結軸60のワイヤ挿通孔62内を挿通して、ワイヤ80が、第1連結軸60の面取部62Bから第2連結軸70側へ延出されている。一方、ワイヤ80の長手方向他方側の部分が、第2連結軸70のワイヤ挿通孔72内を挿通して、ワイヤ80が、第2連結軸70の面取部72Bから第1連結軸60側へ延出されている。また、ストッパ82Aはワイヤ挿通孔62の面取部62Aに嵌合可能に構成されており、ストッパ82Bはワイヤ挿通孔72の面取部72Aに嵌合可能に構成されている。これにより、第1連結軸60(ハウジング50)及び第2連結軸70(ステアリングシャフト14)が、ワイヤ80によって連結されている。
そして、ステアリングホイール16が中立位置に配置された状態では、ワイヤ80が、第1連結軸60と第2連結軸70との間において、弛んだ状態となるように、ワイヤ80の長手方向の長さが設定されている(図3参照)。一方、ステアリングホイール16が中立位置から回動方向一方側又は他方側へ回動されて最大操舵位置に到達したときには、ワイヤ80がステアリングシャフト14の外周面に螺旋状に巻付けられるようになっている(図1参照)。具体的には、ワイヤ80が伸長した状態(ワイヤ80に長手方向外側への引張力が作用して、ワイヤ80が長手方向にぴんと張った状態)になるように、ワイヤ80の長手方向の長さが設定されている。より詳しくは、本実施の形態では、図1(B)に示されるように、ステアリングシャフト14の径方向外側から見て、ステアリングシャフト14の軸線14Lに対するワイヤ80の傾斜角αが、30°〜60°となるように、ステアリングシャフト14の軸方向における第1連結軸60と第2連結軸70との間の距離と、ワイヤ80の長手方向の長さと、が設定されている。
<作用及び効果について>
上記のように構成されたステアリング装置10では、図3に示されるように、ステアリングホイール16の中立位置において、回動制限機構24のワイヤ80が、弛んだ状態で、第1連結軸60及び第2連結軸70を連結している。
そして、運転者によってステアリングホイール16が回動方向一方側(又は回動方向他方側)へ回動されると、ステアリングシャフト14が自身の軸回りを回動方向一方側(又は回動方向他方側)へ回動する。これにより、ステアリングシャフト14に固定された第2連結軸70が、ハウジング50に固定された第1連結軸60に対してステアリングシャフト14の周方向に相対回動する。このため、ワイヤ80のストッパ82B(すなわち長手方向他端部)が、ワイヤ80のストッパ82A(すなわち長手方向一端部)に対してステアリングシャフト14の軸回りに相対回動して、ワイヤ80がステアリングシャフト14の外周部に巻付くように作用する。換言すると、ステアリングシャフト14がワイヤ80を螺旋状に巻取るように作用する。
図1(A)及び(B)に示されるように、ステアリングホイール16が最大操舵位置に到達したときには、ストッパ82Aが第1連結軸60の面取部62Aに嵌合し、ストッパ82Bが第2連結軸70の面取部72Aに嵌合して、ワイヤ80が、伸長した状態で、ステアリングシャフト14の外周部に螺旋状に巻付けられる。これにより、ステアリングシャフト14が、伸長した状態のワイヤ80によって、ハウジング50に連結されるため、ステアリングシャフト14(すなわち、ステアリングホイール16)の回動方向一方側又は回動方向他方側の回動が制限される。以上により、回動制限機構24によってステアリングホイール16の回動を機械的に制限することができる。したがって、ステアリングホイール16の最大操舵位置において、反力モータ22によって発生するトルクによって、ステアリングホイール16の回動を制限する必要がなくなるため、反力モータ22の大型化を抑制することができる。
また、回動制限機構24では、可撓性を有するワイヤ80によってステアリングシャフト14とハウジング50とを連結して、最大操舵位置におけるステアリングシャフト14の回動を制限している。このため、回動制限機構24の第1連結軸60、第2連結軸70、及びワイヤ80を、既存のステアリング装置に追加することで、最大操舵位置におけるステアリングシャフト14の回動を制限することができる。これにより、簡易な構成で、最大操舵位置におけるステアリングホイール16の回動を制限することができる。さらに、ワイヤ80の長手方向の長さを適宜調整することで、ステアリングホイール16の最大操舵角を容易に設定することができる。
また、第1連結軸60及び第2連結軸70(すなわち、ワイヤ80の長手方向両端部)が、ステアリングシャフト14の軸方向に離間して配置されており、上述のように、ステアリングホイール16の最大操舵位置では、ワイヤ80がステアリングシャフト14の外周部に螺旋状に巻付けられる。このため、ワイヤ80をステアリングシャフト14の径方向に層状に巻付ける構成と比べて、ステアリングシャフト14の径方向における回動制限機構24の体格を小型化することができると共に、ひいては、操舵装置12の体格を小型化することができる。
さらに、ステアリングシャフト14の径方向における第1連結軸60とステアリングシャフト14との間の隙間G1が、ワイヤ80の径寸法と比べて小さく設定されている。このため、第1連結軸60から延出されたワイヤ80が、第1連結軸60とステアリングシャフト14との間を通過して(乗り越えて)、第1連結軸60に対してステアリングシャフト14の軸方向一方側に配置されることを抑制できる。また、ステアリングシャフト14の径方向における第2連結軸70とハウジング50との間の隙間G2の寸法が、ワイヤ80の径寸法と比べて小さく設定されている。このため、第2連結軸70から延出されたワイヤ80が、第2連結軸70とハウジング50との間を通過して(乗り越えて)、第2連結軸70に対してステアリングシャフト14の軸方向他方側に配置されることを抑制できる。したがって、ステアリングシャフト14の回動時において、ワイヤ80をステアリングシャフト14に良好に巻付けることができると共に、ワイヤ80の絡まりを抑制することができる。
また、第1連結軸60のワイヤ挿通孔62の開口部には、面取部62Bが形成されており、第2連結軸70のワイヤ挿通孔72の開口部には、面取部72Bが形成されている。そして、面取部62B(面取部72B)は、ワイヤ挿通孔62(ワイヤ挿通孔72)の開口側へ末広がりに傾斜した傾斜面によって構成されている。このため、仮に、第1連結軸60において面取部62Bを省略した場合及び第2連結軸70において面取部72Bを省略した場合と比べて、ワイヤ80の耐久性を向上することできる。
すなわち、ステアリングホイール16の最大操舵位置では、ワイヤ80がステアリングシャフト14に螺旋状に巻付けられる。このため、ワイヤ80が、第1連結軸60(第2連結軸70)の軸方向から見て、第1連結軸60(第2連結軸70)から斜め(具体的には、ステアリングシャフト14の軸方向他方側(軸方向一方側)へ向かうに従い、ステアリングシャフト14の径方向外側)に延出される状態になる。つまり、ワイヤ80が、第1連結軸60(第2連結軸70)のワイヤ挿通孔62(ワイヤ挿通孔72)の開口部を起点に、屈曲される。また、ステアリングホイール16は中立位置から回動方向一方側又は他方側へ回動されるため、ワイヤ80が、第1連結軸60(第2連結軸70)の軸方向から見て、第1連結軸60(第2連結軸70)のワイヤ挿通孔62(ワイヤ挿通孔72)の開口部を起点として、ステアリングシャフト14の軸線14Lに対して径方向両側へ繰り返し屈曲されるようになる。
そして、仮に、第1連結軸60(第2連結軸70)において面取部62B(面取部72B)を省略した比較例の場合には、ワイヤ挿通孔62(ワイヤ挿通孔72)の開口端が、直角の角として構成される。これにより、当該比較例では、ワイヤ80が、ワイヤ挿通孔62(ワイヤ挿通孔72)の開口端の角によって折れ曲がり、当該角によってしごかれる可能性がある。その結果、比較例では、ワイヤ80における当該屈曲部が摩耗して、ワイヤ80の耐久性が低下する虞がある。
これに対して、本実施の形態では、第1連結軸60(第2連結軸70)に面取部62B(面取部72B)が形成されており、面取部62B(面取部72B)は、ワイヤ挿通孔62(ワイヤ挿通孔72)の開口側へ末広がりに傾斜した傾斜面によって構成されている。このため、上記比較例と比べて、ワイヤ挿通孔62(ワイヤ挿通孔72)から延出されたワイヤ80の急激な折れ曲がりを抑制することができると共に、ワイヤ80がワイヤ挿通孔62(ワイヤ挿通孔72)の面取部62B(面取部72B)によって過度にしごかれることを抑制できる。これにより、ワイヤ80の摩耗を抑制することができると共に、ワイヤ80の耐久性を向上することができる。
次に、第1の実施の形態の回動制限機構24のバリエーションについて説明する。
(回動制限機構24のバリエーション1)
図4(A)に示されるように、回動制限機構24のバリエーション1では、回動制限機構24が、複数(図4(A)に示されるバリエーション1の例では、2箇所)設けられている。具体的には、複数の回動制限機構24が、ステアリングシャフト14の周方向に所定の間隔を空けて配置されている。すなわち、ハウジング50には、2つの第1連結軸60が設けられており、第1連結軸60は、ハウジング50の周方向に180°離間して配置されている。また、ステアリングシャフト14には、2つの第2連結軸70が設けられており、第2連結軸70は、ステアリングシャフト14の周方向に180°離間して配置されている。そして、ステアリングホイール16の中立位置においてステアリングシャフト14の軸方向に重なる第1連結軸60及び第2連結軸70が対を成し、対を成す第1連結軸60及び第2連結軸70がワイヤ80によって連結されている。
そして、この図に示されるように、ステアリングホイール16の最大操舵位置では、2本のワイヤ80が伸長された状態でステアリングシャフト14に巻付けられて、当該ワイヤ80によってステアリングシャフト14の回動が制限される。このため、バリエーション1では、ステアリングシャフト14の回動を制限するときにワイヤ80に作用する引張力を、第1の実施の形態と比べて低くすることができる。これにより、ワイヤ80の耐久性を一層向上することができる。
また、バリエーション1では、回動制限機構24が、ステアリングシャフト14の周方向に複数設けられている。このため、ステアリングシャフト14の軸方向における回動制限機構24の大型化を抑制しつつ、ワイヤ80の耐久性を一層向上することができる。換言すると、ステアリングシャフト14の径方向における回動制限機構24の体格を維持しつつ、ワイヤ80の耐久性を一層向上することができる。
(回動制限機構24のバリエーション2)
