JP2018089952A - ラベル付き容器の製造装置および製造方法 - Google Patents

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駿介 本田
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Abstract

【課題】ラベルの低融点樹脂層に非極性樹脂を選定しつつ、極性樹脂を材料とした容器に当該ラベルを貼着できるラベル付き容器の製造装置を提供すること。【解決手段】低融点樹脂層を有するラベル10を取り出す取出部60と、取出部60によって取り出されたラベル10を、前記低融点樹脂層を内方に向けて金型91内に配置する配置部60と、前記金型91内に成形材料を供給し、配置部60によって金型91内に配置されたラベル10が、前記低融点樹脂層で外壁に貼着された容器を成形する成形部90と、ラベル10が配置部60によって金型91内に配置される前に、前記低融点樹脂層に活性化処理を行う活性化処理部200とを備える。【選択図】図2

Description

本件は、ラベル付き容器の製造装置および製造方法に関する。
従来、接着剤でラベルが貼り付けられた容器が知られている。この容器では、接着剤が塗布された接着層を介してラベルが容器に貼付されることから、容器に対するラベルの段差が大きく、ラベルが剥がれるおそれがある。
そこで、容器に対してラベルを確実に貼着させる手法の一つとして、インモールド成形(インモールドラベリング)という製法が用いられている。
インモールド成形では、一組の割り金型の内部にラベルを配置したうえで、溶融したパイプ状のプラスチック原料を割り金型で挟み込み、内部に空気を吹き込むことで、ラベルが一体的に貼着された容器を成形する。そのため、容器に対するラベルの段差が抑えられ、ラベルが確実に貼着された容器を成形することができる。たとえば、重ねられた枚葉状のラベルを一枚ずつ取り出して割り金型の内部に配置して、インモールド成形で容器にラベルを貼着させる技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開平06-255821号公報
インモールド成形に使用されるラベルでは、容器に向かう貼着面がヒートシール層により形成されている。このヒートシール層は、一般に低融点樹脂により形成されており(そこで、以下、ヒートシール層を低融点樹脂層ともいう)、インモールド成形の際、容器と溶融接着する。
ところで、近年、PET(ポリエチレンテレフタレート)を材料に使用したペットボトルが市場に多く流通している。PETのような極性樹脂を材料とした容器では、ラベルの低融点樹脂層に、エチレン−酢酸ビニル共重合体やアクリル酸アルキル共重合体のような極性樹脂を使用しないと容器にラベルを接着するのが困難である。
しかしながら、上記極性樹脂を低融点樹脂層に使用する場合、基材との共押出か、基材への熱ラミネートによる成形によらなければ工業的に生産できず、上記成形法では接着層樹脂の熱分解に伴う着色や、接着層を厚めにする必要があるためその厚さに起因するカール等の問題が生じることがある。
このため、低融点樹脂層に非極性樹脂を選定しつつ、ペットボトルのように極性樹脂を材料とした容器に貼着できるラベルの製造が要望されている。
本件のラベル付き容器の製造装置および製造方法は、上記のような要望に応えて創案されたものであり、ラベルの低融点樹脂層に非極性樹脂を選定しつつ、極性樹脂を材料とした容器に当該ラベルを貼着することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)ここで開示するラベル付き容器の製造装置は、低融点樹脂層を有するラベルを取り出す取出部と、前記取出部によって取り出された前記ラベルを、前記低融点樹脂層を内方に向けて金型内に配置する配置部と、前記金型内に成形材料を供給し、前記配置部によって前記金型内に配置された前記ラベルが、前記低融点樹脂層で外壁に貼着された容器を成形する成形部と、前記ラベルが前記配置部によって前記金型内に配置される前に、前記低融点樹脂層に活性化処理を行う活性化処理部とを備える。
(2)前記活性化処理部が、コロナ放電処理を行うコロナ放電処理部であることが好ましい。
(3)前記ラベルが、長尺のフィルムに、前記フィルムの長手方向に複数配列され、前記フィルムを繰り出す繰り出し部をさらに備え、前記取出部は、前記繰り出し部によって繰り出された前記フィルムから前記ラベルを取り出し、前記活性化処理部は、前記繰り出し部から繰り出されている最中の前記フィルムに配列された前記ラベルの前記低融点樹脂層に対して、前記活性化処理を行うことが好ましい。
(4)ここで開示するラベル付き容器の製造方法は、低融点樹脂層を有するラベルを取り出す取出工程と、前記取出工程によって取り出された前記ラベルを、前記低融点樹脂層を内方に向けて金型内に配置する配置工程と、前記金型内に成形材料を供給し、前記配置部によって前記金型内に配置された前記ラベルが、前記低融点樹脂層で外壁に貼着された容器を成形する成形工程と、前記ラベルが前記配置部によって前記金型内に配置される前に、前記低融点樹脂層に活性化処理を行う活性化処理工程とを備える。
(5)前記活性化処理工程が、コロナ放電処理を行うコロナ放電処理工程であることが好ましい。
(6)前記ラベルが、長尺のフィルムに、前記フィルムの長手方向に複数配列され、前記フィルムを繰り出す繰り出し工程をさらに備え、前記取出工程では、前記繰り出し工程によって繰り出された前記フィルムから前記ラベルを取り出し、前記活性化処理工程では、前記繰り出し工程から繰り出されている最中の前記フィルムに配列された前記ラベルの前記低融点樹脂層に対して、前記活性化処理を行うことが好ましい。
本件のラベル付き容器の製造装置および製造方法によれば、ラベルの低融点樹脂層に活性化処理を行うことで、この低融点樹脂層の濡れ性を向上させて容器と低融点樹脂層との接着性を向上させることができ、容器が極性樹脂を成型したものであった場合でも低融点樹脂層に非極性樹脂を使用したラベルを貼着できる。
また、フィルムの長手方向に配列されたラベルを取り出す構成を採用した場合には、重ねられた枚葉状のラベルを一枚ずつ取り出す製法に比較して、ラベルの反りを抑えることができ、静電気などでラベルが重なって取り出されることもない。よって、ラベル付き容器の品質を向上させることができる。
ラベル付き容器を示す図であり、(A)はラベル付き容器を示す斜視図であり、(B)は(A)の領域Zを拡大して示す斜視図であり、(C)は(B)の要部断面図である。 製造装置の全体構成を模式的に示す上面図である。 製造装置上のフィルムおよびその周辺を示す斜視図である。 製造装置において搬送されるラベルの異形部を除去する様子を模式的に示す斜視図である。 製造装置の金型を模式的に示す斜視図である。 製造装置の制御構成を示すブロック図である。 製造方法を示すフローチャートである。 製造装置の切替機構を模式的に示す斜視図である。
図面を参照して、実施形態としてのラベル付き容器の製造装置および製造方法について説明する。なお、以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
以下の実施形態では、ラベル付き容器の製造工程を基準に上流および下流を定め、重力の作用方向を下方とし、下方の反対方向を上方とする。また、「低融点樹脂層を内方に向けて金型内に配置する」とは、インモールドラベル10の低融点樹脂層と反対側の面が金型に接し、インモールドラベル10の低融点樹脂層側の面が容器2に貼着されるように配置することを示す。
[I.一実施形態]
[1.ラベル付き容器]
まず、本実施形態の装置および方法で製造されるラベル付き容器について説明する。
図1(A)に示すように、本実施形態のラベル付き容器は、外壁2aにラベル10が貼着されている中空の容器2である。たとえば、ラベル10が容器2に融着(溶着)して一体化した状態は、ラベル10が容器2に貼着された状態に含まれる。
このラベル付き容器では、インモールドラベリング(インモールド成形)でラベル10が容器2に貼着されている。そのため、ラベル10の厚み方向の少なくとも一部が容器2の外壁2aに埋没している。したがって、図1(B)および(C)に示すように、ラベル10の厚み方向寸法を「T1」とおき、外壁2aの外表面2bに対して外側で段部を形成するラベル10の高さ寸法(厚み方向寸法)を「T2」とおけば、不等式「T1>T2」を満たす。プリフォームを使用するブロー成形方法の場合、不等式「T1>T2」を満たしやすい。なお、ラベル10の厚み方向の全部が容器2の外壁2aに埋没(たとえばラベル10の外表面と容器2の外表面2bとが同一平面をなす)していてもよく、この場合は「T2=0」となる。また、ダイレクトブロー成形の場合は等式「T2=0」を満たしやすい。 ここでは、側面視で複数のラベル10(ラベル群)が容器2の外壁2aに貼着されている。さらに、容器2に貼着される前のラベル10は、裏面(貼着面)に予めヒートシール層1a(図3参照)を有している。
図1(A)では、容器2における表側の外壁2aに、第一ラベル11および第二ラベル12からなる二枚のラベル10(単に「ラベル10」と言う)を例示する。なお、図示省略するが、容器2における裏側の外壁には一枚のラベルが貼着されている。
また、ラベル11,12は、互いに異なる形状に形成されている。ここでは、円形の第一ラベル11を例示し、三角形の第二ラベル12を例示する。ラベル11,12の輪郭形状の他の例としては、輪郭が曲線のみからなる種々の形状が挙げられる。ここでいう「輪郭が曲線のみからなる形状」には、紅葉形のような曲線どうしが角部で突き合わされた形状を含むものとする。
