JP2018099834A - 積層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】包装袋の開封時に、本来予定されている方向とは異なる方向に引裂かれた場合であっても、予定方向に近い角度で開封することができる製袋材料を提供すること。【解決手段】外層1と、中間層2と、シーラント層3と、をこの順に有する積層フィルム5であって、外層1及び中間層2が直進カット性フィルムから成り、シーラント層3が以下の条件(1)及び(2):(1)前記積層フィルムのMD方向におけるヤング率が200MPa以上である、及び(2)前記積層フィルムのMD方向における引裂強度が1.0N以上5.0N以下である、の双方を満たす、前記積層フィルム5。【選択図】図1

Description

本発明は積層フィルムに関する。
従来から、食品、調味料、医薬品、サプリメント等の液体、粘稠体、又は粉体を充填包装する小袋として、種々の材料から成る積層フィルムが提案されている。これら積層フィルムは、例えばパウチ状の充填包装袋として提供され、使用者において例えばノッチを手掛かりに該パウチを引裂いて開封し、内容物を使用(例えば喫食)する。
そのため積層フィルムの分野においては、内容物を外部環境から保護するためのバリア性能、十分な密封性を与えるシール性能等に関することの他、快適な開封性に関する技術が種々提案されている。
例えば特許文献1には、基材層にポリエチレンフィルムから成るシール層を積層して形成され、端縁に形成された切込みからの引裂強度が0.4N以下で、衝撃強度が0.7J以上の包装用積層体が記載されており、該積層体が必要な強度と良好な引裂性とを有する包装袋を与えると説明されている。
特許文献2には、一方向引裂性を有する延伸ポリプロピレンフィルムとバリアフィルムとを積層し、少なくともそのいずれかの側にシーラント層を設けてなる積層フィルムの2枚を、引裂方向が一致するようにシーラント層を対向させて積層し、その周縁部をシールして袋状に成形した包装袋が記載されており、該包装体が、酸素ガスバリア性、耐ピンホール性等に優れるとともに、一方向引裂性を有すると説明されている。特許文献2に記載された包装袋は、比較的大容量の注射液等を充填する輸液バッグ用外装袋としての使用を意図している。
特開2006−51995号公報 特開2006−256626号公報
特許文献1及び2の技術は、使用者が開封時に所定の方向に応力をかけ、本来予定されている方向に引裂こうとする場合には、当該方向に快適に引裂くことができる。
しかし、例えば、疾患、負傷、加齢等によって手先の自由が制限されている使用者の場合、介護の現場等の、特殊な(しかし有りがちな)場面においては、使用者が開封時に包装袋に加える応力は、必ずしも本来予定されている開封方向と一致するとは限らない。この場合の包装袋は、加えられた応力の方向に従って例えば斜めに引裂かれることもあるし、或いは、本来予定されている方向及び加えられた応力の方向のいずれとも異なる方向に引裂かれることもある。
包装袋が、本来予定されている方向とは異なる方向に引裂かれて開封された場合、その開口部は予定よりも大きくなることが通常である。予定よりも大きく開いた開口部から取り出された内容物の取り出し直径は、予定よりも大きくなる。ここで、内容物が、例えば、ゼリー食品、羊羹等の高粘度食品の場合には、直径が過度に大きいことが好ましくない場合がある。
本発明は上記のような事情のもとになされた。従って本発明の目的は、包装袋の開封時に、本来予定されている方向とは異なる方向に引裂かれた場合であっても、予定方向に近い角度で開封することができる製袋材料を提供することである。
本発明は下記のとおりである。
[1] 外層と、中間層と、シーラント層と、をこの順に有する積層フィルムであって、
前記外層及び前記中間層が直進カット性フィルムから成り、
前記シーラント層が以下の条件(1)及び(2):
(1)前記積層フィルムのMD方向におけるヤング率が200MPa以上である、及び
(2)前記積層フィルムのMD方向における引裂強度が1.0N以上5.0N以下である、
の双方を満たす、前記積層フィルム。