バリエーション1では、回動制限機構24が、ステアリングシャフト14の周方向に複数設けられる構成にしたが、バリエーション2では、図4(B)に示されるように、回動制限機構24が、ステアリングシャフト14の軸方向に複数(図4(B)に示された例では、2箇所)設けられている。これにより、バリエーション2においても、ステアリングホイール16の最大操舵位置では、2本のワイヤ80が伸長された状態でステアリングシャフト14に巻付けられて、2本のワイヤ80によってステアリングシャフト14の回動が制限される。このため、バリエーション1と同様に、ステアリングシャフト14の回動を制限するときにワイヤ80に作用する引張力を、第1の実施の形態と比べて低くすることができる。これにより、ワイヤ80の耐久性を一層向上することができる。
(回動制限機構24のバリエーション3)
第1の実施の形態では、ワイヤ80の長手方向一端部が第1連結軸60に連結されており、ワイヤ80の長手方向他端部が第2連結軸70に連結されている。これに対して、バリエーション3では、図5に示されるように、ワイヤ80の長手方向両端部が、第1連結軸60及び第2連結軸70の一方(図5に示される例では、一対の第1連結軸60)に連結されており、ワイヤ80の長手方向中間部が第1連結軸60及び第2連結軸70の他方(図5に示される例では、第2連結軸70)に連結されている。これにより、ステアリングホイール16の最大操舵位置において、ワイヤ80の長手方向両端部に作用する荷重を分散(低く)することができると共に、ワイヤ80の長手方向両端部に連結された第1連結軸60又は第2連結軸70に作用する荷重を低くすることができる。これにより、バリエーション3においても、ワイヤ80の耐久性を一層向上することができる。
(第2の実施の形態)
以下、図6(A)及び(B)を用いて、第2の実施の形態のステアリング装置100について説明する。ステアリング装置100では、操舵装置12における回動制限機構110を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。なお、図6(A)及び(B)では、回動制限機構110において、第1の実施の形態の回動制限機構24と同様に構成された部材には、同一の符号を付している。
第2の実施の形態の回動制限機構110では、第1連結軸60がハウジング50に回動可能に支持されており、第2連結軸70が、ステアリングシャフト14に回動可能に支持されている。以下、具体的に説明する。
図6(A)に示されるように、第2の実施の形態では、ハウジング50の固定部52の軸方向の長さが、第1の実施の形態と比べて長く設定されている。また、固定部52の先端部における略中央部には、固定部52の先端側へ開放された凹状の先端ザグリ部52Cが形成されており、先端ザグリ部52Cは、固定部52の先端側から見て一対の段差面52D(図6(A)の矢視a参照)を有する略円形状に形成されている。具体的には、先端ザグリ部52Cにおけるハウジング50の軸方向一方側の部分及び軸方向他方側の部分が、それぞれ略半円状に形成されており、先端ザグリ部52Cにおけるハウジング50の軸方向一方側(図6(A)の矢印A方向側)の部分の径寸法が、先端ザグリ部52Cにおけるハウジング50の軸方向他方側(図6(A)の矢印B方向側)の部分の径寸法よりも大きく設定されている。これにより、先端ザグリ部52Cの内周面には、一対の段差面52Dが形成されており、一対の段差面52Dは、ハウジング50の軸方向に直交する面に沿って配置されている。
さらに、第1連結軸60における取付軸部60Aの外径寸法が、固定部52の孔部52Bの内径寸法に比べて僅かに小さく設定されており、第1連結軸60が、孔部52B内に回動可能に挿入されている。第1連結軸60の取付軸部60Aは、第1の実施の形態に比べて、第1連結軸60の基端側(ハウジング50の径方向外側)へ延びており、第1連結軸60の基端が、固定部52の先端ザグリ部52Cの底面からハウジング50の径方向外側へ僅かに突出されている。また、第1連結軸60の基端部における軸心部には、第1連結軸60の基端側へ開放された凹状の固定孔60Dが形成されている。
さらに、ハウジング50における固定部52の先端ザグリ部52C内には、第1抜止部材64が設けられており、第1抜止部材64は、第1連結軸60よりも大径の略円板状に形成されている。この第1抜止部材64の略中央部には、第1連結軸60側へ突出された軸部64Aが一体に形成されており、当該軸部64Aは、第1連結軸60の固定孔60Dに嵌入されている。これにより、第1抜止部材64が第1連結軸60に固定されて、第1抜止部材64が先端ザグリ部52Cの底面に当接されることで、第1連結軸60の先端側への移動が制限されている。以上により、第1連結軸60が、ハウジング50の径方向を軸方向としてハウジング50に回動可能に軸支されている(図6(A)の矢印参照)。
さらに、第1抜止部材64の外周部には、第1突起64Bが一体に形成されており、第1突起64Bは、第1抜止部材64の径方向外側(具体的には、ハウジング50の軸方向一方側)へ突出されている。この第1突起64Bは、先端ザグリ部52Cの一対の段差面52Dに当接可能に構成されており、第1突起64Bが段差面52Dに当接されることで、第1連結軸60の回動方向一方側又は回動方向他方側への回動が制限される構成になっている。そして、第1連結軸60の回動方向一方側又は回動方向他方側への回動許容範囲が、それぞれ略90°に設定されている。
図6(B)に示されるように、ステアリングシャフト14には、第2連結軸70を回動可能に支持するための円形状の支持孔15が、ステアリングシャフト14の径方向に貫通形成されている。支持孔15の軸方向両側の開口部には、ステアリングシャフト14の径方向外側へ開放され且つ支持孔15よりも大径の第1ザグリ部15A及び第2ザグリ部15Bが形成されており、第1ザグリ部15A及び第2ザグリ部15Bの底面が支持孔15の軸方向に対して直交する方向に沿って配置されている。
また、第2ザグリ部15Bは、ハウジング50の先端ザグリ部52Cと同様な形状を成している。すなわち、第2ザグリ部15Bにおけるハウジング50の軸方向一方側の部分及び軸方向他方側の部分が、それぞれ略半円状に形成されており、第2ザグリ部15Bにおけるハウジング50の軸方向一方側(図6(B)の矢印A方向側)の部分の径寸法が、第2ザグリ部15Bにおけるハウジング50の軸方向他方側(図6(B)の矢印B方向側)の部分の径寸法よりも大きく設定されている。そして、第2ザグリ部15Bの外周面には、一対の段差面15C(図6(B)の矢視b参照)が形成されており、一対の段差面15Cは、ステアリングシャフト14の軸方向に直交する面に沿って配置されている。
第2連結軸70は、第2連結軸70の先端部を構成する連結軸部70Aと、連結軸部70Aから第2連結軸70の基端側へ延出された略円柱状の本体軸部70Bと、を含んで構成されており、本体軸部70Bの外径寸法が連結軸部70Aの外径寸法に比べて小さく設定されている。そして、第2連結軸70の本体軸部70Bが、支持孔15内に挿入されて、第2連結軸70がステアリングシャフト14に回動可能に支持されている(図6(B)の矢印参照)。また、第2連結軸70の支持状態では、連結軸部70Aの一部が第1ザグリ部15Aに配置されると共に、本体軸部70Bの基端が、第2ザグリ部15B内へ僅かに突出された状態で配置されている。さらに、本体軸部70Bの基端部における軸心部には、第2連結軸70の基端側へ開放された凹状の固定孔70Cが形成されている。
また、ステアリングシャフト14の第2ザグリ部15B内には、第2抜止部材74が設けられており、第2抜止部材74は本体軸部70Bよりも大径の略円板状に形成されている。この第2抜止部材74の略中央部には、第2連結軸70側へ突出された軸部74Aが一体に形成されており、当該軸部74Aが、第2連結軸70の固定孔70Cに嵌入されて、第2抜止部材74が第2連結軸70に固定されている。これにより、第2抜止部材74が第2ザグリ部15Bの底面に当接されて、第2連結軸70の先端側への移動が制限されている。以上により、第2連結軸70が、ステアリングシャフト14の径方向を軸方向としてハウジング50に軸支されている。
さらに、第2抜止部材74の外周部には、第2突起74Bが一体に形成されており、第2突起74Bは、第2抜止部材74の径方向外側(具体的には、ステアリングシャフト14の軸方向一方側)へ突出されている。この第2突起74Bは、第2ザグリ部15Bの一対の段差面15Cに当接可能に構成されており、第2突起74Bが段差面15Cに当接されることで、第2連結軸70の回動方向一方側又は回動方向他方側への回動が制限される構成になっている。そして、第2連結軸70の回動方向一方側又は回動方向他方側への回動許容範囲が、それぞれ略90°に設定されている。
ここで、図示は省略するが、第2の実施の形態においても、運転者によってステアリングホイール16が回動されて最大操舵位置に到達したときには、ストッパ82Aが第1連結軸60の面取部62Aに嵌合し、ストッパ82Bが第2連結軸70の面取部72Aに嵌合して、ワイヤ80が、伸長した状態で、ステアリングシャフト14の外周部に螺旋状に巻付けられる。これにより、伸長した状態のワイヤ80によって、ステアリングシャフト14がハウジング50に連結されるため、ステアリングシャフト14(ステアリングホイール16)の回動方向一方側又は他方側の回動が制限される。したがって、第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
また、第2の実施の形態では、第1連結軸60がハウジング50に回動可能に支持されており、第2連結軸70が、ステアリングシャフト14に回動可能に支持されている。このため、ステアリングシャフト14の回動時には、第1連結軸60(第2連結軸70)が、ワイヤ80の第1連結軸60(第2連結軸70)からの延出方向に追従して、自身の軸回りを回動する。その結果、ステアリングホイール16が最大操舵位置に到達したときにおける、ワイヤ80の折れ曲がりを一層抑制することができると共に、ワイヤ80がワイヤ挿通孔62(ワイヤ挿通孔72)の面取部62B(面取部72B)によって過度にしごかれることを一層抑制できる。これにより、ワイヤ80の摩耗を一層抑制することができると共に、ひいてはワイヤ80の耐久性を一層向上することができる。
さらに、第1連結軸60には、第1抜止部材64が固定されており、第1抜止部材64の第1突起64Bが、ハウジング50における固定部52の段差面52Dに当接可能に構成されている。また、第2連結軸70には、第2抜止部材74が固定されており、第2抜止部材74の第2突起74Bが、ステアリングシャフト14における第2ザグリ部15Bの段差面15Cに当接可能に構成されている。これにより、第1連結軸60(第2連結軸70)の回動範囲が、段差面52D(段差面15C)によって制限される。このため、第1連結軸60から延出されたワイヤ80が、第1連結軸60に対してステアリングシャフト14の軸方向一方側に配置されることを抑制できる。また、第2連結軸70から延出されたワイヤ80が、第2連結軸70に対してステアリングシャフト14の軸方向他方側に配置されることを抑制できる。したがって、第1連結軸60及び第2連結軸70を自身の軸回りに回動可能に構成した場合でも、ワイヤ80を第1連結軸60及び第2連結軸70の間に安定して配置することができる。その結果、ステアリングシャフト14の回動時に、ワイヤ80をステアリングシャフト14に良好に巻付けることができると共に、ワイヤ80の絡まりを抑制することができる。
