JP2018094613A - 高清浄鋼製造のための連続鋳造開始方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入開始直後ないし注入開始初期における溶鋼中金属成分の空気酸化を防止をすること、フラックスの巻き込みを防止することにより、この時期におけるカーボンピックアップによる成分変化やタンディッシュフラックス組成の変化を防ぐこと。【解決手段】取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入に際し、該タンディッシュ内に液状可燃物質を内在させておき、その液状可燃物質を該タンディッシュ内への溶鋼の注入に合わせて燃焼させることを特徴とする高清浄鋼製造のための連続鋳造開始方法。【選択図】図3
Description
本発明は、高清浄溶鋼製造のための連続鋳造開始方法に関し、特に、酸素濃度の低い高清浄性鋼を連続鋳造するのに当たり、主として鋳造開始当初の溶鋼によって製造される鋳片の品質を向上させることによって高清浄性の鋼を得る技術についての提案である。
溶鋼の連続鋳造は、一般に、図1、図2に示すように、精錬が終了し取鍋1に出鋼された溶鋼2を、一旦、タンディッシュ4に注入し滞留させてから、連鋳用鋳型10内に注入する方法である。そして、この連鋳用鋳型10内に注入された溶鋼は、鋳型の内表面から順次に凝固を開始して凝固シェル11が形成された後、ゆっくりとした速度で下方に引き抜かれ、該連鋳用鋳型の直下に配設されている一群の冷却ロール(図示せず)からなる冷却帯を通過する際に、完全な凝固体となる。その後、その凝固体、即ち連続鋳造鋳片は、ガストーチ等で所定の長さに切断され、スラブやブルーム等の鋼鋳片となる。
このような溶鋼の連続鋳造において、取鍋と連鋳用鋳型との間に配置される上記タンディッシュは、該鋳型に供給する溶鋼量のコントロール、溶鋼の均一化、非金属介在物の分離除去等の役割を担っており、連続鋳造作業および鋼鋳片の品質に大きな影響を与える装置である。特に、高清浄性が求められるような溶鋼については、非金属介在物を浮上分離(除去)するのに極めて重要な装置である。
ところで、取鍋からタンディッシュ内ヘの注入を開始した直後の溶鋼は、タンディッシュ内雰囲気の残留酸素や注入流に巻き込まれる大気によって再酸化されやすく、下記式(1)、(2)に示すように、溶鋼中のAl成分と酸素の反応もしくはタンディッシュ内溶鋼表面に存在するスラグ中のSiO2成分やSiO2介在物と溶鋼中のAlとが反応して、Al2O3介在物を生成することとなる。
[Al]+3O→(Al2O3)…… (1)
3(SiO2)+2Al→2(Al2O3)+3[Si]…… (2)
ここで、[ ]は溶鋼中の成分、( )は非金属介在物もしくはスラグであることを示す。
[Al]+3O→(Al2O3)…… (1)
3(SiO2)+2Al→2(Al2O3)+3[Si]…… (2)
ここで、[ ]は溶鋼中の成分、( )は非金属介在物もしくはスラグであることを示す。
上述したAl2O3系介在物の生成現象は、とりわけ鋳造初期のタンディッシュ内の酸素濃度が高いときに顕著であり、例えば、Al2O3介在物の生成が基準量を超過した場合には、鋳片に欠陥が多発し、製品としては不適格なものとなって、スクラップ化することから、歩留まりの低下を招くという問題があった。
