JP2018115383A - 透明ガスバリア性フィルムの製造方法 - Google Patents

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義郎 室伏
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Abstract

【課題】簡易な蒸着装置によって大面積で低コストかつ透明性とガスバリア性能と密着性に優れた透明ガスバリア性フィルム製造方法の提供。【解決手段】真空槽1内に配置された、プラスチックフィルム13を連続的に繰り出す巻出し部3と、プラスチックフィルム13を巻き取る巻取部4と、巻出し部3と巻取部4との間に配置された冷却ドラム5と、冷却ドラム5に対向配置の蒸着源6と、プラスチックフィルム13の成膜面上にマグネトロン方式の磁場が形成されるよう冷却ドラム5の内部に磁極8が配置され、冷却ドラム5に交流電源11より交流電圧を印加することによりマグネトロン放電をプラスチックフィルム13の成膜面上に発生させることで、金属と酸素ガスとの反応性蒸着を促進することを特徴とする透明ガスバリア性フィルムの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、透明ガスバリア性フィルムの製造方法に関する。さらに詳細には、透明性が高く視認性が良好で包装材として適しており、かつガスバリア性能が高くフィルムとの密着性が強いことにより食品等の内容物の変質や劣化を抑制することができ、ハイレトルト処理を行っても強い密着力を持つ耐久性の高い透明ガスバリア性フィルムの製造方法に関する。
基材フィルムに真空蒸着法等の形成手段により、アルミニウム、酸化アルミニウムや酸化ケイ素などの金属薄膜や金属酸化物薄膜を形成したガスバリア性フィルムが包装材料として使用されている。基材フィルムとしては、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに代表されるポリエステルフィルムが、耐熱性、寸法安定性、厚さの均一性などに優れているため好適に用いられている。
このガスバリア性フィルムを積層した食品用包装材料は、ガスバリア性能、耐水性、耐湿性に優れ、ボイル耐性、レトルト耐性、環境対応性にも優れた包装材料として好適に使用されている。なかでも金属酸化物薄膜を形成したものは、透明性により内容物が視認できる上、電子レンジ適性による利便性から広範囲に使用されている。
透明ガスバリア性フィルムとして、酸化アルミニウムや酸化ケイ素の蒸着膜を用いたフィルムは、高い光線透過率が得られるので多用されている。しかしながら透過率を高めるために蒸着膜の酸化度合いを上げると、ガスバリア性能が低下するという問題があったため、酸化度合いを低く抑える技術の開示がある(特許文献1)。
また、ガスバリア性能と透明性の両立に向け、蒸着時のプラズマ活性化技術に着目して改善が試みられた(特許文献2)。蒸着時に強力なプラズマ発生装置により蒸着源とフィルム面の間の空間を高密度のプラズマで満たし、蒸着される原子や反応性ガスにエネルギーを与えて活性化する方法である。
プラズマを用いた技術の他の例として、特許文献3に示すものがある。この技術においてはホローカソードのプラズマ源から蒸着源にイオンを打ち込んでイオン化蒸着を行うものであり、蒸着ドラムの裏面に蒸着ドラムとともに回転する複数の磁極を配置して成膜部表面に磁場を形成し、プラズマをトラップするというものである。
また、枚葉式の基体を前提として、固定されたマグネトロン磁極がフィルムの裏面にあって、フィルム側に電圧を印加してマグネトロン放電を発生させる方式の開示もある(特許文献4)。
特開平10−226012号公報 特開2011−21214号公報 特開2006−124738号公報 特開2004−099983号公報
特許文献1の技術では、ガスバリア性能は向上するが透明性が悪化し、この問題を解決するために、酸化度合いを膜厚方向で変化させる方法もあるが、充分な効果は得られていない。
特許文献2の技術では、一定の特性を得ることはできるが、高密度プラズマを広い空間に満たすために大電力を消費するといった問題や、チャンバー内のプラズマによる損傷などの問題が発生している。プラズマを発生させる方法として、マイクロ波プラズマ、ホローカソードプラズマなどの方法を用いるが、いずれも設備の規模は大きく蒸着装置の価格に反映し、さらには製品のコストを上昇させ問題がある。特にホローカソードプラズマのための設備は高価格である。
