JP2005147096A - 燃料噴射ポンプのデリベリバルブ - Google Patents

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徹 小川
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雅道 田中
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Abstract

【課題】デリベリホルダと環状スリーブとのシール面であるデリベリホルダ端面にかかる圧力を低減させ、キャビテーションエロージョンの発生を防ぐことができる構造を有する燃料噴射ポンプのデリベリバルブを提供すること。
【解決手段】筒状のデリベリホルダ31と、該デリベリホルダ31の内面に嵌合される環状スリーブ32とを有する燃料噴射ポンプのデリベリバルブ30において、前記環状スリーブ32の外周面に外周溝40を設け、該外周溝40にダンパーリング41を上下摺動自在に装着するとともに、前記ダンパーリング41が前記外周溝40の上面に圧接した状態で、前記デリベリホルダ31の内周面31aと前記環状スリーブ32の外周面との間に形成される空間のうち、前記ダンパーリング41よりも上部の空間と、該ダンパーリング41よりも下部の空間とを連通させるキリ穴43を、前記環状スリーブ32に設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料噴射ポンプにおけるデリベリバルブの構造に関する。
従来から、プランジャバレル内にてプランジャを上下摺動させることで圧送される燃料を、複数の吐出弁へ送出し、各吐出弁から燃料噴射ノズルへ圧送する構成とするディーゼル機関用の燃料噴射ポンプが知られている。
この燃料噴射ポンプにおいては、燃料の圧送を行うためや、燃料の噴射が終了した時、噴射ノズルへの通路の圧力を所定の圧力まで急激に下げ、燃料噴射ノズルの作動を確実にして噴射の切れを良くする吸い戻しを行うため、また、次の噴射が行われるまで噴射ノズルへの通路内の圧力を保つためにプランジャ室と噴射ノズルへの通路との間を遮断するため、プランジャ室と噴射ノズルへの通路との間にデリベリバルブが設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
以下、特許文献1に開示されているデリベリバルブの構造について、図8を用いて説明する。図8はデリベリバルブの従来構造を示す断面図である。
デリベリバルブ130は、筒状のデリベリホルダ131と、このデリベリホルダ131の内面に嵌合される環状スリーブ132と、この環状スリーブ132内を摺動する逆止弁133とを備えている。
環状スリーブ132は、該環状スリーブ132の下部に形成されている大径部132aの上面にデリベリホルダ131の下端面が接触するように、デリベリホルダ131に入口側(プランジャ側)から嵌合しており、この環状スリーブ132の大径部132aの上面とデリベリホルダ131の下端面との間をシール面1Sとしている。すなわち、このデリベリバルブ130においては、デリベリホルダ131と環状スリーブ132とのシール面1Sにプランジャから圧送された燃料の圧力がかかるため、環状スリーブ132をデリベリホルダ131に嵌合した状態で、デリベリホルダ131を締め付け、塑性変形させて前記シール面1Sにおいてデリベリホルダ131と環状スリーブ132とをメタルシールしている。
また、環状スリーブ132の上開口端部の内周側には、コイルスプリング134を介して閉弁する方向に付勢された逆止弁133が着座している。逆止弁133には、その中心部を貫通して上下流を連通する燃料通路133aが形成されており、この燃料通路133aの入口側開口端部には、コイルスプリング135の張力により、シート部材137に着座した球状の等圧弁136が当接している。
また、環状スリーブ132の下部には、入口通路138が設けられている。
