JP2018102022A - 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置 - Google Patents

永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018102022A
JP2018102022A JP2016245086A JP2016245086A JP2018102022A JP 2018102022 A JP2018102022 A JP 2018102022A JP 2016245086 A JP2016245086 A JP 2016245086A JP 2016245086 A JP2016245086 A JP 2016245086A JP 2018102022 A JP2018102022 A JP 2018102022A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
speed
rotor
rotation amount
permanent magnet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016245086A
Other languages
English (en)
Inventor
一充 吉田
Kazumitsu Yoshida
一充 吉田
克英 酒井
Katsuhide Sakai
克英 酒井
友伸 田村
Tomonobu Tamura
友伸 田村
斉 浅野
Hitoshi Asano
斉 浅野
春充 藤森
Harumitsu Fujimori
春充 藤森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2016245086A priority Critical patent/JP2018102022A/ja
Priority to US15/839,981 priority patent/US20180175751A1/en
Priority to CN201711364665.0A priority patent/CN108206653A/zh
Publication of JP2018102022A publication Critical patent/JP2018102022A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P3/00Arrangements for stopping or slowing electric motors, generators, or dynamo-electric converters
    • H02P3/02Details of stopping control
    • H02P3/025Details of stopping control holding the rotor in a fixed position after deceleration
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/24Arrangements for stopping
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/36Arrangements for braking or slowing; Four quadrant control
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P3/00Arrangements for stopping or slowing electric motors, generators, or dynamo-electric converters
    • H02P3/06Arrangements for stopping or slowing electric motors, generators, or dynamo-electric converters for stopping or slowing an individual dynamo-electric motor or dynamo-electric converter
    • H02P3/08Arrangements for stopping or slowing electric motors, generators, or dynamo-electric converters for stopping or slowing an individual dynamo-electric motor or dynamo-electric converter for stopping or slowing a dc motor
    • H02P3/14Arrangements for stopping or slowing electric motors, generators, or dynamo-electric converters for stopping or slowing an individual dynamo-electric motor or dynamo-electric converter for stopping or slowing a dc motor by regenerative braking
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/65Apparatus which relate to the handling of copy material
    • G03G15/6529Transporting

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)

Abstract

【課題】永久磁石同期電動機の回転子を所望の位置に停止させる。
【解決手段】電機子31に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子32が回転する永久磁石同期電動機の制御装置は、停止が指令されたときに回転子32の回転速度を低下させる減速制御を開始し、回転速度が設定速度まで低下したときに、回転子32を目標位置PS2に停止させる磁界ベクトル85を生成する電流を減速制御の開始からの回転子の回転量Θaに応じて設定し、設定した電流を前記電機子31に流す、固定励磁制御を行う。
【選択図】図9

Description

本発明は、永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置に関する。
一般に、永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)は、捲線を有する固定子と永久磁石を用いた回転子とを有し、捲線に交流電流を流して回転磁界を発生させることにより、回転子をそれに同期して回転させる。交流電流をd−q座標系のベクトルの成分として制御を行うベクトル制御によると、効率よく滑らかに回転させることができる。