[2] 前記外層及び前記中間層が、それぞれ独立に、一軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び二軸延伸ナイロンフィルムから選択される直進カット性フィルムから成る、[1]に記載の積層フィルム。
[3] 前記シーラント層が直鎖低密度ポリエチレンフィルムである、[1]又は[2]に記載の積層フィルム。
[4] 前記外層と前記中間層との間、又は前記中間層と前記シーラント層との間に、バリア層を更に有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の積層フィルム。
[5] [1]〜[4]のいずれか一項に記載の積層フィルムから成る、包装袋。
本発明の積層フィルムは、本来予定されている方向とは異なる方向に引裂かれて開封された場合であっても、予定方向に近い角度で開封することができる。本発明の積層フィルムは、例えば、ゼリー食品、羊羹等の高粘度食品を内容物とする充填包装袋(例えばパウチ)を製造するため、極めて好適である。
図1は、本発明の積層フィルムにおけるある実施形態の積層構造を説明するための概略断面図である。 図2は、本発明の積層フィルムにおける別の実施形態の積層構造を説明するための概略断面図である。 図3(a)〜(c)は、積層フィルムの直進カット性の測定方法を説明するための図である。
以下、本発明について、その好ましい実施形態を中心に説明する。
<積層フィルム>
本発明の積層フィルムは、
外層と、中間層と、シーラント層と、をこの順に有する積層フィルムであって、
前記外層及び前記中間層が直進カット性フィルムから成り、
前記シーラント層が以下の条件(1)及び(2):
(1)前記積層フィルムのMD方向におけるヤング率が200MPa以上である、及び
(2)前記積層フィルムのMD方向における引裂強度が1.0N以上5.0N以下である、
の双方を満たす。
図1に、本発明のある実施態様における積層フィルムの積層構造を示した。図1の積層フィルム5は、図の上から、外層1、中間層2、及びシーラント層3をこの順に有する。
本発明の積層フィルムは、別の実施形態において、外層と中間層との間、又は中間層とシーラント層との間に、バリア層を更に有していてもよい。
図2に、バリア層を有する積層フィルムの積層構造を示した。図2(a)の積層フィルム5は、図の上から、外層1、バリア層4、中間層2、及びシーラント層3をこの順に有する。一方、図2(b)の積層フィルムは、図の上から、外層1、中間層2、バリア層4、及びシーラント層3をこの順に有する。本実施形態の積層フィルムは、これら図2(a)及び図2(b)のどちらの積層構造を有していてもよい。
[外層]
本実施形態の積層フィルムにおける外層は、包装袋の製造後に加えられる物理的衝撃から包装体及び内容物を保護するに足る耐衝撃性を具備し、好ましくはバリア性を兼ね備えるとともに、一方向引裂性に優れる直進カット性フィルムから成ることが適切である。
上記「直進カット性フィルム」とは、特定の一方向への引裂が容易な性質を有するフィルムであり、典型的には、一軸延伸フィルム又は二軸延伸フィルムである。引裂が容易な方向は、一軸延伸フィルムの場合はその延伸方向であり、二軸延伸フィルムの場合は延伸方向のうちの特定の一方向であってよい。
本実施形態における外層を構成するフィルムの材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等であってよい。好ましくは、一軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、及び二軸延伸ナイロンから選択される直進カット性フィルムである。
外層の厚みは特に限定されない。外層の厚みは、得られる包装袋に十分な強度と、良好な直進カット性と、を与えるために、例えば、7μm以上、8μm以上、9μm以上、又は10μm以上であってよい。一方で外層の厚みの上限値は、充填包装物を陳列した時の内容物の視認性を良くするとの観点、及び製袋時のシールを超音波印加による場合に超音波振動の過度の減衰を回避する観点から、50μm以下、45μm以下、40μm以下、35μm以下、又は30μm以下であってよい。