このような構成のデリベリバルブが、燃料噴射ポンプのプランジャ室と噴射ノズルへの通路との間に設けられ、ポンプの燃料圧送開始からその終了にかけての燃料の圧送と、その逆流防止及び吸い戻しを行っている。
具体的には、まず、プランジャが上昇して燃料の圧縮行程が開始され、プランジャからの噴射圧力が入口通路138を介して環状スリーブ132内において作用する。すると、逆止弁133がコイルスプリング134に抗して上昇し、図示しない噴射ノズルに向けてデリベリホルダ131に形成された出口通路139へと燃料を通過させ、燃料を圧送する。この燃料の噴射が終了し、入口側の圧力が低下すると、噴射ノズルの作動を確実にして燃料の噴射の切れを良くするための吸い戻しが行われる。そして、次の噴射が行われるまで噴射ノズルへの通路内の圧力を保つため、逆止弁133は環状スリーブ132の上端部に着座して、デリベリホルダ131と環状スリーブ132との連通を閉ざして燃料の逆流を阻止する。
また、噴射終了後の出口通路139内の圧力が設定値より高いときは、この高圧を受けてコイルスプリング135を押し縮めながら等圧弁136が下降し、燃料通路133aを開いて高圧燃料の一部を入口通路138及びプランジャ側へと逃がすようになっている。これにより、噴射終了後の出口通路139を高圧状態に保持して、燃焼ガス圧力などの作用で噴射ノズルが不用意に開かないようにするとともに噴射特性を安定させている。
特開平11−44274号公報
しかし、上述のような従来のデリベリバルブの構造においては、近年のディーゼルエンジンにおける排気エミッション規制に対応する等のための、燃料噴射圧の高圧化にともない、前記シール面1Sにキャビテーションエロージョン(流体が高速で管内を流れる時に、継手近傍に負圧部分ができ、そのため流体中に気泡が発生し、この気泡が管壁面に衝突して崩壊する時に発生する衝撃力による材料表面の損傷)が発生する。
以下、従来のデリベリバルブの構造におけるキャビテーションエロージョンの発生の機構について、図9を加えて説明する。図9は従来のデリベリバルブにおけるデリベリホルダ下部圧力の変化を示すグラフである。
上述のようなデリベリバルブ130の一連の動作において、燃料を圧送する際、図9のA部に示すように、逆止弁133が上昇してデリベリホルダ131内が高圧となる。その後、吸い戻しを行うべく逆止弁133が下降する際、デリベリホルダ131内の圧力が急激に下がることとなる。この時、図9のB部に示すように、逆止弁133が下降しデリベリホルダ131内の空洞の容積が増加してデリベリホルダ131内が負圧となり、この負圧が原因でデリベリホルダ131内に気泡が発生する。すなわち、このデリベリホルダ131内における高圧から負圧への圧力差(図9におけるA部からB部)により生じる気泡によって、デリベリホルダ131の環状スリーブ132とのシール面1Sにおけるデリベリホルダ端面にキャビテーションエロージョンが発生する。そして、このキャビテーションエロージョンによる材料表面の損傷からシール性が悪化し、このシール部から油漏れが発生する等の不具合がある。
以上が従来構造においての不具合であり、このような不具合を解決すべく、本発明においては、デリベリバルブ内における圧力差を小さくすることによって、デリベリホルダと環状スリーブとのシール面であるデリベリホルダ端面にかかる圧力を低減させ、キャビテーションエロージョンの発生を防ぐことができる構造を有する燃料噴射ポンプのデリベリバルブを提供することを課題とする。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、筒状のデリベリホルダと、該デリベリホルダの内面に嵌合される環状スリーブとを有する燃料噴射ポンプのデリベリバルブにおいて、前記環状スリーブの外周面に外周溝を設け、該外周溝にダンパーリングを上下摺動自在に装着するとともに、前記ダンパーリングが前記外周溝の上面に圧接した状態で、前記デリベリホルダの内周面と前記環状スリーブの外周面との間に形成される空間のうち、前記ダンパーリングよりも上部の空間と、該ダンパーリングよりも下部の空間とを連通させる連通路を、前記環状スリーブに設けたものである。
