JP2018096331A - ピストンポンプ - Google Patents

ピストンポンプ Download PDF

Info

Publication number
JP2018096331A
JP2018096331A JP2016243713A JP2016243713A JP2018096331A JP 2018096331 A JP2018096331 A JP 2018096331A JP 2016243713 A JP2016243713 A JP 2016243713A JP 2016243713 A JP2016243713 A JP 2016243713A JP 2018096331 A JP2018096331 A JP 2018096331A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
pressure
valve
cylinder
rings
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016243713A
Other languages
English (en)
Inventor
元幸 高橋
Motoyuki Takahashi
元幸 高橋
修二 石原
Shuji Ishihara
修二 石原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui E&S Co Ltd
Original Assignee
Mitsui E&S Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui E&S Holdings Co Ltd filed Critical Mitsui E&S Holdings Co Ltd
Priority to JP2016243713A priority Critical patent/JP2018096331A/ja
Publication of JP2018096331A publication Critical patent/JP2018096331A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

Landscapes

  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

【課題】各ピストンリングの寿命を長くし、ピストンポンプ全体の耐久性を高める。
【解決手段】シリンダ、シリンダライナ(3)、ピストン(5)、シリンダヘッド、シリンダヘッド室、シリンダヘッド室内に配設されるバルブヘッド、シリンダヘッド室とシリンダライナ内とを連通させるバルブヘッド内の吸入路、吸入弁、吐出弁と、複数のピストンリング(19)と、ピストン内に配設されてシンリダライナの内周部とバルブヘッドの下端部とピストンの上端部とにより画成される吐出室(12)からシンリダライナの内周部とピストンの外周部と複数のピストンリングの任意の隣接する2つのピストンリングとにより画成されるリング間隙間(13)までを連通させる連通路(31)と、ピストンに配設されて吐出室内の被吐出物の圧力を減圧して連通路を介してリング間隙間へ供給する圧力制御弁(40)とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、低温液化ガスなどの沸点が低い低温液体をピストンによりシリンダライナ内に吸入し、このピストンによって高圧で吐出して被供給体へ供給するために使用されて好適な、ピストンポンプに関する。
従来から、液化天然ガスを燃料とするディーゼル機関は、車両等において使用されてきた。しかしながら、近年、特に重油系燃料を用いる低速ディーゼル機関のNOX 、SOX 等の排出量を減少させて排出環境性能を向上させるために、高圧の天然ガスを機関のシリンダ内に噴射して燃焼させる高圧ガス噴射型低速2サイクルディ一ゼル機関の開発が進められている。高圧ガス噴射型低速2サイクルディ一ゼル機関は、比較的大型のディ一ゼル機関であり、一般的には船舶等に使用される。
一方、船舶等においては、液化ガス供給装置をガス危険区域へ配置することができることが必要であり、そのために安全性に優れた液化ガス供給装置の開発が進められている(例えば、特許文献1参照)。この液化ガス供給装置において、低温の液化天然ガスを所望の圧力まで昇圧して吐出し、その高圧の液化天然ガスを加熱して気化させる加熱装置へ供給するための昇圧機器として、ピストンポンプが使用される。