近年、センサレス型の永久磁石同期電動機が広く用いられている。センサレス型は、磁極位置を検出するための磁気センサやエンコーダを有していない。このため、センサレス型の永久磁石同期電動機のベクトル制御には、回転子の回転速度および磁極位置を捲線の電流または電圧に基づいて推定する方法が用いられる。ただし、回転の開始時および停止時のように回転速度が小さい場合には、回転速度および磁極位置を所定の精度で推定することができないことから、その場合には回転速度および磁極位置を推定することなく所定の磁界を発生させる制御が行われる。
回転子を停止させる制御として、電流の供給を停止して永久磁石同期電動機からエネルギーを取り出すように駆動回路の電流路を短絡させるショートブレーキ制御、および電流の供給を停止するだけのフリーラン制御などがある。また、回転速度の推定ができなくなる速度までベクトル制御により減速し、その後にショートブレーキ制御またはフリーラン制御を行うことができる。
しかし、これらの制御よって回転子を停止させる場合には、負荷または慣性力のばらつきなどの影響により、回転子の停止する位置が一定にならない。このため、停止時に負荷を所定の停止位置に位置決めする必要のある用途にセンサレス型の永久磁石同期電動機を用いることができない。
センサレス型の永久磁石同期電動機の回転子を所望の位置に停止させるための先行技術として、リニア同期電動機の制御に関する特許文献1に記載の技術がある。特許文献1には、上位制御装置から連続的に与えられる位置指令に対応した連続的に変化するd軸の電気角を生成し、d軸電機子に電流が流れかつq軸電機子に電流が流れないように、電機子に流す電流を制御することが開示されている。
特許第5487105号公報
上に述べた特許文献1の技術は、直進する可動子とその移動範囲の全長にわたる固定子とから構成されるリニア同期電動機を駆動するためのものであり、移動中の可動子の位置を刻々と指定する位置指令が与えられることを前提としている。
したがってこの場合には、可動子の位置を指定する位置指令を連続的に発生させる必要があり、そのための制御が複雑となる。
永久磁石同期電動機の回転子を停止させる場合に、その停止位置は、小刻みに細かく設定可能であることが好ましい。つまり、停止位置の設定における選択肢が、例えば機械角で60度刻みの6個の大まかな位置であるよりも、1度刻みの360個の細かい位置である方がよい。無段階であればさらによい。
また、特に、停止時に負荷を位置決めする場合などでは、磁極が所望の位置に到着する前に停止することのないよう、かつ所望の位置を通り過ぎて停止することのないようにする高い精度で位置決めすることが求められる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、永久磁石同期電動機の回転子を所望の位置に停止させることのできる制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る制御装置は、電機子に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御装置であって、前記電機子に電流を流して前記回転子を駆動する駆動部と、前記電機子に流れる電流に基づいて前記回転子の回転速度を推定する速度推定部と、推定された前記回転速度である推定速度に基づいて前記回転磁界が生成されるよう前記駆動部を制御するとともに、停止指令が入力されたときには、前記駆動部に対する制御として、前記回転速度を切替え速度まで低下させる減速制御を行い、その後に前記回転子を目標位置に停止させる磁界ベクトルを生じさせる固定励磁制御を行う制御部と、前記減速制御が開始されたときからの前記回転子の回転量である停止前回転量を算出する回転量算出部と、前記磁界ベクトルを生成するために前記電機子に流す電流を前記停止前回転量に応じて設定する固定励磁設定部と、を有する。
本発明の実施形態に係る制御方法は、電機子に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御方法であって、停止が指令されたときに前記回転子の回転速度を低下させる減速制御を開始し、前記回転速度が設定速度まで低下したときに、前記回転子を目標位置に停止させる磁界ベクトルを生成する電流を前記減速制御の開始からの前記回転子の回転量に応じて設定し、設定した前記電流を前記電機子に流す、固定励磁制御を行う。
本発明によると、永久磁石同期電動機の回転子を所望の位置に停止させることができる。
本発明の一実施形態に係るモータ制御装置を備えた画像形成装置の構成の概要を示す図である。 ブラシレスモータの構成を模式的に示す図である。 停止時の駆動シーケンスの例を示す図である。 ブラシレスモータのd−q軸モデルを示す図である。 モータ制御装置の機能的構成の一例を示す図である。 モータ駆動部および電流検出部の構成の例を示す図である。 回転子を停止させるための磁界ベクトルおよび電流ベクトルの例を示す図である。 負荷の位置決めの例を示す図である。 進角量の設定の概要を示す図である。 回転速度の推移に応じた進角量の設定の第1例を示す図である。 回転速度の推移に応じた進角量の設定の第2例を示す図である。 回転速度の推移に応じた進角量の設定の第3例を示す図である。 回転速度の推移に応じた進角量の設定の第4例を示す図である。 モータ制御装置における処理の流れの第1例を示す図である。 モータ制御装置における処理の流れの第1例を示す図である。 固定励磁制御の処理の流れの例を示す図である。
図1には本発明の一実施形態に係るモータ制御装置21を備えた画像形成装置1の構成の概要が示され、図2にはブラシレスモータ3の構成が模式的に示されている。
図1において、画像形成装置1は、電子写真式のプリンタエンジン1Aを備えたカラープリンタである。プリンタエンジン1Aは4個のイメージングステーション11,12,13,14を有しており、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の4色のトナー像を並行して形成する。イメージングステーション11,12,13,14のそれぞれは、筒状の感光体、帯電チャージャ、現像器、クリーナ、および露光用の光源などを有している。
4色のトナー像は中間転写ベルト16に一次転写され、用紙カセット10から給紙ローラ15Aによって引き出されてレジストローラ対15Bを経て搬送されてきた用紙9に二次転写される。二次転写の後、用紙9は定着器17の内部を通って上部の排紙トレイ18へ送り出される。定着器17を通過するとき、加熱および加圧によってトナー像が用紙9に定着する。
画像形成装置1は、定着器17、中間転写ベルト16、給紙ローラ15A、レジストローラ15B、感光体、および現像器のローラなどの回転体を回転させる駆動源として、ブラシレスモータ3を含む複数のブラシレスモータを用いる。つまり、プリンタエンジン1Aは、これらのブラシレスモータにより回転駆動される回転体を用いて用紙9を搬送したり当該用紙9に画像を形成したりする。