請求項2においては、前記デリベリホルダ内周面の、前記外周溝に対面する位置に内周溝を設け、該内周溝及び前記外周溝によって形成される空間に前記ダンパーリングを上下摺動自在に装着したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、プランジャから圧送される燃料の圧力の脈動が、ダンパーリングにより遮断され、デリベリホルダ端面、すなわちデリベリホルダと環状スリーブとのシール面において、キャビテーションエロージョンの発生を防止することができる。これにより、シール面のシール性が保たれ、油漏れの発生を防ぐことが可能となる。
請求項2においては、デリベリホルダが、該デリベリホルダの内周溝に装着されているダンパーリングによって環状スリーブに係止されるので、デリベリホルダの抜け(脱落)を防止することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る燃料噴射ポンプの構成を示す側面断面図、図2は本発明に係るデリベリバルブの構造を示す断面図、図3は環状スリーブを示す斜視図、図4はダンパーリングの作動説明図、図5は本発明に係るデリベリバルブにおけるデリベリホルダ下部圧力の変化を示すグラフ、図6はデリベリバルブにおけるデリベリホルダ下部圧力の変化の従来との比較を示す図、図7は本発明に係るデリベリバルブの別実施例を示す図である。
まず、本発明に係るデリベリバルブ30を有する燃料噴射ポンプ1の概略構成について説明する。なお、本実施の形態では、プランジャと分配軸とを並設する二軸式構造の分配型燃料噴射ポンプを用いて説明するが、本発明はこの構造に限定されるものではない。また、以下の説明においては図1の紙面左側を前側とする。
本発明に係る燃料噴射ポンプ1はディーゼルエンジン機関に搭載されるものであり、この燃料噴射ポンプ1は、図1に示すごとく、ハイドロリックヘッド2とポンプハウジング3を上下に接合して構成されている。
また、ポンプハウジング3の前側には、ガバナ装置4が配されている。
前記ハイドロリックヘッド2には、プランジャバレル8が挿嵌されており、該プランジャバレル8内にプランジャ7が上下摺動自在に内装され、ポンプカム軸5に形設したカム6の回転により、タペットローラー11及びタペット12を介して、プランジャ7が上下移動するように構成されている。ポンプカム軸5にはカム軸フランジ14が固設されており、該カム軸フランジ14を介してエンジンからの駆動力が伝達される。
そして、プランジャ7の上方の空間は燃料圧室19として、図示せぬ燃料供給部から圧送される燃料油をプランジャ7により圧縮するようにしている。
より詳しくは、プランジャバレル8に設けられるメインポートに、前記燃料供給部から圧送された燃料が常時供給される構成となっており、プランジャ7が上下動範囲の下端部(下死点)に位置すると、プランジャバレル8内にて燃料圧室19と前記メインポートとが連通して、該燃料圧室19に燃料が導入される。そして、プランジャ7がカム6により押し上げられて上昇すると、該プランジャ7の外壁により前記メインポートの燃料圧室19への連通口が閉ざされ、燃料圧室19内の燃料はプランジャ7の上昇に伴ってプランジャバレル8を貫通する分配ポート17より分配軸9を介してデリベリバルブ30へ圧送され、該デリベリバルブ30からエンジンのシリンダヘッド部に設けられる燃料噴射弁などを介してエンジンのシリンダー内に噴射される構成となっている。
続いて、本発明に係るデリベリバルブの構成について図2から図4を用いて説明する。
図2に示すように、デリベリバルブ30は、ハイドロリックヘッド2内に嵌装される筒状のデリベリホルダ31と、このデリベリホルダ31の内面に嵌合される環状スリーブ32と、この環状スリーブ32内を摺動する逆止弁33とを備えている。