そこで、このような問題に対しては、これまでにも種々研究され、従来技術も多い。例えば、タンディッシュ内を耐火物ボードで上下の2室に区画した上で、その下側の空間をまず不活性ガスで満たし、その後、該下側の空間にまで届くロングノズルを介して取鍋内溶鋼を該タンディッシュ内に注入することで、溶鋼の空気酸化の防止を図る技術がある(特許文献1)。また、特許文献2には、鋳込み初期において取鍋からタンディッシュ内へ溶鋼を注入するに際し、該タンディッシュ内の湯面上昇速度を40cm/分以上に限定することにより、注入流落口での気泡巻き込み量を低減する技術が公開されている。さらに、取鍋からタンディッシュ内に溶鋼を注入する際に、ロングノズル中にカルシウム合金あるいはCaO系フラックスを吹き込むことにより、非金属介在物の吸着除去を図る技術も提案されている(特許文献3)。その他に、鋳造開始前にタンディッシュ内に不活性ガスを導入して雰囲気調整すると共に、取鍋からタンディッシュ内への溶鋼の注入開始直後に、ロングノズル挿入孔またはその周辺の隙間から炭素含有燃焼性物質を投入し、このときに発生する燃焼生成ガスにより内部雰囲気の酸素濃度を迅速に低下させる方法もある(特許文献4)。
前述した従来技術のうち、例えば、特許文献1記載の技術の場合、高温下ではタンディッシュ本体と耐火物ボードの隙間を完全に塞いだ状態を永く維持することが困難であり、しかも、耐火物ボートの使用によるコストアップの問題がある。また、特許文献2記載の技術については、タンディッシュ内の湯面上昇速度を40cm/分以上に限定する具体的な手段が明記されていないので、有効な手段の選択ができないという問題がある。さらに、特許文献3に記載されたロングノズルやタンディッシュヘのCaO系フラックスの添加技術の場合、未溶融または溶融した該フラックスがタンディッシュ内にて溶鋼と十分に分離せずに鋳型内に侵入し、鋼鋳片に捕捉されて、非金属介在物に加わるという問題がある。
そして、特許文献4について、この開示技術は、連続鋳造スタート時のタンディッシュに加炭材として「焼きもみ」を添加することにより、タンディッシュ内雰囲気中の酸素濃度を低下させて非金属介在物の低減を図る方法であるが、この方法で用いる「焼きもみ」の成分は、C:30mass%程度、SiO2:90mass%程度であることから、極低炭素鋼〜低炭素鋼などの炭素濃度が低い鋼においては、焼きもみ(加炭材)の燃焼時に溶鋼中の炭素濃度が局所的に高位となる箇所(カーボンピックアップ)が発生し、歩留まりの低下を招く畏れがある。また、「焼きもみ」はSiO2濃度が高いため、上記式(2)によるAl2O3介在物の生成や、タンディッシュフラックスの組成を変化させてしまうことで、タンディッシュフラックスのAl2O3介在物吸収能の低下や物性変化を招く問題もある。
このように、タンディッシュへの注入を開始した直後の溶鋼や取鍋交換時の溶鋼は、空気による酸化やフラックスの巻き込みが起こりやすいため、鋳造初期に製造される鋼鋳片は、後に製造された鋼鋳片に比べて品質が悪く、特に、燃焼性物質に焼きもみ等の加炭材を用いた場合には、成分が規格より外れたり、タンディッシュフラックスが適正範囲から外れるという問題点があった。
そこで、本発明において解決しようとする課題とは、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入開始直後ないし注入開始初期における溶鋼中金属成分の空気酸化を防止をすること、フラックスの巻き込みを防止することにより、この時期におけるカーボンピックアップによる成分変化やタンディッシュフラックス組成の変化を防ぐことにある。
発明者らは、従来技術が抱えている前述の課題を解決するための方法の開発を目指して鋭意研究を重ねた。こうした研究の中で、タンディッシュ内溶鋼の空気酸化を防ぐには、そのタンディッシュ内(雰囲気)のとりわけ注入初期の酸素濃度を低下させることが重要である。そのためには、タンディッシュ内に不活性ガスを導入する方法が有効になると考えられる。このような方法によれば、タンディッシュ内の酸素濃度は、不活性ガスの導入前には20vol.%程度と大気中の値とほぼ変わらなかったものが、ガスの導入後はタンディッシュ内容積に相当する大気を不活性ガスで置換できると共に、タンディッシュの蓋と本体との隙間、バーナー挿入孔、サンプリング孔あるいはロングノズル注入孔などを可能な限り密閉することにより、雰囲気内酸素濃度を1vol.%程度以下にまで低下させ得ることがわかった。