なお、第2の実施の形態では、第1連結軸60及び第2連結軸70が、自身の軸回りに回動可能に構成されている。これに代えて、第1連結軸60及び第2連結軸70の一方を、自身の軸回りに回動可能に構成してもよい。例えば、第2連結軸70をステアリングシャフト14によって回動可能に支持するように構成して、ワイヤ80の長手方向一端部をハウジング50に以下のように連結してもよい。
すなわち、図7(A)に示されるように、ハウジング50において固定部52及び第1連結軸60を省略すると共に、ハウジング50に「挿通孔」としてのワイヤ挿通孔50Aを形成して、ワイヤ挿通孔50A内にワイヤ80を挿通させる。また、ワイヤ80のストッパ82Aを、ハウジング50の外周部におけるワイヤ挿通孔50Aの周縁部に溶接等によって固定する。このため、第2の実施の形態に比べて、ストッパ82Aをステアリングシャフト14に対して径方向外側に離間して配置することができる。これにより、ステアリングホイール16の最大操舵位置において、ストッパ82Aから延出されるワイヤ80の過度の折れ曲がりを抑制することができる。したがって、この場合においても、ワイヤ80の耐久性を向上することができる。
なお、図7(A)に示される例において、ワイヤ挿通孔50Aにおけるハウジング50の内周面側の開口部に、第1連結軸60の面取部62Bと同様の面取部50Bを形成してもよい。すなわち、ワイヤ挿通孔50Aにおけるハウジング50の内周面側の開口部を、ハウジング50の径方向内側へ向かうに従いワイヤ挿通孔50Aの径方向外側へ傾斜された傾斜面によって構成してもよい。これにより、ワイヤ挿通孔50Aにおけるハウジング50の内周面側の開口部と、ワイヤ80と、の当接が抑制されるため、ワイヤ80の磨耗を効果的に抑制することができると共に、ワイヤ80の耐久性を効果的に向上することができる。
また、第2の実施の形態では、第1連結軸60及び第2連結軸70を自身の軸回りに回動可能に構成して、ワイヤ80の折れ曲がりを抑制しているが、ワイヤ80の折れ曲がりを抑制する構造はこれに限らない。例えば、ワイヤ80とハウジング50及びステアリングシャフト14との連結構造を、所謂ボールジョイントによって連結してもよい。以下、この構造について、ワイヤ80とステアリングシャフト14との連結を用いて説明する。
すなわち、図7(B)に示されるように、ステアリングシャフト14には、ステアリングシャフト14の径方向外側へ開放された連結凹部14Aが形成されており、連結凹部14Aは、ストッパ82Bよりも小径の断面円形状に形成されている。また、ステアリングシャフト14の外周面には、連結凹部14Aに対して軸方向他方側(図7(B)の矢印B方側)の位置において、略円柱状のボス14Bがステアリングシャフト14の径方向外側へ向けて立設されている。このボス14Bの先端部には、ステアリングシャフト14の径方向外側へ開放された凹状のネジ部14B1が形成されている。なお、ボス14Bは、ステアリングシャフト14に一体に設けられていてもよいし、ステアリングシャフト14とは別体に構成されて、ステアリングシャフト14に固定されてもよい。
また、ボス14Bの先端側には、略矩形プレート状の連結プレート76が設けられており、連結プレート76は、ステアリングシャフト14の径方向を板厚方向として、ボス14B及び連結凹部14Aに対向して配置されている。連結プレート76には、取付孔76Aが貫通形成されており、取付孔76Aは、ボス14Bのネジ部14B1と同軸上に配置されている。そして、取付孔76A内に固定ボルトB1が挿入されて、固定ボルトB1がネジ部14B1に螺合されることで、連結プレート76がボス14B(すなわち、ステアリングシャフト14)に固定されている。また、連結プレート76における連結凹部14Aに対向する部位には、略円形状の連結孔76Bが貫通形成されており、連結孔76Bは、ストッパ82Bよりも小径に設定されている。
そして、ストッパ82Bが、ステアリングシャフト14の連結凹部14A内及び連結プレート76の連結孔76B内に嵌り込んだ状態で、ステアリングシャフト14及び連結プレート76によって挟み込まれている。これにより、ストッパ82Bが、連結凹部14A及び連結孔76Bの開口縁部上を摺動するように、ワイヤ80とステアリングシャフト14とが、ボールジョイントによって連結されている。これにより、ステアリングホイール16が最大操舵位置に到達したときには、ワイヤ80のストッパ82Bからの引出方向に追従して、ストッパ82Bが、連結凹部14A及び連結孔76Bの開口縁部上を摺動しながら、自身の中心点を中心に回動する。このため、ストッパ82Bから延出されたワイヤ80の急激な折れ曲がりを一層抑制することができる。
(第3の実施の形態)
以下、図8(A)及び(B)を用いて、第3の実施の形態のステアリング装置200について説明する。ステアリング装置200では、操舵装置12における回動制限機構210を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。なお、図8(A)及び(B)では、回動制限機構210において、第1の実施の形態の回動制限機構24と同様に構成された部材には、同一の符号を付している。
第3の実施の形態の回動制限機構210では、第1連結軸60において面取部62Aが省略されている。また、ワイヤ80には、「付勢部材」としての圧縮コイルばね212が装着されており、圧縮コイルばね212は、ストッパ82Aと、第1連結軸60(の連結軸部60B)と、の間に配置されている。これにより、ストッパ82Aが、圧縮コイルばね212の付勢力によって、第1連結軸60から離間される方向(詳しくは、ハウジング50の軸方向一方側であり、図8(A)の矢印A方向側)へ付勢されている。
また、ハウジング50には、ストッパ82Aに対してハウジング50の軸方向一方側(図8の矢印A方向側)の位置において、「保持部」としての保持壁50Cが一体に形成されており、保持壁50Cは、ハウジング50の軸方向を板厚方向としてハウジング50から径方向内側へ突出されている。そして、図8(A)に示されるように、ステアリングホイール16の中立位置では、圧縮コイルばね212が自然状態から若干圧縮変形した状態でストッパ82Aを押圧して、ストッパ82Aが保持壁50Cに当接されている。これにより、ストッパ82Aにおけるハウジング50の軸方向一方側への移動が制限されて、ストッパ82Aが保持壁50Cによって保持されている。また、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と比べて、ワイヤ80の長手方向の長さが、圧縮コイルばね212の密着長さ(圧縮コイルばね212の圧縮変形が完了して、コイル同士が密着された状態の長さ)だけ長く設定されている。
そして、第3の実施の形態では、運転者によってステアリングホイール16が中立位置から回動方向一方側又は他方側へ回動されると、第1の実施の形態と同様に、ワイヤ80がステアリングシャフト14に巻付けられる。そして、ステアリングホイール16が最大操舵位置の手前に到達したときに、ワイヤ80が伸長された状態になり、圧縮コイルばね212の付勢力が、ストッパ82A,82Bを含むワイヤ80を介して、ステアリングシャフト14(第2連結軸70)に作用する。この状態からステアリングホイール16を、回動方向一方側又は他方側へさらに回動させると、ステアリングシャフト14(第2連結軸70)が、圧縮コイルばね212の付勢力に抗して、ワイヤ80(のストッパ82B)を長手方向他方側(図8(A)の矢印B方向側)へ引張る。これにより、ストッパ82Aが、保持壁50Cからハウジング50の軸方向他方側へ離間して、ワイヤ80がステアリングシャフト14にさらに巻付けられる。そして、図8(B)に示されるように、ステアリングホイール16の最大操舵位置では、圧縮コイルばね212の圧縮変形が完了して、ストッパ82Aにおけるハウジング50の軸方向他方側への移動が、第1連結軸60及び圧縮コイルばね212によって制限される。これにより、ステアリングシャフト14(ステアリングホイール16)の回動が制限される。したがって、第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
また、第3の実施の形態では、上述のように、ステアリングホイール16の最大操舵位置の手前から最大操舵位置への回動時には、圧縮コイルばね212の付勢力に抗して、ステアリングホイール16を回動させる必要がある。このため、ステアリングホイール16における当該手前位置から最大操舵位置までの操舵力を高くすることができる。これにより、ステアリングホイール16の最大操舵位置への到達(すなわち、ステアリングホイール16の最大操舵角)を、運転者に認知させることができる。したがって、運転者に対する操作性及び利便性を向上することができる。
さらに、第3の実施の形態では、保持壁50Cがハウジング50に形成されており、圧縮コイルばね212によって第1連結軸60に対して離間される方向へ付勢されたストッパ82Aが、保持壁50Cによって保持されている。このため、圧縮コイルばね212をワイヤ80に設けても、圧縮コイルばね212及びストッパ82Aのハウジング50に対する相対変位を抑制することができる。これにより、例えば、圧縮コイルばね212と第1連結軸60との間やストッパ82Aとハウジング50との間で生じる異音の発生を抑制することができる。
また、上述のように、圧縮コイルばね212が、ワイヤ80の長手方向一方側の端部に装着されて、第1連結軸60とストッパ82Aとの間に配置されている。すなわち、固定側のワイヤ80の長手方向一方側の端部に、圧縮コイルばね212を設けた構成になっている。これにより、ステアリングホイール16の操舵時におけるストッパ82Aに対する保持状態を安定化することができる。
すなわち、例えば、ワイヤ80の長手方向他方側の端部に圧縮コイルばね212を設けると共に、ステアリングシャフト14に保持壁50Cを設けた場合には、保持壁50Cがステアリングシャフト14と共にステアリングホイール16の操舵によって回動(可動)する。このため、ストッパ82Bが保持壁50Cに対してずれて、ストッパ82Bの保持状態の安定性が低下する虞がある。これに対して、本実施の形態では、上述のように、固定側のワイヤ80の長手方向一方側の端部に圧縮コイルばね212を設けると共に、ハウジング50に保持壁50Cを設けている。これにより、ステアリングシャフト14の回動時には保持壁50Cがステアリングシャフト14と共に回動しないため、ステアリングシャフト14が回動することによるストッパ82Aの保持状態への影響を抑制できる。したがって、ステアリングホイール16の回動時におけるストッパ82Aに対する保持状態を安定化することができる。