特許文献3の技術では、冷却ドラムおよびその表面に押し当てられているフィルムに対して磁極の位置は固定されているので、磁場にトラップされたプラズマはフィルム面内で濃度のムラが生じて、フィルム面内の場所により改質状態に違いが出てしまうという問題がある。また、蒸着物質の加熱のためのプラズマをフィルム面上に引き込むため、プラズマの量を独立に制御し難いという問題もある。
特許文献4の技術では、磁場とフィルムの相対位置は固定されており、磁場の分布の影響が不可避であり、フィルム面内の場所により改質状態に違いが出てしまうという問題がある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、大規模で高出力の放電を用いることなく、安価な設備により効率的なプラズマ活性を行うことで低コストで高透明かつ高いガスバリア性能の金属酸化物蒸着膜を得ることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。
第一の発明は、真空槽と、この真空槽内に配置された、プラスチックフィルムを連続的に繰り出す巻出し部と、繰り出されたプラスチックフィルムを巻き取る巻取部と、巻出し部と巻取部との間に配置されプラスチックフィルムに密着して冷却する冷却ドラムと、該冷却ドラムに対向して配置され、プラスチックフィルム上に金属蒸気と酸素ガスとの反応性蒸着により酸化金属薄膜を形成する成膜手段とを備えた巻取式真空成膜装置において、プラスチックフィルムの成膜面上にマグネトロン方式の磁場が形成されるよう該冷却ドラムの内部に磁極が配置されてなり、該冷却ドラムに交流電圧を印加することによりマグネトロン放電をプラスチックフィルムの成膜面上に発生させることで、金属と酸素ガスとの反応性蒸着を促進することを特徴とする透明ガスバリア性フィルムの製造方法である。
第二の発明は、プラスチックフィルムの成膜面上のマグネトロン方式の磁場が、冷却ドラムの幅方向に直線部分が伸びたレーストラック状に形成されてなり、かつ該直線部分がプラスチックフィルムの幅を超えることを特徴とする上記に記載の透明ガスバリア性フィルムの製造方法である。
本発明により、金属酸化物蒸着膜の反応性蒸着においてプラスチックフィルムの成膜面上の酸素ガスをマグネトロン放電により活性化して、蒸着膜の酸化を高効率化でき、密度の高い蒸着膜が形成され、薄い膜厚であっても高いガスバリア性能を発現することができる。また、マグネトロン放電によりプラスチックフィルム表面の活性化を行うことで、プラスチックフィルムと金属酸化物蒸着膜の密着力を向上させることができる。
また、フィルム背面に保持された磁極の磁場の強度分布の影響を受けず、均一な蒸着膜の品質を得ることができる。
この様な量産性に優れたプラズマ活性化蒸着を用いて良好な特性の透明ガスバリア性フィルムを製造する方法を得る。
本発明の蒸着フィルムの製造装置の一例である。 本発明の冷却ドラムを側面及び下方から見た図である。
以下に図を用いながら、本発明について詳細に説明する。
本発明は、真空槽と、この真空槽内に配置された、プラスチックフィルムを連続的に繰り出す巻出し部と、繰り出されたプラスチックフィルムを巻き取る巻取部と、巻出し部と巻取部との間に配置されプラスチックフィルムに密着して冷却する冷却ドラムと、該冷却ドラムに対向して配置され、プラスチックフィルム上に金属蒸気と酸素ガスとの反応性蒸着により金属酸化物蒸着膜を形成する成膜手段とを備えた巻取式真空成膜装置において、プラスチックフィルムの成膜面上にマグネトロン方式の磁場が形成されるよう該冷却ドラムの内部に磁極が配置されてなり、該冷却ドラムに交流電圧を印加することによりマグネトロン放電をプラスチックフィルムの成膜面上に発生させることで、金属と酸素ガスとの反応性蒸着を促進することを特徴とする透明ガスバリア性フィルムの製造方法である。
図1に示すように、巻き出しロール3から冷却ドラム5に巻き出されたプラスチックフィルム上に、蒸着源6から蒸発した金属と酸素ガス導入部7からの酸素ガスが、開口部9のマグネトロン放電10により活性化され、金属酸化物となって蒸着される。その後、巻き取りロール4に巻き取られる。
冷却ドラム5は、周囲から電気的に絶縁されており、交流電源11と接続されている。冷却ドラム内部にマグネトロン磁極8を内蔵させるためには、冷却ドラム5表面の下に流路12を形成しておき、その中に冷媒を流す構造とし、流路の背後にマグネトロン磁極8を配設することが望ましい。マグネトロン磁極電極は冷却ドラムと同電位に保たれ、マグネトロン磁極と冷却ドラム背面間で放電が発生することがない様にすることが好ましい。
図2に示すように、マグネトロン放電用の磁極はレーストラック状に配置される。レーストラック状とは、平行する直線部分とその両端を繋ぐ略半円形状からなる形状である。S・Nの磁極はレーストラックの形状に一方は内部に、もう一方が外部に並べられ、磁力線がこれら磁極間で閉じる様に配置される。