しかし、このような方法においても、少なくとも溶鋼注入孔まわりは、隙間を完全に埋めることは困難な場所であり、そのために、雰囲気内酸素濃度が大きくばらつく他、取鍋交換時にも大気巻込みが発生しやすいため、タンディッシュ内酸素濃度が2〜5vol.%程度にまで悪化するという懸念があった。
そこで、本発明においては、注入初期の前記溶鋼注入孔やその周辺の箇所で生じる隙間に起因するタンディッシュ内雰囲気酸素濃度の上昇を抑えることが、高清浄鋼を製造(連続鋳造)する上で極めて重要になることが分かった。
そのために、本発明においては、前記ロングノズル挿入孔(溶鋼注入孔)、とくに該ロングノズルまわりに生じる隙間部分に、液状可燃物質を供給する他、さらにこの液状可燃物質をバーナー用開口、不活性ガス導入用開口、サンプリング用開口部にも供給することにした。こうすることで、溶鋼と接する該液状可燃物質により、雰囲気内酸素を燃焼させることにした。なお、このときに、該液状可燃物質とタンディッシュフラックスとを混合させたり、該フラックスと該液状可燃物質の混合物をスラリー状態としてそれぞれの個所に供給することも有効である。
即ち、本発明は、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入に際し、該タンディッシュ内に液状可燃物質を内在させておき、その液状可燃物質を該タンディッシュ内への溶鋼の注入に合わせて燃焼させることを特徴とする連続鋳造の開始方法である。
また、上記の構成にかかる本願発明においては、
(1)タンディッシュ内に前記液状可燃物質を内在させる方法は、該タンディッシュのロングノズル挿入孔、その孔周辺の隙間から、タンディッシュ底壁ならびに溶鋼注入側の堰表面に、該液状可燃物質を塗布することであること、
(2)前記タンディッシュ内へ液状可燃物質を内在させる前に、まずタンディッシュ内を不活性ガスにてガス置換を行なうこと、
(3)前記液状可燃物質が菜種油であること、
(4)前記液状可燃物質に対し、タンディッシュ用フラックスを混合し、その混合物をタンディッシュ内に内在させること、
(5)前記フラックスは、下記式(3)
WCaO/WSiO2≧4.0×[Al]/[Si]…(3)
但し、
WCaO:スラグ中のCaOの質量(kg)
WSiO2:スラグ中のSiO2の質量(kg)
[Al]:鋳造前の取鍋内溶鋼中Al含有量(mass%)
[Si]:鋳造前の取鍋内溶鋼中Si含有量(mass%)
の組成を満足するものであることが、より有効な解決手段を提供することができる。
(1)タンディッシュ内に前記液状可燃物質を内在させる方法は、該タンディッシュのロングノズル挿入孔、その孔周辺の隙間から、タンディッシュ底壁ならびに溶鋼注入側の堰表面に、該液状可燃物質を塗布することであること、
(2)前記タンディッシュ内へ液状可燃物質を内在させる前に、まずタンディッシュ内を不活性ガスにてガス置換を行なうこと、
(3)前記液状可燃物質が菜種油であること、
(4)前記液状可燃物質に対し、タンディッシュ用フラックスを混合し、その混合物をタンディッシュ内に内在させること、
(5)前記フラックスは、下記式(3)
WCaO/WSiO2≧4.0×[Al]/[Si]…(3)
但し、
WCaO:スラグ中のCaOの質量(kg)
WSiO2:スラグ中のSiO2の質量(kg)
[Al]:鋳造前の取鍋内溶鋼中Al含有量(mass%)
[Si]:鋳造前の取鍋内溶鋼中Si含有量(mass%)
の組成を満足するものであることが、より有効な解決手段を提供することができる。