ラベル10は、図3に示すように、長尺(帯状)のフィルム1の一方の主面の長手方向に規則的に配列して複数形成されている。これらのラベル10は、後述するようにフィルム1から分離可能となっている。
このフィルム1は、裏側(図3では紙面手前側)の面から表側(図3では紙面奥側)の面に向けて、ヒートシール層1a、基層1bおよび印刷層1cの順に少なくとも三層を積層して形成される。なお、本実施形態に係るラベル付き容器の製造装置では、ヒートシール層1a、基層1bおよび印刷層1cの順に積層された三層構成のラベル10を使用する例を示すが、ラベル10の積層構成は特に限定されない。例えば、ヒートシール層1a及び基層1bの二層構成のラベルや、ヒートシール層1aからなる単層のラベルを使用することもできる。ヒートシール層1aからなる単層のラベルの具体例としては、高密度ポリエチレンを主成分とする単層フィルム等が挙げられる。
ヒートシール層1aは、ラベル10と容器2とを接合する接着剤の働きをするものであり、低融点樹脂により形成される低融点樹脂層である。そこで、以下、ヒートシール層1aを低融点樹脂層1aとも表記する。
低融点樹脂層1aは、常温では固体状であるが、金型内で被着体(容器2)を成形する際に溶融した樹脂の熱で活性化し、被着体と溶融接着して、冷却後は再度固体状となり強固な接着力を発揮する。なお、基層1bおよび印刷層1cは従来公知の種々の材料により形成できる。また、低融点樹脂層1a、基層1bおよび印刷層1cの厚さは特に限定されない。
フィルム1は、一部分がラベル10であり、その他の部分が余白部13である。すなわち、フィルム1は、ラベル10の輪郭形状に沿って切断され、この切断線を介してラベル10と余白部13とが区画されるようになっている。
ここでは、ラベル10がフィルム1から脱落しないように、フィルム1が繰り出された状態においてラベル10と余白部13とが一部で繋がっており、ラベル10と余白部13とが完全には分離していない。たとえば、複数あるいは単数の箇所でラベル10と余白部13とが点状に繋げられた点止め加工が施されている。なお、上記した切断線がミシン目状に形成されていてもよい。
あるいは、上記した切断線に替えてまたは加えて、低融点樹脂層1a側または印刷層1c側から深さ(厚さ)方向に切れ込み(ハーフカット)がフィルム1に施されていてもよい。このとき、低融点樹脂層1a,基層1bおよび印刷層1cの少なくとも一層において、完全には切断されずに接続されているように構成する。たとえば、ロータリーダイカッターやピナクルダイなどを使用してハーフカットが施される。
また、ラベル10の輪郭に切れ込みがない状態でフィルム1が繰り出され、ラベル10の輪郭形状に応じた刃部を有するダイカッタによってラベル10を切断することができる。あるいは、ラベル10の輪郭形状に沿ってレーザーでフィルム1を切断(レーザーカット)してもよい。
そのほか、図示省略するが、フィルム1を他の搬送フィルムに貼り付けてもよい。具体的には、フィルム1のうちラベル10の部分において、低融点樹脂層1a,基層1bおよび印刷層1cは、微粘着性の粘着剤あるいは接着剤を介して、フィルム1とは別の搬送フィルムに取り外し可能なように貼り付けられていてもよい。このとき、搬送フィルムからラベル10を外したときに、印刷層1cの表面に粘着剤あるいは接着剤が残らないように構成することが好ましい。この場合には、ラベル10と余白部13とが完全に切り離された全抜き加工が施されていてもよい。また、余白部13においては、搬送フィルムに必ずしも低融点樹脂層1a,基層1bおよび印刷層1cの全てが貼り付けられていなくてもよい。
[2.ラベル付き容器の製造装置]
つぎに、図2〜図5を参照して、ラベル付き容器を製造する装置を説明する。
この製造装置は、図2に示すように、上流から下流に向けてそれぞれ設けられた繰り出し機構(繰り出し部)20,搬送機構(搬送部)50および成形機構(成形部)90の三つの機構に大別される。
繰り出し機構20は、ラベル10が配列されたフィルム1を繰り出し、搬送機構50は、繰り出されるフィルム1からラベル10を分離してから金型91に配置するまで搬送する。成形機構90は、金型91内に成形材料を供給し、金型91の内部に配置されたラベル10を外壁2a(図1参照)に貼着させて、容器2を成形する。
さらに、繰り出し機構20には、本発明の大きな特徴である活性化処理部200が付設されている。
また、図2に二点鎖線で示すように、繰り出し機構20には、印刷されたラベル10の絵柄の印刷状態を検査する検査部40が付設されてもよい。
ここでは、本製造装置にフィルム1が配設される前に、ラベル10の絵柄,図柄あるいは文字など(単に「絵柄」という)がフィルム1に予め印刷されている。
ただし、ラベル10の絵柄をフィルム1における印刷層1cの表面に印刷する印刷部30(図2には二点鎖線で示す)を繰り出し機構20に付設してもよい。すなわち、ラベル付き容器の製造装置に、ラベル10が配列されたフィルム1を準備するための印刷部30が組み込まれていてもよい。
搬送機構50には、搬送するラベル10をフィルム1から分離して保持し、また、搬送されたラベル10を金型91の内部に配置するアーム部(取出部,配置部)60が設けられる。そのうえ、搬送中のラベル10を帯電させる帯電部80が搬送機構50に付設される。加えて、図2に二点鎖線で示すように、搬送中のラベル10を整形する整形部70が搬送機構50に付設されてもよい。
ここで説明する製造装置には、二つの割り金型91a,91bから構成される金型91が設けられている。具体的には、装置の一側(図2では上方)に第一割り金型91aを配置し、他側(図2では下方)に第二割り金型91bを配置することで、ラベル10の処理効率を高めたうえで、容器2の成形効率も向上させている。なお、ラベル付き容器は、第一割り金型91aによって表側が成形され、第二割り金型91bによって裏側が成形される。
そのため、製造装置が水平方向に対称(図2では上下対称)に設けられている。このように対称な製造装置では、二系統の製造工程を同時に実施することができる。具体的には、容器2における表側の外壁2aに貼着されるラベル10を装置の一側で扱うと同時に、容器2における裏側の外壁に貼着されるラベルを装置の他側で扱うことができる。
ここでは、二組の金型91が設けられ、二つのラベル付き容器を同時に成形する製造装置を例示する。
以下の説明では、おもに装置の一側に着目して説明する。
<2−1.繰り出し機構>
まず、繰り出し機構20の繰り出しに関する構成を説明する。
繰り出し機構20は、フィルム1を繰り出すことで、ラベル10を所定の位置に繰り出す機構である。この繰り出し機構20には、二つの回転軸21,22が設けられる。これらの回転軸21,22のうち、上流側に配置された第一回転軸21ではラベル10を分離する前のフィルム1が巻回された状態から引き出され、下流側に配置された第二回転軸22ではラベル10を分離した後のフィルム1(残部)が巻き取られる。ここでは、第二回転軸22が回転駆動される。さらに、回転軸21,22にそれぞれ巻回されたフィルム1の中間部は、平面状に張架される。
(位置決め機構)
繰り出し機構20には、繰り出されたラベル10を分離位置に静止させるための位置決め機構(位置決め部)25が図2に二点鎖線で示すように設けられてもよい。
位置決め機構25では、図3に示すように、フィルム1の余白部13に付されたアイマークやトンボなどのマーキング14と、このマーキング14を撮像あるいは走査(以下単に「撮像」という)する光学機器26とを用いることができる。
つづいて、繰り出し機構20に付設される活性化処理部200、および、繰り出し機構20にそれぞれ付設可能な印刷部30,および検査部40を説明する。
(印刷部)
印刷部30は、フィルム1のラベル10となる部分に絵柄を印刷するプリンタである。すなわち、フィルム1の表面に所要の印刷がなされることで、ラベル10が形成される。
この印刷部30の印刷方式としては、ラベル10に印刷可能な方式であれば、刷版方式,電子写真方式,インクジェット方式,熱転写方式といった種々の印刷方式を採用することができる。印刷部30の印刷方式の特徴を利用して、シリアルナンバー,日付,名前などの可変情報をオンデマンド印刷することができる。
(検査部)
検査部40は、繰り出し機構20で繰り出されるラベル10が所定の状態であるか否かを検査する。ここでいう「所定の状態である」とは、ラベル10の状態が良好(合格)であることを意味する。逆に、「所定の状態でない」とは、ラベル10の状態が不良(不合格)であることを意味する。そのため、検査部40は、不良な状態のラベル10を検出するものとも言える。
検査部40による検査対象としては、ラベル10の印刷状態や表面状態が挙げられる。検査対象が印刷状態であれば、ラベル10に印刷された絵柄の位置や色味などが所定の印刷状態(所定の状態)、即ち、所望の印刷がなされているか否かが検査される。検査対象が表面状態であれば、ラベル10に異物が付着していない所定の表面状態(所定の状態)であるか否かが検査される。
この検査部40は、ラベル10の状態を検出する検出部41と、検出部41による検出結果に基づいてラベル10が所定の状態であるか否かを判定する判定部42とを有する。検出部41としては、ラベル10の状態を検出可能な種々の公知機器を用いることができる。たとえば、ラベル10を撮像するカメラやスキャナといった光学機器が検出部41に用いられる。具体的には、CCDのエリアカメラやラインセンサが検出部41に採用される。さらに、検出精度を向上させるために、可視光やレーザー光をラベル10に照射する機器を検出部41に付設してもよい。