本実施形態における外層として、市販品を用いてもよい。直進カット性ポリプロピレンフィルムの市販品として、例えば、フタムラ化学社製の品名「MCMD−NBT」、東京インキ社製の品名「ASS」、「ANN」等を挙げることができる。直進カット性ポリエチレンテレフタレートフィルムの市販品として、例えば、ユニチカ社製の品名「PCBC」等を挙げることができる。直進カット性ナイロンフィルムの市販品として、例えば、ユニチカ社製の品名「NCBC」、出光ユニテック社製の品名「TB−1010」等を挙げることができる。
[中間層]
本実施形態の積層フィルムにおける中間層は、積層フィルム全体に腰を与え、破袋強度を上昇させる機能を有するとともに、一方向引裂性に優れる直進カット性フィルムから成ることが適切である。この場合の「直進カット性フィルム」については、外層における場合と同様に解してよい。
本実施形態における中間層を構成するフィルムの材料は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等であってよい。好ましくは、一軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、及び二軸延伸ナイロンから選択される直進カット性フィルムであり、より好ましくは二軸延伸ポリエチレンテレフタレート及び二軸延伸ナイロンから選択される直進カット性フィルムである。
本実施形態の積層フィルムにおける中間層の厚みは、例えば、5μm以上、7μm以上、又は10μm以上であってよく、例えば、40μm以下、30μm以下、又は20μm以下であってよい。
本実施形態における中間層として、市販品を用いてもよい。直進カット性ポリエチレンテレフタレートフィルムの市販品として、例えば、ユニチカ社製の品名「PCBC」等を挙げることができる。直進カット性ナイロンテレフタレートフィルムの市販品として、例えば、ユニチカ社製の品名「NCBC」、出光ユニテック社製の品名「TB−1010」等を挙げることができる。
[シーラント層]
本実施形態の積層フィルムにおけるシーラント層は、外層及び中間層の有する直進カット性をサポートすることができ、好ましくは更に内容物の加熱殺菌処理に耐える耐熱性を有するとともに、製袋時のシールを超音波印加による場合に超音波振動に起因する摩擦によって溶融して相互に融着することができる材料から成ることが適切である。
本実施形態の積層フィルムにおけるシーラント層は、以下の条件(1)及び(2):
(1)前記積層フィルムのMD方向におけるヤング率が200MPa以上である、及び
(2)前記積層フィルムのMD方向における引裂強度が1.0N以上5.0N以下である、
の双方を満たすことを要する。
シーラント層の(1)ヤング率は、JIS K7127に準拠して定法により測定することができる。シーラント層のヤング率は、外層及び中間層の直進カット性を好ましくサポートするとともに、製袋時のシールを超音波印加による場合に超音波による振動の減衰を抑制して良好な夾雑物シール性を担保するために、積層フィルムMD方向において、200MPa以上であることを要し、例えば、210MPa以上、220MPa以上、又は225MPa以上であってよい。一方で、製袋時のシールを超音波印加による場合に、超音波に起因する摩擦によって溶融して強固なシールの形成を担保するとの観点から、シーラント層の積層フィルムMD方向のヤング率は、750MPa以下、600MPa以下、500MPa以下、400MPa以下、300MPa以下であってよい。
シーラント層のヤング率が方向によって異なるときは、積層フィルムとしたときに上記の要件を満たす方向を選択して積層することが好ましい。
本実施形態におけるシーラント層は、(2)積層フィルムのMD方向における引裂強度が1.0N以上5.0N以下であることを要件とする。この要件を満たすことにより、得られる積層フィルムが極めて高い直進カット性を示すこととなる。
1.0N以上の高い引裂強度を示すシーラント層を使用した場合には、該シーラント層単体では切れ難いため、積層フィルム全体の切れる方向が、直進カット性フィルムによって規定された方向への切れ性に依存することとなる。そのため、本実施形態が期待する引裂方向の誘導性を維持することができ、従って、積層フィルム全体の直進カット性に優れることになると推察される。