なお、第3の実施の形態では、ワイヤ80に装着された圧縮コイルばね212が、第1連結軸60とストッパ82Aとの間に配置されている。これに代えて、圧縮コイルばね212を、第2連結軸70とストッパ82Bとの間に配置するように構成してもよい。
また、第3の実施の形態では、ワイヤ80に単数の圧縮コイルばねを設ける構成にしたが、ワイヤ80に、複数の圧縮コイルばねを設ける構成にしてもよい。例えば、第1連結軸60とストッパ82Aとの間、及び、第2連結軸70とストッパ82Bとの間に、圧縮コイルばねを設けてもよい。この場合には、ステアリングシャフト14にも、保持壁50Cを設けてもよい。また、例えば、第1連結軸60とストッパ82Aとの間に、複数の圧縮コイルばねをハウジング50の軸方向に並ぶように配置してもよい。これにより、例えば、第3の実施の形態に比べて、圧縮コイルばねのばね荷重を低く設定することができる。また、ワイヤ80の長手方向両端部に圧縮コイルばねを配置する場合には、ストッパ82A,82Bを保持壁50Cによって保持することができる。これにより、ワイヤ80の伸長前において、ストッパ82A,82Bの保持状態を安定化することができる。その結果、ストッパ82A,82Bがハウジング50やステアリングシャフト14に当ることによって生じる異音を抑制することができる。
さらに、ワイヤ80に、複数の圧縮コイルばねを装着する場合には、複数のばねのばね荷重を異なる荷重に設定してもよい。これにより、ステアリングホイール16の最大操舵位置の手前において付与される操舵力を多段階に高くすることができる。その結果、運転者に対する操作性及び利便性を一層向上することができる。
また、第3の実施の形態で用いられた圧縮コイルばね212を、第2の実施の形態の回動制限機構110に適用してもよい。この場合には、第1連結軸60が、自身の軸回りに回動可能に構成されているため、保持壁50Cを、第1連結軸60に設けるように構成してもよい。
また、第3の実施の形態では、ストッパ82Aを第1連結軸60から離間させる方向へ付勢する付勢部材を圧縮コイルばねで構成しているが、ストッパ82Aを付勢する付勢部材の形態は、これに限られない。例えば、当該付勢部材を引張コイルばねや板ばねなどによって構成してもよい。例えば、付勢部材を引張コイルばねで構成する場合には、保持壁50Cを、第3の実施の形態と比べて、ハウジング50の軸方向一方側に配置する。また、ストッパ82Aと保持壁50Cとの間に、引張コイルばねを配置して、引張コイルばねの一端部を保持壁50Cに係止して、引張コイルばねの他端部をストッパ82Aに係止するように構成してもよい。さらに、この場合には、ハウジング50における、引張コイルばねに対応する位置に、孔部を形成して、ハウジング50の径方向外側から引張コイルばねを組付可能に構成してもよい。
また、圧縮コイルばね212やストッパ82Aによる異音の発生を抑制するという観点からすると、ハウジング50に保持壁50Cを設けることが望ましいが、第3の実施の形態において、ハウジング50の保持壁50Cを省略した構成にしてもよい。
また、第3の実施の形態では、ストッパ82Aが保持壁50Cに直接当接される構成になっているが、弾性を有するカバー等で保持壁50Cを被覆してもよい。または、保持壁50Cを、ハウジング50と別体に構成すると共に、弾性を有する材料で形成して、ハウジング50に固定するように構成してもよい。これにより、ステアリングホイール16が最大操舵位置から中立位置へ復帰するときに、弾性を有するカバーや保持壁50Cによってストッパ82Aを受け止めることができる。その結果、ストッパ82Aとカバーや保持壁50Cとの間で生じる異音の発生を抑制することができる。
(第4の実施の形態)
以下、図9〜図11を用いて、第4の実施の形態のステアリング装置300について説明する。ステアリング装置300では、操舵装置12における回動制限機構310を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。なお、図9〜図11では、回動制限機構310において、第1の実施の形態の回動制限機構24と同様に構成された部材には、同一の符号を付している。
第4の実施の形態では、回動制限機構310が可変機構312を有している。そして、可変機構312によって、ワイヤ80のストッパ82Aがハウジング50の軸方向に移動して、ステアリングシャフト14に巻付けられるワイヤ80の巻付長さを可変するように構成されている。以下、具体的に説明する。
第1の実施の形態では、ストッパ82Aがワイヤ80の長手方向一端部に設けられているのに対して、第4の実施の形態では、ストッパ82Aがワイヤ80の長手方向一端側の部位に固定されて、ワイヤ80の長手方向一端部がストッパ82Aに対してハウジング50の軸方向一方側へ延出されている。また、ワイヤ80におけるストッパ82Aとストッパ82Bとの間の長さは、第1の実施の形態と同じ長さに設定されている。すなわち、第4の実施の形態では、第1の実施の形態と比べて、ワイヤ80の長手方向の長さが、長く設定されている。また、ワイヤ80の長手方向一端部には、環状を成す取付輪部84が形成されている。
可変機構312は、スライダ320と、「駆動部」としてのモータ330と、モータ330の回転軸330Bに固定されたピニオン340と、を含んで構成されている。
スライダ320は、略円筒状に形成され、ステアリングシャフト14とハウジング50との間において、第1連結軸60に対して軸方向一方側(図9〜図11の矢印A方向側)で且つハウジング50と同軸上に配置されている。スライダ320の外周部には、図示しないキー溝が形成されており、当該キー溝は、スライダ320の径方向外側へ開放された溝状に形成されると共に、スライダ320の軸方向に延在されている。そして、当該キー溝内に、ハウジング50の内周部において軸方向に延在されたキー(図示省略)が、摺動可能に挿入されている。これにより、スライダ320が、ハウジング50に相対回動不能に連結されると共に、軸方向においてハウジング50に対して相対移動(スライド)可能に支持されている。なお、スライダ320とハウジング50との嵌合を、所謂スプライン嵌合として構成してもよい。すなわち、スライダ320の外周部に凹凸部を形成し、ハウジング50の内周部にスライダ320の外周部に対応する凹凸部を形成してもよい。
また、スライダ320の外周部の一部には、スライダ320の軸方向に延在されたラック部322が一体に形成されている。このラック部322は、複数のラック歯322Aを有しており、ラック歯322Aがスライダ320の軸方向に並んで配置されている。そして、ハウジング50には、固定部52よりも軸方向一方側で且つ当該ラック部322に対応する部位において、略矩形状の孔部50Dが貫通形成されており、ラック部322の一部が、当該孔部50Dによって、ハウジング50の径方向外側へ露出されている。さらに、スライダ320の内周部には、第1連結軸60側の端部において、連結ピンPが固定されており、前述したワイヤ80の取付輪部84が、連結ピンPによってスライダ320に連結されている。これにより、スライダ320が軸方向にスライドすることで、ワイヤ80における第1連結軸60と第2連結軸70との間の長さが、可変する構成になっている。
モータ330は、略円柱状のモータ本体330Aと、モータ本体330Aの軸方向一端部から延出された回転軸330Bと、を含んで構成されている。図10に示されるように、モータ本体330Aは、ハウジング50の径方向外側に配置されると共に、ハウジング50の固定部52の先端側から見て、ハウジング50の軸方向に対して直交する方向に沿って配置されている。そして、モータ本体330Aが、ハウジング50に形成された固定ボス50Eに固定ボルトB2によって固定されている。回転軸330Bは、モータ本体330Aからハウジング50側へ延出されると共に、スライダ320のラック部322に対してスライダ320の径方向外側に配置されている。また、モータ330は、制御部40に電気的に接続されており、制御部40の制御によってモータ330が駆動する構成になっている。
図9にも示されるように、ピニオン340は、略円筒状に形成されると共に、モータ330の回転軸330Bに固定されて、ハウジング50の孔部50D内に配置されている。また、ピニオン340の外周部には、複数のピニオン歯340Aが形成されており、ピニオン歯340Aは、ラック部322のラック歯322Aに噛合されている。これにより、モータ330が駆動することで、ピニオン340が回動して、ラック部322と共にスライダ320が軸方向に移動するようになっている。すなわち、スライダ320のラック部322及びピニオン340によって、モータ330の駆動力をスライダ320に伝達する駆動力伝達機構324を構成している。
そして、図9及び図10に示される状態が、可変機構312の初期状態である。この初期状態では、ステアリングホイール16が中立位置に配置されており、ストッパ82Aが、第1連結軸60に対してハウジング50の軸方向一方側に離間して配置されている。具体的には、ワイヤ80が弛みのない状態となるように、ハウジング50に対するスライダ320の位置が設定されている。より詳しくは、運転者のステアリングホイール16に対する操舵に影響を与えない程度の比較的低い引張力が、ワイヤ80に生じるように、ワイヤ80が長手方向に引張られるようになっている。
また、制御部40は、操舵角センサ18から出力される出力信号に基づいて、モータ330を駆動させて、スライダ320が、ステアリングホイール16(ステアリングシャフト14)の回動に追従してスライドするようになっている。具体的には、可変機構312の初期状態におけるワイヤ80の弛みのない状態を維持するように、制御部40が、モータ330を駆動させるようになっている。
そして、第3の実施の形態においても、中立位置からステアリングホイール16が運転者の操舵によって回動方向一方側(又は回動方向他方側)へ回動されると、ステアリングシャフト14が自身の軸回りに回動方向一方側(又は回動方向他方側)へ回動して、ワイヤ80がステアリングシャフト14に巻付けられる。そして、図11に示されるように、ステアリングホイール16の最大操舵位置では、ストッパ82Aが第1連結軸60の面取部62Aに嵌合して、ステアリングシャフト14の回動が制限される。これにより、第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
また、第4の実施の形態では、可変機構312の作動時に制御部40によってモータ330のトルクを高くするように制御することで、ステアリングホイール16の中立位置と最大操舵位置との間の任意の位置において、スライダ320のスライドを止めることができる。これにより、ワイヤ80の巻付長さを可変にすることができる。換言すると、ステアリングホイール16の最大操舵位置を可変にすることができる。その結果、例えば、ステアリングホイール16の回動中に車輪Hの転舵が縁石等によって制限されたときに、ステアリングホイール16の回動を可変機構312によって制限することで、車輪Hの転舵が制限されたことを運転者に認知させることができる。したがって、運転者に対する操作性を一層向上することができる。なお、この場合には、例えば、制御部40が、転舵センサ38からの出力に基づいて、車輪Hの転舵が制限されたことを検知する。