(活性化処理部)
活性化処理部200はラベル10の低融点樹脂層1a(図3参照)側に配置される。活性化処理部200は、低融点樹脂層1aの容器2に貼着される貼着面、すなわち金型91内に配置されたときに金型91の内方に向く面に、活性化処理を施すことで、低融点樹脂層1aを活性化して濡れ性を向上させる。
活性化処理部200の位置は、ラベル10が金型91に配置される前に、低融点樹脂層1aに活性化処理を施せる位置であれば図示する位置に限定されない。
具体的には、繰り出し機構20の第一回転軸21側からフィルム1と一体に繰り出された後、搬送機構50のアーム部60により金型91の第一割り金型91aの内部に配置される前に、ラベル10に対して活性化処理を行えるような位置に、活性化処理部200を配置すればよい。
また、活性化処理部200は、ラベル10が活性化処理を行う処理位置を通過する期間だけ活性化処理を行うようにしてもよい。あるいは、連続的に活性化処理を行うようにしてもよい。連続的に活性化処理を行う場合は、ラベル10だけでなく余白部13(図3参照)を含むフィルム1全体が活性化処理されることとなる。
[5.作用および効果]の欄で後述するように、インモールドする際に低融点樹脂層1aの表面を活性化処理することで、低融点樹脂層1aと容器2との密着が良好になり、これにより、ラベル付き容器2のラベル接着強度を高くすることができる。
活性化処理としては、主にコロナ放電処理を挙げることができるが、その他にも、フレーム処理、プラズマ処理を挙げることができる。中でも処理効果の観点からはコロナ放電処理およびプラズマ処理が好ましく、簡便な設備を用いる観点からはコロナ放電処理およびフレーム処理が好ましい。
以下、コロナ放電処理を行うコロナ放電処理部、フレーム処理を行うフレーム処理部、および、プラズマ処理を行うプラズマ処理部の具体的な構成を説明する。
コロナ放電処理部は、低融点樹脂層1a側に設けられる放電電極と、フィルム1を挟んで放電電極と反対側に配置される対極ロールとを備える。すなわち放電電極と対極ロールとはフィルム1を介して相対している。放電電極としては特に限定されないが、角柱状、ワイヤ状、ブレード形状等が挙げられ、また電極に山谷部を設けて山部から安定的に放電させることを企図した電極でもよい。また、対極ロールは絶縁体が被覆されたものが好ましい。絶縁体としては各種ゴム、セラミック等が挙げられる。走行するフィルム1を、対極ロールに接触させつつ、放電電極と対極ロールとの間で発生するアーク放電領域にさらすことにより、フィルム1の表面の改質を行うことができる。また、放電電極と対極ロールとの間には直流電圧を印加することが好ましい。
フレーム処理部は、低融点樹脂層1a側に設けられ、フィルム1に対して平行なノズル列を有するバーナを備える。バーナで天然ガスやプロパン等の可燃性ガスを燃焼させた時に生じる火炎内のイオン化したプラズマを、低融点樹脂層1aの表面に吹き付けることにより活性化処理を実施できる。
プラズマ処理部は、低融点樹脂層1a側に設けられる一対の対向電極と、フィルム1を挟んでこれらの対向電極に対向配置される対極ロールとを備える。電極としては平板状や、対向面が凸状のもの、ロール状で回転可能なものが挙げられる。また、対極ロールは絶縁体が被覆されたものが好ましい。具体的には、放電電極と対極ロール間で発生するグロー放電領域に、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の不活性ガスを主成分とするガスに水素、酸素、窒素、空気等を混合した気体を通し、電子的に励起させ、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスをフィルム表面に吹き付ける方法が挙げられる。
コロナ放電処理の場合の活性化処理量は、コロナ放電処理の効果を得る観点から、600〜12,000J/m2(10〜200W・分/m2)が好ましく、1,200〜9,000J/m2(20〜150W・分/m2)がより好ましい。処理量がこの範囲であるとラベル接着強度が低下しにくい。
プラズマ処理およびフレーム処理の場合の活性化処理量は、活性処理の効果を得る観点から8,000〜200,000J/m2が好ましく、20,000〜100,000J/m2がより好ましい。処理量がこの範囲であるとラベル接着強度が低下しにくい。処理量は印加電力、放電電極とフィルムとの間隔、処理速度(ラベル搬送速度)等によって制御することができる。
また、コロナ放電処理後の表面には、コロナ放電処理が十分に行われていれば、通常、コロナ放電処理痕が存在する。コロナ放電処理痕としては、アーク原因による表面のピンホール、ストリーマの不均一分布に起因する処理むら(表面張力が場所によって異なる)、処理後の帯電が挙げられる。コロナ放電起因の帯電は、極性と色がそれぞれ異なる2種類のトナーの混合物を表面に振り掛けると、表面に極性の異なるトナーが偏在して2色のまだら模様となることで確認できる。低融点樹脂層1aの表面にコロナ放電処理痕が存在していれば、コロナ放電処理により低融点樹脂層1aが活性化されたことを確認できる。
低融点樹脂層1aの表面が活性化処理されていれば、JIS K6768:1999「プラスチック−フィルムおよびシート−ぬれ張力試験方法」に従い、試験用混合液を使用して求めた表面張力が40mN/m以上である。本発明の接着効果を発現する観点から、低融点樹脂層1aの表面の表面張力は40〜75mN/mが好ましく、45〜70mN/mがより好ましく、50〜65mN/mがさらに好ましい。これによりラベル付き容器の接着強度が高くなる。表面張力が上記範囲外では高くても低くてもパリソンに対する低融点樹脂層1aを構成する樹脂組成物(例えば熱可塑性樹脂組成物等)のぬれ広がりが良くないものと推定される。
活性化処理は酸化処理であることが好ましく、活性化処理後の低融点樹脂層1a表面のX線光電子分光(XPS)法による酸素原子数/炭素原子数比(=O/C比)は、0.006〜0.1が好ましく、0.015〜0.1がより好ましい。これによりラベル付き容器の接着強度が高くなる。O/C比が上記範囲内ではいずれもパリソンに対する低融点樹脂層1aを構成する樹脂組成物(例えば熱可塑性樹脂組成物等)のぬれ広がりが良いものと推定される。
また、活性化処理効果は時間経過とともに徐々に低下することがあるので、ラベル製造ロットごとのラベル付き容器の接着強度ばらつきを抑える観点から、インモールド形成の直前に活性化処理を行ってもよい。本実施形態では、インモールド形成の直前に活性化処理を行うことができるため、ラベル製造ロットごとのラベル付き容器の接着強度ばらつきを低減できる。
<2−2.搬送機構>
つぎに、搬送機構50の搬送に関する構成を説明する。
搬送機構50には、繰り出し機構20および成形機構90に跨るように延びるスライドレール51と、このスライドレール51に沿ってスライド移動する車台部52とが設けられている。このスライドレール51はフィルム1の中間部に沿って水平に敷設され、車台部52が水平に移動する。
ここでは、水平方向のうち、スライドレール51が延びる方向を「X方向」(図2では左右方向)とし、このX方向に直交する方向を「Y方向」(図2では上下方向)とする。さらに、X方向のうち一方(図2では左方)を「X1」とするとともに他方を「X2」とし、Y方向のうち一方(図2では上方)を「Y1」とするとともに他方を「Y2」とする。製造装置のY1方向側では、フィルム1や第一割り金型91aよりもY2方向側にスライドレール51および車台部52が設けられる。反対に、製造装置のY2方向側では、フィルム1や第二割り金型91bよりもY1方向側にスライドレール51および車台部52が設けられる。
スライドレール51上の車台部52は、X1方向からX2方向に向けて、ラベル10を分離する原点位置P1,ラベル10を帯電部80で帯電させる帯電位置P3,ラベル10を第一割り金型91aに配置して容器2を成形する成形位置P4の順に並ぶ各位置に移動する。
具体的に言えば、車台部52は、ラベル10を搬送するときに、原点位置P1,帯電位置P3,成形位置P4の順に往動する。その後に、ラベル10を再び搬送するため、成形位置P4,帯電位置P3,原点位置P1の順に復動する。そして、再びラベル10を搬送するときに、原点位置P1,帯電位置P3,成形位置P4の順に往動する。
なお、整形部70を設ける場合には、ラベル10を整形部70で整形する整形位置P2が、原点位置P1と帯電位置P3との間に位置することとなり、車台部52は、原点位置P1,整形位置P2,帯電位置P3,成形位置P4の順に往動し、成形位置P4,帯電位置P3,整形位置P2,原点位置P1の順に復動することとなる。
車台部52には、上述したアーム部60が設けられる。アーム部60は、伸縮するようにY方向に駆動される。具体的には、アーム部60の先端部60aがフィルム1や第一割り金型91aに当接するように突出した挿抜位置と、先端部60aがフィルム1や第一割り金型91aから離隔した搬送位置との二つの位置を切り替えるように、アーム部60が車台部52から出没駆動(往復駆動)される。
さらに、アーム部60の先端部60aには、保持対象のラベル10を吸い付ける吸引機構(吸盤)が設けられている。