一方で、該シーラント層の引裂強度が過度に高いと、積層フィルム全体の快適な手切れ性が損なわれることとなる。
従って、シーラント層の引裂強度を、積層フィルムMD方向において1.0N以上5.0N以下とした場合に、本発明所期の効果が発現する。
上記シーラント層のMD方向における引裂強度は、1.2N以上、1.5N以上、2.0N以上、又は2.5N以上であってよく、4.0N以下、3.5N以下、又は3.0N以下であってよい。
本明細書における引裂強度とは、引裂力(N)を試験片の厚み(mm)で割り付けたN/mm単位の値ではなく、フィルムそのものを引裂くのに要する引裂力(単位:N)であり、JIS K7128に準じて測定することができる。
シーラント層の厚みは、製袋時に強固なシールを形成するとの観点から、15μmを超えることが好ましく、20μm以上、30μm以上、又は40μm以上であってよい。一方で、製袋時のシールを超音波印加による場合に、超音波による振動の減衰を可能な限り抑制するとともに、外層及び中間層の有する直進カット性の妨害を回避する観点から、シーラント層の厚みは100μm以下とすることが好ましく、80μm以下、75μm以下、70μm以下、65μm以下、又は60μm以下であってよい。
本実施形態におけるシーラント層は、上記の要件を満たす他、融解熱量が110J/g以下であることが、超音波シール性、特に超音波による夾雑物シール性をより向上させる観点から好ましい。この観点から、シーラント層の融解熱量は、107.5J/g以下、又は105J/g以下であってよい。一方で、強固なシールを形成するとの観点から、シーラント層の融解熱量は、50J/g以上又は75J/g以上であってよい。
本実施形態におけるシーラント層の材料として具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)、ポリメチルペンテン、ポリブテン等の材料を挙げることができる。これらのうち、良好な超音波シール性、特に超音波の印加によって良好な夾雑物シール性能を示すとともに、外層の直進カット性を良好にサポートし得ることから、LLDPEが好ましい。
本実施形態におけるシーラント層は、全体として上記の要件を満たすのであれば、単層体であっても多層体であってもよい。
本実施形態におけるシーラント層として、市販品を用いてもよい。本実施形態所定の要件を満たす直鎖低密度ポリエチレンフィルムの市販品として、例えば、タマポリ社製の品名「SE620L」、「SE625L」、アイセロ社製の品名「L105」、出光ユニテック社製の品名「LS‐700C」、スカイフィルム社製の品名「HR611」等を挙げることができる。
[バリア層]
本実施形態の積層フィルムにおいて好ましく使用されるバリア層は、外界からのガス(特に酸素)、水分、光の侵入を抑制し、内容物を保護する機能を有する層である。
本実施形態の積層フィルムにおけるバリア層を構成する材料としては、例えば、アルミニウム、シリカ、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
バリア層は、独立の膜又は箔として本実施形態の積層フィルムの製造に供されてもよいし、適当な基材フィルムの片面又は両面上に予め層状に形成された状態で供給される積層体をそのまま用いてもよい。バリア層が基材フィルム上に形成された層であるとき、その基材フィルムは前述の外層又は中間層の役割を兼ねていてもよい。好ましくは、該基材フィルムが中間層の役割を兼ねている場合である。上記基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等から成るフィルムを挙げることができる。
本実施形態の積層フィルムにおいて、バリア層が基材フィルム上に層状に形成された状態で供給される積層体である場合、該基材フィルムは、中間層としての役割を兼ねることが好ましい。このような場合に好適に使用できる積層体としては、例えば、ポリ塩化ビニリデンコート/二軸延伸ナイロン、ポリ塩化ビニリデンコート/二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム蒸着/二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム蒸着/二軸延伸ナイロン、シリカ蒸着/二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、シリカ蒸着/二軸延伸ナイロン、ポリビニルアルコール/二軸延伸ポリプロピレン、ポリカルボン酸系ポリマー/二軸延伸ナイロン,メタキシレンジアミン−二軸延伸ナイロン複合フィルム、エチレンビニルアルコール共重合体−二軸延伸ナイロン複合フィルム等を挙げることができる。
