JP2018093837A - 液状調味料 - Google Patents
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Description
オリーブオイルは、精製度の低いものほど風味が強くなるが、同時に濃い緑系の色を有するため、例えば、卵を用いた食品では暗い発色又は緑から青色系の発色になるなど、本来の食品の外観を損なう問題点があった。
オリーブオイル風味の調味料に関する技術として、未精製のオリーブオイルと高オレイン酸低リノレン酸菜種油とを含有し、耐冷性に優れ、かつ、オリーブオイルの良好な風味が保持できる油脂を使用した調味料(特許文献1)が報告されているが、液状調味料の色を寒色系から暖色系まで幅広く選択することができ、且つ、オリーブオイルの風味がしっかり感じられる(後引き感に優れる)調味料に関しては報告されていない。
(2)前記オリーブオイルが、バージンオリーブオイル及びピュアオリーブオイルから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする(1)に記載の液状調味料。
(3)前記液状調味料の粘度が、1500〜5000mPa・sであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の液状調味料。
(4)前記野菜ピューレ、野菜ペースト、果物ピューレ、及び果物ペーストから選ばれる1種又は2種以上の全ピューレ及び/又はペースト中の固形分含有量が5〜30質量%であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の液状調味料。
〔液状調味料〕
本発明の液状調味料は、常温で流動性のある調味料であり、具体的には、ドレッシング、タレ、ソース、又はその他これらに類する食品を指す。本発明の液状調味料の好ましい態様としてはドレッシングが挙げられる。また、ドレッシングには、分離液状ドレッシングや乳化液状ドレッシングが含まれる。さらには、加熱殺菌しない生タイプドレッシングも含まれる。本発明の液状調味料は、乳化液状ドレッシング等、調味料液中に油が分散した状態のドレッシングが好ましい。
本発明におけるオリーブオイルは、オリーブの果実から得られ、オリーブオイル特有の風味を有する油であれば特に限定されないが、例えば、オリーブの果実から搾っただけのバージンオリーブオイル、バージンオリーブオイルと精製オリーブ油をブレンドしたピュアオリーブオイル等が挙げられる。
また、本発明におけるオリーブオイルは、バージンオリーブオイルであることが好ましい。バージンオリーブオイルは、エキストラバージンオリーブオイル、バージンオリーブオイル、オーディナリーバージンオリーブオイル等(名称は国際オリーブオイル協会の定めた基準によるもの)を用いることができる。バージンオリーブオイルは、酸度3.3以下のものが好ましく、中でも、エキストラバージンオリーブオイル(酸度0.8以下)を用いることが風味の点で特に好ましい。
また、オリーブオイルの含有量が5質量%未満であると、オリーブオイルの風味が弱くなり、オリーブオイルの含有量が40質量%より多いと、オリーブオイルの緑系の色が強くなり、液状調味料が褐色化する。
本発明における野菜ピューレ、野菜ペースト、果物ピューレ、及び果物ペースト(以下、ピューレ・ペースト類ともいう。)は、野菜類又は果物類を常法により、すりおろしたり、ミキサーにかけたり、裏ごし器で裏ごしすることで得ることができる。さらに、種子が全体に対して大きな割合を占めるような場合、種子のみ除去して用いることもでき、必要に応じて、果皮、へた、軸等を除去して用いてもよい。また、前記のピューレやペーストは、複数の野菜類又は果実類から別々に製造したものを混合して用いてもよいし、複数の野菜類及び果実類を一緒にして製造したものを用いてもよい。
全ピューレ及び/又はペースト中の固形分含有量は、加熱乾燥法により求めることができる。また、個別のピューレ・ペースト類中の固形分含有量を求めた後、それぞれのピューレ・ペースト類の配合量(配合比)から計算して求めてもよい。
本発明の液状調味料は、水を含むことが好ましい。前記水は特に限定されず、水道水、井水、精製水、イオン交換水等を用いることができる。本発明の液状調味料中の水の含有量は、10〜50質量%が好ましく、15〜45がより好ましく、20〜40が最も好ましい。
本発明の液状調味料は、本発明の効果を損なわない範囲で、オリーブオイル以外の油脂、食酢、食塩、糖類、スパイス、フレーバー等の呈味料、更に安定剤、着色料等の各種添加剤を含有することができる。
なお、前記オリーブオイルとオリーブオイル以外の油脂との合計質量中の前記オリーブオイルの含有量は、30〜99質量%が好ましく、35〜80質量%がより好ましく、40〜60質量%が最も好ましい。
本発明の液状調味料は、通常の液状調味料の製造方法に従って製造できる。