ここでは、二つのラベル10が同時に分離される。そのため、二つのラベル10のそれぞれに対応して二組のアーム部60がX方向に並んで設けられる。さらに、一つのラベル10には二枚のラベル11,12が設けられることから、一組のアーム部60には、第一ラベル11に対応する第一アーム部61と、第二ラベル12に対応する第二アーム部62とが設けられる。敷衍して言えば、一つのラベル10におけるラベル11,12の枚数に応じた数のアーム部61,62が車台部52に設けられる。以下の説明では、一組のアーム部60に着目して説明する。
つぎに、位置P1,P2,P3,P4のそれぞれに車台部52が位置するときの搬送機構50について順を追って述べる。
(取出部)
原点位置P1に車台部52が位置するときには、車台部52のアーム部60が、フィルム1からラベル10を分離して取り出す取出部として機能する。このときの車台部52は、原点位置P1に停止している。
アーム部60は、図3の中央に示すように、搬送位置から挿抜位置に突出駆動され、先端部60aがラベル10に接触する。それから、吸引機構が作動して先端部60aにラベル10が吸い付けられる。その後、図3の右側に示すように、挿抜位置から搬送位置にアーム部60が没入駆動される。このとき、先端部60aに吸い付けられたラベル10がフィルム1から分離される。この分離時には、ラベル10と余白部13とを繋ぐ点状の箇所が引きちぎられる。
ここでは、図2および図3に示すように、アーム部60によるラベル10の分離をサポートするために、ラベル10の分離方向とは反対方向に余白部13を押圧するストッパ29が設けられている。このストッパ29としては、フィルム1に対して車台部52側に立設されたプレート29aや、このプレート29aからフィルム1側に突出したピン29bを用いることができる。このストッパ29により、ラベル10の分離方向とは反対方向に余白部13を押さえることで、ラベル10の分離性を向上させることができる。
すなわち、車台部52には、アーム部60やその出没駆動機構,吸引機構,ストッパ29などの設けられた取出機構(取出部)が設けられている。
このように分離されたラベル10には、たとえば余白部13に対する繋ぎ目や切断不良によって、図4に示すように、微小な突起状の異形部11aやヒゲ状あるいはバリ状の異形部12aが付随して形成されうる。
そこで、本製造装置には、上述したように、つぎに説明するような整形部70が配備されてもよい。
(整形部)
整形位置P2に車台部52が位置するときには、アーム部60に保持された搬送中のラベル10が、整形部70によって整形される。
整形部70は、ラベル10に付随している異形部11a,12aを除去して、ラベル10を整形する。この整形部70としては、噴射したエアで異形部11aを吹き飛ばしてラベル10から除去するエアガン(噴気部)71や、放射した火炎で異形部12aを溶融させてラベル10から除去するバーナ(火炎放射部)72といった異形部除去装置を採用することができる。
ここでは、整形部70から連続的に放出されたエアや火炎にラベル10の異形部11a,12aが晒されることで、異形部11a,12aが除去され、搬送中のラベル10が整形される。
(帯電部)
ところで、金型91の内部(キャビティ)にラベル10を配置した直後には、金型91内でラベル10が動かないよう保持する必要がある。このようにラベル10を保持する方式としては、金型91内に吸引孔を設け、この吸引孔から真空吸引してラベル10を保持する方式と、ラベル10を帯電させて、金型91にラベル10を静電吸着させる方式が挙げられる。後者を採用する場合には、ラベル10を帯電させる必要があり、これには、ラベル10の少なくとも片面を帯電防止処理せず形成し、これによって得られたラベル10を帯電させる装置が必要となる。
ここでは、ラベル10を帯電させる方式を採用した製造装置を例示する。
図2に示すように、帯電位置P3に車台部52が位置するときには、アーム部60に保持された搬送中のラベル10が、帯電部80の近傍を通過する。これにより、ラベル10が帯電させられる。これによって、第一割り金型91aの内部にラベル10が配置された後に、ラベル10が第一割り金型91aに張り付いた状態がクーロン力で保持される。この帯電部80としては、帯電バーや帯電ガンといった帯電装置を採用することができる。 なお、ラベル10を金型91に真空吸引させる吸引機構が本製造装置に設けられれば、帯電部80を停止させてもよく、帯電部80を省略してもよい。
(配置部)
成形位置P4に車台部52が位置するときには、車台部52のアーム部60が、第一割り金型91aの内部にラベル10を配置する配置部として機能する。このときの車台部52は、第一割り金型91aの内部に対向するように、成形位置P4に停止している。
アーム部60は、搬送位置から挿抜位置に突出駆動され、先端部60aに保持されたラベル10が第一割り金型91aの内部に挿入されて押し当てられる。
それから、アーム部60の吸引機構の作動が停止し、帯電状態のラベル10が第一割り金型91aの内部に張り付く。このとき、図5に示すように、ラベル10をなす第一ラベル11および第二ラベル12は、相対的な配置が保持されたまま第一割り金型91aの内部の所定位置に張り付く。そのため、金型91のうち第一割り金型91aの内部におけるラベル11,12の相対的な配置に合わせて、フィルム1におけるラベル11,12の相対的な配置が設定されている。
すなわち、車台部52には、アーム部60やその出没駆動機構,吸引機構などの設けられた配置機構(配置部)が設けられている。
その後、挿抜位置から搬送位置にアーム部60が没入駆動されて、車台部52が原点位置P1に移動する。
なお、ラベル10が第一割り金型91aに押し当てられると、繰り出し機構20がフィルム1を再び繰り出して、ラベル10が二つ分だけ繰り出される。
<2−3.成形機構>
つぎに、図2を参照して、成形機構90を説明する。
成形機構90は、金型91内に成形材料を供給し、インモールドラベリングで外壁2aにラベル10を貼着させることで、容器2をインモールド成形する。ここでは、ブロー成形でラベル10が貼着された容器2を成形する。たとえば、インジェクション成形,ダイレクトブロー成形,ストレッチブロー成形などでラベル付き容器を成形する。また、差圧式熱成形や真空成形などでラベル10が貼着された容器2を成形してもよい。
例えばブロー成形(中空成形)では、ラベルを、成形金型のキャビティ内にラベルの低融点樹脂層1a側が金型のキャビティ側(容器材質の樹脂に接するよう)に向くように配置した後、吸引や静電気により金型内壁に固定する。次いで容器成形材料となる樹脂のパリソンを金型間に導き、型締めした後に常法により中空成形され、型開きして該ラベルがプラスチック容器の表面に融着されたラベル付き容器が成形される。
また、インジェクション成形では、インモールドラベルを、雌金型のキャビティ内にラベルの低融点樹脂層1a側が金型のキャビティ側(容器材質の樹脂に接するよう)に向くように配置した後、吸引や静電気により金型内壁に固定し、型締めした後に、容器成形材料となる樹脂の溶融物を金型内に射出し容器成形され、型開きして該ラベルがプラスチック容器の表面に融着されたラベル付き容器が成形される。
また、差圧成形では、インモールドラベルを、差圧成形金型の下雌金型のキャビティ内にラベルの低融点樹脂層1a側が金型のキャビティ側(容器材質の樹脂に接するよう)に向くように配置した後、吸引や静電気により金型内壁に固定する。次いで容器成形材料となる樹脂シートの半溶融物が下雌金型の上方に導かれ、常法により差圧成形され、該ラベルがプラスチック容器の外壁に一体に融着されたラベル付きプラスチック容器が成形される。差圧成形は、真空成形、圧空成形のいずれも採用できるが、一般には両者を併用し、かつプラグアシストを利用した差圧成形が好ましい。
この成形機構90には、二組のアーム部60と同様に、二組の金型91がX方向に並んで配置される。さらに、Y方向に二分割された割り金型91a,91bから各組の金型91が構成されることから、割り金型91a,91bを結ぶようにY方向に延びるスライドレール92が成形機構90に敷設される。このスライドレール92に沿って割り金型91a,91bが互いに接近または離隔するように移動する。
また、成形機構90のY方向中央には、溶融したパイプ状の成形材料(プラスチック原料、いわゆる「パリソン」や「プリフォーム」)を金型91に供給する供給口93と、型閉め時の金型91に空気を吹き込む吹込口94とが設けられる。これらの供給口93および吹込口94は、金型91よりも上方(X方向及びY方向に直行する方向、例えば図2では紙面手前側)に配置される。
なお、割り金型91a,91bには、配置されるラベル10を吸い付ける吸引機構が設けられていてもよい。
ラベル付き容器は、次のような手順で成形される。
供給口93から割り金型91a,91b内に成形材料を導入し、割り金型91a,91bを接近させて型閉めしてブロー成形する。そして、冷却された割り金型91a,91bを互いに離隔させて型開きし、成形されたラベル付き容器が取り出される。その後、ラベル付き容器のバリ取り処理を施してもよい。
<2−4.制御構成>
つぎに、図6を参照して、製造装置を制御する制御部100の構成を説明する。
まず、制御部100の基本的な構成を説明する。
制御部100には、CPU(Central Processing Unit)110と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ111と、HDD(Hard Disk Drive),SSD(Solid State Drive),光学ドライブ,フラッシュメモリ,リーダライタなどの外部記憶装置112,キーボードやマウスなどの入力装置113,ディスプレイやプリンタ装置などの出力装置(表示部)114,無線または有線で送受信する通信装置115が設けられる。これらの各デバイス110〜115は、制御部100の内部に設けられた制御バスやデータバスなどのバス116を介して互いに通信可能に接続される。