バリア層の厚みは、
該バリア層が独立の膜又は箔として供される場合には、例えば、1μm以上、3μm以上、又は5μm以上、例えば、10μm以下、又は8μm以下とすることができ、
該バリア層が基材フィルム上に形成された層として供される場合には、例えば、1nm以上、3nm以上、又は5nm以上、例えば、500nm以下、300nm以下、又は200nm以下とすることができる。
バリア層を独立の膜又は箔として使用する場合の典型例は、アルミニウム箔である。
バリア層が基材フィルム上に層状に形成された状態で供給される積層体である場合、該積層体の市販品としては、例えば、尾池パックマテリアル社製の品名「BK」、興人フィルム&ケミカルズ社製の品名「KBC」、ダイセルバリューコーティング社製「KET600」、東レフィルム加工社製の品名「BR1012」、「BR1412」、「BR −ON7012」、ユニチカ社製の品名「HGB」、「DCTU」等を挙げることができる。
[各層における任意成分]
上記の各層は、必要に応じて適宜の添加剤を含有していてもよい。ここで使用される添加剤としては、例えば、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤等を挙げることができる。
本実施形態の積層フィルムは、包装袋としたときの内容物の識別のため、或いは商品として陳列されたときの消費者へのアピールのため、品名、商品ロゴ等の印刷を施すことが想定される。印刷は、積層フィルムの有する任意の層の任意の面に施すことができる。しかし、印刷の保護のため、外層の外側及びシーラント層の内側への印刷は避けることが好ましい。
[各層間の固定]
本実施形態の積層フィルムにおける各層間は、適当な接着剤によって固定されていることが好ましい。この場合の接着剤は、積層フィルムの製造方法に応じて当業者が適宜に選択することができる。例えば、ドライラミネート用接着剤、プリントラミネート用接着剤、押出ラミネート用AC剤等である。接着剤の量は、フィルム単位面積当たりの接着材料として、層間ごとに、例えば0.5g/m以上とすることができ、好ましくは1g/m以上である。一方でこの接着剤の量は、例えば10g/m以下とすることができ、好ましくは5g/m以下である。
[積層フィルムの積層方向]
本実施形態の積層フィルムにおける外層及び中間層は、それぞれ、直進カット性フィルムから成る。シーラント層及び積層フィルムには、それぞれ、MD方向及びTD方向が存在する。本実施形態では、積層フィルムにおけるこれらの方向性を適切に設定することが、高度の直進カット性を効果的に発現させる観点から好ましい。
本実施形態の積層フィルムにおいて、最も好ましくは、
外層及び中間層の引裂容易方向と、シーラント層のMD方向と、を一致させることである。各層の方向をこのように調節することが、本発明の効果を最大限に発揮させる観点から好ましい。
[積層フィルムの厚み]
本実施形態の積層フィルムの厚み(総膜厚)は、150μm以下とすることが、良好なシール性を実現する観点から好ましい。積層フィルムの厚みは、例えば、120μm以下、100μm以下、又は90μm以下であってよい。一方で、積層フィルムに実用的な幾何学的強度を付与するとの観点から、積層フィルムの厚みは、例えば、35μm以上、50μm以上、又は60μm以上であってよい。
[積層フィルムの直進カット性]
本実施形態の積層フィルムは、優れた直進カット性を有する。この直進カット性は、例えば、長辺が積層フィルムのMD方向に対して45°の角度となるように打ち出された試料を用いて引裂試験を行った場合の引裂方向を、前記MD方向に対して、12°以下とすることができる。