本発明においては、冷却ドラムの内部にレーストラックの直線部分が冷却ドラムの回転軸と平行に設置される。S・Nの磁極間の磁力線は冷却ドラムの表面に出て、冷却ドラムの表面に磁力線の平行な成分がレーストラック状に形成されることが重要である。冷却ドラム上の冷却ドラム表面に平行な磁界の成分の強さは10mT(Wb/m)以上であることがマグネトロン放電を安定的に形成するために好ましい。
レーストラック状の放電領域は、防着板に設けられた開口部9内である必要がある。すなわちレーストラック状の放電領域の一部が開口部9に納まらないと防着板に隠れた部分で放電が発生しにくくなり、マグネトロン放電の維持が困難となる。このためにはレーストラックの中心線が開口部の1〜3cm程度内側となるようにするのが好ましい。
本発明においては、レーストラックの直線部分よりも狭い幅のフィルムを用いることでフィルム全幅に均一な改質効果をもたらすことができる。この場合、冷却ドラム上でフィルム幅の外側となるレーストラックの端部では、冷却ドラム表面が成膜あるいはプラズマ処理されてしまう。これを防ぐため、冷却ドラムにテープなどを貼ることが必要となる。このような方法によって、フィルム幅の全領域が均一に処理される。
また、フィルムの端部を使用しないことを前提として、レーストラックより広いフィルム幅を用いてもよい。この場合は端部は放電領域から外れて特性は劣るため、特性を確認して幅方向の有効な範囲のみ製品に採用する。
開口部を形成する防着板と冷却ドラムの距離は0.5〜1.5cmが望ましい。この要件を備えた設備は、プラズマ活性化蒸着の装置としては比較的簡単なものとなる。
本発明におけるプラスチックフィルムは、バリアフィルム用途として主にポリエステルフィルムが望ましい。ポリエステルとは、酸とアルコールによるエステル結合を有するポリマーの総称であるが、ジカルボン酸とジオールの縮合重合体が代表的なものであり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが工業的に安価に製造されている。中でもPETは成形性や物性バランスが優れており、常法により二軸延伸されたPETフィルムの使用が好ましい。
蒸着する金属は、金属酸化物として透明性とガスバリア性能を両立できるアルミニウム、ケイ素、亜鉛、マグネシウム、チタン、スズなどが使用できるが、この中でもアルミニウム、ケイ素はフィルムを曲げてもガスバリア性能を失いにくく望ましい。
透明性、ガスバリア性能、耐屈曲性能の向上のため、窒素など他のガスを添加しても良い。窒素は反応性が低いので未反応物により透過率が下がることがあるが、ガスバリア性能や耐屈曲性能の向上が見られる場合は透過率の許容範囲内で用いてもよい。また、マグネトロン放電の安定化のために酸素ガスにアルゴン、ヘリウムなどの希ガスや水素などを添加しても良い。
本発明において金属酸化物蒸着膜の膜厚は、他の成膜方法に較べて薄くできる。ガスバリア性能にとっては厚いほうが良いが、厚すぎると光吸収が無視できなくなり、膜にクラックが発生しやすくなる。この様な理由から本発明においては、膜厚の上限を30nmとすることが好ましい。ただしこの程度の膜厚では透過率がやや低くなるので、20nm以下が好ましく、さらには10nm以下で極めて高い透過率が得られる。
一方、膜厚が薄いとガスバリア性能が確保できなくなるので3nmを下限とすることが好ましい。5nm以上あれば実用的なガスバリア性能は得られる。すなわち3〜30nmの範囲が必要であり、5〜20nmの範囲が好ましく、さらには5〜10nmが推奨される。これによって、必要な特性が得られてかつ高速での蒸着が可能になる。
安定なマグネトロン放電を維持しつつ反応性蒸着による金属酸化物蒸着膜を効率よく得るために、酸素ガスの圧力を3×10−2〜5×10−1Paとすることが望ましい。この圧力が低ければ蒸着中の反応が進みにくく、放電の電圧が高いために異常放電が発生しやすくなるので、3×10−2Paを下限とすることが好ましい。圧力を高くすれば酸素ガスとの反応が促され放電電圧も低下するが、高すぎると真空ポンプによる排気の負荷が高くなること、蒸着源の溶融金属からの飛散粒子(スプラッシュ)によりプラスチックフィルム面に欠点を作るなどの問題点が出るため、5×10−1Paを上限とすることが好ましい。
本発明においては、冷却ドラムに交流電圧を印加することで放電を発生させるが、その周波数は放電を安定的に維持する範囲であれば良い。13.56MHzのRF高周波は強力に放電を維持する点では好都合であるが、マッチングや漏洩などにも配慮する必要がある。5kHz〜1MHzの高周波は比較的使いやすいが、周波数の低い側においては放電しにくくなる傾向があるので、放電状態を見ながら決めても良い。