ブラシレスモータ3は、例えばイメージングステーション14の近傍に配置されて、レジストローラ対15Bを回転駆動する。このブラシレスモータ3は、モータ制御装置21により制御される。
モータ制御装置21には、上位制御部20から回転の開始(起動)または停止などの指令が与えられる。上位制御部20は、画像形成装置1の全体の制御を受け持つコントローラであり、画像形成装置1をウォームアップするとき、プリントジョブを実行するとき、節電モードに移行するときなどに指令を発する。
図2において、ブラシレスモータ3は、センサレス型の永久磁石同期電動機(PMSM:Permanent Magnet Synchronous Motor)である。ブラシレスモータ3は、回転磁界を発生させる電機子としての固定子31と、永久磁石を用いた回転子32とを備えている。固定子31は、120度間隔で配置されたU相、V相、W相のコア36,37,38、およびY結線された3つの捲線(コイル)33,34,35を有している。U相、V相およびW相の3相交流電流を捲線33〜35に流してコア36,37,38を順に励磁することによって回転磁界が生じる。回転子32は、この回転磁界に同期して回転する。
図2に示す例では回転子32の磁極数は2である。ただし、回転子32の磁極数は2に限らず、4、6またはそれ以上であってもよい。回転子32は、アウター式でもよく、インナー式でもよい。また、固定子31のスロット数は3に限らない。いずれにしても、ブラシレスモータ3に対して、d−q座標系を基本とした制御モデルを用いて回転速度および磁極位置の推定を行うベクトル制御(センサレスベクトル制御)が、モータ制御装置21により行われる。
なお、以下において、回転子32のS極およびN極のうちの黒丸で示すN極の回転角度位置を、回転子32の「磁極位置PS」ということがある。
図3には停止時の駆動シーケンスの例が示されている。
モータ制御装置21は、時点t1において上位制御部20から停止指令S1eが入力されると、回転速度ωをその時点の速度ω2から一定の加速度(減速度)で低下させる減速制御を行う。回転速度ωが切替え速度ω1まで低下した時点t2において、減速制御を固定励磁制御に切り替えて、時点t3に回転子32を所望の目標位置に停止させる。
減速制御は、回転速度ωを目標速度(速度指令値)ω*に近づけるベクトル制御である。減速制御では、目標速度ω*は、刻々と減少する。例えば、上位制御部20が運転パターンとして決められている割合で減少するよう目標速度を刻々と更新してモータ制御装置21に与える。ただし、モータ制御装置21において運転パターンに従う減速のための目標速度ω*を生成するようにしてもよい。
減速制御における最終の目標速度ω*となる切替え速度ω1は、磁極位置PSの推定が可能な下限の速度またはそれよりも若干大きい速度に選定される。
固定励磁制御は、回転子32を目標位置に引き込む磁界ベクトルを生じさせる電流を電機子の捲線33〜35に流す制御である。電流の位相および大きさは、減速制御を終了する時点t2の磁極位置PSの推定値に応じて設定される。設定された電流を流し続けることにより、回転しない磁界(固定の磁界)を回転子32に作用させる。この固定励磁制御について、後に詳述する。
図4にはブラシレスモータ3のd−q軸モデルが示されている。ブラシレスモータ3のベクトル制御では、ブラシレスモータ3の捲線33〜35に流れる3相の交流電流を、回転子32である永久磁石と同期して回転している2相の捲線に流す直流電流に変換して制御を簡単化する。
永久磁石の磁束方向(N極の方向)をd軸(無効電流軸)とし、d軸から電気角でπ/2[rad](90°)進んだ方向をq軸(有効電流軸)とする。d軸およびq軸はモデル軸である。U相の捲線33を基準とし、これに対するd軸の進み角をθと定義する。この角度θは、U相の捲線33に対する磁極の角度位置(磁極位置PS)を示す。d−q座標系は、U相の捲線33を基準としてこれより角度θだけ進んだ位置にある。
ブラシレスモータ3は回転子32の角度位置(磁極位置)を検出する位置センサを有していないので、モータ制御装置21において回転子32の磁極位置PSを推定する必要がある。その推定した磁極位置を示す推定角度θmに対応してγ軸を定め、γ軸よりも電気角でπ/2進んだ位置をδ軸に定める。γ−δ座標系は、U相の捲線33を基準としてこれより推定角度θmだけ進んだ位置にある。角度θに対する推定角度θmの遅れ量を、Δθと定義する。遅れ量Δθが零のときは、γ−δ座標系はd−q座標系と一致する。
図5にはモータ制御装置21の機能的構成の一例が、図6にはモータ制御装置21におけるモータ駆動部26および電流検出部27の構成の例が、それぞれ示されている。
図5に示すように、モータ制御装置21は、ベクトル制御部23、速度推定部24、磁極位置推定部25、モータ駆動部26、電流検出部27、座標変換部28、および固定励磁設定部29などを有している。
モータ駆動部26は、ブラシレスモータ3の捲線33〜35に電流を流して回転子32を駆動するためのインバータ回路である。図6のように、モータ駆動部26は、3つのデュアル素子261,262,263、およびプリドライブ回路265などを有する。
各デュアル素子261〜263は、特性の揃った2つのトランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ:FET)を直列接続してパッケージに収めた回路部品である。
デュアル素子261〜263によって、直流電源ライン211から接地ラインへ捲線33〜35を介して流れる電流Iが制御される。詳しくは、デュアル素子261のトランジスタQ1,Q2によって、捲線33を流れる電流Iuが制御され、デュアル素子262のトランジスタQ3,Q4によって、捲線34を流れる電流Ivが制御される。そして、デュアル素子263のトランジスタQ5,Q6によって、捲線35を流れる電流Iwが制御される。
図6において、プリドライブ回路265は、ベクトル制御部23から入力される制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を、各トランジスタQ1〜Q6に適した電圧レベルに変換する。変換後の制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−が、トランジスタQ1〜Q6の制御端子(ゲート)に入力される。
電流検出部27は、U相電流検出部271およびV相電流検出部272を有し、捲線33,34に流れる電流Iu,Ivを検出する。Iu+Iv+Iw=0であるので、検出した電流Iu,Ivの値から計算によって電流Iwを求めることができる。なお、W相電流検出部を有してもよい。
U相電流検出部271およびV相電流検出部272は、電流Iu,Ivの流路に挿入されているシャント抵抗による電圧降下を増幅してA/D変換し、電流Iu,Ivの検出値として出力する。すなわち、2シャント方式の検出を行う。シャント抵抗の抵抗値は1/10Ωオーダーの小さい値である。