前記のように構成される本発明方法によれば、取鍋内の溶鋼をタンディッシュ内へ注入する前に、そのタンディッシュ内から予め酸素をほぼ除去できるようになる。従って、鋳片のカーボンピックアップやタンディッシュフラックス組成の変化などへの影響が無くなることから、連続鋳造の開始直後あるいはその初期や取鍋継ぎ目時に製造された鋼鋳片中の非金属介在物の量が格段に低減し、ひいては鋳片の品質向上及び溶鋼の歩留りの向上が期待できる。しかも、この方法によれば、タンディッシュフラックスの組成にも変化が生じないため、鋳造後半に介在物吸収能の劣化も生じず、高品質を持続できるという効果がある。
以下、本発明を開発するに至った経緯を踏まえ、本発明の実施形態の一例について説明する。
発明者らは、まず従来技術に従う方法として、タンディッシュ4内に不活性ガスを導入することで、雰囲気内酸素濃度を低下させた状態で得た鋳片について評価することにした。即ち、従来法に従い、予め不活性ガスにてタンディッシュ4内ガスの置換を行ない、その後、取鍋1内の溶鋼2を注入した後、その溶鋼表面にタンディッシュフラックス5を投入すると共に、溶鋼2の表面の温度低下を抑制するために、保温材6を添加する方法を実施した(図1、図2参照)。
これに対し、本発明に従う方法としては、予め不活性ガスにてタンディッシュ4の雰囲気内のガス置換を行ない、その後、タンディッシュ4内に溶鋼2を注入する前にまず、菜種油の如き液状可燃物質8をロングノズル挿入孔7(溶鋼注入孔)より内側耐火物、とくに取鍋内溶鋼注入位置と連鋳用鋳型10への流出孔(浸漬ノズル9)との間に設置される堰4aの溶鋼注入位置側の表面に、専用の吹き付け機を使って塗布した(図3参照)。その後、溶鋼を注入した後にタンディッシュフラックス5を投入した。さらに、取鍋1交換時(継ぎ目)には溶鋼高さが変化して、裸湯が露呈しやすくなったので、上記液状可燃物質8(菜種油)の追加投入(図4参照)を行なった。
その結果、図5に示すように、従来法では、雰囲気酸素濃度は、鋳型10への流出孔付近の区画箇所(浸漬ノズル9側)では1vol.%以下に低下できているのに対し、ロングノズル注入孔側付近の位置では、スタート時や取鍋交換継ぎ目時期(1ch→2ch)等に雰囲気酸素濃度は2〜5vol.%程度まで上昇することが分かった。
即ち、この図5から分かるように、従来技術の場合、不活性ガスの導入を実施しても、スタート時や取鍋交換時に酸素濃度が上昇する理由として、主にロングノズル挿入孔(溶鋼注入孔)付近からの酸素の侵入を防止できなかったこと、及び、ロングノズル注入孔からの溶鋼流により前記タンディッシュフラックス5や保温材6の叩き込みが起こることにより、溶鋼の汚染源となる酸素ならびに介在物が溶鋼中で増加したためと考えられる。
これに対し、本発明に従う方法では、図6に示すように、ロングノズル挿入孔7(溶鋼注入孔)付近(とくに堰内)でも雰囲気酸素濃度は0.5vol.%程度に安定して低位となった。このことから、本発明方法では、溶鋼注入と同時にタンディッシュ4の注入孔付近の耐火物や堰表面に塗布された菜種油が燃焼すると同時に、溶鋼2表面付近の雰囲気内残留酸素が燃焼して消滅することに加え、不活性ガスシールとの相乗効果により、酸素濃度を常に低位に保持できたものと考えられる。このことはまた、取鍋交換時の継ぎ目時期においてもスタート時と同様に巻込まれる酸素が燃焼により消滅することとなって、雰囲気酸素濃度の上昇を抑制できると考えられる。
なお、図7は、上述した従来法、発明法において、溶鋼中よりメタルサンプルを採取し、溶鋼中の酸素濃度を分析した結果を示したものである。この図6において、従来方法では、鋳造初期ならびに取鍋交換の継ぎ目時期において、酸素濃度が25ppm以上と高くなっていた。これに対し、本発明方法では、溶鋼中の酸素濃度は鋳造スタート位置や取鍋交換の継ぎ目時期においても15ppm程度で一定になっていることが確認できた。
なお、サンプル中の介在物個数の測定は負荷が大きいため全ては実施していないが、上述した溶鋼サンプルのトータル酸素濃度とほぼ比例する対応があり、トータル酸素値が高い箇所では介在物個数が増大して、品質が悪化する傾向がみられた。