この制御部100は、プログラム117を実行可能な汎用のコンピュータである。このプログラム117は、外部記憶装置112にインストールされる。
なお、光学ドライブ,フラッシュメモリ,リーダライタなどで読み取り可能な記録媒体118にプログラム117を記録しておいてもよい。あるいは、制御部100が接続可能なネットワーク上のオンラインストレージにプログラム117を記録しておいてもよい。何れにしても、制御部100の外部記憶装置112にプログラム117をダウンロードする、あるいは、CPU110やメモリ111にプログラム117を読み込むことで、プログラム117が実行可能であればよい。
[3.ラベル付き容器の製造方法]
つづいて、図7を参照して、ラベル付き容器の製造方法を説明する。この製造方法は、上述した製造装置によってラベル付き容器を製造する方法である。
この製造方法では、ラベル10が配列されたフィルム1を準備する準備工程(ステップA10),準備されたフィルム1とそのラベル10を繰り出して活性化処理を施す活性化処理工程(ステップA14),ラベル10を搬送する搬送工程(ステップA20),搬送工程で搬送されたラベル10を用いて容器2を成形する成形工程(ステップA30)の順に各工程が実施される。
また、搬送工程では、取出工程(ステップA22),帯電工程(ステップA26),配置工程(ステップA28)の順に各工程が実施される。
なお、活性化処理工程(ステップA14)において、コロナ放電処理を行う場合は、取出工程(ステップA22)の前に行われればよく、プラズマ処理工程を行う場合は、配置工程(ステップA28)の前に行われればよい。
また、コロナ放電処理を取出工程(ステップA22)の前に行うのは、コロナ放電処理では、ラベル10が安定した状態でないと処理が困難なため、アーム部60により取り出された後、つまりアーム部60により搬送されている不安定な状態では処理が困難なためである。
以下、順を追って各工程を説明する。
はじめに、ステップA10の準備工程では、ステップA12の印刷工程でフィルム1のラベル10となる部分に印刷が施される。このようにして印刷されたラベル10は、フィルム1が繰り出されるのに伴って繰り出され、長手方向に配列して形成される。このようにしてフィルム1に配列した状態のラベル10を準備する。
ステップA14の活性化処理工程では、印刷されたラベル10の低融点樹脂層1aに対して活性化処理を行い、低融点樹脂層1aの濡れ性を向上させる。
その後、ステップA20の搬送工程に移行する。
ステップA20の搬送工程では、搬送機構50のアーム部60によってラベル10が搬送される。
搬送工程で搬送されるラベル10は、ステップA22の取出工程で、アーム部60によってフィルム1から分離される。
つづいて、ステップA26の帯電工程では、帯電部80によってラベル10が帯電させられる。
その後、ステップA28の配置工程では、アーム部60によって帯電状態のラベル10が金型91の内部に配置される。そして、ラベル10が金型91に張り付く。なお、金型内のラベル保持方法が真空吸引式である場合は、帯電部80を省略することができる。
ステップA30の成形工程では、成形機構90によってラベル10が貼着された容器2を成形する。
[4.材料など]
つぎに、容器2およびラベル10のそれぞれについて、材料をはじめ、物性や比率などを述べる。
<4−1.容器>
容器2の材料には極性樹脂を用いる。容器2の材料に使用される極性樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂と同様の接着機構であることから、容器2の材料に使用される具体例としては、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル−ブチレンースチレン(ABS)樹脂、メチルメタクリレート−スチレン(MS)樹脂等のその他の極性樹脂も挙げられる。
また、容器は、顔料や染料等を含まない透明および/または自然色のものであってもよく、顔料や染料等を含む不透明および/または着色のものであってもよい。
容器2の胴体は、断面が真円であってもよく、楕円形や矩形であっても構わない。胴体の断面が矩形である場合は、角が曲率を有するものであることが好ましい。強度の観点から、胴体の断面は真円か真円に近い楕円形であることが好ましく、真円であることがより好ましい。また、容器のサイズも特に限定されない。
<4−2.ラベル>
つぎに、ラベル10を構成する低融点樹脂層1a,基層1bおよび印刷層1cなどについて述べる。
(基層(熱可塑性樹脂フィルム))
基層1bは特に限定されないが、例えば熱可塑性樹脂フィルムにより構成されることが好ましい。そこで、以下では基層1bが熱可塑性樹脂フィルムの場合を例に説明し、基層1bを熱可塑性樹脂フィルム1bとも表記する。熱可塑性樹脂フィルム1bはインモールドラベル10において支持体となるものであり、特に限定されない。熱可塑性樹脂フィルム1bはインモールドラベル10に印刷や金型内挿入等のハンドリングができる程度の剛度(コシ)を与えるものであることが好ましい。
〔熱可塑性樹脂〕
熱可塑性樹脂フィルム1bに含まれる熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂;ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート等が挙げられる。これらの中でも製造の簡便さの観点から、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂を主として含むことが好ましい。また、低融点樹脂層1aとの融点差を生じ、インモールド成形時に熱可塑性樹脂フィルム1bが不要な変形を生じない観点から、熱可塑性樹脂フィルム1bに含まれる熱可塑性樹脂は、低融点樹脂層1aが含むポリエチレン系樹脂の融点より15℃以上高い融点を有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。具体的には融点が130〜280℃の範囲である熱可塑性樹脂が好ましい。これらの熱可塑性樹脂は2種以上を混合して用いることもできる。
〔無機微細粉末および有機フィラー〕
熱可塑性樹脂フィルム1bは、無機微細粉末または有機フィラーを含んでもよい。無機微細粉末を含む熱可塑性樹脂フィルム1bを延伸することによって、熱可塑性樹脂フィルム1bを白色不透明化することができる。その結果、インモールドラベル10に設けられる印刷の視認性を高めることが出来る。なお、熱可塑性樹脂フィルム1bが無機微細粉末を含まない場合、ラベル付き容器2においてラベル10が目立たずあたかも容器2に直接印刷したかのような視認性を発揮することができるので、容器2およびラベル10のデザインに応じて無機微細粉末を含む熱可塑性樹脂フィルム1bと無機微細粉末を含まない熱可塑性樹脂フィルム1bとを使い分けることができる。
無機微細粉末としては、炭酸カルシウム(好ましくは重質炭酸カルシウム)、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、白土、タルク、酸化チタン(好ましくはルチル型二酸化チタン)、硫酸バリウム、アルミナ、ゼオライト、マイカ、セリサイト、ベントナイト、セピオライト、バーミキュライト、ドロマイト、ワラストナイト、ガラスファイバー等が挙げられる。
無機微細粉末は表面を脂肪酸等で表面処理されたものを使用することができる。
熱可塑性樹脂フィルム1bは、有機フィラーを含むものであってもよい。熱可塑性樹脂フィルム1bが有機フィラーを含むことでも、インモールドラベル10を白色化、不透明化させることができ、印刷の視認を容易にする効果を奏する。
有機フィラーは、熱可塑性樹脂フィルム1bが主として(2種類以上の熱可塑性樹脂が含まれる場合は熱可塑性樹脂の全質量に対して50質量%以上)含む熱可塑性樹脂の融点またはガラス転移点よりも、自身の融点またはガラス転移点が高い樹脂であることが好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム1bが主として含む熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂の場合、有機フィラーの融点またはガラス転移点が120〜300℃であることが好ましい。好適な有機フィラーとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、環状オレフィン単独重合体、エチレン−環状オレフィン共重合体、ポリエチレンサルファイド、ポリイミド、ポリメタクリレート、ポリエチルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、メラミン樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂フィルム1bには、無機微細粉末または有機フィラーの中から1種を選択してこれを単独で使用してもよいし、2種以上を選択して組み合わせて使用してもよい。