なお、モータ駆動部26と電流検出部27とを一体化した回路部品を用いてモータ制御装置21を構成することができる。
図5に戻って、ベクトル制御部23には、上位制御部20から目標速度(速度指令値)ω*を示す速度指令S1が入力される。速度指令S1のうち、停止を命じる情報を含むものが停止指令S1eとなる。
ベクトル制御部23は、速度推定部24から入力される推定速度ωmおよび磁極位置推定部25から入力される推定角度θmに基づいて、目標速度ω*で回転する回転磁界が生成されるようモータ駆動部26を制御する。推定角度θmは、回転子32の回転速度ωの推定値の例であり、推定角度θmは、磁極位置PSの推定値の例である。
ベクトル制御部23は、速度制御部41、電流制御部42、および電圧パターン生成部43を有する。これらの要素のうち、特に速度制御部41は、磁極位置推定部25および固定励磁設定部29と共に、固定励磁制御に大きく関わる。
速度制御部41は、上位制御部20からの目標速度ω*と速度推定部24からの推定速度ωmとの差を零に近づける比例積分制御(PI制御)のための演算を行い、γ−δ座標系の電流指令値Iγ*,Iδ*を決定する。推定速度ωmは周期的に入力される。速度制御部41は、推定速度ωmが入力されるごとに、そのときの目標速度ω*に応じて電流指令値Iγ*,Iδ*を決定する。
電流制御部42は、電流指令値Iγ*,Iδ*と座標変換部28から入力される推定電流値Iγ,Iδとの差を零に近づける比例積分制御のための演算を行い、γ−δ座標系の電圧指令値Vγ*,Vδ*を決定する。
電圧パターン生成部43は、磁極位置推定部25から入力される推定角度θmに基づいて、電圧指令値Vγ*,Vδ*をU相、V相、およびW相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換する。そして、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−のパターンを生成し、モータ駆動部26へ出力する。
速度推定部24は、第1演算部241および第2演算部242などを有し、回転子32の捲線33〜35に流れる電流Iu,Iv,Iwに基づいて回転子32の回転速度を推定する。
第1演算部241は、電圧パターン生成部43により決定された電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、γ−δ座標系の電流値Iγb,Iδbを算出する。変形として、電流制御部42により決定された電圧指令値Vγ*,Vδ*に基づいて電流指令値Iγb,Iδbを算出してもよい。いずれにしても、電流指令値Iγb,Iδbの算出に際して、第2演算部242による前回の推定で得られた推定速度ωmを用いる。
第2演算部242は、座標変換部28からの推定電流値Iγ,Iδと第1演算部241による電流値Iγb,Iδbとの差に基づいて、いわゆる電圧電流方程式に従って推定速度(速度推定値)ωmを求める。推定速度ωmは、速度制御部41、磁極位置推定部25、および固定励磁設定部29に入力される。
磁極位置推定部25は、推定速度ωmに基づいて回転子32の磁極位置PSを推定する。すなわち、推定速度ωmを積分することにより推定角度θmを算出する。
また、この磁極位置推定部25は、停止指令S1eの入力を契機として減速制御が開始されたときからの回転子32の回転量である停止前回転量Θを算出する。すなわち、減速制御が開始された以後において、磁極位置推定部25は、回転量算出部としての処理を推定角度θmを出力する処理と並行して行う。磁極位置推定部25には、減速制御が開始されたときに、停止前回転量Θの算出の開始を命じる算出指令S5が例えば固定励磁設定部29から入力される。
回転量算出部としての磁極位置推定部25は、停止前回転量Θを算出する処理として、推定角度θmを積算する。そして、逐次に最新の停止前回転量Θを固定励磁制御部29に通知する。最新の停止前回転量Θは、実質的に最新のものであればよい。
さらに、固定出力指令S6が入力されると、磁極位置推定部25は、そのときの推定角度θmを記憶し、記憶した当該推定角度θmを以後の固定励磁制御が行われる期間にわたって座標変換部28および電圧パターン生成部43に出力する。つまり、推定角度θmの出力値を固定とする。
固定励磁設定部29は、固定励磁制御において電機子に流す電流を磁極位置推定部25からの停止前回転量Θに応じて設定する。詳しくは、次の通りである。
固定励磁設定部29は、上位制御部20から停止指令S1eが入力されると、算出指令S5を磁極位置推定部25に与えて停止前回転量Θの算出を開始させる。その後、減速制御から固定励磁制御に切り替わるときに、磁極位置推定部25から通知された最新の停止前回転量Θに応じて、速度制御部41に対して電流の位相を指定する制御値である進角量dθを設定する。
固定励磁設定部29は、目標回転量Θsおよび基準進角量dθsなどを含む制御情報D29を記憶している。目標回転量Θsは、回転子32を停止させたい目標位置に対応する回転量であり、基準進角量dθsは、目標回転量Θsと停止前回転量Θとのずれがない場合における進角量dθの設定値である。
進角量dθの設定に際して、固定励磁設定部29は、停止前回転量Θと目標回転量Θsとの差を求める。そして、求めた差が基準進角量dθsよりも多い場合には、進角量dθを基準進角量dθsよりも小さくし、基準進角量dθsよりも少ない場合には、進角量dθを基準進角量dθsよりも大きくする。
以下、固定励磁制御に関わる機能を中心にモータ制御装置21の動作をさらに詳しく説明する。
なお、固定励磁制御においては、推定角度θmによって決定される軸(いわゆるγ軸)を便宜的にd軸として扱い、同じくδ軸をq軸として扱うものとする。
図7には回転子32を停止させるための磁界ベクトル85および電流ベクトル95の例が、図8には負荷の位置決めの例が、それぞれ示されている。図7(A)では、回転子32を停止させたい位置(狙いの位置)である目標位置PS2を二重丸で、減速制御から固定励磁制御に切り替わるときの磁極位置PSである引込み開始位置PS1を白抜きの丸で示している。
図3も参照して、時点t1から時点t2までの減速制御において、回転子32は、減速制御の期間の長さと減速度とに依存する回転量だけ回転する。図7(A)において、引込み開始位置PS1は、時点t2における磁極位置PSであり、推定角度θmにより特定される。
目標位置PS2は、引込み開始位置PS1から進角量dθだけ回転した位置である。言い換えれば、回転子32を進角量dθだけ回転させて目標位置PS2に停止させる制御が固定励磁示制御である。
目標位置PS2は、例えば図8に示すように用紙9を位置P3に位置決めするための回転角度位置である。
図8において、レジストローラ対15Bが用紙9の搬送速度に応じた一定の速度で回転している状態で、レジストローラ対15Bに向けて用紙9が搬送されてくる。レジストローラ対15Bの例えば上流側の位置P1に用紙9の先端が到着すると、それを検知した上位制御部20からモータ制御装置21に停止指令S1eが与えられ、直ちにブラシレスモータ3の減速制御が開始される。ここで、減速制御における加速度(減速度)は一定であるものとする。
