JP2018105336A - 減速機、この減速機を有するシートアジャスタ及びリクライニング装置 - Google Patents

減速機、この減速機を有するシートアジャスタ及びリクライニング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高減速比を確保し、かつ逆転止めを成立させつつ効率のよい減速機、該減速機を有するシートアジャスタ及びリクライニング装置を提供する。【解決手段】減速機は、第1内歯歯車10と、第1内歯歯車10より歯数の多い第2内歯歯車20と、第1内歯歯車10内に配置される1段目遊星歯車と、第2内歯歯車内に配置される2段目遊星歯車とが回転軸81で連結されてなる少なくとも2つ以上の遊星歯車40と、入力された回転力によって遊星歯車の軸を可動する回転力伝達部材30と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、減速機、この減速機を有するシートアジャスタ及びリクライニング装置に関する。
例えば、車両用シートに使用されるパワーシートアジャスタをはじめとする製品は、モータ等の動力源の回転力を、減速機を介して所望のトルク又は回転力に調整して動作させる。モータの回転数は、一般的に数千rpm以上であるため、適切な作動速度を実現するために、減速比の大きい減速機が特に有用となる。また、これらの製品は、モータの回転力によって動作すると同時に、シート等に負荷がかかった場合(例えば、人が座ったり、又は急ブレーキ等による意図しない力が加わったりした場合等)であっても、回転することのない逆転止め機構も重要である。
一般的に逆転止めを成立させるためには、摩擦係数によって算出される摩擦角を超えない歯車の進み角を設定する必要がある。しかし、これが減速機構の理論効率を低くする要因となる。例えば、ウォームギアとウォームホイールを用いた減速機は、逆転止めを成立させると一般に効率は50%以下になる。
また、高減速比と逆転止めの機能を付与するものとして、タウメル機構がある。しかしタウメル機構は一方の歯車が偏心しながら動力を伝えるものであることから、揺動による作動音や作動力の周期変動が発生するという課題がある(例えば、特許文献1)。
また、同様に高減速比と逆転止めの機能を付与する機構として、不思議遊星歯車機構がある。これは共通の遊星歯車に対し、歯車の異なる2つの内歯車(一方は、転位により噛み合わせてある内歯歯車)を噛み合わせ、一方の内歯車を減速させるものである。しかしながらこの不思議遊星歯車機構は、歯当たりが均一でなく、バックラッシュが大きいという課題がある。
特開2004−218656号公報
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、高減速比を確保し、かつ逆転止めを成立させつつ効率のよい減速機、該減速機を有するシートアジャスタ及びリクライニング装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の目的を達成するために、以下の手段を採った。
本発明にかかる減速機は、
第1内歯歯車と、
前記第1内歯歯車より歯数の多い第2内歯歯車と、
前記第1内歯歯車内に配置される1段目遊星歯車と、前記第2内歯歯車内に配置される2段目遊星歯車とが回転軸で連結されてなる少なくとも2つ以上の遊星歯車と、
入力された回転力によって前記遊星歯車の軸を可動する回転力伝達部材と、
を備えていることを特徴とする。
本発明にかかる減速機によれば、高い減速比を確保することができるとともに、偏心要素がないため揺動が発生することはなく、かつ太陽歯車がないため太陽歯車と遊星歯車との摺動音の発生を抑えることができ、制振性及び静音性に優れる。また、作動力の周期変動が発生することなく、一定の出力を発生させることができる。また、ウォームギアのように歯面間のすべりがほぼ発生しないため高効率な減速機とすることができる。さらに、出力軸に加えられた逆転トルクによって遊星歯車を回転させるトルクはほとんど発生せず、歯車にせん断力として加わるため歯面間の摩擦係数によらず、高い逆転止めを有するものとすることができる。
また、本発明にかかる減速機において、前記回転力伝達部材は、前記遊星歯車の回転軸を外周方向に付勢する付勢手段を有することを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、遊星歯車を内歯歯車の歯に押し付けることができるので、遊星歯車と内歯歯車の歯との間に隙間が発生することを防止でき、バックラッシュの発生を防止することができる。また、がたつきを抑えることができるので、より制振性、静音性に優れる。