この従来のピストンポンプは、例えば、次のような構成を有している(例えば、特許文献2及び3参照)。ピストンポンプのシリンダ内のシリンダライナ、シリンダヘッド室、シリンダライナ内に挿入されるピストン、シリンダヘッド室内に配設されるバルブヘッド、シリンダに取り付けられるシリンダヘッドが配設される。シリンダヘッド室は、シリンダライナとシリンダヘッドとの間のシリンダ内に設けられる。
ピストンは、コントローラにより制御された油圧ポンプなどを駆動源として、クランク機構などの運動変換機構を介して、シリンダライナ内を往復動する。シリンダは液体燃料の供給口を有し、低温の液体燃料がこの供給口を通して比較的低圧でシリンダヘッド室内に導かれる。
ピストンより加圧された液体燃料は、吐出口を通して高圧で外部へ吐出される。シリンダヘッド内には、吐出口に連通する吐出路が軸方向に穿設される。シリンダライナは、バルブヘッド側にバルブ収容室を有し、バルブ収容室内には吸入弁が配設される。ピストンは、シリンダライナ内に図示下方から軸方向に液密に挿入され、その先端領域に複数、例えば7つのピストンリング溝が削成され、各ピストンリング溝にはピストンリングがそれぞれ取り付けられる。
液体燃料の吸入路が、バルブヘッドの外周部から上述の吸入弁の領域にあるシリンダライナ側の端部に連通するように穿設されている。また、バルブヘッドには、シリンダライナ側からシリンダヘッドの吐出路及び吐出口へ連通する吐出路が穿設され、この吐出路内のシリンダライナ側には吐出弁が配設される。
吐出弁は、内部に配設されたばねの付勢力により、シリンダライナ側の先端部がバルブヘッドの出口開口部の近傍の端面に当接することにより閉弁する。吐出弁は、圧縮行程時にピストンが伸長し始めると、出口開口部側からの液体燃料の圧力で開弁すると共に、ピストンの最大伸長位置で、ピストンの先端部が出口開口部を閉鎖すると、出口開口部側から受ける液体燃料の圧力が低下し、内部に配設されたばねの付勢力により閉弁する。
上述の従来のピストンポンプにおいて、吸入行程時にピストンが図示下方へ縮退し始めると、バルブ収容室内などが極低圧となり、この時に発生する吸引力によって、低温の液体燃料が吸入路と吸入弁とを介してシリンダライナ内に吸入される。
また、圧縮行程においてポンプピストンが伸長し始めると、圧力ばねの付勢力により吸入弁が閉弁する一方、上述のように吐出弁が開弁する。これにより、シリンダライナ内に吸入された液体燃料が高圧で吐出路及び吐出口を介して外部へ吐出される仕組みである。
特開2012−177333号公報 特許第5519857号公報 特開2012−2224号公報
上述のように、従来のピストンポンブは、ピストンの先端領域に複数、例えば図5に示すように、7つのピストンリング溝101が削成され、各ピストンリング溝101にはピストンリング102がそれぞれ取り付けられる。すなわち、7つのピストンリング102が共働して高圧の液体燃料から受ける圧力を分散させて均等に受けるようにし、7つのピストンリング102の全体で液密性を維持するように設計される。
しかしながら、図5に示すように、7つのピストンリング102が取り付けられていても、実際には、高圧の液体燃料は主に高圧側の、すなわちピストンの先端部側の高々3つ程度のピストンリングによってシールされ、残りの基部側の4つのピストンリングは、これら高圧側のピストンリングが摩耗等によってその機能を失ったときに、初めてシールとしての機能を発揮するにようになる。
ここで、ピストンリングの寿命は、一般的には、ピストンリングのリング間の差圧によって生じる角部の摩耗、シリンダライナとの摺動による摺動面の摩耗、また、1つのピストンリングが例えば2つのピストンリング体が軸方向に重ねられて形成されている場合には、それらの合わせ面の相対すべりによる摩耗などにより決定される。