図3に、積層フィルムの直進カット性の測定方法の概略を示した。先ず、長辺が積層フィルムのMD方向に対して45°の角度となるように試料を打ち抜く(図3(a))。この試料を用いて、通常の引裂試験を行う(図3(b))。そして、引裂試験によって生じた引裂破断の方向と積層フィルムのMD方向との角度をもって、直進カット性の指標とする(図3(c))。
上記のようにして測定された角度が小さいほど、本来予定されている開封方向とは異なる方向に応力を加えて開封されたときにも本来の方向に近い角度で開口することとなる。この場合には、内容物取り出し口の直径が過度に大きくならないから、内容物が高粘度食品である場合の喫食者の誤嚥窒息を回避することができる。上記の角度は、10°以下、9°以下、8°以下、又は7°以下とすることができ、更には6°以下、5°以下、4℃以下、又は3°以下とすることができる。
上記の引裂試験は、試料の打ち抜き角度を上記のとおりとする他は、JIS K7128−1に準じて行うことができる。
<積層フィルムの製造方法>
本実施形態の積層フィルムは、上記の各層を所定の順序で積層する他は、公知の方法によって製造することができる。例えば、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、押出ラミネート法等、又はこれらの組み合わせにより、製造することができる。これらのうち、ドライラミネート法が好適である。ドライラミネートは、公知のドライラミネート用接着剤、例えば、ポリエステル系接着剤、ポリエーテル系接着剤、ポリウレタン系接着剤等、を用いて、公知の方法によって行うことができる。
<製袋方法>
本実施形態の積層フィルムは、超音波シール性に優れ、特に、超音波の印加による夾雑物シール性に優れる。従って、本実施形態の積層フィルムは、超音波によるシール工程を伴う製袋充填に用いることが好ましく、超音波による夾雑物シール工程を伴う製袋充填に用いることが好ましい。
製袋に際しては、先ず、本実施形態の積層フィルムを、そのシーラント層同士が相対するように対向させ、又は折り曲げ、相対向する2辺又は折曲げ部に対向する1辺をヒートシールし、相対向する2辺が閉じた筒状の成形体とする。この成形体において、閉じた2辺が包装体の底辺及び頂辺を構成することとなる。
このとき、積層フィルムの外層及び中間層の引裂容易方向が筒状体の開口方向と一致するように構成することが好ましい。このような構成とすることにより、得られる包装体において高さ方向に直交する方向の開封が容易となり、開口径が予定された径を大きく超えることがなくなるから、内容物が高粘度食品である場合にも好適な適用が可能となる。
次いで上記のような筒状の成形体を、超音波シール装置を備えた市販の製袋機に装着して製袋を行う。ここで、製袋機として内容物を充填しながら製袋を行う製袋充填機を用い、超音波シールが夾雑物シールである態様で製袋充填を行うことが好ましい。
以下の実施例及び比較例において、各層を構成する材料として使用した樹脂フィルムの詳細は、下記表1に示したとおりである。表1中、略称の冒頭に「引裂」の語が付されているものは、直進カット性フィルムである。略称中の「#」に続く数値はμm単位の膜厚を示す。
Figure 2018099834
<実施例1〜4及び比較例1〜4>
(1)積層フィルムの製造
外層、中間層、及びシーラント層として、それぞれ、表2に記載のフィルムを用いて、以下のように積層フィルムを製造した。この積層フィルムの製造においてバリア層は用いなかった。
中間層の両面に外層及びシーラント層を、それぞれ、ドライラミネート接着剤(ロックペイント社製、「RU−50」)の介在下にドライラミネートして積層することにより、積層フィルムを製造した。このとき、比較例1を除き、外層及び中間層のそれぞれを構成するフィルムにおける直進カット性を示す方向が一致するように積層方向を調節し、この方向を積層フィルムのMD方向とした。比較例1においては、中間層が直進カット性を示す方向を積層フィルムのMD方向とした。
(2)直進カット性の評価
上記で得た積層フィルムから、長辺がフィルムMD方向に対して斜め45°の角度をなすように、長さ150mm、幅20mmの試験片を切り出した。この試験片の長辺方向の中心線上に約75mmの切り込みを入れ、引張試験機を用いて、前記切込みの方向に1,000mm/分の速度で引き裂いた。そして、試験によって生じた引裂部の開始点から完了点までを結んだ直線と、フィルムMD方向との角度を調べた(図3参照)。結果は表2に示した。