さらに、本発明にかかる減速機において、
前記遊星歯車のうち少なくとも1つの前記遊星歯車は、前記1段目遊星歯車と前記2段目遊星歯車の位相が一致して形成された位相同一遊星歯車と、前記位相同一遊星歯車以外の歯車のうち、少なくとも1つは前記1段目遊星歯車の歯と前記2段目遊星歯車の歯とで位相差を有する位相差遊星歯車とを、備えていることを特徴とするものであってもよい。
本発明にかかる減速機によれば、高い減速比を確保することができ、かつ位相差を有する歯車を使用したことによって歯数の組み合わせの設計の自由度が高い減速機を提供することができる。また、偏心要素がないため、揺動が発生することはないため、制振性及び静音性に優れる。また、作動力の周期変動が発生することなく、一定の出力を発生させることができる。また、ウォームギアのように歯面間のすべりがほぼ発生しないため高効率な減速機とすることができる。さらに、出力軸に加えられた逆転トルクによって遊星歯車を回転させるトルクはほとんど発生せず、歯車にせん断力として加わるため歯面間の摩擦係数によらず、高い逆転止めを有するものとすることができる。
また、本発明にかかる減速機において、前記位相差遊星歯車は、次式で計算される位相差を有することを特徴とするものであってもよい。
Pi=m×(i−1)/C(但し、Piは、遊星歯車であり、Pが位相同一遊星歯車であり、以降iは配置されている順の数を指す。Cは遊星歯車の数、mは第1内歯歯車と第2内歯歯車の歯数の差)
かかる位相差遊星歯車を使用することによって、第1内歯歯車と第2内歯歯車の両方に遊星歯車を噛合させることができる。
さらに、本発明にかかる減速機において、前記第2内歯歯車と前記第1内歯歯車との歯数の差は、遊星歯車の個数の倍数を除くものであることを特徴とするものであってもよい。
さらに、本発明にかかる減速機において、
前記第2内歯歯車の内歯は、第1内歯歯車の歯先円直径とほぼ同一の歯先円直径となるように形成されていることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することによって、第1内歯歯車と第2内歯歯車とのピッチ円をほぼ同一にすることができ、好適な噛合を実現することができる。
さらに、本発明にかかる減速機において、
前記第2内歯歯車の歯数は、第1内歯歯車の歯数より1歯多く形成され、
前記遊星歯車は、位相同一遊星歯車と、前記1段目遊星歯車と前記2段目遊星歯車の位相が3分の1ずれて形成された位相差遊星歯車と、前記1段目遊星歯車と前記2段目遊星歯車の位相が3分の2ずれて形成された位相差遊星歯車とからなることを特徴とするものであってもよい。
かかる構成を採用することにより、効率的で良好な作動を行う減速機を提供することができる。
また、本発明は、前述した減速機を有するシートアジャスタを提供する。また、本発明は、前述した減速機を有し、前記第1内歯歯車をシートクッション側に固定し、前記第2内歯歯車をシートバック側に固定したリクライニング装置を提供する。本発明の減速機は、特にシートアジャスタ及びリクライニング装置に好適に使用することができる。
本発明にかかる減速機によれば、高い減速比を確保することができ、かつ位相差を有する歯車を使用したことによって、歯数の組み合わせの設計の自由度が高い減速機を提供することができる。
図1は、本実施形態にかかる減速機100の斜視図である。 図2は、本実施形態にかかる減速機100の第1内歯歯車10及び第2内歯歯車20を外した状態を示す斜視図である。 図3は、本実施形態にかかる遊星歯車40及び回転力伝達部材30の分解斜視図である。 図4は、本実施形態にかかる回転伝達部材30の背面側を示す斜視図である。 図5は、本実施形態にかかる回転力伝達部材30の付勢手段の別実施形態を示す斜視図である。 図6は、本実施形態にかかる遊星歯車40を第2内歯歯車20側から視た正面図である。 図7は、本実施形態にかかる減速機100の歯車の噛合状態を示す模式図である。 図8は、本実施形態にかかる減速機100を適用したシートアジャスタ及びリクライニング装置の概念図である。 図9は、本実施形態にかかる減速機100の別実施形態を示す斜視図である。