環状スリーブ32は、該環状スリーブ32の下部に形成されている大径部32aの上面にデリベリホルダ31の下端面が接触するように、デリベリホルダ31に入口側(プランジャ側)から嵌合しており、この環状スリーブ32の大径部32aの上面とデリベリホルダ31の下端面との間をシール面Sとしている。すなわち、このデリベリバルブ30においては、デリベリホルダ31と環状スリーブ32とのシール面Sにプランジャから圧送された燃料の圧力がかかるため、環状スリーブ32をデリベリホルダ31に嵌合した状態で、デリベリホルダ31を締め付け、塑性変形させて前記シール面Sにおいてデリベリホルダ31と環状スリーブ32とをメタルシールしている。
また、環状スリーブ32の上開口端部の内周側には、コイルスプリング34を介して閉弁する方向に付勢された逆止弁33が着座している。逆止弁33には、その中心部を貫通して上下流を連通する燃料通路33aが形成されており、この燃料通路33aの入口側開口端部には、コイルスプリング35の張力により、シート部材37に着座した球状の等圧弁36が当接している。
また、環状スリーブ32の下部には、入口通路38が設けられている。
以下、本発明に係るデリベリバルブの構成の特徴的な部分について説明する。
本発明に係るデリベリバルブ30は、前記環状スリーブ32の外周面に外周溝40を設け、該外周溝40にダンパーリング41を上下摺動自在に装着するとともに、前記ダンパーリング41が前記外周溝40の上面40aに圧接した状態で、前記デリベリホルダ31の内周面31aと前記環状スリーブ32の外周面との間に形成される空間のうち、前記ダンパーリング41よりも上部の空間と、該ダンパーリング41よりも下部の空間とを連通させる連通路としてのキリ穴43を、前記環状スリーブ32に設けたことを特徴としている。
外周溝40は、デリベリホルダ31と環状スリーブ32のシール面Sの上方において環状スリーブ32の外周面に全周に亘って水平に形成される。そして、この外周溝40には、円環状のダンパーリング41が上下摺動自在に装着されている。すなわち、外周溝40は、この外周溝40における環状スリーブ32の外径が、ダンパーリング41の内径よりも小さくなるようにその深さが形成されることでダンパーリング41を装着しており、また、外周溝40の上下幅は、ダンパーリング41の厚さよりも広く形成され、ダンパーリング41は、外周溝40の上面40aと下面40bの間の範囲内で上下方向に摺動可能に装着されている。
また、この外周溝40は、後に詳細に説明するが、高圧流体を逃がすための連通路としての複数のキリ穴43を有している。このキリ穴43は、ダンパーリング41が外周溝40の上面40aに接触した状態で、環状スリーブ32の外周面とデリベリホルダ31の内周面との間の空間を、ダンパーリング41によって分断しないようにするために設けられるものである。そのため、キリ穴43は、外周溝40がその上面40a側にのみ広くなるように該外周溝40と一体的に形成され、また、外周溝40の深さよりも深くなるように、環状スリーブ32の軸心に向けて形成される。
また、キリ穴43は、外周溝40において周方向に等間隔を隔てて複数形成されるのが好ましい。本実施の形態においては、環状スリーブ32の軸心に対して対称に2箇所設けられている。これにより、キリ穴43において環状スリーブ32にかかる圧力が、軸心に対して均等に加わることとなり、環状スリーブ32に横向きの応力が加わることのないようにしている。なお、キリ穴43の形状や設ける個数は、本実施の形態に限定されるものではない。
ダンパーリング41は、耐熱性や耐油性を有するフッ素樹脂などの合成樹脂やゴムなどを素材とする弾性を有する環状部材である。
また、ダンパーリング41は、その内径を、環状スリーブ32の外径よりも小さく、外周溝40における環状スリーブ32の外径よりも大きく形成され、その外径を、該ダンパーリング41が装着される位置のデリベリホルダ31の内径と略同一に形成される。つまり、ダンパーリング41は、その外周面をデリベリホルダ31の内周面31aに接触した状態で、外周溝40内において上下方向に摺動可能に装着されている。