そして、これらの各部の摩耗量は各ピストンリングに軸方向に加わる作動圧力に依存し、隣接する2つのピストンリング間の圧力差が大きくなる程、ピストンリングの寿命は短くなる。すなわち、従来のピストンポンプにおいては、先端部側の3つのピストンリングや、基部側の4つのピストンリングの寿命が、実際には局所的に加わる高い作動圧力によってそれぞれ極端に短くなり、ピストンポンプ全体としてのピストンリングの寿命が、想定されているものよりも格段に短くなるという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、隣接するピストンリングの間の圧力差を小さくして各ピストンリングの寿命をそれぞれ可能な限り長くし、以ってピストンポンプ全体の耐久性を著しく高めるようにした、ピストンポンプを提供することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明のピストンポンプは、内部にシリンダライナが配設されたシリンダと、シリンダライナ内に往復動可能に挿通されたピストンと、シリンダの先端部に取り付けられるシリンダヘッドと、シリンダ内のシリンダライナとシリンダヘ
ッドとの間に画成されるシリンダヘッド室と、シリンダヘッド室内に配設されるバルブヘッドと、バルブヘッド内に穿設されてシリンダヘッド室とシリンダライナ内とを連通させる吸入路と、ピストンの吸入行程時に吸入路を開弁させると共にピストンの圧縮行程時に吸入路を閉弁させる吸入弁と、被吐出物を外部へ吐出するための吐出路と、ピストンの吸入行程時にシリンダヘッドに設けた吐出路を閉弁させると共にピストンの圧縮行程時に吐出路を開弁させる吐出弁と、ピストンの外周部に配設される複数のピストンリングと、ピストン内に配設されてシンリダライナとバルブヘッドとピストンの上端部とにより画成される吐出室からシンリダライナとピストンの外周部と複数のピストンリングの任意の隣接する2つのピストンリングとにより画成されるリング間隙間までを連通させる連通路と、ピストンに配設されて吐出室内の被吐出物の圧力を減圧して連通路を介してリング間隙間へ供給する圧力制御弁とを備えたことにある。
このように、本発明のピストンリングは、ピストン内に配設されてシンリダライナとバルブヘッドとピストンの上端部とにより画成される吐出室から、シンリダライナとピストンの外周部と複数のピストンリングの任意の隣接する2つのピストンリングとにより画成されるリング間隙間までを連通させる連通路と、ピストンに配設されて吐出室内の被吐出物の圧力を減圧して連通路を介してリング間隙間へ供給する圧力制御弁とを備えたことにより、複数のピストンリングの任意の隣接する2つのピストンリングの間に形成されるリング間隙間に、圧力制御弁により減圧された被吐出物によって一定の圧力をかけることができ、連通路の出口が開口するリング間隙間よりも先端部側のピストンリングに対して、吐出室内の被吐出物の圧力よりも低い背圧をかけることができる。
したがって、連通路の出口が開口するリング間隙間よりも先端部側の各ピストンリングに対する作動差圧をそれぞれ減少させることができ、これらの各ピストンリングの寿命を大幅に延ばすことができる。
一方、連通路の出口が開口するリング間隙間よりも基部側のピストンリングについては、先端部側のピストンリングの寿命が失われた段階で一気に高い圧力が加わるのではなく、最初から低い圧力をかけて、ピストンホンプの複数のピストンリングが受ける作動圧力を分散させて可能な限り均等になるようにし、以ってこれら複数のピストンリングが共働してシールとして作動するようにして、複数のピストンリングの全体で液密性を維持するようにしたから、ピストンポンプ全体の耐久性を著しく高めることができる。
上記ピストンポンプにおいて、圧力制御弁は、吐出室の圧力を予め設定された一定圧だけ減圧してリング間隙間へ供給する減圧弁からなることが望ましい。本ピストンポンプの減圧弁は、シリンダライナ内を往復動するピストンに配設されるものであるから、構造が極力簡易なものであることが望ましい。上記ピストンポンプにおいて、圧力制御弁を吐出室の圧力に対して予め設定された一定圧だけ減圧して上記リング間隙間へ供給する減圧弁としたから、構造的にも極めて簡易である。
上記ピストンポンプにおいて、減圧弁は、弁体と弁座と弁を弁座に付勢するばねとを有し、吐出室内の被吐出物の圧力がリング間隙間に対して上記一定圧を超えて上昇するとばねの付勢力に抗して開弁する直接作動型の減圧弁であることが望ましい。直接作動型の減圧弁は、構造が簡易でありピストンに容易に配設することができると共に、極めて応答性に優れた減圧弁であるから、高圧下でのピストンの繰り返しの往復動にもかかわらず、最適に減圧された被吐出物の圧力を上記リング間隙間へ確実に供給することができる。