以下、本発明にかかる減速機100の実施形態について、実施例における図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本実施形態にかかる減速機100の斜視図である。図2は、本実施形態にかかる減速機100の第1内歯歯車10及び第2内歯歯車20を外した状態を示す斜視図である。図3は、本実施形態にかかる遊星歯車40及び回転力伝達部材30の分解斜視図である。なお、以下に説明する実施形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではない。また、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号が付されている。
本実施形態にかかる減速機100は、図2に示すように主として、第1内歯歯車10と、第2内歯歯車20と、第1内歯歯車10側に配置される1段目遊星歯車40aと第2内歯歯車20側に配置される2段目遊星歯車40bとを同一の回転軸81で連結した複数の遊星歯車40と、外部から入力された回転力をこれら遊星歯車40に伝達する回転力伝達部材30と、を備えている。
第1内歯歯車10は、内周側にn個(nは10以上の整数)の歯数を有する内歯歯車である。nは、好ましくは30以上、より好ましくは、50以上であるとよい。実施例においては、第1内歯歯車10は、固定側の内歯歯車を構成する。
第2内歯歯車20は、出力側の歯車であり、この第2内歯歯車20自体が回転して出力がされる。図1に示すように、出力軸83を別途設けても構わないし、第2内歯歯車20自体を回転される側の部材(例えば、リクライニング装置のシートバック等)に直接取り付けても良い。
第2内歯歯車20は、歯数が第1内歯歯車nに対してm個(mは自然数)多い歯数(n+m)を有する。mが歯車の個数の倍数の場合には、いわゆる不思議遊星歯車を構成する。mが歯車の個数の倍数以外の場合には、第1内歯歯車10の歯と第2内歯歯車20の歯とに位相差がある。かかる場合には、第1内歯歯車10と第2内歯歯車20に配置される遊星歯車40に位相差を設ける必要がある。詳細は、後述する。また、ここでは、第1内歯歯車10を固定側、第2内歯歯車20を出力側としたが、その逆も利用可能であり、その場合は、回転方向が逆となる。
回転力伝達部材30は、各遊星歯車40の中心に配置され、手動入力装置又はモータ等の動力源と連動した入力軸80と連結されていて、入力軸80から入力された回転力を遊星歯車40に伝達する機能を有する。回転力伝達部材30は、図3に示すように、遊星歯車40の回転軸81が挿入される挿入溝31が形成された回転力伝達板32を有している。挿入溝31は、配置される遊星歯車40の個数と同じ数形成されており、それぞれの挿入溝31は、各遊星歯車40の回転軸81が均等に配置されるように形成される。すなわち、遊星歯車40が3個の場合は、それぞれの挿入溝31と中心のなす角がそれぞれ120°となるように形成される。回転力伝達部材30の背面側は、図4に示すように、入力軸80と嵌合する嵌合孔36が形成されている。各挿入溝31は、回転軸81を外周側に付勢する付勢手段を有している。すなわち、各遊星歯車40を内歯歯車10,20の歯に押し付けるように形成されている。付勢手段としては、特に限定するものではなく、例えば、図3に示すように、挿入溝31の内側と、回転力伝達板32の外周の内側とが連続するように切欠部33を設け、挿入溝31に連結されるアーム部34を形成してもよい。このように作製することで、アーム部34の弾性力によって回転軸81を外周側に押し付けることができる。また、図5に示すように、挿入溝31に押圧ピン37を設けても良い。要するに、回転軸81を外周側に付勢する手段であれば、その構成は特に限定されない。
遊星歯車40は、図2に示すように、第1内歯歯車10に配置される1段目遊星歯車40aと、第2内歯歯車20に配置される2段目遊星歯車40bとを有する。1段目遊星歯車40aと2段目遊星歯車40bとは、同一の歯数を有し、それぞれが同一の回転軸81により連結されて同期して回転する。1段目遊星歯車40aと2段目遊星歯車40bとの間には、回転力伝達板32が挿入可能な隙間が形成される。遊星歯車40は、少なくとも2つ以上設けられる。第2内歯歯車20の歯数が第1内歯歯車nに対して配置される遊星歯車40の個数の倍数である場合には、すべての遊星歯車40は、1段目遊星歯車40aの歯と2段目遊星歯車40bの歯とは位相を設けることなく同一の位相で作製される。