以上のような構成で装着されたダンパーリング41の作動について、図4を用いて説明する。なお、本説明においては便宜上、デリベリホルダ31の内周面と環状スリーブ32の外周面とで形成される空間のうち、ダンパーリング41よりも上部の空間を上部空間46a、下部の空間を下部空間46bとする。
図4(a)は、前記上部空間46aが高圧時におけるダンパーリング41の状態を示す図である。すなわち、デリベリバルブ30による燃料圧送時などである。この上部空間46aの高圧時には、上部空間46aからの圧力がダンパーリング41に下方に向けて作用し、ダンパーリング41は下方に向けて押し付けられる。すなわち、ダンパーリング41の底面41bが外周溝40の下面40bに圧接することによって、デリベリホルダ31の内周面と環状スリーブ32の外周面とで形成される空間が分断される。すなわち、下部空間46bが、ダンパーリング41の底面41bと、環状スリーブ32の外周溝40より下側の外周面と、デリベリホルダ31の内周面31aとで囲まれた閉空間を形成する。これにより、上部空間46aから下部空間46bへ高圧気体が流入するのをシールし、シール面Sに高圧力がかかるのを防ぐことができる。
一方、図4(b)は、上部空間46aが低圧時におけるダンパーリング41の状態を示す図である。すなわち、燃料噴射後のデリベリバルブ30による吸い戻し時などである。この上部空間46aの低圧時には、ダンパーリング41は、低圧となった上部空間46aの圧力と、下部空間46bにおける上述の閉空間内の圧力との圧力差によって上昇し、該ダンパーリング41の上面41aが外周溝40の上面40aに圧接した状態となる。この状態においては、キリ穴43が設けられているため、上部空間46aと下部空間46bとが分断されることはない。つまり、ダンパーリング41が上昇することによって、キリ穴43を介して上部空間46aと下部空間46bとが連通した状態となる。これにより、図4(a)で示した上部空間46aの高圧時において、閉空間となった下部空間46b内にだんだんと溜まっていく高圧流体を、低圧状態となった上部空間46aへとキリ穴43を通じて逃がすことができる。
このように、ダンパーリング41を設けることによって、デリベリホルダ31の下部にかかる圧力は、図5に示すグラフのように変化する。すなわち、図6に示すように、図9に示した従来のデリベリバルブの場合と比較すると、デリベリバルブ30における燃料圧送時などのように、デリベリホルダ31の内周面と環状スリーブ32の外周面とで形成される空間が高圧となる時の、デリベリホルダ31の下部にかかる圧力は小さくなり(図中A部)、また、デリベリバルブ30による吸い戻しが行われる時などのように、デリベリホルダ31の内周面と環状スリーブ32の外周面とで形成される空間が低圧となる時の、デリベリホルダ31の下部にかかる圧力は大きくなり、従来のように負圧となることもない(図中B部)。つまり、ダンパーリング41を設けることにより、デリベリバルブ30内の高圧時及び低圧時それぞれにおいてデリベリホルダ31の下部にかかる圧力差を小さくすることがでる。
以上のような構成により、プランジャ7から圧送される燃料の圧力の脈動が、ダンパーリング41により遮断され、デリベリホルダ31端面、すなわちデリベリホルダ31と環状スリーブ32とのシール面Sにおいて、キャビテーションエロージョンの発生を防止することができる。これにより、シール面Sのシール性が保たれ、油漏れの発生を防ぐことが可能となる。
また、本発明に係るデリベリバルブ30は、次のように構成することもできる。以下、デリベリバルブ30の別実施例について説明する。
本実施例におけるデリベリバルブ30は、デリベリホルダ31内周面の、前記外周溝40に対面する位置に内周溝45を設け、該内周溝45及び前記外周溝40によって形成される空間に前記ダンパーリング41を上下摺動自在に装着したことを特徴としている。