用紙9の先端が位置P1よりも下流の位置P2に到着した時点で、減速制御から固定励磁制御に切り替わる。固定励磁制御により、用紙9の先端は、位置P2よりも下流の位置P3に到着して停止する。
位置P1から位置P2までの距離D1(例えば50mm)は、減速制御の開始時点の回転子32の回転速度ω、レジストローラ対15Bに回転駆動力を伝えるギヤの減速比、減速制御における減速度、および切替え速度ω1により決まる。つまり、位置P2は、駆動シーケンス(運転パターン)における減速制御の条件に応じて決まる。また、位置P2から位置P3までの距離D2(例えば10mm)は、進角量dθに比例する。
したがって、用紙9の先端を位置P3に位置決めするには、停止指令S1eの発令から回転子32が停止するまでの回転量が位置P1から位置P3までの距離(D1+D2)に対応するよう目標位置PS2を定めればよい。目標位置PS2は、停止指令S1eが発令されたときに、そのときの磁極位置PSによって決まる。
図7に戻って、固定励磁示制御では、回転子32の回転中心から目標位置PS2へ向かう磁界ベクトル85を定める。磁界ベクトル85は、回転子32を目標位置PS2に引き込む磁界である。
磁界ベクトル85を定めることは、図8(B)に示すように、磁界ベクトル85と同じ向きの電流ベクトル95を定めることに相当する。電流ベクトル95は、回転子32を目標位置PS2に引き込む磁界を生成するために捲線33〜35に流すべき電流の位相および大きさを表わす。
電流ベクトル95を定めることは、モータ駆動部26を制御するための実際の処理の上では、電流ベクトル95の向きと大きさとを設定することである。電流ベクトル95の向きとして、d軸に対する角度である進角量dθを設定する。そして、電流ベクトル95の大きさとして、例えばブラシレスモータ3に流し得る電流の最大値を設定する。これにより、電流ベクトル95のd軸成分Idおよびq軸成分Iqが決まる。電流ベクトル95の大きさをIとすると、d軸成分Idおよびq軸成分Iqは、次の式で表わされる。
Id=I×cos(dθ)
Iq=I×sin(dθ)
d軸成分Idおよびq軸成分Iqが決まると、d軸の角度位置を示す推定角度θmを用いることにより、ベクトル制御部23による制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−のパターンが決まる。そして、モータ駆動部26を介して流れる電流Iu,Iv,Iwのそれぞれの大きさおよび向きが決まる。
図9には進角量dθの設定の概要が、図10、図11、図12、および図13には回転速度ωの推移に応じた進角量dθの設定の第1例、第2例、第3例、および第4例が、それぞれ示されている。
減速制御において回転速度ωが目標速度ω*の変化にずれることなく追従して低下した場合には、図9(A)に示すように、引込み開始位置PS1が適正な位置となる。適正な位置とは、引込み開始位置PS1に対応する停止前回転量Θaと目標回転量Θsとの差が基準進角量dθsと等しい位置である。この場合に、固定励磁設定部29は、進角量dθとして基準進角量dθsを設定する。
さて、図10〜図13のように、図中に鎖線で示す目標速度ω*の変化に対して、太い実線で示す回転速度ωの変化がずれることがある。例えば、その原因として負荷のばらつきが挙げられる。すなわち、減速時には定速時と比べて加速度(減速率)が大きいので、次の式で表わされるモータトルクTaは、負荷イナーシャの変動の影響を大きく受けて許容値を超えやすい。
Ta=JL(ωj−ωi)/Δt+TL
ただし、JL:負荷イナーシャ、(ωj−ωi)/Δt:加速度、TL:摺動抵抗
図10(A)では、時点t2における回転速度ωは切替え速度ω1に低下しており、目標速度ω*との差はない。しかし、減速制御の途中段階において、回転速度ωは、目標速度ω*よりも大きい。
このため、図10(B)のように、切替え速度ω1になった時点(t2)の停止前回転量Θaが適正量よりも多い。すなわち、図9(B)のように、引込み開始位置PS1が適正な位置よりも目標位置PS2に近い位置となる。
もしも、この場合に進角量dθを基準進角量dθsに設定したとすると、回転子32が停止するまでの停止前回転量Θである実回転量Θ1が、目標回転量Θsよりも多くなってしまう。つまり、回転子32は、目標位置PS2を通り過ぎて止まることになる。
そこで、固定励磁設定部29は、図9(B)および図10(C)の通り、実回転量Θ1aが目標回転量Θと等しくなるよう進角量dθを基準進角量dθsよりも小さい進角量dθ1に設定する。例えば、図8に示した位置決めにおいて用紙9が位置P3から5mm進み過ぎる場合には、搬送距離が5mm少なくなるよう進角量dθ1を設定する。
図11(A)では、回転速度ωは、時点t2の以前の時点t11で切替え速度ω1に低下している。また、時点t1から時点t11までの期間にわたって、回転速度ωは、目標速度ω*よりも小さい。
このため、図11(B)のように、切替え速度ω1になった時点(t11)の停止前回転量Θaが適正量よりも少ない。すなわち、図9(C)のように、引込み開始位置PS1が適正な位置よりも目標位置PS2から遠い位置となる。
もしも、この場合に進角量dθを基準進角量dθsに設定したとすると、実回転量Θ2が、目標回転量Θsよりも少なくなってしまう。つまり、回転子32は、目標位置PS2の手前で止まってしまう。
そこで、固定励磁設定部29は、図9(C)および図11(C)の通り、実回転量Θ2aが目標回転量Θsと等しくなるよう進角量dθを基準進角量dθsよりも大きい進角量dθ2に設定する。
このように進角量dθの設定値を回転速度ωが切替え速度ω1になったときの停止前回転量Θaに応じて調整することにより、減速制御において回転速度ωと目標速度ω*とに差が生じた場合にも、回転子32を目標位置PS2に停止させることができる。
しかし、進角量dθの調整だけでは目標位置PS2に停止させることができない場合があり得る。停止前回転量Θaと目標位置PS2と差が過大であると、進角量dθを可変範囲の限界まで多くまたは少なくしても、目標位置PS2に停止させることができない。電流ベクトル95を大きくすることで進角量dθを可変範囲は拡がるが、ブラシレスモータ3の許容を超える大きな電流を流すことはできないので、可変範囲の拡大には限度がある。図12または図13の例によると、進角量dθの調整の限界を超えるような回転量のずれが生じた場合にも、回転子32を目標位置PS2に停止させることができる。
図12(A)において、減速制御における回転速度ωと目標速度ω*とのずれは、図10(A)の場合よりも大きい。そして、回転速度ωが切替え速度ω1まで低下する時点t21は、適正な時点t2よりも後の時点になっている。
このため、図12(B)のように、もしも進角量dθをその可変範囲の下限の進角量dθxに設定したとしても、実回転量Θ3aは、目標回転量Θsよりも多くなってしまう。