上記ピストンポンプにおいて、減圧弁は、被吐出物を圧縮行程における被吐出物の吐出室内の最大圧力の30〜70%の圧力に減圧してリング間隙間へ供給することが望ましい。このように、減圧弁は、被吐出物を圧縮行程における被吐出物の最大圧力の30〜70
%の圧力に減圧して上記リング間隙間へ供給することにより、特にピストンリングについて摩耗等の可能性が最も高くなる圧縮行程における被吐出物の最大圧力時に、複数のピストンリングに加わる作動差圧が均一化され、これら複数のピストンリング全体で液密性を維持することができるようになる。これにより、各ピストンリングの寿命を大幅に延ばすことができ、ピストンポンプ全体の耐久性を一段と高めることができる。
上記ピストンポンプにおいて、リング間隙間は、ピストンリングの数が偶数(2n:nは1以上の整数)個の場合及びピストンリングの数が奇数(2n+1:nは1以上の整数)個の場合にはピストンの先端部側から数えて第n番目のピストンリングと第(n+1)番目のピストンリングとの間に形成されることが望ましい。
このように、ピストンリングの数が偶数(2n:nは1以上の整数)個の場合には、それら中央のリング間隙間へ、また、ピストンリングの数が奇数(2n+1:nは1以上の整数)個の場合には、中央よりも1つ先端部側のリング間隙間へ減圧された被吐出物の圧力を供給することにより、複数のピストンリングに加わる作動差圧がより均一化され、これら複数のピストンリング全体で液密性を維持することができるようになる。これにより、各ピストンリングの寿命をさらに延ばすことができ、ピストンポンプ全体の耐久性を一層と高めることができる。
本発明のピストンポンプは、内部にシリンダライナが配設されたシリンダと、シリンダライナ内に往復動可能に挿通されたピストンと、シリンダの先端部に取り付けられるシリンダヘッドと、シリンダ内のシリンダライナとシリンダヘッドとの間に画成されるシリンダヘッド室と、シリンダヘッド室内に配設されるバルブヘッドと、バルブヘッド内に穿設されてシリンダヘッド室とシリンダライナ内とを連通させる吸入路と、ピストンの吸入行程時に吸入路を開弁させると共にピストンの圧縮行程時に吸入路を閉弁させる吸入弁と、被吐出物を外部へ吐出するための吐出路と、ピストンの吸入行程時にシリンダヘッドに設けた吐出路を閉弁させると共にピストンの圧縮行程時に吐出路を開弁させる吐出弁と、ピストンの外周部に配設される複数のピストンリングと、ピストン内に配設されてシンリダライナとバルブヘッドとピストンの上端部とにより画成される吐出室からシンリダライナとピストンの外周部と複数のピストンリングの任意の隣接する2つのピストンリングとにより画成されるリング間隙間までを連通させる連通路と、ピストンに配設されて吐出室内の被吐出物の圧力を減圧して連通路を介してリング間隙間へ供給する圧力制御弁とを備える。
したがって、隣接するピストンリングの間の圧力差を小さくして各ピストンリングの寿命をそれぞれ可能な限り長くし、以ってピストンポンプ全体の耐久性を著しく高めることができる、という優れた効果を奏する。
本発明に係るピストンポンプを示す軸方向断面図である。 図1のピストンの要部を示す軸方向断面図である。 図2の各ピストンリングの詳細を示す軸方向断面図である。 図2の各ピストンリングが受ける圧力分布を示す図である。 従来のピストンポンプの各ピストンリングが受ける圧力分布を示す図である。
本発明に係るピストンポンプを実施するための形態を、図1ないし図4を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一例としてのピストンポンプであり、例えば、船舶等に使用されるもので、高圧の液化天然ガス(被吐出物)を噴射して燃焼させる高圧ガス噴射型低速2サイクルディーゼル機関の液化ガス供給装置に使用されるピストンポンプ1を示す。このピストンポンプ1は、供給された低温の液化ガスを所望の圧力まで昇圧して吐出し、加熱装置へ供給する。加熱装置は、低温の液化ガスを加熱して気化させる。
図1に示すように、ピストンポンプ1には、内部にシリンダライナ3が液密に配設されたシリンダ2と、シリンダライナ3の基部側からシリンダライナ3内を液密に往復動可能に挿通されたピストン5と、シリンダ2の先端部に液密に取り付けられるシリンダヘッド7と、シリンダ2内のシリンダライナ3とシリンダヘッド7との間に画成されるシリンダヘッド室4と、シリンダヘッド室4内に配設されるバルブヘッド6と、バルブヘッド6内に穿設されてシリンダヘッド室4とシリンダライナ3内とを連通させる複数の吸入路17とが配設される。