熱可塑性樹脂フィルム1bに無機微細粉末または有機フィラーを含める場合、熱可塑性樹脂フィルム1bの全質量に対する無機微細粉末または有機フィラーの添加率は、10〜70質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましく、15〜50質量%がさらに好ましい。無機微細粉末または有機フィラーの添加率が上記範囲の下限値以上であると熱可塑性樹脂フィルム1bが白色不透明化しやすくなり、無機微細粉末または有機フィラーの添加率が上記範囲の上限値以下であると成形が均一になりやすい。
無機微細粉末の体積平均粒径または有機フィラーの平均分散粒径は、レーザー回折法による体積平均粒子径として0.01〜15μmが好ましく、0.05〜5μmがより好ましく、0.1〜2.0μmがさらに好ましい。これにより延伸成形により空孔が得られやすくインモールドラベル10の不透明化を達成しやすい傾向がある。無機微細粉末の体積平均粒径または有機フィラーの平均分散粒径が上記範囲の下限値以上であると熱可塑性樹脂フィルム1bが白色不透明化を達成しやすくなり、体積平均粒子径が上記範囲の上限値以下であると成形が均一になり、熱可塑性樹脂フィルム1bの強度が十分となる。
無機微細粉末の体積平均粒径および有機フィラーの平均分散粒径は、粒子計測装置、例えばレーザー回折式粒子計測装置「マイクロトラック」(株式会社マイクロトラックベル社製、商品名)により測定した累積で50%にあたる粒子径(累積50%粒径)や、走査型電子顕微鏡による一次粒径の観察(本発明では粒子100個の平均値を平均粒径とした)、比表面積からの換算(本発明では(株)島津製作所製の粉体比表面積測定装置SS−100を使用し比表面積を測定した)などにより求めることができる。
〔添加剤〕
また、熱可塑性樹脂フィルム1bは必要に応じて、立体障害フェノール系、リン系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤;立体障害アミン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の光安定剤;分散剤、滑剤、帯電防止剤等の添加剤を使用することができる。熱可塑性樹脂フィルム1bの全質量に対して上記各種添加剤をそれぞれ単独に0.001〜1質量%添加することが好ましい。各種添加剤の添加量が上記範囲の下限値以上であると添加剤の効果が発現しやすくなり、各種添加剤の添加量が上記範囲の上限値以下であると着色したり印刷適性が低下したりしにくくなる。
熱可塑性樹脂フィルム1bの厚さは20〜200μmが好ましく、40〜150μmがより好ましい。これにより印刷時にラベル10にシワを生じにくく、また金型内挿入時に正規の位置に固定しやすくなり、ラベル付き容器2のラベル境界部分の強度低下に伴う耐落下強度が高くなる効果が得られる。
これらの条件を考慮した場合、好適な透明の熱可塑性樹脂フィルム1bとしては、無機微細粉末を含まない、ポリプロピレン系無延伸フィルム(CPPフィルム)、ポリプロピレン系二軸延伸フィルム(BOPPフィルム)、ポリエチレンテレフタレート系無延伸フィルム(CPETフィルム)、ポリエチレンテレフタレート系二軸延伸フィルム(BOPETフィルム)が挙げられる。
また、好適な不透明の熱可塑性樹脂フィルム1bとしては、無機微細粉末を含む、CPPフィルム、BOPPフィルム、CPETフィルム、BOPETフィルム、合成紙が挙げられる。
(ヒートシール層(低融点樹脂層))
本実施形態のラベル付き容器やラベル付き容器の製造方法で用いられるインモールドラベル10は、熱可塑性樹脂フィルム1bの一方の面に低融点樹脂層1aを有する。低融点樹脂層1aはストレッチブロー成形における低温接着条件でも成形品との十分な接着強度を与えるものである。
低融点樹脂層1aの厚さは特に限定されないが、好ましくは1.5〜15μmである。厚さが1.5μm以上であると接着強度が低下しにくくなる。厚さが15μm以下であると接着層の着色やラベル10のカールが起きにくくなり、インモールド成形の際にラベル10と容器2との間に入り込んだ空気を逃がすためのエンボスを深くする必要が無く、外観に影響しにくくなる。低融点樹脂層1aの厚さは2〜5μmがより好ましく、2〜3μmがさらに好ましい。
〔ポリエチレン系樹脂〕
低融点樹脂層1aに含まれる樹脂は特に限定されないが、低融点樹脂層1aは、例えばポリエチレン系樹脂を含むことが好ましい。そこで、以下では低融点樹脂層1aに含まれる樹脂がポリエチレン系樹脂の場合を例に説明する。ポリエチレン系樹脂の融点は、60〜110℃である。融点が60℃以上であるとブロッキング(特にカットブロッキング)が起きにくくなり、融点が110℃以下であるとインモールド成形時に低融点樹脂層1aが溶融しやすく、接着強度を高めやすくなる。ラベル10のブロッキングとラベル付き容器2の接着強度とを両立させる観点から、低融点樹脂層1aが含有するポリエチレン系樹脂の融点は70〜100℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
低融点樹脂層1aが含有するポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体でもよく、エチレンと、エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体であってもよい。低融点樹脂層1bが含有するポリエチレン系樹脂は、エチレンと、エチレンと共重合可能なモノマーとの共重合体であることが好ましい。
エチレンと共重合可能なモノマーとしては、炭素数3〜10(好ましくは炭素数3〜8)のα−オレフィン、スチレン等のヘテロ原子を有しないモノマー;酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、アルキル基の炭素数が1〜8の(メタ)アクリル酸アルキルエステル、無水マレイン酸等のヘテロ原子を有するモノマーが挙げられる。
また、低融点樹脂層1aに含まれるポリエチレン系樹脂の含有割合は特に限定されないが、低融点樹脂層1aの全質量に対して、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、通常100質量%以下である。ポリエチレン系樹脂の含有割合が上記範囲であれば、ラベル付き容器の接着強度が優れる。
上記の理由により、ポリエチレン系樹脂の中でも、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体が特に好ましく、直鎖状低密度ポリエチレンが最も好ましい。これらのポリエチレン系樹脂は単独で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。
直鎖状低密度ポリエチレンとしては、チーグラー型の触媒に代表されるマルチサイト系の触媒によって合成されたものと、メタロセン触媒に代表されるシングルサイト系の触媒によって合成されたものが挙げられるが、低融点樹脂層1aが含有するポリエチレン系樹脂の融点を上記範囲に制御する観点から、シングルサイト系の触媒によって合成されたものが好ましく、触媒の中でもZr、Ti、Hf等の遷移金属とシクロペンタジエニル環やインデニル環等の不飽和環とからなる、いわゆるメタロセン触媒が好ましい。
また、カットブロッキング抑制の観点から、直鎖状低密度ポリエチレンの重量平均分子量と数平均分子量との比Mw/Mnは3.5以下が好ましい。
ポリエチレン系樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤等の各種添加剤を配合することができる。
低融点樹脂層1aの表面は、インモールド成形時にラベル10とパリソンの間に入り込んだ空気を速やかに排出する観点から、凹凸を有することが好ましい。凹凸の付与は、公知の方法が使用できるが、一般的にエンボスロールによる付与が好適に使用できる。
(印刷層(インキ受理層))
インモールドラベル10は、熱可塑性樹脂フィルム1bが低融点樹脂層1aを有していない面に印刷層(以下、インキ受理層ともいう)1cを有することが好ましい。インキ受理層1cはインモールドラベル10の印刷適性、特にインキの転移性およびインキの密着性を高める効果を奏する。
インキ受理層1cは帯電防止剤を含むことが好ましい。また、インキ受理層1cは、必要に応じて、バインダー、架橋剤、アンチブロッキング剤、着色剤、消泡剤、防黴剤、滑剤等を含めることができる。
〔帯電防止剤〕
帯電防止剤は、金型内のラベル保持方法が真空吸引式である場合は、インモールドラベル10のどの層に適用されてもよいが、金型内のラベル保持方法が静電吸着式である場合は、インモールドラベル10の低融点樹脂層1aを有しない表面に適用可能なものである。この面を構成する熱可塑性樹脂フィルム1bの表面またはインキ受理層1cに帯電防止性を付与できれば特に限定されない。
帯電防止剤としては、低分子量有機化合物、導電性無機化合物、いわゆる電子導電性ポリマー、非イオン性ポリマー型帯電防止剤、第四級アンモニウム塩型共重合体、アルカリ金属塩含有ポリマー等が挙げられる。具体的には、ステアリン酸モノグリセリド、アルキルジエタノールアミン、ソルビタンモノラウレート、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩等の低分子量有機化合物;ITO(インジウムドープド酸化錫)、ATO(アンチモンドープド酸化錫)、グラファイトウィスカ等の導電性無機化合物;ポリチオフェン、ポリピーロイル、ポリアニリン等の分子鎖内のパイ電子により導電性を発揮するいわゆる電子導電性ポリマー;ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジアミン等の非イオン性ポリマー型帯電防止剤;ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート四級化物等の第四級アンモニウム塩型共重合体;アルキレンオキシド基および/または水酸基含有ポリマーへのアルカリ金属イオン添加物等のアルカリ金属塩含有ポリマー等が挙げられる。