また、ワイヤ80の巻付長さを可変にすることで、例えば、各種車両に対応した、ステアリングホイール16の最大操舵位置を容易に設定することができる。
さらに、上述のように、ステアリングホイール16の中立位置では、可変機構312によって、ワイヤ80が弛みのない状態に設定されている。このため、ワイヤ80をステアリングシャフト14の径方向外側に離間して配置することができる。これにより、ワイヤ80の絡まりを効果的に抑制することができる。また、ワイヤ80の弛みが抑制されることで、例えば、ステアリングホイール16の中立位置において、ワイヤ80とステアリングシャフト14との干渉を抑制することができる。これにより、ワイヤ80とステアリングシャフト14との間で生じる異音の発生を抑制することができる。
また、第4の実施の形態では、可変機構312がワイヤ80の長手方向一端部に連結されている。このため、可変機構312を用いて、ワイヤ80の破断などを検知することができる。すなわち、上述のように、ステアリングホイール16の中立位置から最大操舵位置までの間では、可変機構312によって、ワイヤ80の弛みのない状態が維持されている。このため、例えば、制御部40がモータ330のモータ電流を検知して、当該モータ電流が所定値よりも低い場合には、ワイヤ80の伸長状態が解除されたとして(すなわち、ワイヤ80の破断が発生したとして)制御部40が検知してもよい。
また、例えば、初期状態におけるスライダ320を軸方向一方側へスライドさせるように、制御部40によってモータ330を駆動させて、スライダ320が初期状態の位置から軸方向一方側へスライドした場合には、ワイヤ80の破断が発生したとして制御部40が検知してもよい。このため、可変機構312を安全装置として機能させることもできる。この場合には、車両に、ワイヤ80の破断を報知する報知装置を設けて、ワイヤ80の破断が発生したことを当該報知装置から報知するように構成してもよい。以上により、ワイヤ80を用いた場合におけるフェールセーフを実施することができる。
さらに、可変機構312では、モータ330の駆動によってスライダ320が軸方向に移動する。このため、ステアリングホイール16の最大操舵位置の手前において、モータ330のトルクを高くするように制御部40がモータ330を制御することで、ステアリングホイール16の操舵力を高くすることができる。これにより、第3の実施の形態と同様に、ステアリングホイール16が最大操舵位置に到達することを、運転者に認知させることができる。
また、第4の実施の形態では、スライダ320にラック部322が一体に形成されると共に、モータ330の回転軸330Bには、ラック部322に噛合されたピニオン340が固定されている。このため、ラック部322とピニオン340とがギヤ列を構成しており、当該ギヤ列によってモータ330及びスライダ320が連結されている。このため、簡易な構成で、ワイヤ80の巻付長さを可変にすることができる。
なお、第4の実施の形態の可変機構312では、モータ330に固定されたピニオン340が、スライダ320のラック部322に直接噛合される構成になっている。これに代えて、ピニオン340とラック部322との間に、ピニオン340の回転を減速する減速機構(ギヤ列)を設けてもよい。これにより、ステアリングホイール16の回動途中においてスライダ320のスライドをモータ330によって止めるときのモータ330のトルクを、上記第4の実施の形態に比べて低くすることができる。したがって、モータ330の小型化に寄与することができる。
また、第4の実施の形態では、上述のように、ステアリングホイール16の回動途中において、制御部40によってモータ330のトルクを高くすることで、スライダ320のスライドを止めているが、スライダ320のスライドを止める構成はこれに限らない。例えば、スライダ320におけるラック部322に噛合可能に構成されたロック部材を、ラック部322と対向するように設けると共に、制御部40に電気的に接続されたソレノイド等のアクチュエータによって、当該ロック部材を作動させるに構成してもよい。そして、制御部40によってアクチュエータを作動させて、ロック部材をラック部322に噛合させることで、スライダ320のスライドを止めるように構成してもよい。
次に、可変機構の変形例について説明する。
(可変機構の変形例1について)
図12(A)及び(B)に示されるように、変形例1では、可変機構312が、巻取軸350と、ウォームホイール354と、ウォーム356と、モータ330と、を含んで構成されている。巻取軸350は、ステアリングシャフト14の径方向を軸方向とした略円筒状に形成されると共に、第1連結軸60(図示省略)に対してハウジング50の軸方向一方側に配置されている。また、巻取軸350の軸心部には、支持軸351の一端部が一体回動可能に固定されており、支持軸351の他端部が、ハウジング50に固定されたブラケット352を介してハウジング50に回動可能に支持されている。また、ワイヤ80の長手方向一端部が巻取軸350に連結されている。さらに、巻取軸350の軸方向両端部には、一対のフランジ350Aが形成されており、一対のフランジ350Aの間に、ワイヤ80の長手方向一方側の部分が配置されている。
ウォームホイール354は、巻取軸350と同軸上に配置されて、巻取軸350に対してハウジング50の径方向外側に配置されている。また、ウォームホイール354の軸心部が、支持軸351と一体回動可能に固定されており、ウォームホイール354の外周部には、ウォーム歯が形成されている。
モータ330は、ハウジング50の径方向外側に配置されており、モータ330の回転軸330Bが、ハウジング50の軸方向に直交する方向に沿って配置されている。そして、モータ330の回転軸330Bにウォーム356が固定されており、ウォーム356は、ウォームホイール354の径方向外側に隣接配置されて、ウォームホイール354に噛合されている。
このため、モータ330が駆動することで、ウォーム356によってウォームホイール354が回動すると共に、巻取軸350が自身の軸回り一方側又は他方側へ回動される。すなわち、ウォーム356及びウォームホイール354によって、モータ330の駆動力を巻取軸350に伝達する駆動力伝達機構358を構成している。これにより、巻取軸350によってワイヤ80が巻取られ、又は、巻取軸350に巻取られたワイヤ80が巻取軸350から引出される。したがって、変形例1においても、ワイヤ80の巻付長さを可変にすることができる。
また、変形例1では、モータ330の回転が、ウォーム356及びウォームホイール354によって減速されて、巻取軸350が回動する。このため、制御部40によってモータ330のトルクを制御してステアリングシャフト14の回動を制限するときのモータ330のトルクを低くすることができる。したがって、モータ330の小型化に寄与することができる。
(可変機構の変形例2について)
第4の実施の形態及び変形例1では、可変機構312によって、ワイヤ80の長手方向一端部を移動させて、ワイヤ80の巻付長さを可変する(すなわち、ステアリングホイール16の最大操舵角を可変にする)にように構成されている。これに代えて、変形例2では、第1連結軸60をステアリングシャフト14の軸方向に移動可能に構成して、ステアリングホイール16の最大操舵位置を可変にするように構成している。以下、具体的に説明する。
図13に示されるように、変形例2では、回動制限機構310のハウジング50の径方向外側に、略円筒状の「支持部材」としての支持ハウジング360が設けられており、支持ハウジング360は、回動制限機構310の外郭を構成している。一方、ハウジング50は、支持ハウジング360に相対回動不能に連結されると共に、支持ハウジング360の軸方向において支持ハウジング360に相対移動(スライド)可能に支持されている。すなわち、第4の実施の形態における可変機構312のスライダ320と同様に、ハウジング50の外周部には、図示しないキー溝が形成されており、キー溝が、ハウジング50の径方向外側へ開放された溝状に形成されると共に、スライダ320の軸方向に延在されている。また、支持ハウジング360の内周部には、軸方向に延在されたキー(図示省略)が設けられており、キーがキー溝内に摺動可能に挿入されている。
また、ハウジング50の外周部には、固定部52に対して軸方向他方側の位置において、ハウジング50の軸方向に延在されたラック部54が一体に形成されている。このラック部54は、複数のラック歯54Aを有しており、ラック歯54Aがハウジング50の軸方向に並んで配置されている。そして、支持ハウジング360には、当該ラック部54に対してハウジング50の径方向外側の部位において、略矩形状の孔部360Aが貫通形成されており、孔部360Aにモータ330のピニオン340が配置されて、ピニオン340がラック部54に噛合されている。すなわち、ラック部54及びピニオン340によって、モータ330の駆動力をハウジング50に伝達する駆動力伝達機構362を構成している。
さらに、図示は省略するが、変形例2においても、可変機構312の初期状態では、第4の実施の形態と同様に、ワイヤ80が長手方向に伸長した状態となるように、支持ハウジング360に対するハウジング50の位置が設定されている。また、ステアリングホイール16の回動時には、制御部40(図13では、不図示)は、操舵角センサ18から出力される出力信号に基づいて、モータ330を駆動させて、初期状態におけるワイヤ80の伸長状態を維持するように、ハウジング50が支持ハウジング360に対して軸方向他方側へスライドする。以上により、ステアリングシャフト14の軸方向における第1連結軸60と第2連結軸70との距離を可変にすることができる。その結果、変形例2では、ワイヤ80の巻付長さは変化しないが、ステアリングホイール16の最大操舵位置を可変にすることができる。
(可変機構の変形例3)
可変機構312の変形例2では、第1連結軸60をステアリングシャフト14の軸方向に移動可能に構成して、ステアリングホイール16の最大操舵角を可変にするように構成しているが、変形例3では、第1連結軸60をステアリングシャフト14の周方向に移動可能(回動可能)に構成して、ステアリングホイール16の最大操舵位置を可変にするように構成している。
すなわち、図14に示されるように、可変機構312の変形例3では、変形例2と同様に、回動制限機構310のハウジング50の径方向外側に、略円筒状の支持ハウジング360が設けられており、支持ハウジング360は、回動制限機構310の外郭を構成している。そして、ハウジング50と支持ハウジング360との間には、一対の略円環状の軸受370(本変形例では、ボールベアリング)が設けられており、ハウジング50が、軸受370を介して支持ハウジング360に回動可能に支持されている。