第2内歯歯車20の歯数が第1内歯歯車nに対して配置される遊星歯車40の個数の倍数で以外である場合は、以下のように作製される。遊星歯車40の少なくとも1つは、図6に示すように1段目遊星歯車41aと2段目遊星歯車41bとの位相がずれていない同一の位相を有する位相同一遊星歯車41を有する。また、少なくとも1以上の遊星歯車40は、1段目遊星歯車42aと2段目遊星歯車42bの歯の位相をずらして(位相が異なる)形成された位相差遊星歯車42を有している。位相差遊星歯車の位相差は以下のように計算される。
Pi=m×(i−1)/C(但し、Piは、遊星歯車であり、Pが位相同一遊星歯車41であり、以降iは配置されている順番を指す。Cは遊星歯車の数、mは第1内歯歯車10と第2内歯歯車20の歯数の差)
例えば、遊星歯車40が3つで、第1内歯歯車10と第2内歯歯車20の歯数の差が1である場合は、位相同一遊星歯車41がP、そこから順番に配置されている順に遊星歯車42=P、遊星歯車43=P、C=3、m=1となる。よって
=1×(1−1)/3=0/3=0 (位相差なし)
=1×(2−1)/3=1/3(位相差 1/3)
=1×(3−1)/3=2/3(位相差 2/3)
となる。
従って、遊星歯車40は、位相同一遊星歯車41、位相差3分の1の位相差遊星歯車42及び位相差3分の2の位相差遊星歯車43の組み合わせとなる。
また、例えば、遊星歯車が4つで、第1内歯歯車と第2内歯歯車の歯数の差が2である場合は、位相同一遊星歯車がP、そこから順番に配置されている順に遊星歯車=P、遊星歯車=P、遊星歯車=P、C=4、m=2となる。よって
=2×(1−1)/4=0/4=0 (位相差なし)
=2×(2−1)/4=1/2(位相差 1/2)
=2×(3−1)/4=1 (位相差 なし)
=2×(4−1)/4=3/2(位相差 1/2)
となる。
従って、遊星歯車は、位相同一遊星歯車、位相差2分の1の位相差遊星歯車、位相差1の位相差遊星歯車(この場合位相差なしの遊星歯車40となる)及び位相差2分の1の位相差遊星歯車の組み合わせとなる(図示しない)。
このような位相差を有する遊星歯車40を組み合わせ、所定の配置をすることで、図7に示すように、1段目遊星歯車40aは第1内歯歯車10に噛合した状態で、2段目遊星歯車40bを第2内歯歯車20に噛合させることができる。すなわち、1段目遊星歯車40a及び2段目遊星歯車40bともに内歯歯車と位相があい噛合することになる。なお、第2内歯歯車20の歯数は第1内歯歯車10の歯数と異なり、ピッチ円が異なるので、そのままでは正しく噛み合わない可能性があるので、ほぼ同一の歯先円直径となるように、転位歯車を使用してもよい。
以上のように構成された各構成部品は、以下のようにして組み立てられ、減速機100とされる。図2に示すように、第1内歯歯車10の中心に入力軸80と連動した回転力伝達部材30が中心に配置される。それぞれの遊星歯車40の回転軸81は挿入溝31に挿入され、それぞれの遊星歯車40が均等に配置される。すなわち、遊星歯車40が3個の場合は、図2に示すようにそれぞれ中心とのなす角が120°となるように配置される。遊星歯車40が4個の場合は、90°となるように配置される(図示しない。)。2段目遊星歯車40b側には、第2内歯歯車20が2段目遊星歯車40bの歯車に噛合するように取り付けられる。
こうして構成された減速機100によれば、入力軸80により回転力伝達部材30を回転させることにより、それぞれの遊星歯車40の回転軸81に対して内歯歯車10,20内を周回させる方向に力が加わり、遊星歯車40は自転しつつ、内歯歯車10,20の歯に沿って公転する。
遊星歯車40が第1内歯歯車10内を1周すると、第2内歯歯車20は、第1内歯歯車10と第2内歯歯車20の歯数差m分だけ回転することになる。よって、減速機100の減速比は、歯数差m:第2内歯歯車20の歯数となる。
こうして作製された減速機100は、高い減速比を有するものとすることができる。また、位相差を有する遊星歯車40を組み合わせることによって、不思議遊星歯車と比較して第1内歯歯車の歯数と第2内歯歯車の歯数との組み合わせの自由度が高く適切な減速比を有する減速機100を提供することができる。
また、かかる減速機100は、タウメル機構のような偏心要素がないため、揺動がなく非常に制振性静音性に優れたものとすることができる。また、作動力の周期変動が発生せず、一定の出力を確保することができる。また、ウォームギアのように、歯面間のすべりがほぼ発生しないため高効率な減速機とすることができる。