吸入路17の出口に、吸入弁14が配設されている。吸入弁14は、例えば、図示しない平板リング状に形成されたバルブプレートと、このバルブプレートを閉弁側へ付勢するばねとからなる。吸入弁14は、ピストン5の吸入行程時に吸入路17を開弁させると共に、ピストン5の圧縮行程時に吸入路17を閉弁させる。
バルブヘッド6の内部に吐出弁11が配設される。吐出弁11は、ピストン5の吸入行程時にシリンダヘッド7に設けた吐出路10を閉弁させると共に、ピストン5の圧縮行程時に吐出路10を開弁させる。なお、吐出弁11はシリンダヘッド7内に配設される場合もある。
シリンダヘッド室4は、シリンダライナ3とシリンダヘッド7との間のシリンダ2内に、周方向の360°にわたり連通するように設けられている。ピストン5は、いずれも図示しないコントローラにより制御された油圧ポンプなどを駆動源として、クランク機構などの運動変換機構を介してシリンダライナ3内を往復動する。シリンダ2は液体燃料の供給口8を有し、低温の液体燃料がこの供給口8を介して比較的低圧でシリンダヘッド室4内へ供給される。
ピストン5より加圧された低温の液体燃料は、シリンダヘッド7の吐出口9を介して高圧で外部へ吐出される。シリンダヘッド7内には、シリンダヘッド7の吐出口9に連通する1つの吐出路10が軸方向に穿設されている。
ピストン5は、その先端領域に複数の、例えば7つのピストンリング溝18が削成され、それぞれにピストンリング19が取り付けられる。すなわち、例えば7つのピストンリング19(複数)が配設される。
図3に示すように、各ピストンリング19は、2つのピストンリング体19aが軸方向に重ねられて形成されており、ピストンリング溝18内には、これら2つのピストンリング体19aを半径方向外側へ付勢してシリンダライナ3へ押圧するためのばね19bが配設されている。
2つのピストンリング体19aはそれぞれC字型に形成され、C字型の開口部、すなわ
ち合口部は相互に円周方向にずらして、例えば相互に180°だけずらして配設される。これにより、各ピストンリング19の2つのピストンリング体19aの合口部が軸方向に貫通することによって起こる、液体燃料の洩れを防止している。
バルブヘッド6には、ピストン5側の端面からシリンダヘッド7の吐出路10へ連通する出口開口部21が穿設される。吐出弁11は外周部に複数の流入孔を有する一方、先端部には流入孔が形成されていないから、この先端部が、内部のばねの付勢力によって出口開口部21の近傍の、バルブヘッド6側の端面に当接することにより閉弁する。
吐出弁11は、圧縮行程時にピストン5がバルブヘッド6側へ伸長し始めると、ピストン5側からの液体燃料の圧力によって、内部のばねの付勢力に抗して開弁すると共に、ピストン5の最大伸長時に、ピストン5の最先端部30がバルブヘッド6の出口開口部21に当接することにより出口開口部21が塞がれるため、出口開口部21側から液体燃料によって受ける圧力が急激に低下して、内部のばねの付勢力によって、バルブヘッド6の出口開口部21の近傍のシリンダヘッド7側の端面に当接して、再び閉弁する。
図2に示すように、ピストン5の先端部30の内部に、シンリダライナ3の内周部とピストン5の先端部30と図1に示すバルブヘッド6の下端部とにより画成される吐出室12から、シンリダライナ3の内周部とピストン5の外周部とにより画成される隙間であって、ピストン5の先端部30から数えて第3番目ピストンリング19と第4番目のピストンリング19との間に形成されるリング間隙間13までを連通させる連通孔(連通路)31が配設される。
連通孔31は、プラグ32に配設されたプラグ連通孔33と、ピストン5に配設されたピストン連通孔35と、ピストン5の半径方向の中心部に設けられてピストン5の吐出室12側から基部側へ軸方向に延びる有底内円柱状の凹部からなるバルブ収容室36とにより形成される。バルブ収容室36の内部に、減圧弁(圧力制御弁)40が配設される。ピストン連通孔35は、バルブ収容室36からピストン5の半径方向外側へ延び、1つ又は複数個が配設される。
プラグ32は、ピストン5のバルブ収容室36に吐出室12側から液密に螺合して取り付けられ、プラグ連通孔33が、その半径方向の中心部に軸方向に貫通して配設されている。プラグ32のプラグ連通孔33の出口の外周部に、減圧弁40の弁座41が形成される。