帯電防止剤が適用された、インモールドラベル10の表面の表面抵抗率は1×102Ω〜1×1013Ωが好ましく、1×106Ω〜1×1012Ωがより好ましい。
インキ受理層1cに含まれる帯電防止剤の含有割合は特に限定されないが、インキ受理層1cの全質量に対して通常10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上であり、通常50質量%以下、好ましくは40質量%以下である。
<4−3.インモールドラベルの製造方法>
インモールドラベル10の製造方法に制限はない。
低融点樹脂層1aを、熱可塑性樹脂フィルム1bの一方の面に積層して製造することが好ましい。熱可塑性樹脂フィルム1bの一方の面に低融点樹脂層1aを積層する方法は特に限定されない。
また、熱可塑性樹脂フィルム1bを多層構造とすることもできる。単層のフィルムを成形する方法としては、Tダイによる押出し成形(キャスト成形)、Oダイによるインフレーション成形、圧延ロールによるカレンダー成形が挙げられる。多層のフィルムを成形する方法としては、前記Tダイや前記Oダイを多層ダイス構成とする。そして、それぞれの層に用いる熱可塑性樹脂組成物をそれぞれ異なる押出機に供給して溶融し、各押出機から吐出された熱可塑性樹脂組成物を前記多層ダイスに供給し、ダイス内で積層してフィルム状に吐出する。
(低融点樹脂層の積層方法)
熱可塑性樹脂フィルム1bの一方の面に低融点樹脂層1aを積層する方法は特に限定されないが、例えば、共押出法、押出ラミネート法、フィルム貼合法、塗布法、ドライラミネート法や熱ラミネート法等が挙げられる。
共押出法は、前記多層ダイスに熱可塑性樹脂フィルム1b用の熱可塑性樹脂組成物と、低融点樹脂層1a用の熱可塑性樹脂組成物(それぞれ複数あってもよい)とを供給し、多層ダイス内で積層して押し出すため、成形と同時に積層が行われる。
押出ラミネート法は、熱可塑性樹脂フィルム1bを先に成形し、これに溶融した低融点樹脂層1aを積層するため、成形と積層とは別工程で行なわれる。
フィルム貼合法は、熱可塑性樹脂フィルム1bと低融点樹脂層1aとをそれぞれフィルム成形し、接着剤を介して両者を貼りあわせるため、成形と積層とは別工程で行なわれる。
塗布法は、熱可塑性樹脂フィルム1bの一方の面に低融点樹脂層1a用の熱可塑性樹脂組成物を塗布する方法である。例えば、低融点樹脂層1a用の熱可塑性樹脂組成物を溶剤に溶解して塗工液とし、熱可塑性樹脂フィルム1bに塗布された熱可塑性樹脂組成物を乾燥させることで低融点樹脂層1aが形成されるため、成形と同時に積層が行われる。
また、ドライラミネート法や熱ラミネート法を用いて低融点樹脂層1aを複層化することもできる。
これらの方法により低融点樹脂層1aと熱可塑性樹脂フィルム1bとは強く粘着して一体的に設けられる。
これら積層法の中でも、各層を強固に接着できる観点から、共押出法が好ましい。
(延伸)
熱可塑性樹脂フィルム1bおよび低融点樹脂層1aはそれぞれ無延伸であってもよく、少なくとも1軸方向に延伸されたものであってもよい。
例えば、熱可塑性樹脂フィルム1bが無延伸であれば、ラベル付き容器の形状追随性を高めることができる。一方、熱可塑性樹脂フィルム1bが延伸されたものであれば、軽量で厚さの均一性に優れる。
延伸方法としては、ロール群の周速差を利用した縦延伸、圧延、テンターオーブンを使用した横延伸、縦延伸と横延伸とを組み合わせた逐次2軸延伸、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせによる同時2軸延伸、テンターオーブンとパンタグラフとの組み合わせによる同時2軸延伸等を挙げることができる。また、インフレーション成形法を用いる場合は、吹込空気量の調整による同時2軸延伸を挙げることができる。
延伸時の延伸倍率は、特に限定されず、インモールドラベルの物性および各層(特に熱可塑性樹脂フィルム1b)の延伸特性等を考慮して適宜決定する。
熱可塑性樹脂フィルム1bの熱可塑性樹脂としてポリプロピレン系樹脂を使用する場合の延伸倍率は、一軸延伸の場合、1.2〜12倍が好ましく、2〜10倍がより好ましい。また、二軸延伸の場合、面積倍率で1.5〜60倍が好ましく、4〜50倍がより好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル樹脂等のその他の熱可塑性樹脂を使用する場合の延伸倍率は、一軸延伸の場合、1.2〜10倍が好ましく、2〜5倍がより好ましい。また、二軸延伸の場合、面積倍率で1.5〜20倍が好ましく、4〜12倍がより好ましい。
延伸温度は、各層(特に熱可塑性樹脂フィルム1b)の延伸特性等を考慮して適宜決定する。中でも熱可塑性樹脂フィルム1bが主として含む熱可塑性樹脂のガラス転移点温度以上から結晶部の融点以下が好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム1bに主として含まれる熱可塑性樹脂がプロピレン単独重合体(融点155〜167℃)である場合は、延伸温度は融点より1〜70℃低い温度が好ましい。また、延伸温度は100〜166℃が好ましい。
また延伸速度は、20〜350m/分が好ましい。
熱可塑性樹脂フィルム1bおよび低融点樹脂層1aを延伸する場合には、さらに、延伸することによってラベル10の剛性が高くなるため、アーム部60でラベル10を金型90に配置するときにラベル10が撓んだり皺が入ったりしにくくなる。そのうえ、延伸方向をラベル10の輪郭形状に応じて設定することで、異形部11a,12aの形成が抑えられる。たとえば、繰り出し機構20に設置されたラベル10において、X方向に延伸される。
(インキ受理層の積層)
〔溶剤〕
インキ受理層1cは、塗工液を塗工して形成されることが好ましい。塗工液を形成する溶剤は、工程管理が容易である観点から、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン等の水溶性溶剤;酢酸エチル、トルエン、キシレン等の非水溶性溶剤が挙げられる。
塗工液は上記溶剤に、帯電防止剤等の上記成分を均質に溶解または分散させて、溶液または分散液の状態として用いることが好ましい。中でも安全性や臭気の観点から、上記成分を何れも水溶性または水分散性の物質として、水溶液または水分散液の形態で用いることがより好ましい。
塗工液中の固形分濃度は、乾燥負荷を少なくする観点から0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましい。また、均一な塗工面を得る観点から20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
〔塗工〕
塗工方法としては、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、リバースコーター、ブレードコーター、メイヤーバーコーター、エアーナイフコーター等の塗工装置を用いる方法が挙げられる。
溶剤として水または水溶性有機溶剤を使用する場合、塗工液のはじきを抑制し均一に塗工する観点から、事前に熱可塑性樹脂フィルム1bの塗工液を塗工する面に低融点樹脂層1aの表面と同様のコロナ放電処理に例示される活性化処理を施すことが好ましい。また、事前に熱可塑性樹脂フィルム1bの片面に上記塗工液を塗工し、塗工層を乾燥させて溶剤を除去することも好ましい。
〔塗工量〕
インキ受理層1cは、乾燥後の片面当たりの固形分塗工量として0.01g/m2〜7g/m2であることが好ましく、0.01g/m2〜5g/m2であることがより好ましく、0.05g/m2〜3g/m2が特に好ましい。インキ受理層1cの塗工量が上記範囲であると、インキの転移性及び密着性が向上する。インキ受理層1cの塗工量が上記上限値以下であるとインモールドラベルがカールを起こしにくく、インキ受理層1c内での凝集破壊によりインキの密着性が低下しにくくなる。一方、インキ受理層1cの塗工量が上記下限値以上であるとインキの転移性及び密着性が発現しやすくなる。
<4−4.インモールドラベルの加工>
(印刷および加飾)
インモールドラベル10は、印刷が可能である。
通常、熱可塑性樹脂フィルム1bの低融点樹脂層1aを設けていない面に印刷を施すことができる。印刷情報としてはバーコード、製造元、販売会社名、キャラクター、商品名、使用方法等が挙げられる。
また、低融点樹脂層1aに印刷を施すこともできる。熱可塑性樹脂フィルム1bが透明の場合は、ラベル付き容器2において低融点樹脂層1aの印刷情報が最外層にないため、耐久性に優れる効果を奏する。また、熱可塑性樹脂フィルム1bが不透明の場合は、ラベル付き容器2において該印刷情報が視認できず、ラベル10を破壊した時印刷が視認可能になるため、セキュリティ性を発現する。
印刷方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シール印刷、スクリーン印刷等が挙げられる。
また、インモールドラベル10に転写箔、ホログラム等の加飾を施してもよい。スレッド等のセキュリティ要素も加飾に含まれる。印刷と加飾との両方を施してもよい。
(打ち抜き)