また、内歯歯車10,20に対して回転力伝達部材30によって遊星歯車40が押し付けられているので、内歯歯車10,20と遊星歯車40との間に隙間が発生することを防止するため、バックラッシュが起きにくいという効果を有する。
さらに、出力側に負荷がかかり逆転トルクが発生した場合は、第2内歯歯車20を回転させる力が発生し、2段目遊星歯車40bを動かそうとする力が加わるが、2段目遊星歯車40bは、1段目遊星歯車40aと接続されており、1段目遊星歯車40aは固定された第1内歯歯車10と噛合しているため回転が阻止される。第1内歯歯車10と第2内歯歯車20は歯先円がほぼ同一であるから、出力側に加えられた逆転トルクは、1段目遊星歯車40aを回転させるトルクはほとんど発生せず、1段目遊星歯車40aにせん断力として加わる。そのため歯面間の摩擦係数によらず、逆転止めが成立した減速機100とすることができる。
かかる減速機100は、図8に示すように、シートアジャスタ110やリクライニング装置150に好適に使用することができる。図8は、本発明の減速機100をシートアジャスタ110として使用したリクライニング装置150を示すもので、シートバック160とシート170とからなる。リクライニング装置150は、シートアジャスタ110と、減速機100の第1内歯歯車10(図示しない)が固定されたブラケット172と、第2内歯歯車20(図示しない)が固定されたブラケット162とからなる。ブラケット172はシート170に固定され、ブラケット162はシートバック160側に固定されている。リクライニング装置150は、図示しないスイッチが操作されるとブラケット162とブラケット172との相対回転角度、即ち、シートバック60のシートクッション70に対する角度を調整することができる。
(実施例)
本発明にかかる減速機100の実施例について、図に沿って説明する。実施例にかかる減速機100は、96歯の歯数を有する第1内歯歯車10と、36歯の歯数を有する3つの遊星歯車40と、97歯の歯数を有する第2内歯歯車20と、回転力伝達部材30とを備えている。
第1内歯歯車10には、図2に示すように、中心に回転力伝達部材30があり、回転力伝達部材30の挿入溝31にそれぞれ3つの遊星歯車41、遊星歯車42及び遊星歯車43が回転力伝達部材30を中心に120°間隔となるように等間隔に配置されている。第1内歯歯車10は、第1内歯歯車収容ケース(図示しない)等に固定されており、第1内歯歯車10自体は移動不可能に配置される。なお、第1内歯歯車10には、1段目遊星歯車41a、1段目遊星歯車42a、1段目遊星歯車43aのみが配置される。
第2内歯歯車20には、遊星歯車40の2段目遊星歯車41b、2段目遊星歯車42b、2段目遊星歯車43bのみが配置される。2段目遊星歯車41b、42b、43bは、1段目遊星歯車41a、42a、43aと同一の歯数の歯車で構成されており、それぞれ同軸の回転軸81を有し、対応する1段目遊星歯車40aと2段目遊星歯車40bは、同期して回転するように接続されている。
それぞれの遊星歯車は、前述した計算式のとおり、遊星歯車40が3つで、第1内歯歯車10と第2内歯歯車20の歯数の差が1であるので、
=1×(1−1)/3=0/3=0 (位相差なし)
=1×(2−1)/3=1/3(位相差 1/3)
=1×(3−1)/3=2/3(位相差 2/3)
となるので、遊星歯車41(P)は、歯車の位相を同一となるように(歯が完全に一致するように)接続し、遊星歯車42(P)は、位相差を3分の1に設定し、遊星歯車43(P)は、位相差を3分の2に設定する。これにより、図7に示すように、1歯分多い97歯の第2内歯歯車20と2段目遊星歯車40bの位相が一致することになる。しかし、第2内歯歯車20の歯数は97歯であるので、96歯の第1内歯歯車10と比較し、ピッチ円が大きいので、そのままでは正しく噛み合わない可能性がある。そこで、第2内歯歯車20の歯又は第1内歯歯車10の歯を歯直角に転位させ、歯先円を小さくしそれぞれの内歯歯車と同程度になるように設計してもよい。
かかる減速機100によると、3組の遊星歯車40が内歯歯車の周りを1周して元の位置に来た場合を考えると、遊星歯車40は第1内歯歯車10の歯数分、すなわち、96歯と噛合したこととなる。しかし、第2内歯歯車20は97歯であるから、1歯分のみ第2内歯歯車20は回転することになる。すなわち、第2内歯歯車20の第1内歯歯車10に対する減速比は、1:97となる。従って、入力軸80に対する第2内歯歯車20の減速比は、1:97となる。