減圧弁40は、プラグ32側が開口すると共に軸方向に延びる有底円筒状の弁体支持部43をその中心部に有する弁基部42と、この弁体支持部43に軸方向に摺動自在にプラグ32側から挿入される弁体44と、上述の弁座41と、この弁体44を弁座41側へ付勢するコイルばね45とにより形成される。弁体44の弁座41側には、この弁座41を取り囲むように着座するリング状の弁部46が突設されている。
減圧弁40は、ピストン5の吐出室12内の液体燃料の圧力(P1)を一定圧(ΔP)だけ減圧して低い圧力(P2)にして、上述のリング間隙間13へ供給する。詳細には、減圧弁40は、圧縮行程における最大圧力時に、液体燃料の圧力の30%〜70%の圧力に、好ましくは40%〜60%の圧力に、最も好ましくは50%前後の圧力に減圧して、ピストン5の先端部30側から数えて第3番目のピストンリング19と第4番目のピストンリング19との間に形成されるリング間隙間13へ供給するように設定されている。
ここで、圧縮行程における最大圧力時に液体燃料の圧力を50%に減圧してリング間隙間13へ供給する場合、例えば、最大圧力の40MPaが20MPaまで減圧されて、ピ
ストン5の先端部30から数えて第3番目ピストンリング19と第4番目のピストンリング19との間のリング間隙間13へ供給される。
したがって、最も摩耗等の可能性が高くなる圧縮行程における液体燃料の最大圧力時に、図4に示すように、7つのピストンリング19に加わる作動差圧が均一化され、これら7つのピストンリング19の全体で液密性を確保することができる。これにより、各ピストンリング19の寿命を大幅に延ばすことができ、ピストンポンプ1全体の耐久性をさらに高めることができる。
減圧弁40は、弁体44と弁座41と、この弁体44を弁座41に付勢するコイルばね45とからなり、ピストン5の吐出室12内の液体燃料の圧力(P1)が、ピストン5の先端部30から数えて第3番目ピストンリング19と第4番目のピストンリング19との間のリング間隙間13の圧力を一定圧(ΔP)だけ超えて上昇すると、コイルばね45の付勢力に抗して開弁する直接作動型の減圧弁である。
直接作動型の減圧弁40は、構造が簡易でありピストン5内に容易に配設することができると共に、極めて応答性に優れているから、高圧下でのピストン5の繰り返しの往復動にもかかわらず、最適に減圧された圧力(P2)を上述のリング間隙間13へ確実に供給することができる。
なお、減圧弁40は必ずしも直接作動型の減圧弁に限定されるものではなく、他の作動形式の減圧弁であってもよいことは勿論である。また、減圧弁は圧力制御弁の一種であり、ピストン5の吐出室12内の液体燃料の圧力(P1)を低めてリング間隙間13へ低圧の圧力(P2)を供給する装置は、必ずしも減圧弁に限定されるものではなく、他の方式の圧力制御弁でもよい。
上述のように、本発明のピストンポンプ1は、シンリダライナ3の内周部とバルブヘッド6の下端部とピストン5の先端部30とにより画成される吐出室12から、シンリダライナ3の内周部とピストン5の外周部とピストン5の先端部30から数えて第3番目のピストンリング19と第4番目のピストンリング19とにより画成されるリング間隙間13までを連通させる連通孔31と、シリンダライナ5の吐出室12内の液体燃料の圧力を減圧して、連通孔31を介して上述のリング間隙間13へ供給する減圧弁40とを備えたことにより、減圧された液体燃料によってリング間隙間13へ一定の圧力をかけることができ、連通孔31の出口が開口するリング間隙間13よりもピストン5の先端部30側のピストンリング19に対して一定の背圧をかけることができる。
したがって、連通孔31の出口が開口するリング間隙間13よりもピストン5の先端部30側の3つのピストンリング19の作動差圧を減少させることができ、これらの3つのピストンリング19の寿命を大幅に延ばすことができる。
この一方、連通孔31の出口が開口するリング間隙間13よりも基部側の4つのピストンリング19に関しては、ピストン5の先端部30側のピストンリング19の寿命が失われた段階で一気に高い圧力(P1)が加わるのではなく、最初から低い圧力(P2)をかけて、7つのピストンリングが高圧の液体燃料から受ける圧力を分散させて可能な限り均等になるようにし、ピストンリング19の全体で液密性を維持するようにしたから、ピストンポンプ1全体の耐久性を著しく高めることができる。ここで、ピストン5の最基部側の1つのピストンリング19は、図4に示すように、補助リングとして作動する。