以下、本発明の液状調味料の一つの態様である、ドレッシングの製造方法の一例を説明する。
本発明のドレッシングの製造は、油脂以外の原料(例えば、ピューレ・ペースト類、糖類、増粘多糖類、酢酸、食塩、水等)を加熱撹拌して原料を均一に分散させる。加熱攪拌は加圧、減圧又は常圧下で可能であり、通常は常圧下で行われる。加熱温度に特に制限はなく、原材料が溶解、殺菌がなされる温度であればよく、通常は40〜95℃の温度で、好ましくは60〜95℃の温度で行われる。攪拌は原料の均一な分散等がなされるものであればどのようなものでも実施することができ、例えば、プロペラ、ホモミキサー、ブレンダー、ディスパー、パドルミキサー、コロイドミル、連続ミキサー、スタティックミキサー、超音波等の攪拌機又は方法を用いることができる。その後、60℃以下まで冷却し、得られたものに油脂を加えて混合乳化することによってドレッシングを得る。
〔暖色系ドレッシングの製造〕
表1及び2の配合に従い、油脂(オリーブオイル及び/又はキャノーラオイル)以外の原料を撹拌機付きの加温可能な容器に投入し、撹拌混合しながら品温が90℃になるまで加熱保持して均一に混合した。次に、品温が50℃になるまで冷却後、混合液に油脂を投入して、減圧下で攪拌混合し、ドレッシングを製造した。実施例1〜3のドレッシングは、彩度の高い橙色、実施例4のドレッシングは、彩度の高い赤色を有していた。
・エキストラバージンオリーブオイル(日清オイリオグループ(株)製造品、酸度:0.23)
・トマトペースト(商品名:トマトペーストポルトガルCBバッグ、カゴメ(株)製、固形分含有量:31.3質量%)
・ニンジンピューレ(商品名:ニンジンピューレー、カゴメ(株)製、固形分含有量:7.2質量%)
・ミカンペースト(商品名:温州みかんパルプ、愛工房(株)製、固形分含有量:16.4質量%)
・加工デンプン(商品名:エマルスター500、松谷化学工業(株)製)
・増粘多糖類(商品名:ティカンタンガム、小川香料(株)製)
製造した各ドレッシングについて、下記の指標に基づき、評価を行った。なお、比較例2のドレッシングは粘度が高すぎて商品として不適であったので、評価は行わなかった。
(色の評価)
表1及び2の配合において、エキストラバージンオリーブオイルをキャノーラオイルに置き換えたドレッシングを製造し、実施例1〜4及び比較例1〜5のそれぞれの対照例とした。次に各ドレッシングを白色の時計皿に10mL注ぎ、パネラー5名が、目視により実施例1〜4及び比較例1〜5の色と、対応する対照例の色とを比較して、下記の基準により評価した。評価結果を表1及び2に示す。
○:対照例の色と同等の色である。
×:対照例の色よりも暗い色、異なる色等、明らかに異なる色である。
パネラー5名が、実施例1〜4及び比較例1〜5の各ドレッシング(2ml)を口に含んだ後の風味について下記の基準により評価した。評価結果を表1及び2に示す。
◎:○よりもオリーブオイルの風味の後引き感に優れる。
○:オリーブオイルの風味が持続し、後引き感に優れる。
×:オリーブオイルの風味を感じない、又はオリーブオイルの風味が感じられるが、風味の消失が早く、後引き感が無い。
表3の配合に従い、上記と同様の製造方法でドレッシングを製造した。実施例5のドレッシングは、緑色を有していた。
なお、下記に示す原料以外は、上記の暖色系ドレッシングの製造で用いた原料と同じ原料を使用した。
・ブロッコリーペースト(商品名:ブロッコリーペーストC、ダンフーズ(株)製、固形分含有量:8.7質量%)
・ほうれん草ピューレ(商品名:冷凍国産ほうれん草ピューレー、カゴメ(株)製、固形分含有量:7.6質量%)
・セロリペースト(商品名:セロリペーストC、ダンフーズ(株)製、固形分含有量:5.3質量%)
製造した各ドレッシングについて、上記の暖色系ドレッシングの評価と同様に、後引き感の評価を行った。評価結果を表3に示す。
Claims (4)
- 野菜ピューレ、野菜ペースト、果物ピューレ、及び果物ペーストから選ばれる1種又は2種以上を3〜20質量%、及びオリーブオイルを5〜40質量%含有することを特徴とする液状調味料。
- 前記オリーブオイルが、バージンオリーブオイル及びピュアオリーブオイルから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の液状調味料。
- 前記液状調味料の粘度が、1500〜5000mPa・sであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状調味料。
- 前記野菜ピューレ、野菜ペースト、果物ピューレ、及び果物ペーストから選ばれる1種又は2種以上の全ピューレ及び/又はペースト中の固形分含有量が5〜30質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液状調味料。
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