また、ハウジング50の軸方向他方側端部(図14の矢印B方向側の端部)の外周部には、ギヤ部50Fが形成されており、ギヤ部50Fは、複数の外歯によって構成されている。また、モータ330は、ステアリングシャフト14と略平行に配置されている。このモータ330の回転軸330Bには、略円筒状の駆動ギヤ380が固定されており、駆動ギヤ380の径寸法は、ハウジング50よりも小さく設定されている。そして、駆動ギヤ380の外周部には、ハウジング50におけるギヤ部50Fの外歯と噛合されたギヤ歯が形成されている。すなわち、ハウジング50のギヤ部50F及び駆動ギヤ380によって、モータ330の駆動力をハウジング50に伝達する駆動力伝達機構382を構成している。
以上により、変形例3では、制御部40の制御によってモータ330が駆動すると、ハウジング50と共に第1連結軸60が支持ハウジング360に対して相対回動する。このため、ステアリングシャフト14の周方向における、第1連結軸60と第2連結軸70との相対位置を可変にすることができる。これにより、上記変形例2と同様に、ワイヤ80の巻付長さは変化しないが、ステアリングホイール16の最大操舵位置を可変にすることができる。
また、変形例3には、ハウジング50の径寸法が、駆動ギヤ380よりも大きく設定されている。このため、駆動ギヤ380とハウジング50のギヤ部50Fとによって、モータ330の回転が減速される。すなわち、駆動ギヤ380及びハウジング50のギヤ部50Fによって減速機構が構成される。このため、ステアリングシャフト14の回動を制限するときのモータ330のトルクを低くすることができる。したがって、モータ330の小型化に寄与することができる。
(第5の実施の形態)
以下、図15を用いて、第5の実施の形態のステアリング装置400について説明する。ステアリング装置400では、操舵装置12における回動制限機構410を除いて第1の実施の形態のバリエーション3と同様に構成されている。なお、図15では、回動制限機構410において、第1の実施の形態のバリエーション3と同様に構成された部材には、同一の符号を付している。
すなわち、第5の実施の形態では、ハウジング50に一対の第1連結軸60が設けられており、一対の第1連結軸60が、ハウジング50の軸方向に離間して配置されると共に、ハウジング50の軸方向において対称を成すように配置されている。また、ステアリングシャフト14の第2連結軸70は、ステアリングシャフト14の軸方向において、一対の第1連結軸60の間に配置されている。そして、ワイヤ80の長手方向両端部分が一対の第1連結軸60に連結されており、ワイヤ80の長手方向中間部が第2連結軸70に連結されている。また、ワイヤ80の外周部は、絶縁材によって構成された絶縁カバー86によって被覆されている。
さらに、ワイヤ80の長手方向一端部は、電源(車両のバッテリーなど)に電気的に接続されおり、ワイヤ80の長手方向他端部は、グランド接地されている。また、ワイヤ80の長手方向他端部には、電圧を検出する「破断検出部」としてのセンサ412が設けられており、センサ412は、制御部40に電気的に接続されている。
そして、センサ412は、検出した電圧に基づいて、ワイヤ80の破断を予知又は検知するように構成されている。すなわち、ワイヤ80の長手方向一端部を電源に接続することにより、電流がワイヤ80内を流れるため、ワイヤ80自体が抵抗として作用する。これにより、ワイヤ80に破断(一部の破断も含む)が生じると、等価的にワイヤ80の抵抗値が大きくなるため、センサ412によって検出される電圧が低くなる。このため、センサ412によって検出された電圧値が、第1の閾値よりも低いときには、制御部40がワイヤ80の破断を予知し、センサ412によって検出された電圧値が、第1の閾値よりも低い第2の閾値よりも低いときには、制御部40がワイヤ80の破断を検知するようになっている。その結果、回動制限機構410を、第4の実施の形態と同様に、安全装置として機能させることができる。この場合には、制御部40に電気的に接続された「報知部」としての報知装置420を、車両に設けて、ワイヤ80の破断の予知又は検知を報知装置420から報知するように構成してもよい。
なお、第5の実施の形態では、センサ412をワイヤ80の長手方向他端部に接続する構成にしたが、ワイヤ80の破断を精度良く予知又は検知するために、ワイヤ80におけるストッパ82Bに対して長手方向一方側(第1連結軸60側)の近接部分にセンサ412を接続してもよい。この場合は、ストッパ82B側の第1連結軸60に、ワイヤ挿通孔62と第1連結軸60の外部とを連通する連通孔を形成して、当該連通孔内に、センサ412とワイヤ80とを接続する接続線を配置してもよい。
(第6の実施の形態)
以下、図16(A)及び(B)を用いて、第6の実施の形態のステアリング装置500について説明する。ステアリング装置500では、操舵装置12における回動制限機構510を除いて第1の実施の形態と同様に構成されている。なお、図16では、回動制限機構510において、第1の実施の形態の回動制限機構24と同様に構成された部材には、同一の符号を付している。
回動制限機構510は、ワイヤ80の代わりに、可撓性を有する金属製の「連結部材」としてのベルト520を有しており、ベルト520は、長尺帯状に形成されると共に、ステアリングシャフト14の軸方向を幅方向として配置されている。ベルト520の長手方向一端部には、第1ストッパ522A(広義には、「制限部材」として把握される要素である)が設けられており、第1ストッパ522Aは、ハウジング50の軸方向を長手方向とする略矩形筒状に形成されている。そして、第1ストッパ522Aの内部にベルト520の長手方向一端部が挿入されて、第1ストッパ522Aがカシメなどによってベルト520に固定されている。また、第1ストッパ522Aは、ハウジング50に形成された固定孔50H内に嵌入して固定されており、ベルト520が第1ストッパ522Aからハウジング50の内部へ延出されている。また、第1ストッパ522Aの軸方向一端部には、第1ストッパ522Aから外側へ突出されたフランジ522A1が一体に形成されており、フランジ522A1は、ハウジング50の径方向外側において、固定孔50Hの周縁部に当接されている。
一方、ベルト520の長手方向他端部には、第2ストッパ522B(広義には、「制限部材」として把握される要素である)が設けられており、第2ストッパ522Bは、ステアリングシャフト14の軸方向を長手方向とする略矩形筒状に形成されている。そして、第2ストッパ522Bの内部にベルト520の長手方向他端部が挿入されて、第2ストッパ522Bがカシメなどによってベルト520に固定されている。また、第2ストッパ522Bは、ステアリングシャフト14の外周部に形成された固定凹部14C内に嵌入して固定されている。これにより、ステアリングシャフト14とハウジング50とがベルト520によって連結されている。また、第1ストッパ522Aが第2ストッパ522Bに対して、ステアリングシャフト14の径方向外側に配置されている。具体的には、ステアリングホイール16の中立位置において、第1ストッパ522A及び第2ストッパ522Bは、ステアリングシャフト14の径方向において、対向して配置されている。すなわち、ベルト520の長手方向両端部が、ステアリングシャフト14の軸方向において一致する位置に配置されている。
また、ステアリングホイール16の中立位置では、ベルト520が、ステアリングシャフト14とハウジング50との間で弛んだ状態で配置されている。そして、運転者によってステアリングホイール16が回動方向一方側(又は回動方向他方側)へ回動されると、ステアリングシャフト14が回動方向一方側(又は回動方向他方側)へ回動する。これにより、ベルト520が、ステアリングシャフト14の径方向を厚み方向としてステアリングシャフト14の外周部に巻取られる。そして、ステアリングホイール16が最大操舵位置に到達したときには、ベルト520が伸長された状態になるように、ベルト520の長手方向の長さが設定されている。これにより、ステアリングホイール16の最大操舵位置において、ステアリングシャフト14の回動が制限される。したがって、第6の実施の形態においても、回動制限機構510によってステアリングシャフト14の回動を機械的に制限することができる。
また、第6の実施の形態では、ステアリングシャフト14とハウジング50とを連結する連結部材が、略長尺帯状のベルト520によって構成されている。また、第1ストッパ522Aが第2ストッパ522Bに対して、ステアリングシャフト14の径方向外側に配置されている。これにより、ステアリングシャフト14によってベルト520を巻取るときには、ベルト520が、ステアリングシャフト14の径方向を厚み方向としてステアリングシャフト14に巻取られる。これにより、ベルト520の絡まりを抑制した状態でステアリングシャフト14によってベルト520を良好に巻取ることができる。
特に、ステアリングホイール16の最大操舵角が、360°よりも大きく設定された場合には、ベルト520が、ステアリングシャフト14の径方向外側に層状に巻取られる。このため、仮に、ベルト520を、第1の実施の形態のような断面円形のワイヤ80とした場合と比べて、ベルト520をステアリングシャフト14によって良好に巻取ることができる。これにより、ベルト520の巻取状態を安定化することができる。
なお、第6の実施の形態では、第1ストッパ522Aがハウジング50に固定されているが、第1ストッパ522Aをハウジング50の径方向外側に配置して、ハウジング50の固定孔50Hの周縁部に係合可能に構成してもよい。この場合には、第3の実施の形態と同様に、第1ストッパ522Aをハウジング50の径方向外側へ付勢する付勢部材を設けてもよい。これにより、第3の実施の形態と同様に、ステアリングホイール16が最大操舵位置の手前において、ステアリングホイール16の操舵力を高くすることができる。
また、第6の実施の形態では、ステアリングホイール16の中立位置において、ベルト520が弛む状態になるように設定されているが、ステアリングホイール16の中立位置において、ベルト520が弛みのない状態となるように構成してもよい。例えば、ハウジング50の径方向外側に、ハウジング50と平行を成す巻取軸を設けて、当該巻取軸を、ブラケットなどを介して、ハウジング50に回動可能に支持させる。さらに、ベルト520の長手方向一方側の端部を巻取軸に固定する。これにより、巻取軸が回動方向一方側へ回動することで、ベルト520が巻取軸に巻き取られ、ベルト520を引出すことで、巻取軸が回動方向他方側へ回動される。さらに、巻取軸の軸方向一端部に、巻取軸を回動方向一方側へ付勢するぜんまいばね等の付勢部材を設ける。これにより、ステアリングホイール16の中立位置において、ベルト520が弛みのない状態で巻取軸から延出される。その結果、ハウジング50とステアリングシャフト14との間に、弛んだ状態のベルト520が配置されることが抑制されるため、ベルト520とステアリングシャフト14及びハウジング50との当りによる異音の発生を抑制することができる。