なお、ピストンリング19の数が偶数2n〔nは1以上の整数〕個の場合、及び、上述のようにピストンリング19の数が本ピストンポンプ1のように奇数(2n+1)〔nは
1以上の整数〕個の場合には、いずれもピストン5の先端部30側から数えて第n番目のピストンリング19と第(n+1)番目のピストンリング19との間に形成される隙間を上述のリング間隙間13とすることが望ましい。
このように、ピストンリング19の数が偶数(2n:nは1以上の整数)個の場合には、それらピストンリング19の中間部の隙間へ、また、ピストンリング19の数が奇数(2n+1:nは1以上の整数)個の場合には、それらピストンリング19の中間部よりも1つピストン5の先端部30側のリング間隙間13へ、それぞれ減圧された液体燃料の圧力(P2)をかけることにより、これら複数のピストンリング19に加わる作動差圧がより均一化され、複数のピストンリング19の全体で液密性を維持することができるようになる。これにより、各ピストンリング19の寿命をさらに延ばすことができ、ピストンポンプ1全体の耐久性を一段と高めることができる。
なお、上述のピストンポンプ1は一例にすぎず、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。例えば、ピストンポンプの中には、ピストンの先端部に、圧縮行程の最終段階でバルブヘッドの出口開口部に挿入される突起を有するものもあるが、その場合には吐出室からリング間隙間までを連通させる連通孔の入口開口部を、例えばピストン先端部の突起の周囲などに設けるようにすれば、本ピストンポンプ1と同様のピストンポンプを形成することもできる。
本発明のピストンポンプは、上述の低温の液体燃料用のピストンポンプとしてのみならず、一般のピストンポンプとしても広く利用可能である。
1 ピストンポンプ
2 シリンダ
3 シリンダライナ
4 シリンダヘッド室
5 ピストン
7 シリンダヘッド
6 バルブヘッド
8 供給口
9 吐出口
10 吐出路
11 吐出弁
12 吐出室
13 リング間隙間
14 吸入弁
17 吸入路
18 ピストンリング溝
19 ピストンリング
19a ピストンリング体
19b ばね
21 出口開口部
30 先端部
31 連通孔(連通路)
32 プラグ
33 プラグ連通孔
35 ピストン連通孔
36 バルブ収容室
40 減圧弁(圧力制御弁)
41 弁座
42 弁基部
43 弁体支持部
44 弁体
45 コイルばね
46 弁部
P1,P2,ΔP 圧力

Claims (5)

  1. 内部にシリンダライナ(3)が配設されたシリンダ(2)と、前記シリンダライナ内に往復動可能に挿通されたピストン(5)と、前記シリンダの先端部に取り付けられるシリンダヘッド(7)と、前記シリンダ内の前記シリンダライナと前記シリンダヘッドとの間に画成されるシリンダヘッド室(4)と、前記シリンダヘッド室内に配設されるバルブヘッド(6)と、前記バルブヘッド内に穿設されて前記シリンダヘッド室と前記シリンダライナ内とを連通させる吸入路(17)と、前記ピストンの吸入行程時に前記吸入路を開弁させると共に前記ピストンの圧縮行程時に前記吸入路を閉弁させる吸入弁(14)と、被吐出物を外部へ吐出するための吐出路(10)と、前記ピストンの吸入行程時に前記シリンダヘッドに設けた吐出路を閉弁させると共に前記ピストンの圧縮行程時に前記吐出路を開弁させる吐出弁(11)と、前記ピストンの外周部に配設される複数のピストンリング(19)と、前記ピストン内に配設されて前記シンリダライナと前記バルブヘッドと前記ピストンの上端部とにより画成される吐出室(12)から前記シンリダライナと前記ピストンの外周部と前記複数のピストンリングの任意の隣接する2つのピストンリングとにより画成されるリング間隙間(13)までを連通させる連通路(31)と、前記ピストンに配設されて前記吐出室内の被吐出物の圧力(P1)を減圧して前記連通路を介して前記リング間隙間へ供給する圧力制御弁(40)とを備えたことを特徴とするピストンポンプ。
  2. 前記圧力制御弁は、前記吐出室(12)の圧力(P1)を予め設定された一定圧(ΔP)だけ減圧して前記リング間隙間(13)へ供給する減圧弁(40)からなることを特徴とする請求項1に記載のピストンポンプ。
  3. 前記減圧弁(40)は、弁体(44)と弁座(41)と前記弁を前記弁座に付勢するばね(45)とを有し、前記吐出室(12)内の被吐出物の圧力(P1)が前記リング間隙間(13)に対して前記一定圧(ΔP)を超えて上昇すると前記ばねの付勢力に抗して開弁する直接作動型の減圧弁であることを特徴とする請求項2に記載のピストンポンプ。