そこで、固定励磁設定部29は、図12(C)のように切替え速度ω1よりも大きい早期切替え速度ω12まで回転速度ω(推定速度ωm)が低下したときに、そのときの停止前回転量Θである途中回転量Θ31と目標回転量Θsとの差ΔΘ3を求める。求めた差ΔΘ3がしきい値Θth1以下である場合には、減速制御から固定励磁制御へ制御を切り替える。例えば速度制御部41に対して進角量dθを指定することにより、制御が切り替わる。
求めた差ΔΘ3がしきい値Θth1を超える場合には、引き続き回転速度ωが切替え速度ω1に低下するまで、停止前回転量Θの監視を行う。
早期切替え速度ω12およびしきい値Θth1は、進角量dθを可変範囲内で設定することにより目標位置PS2に回転子32を停止させることができるよう、例えば回転速度ωのずれのバラツキを測定する実験の結果に基づいて選定すればよい。図12(C)の例において、しきい値Θth1は、基準進角量dθsとされている。
図13(A)において、減速制御における回転速度ωと目標速度ω*とのずれは、図11(A)の場合よりも大きい。
このため、図13(B)のように、もしも進角量dθを上限の進角量dθyに設定したとしても、実回転量Θ4aは、目標回転量Θsより少なくなってしまう。
そこで、固定励磁設定部29は、図13(C)のように回転速度ω(推定速度ωm)が切替え速度ω1まで低下したときの停止前回転量Θaが目標回転量Θsよりも少ない場合には、停止前回転量Θaと目標回転量Θsとの差ΔΘ4を求める。そして、求めた差ΔΘ4がしきい値Θth2以上である場合に、その旨を速度制御部41に通知する。
この通知を受けると、速度制御部41は、回転速度ωを時点t13から所定の時間Twにわたって一定に保つ定速制御を減速制御に続けて行う。
固定励磁設定部29は、通知をした後にまたは通知と並行して、実回転量Θ4bが目標回転量Θsと等しくなるよう進角量dθを設定し、時間Twが経過し終えるタイミングで速度制御部41に対して進角量dθを指定する。これにより、定速制御から固定励磁制御へ制御が切り替わる。
なお、求めた差ΔΘ4がしきい値Θth2未満である場合には、図11の例と同様に、定速制御を行うことなく減速制御に続いて固定励磁制御が行われる。
図14にはモータ制御装置における処理の流れの第1例が、図15には第2例が、それぞれ示されている。
図14に示すように、停止指令S1eが上位制御部20から与えられるのを待つ(#11)。停止指令S1eが与えられると(#11でYES)、切換え速度ω1を制御用のレジスタにセットし(#12)、減速制御を開始する(#13)。
回転速度ωとして取得する推定速度ωmが切替え速度ω1まで低下すると(#14でYES)、減速制御から固定励磁制御への制御の切替えを行い(#15)、固定励磁制御を行ってブラシレスモータ3の回転を停止させる(#16)。
または、図15に示す処理を行う。すなわち、停止指令S1eが与えられると(#21でYES)、減速制御を開始する(#22)。停止前回転量Θに基づいて、固定励磁制御を開始するべきタイミングであるか否かを判定し(#23)、そのタイミングではないと判定した場合には(#24でNO) 、減速制御を続ける。そのタイミングであると判定した場合には(#24でYES) 、減速制御から固定励磁制御へ制御を切替え(#25)、固定励磁制御を行ってブラシレスモータ3の回転を停止させる(#26)。
図16には固定励磁制御の処理の流れの例が示されている。固定励磁制御においては、そのときの停止前回転量Θaと目標回転量Θsとのずれ量を進角量dθとして設定する(#101)。進角量dθに基づいて電流ベクトル95のd軸成分Idおよびq軸成分Iqを求めて電流指令値Id*,Iq*を決定する(#102)。
そして、電流指令値Id*,Iq*および推定角度θmを用いて制御信号U+,U−,V+,V−,W+,W−を生成してモータ駆動部26に与える(#103)。つまり、磁界ベクトル85に対応する電流をブラシレスモータ3に供給するようモータ駆動部26を制御する。
以上の実施形態によると、ブラシレスモータ3の回転子32を所望の目標位置PS2に停止させることができる。減速制御において回転速度ωと目標速度ω*とに差が生じた場合にも、回転子32を目標位置PS2に停止させることができる。
上に述べた実施形態によると、U相、V相、およびW相の各電流の値をアナログ的に設定して回転子32を停止させるための磁界を生じさせることができる。したがって、各相の電流のオン、オフ、および向きの組合わせで決まる6パターンの磁界のいずれかを生じさせる場合とは違って、目標位置PS2を無段階に設定することができる。
上に述べた実施形態において、進角量dθに応じて電流ベクトル95の大きさを増減することにより、停止間際の振動の少ない穏やかな停止を実現することができる。振動を抑えることにより、振動の収束を待つ時間が短かくなって停止が早まる。
また、固定励磁制御における電流は、回転子32の停止までの予想時間に余裕時間を加えた時間が経過するまで流せばよい。次に起動指令が入力されるまでそのまま流し続けてもよい。この場合には、回転子32の位置がその状態で固定されることにより磁極位置PSが分かるので、次の起動時に磁極位置PSを推定する処理を省略することができる。
上に述べた実施形態においては、固定励磁制御に際して推定角度θmを磁界ベクトル85の向きを指定する制御値として座標変換部28および電圧パターン生成部43に入力するものとしたが、設定した進角量dθを推定角度θmに加算した角度を入力してもよい。この場合には、電流指令値Id*は、電流ベクトル95の大きさを示す値とすればよく、電流指令値Iq*は、零とすればよい。
その他、画像形成装置1およびモータ制御装置21のそれぞれの全体または各部の構成、処理の内容、順序、またはタイミング、ブラシレスモータ3の構造などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
1 画像形成装置
3 ブラシレスモータ(永久磁石同期電動機)
9 用紙
15B レジストローラ対(ローラ)
20 上位制御部(停止指令部)
21 モータ制御装置(制御装置)
23 ベクトル制御部(制御部)
24 速度推定部
25 磁極位置推定部(回転量算出部)
26 モータ駆動部(駆動部)
29 固定励磁設定部
31 固定子(電機子)
32 回転子
85 磁界ベクトル
95 電流ベクトル(電流)
dθ 進角量
dθs 基準進角量
Iγ,Iδ 電流
PS2 目標位置
S1e 停止指令
Tw 所定時間
Θ31 途中回転量(停止前回転量)
Θs 目標回転量
Θth1,Θth2 しきい値
ΔΘ3 差
ω 回転速度
ω1 切替え速度
ω2 早期切替え速度

Claims (7)

  1. 電機子に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御装置であって、
    前記電機子に電流を流して前記回転子を駆動する駆動部と、
    前記電機子に流れる電流に基づいて前記回転子の回転速度を推定する速度推定部と、