(第7の実施の形態)
以下、図17を用いて、第7の実施の形態のステアリング装置600について説明する。ステアリング装置600では、操舵装置12における回動制限機構610を除いて第3の実施の形態と同様に構成されている。なお、図17では、回動制限機構610において、第3の実施の形態の回動制限機構210と同様に構成された部材には、同一の符号を付している。
第7の実施の形態における回動制限機構610は、第2連結軸70の代わりにナット620を有している。また、回動制限機構610は、ナット620をステアリングシャフト14に連結させるためのネジ機構630と、「第1連結部材」としての第1ワイヤ90と、「第2連結部材」としての第2ワイヤ94と、を含んで構成されている。
ナット620は、略円筒状に形成されており、ナット620の内径寸法は、ステアリングシャフト14の外径寸法と比べて僅かに大きく設定されて、ナット620の内部にステアリングシャフト14が挿通されている。また、ナット620は、ハウジング50に対して相対回動不能に、且つ軸方向に相対移動可能に、ハウジング50に支持されている。すなわち、ナット620の外周部には、ナット620の軸方向に延在されたキー溝(図示省略)が形成されており、ハウジング50の内周部には、当該キー溝内に配置されたキー(図示省略)が設けられている。
また、ナット620には、2箇所のワイヤ挿通孔622(広義には、「ナット側挿通孔」として把握される要素である)が軸方向に貫通形成されている。このワイヤ挿通孔622は、ナット620の中心点CPに対して、点対称となるように構成されている。すなわち、一対のワイヤ挿通孔622は、ナット620の周方向において、180°離間した位置に配置されている。また、ワイヤ挿通孔622は、第3の実施の形態の第2連結軸70に形成されたワイヤ挿通孔72と同様に構成されている。すなわち、ワイヤ挿通孔622の軸方向両側の開口部には、傾斜面によって構成された面取部622A,622Bが形成されている。
ネジ機構630は、ボールネジ機構として構成されており、ステアリングシャフト14の回動運動を直線運動に変換して、ナット620をステアリングシャフト14の軸方向に移動させるようになっている。すなわち、ネジ機構630は、ステアリングシャフト14の外周部に形成された螺旋状のネジ溝部632と、ナット620の内周部に形成された螺旋状のネジ溝部634と、ナット620とステアリングシャフト14との間においてネジ溝部632及びネジ溝部634内に配置されたボール646と、を含んで構成されている。これにより、ステアリングシャフト14が回動方向一方側または他方側へ回動されることで、ナット620がステアリングシャフト14の軸方向一方側または他方側へ移動するように構成されている。
一方、ハウジング50には、一対の第1連結軸60が設けられており、一対の第1連結軸60は、一対のワイヤ挿通孔622に対応して配置されている。具体的には、一方の第1連結軸60が、一方のワイヤ挿通孔622と対を成して、当該ワイヤ挿通孔622に対してステアリングシャフト14の軸方向一方側に配置されている。また、他方の第1連結軸60が、他方のワイヤ挿通孔622と対を成して、当該ワイヤ挿通孔622に対してステアリングシャフト14の軸方向他方側に配置されている。そして、対を成す第1連結軸60のワイヤ挿通孔62とワイヤ挿通孔622とが、同軸上に配置されている。さらに、ハウジング50には、一対の保持壁50Cが一体に形成されており、保持壁50Cは、一対の第1連結軸60に対応して、第1連結軸60に対してナット620とは反対側の位置に配置されている。
第1ワイヤ90及び第2ワイヤ94は、同一形状に形成されると共に、第1の実施の形態のワイヤ80と同様に構成されている。すなわち、第1ワイヤ90(第2ワイヤ94)の長手方向両側の端部には、ストッパ92A,92B(ストッパ96A,96B)が固定されており、ストッパ92A,92B(ストッパ96A,96B)は、ワイヤ80のストッパ82A,82Bと同様に構成されている。そして、第1ワイヤ90及び第2ワイヤ94は、対を成す第1連結軸60(のワイヤ挿通孔62)及びワイヤ挿通孔622を連結しており、第1ワイヤ90(第2ワイヤ94)のストッパ92A(ストッパ96A)が、第1連結軸60側に配置されている。また、ステアリングホイール16の中立位置では、第1ワイヤ90及び第2ワイヤ94が、弛んだ状態で、対を成す第1連結軸60(のワイヤ挿通孔62)及びワイヤ挿通孔622を連結するように、ワイヤ80の長手方向の長さが設定されている。また、第1ワイヤ90及び第2ワイヤ94には、それぞれ圧縮コイルばね212が装着されており、圧縮コイルばね212は、ストッパ92A(ストッパ96A)と第1連結軸60との間に配置されている。
そして、運転者によってステアリングホイール16が回動方向一方側へ回動されると、ステアリングシャフト14が回動方向一方側へ回動して、ナット620がネジ機構630によって軸方向一方側(図17の矢印A方向側)へ移動する。このため、ナット620が、一方の第1連結軸60に対して接近すると共に、他方の第1連結軸60に対して離間する。すなわち、第1ワイヤ90が、一層弛んだ状態となると共に、第2ワイヤ94が、ステアリングシャフト14の径方向外側において、長手方向に伸長されるように延びる。
そして、ステアリングホイール16が最大操舵位置の手前に到達したときには、第2ワイヤ94が伸長された状態になり、第2ワイヤ94に装着された圧縮コイルばね212の付勢力がワイヤ80を介してナット620に作用する。この状態からステアリングホイール16が、回動方向一方側へさらに回動されると、ナット620が、当該圧縮コイルばね212の付勢力に抗して、第2ワイヤ94を長手方向に引張る。これにより、第2ワイヤ94のストッパ96Bが、保持壁50Cからハウジング50の軸方向一方側へ離間して、ナット620の移動が許容される。そして、ステアリングホイール16の最大操舵位置では、ナット620が図1に示される1点鎖線で示される位置に配置される。このときには、第2ワイヤ94に装着された圧縮コイルばね212の圧縮変形が完了して、ストッパ82Aにおけるハウジング50の軸方向一方側への移動が、第1連結軸60によって制限される。これにより、ナット620の移動が制限されると共に、ステアリングシャフト14(ステアリングホイール16)の回動が制限される。
一方、運転者によってステアリングホイール16が回動方向他方側へ回動されると、ステアリングシャフト14が回動方向他方側へ回動して、ナット620がネジ機構630によって軸方向他方側(図17の矢印B方向側)へ移動する。このため、ナット620が、一方の第1連結軸60に対して離間すると共に、他方の第1連結軸60に対して接近する。すなわち、第2ワイヤ94が一層弛んだ状態になると共に、第1ワイヤ90が、ステアリングシャフト14の径方向外側において、長手方向に伸長されるように延びる。
そして、ステアリングホイール16が最大操舵位置の手前に到達したときには、第1ワイヤ90が伸長された状態になり、第1ワイヤ90に装着された圧縮コイルばね212の付勢力がワイヤ80を介してナット620に作用する。この状態からステアリングホイール16が、回動方向他方側へさらに回動されると、ナット620が、当該圧縮コイルばね212の付勢力に抗して、第1ワイヤ90を長手方向に引張る。これにより、第1ワイヤ90のストッパ92Aが、保持壁50Cからハウジング50の軸方向他方側へ離間して、ナット620の移動が許容される。そして、ステアリングホイール16の最大操舵位置では、ナット620が図17に示される2点鎖線で示される位置に配置される。このときには、第1ワイヤ90に装着された圧縮コイルばね212の圧縮変形が完了して、ストッパ92Aにおけるハウジング50の軸方向他方側への移動が、第1連結軸60によって制限される。これにより、ナット620の移動が制限されると共に、ステアリングシャフト14(ステアリングホイール16)の回動が制限される。
以上により、第7の実施の形態においても、ステアリングシャフト14の回動を回動制限機構610によって機械的に制限することができる。
また、第7の実施の形態では、第3の実施の形態と同様に、ステアリングホイール16の最大操舵位置の手前から最大操舵位置までの間における操舵力を、高くすることができる。また、第7の実施の形態では、第1ワイヤ90、第2ワイヤ94、及び圧縮コイルばね212を用いてステアリングホイール16の操舵力を高くしているため、ナット620及びネジ機構630を用いた回動制限機構において、ステアリングホイール16の操舵力を安定的に高くすることができる。
すなわち、ナット及びネジ機構を用いた回動制限機構では、摩擦力を活用して、ステアリングホイール16の操舵力を高くする構造(以下、構造1という)が考えられる。例えば、ハウジング50の内周面の一部に他の部分に対して面粗さを粗くした面粗部を形成して、ナット620の外周部と面粗部との間に生じる摩擦力を活用して、ステアリングホイール16の最大操舵位置の手前における操舵力を高くすることができる。しかしながら、この場合には、ナット620の面粗部上の摺動によって、面粗部が磨耗する可能性がある。これにより、ステアリングホイール16の操舵力を安定的に高くすることができなくなる虞がある。
これに対して、第7の実施の形態では、第1ワイヤ90、第2ワイヤ94に装着された圧縮コイルばね212の付勢力を用いて、ステアリングホイール16の操舵力を高くする構成になっている。このため、上記構造1と比べて、ステアリングホイール16の操舵力を安定的に高くすることができる。
さらに、第7の実施の形態では、ナット620と第1連結軸60とを連結する第1ワイヤ90又は第2ワイヤ94が伸長されることで、最大操舵位置における、ナット620の移動を制限して、ステアリングホイール16の回動を制限している。このため、ステアリングホイール16が最大操舵位置に到達したときの異音の発生を抑制することができる。
すなわち、ナット620及びネジ機構630を用いた構造では、例えば、ステアリングホイール16の最大操舵位置において、ハウジング50に設けられたストッパ壁にナット620を当接させることで、ナット620の移動を制限する構造(以下、構造2という)が考えられる。この構造2では、最大操舵位置において、ナット620がストッパ壁に当接することによる、比較的大きな異音が発生する可能性がある。
これに対して、第7の実施の形態では、ステアリングホイール16の最大操舵位置において、ナット620のステアリングシャフト14に対する相対移動を、伸長された第1ワイヤ90又は第2ワイヤ94によって引止めるように作用する。これにより、上記構造2のように、ナット620をストッパ壁に当てる必要がなくなるため、上記構造2と比べて異音の発生を抑制することができる。