<実施例5及び6、並びに比較例5及び6>
(1)積層フィルムの製造
外層、バリア層、中間層、及びシーラント層として、それぞれ、表3に記載のフィルムを用いて、以下のように積層フィルムを製造した。
外層、バリア層、中間層、及びシーラント層をこの順に積層し、各層間にそれぞれ、ドライラミネート接着剤「RU−50」を介在させてドライラミネートすることにより、積層フィルムを製造した。このとき、実施例5及び6においては、外層及び中間層のそれぞれを構成するフィルムにおける直進カット性を示す方向が一致するように積層方向を調節し、この方向を積層フィルムのMD方向とした。比較例6においては、外層が直進カット性を示す方向を積層フィルムのMD方向とした。
(2)直進カット性の評価
上記で得た各積層フィルムを用い、実施例1と同様にして直進カット性の評価を行った。評価結果は表3に示した。
<実施例7〜9及び比較例7〜14>
(1)積層フィルムの製造
外層、バリア層/中間層、及びシーラント層として、それぞれ、表4に記載のフィルムを用いて、以下のように積層フィルムを製造した。「バリア/中間層」とは、基材フィルムとしての樹脂フィルムの片面に、アルミニウム層を蒸着するか、又はバリア機能を有する樹脂層をコートすることにより、バリア層を基材フィルム上に予め層状に形成した積層体を意味する。
バリア層/中間層のバリア層側に外層を、中間層側にシーラント層を、それぞれ、ドライラミネート接着剤(ロックペイント社製、「RU−50」)を介在させてドライラミネートすることにより、積層フィルムを製造した。このとき、比較例7及び11〜14を除き、外層及び中間層のそれぞれを構成するフィルムにおける直進カット性を示す方向が一致するように積層方向を調節し、この方向を積層フィルムのMD方向とした。比較例7及び12〜14においては外層が直進カット性を示す方向を積層フィルムのMD方向とし、比較例11においては中間層が直進カット性を示す方向を積層フィルムのMD方向とした。
(2)直進カット性の評価
上記で得た各積層フィルムを用い、実施例1と同様にして直進カット性の評価を行った。評価結果は表4に示した。
Figure 2018099834
Figure 2018099834
Figure 2018099834
表2〜4中、比較例における太字の記載は、当該比較例が太字記載部分において本発明の所定の要件を外れていることを示す。
上記の各実施例及び比較例で使用した各シーラント層のヤング率は、JIS K7127に準拠して測定した。各シーラント層の引裂強度は、JIS K7128−1に準拠して測定した。
1 外層
2 中間層
3 シーラント層
4 バリア層
5 積層フィルム

Claims (5)

  1. 外層と、中間層と、シーラント層と、をこの順に有する積層フィルムであって、
    前記外層及び前記中間層が直進カット性フィルムから成り、
    前記シーラント層が以下の条件(1)及び(2):
    (1)前記積層フィルムのMD方向におけるヤング率が200MPa以上である、及び
    (2)前記積層フィルムのMD方向における引裂強度が1.0N以上5.0N以下である、
    の双方を満たす、前記積層フィルム。
  2. 前記外層及び前記中間層が、それぞれ独立に、一軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、及び二軸延伸ナイロンフィルムから選択される直進カット性フィルムから成る、請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記シーラント層が直鎖低密度ポリエチレンフィルムである、請求項1又は2に記載の積層フィルム。
  4. 前記外層と前記中間層との間、又は前記中間層と前記シーラント層との間に、バリア層を更に有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層フィルムから成る、包装袋。
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