こうして作製された減速機100は、第1内歯歯車10と第2内歯歯車20との歯数差が1であるにもかかわらず、遊星歯車40がいずれにも適切に噛合しつつ回転することができ、減速比の大きい減速機を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得る。
上述した実施形態においては、回転力伝達部材30の回転力伝達板32を、1段目遊星歯車40aと2断目遊星歯車40bとの間に設けたが、図9に示すように、2段目遊星歯車40bの第2内歯歯車20側に設けても良いし、1段目遊星歯車40aの第1内歯歯車10側に設けてもよい。又1段目遊星歯車40aの第1内歯歯車10側と2段目遊星歯車40bの第2内歯歯車20側の両方に設けても良い。
上述した実施形態で示すように、シートアジャスタに産業上利用可能である。
10…第1内歯歯車、20…第2内歯歯車、30…回転力伝達部材、31…挿入溝、32…回転力伝達板、33…切欠部、34…アーム部、36…嵌合孔、37…押圧ピン、40…遊星歯車、40a…1段目遊星歯車、40b…2段目遊星歯車、41…位相同一遊星歯車、41a…1段目遊星歯車、41b…2段目遊星歯車、42…位相差遊星歯車、42a…1段目遊星歯車、42b…2段目遊星歯車、80…入力軸、81…回転軸、83…出力軸、100…減速機

Claims (9)

  1. 第1内歯歯車と、
    前記第1内歯歯車より歯数の多い第2内歯歯車と、
    前記第1内歯歯車内に配置される1段目遊星歯車と、前記第2内歯歯車内に配置される2段目遊星歯車とが回転軸で連結されてなる少なくとも2つ以上の遊星歯車と、
    入力された回転力によって前記遊星歯車の回転軸を可動する回転力伝達部材と、
    を備えていることを特徴とする減速機。
  2. 前記回転力伝達部材は、前記遊星歯車の回転軸を外周方向に付勢する付勢手段を有することを特徴とする請求項1に記載の減速機。
  3. 前記遊星歯車のうち少なくとも1つの前記遊星歯車は、前記1段目遊星歯車と前記2段目遊星歯車の位相が一致して形成された位相同一遊星歯車と、前記位相同一遊星歯車以外の歯車のうち、少なくとも1つは前記1段目遊星歯車の歯と前記2段目遊星歯車の歯とで位相差を有する位相差遊星歯車とを、備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の減速機。
  4. 前記位相差遊星歯車は、次式で計算される位相差を有することを特徴とする請求項3に記載の減速機。
    Pi=m×(i−1)/C(但し、Piは、遊星歯車であり、Pが位相同一遊星歯車であり、以降iは配置されている順の数を指す。Cは遊星歯車の数、mは第1内歯歯車と第2内歯歯車の歯数の差)
  5. 前記第2内歯歯車と前記第1内歯歯車との歯数の差は、遊星歯車の個数の倍数を除くものであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の減速機。
  6. 前記第2内歯歯車の内歯は、前記第1内歯歯車の歯先円直径とほぼ同一の歯先円直径となるように形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の減速機。
  7. 前記第2内歯歯車の歯数は、前記第1内歯歯車の歯数より1歯多く形成され、
    前記遊星歯車は、位相同一遊星歯車と、前記1段目遊星歯車と前記2段目遊星歯車の位相が3分の1ずれて形成された位相差遊星歯車と、前記1段目遊星歯車と前記2段目遊星歯車の位相が3分の2ずれて形成された位相差遊星歯車とからなることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の減速機。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の減速機を備えたことを特徴とするシートアジャスタ。
  9. 前記第1内歯歯車をシートクッション側に固定し、
    前記第2内歯歯車をシートバック側に固定した請求項1から7のいずれか1に記載の減速機を用いるリクライニング装置。

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