なお、サンプル中の介在物個数の測定は負荷が大きいため全ては実施していないが、上述した溶鋼サンプルのトータル酸素濃度とほぼ比例する対応があり、トータル酸素値が高い箇所では介在物個数が増大して、品質が悪化する傾向がみられた。
次に、発明者らは、従来法において、連々鋳の後半に酸素濃度が上昇していく理由について調査した。なお、従来法において使用した保温材の成分は、SiO2:95mass%、Al2O3:0.5mass%、CaO:0.1mass%、MgO:0.2mass%、Mn:0.03mass%、Fe:0.1mass%、K2O:0.02mass%、Na2O:0.03mass%、フリーカーボン(F.C):0.01mass%であり、カーボン成分はほとんど含まないものである。また、従来法、本発明法に用いたタンディッシュフラックス組成は、CaO:56mass%、SiO2:8mass%、Al2O3:36mass%、塩基度(CaO/SiO2)は7である。
このような条件の下で、従来法、本発明法について、鋳造中にスラグをサンプリングして分析し、塩基度(CaO/SiO2)の変化を調査した。その結果を図8に示す。この図8に示す結果によると、従来法ではスラグ中の塩基度(CaO/SiO2)がタンディッシュフラックスの塩基度に近い値から鋳造時間が長くなるにつれ次第に低くなっている。これに対し、本発明方法では、鋳造時間が長くなっても塩基度はタンディッシュフラックスの値である7付近から変化しないことが分かった。このことは、従来法の場合は、SiO2濃度の高い、保温材を用いていることから、時間の経過と共にそのSiO2成分がタンディッシュフラックスと反応し、塩基度の低下を招いたものとみられる。
以上の実験結果から、本発明において用いるタンディッシュフラックスは、アルミナ介在物の吸収能や粘度を考慮し、単にAl成分やSi成分だけでなく、タンディッシュフラックスの塩基度を適正に管理することが望ましい。
そこで、発明者らは、前述した調査結果から、本発明において用いるタンディッシュフラックスとしては、下記式(3)を満足するような塩基度のものを用いることとすることが好ましい。
CaO/SiO2≧4.0×[Al]/[Si]…(3)
ただし、上記式において、CaO/SiO2はスラグ中の塩基度、
[Al]は鋳造前の取鍋内溶鋼中Al含有量(mass%)、
[Si]は鋳造前の取鍋内溶鋼中Si含有量(mass%)である。
CaO/SiO2≧4.0×[Al]/[Si]…(3)
ただし、上記式において、CaO/SiO2はスラグ中の塩基度、
[Al]は鋳造前の取鍋内溶鋼中Al含有量(mass%)、
[Si]は鋳造前の取鍋内溶鋼中Si含有量(mass%)である。
要するに、上述した知見から、本発明で用いるタンディッシュフラックスとしては、Si濃度が低くAl高い溶鋼では、スラグ中や溶鋼中のSiO2がAl2O3に還元されやすいことから、より高塩基度のものを使用することが好ましいと云える。
しかしながら、該タンディッシュフラックスの塩基度(CaO/SiO2)をあまり高くしすぎると、融点が上昇してしまい、スラグの溶融性が低下してAl2O3介在物の吸収能が低下すること、また鋳造後のタンディッシュ耐火物にスラグが固着して剥離除去ができなくなり、後処理への負荷が大きくなって操業上の阻害が懸念されることから、好ましくは、タンディックスフラックスとしては、上述した式(3)に示すものよりも若干高い塩基度のものを使用することが望ましい。
なお、本発明において用いる、タンディッシュへ注入する時の溶鋼の組成は、Al:0.05mass%、Si:0.05mass%であり、式(3)に対応するタンディッシュフラックスとして、塩基度(CaO/SiO2)4以上のフラックスの使用が望ましい。この点、従来法の場合は、前記保温材のSiO2成分の影響を受けやすいため、塩基度が2〜3チャージ目で目標値である4以上を満たせなくなっている。即ち、図7に示した従来法における酸素値が2〜3チャージ目より上昇していく理由は、タンディッシュフラックスの塩基度が低下し、Al2O3介在物の吸収能が低下したことに起因するものと推定される。