    推定された前記回転速度である推定速度に基づいて前記回転磁界が生成されるよう前記駆動部を制御するとともに、停止指令が入力されたときには、前記駆動部に対する制御として、前記回転速度を切替え速度まで低下させる減速制御を行い、その後に前記回転子を目標位置に停止させる磁界ベクトルを生じさせる固定励磁制御を行う制御部と、
    前記減速制御が開始されたときからの前記回転子の回転量である停止前回転量を算出する回転量算出部と、
    前記磁界ベクトルを生成するために前記電機子に流す電流を前記停止前回転量に応じて設定する固定励磁設定部と、を有する、
    ことを特徴とする永久磁石同期電動機の制御装置。
  2. 前記固定励磁設定部は、前記停止前回転量が前記目標位置に対応する目標回転量よりも多くなる場合には、前記電流の位相を指定する制御値である進角量を前記目標回転量に対応する基準進角量よりも小さくし、前記停止前回転量が前記目標回転量よりも少なくなる場合には、前記進角量を前記基準進角量よりも大きくする、
    請求項1記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記推定速度が前記切替え速度よりも大きい早期切替え速度まで低下したときの前記停止前回転量と前記目標回転量との差がしきい値以下である場合には、前記減速制御から前記固定励磁制御へ制御を切り替える、
    請求項1または2記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  4. 前記制御部は、前記推定速度が前記切替え速度まで低下したときに前記停止前回転量が前記目標回転量よりも少なくかつ当該目標回転量との差がしきい値以上である場合に、前記回転速度を所定時間にわたって一定に保つ定速制御を前記減速制御に続けて行い、その後に当該定速制御から前記固定励磁制御へ制御を切り替える、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  5. 前記所定時間は、前記停止前回転量が前記目標回転量になるまでの時間である、
    請求項4記載の永久磁石同期電動機の制御装置。
  6. 用紙に画像を形成する画像形成装置であって、
    電機子に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機と、
    前記永久磁石同期電動機により回転駆動されて前記用紙を搬送するローラと、
    前記永久磁石同期電動機を制御する制御装置と、
    前記制御装置に停止指令を入力する停止指令部と、を有しており、
    前記制御装置は、
    前記電機子に電流を流して前記回転子を駆動する駆動部と、
    前記電機子に流れる電流に基づいて前記回転子の回転速度を推定する速度推定部と、
    推定された前記回転速度に基づいて前記回転磁界が生成されるよう前記駆動部を制御するとともに、停止指令が入力されたときには、前記駆動部に対する制御として、前記回転速度を切替え速度まで低下させる減速制御を行い、その後に前記回転子を目標位置に停止させる磁界ベクトルを生じさせる固定励磁制御を行う制御部と、
    前記減速制御が開始されたときからの前記回転子の回転量である停止前回転量を算出する回転量算出部と、
    前記磁界ベクトルを生成するために前記電機子に流す電流を前記停止前回転量に応じて設定する固定励磁設定部と、を有する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  7. 電機子に流れる電流による回転磁界によって永久磁石を用いた回転子が回転する永久磁石同期電動機の制御方法であって、
    停止が指令されたときに前記回転子の回転速度を低下させる減速制御を開始し、前記回転速度が設定速度まで低下したときに、前記回転子を目標位置に停止させる磁界ベクトルを生成する電流を前記減速制御の開始からの前記回転子の回転量に応じて設定し、設定した前記電流を前記電機子に流す、固定励磁制御を行う、
    ことを特徴とする永久磁石同期電動機の制御方法。
JP2016245086A 2016-12-19 2016-12-19 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置 Pending JP2018102022A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016245086A JP2018102022A (ja) 2016-12-19 2016-12-19 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置
US15/839,981 US20180175751A1 (en) 2016-12-19 2017-12-13 Controller for permanent magnet synchronous motor, control method, and image forming apparatus
CN201711364665.0A CN108206653A (zh) 2016-12-19 2017-12-18 永磁同步电机的控制装置、控制方法以及图像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016245086A JP2018102022A (ja) 2016-12-19 2016-12-19 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018102022A true JP2018102022A (ja) 2018-06-28

Family

ID=62562059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016245086A Pending JP2018102022A (ja) 2016-12-19 2016-12-19 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20180175751A1 (ja)
JP (1) JP2018102022A (ja)
CN (1) CN108206653A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7311348B2 (ja) * 2019-08-05 2023-07-19 ファナック株式会社 サーボモータの制御装置
CN112398381B (zh) * 2019-08-16 2022-07-19 联合汽车电子有限公司 无刷直流电机的停机方法、控制方法及电机控制器和电气装置
TWI717001B (zh) * 2019-09-05 2021-01-21 登騰電子股份有限公司 電動機控制器與電動機控制方法
CN111446694B (zh) * 2019-10-23 2021-08-10 宣城市泰力磁业有限公司 驱动电机紧急制动平台及方法