マグネトロン放電の強度は、得られる蒸着膜の反応状態に大きな影響を持つ。放電の強度は高いほど反応度合いは高くなるが、電源の容量にも限りがあり、異常放電も起き易くなるので、フィルム速度V(m/s)、放電領域のフィルム幅方向のレーストラックの長さL(m)によって単位時間当たりの放電面積LV(m/s)が規定されるとき、投入された電力P(kW)に対して、単位面積あたりの放電電力量(P/LV)は9.0(kWs/m)以下であることが好ましい。単位面積あたりの放電電力量が低いと蒸着中のプラズマによる活性化がなされないので、0.4(kWs/m)以上であることが好ましい。
本発明にかかるマグネトロン放電においては、レーストラック状の磁場の領域において、放電電圧が下がり、放電領域が限定されるので、不必要な場所での放電を避けることができる。これにより、冷却ドラムの他の部分の放電防止対策としてのシールド板が不要となる。また、放電する場所をプラスチックフィルムの成膜面上に固定することができ、マグネトロン放電の発生領域を最小限としつつ活性化の効果を最大限に発揮できる。
マグネトロンの磁極は、冷却ドラム内で固定されている。一方、冷却ドラムの表面は回転してプラスチックフィルムを送る。この動きによってプラスチックフィルムは磁極の前を通過することで均一な履歴をたどり、均一なプラズマ処理効果と膜質を得る。装置の構造は簡便であり、大面積で均一な活性化蒸着を行うことができる。
本発明の製造方法により製造される蒸着フィルムは高いガスバリア性能と耐久性を有し、ハイレトルト用包装材料として好ましく使用される。この用途のために、蒸着後に保護コートを行うことが有効である。その一例として、金属アルコキシドとポリビニルアルコールからなる液を塗布した後に加熱硬化させてなる保護膜を形成することが挙げられる。その上にナイロンフィルムとポリプロピレンなどのヒートシール性フィルムを接着剤を用いてラミネートすることで、優れたハイレトルト向け包装材として使用できる。
本発明により、このような高品質の透明ガスバリア性フィルムが比較的簡便な装置によって高い生産性で製造できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。なお実施例および比較例中の物性は次のようにして測定した。
(1)全光線透過率
本発明の蒸着方法により製造した透明ガスバリア性フィルムの全光線透過率(%)を、日本電色工業(株)製ヘイズメーターNDH2000により測定した。蒸着前のポリエステルフィルムの全光線透過率に対して5.0%以内の低下であれば合格とした。本検討で用いたポリエステルフィルムの蒸着前の全光線透過率は89.0%であったため、84.0%以上を合格とした。
(2)酸素透過率
本発明の蒸着方法により製造した透明ガスバリア性フィルムから、幅100×100mmに切断したサンプルを作成し、酸素透過率(cc/(mday・atm))をJISK7126−2(制定2006年8月20日)に準じて、モダンコントロール社製酸素透過率測定装置OX−TRAN2/20を用いて、23℃、0%RHの条件にて測定した。サンプル3点の平均値を求めた。酸素透過率2cc/(mday・atm)以下を合格範囲とした。
(3)水蒸気透過率
本発明の蒸着方法により製造した透明ガスバリア性フィルムから、幅100×100mmに切断したサンプルを作成し、水蒸気透過率(g/(mday))をJISK7129B(制定2008年3月20日)に準じて、モダンコントロール社製水蒸気透過率測定装置Permatran−W3/30を用いて、40℃、90%RHの条件にて測定した。サンプル3点の平均値を求めた。水蒸気透過率2g/(mday)以下を合格範囲とした。
(4)低速ウェット密着強度
東洋モートン(株)製ドライラミネート用接着剤AD−503タイプ20重量部、東洋モートン(株)製硬化剤CAT−10タイプ1重量部、および酢酸エチル20重量部を混合し、10分攪拌して固形分濃度19重量%のドライラミネート用接着剤溶液を調整した。次に透明ガスバリア性フィルムの蒸着面にバーコート法により上記接着剤溶液を塗工し、80℃で45秒間乾燥して厚さ3.5μmの接着剤層を形成した。接着剤層面に東レフィルム加工(株)製未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム「トレファン」(登録商標)ZK100(厚さ60μm)を重ね、富士テック(株)製「ラミパッカー」(LPA330)を用いてヒートロールを40℃に加熱して貼り合わせた。このラミネートフィルムを40℃に加熱したオーブン内で2日間エージングして接着剤を硬化させた。