さらに、ナット620のステアリングシャフト14に対する相対移動を、伸長された第1ワイヤ90又は第2ワイヤ94によって引き止める構成にすることで、上記構造2の場合と比べて、ステアリングシャフト14を最大操舵位置から中立位置側へスムースに逆回動させることができる。
すなわち、上記構造2の場合では、ナット620の軸方向の端面と、ストッパ壁と、が面で当接される構造になる。このため、ステアリングホイール16の最大操舵位置において、ステアリングホイール16に比較的高い操舵力が付与された場合には、ナット620の軸方向の端面と、ストッパ壁と、の間に、比較的高い摩擦力が生じる可能性がある。このため、ステアリングホイール16の最大操舵位置から復帰させるときに、ナット620がストッパ壁にくい付くように作用して、ステアリングシャフト14が中立位置側へスムースに逆回動しない可能性がある。
これに対して、第7の実施の形態では、上述のように、ステアリングホイール16の最大操舵位置において、ナット620のステアリングシャフト14に対する相対移動を、伸長された第1ワイヤ90又は第2ワイヤ94によって引き止めるように作用する。これにより、上記構造2のように、ナット620の軸方向の端面と、ストッパ壁と、を面で当接させる必要がなくなる。このため、上記構造2と比べて、ステアリングシャフト14を最大操舵位置から中立位置側へスムースに逆回動させることができる。
なお、第7の実施の形態では、ネジ機構630をボールネジ機構として構成して、ナット620をステアリングシャフト14の軸方向に移動可能に構成している。これに代えて、ナット620とステアリングシャフト14とをネジ結合にして、ナット620をステアリングシャフト14の軸方向に移動可能に構成してもよい。すなわち、ネジ機構630を、ステアリングシャフト14の外周部に形成された雄ネジ部と、ナット620の内周部に形成され且つ雄ネジ部と螺合される雌ネジ部と、を含んで構成してもよい。
また、回動制限機構610では、第1ワイヤ90及び第2ワイヤ94が、それぞれ1本ずつに設定されているが、第1ワイヤ90及び第2ワイヤ94を、それぞれ複数本に設定してもよい。
さらに、回動制限機構610では、第1ワイヤ90及び第2ワイヤ94を含んで構成されているが、回動制限機構610において、第1ワイヤ90及び第2ワイヤ94の一方を省略してもよい。また、第1ワイヤ90(第2ワイヤ94)を省略する場合には、ステアリングホイール16の最大操舵位置において、ナット620に当接し且つステアリングホイール16の回動方向他方側(回動方向一方側)への回動を制限するストッパをハウジング50の設けてもよい。
なお、第1〜第5の実施の形態、及び第7の実施の形態では、ワイヤ80及びベルト520が可撓性を有する金属製とされているが、ワイヤ80及びベルト520の材質はこれに限らない。例えば、ワイヤ80及びベルト520を布製にしてもよい。つまり、ワイヤ80及びベルト520が、可撓性を有すると共に、所定の引張強度を有するものであればよい。
また、第1〜第5の実施の形態、及び第7の実施の形態では、ワイヤ80、第1ワイヤ90、及び第2ワイヤ94の径寸法を特に規定していないが、ワイヤ80、第1ワイヤ90、及び第2ワイヤ94の径寸法は、任意に設定可能である。さらに、第6の実施の形態では、ベルト520の幅寸法及び厚み寸法を特に規定していないが、ベルト520の幅寸法及び厚み寸法は、任意に設定可能である。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。また、第1〜第7の実施の形態を適宜組み合わせて適用してもよい。
10 ステアリング装置
14 ステアリングシャフト
16 ステアリングホイール
50 ハウジング
50A ワイヤ挿通孔(挿通孔)
50C 保持壁(保持部)
60 第1連結軸(ハウジング側連結部)
62 ワイヤ挿通孔(第1挿通孔)
70 第2連結軸(シャフト側連結部)
72 ワイヤ挿通孔(第2挿通孔)
80 ワイヤ(連結部材)
90 ワイヤ(第1連結部材)
94 ワイヤ(第2連結部材)
100 ステアリング装置
200 ステアリング装置
212 圧縮コイルばね(付勢部材)
300 ステアリング装置
312 可変機構
320 スライダ
324 駆動力伝達機構
340 モータ(駆動部)
350 巻取軸
358 駆動力伝達機構
360 支持ハウジング(支持部材)
362 駆動力伝達機構
382 駆動力伝達機構
400 ステアリング装置
412 センサ(破断検出部)
420 報知部(報知装置)
500 ステアリング装置
520 ベルト(連結部材)
500 ステアリング装置
620 ナット
630 ネジ機構

Claims (14)

  1. ステアリングホイールの操舵に伴って回動するステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトを径方向外側から覆うハウジングと、
    可撓性を有する長尺状に形成され、前記ステアリングシャフト及び前記ハウジングを連結すると共に、前記ステアリングホイールが中立位置から最大操舵位置へ操舵されたときに伸長した状態で前記ステアリングシャフトに巻付けられて前記ステアリングシャフトの回動方向一方側または回動方向他方側の回動を制限する連結部材と、
    を備えたステアリング装置。
  2. 前記連結部材の長手方向両端部が、前記ステアリングシャフトの軸方向に離間して配置されており、
    前記ステアリングシャフトが中立位置から回動されたときには、前記連結部材が前記ステアリングシャフトの外周部に螺旋状に巻付けられる請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記ハウジングには、前記ハウジングから前記ステアリングシャフト側へ突出され且つ前記連結部材をハウジングに連結するハウジング側連結部が設けられ、
    前記ステアリングシャフトには、前記ステアリングシャフトから前記ハウジング側へ突出され且つ前記連結部材を前記ステアリングシャフトに連結するシャフト側連結部が設けられ、
    前記連結部材は、断面円形状に形成されており、前記ハウジング側連結部と前記ステアリングシャフトとの間の隙間及び前記シャフト側連結部と前記ハウジングとの間の隙間が、前記連結部材の外径と比べて小さく設定されている請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記ハウジング側連結部には、前記ステアリングシャフトの軸方向に貫通され且つ前記連結部材が挿通される第1挿通孔が形成され、前記シャフト側連結部には、前記ステアリングシャフトの軸方向に貫通され且つ前記連結部材が挿通される第2挿通孔が形成されており、
    前記ハウジング側連結部が、前記ステアリングシャフトの径方向を軸方向として前記ハウジングに回動可能に支持され、
    前記シャフト側連結部が、前記ステアリングシャフトの径方向を軸方向として前記ステアリングシャフトに回動可能に支持されている請求項3に記載のステアリング装置。
  5. 前記連結部材が、前記ステアリングシャフト及び前記ハウジングの少なくとも一方とボールジョイントによって連結されている請求項3に記載のステアリング装置。
  6. 前記連結部材の長手方向一端部が、前記ハウジングの外周部に固定されており、前記連結部材が、前記ハウジングに形成された挿通孔から前記ステアリングシャフトへ向けて延出されている請求項2に記載のステアリング装置。
  7. 前記連結部材が、帯状に形成されると共に、前記ステアリングシャフトの軸方向において、前記連結部材の長手方向両端部の位置が一致しており、
    前記ステアリングシャフトが中立位置から回動されたときには、前記連結部材が前記ステアリングシャフトの径方向を厚み方向として前記ステアリングシャフトの外周部に巻付けられる請求項1に記載のステアリング装置。
  8. 前記連結部材の長手方向両端部の少なくとも一方には、前記連結部材を長手方向外側へ付勢する付勢部材が設けられている請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のステアリング装置。
  9. 前記ハウジングには、前記付勢部材が設けられた前記連結部材の端部を保持する保持部が設けられている請求項8に記載のステアリング装置。
  10. 前記連結部材の長手方向一端部が、可変機構に連結されており、
    前記可変機構は、作動することによって、前記連結部材の長手方向一端部を前記ハウジングに対して相対変位させて、前記ステアリングホイールの最大操舵位置を可変にする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のステアリング装置。
  11. 前記ハウジングは、可変機構に連結されており、
    前記可変機構は、作動することによって、前記ハウジングを前記ステアリングシャフトに対して相対変位させて、前記ステアリングホイールの最大操舵位置を可変にする請求項1〜請求項5、請求項6、請求項8、及び請求項9の何れか1項に記載のステアリング装置。
  12. 前記連結部材の破断を検出又は予知する破断検出部と、
    前記破断検出部が前記連結部材の破断を検出したとき又は前記連結部材の破断を予知したときに、その旨を報知する報知部と、
    を備えた請求項1〜請求項11に記載のステアリング装置。
  13. 前記連結部材が複数設けられている請求項1〜請求項12の何れか1項に記載のステアリング装置。
  14. ステアリングホイールの操舵に伴って回動するステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトを径方向外側から覆うハウジングと、
    前記ステアリングシャフトの径方向外側に設けられ、前記ステアリングシャフトの回動時にネジ機構によって前記ステアリングシャフトの軸方向に移動されるナットと、
    前記ステアリングホイールが中立位置から最大操舵位置へ回動されたときに前記ステアリングシャフトの回動方向一方側または回動方向他方側の回動を制限する回動制限機構と、
    を備え、
    前記回動制限機構は、
    可撓性を有する長尺状に形成され、前記ナットから前記ステアリングシャフトの軸方向一方側へ延在されると共に、前記ナットと前記ハウジングとを連結する第1連結部材と、
    可撓性を有する長尺状に形成され、前記ナットから前記ステアリングシャフトの軸方向他方側へ延在されると共に、前記ナットと前記ハウジングとを連結する第2連結部材と、
    のうち少なくとも一方を含んで構成されており、
    前記ステアリングホイールが中立位置から最大操舵位置へ回動されたときに、前記第1連結部材又は前記第2連結部材が長手方向に伸長されて、前記ナットの移動を制限するステアリング装置。
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