これに対して本発明法においては、菜種油のような液状可燃物質を用いるが、この物質の場合、SiO2成分をほとんど含んでいないため、塩基度の変化が起こらず、酸素濃度も連々鋳の後半まで一定値のままとなる。
ところで、従来から使用されてきた焼もみは、タンディッシュ内の溶鋼温度の低下を抑制するための保温材として使用されてきた。一般的な焼もみの成分は、フリーカーボン(F.C):35〜40mass%、揮発分(V.M.):45〜50vol.%、灰分(ASH):3〜5mass%であり、灰分の組成はSiO2:95mass%、CaO:0.16mass%、Al2O3:0.02mass%、MgO:0.1mass%、K2O:2.5mass%、その他:2.22mass%である。融点は900℃以上のため、時間をかけて溶融層を形成することで知られている。また、カーボン(C)量が30mass%以上と高いことから、約600℃以上の温度で炎を上げてカーボンが燃焼するが、燃焼後は大半が固体の炭として溶鋼表面に残存するため、最終的には溶鋼中に取込まれカーボンピックアップを招く。従って、極低炭素鋼や低炭素鋼などの製造に対しては、カーボンピックアップにより目標カーボン値よりも成分が高位に外れてしまうという課題がある。
なお、該焼もみの灰分については、SiO2:94.34mass%、Al2O3:0.48mass%、CaO:0.13mass%、MgO:0.18mass%、Mn:0.03mass%、Fe:0.12mass%、K2O:0.02mass%、Na2O:0.026mass%、F.C:0.01mass%の成分組成であり、これは保温材として用いることができる。この保温材の融点は1550℃以上であり、溶融せずに溶鋼表面を被覆する。
上述したように、焼もみは、C量が多くタンディッシュ内で燃焼しやすいため、溶鋼表面の酸素を優先的に消費し、雰囲気中の酸素濃度の低下が期待できる。しかし、保温材である前記焼もみ灰分は、保温効果はあるがフリーカーボンをほとんど含有していないため、溶鋼表面では燃焼せず、焼もみのような燃焼による雰囲気酸素濃度の低下を期待することはできない。
ところで、極低炭素鋼や低炭素鋼のような高清浄鋼の連続鋳造にあっては、カーボンピックアップの問題から前記焼もみを使うことができない。即ち、焼もみの場合、燃焼による雰囲気酸素の低下の効果を享受することができないという問題や、この焼もみやその灰分(保温材)はSiO2成分を多量に含むため、前述したようにタンディッシュフラックスの塩基度を低下させることがあり、Al2O3介在物吸収能などの低下を招くという問題もあった。
このような理由から、本発明では、液状可燃物質である菜種油に着目したのである。以下、その理由について詳しく説明する。菜種油は1分子のグリセリンと3分子の脂肪酸エステルからなる有機化合物であり、発火点は360〜380℃程度である。上述した焼もみや保温材のようにフリーカーボンやSiO2成分をほとんど含有しないことから、カーボンピックアップやSiO2によるタンディッシュフラックス組成の変化への影響がほとんどない。
即ち、菜種油をタンディッシュ内に投入すると、この菜種油の燃焼により溶鋼表面の酸素が消費され、雰囲気内の酸素が低下する。この点、菜種油と焼もみその他のものとの差異は、焼もみや加炭材のような固体燃焼物の場合、表面燃焼、分解燃焼のため、燃焼後の炭素成分が溶鋼表面に残留し、その炭素成分が溶鋼成分に取込まれてカーボンピックアップを起こす。これに対し、菜種油の場合は、蒸発燃焼するため、その燃焼時に発生する炭素は非常に微細な煤となる。そのため、溶鋼の表面にはほとんど残存することはなく、火炎と共に飛散する。このことから、該菜種油を使用する場合、溶鋼へのカーボンピックアップはわずかとなる。従って、菜種油を使用する本発明の場合、雰囲気酸素濃度を低下させることができるので、炭素量の上限値が規定されている極低炭素鋼、低炭素鋼においても溶鋼のカーボンピックアップを招くこがない。