上記ラミネートフィルムから、フィルムを15cm角の大きさに切り出して、カットサンプルを作成した。2枚のカットサンプルをCPP面が対向するようにして重ね、ヒートシーラーを用いて、3辺の端部10mmの部分を熱シールして、15cm角の大きさのパッケージを作成した。水道水100ccを入れてから、ヒートシール部を140℃2秒間圧着して封止した。
次にそのパッケージを、(株)トミー精工製オートクレーブ(SR−24タイプ)を用いて温度135℃で40分間レトルト処理した。
レトルト処理後、16時間程度の間40℃に保持して乾燥させた。そして、パッケージを幅15mm、長さ150mmに切断してカットサンプルを作成し、(株)オリエンテック製「テンシロン」(PTM50タイプ)を使用して、透明ガスバリア性フィルムとCPPフィルム間を界面として、その界面に水を綿棒で塗工しながら、180°ピール法により、引っ張り速度300mm/minで剥離し、強度を測定した。これらの測定を異なる2枚のカットサンプルを使用して行い、得られた値の平均値をレトルト処理後低速ウェット密着強度(N/15mm)とした。1.5N/15mm以上を合格とした。
(実施例1)
冷却ドラム内に、レーストラックの長手方向の長さが18cm、幅が5cmであるマグネトロンカソード磁極を内蔵させた。開口部の形状は、長さ20cm、幅8cmとした。冷却ドラムと開口部の防着板は1cmの間隔とした。
フィルム巻き出し部には、ポリエステルフィルムとして、包装用の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製「ルミラー」(登録商標)P60、厚さ12μm、幅210mm)をセットし、到達圧力8×10−3Paまで真空引きした。
蒸着源として、抵抗加熱式のボートを等間隔に配列し、アルミニウムワイヤーをボート上に送って、蒸発させた。酸素ガスを0.54L/minの流量で流し、反応性蒸着とした。フィルム速度を1m/sで走行させ、冷却ドラムに、交流電源から、50kHzの高周波を0.41kWの電力で印加した。開口部内の冷却ドラム上のフィルム成膜面にレーストラック状のマグネトロン放電が発生した。
この状態で抵抗加熱したボートへのアルミニウムワイヤーの供給速度を調節して酸化アルミニウム膜の膜厚を6nmの厚さとした。この時の冷却ドラムの温度は−4℃であった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、冷却ドラムに印加する高周波の電力を0.25kWとした。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で、冷却ドラムに印加する高周波の電力を0.11kWとした。
(比較例1)
実施例1と同様の方法において、冷却ドラムに高周波を印加しなかった。密着力は顕著に低下して、他の特性も良品レベルから外れた。
実施例、比較例の製造条件、作成された透明ガスバリア性フィルムの性能を表1に示した。
1 真空槽
2 真空ポンプ
3 巻き出しロール
4 巻き取りロール
5 冷却ドラム
6 蒸着源
7 酸素ガス導入部
8 マグネトロン磁極
9 開口部
10 マグネトロン放電
11 交流電源
12 冷媒が流れる流路
13 プラスチックフィルム
14 プラズマが形成するレーストラック
15 防着板

Claims (2)

  1. 真空槽と、この真空槽内に配置された、プラスチックフィルムを連続的に繰り出す巻出し部と、繰り出されたプラスチックフィルムを巻き取る巻取部と、巻出し部と巻取部との間に配置されプラスチックフィルムに密着して冷却する冷却ドラムと、該冷却ドラムに対向して配置され、プラスチックフィルム上に金属蒸気と酸素ガスとの反応性蒸着により金属酸化物蒸着膜を形成する成膜手段とを備えた巻取式真空成膜装置において、プラスチックフィルムの成膜面上にマグネトロン方式の磁場が形成されるよう該冷却ドラムの内部に磁極が配置されてなり、該冷却ドラムに交流電圧を印加することによりマグネトロン放電をプラスチックフィルムの成膜面上に発生させることで、金属と酸素ガスとの反応性蒸着を促進することを特徴とする透明ガスバリア性フィルムの製造方法。
  2. プラスチックフィルムの成膜面上のマグネトロン方式の磁場が、冷却ドラムの幅方向に直線部分が伸びたレーストラック状に形成されてなり、かつ該直線部分がプラスチックフィルムの幅を超えることを特徴とする請求項1に記載の透明ガスバリア性フィルムの製造方法。

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