  4. 前記減圧弁(40)は、前記被吐出物を圧縮行程における最大圧力時に前記被吐出物の前記吐出室(12)内の圧力の30〜70%の圧力に減圧して前記リング間隙間(13)へ供給するように設定されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のピストンポンプ。
  5. 前記リング間隙間(13)は、前記ピストンリングの数が偶数(2n:nは1以上の整数)個の場合及び前記ピストンリングの数が奇数(2n+1:nは1以上の整数)個の場合には前記ピストン(5)の先端部(30)側から数えて第n番目の前記ピストンリングと第(n+1)番目の前記ピストンリングとの間に形成されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のピストンポンプ。
JP2016243713A 2016-12-15 2016-12-15 ピストンポンプ Pending JP2018096331A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016243713A JP2018096331A (ja) 2016-12-15 2016-12-15 ピストンポンプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016243713A JP2018096331A (ja) 2016-12-15 2016-12-15 ピストンポンプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018096331A true JP2018096331A (ja) 2018-06-21

Family

ID=62631304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016243713A Pending JP2018096331A (ja) 2016-12-15 2016-12-15 ピストンポンプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018096331A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9605590B2 (en) Crosshead engine
EP1707799B1 (en) Fuel pump having plunger and fuel supply system using the same
US10087831B2 (en) Engine
US10041457B2 (en) Pump unit
JP2018506677A (ja) プランジャアセンブリ
EP3296539B1 (en) Oil pressure generating device and crosshead engine
US11692520B2 (en) Fuel injector including valve seat plate having stress-limiting groove
JP3234332U (ja) 直接噴射システム用燃料ポンプ
KR20240058173A (ko) 고압 연료 펌프
CN110945241B (zh) 活塞泵、尤其用于内燃机的燃料高压泵
JP6849892B2 (ja) ピストンポンプ装置
JP2018096326A (ja) ピストンポンプ
JP2018096331A (ja) ピストンポンプ
CN107850010B (zh) 具有进气歧管的多柱塞低温泵
JP2019011859A (ja) ピストンポンプのロッドパッキン
CN109209852B (zh) 活塞泵的杆密封件
JP2019090454A (ja) ピストンリング
JP2005147096A (ja) 燃料噴射ポンプのデリベリバルブ
JP2024522883A (ja) ポンプ、特に燃料噴射ポンプ
CN118414484A (zh) 活塞泵
JP2011094529A (ja) 燃料供給ポンプ

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20180612