CN117919586B (zh) * 2024-03-25 2024-06-18 安徽通灵仿生科技有限公司 一种左心室导管泵***以及左心室导管泵的控制方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5568895A (en) * 1978-11-17 1980-05-23 Hitachi Koki Co Ltd Servomotor positioning apparatus
JP2014139636A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Konica Minolta Inc 画像処理装置およびモーターの回転制御方法
JP2016111761A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 回転電機制御装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04261385A (ja) * 1991-02-12 1992-09-17 Fuji Electric Co Ltd ドリフト回転防止機能付サーボモータ制御装置
JP3427575B2 (ja) * 1994-06-29 2003-07-22 国産電機株式会社 直流ブラシレスモータ及びその停止方法
CN101258031A (zh) * 2005-06-17 2008-09-03 柯尼格及包尔公开股份有限公司 柔版印刷机
DE102006003013B4 (de) * 2005-06-17 2011-03-03 Koenig & Bauer Aktiengesellschaft Flexodruckmaschine
JP4379443B2 (ja) * 2006-07-25 2009-12-09 セイコーエプソン株式会社 プリンタおよびプリンタの制御方法
WO2010024190A1 (ja) * 2008-08-28 2010-03-04 Thk株式会社 リニア同期モータ制御方法及び制御装置
CN102946222B (zh) * 2011-09-06 2016-08-03 北京理工大学 一种永磁同步电机伺服***高精度定位的方法
JP2015019563A (ja) * 2013-06-10 2015-01-29 株式会社リコー 制御装置、駆動装置および画像形成装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5568895A (en) * 1978-11-17 1980-05-23 Hitachi Koki Co Ltd Servomotor positioning apparatus
JP2014139636A (ja) * 2013-01-21 2014-07-31 Konica Minolta Inc 画像処理装置およびモーターの回転制御方法
JP2016111761A (ja) * 2014-12-03 2016-06-20 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 回転電機制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN108206653A (zh) 2018-06-26
US20180175751A1 (en) 2018-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10141878B2 (en) Controller for permanent magnet synchronous motor, and control method for estimating initial position of rotor
US10141877B2 (en) Controller for permanent magnet synchronous motor, control method, and image forming apparatus
JP2018102022A (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置
US9929686B2 (en) Controller for permanent magnet synchronous motor, image forming apparatus, and control method
US10734932B2 (en) Motor controller, conveyor, image forming apparatus, and motor control method
US20180076750A1 (en) Controller for permanent magnet synchronous motor, control method, and image forming apparatus
WO2016035298A1 (ja) モータ駆動装置およびブラシレスモータ
US10651765B2 (en) Motor controller, image forming apparatus and motor controlling method
CN111464104A (zh) 电机控制装置、图像形成装置及初始位置推定方法
CN104779872B (zh) 同步电动机的控制装置及控制方法
JP2018007532A (ja) モータ制御装置、モータ駆動装置、モータ駆動システム、画像形成装置、及び搬送装置
JP2018098856A (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置、画像形成装置、および制御方法
JP6631323B2 (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置および制御方法
JP4651087B2 (ja) 電動機制御装置
JP2017158354A (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置および制御方法
JP2017229165A (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置、画像形成装置、および制御方法
JP6834331B2 (ja) 永久磁石同期電動機の制御装置、制御方法、および画像形成装置
JP2018137932A (ja) 電動機制御装置、制御方法、および画像形成装置
US10790767B2 (en) Control device of permanent magnet synchronous motor and image forming device
JP6265043B2 (ja) 同期電動機のセンサレス駆動装置
JP7052255B2 (ja) 画像形成装置
JP2021069193A (ja) モータ制御装置及び画像形成装置
JP2021027595A (ja) モータ制御装置およびモータ制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210316