すなわち、図7に示すように、内周溝45は、デリベリホルダ31内周面31aの、環状スリーブ32に設けられた外周溝40と対面する位置に全周に亘って水平に形成される。そして、この内周溝45は、その上下幅を環状スリーブ32の外周溝40と略同一、またはそれよりも広く形成され、ダンパーリング41が上昇した際に、該ダンパーリング41の上面41aが外周溝40の上面40aに接触するのを妨げないようにしている。
このように、デリベリホルダ31の内周面に内周溝45を設けた場合、ダンパーリング41は、環状スリーブ32の外周溝40及びデリベリホルダ31の内周溝45によって形成される空間内に装着されることとなる。つまりこの場合、ダンパーリング41は、その外周面を内周溝45の底面45aに接触した状態で上下方向に摺動自在に装着されることとなる。
すなわち、本実施例においてダンパーリング41は、その外径をデリベリホルダ31の内周溝45が設けられている位置の内径と略同一としており、環状スリーブ32をデリベリホルダ31に嵌合する際に、ダンパーリング41の弾性を利用して、該ダンパーリング41を縮めた状態で環状スリーブ32とともにデリベリホルダ31内部に嵌合し、ダンパーリング41が前記内周溝45に達した際に通常の状態に弾性復帰して、ダンパーリング41の外周が内周溝45の底面45aに接触した状態となる。
このような構成とすることにより、デリベリホルダ31内が高圧となった場合などに、該デリベリホルダ31が環状スリーブ32から抜けるような状態が発生した際、ダンパーリング41の上面41aが環状スリーブ32の外周溝40の上面40aに、ダンパーリング41の底面41bがデリベリホルダ31の内周溝45の下面45bに、それぞれ当接することによって、デリベリホルダ31の抜けを防止することができる。
つまり、デリベリホルダ31が、該デリベリホルダ31の内周溝45に装着されているダンパーリング41によって環状スリーブ32に係止されるので、デリベリホルダ31の抜けを防ぐことができ、デリベリホルダ31がハイドロリックヘッド2から脱落することを防止することができる。
本発明は、プランジャと分配軸とを並設する二軸式構造の分配型燃料噴射ポンプはもちろんのこと、プランジャが往復摺動及び回転運動し、それ自体に分配機能を持たせた一軸式構造のものや、さらに、列型燃料噴射ポンプにも広く適用可能である。
本発明に係る燃料噴射ポンプの構成を示す側面断面図。 本発明に係るデリベリバルブの構造を示す断面図。 環状スリーブを示す斜視図。 ダンパーリングの作動説明図。 本発明に係るデリベリバルブにおけるデリベリホルダ下部圧力の変化を示すグラフ。 デリベリバルブにおけるデリベリホルダ下部圧力の変化の従来との比較を示す図。 本発明に係るデリベリバルブの別実施例を示す図。 デリベリバルブの従来構造を示す断面図。 従来のデリベリバルブにおけるデリベリホルダ下部圧力の変化を示すグラフ。
符号の説明
1 燃料噴射ポンプ
30 デリベリバルブ
31 デリベリホルダ
32 環状スリーブ
40 外周溝
41 ダンパーリング
43 キリ穴
45 内周溝

Claims (2)

  1. 筒状のデリベリホルダと、該デリベリホルダの内面に嵌合される環状スリーブとを有する燃料噴射ポンプのデリベリバルブにおいて、前記環状スリーブの外周面に外周溝を設け、該外周溝にダンパーリングを上下摺動自在に装着するとともに、前記ダンパーリングが前記外周溝の上面に圧接した状態で、前記デリベリホルダの内周面と前記環状スリーブの外周面との間に形成される空間のうち、前記ダンパーリングよりも上部の空間と、該ダンパーリングよりも下部の空間とを連通させる連通路を、前記環状スリーブに設けたことを特徴とする燃料噴射ポンプのデリベリバルブ。
  2. 前記デリベリホルダ内周面の、前記外周溝に対面する位置に内周溝を設け、該内周溝及び前記外周溝によって形成される空間に前記ダンパーリングを上下摺動自在に装着したことを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射ポンプのデリベリバルブ。
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