なお、タンディッシュ内で燃焼して、雰囲気酸素濃度を低減させるだけであれば、油類(灯油、ガソリン、軽油など)やアルコール類などによる燃焼も有効である。しかし、タンディッシュは、鋳造前にバーナーによる予熱を実施したり、溶鋼の入った取鍋がセットされたりするために高温となる。この点、前記油類やアルコール類は発火点が低く、そのため、取扱いを間違うと火災等が発生することとなり安全上好ましくない。
これに対し、前記菜種油の発火点は360〜380℃であり、バーナーの炎に直接あたること、あるいは溶鋼に接することがなければ、鋳造スタート前に耐火物や堰に塗布された菜種油は、発火するようなことはなく安全である。さらに、この菜種油は、常温での粘度が大きいため、傾斜部での流れ落ちが少なく、タンディッシュ耐火物やタンディッシュ堰に吹き付けた場合も付着したままの状態が永く保持されるため、鋳造スタート時に均一な燃焼を可能とせしめる点に利点がある。
本発明では、液状可燃物質である菜種油のタンディッシュ内への供給(投入)を、少なくとも前記ロングノズル挿入孔7または該ロングノズル周囲の隙間(溶鋼注入孔)を利用して行ない、主としてそこに定着内在させること、例えば、堰の溶鋼注入側の面に付着させることなど、が好ましい。さらに、その投入は、封鎖前のバーナー用開口、不活性ガス導入用開口、試料サンプリング用開口などのいずれから行なってもよい。この場合において、ロングノズル挿入孔付近からの大気(酸素)による溶鋼の再酸化が著しいので、該ロングノズル周辺の対策を第一に図ることが好ましい。
前記菜種油の投入時期は、鋳造する前から行なったほうが効果的であるが、鋳造開始後のみに投入してもかまわない。この菜種油の添加量については特に制限はしないが、操業の観点から炎が50cm以内の高さになるように調整することが望ましい。とくに、操業の初期は大気中酸素の巻き込みによって、溶鋼との接触に伴いすぐに火炎が立ちあがるが、その後は、酸素濃度が減少するため火炎の発生はわずかとなる。従って、菜種油の追加投入は中止するか、わずかでもかまわない。また、取鍋交換時における酸素の巻き込み、タンディッシュフラックスの投入を考慮して、菜種油を取鍋交換直前から適量加えるのが望ましい。理想的にはタンディッシュ内の雰囲気酸素濃度を測定し、酸素濃度が0.5vol.%以下となるように添加量の調整を行なう。
なお、前記菜種油について、これを液状可燃物質として説明したが、カルシウムスルホネートなど発火点が300℃以上と高く、粘度が比較的高い液状可燃物質であれば同様の効果が期待できるため、使用する液状可燃物質は菜種油に限らない。
また、本発明において、タンディッシュフラックスと菜種油を併用する場合であっても、従来のような焼もみとタンディッシュフラックスの併用、あるいは保温材とタンディッシュフラックスの併用の時のような、所謂、鋳造時間の経過とともにスラグ中のSiO2成分が上昇することによるスラグ組成の変化の問題は発生しない。従って、本発明では、極めて安定した鋳造が達成できる。また、菜種油の燃焼効果によるタンディッシュ内の溶鋼温度は、従来と同程度であり、温度低下の問題は発生しない。
この例は、取鍋に、C:0.0020〜0.05mass%の溶鋼を受け入れ、これをタンディッシュを介して、幅1100mm×厚さ230mmの垂直曲げ型連続鋳造機を用いて鋼鋳片(スラブ)を製造したときのものである。この場合において、1回のタンディッシュでは4チャージの連続鋳造を実施した。その際に、本発明に従う連続鋳造開始方法を適用し、図1〜図8で説明したものと同様の時期に、本発明法として、タンディッシュ内に菜種油とタンディッシュフラックスを投入した。比較法としてはタンディッシュ内に焼もみとタンディッシュフラックスを併用した例とした。
表1は、炭素成分実績値ならびにフラックス塩基度の実績をまとめたものである。表1に示すとおり、本発明法に従う方法(発明法)ではカーボンピックアップの問題もなく、目標成分を達成できている。これに対し、焼もみを使用した比較法ではカーボンピックアップの問題から目標成分を満足できない結果となった。また、タンディッシュフラックスの塩基度の分析値は、本発明法では目標組成以上でほぼ変化がなかったのに対し、比較法では鋳造後半から大幅に塩基度の低下が生じ、目標塩基度以下となった。
本発明の適用により、従来は非金属介在物の問題で製品としての合格基準を満たせなかったスタート時のスラブや取鍋交換時のスラブについても、合格基準を満足できるようになるとともに、鋳造後半の品質劣化もみられなくなり製造上の歩留まりが飛躍的に向上した。
本発明に係る前述した技術は、単に高清浄鋼を製造する場合の他、成分変動の少ない品質の安定した鋼を製造する場合などへの適用が可能である。
1 取鍋
2 溶鋼
3 ロングノズル
4 タンディッシュ
4a タンディッシュ堰
5 タンディッシュフラックス
6 保温材
7 ロングノズル挿入孔
8 液状可燃物質(菜種油)
9 浸漬ノズル
10 連鋳用鋳型
11 凝固シェル
2 溶鋼
3 ロングノズル
4 タンディッシュ
4a タンディッシュ堰
5 タンディッシュフラックス
6 保温材
7 ロングノズル挿入孔
8 液状可燃物質(菜種油)
9 浸漬ノズル
10 連鋳用鋳型
11 凝固シェル
Claims (6)
- 取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入に際し、該タンディッシュ内に液状可燃物質を内在させておき、その液状可燃物質を該タンディッシュ内への溶鋼の注入に合わせて燃焼させることを特徴とする高清浄鋼製造のための連続鋳造開始方法。
- 前記タンディッシュ内に前記液状可燃物質を内在させる方法は、該タンディッシュのロングノズル挿入孔もしくはその周辺の隙間から、タンディッシュ底壁ならびに溶鋼注入側の堰表面に該液状可燃物質を塗布することであることを特徴とする請求項1に記載の高清浄鋼製造のための連続鋳造開始方法。
- 前記タンディッシュ内へ、前記液状可燃物質を内在させる前に、まず該タンディッシュ内を不活性ガスにてガスの置換を行なうことを特徴とする請求項1または2に記載の高清浄鋼製造のための連続鋳造開始方法。
- 前記液状可燃物質が菜種油であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の高清浄鋼製造のための連続鋳造開始方法。
- 前記液状可燃物質に対し、タンディッシュ用フラックスを混合し、その混合物をタンディッシュ内に内在させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の高清浄鋼製造のための連続鋳造開始方法。
- 前記フラックスは、下記式(3)の組成を満足するものであることを特徴とする請求項5に記載の高清浄鋼製造のための連続鋳造開始方法。
WCaO/WSiO2≧4.0×[Al]/[Si]…(3)
但し、
WCaO:スラグ中のCaOの質量(kg)
WSiO2:スラグ中のSiO2の質量(kg)
[Al]:鋳造前の取鍋内溶鋼中Al含有量(mass%)
[Si]:鋳造前の取鍋内溶鋼中Si含有量(mass%)
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- 2016-12-16 JP JP2016244150A patent/JP2018094613A/ja active Pending
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