インモールドラベル10は、印刷および加飾を行う前または後に、打ち抜きにより必要な形状および寸法に分離されることが好ましい。印刷および加飾された情報を損ないにくい観点から、印刷・加飾を行った後に打ち抜きを行なうことが好ましい。打ち抜き加工されたインモールドラベルは、プラスチック容器表面の全面に貼着されるものであってもよいし、一部に貼着される部分的なものであってもよい。例えば、インモールドラベルはインジェクション成形により付型されるカップ状のプラスチック容器の側面をぐるりと取巻くブランクラベルとして用いるものであってもよいし、中空成形により付型されるボトル状のプラスチック容器の表面および裏面に貼着されるラベルとして用いるものであってもよい。
<4−5.ラベル付き容器>
本実施形態の製造装置又は製造方法で得られるラベル付き容器は、極性樹脂製容器の表面に、インモールドラベル10が貼着されている。極性樹脂製容器の表面に、インモールド成形する方法、すなわちインモールドラベルを貼着する方法に制限はない。
極性樹脂製容器の成形方法としては、例えば、パリソンとして加熱したプリフォームを使用し、ロッドと圧空により金型内壁に圧着して付形するストレッチブロー成形が挙げられる。インモールドラベル10は、ストレッチブロー成形の低温接着条件でも接着強度が高いため、特にストレッチブロー成形に有用である。
ただし、本実施形態のインモールドラベルはストレッチブロー成形のみならず、ダイレクトブロー成形、インジェクション成形、差圧成形等にも同様に使用可能である。
以下において、ラベル付き容器の好ましい態様を説明する。
(ラベル付き容器の特性)
上記の通りにして極性樹脂製容器2の表面に、インモールドラベル10が貼着されているラベル付き容器が得られる。そのラベル付き容器は以下の特性を有することが好ましい。
〔接着強度〕
極性樹脂製容器2とインモールドラベル10との間の接着強度はJIS K6854−2:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離」に従って測定する。ブリスター(気泡)が生じない状況下では、上記接着強度は2N/15mm以上が好ましく、4N/15mm以上がより好ましく、5N/15mm以上がさらに好ましい。一方、上記接着強度の上限は特に限定されないが、低融点樹脂層1aを構成する樹脂の凝集破壊強度から15N/15mm以下であることが好ましい。
〔耐水剥離〕
ラベル付き容器を温水に浸漬した場合、ラベル10が容易に剥がれないが、長時間浸漬するとラベル10が自然に剥離するように設計しておくとラベル付き容器からラベル10を剥離することによって容器2のリサイクル適性が向上する。本願実施例では25℃の温水に10時間浸漬しても剥離せず、24時間浸漬した場合剥離する例を示すが、これに限定されず、低融点樹脂層1aの組成、低融点樹脂層1aの厚み、溶解度パラメーター、表面活性化処理の種類及び処理量等の条件を適宜設定することにより、洗浄条件(洗浄液の組成、液温、浸漬状態等)に応じた剥離適性を付与することができる。
〔厚み方向寸法〕
また、インモールドラベリングで容器2にラベル10が貼着されることから、ラベル10の高さ寸法の「T2」が抑えられている。具体的に言えば、ラベル10の厚み方向寸法である「T1」と、ラベル10の段差の高さ寸法である「T2」との比率T1:T2は50:50〜100:0の範囲が好ましい。
[5.作用および効果]
本実施形態のラベル付き容器の製造装置および製造方法では、フィルム1の長手方向に配列されたラベル10が分離されるため、重ねられた枚葉状のラベルを一枚ずつ取り出す製法に比較して、ラベル10の反りを抑えることができ、静電気などで重なってラベル10が取り出されることもない。よって、ラベル付き容器の品質及び生産性を向上させることができる。
ここで、従来、ラベルに両面印刷が施されるような場合には、ヒートシール層(低融点樹脂層)の貼着面を含むラベルに両面に印刷機能を付与すべくコロナ放電処理のような活性化処理を施すことはあったが、インモールド成型のように外側面だけに片面印刷する場合には、非印刷面である貼着面にコロナ放電処理のような活性化処理を施す必要がなかった。また、ラベルの貼着面に活性化処理を施すと却ってラベルの接着強度が低下して実用的でないことが一般的な理解であった。
このため、インモールド成型に使用するラベルの貼着面に活性化処理を施すことは禁忌とされ、ラベルの外側面に印刷機能を付与すべく活性化処理を施す場合には、活性化処理の影響が貼着面に作用しないように注意が払われていた。
これに対し、本発明者は、容器2が、ペットボトルのように極性樹脂を成型したものであった場合には、ラベル10の低融点樹脂層1aの貼着面、すなわちインモールド成型時にパリソンに対向する面に、活性化処理を行うことで、貼着面を活性化して濡れ性を向上させることができ、これにより容器2と低融点樹脂層1aとの接着性を向上できることを発見した。これは、低融点樹脂層1aの濡れ性が向上すると、パリソンの熱で低融点樹脂層1aが融解したとき、低融点樹脂層1aとパリソンとのなじみが良くなり、パリソンの表面に低融点樹脂層1aが広がりやすくなって低融点樹脂層1aと容器2との密着が良好になるものと推察される。
この結果、容器2が極性樹脂を成型したものであった場合でも、低融点樹脂層1aに非極性樹脂を使用したラベル10を貼着できる。
[II.実施例]
以下、本件の実施例を述べる。
なお、下記の実施例に示す材料,使用量,割合,処理内容,処理手順などは、本件の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本件の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
熱可塑性樹脂フィルム1bの材料として表1記載のPP−1が84質量%、CA−1が15質量%、TI−1が1質量%の熱可塑性樹脂組成物を230℃に加熱した押出機で溶融混練して、2層ダイスに供給した。
一方、低融点樹脂層1aの材料として表1記載のPE−1を210℃に加熱した押出機で溶融混練して、2層ダイスに供給した。
2層ダイスの中で熱可塑性樹脂フィルム1bの材料と低融点樹脂層1aの材料とを積層して2種類の層を有する2層フィルムとしてTダイから押し出した。
これを冷却装置により冷却して2層構造の無延伸シートを得た。この無延伸シートを150℃に加熱して縦方向に5倍延伸した。次いで60℃の温度にまで冷却した後、再び150℃の温度にまで加熱してテンターで横方向に8倍延伸し、160℃の温度でアニーリング処理し、60℃の温度にまで冷却して、2層構造を有する白色不透明の二軸延伸ポリオレフィン系積層樹脂フィルムを得た。
次いでこれをガイドロールでコロナ放電処理器に導き、両側の表面にそれぞれ50W/m2の処理量でコロナ放電処理を施し、耳部を切り取った後、巻き取り機で巻き取った。
得られた2層構造を有する白色不透明の二軸延伸ポリオレフィン系積層樹脂フィルムの厚さは70μmで、密度は0.76g/cm3であった。低融点樹脂層1aの厚さは2.0μmで、表面張力は64mN/mであった。
この2層構造を有する白色不透明の二軸延伸ポリオレフィン系積層樹脂フィルムを実施例1のインモールドラベルとした。
<実施例2>
実施例1において、熱可塑性樹脂フィルム1b用熱可塑性樹脂組成物の配合を表2記載の通り無機微細粉末なしに変更して、無色透明の二軸延伸ポリオレフィン系積層樹脂フィルムを得た。この無色透明の二軸延伸ポリオレフィン系積層樹脂フィルムを実施例2のインモールドラベルとした。
<実施例3>
実施例1において、低融点樹脂層1a用樹脂を下記表2に記載の融点が90℃のPE−2に変更して、白色不透明の二軸延伸ポリオレフィン系積層樹脂フィルムを得た。この白色不透明の二軸延伸ポリオレフィン系積層樹脂フィルムを実施例3のインモールドラベルとした。
なお、後述の接着強度の試験結果における実施例3と実施例1との比較により、エチレン共重合比率が95%以上であるPE−1を用いた実施例1の方がエチレン共重合比率が95%未満であるPE−2を用いた実施例3よりも接着強度が高くなることが示された。
<比較例1>
コロナ放電処理を行わなかったことを除いて実施例1と同様にして比較例1のインモールドラベルを作製した。
後述の接着強度の試験結果のとおり、比較例1のインモールドラベルを用いてラベル付き容器を製造したところ、十分な接着強度が得られなかった。低融点樹脂層1a表面の表面張力は32mN/mであり、O/C比は0.005であった。
<比較例2>
2層ダイスへの低融点樹脂層1a供給量を絞ることによって、低融点樹脂層1aの厚さを0.8μmとし、コロナ放電処理を行わなかったことを除いて実施例1と同様にして比較例2のインモールドラベルを作製した。
後述の接着強度の試験結果のとおり、比較例2のインモールドラベルを用いてラベル付き容器を製造したところ、十分な接着強度が得られなかった。
<比較例3>
低融点樹脂層1aに用いたポリエチレン系樹脂の融点が81℃のPE−1に対し、融点が115℃のPE−3を使用し、コロナ放電処理を行わなかったことを除いて実施例1と同様にして比較例3のインモールドラベルを作製した。
後述の接着強度の試験結果のとおり、比較例3のインモールドラベルを用いてラベル付き容器を製造したところ、十分な接着強度が得られなかった。
比較例1〜3により、低融点樹脂層1aがポリエチレン系樹脂である場合、低融点樹脂層1aが最外層であるインモールドラベルを用いてインモールド成形でポリエチレンテレフタレート製容器に貼着されるためには、コロナ放電を代表とする活性化処理が必須であることが示された。
<評価方法>
[インモールドラベル物性]
(各層の厚さ)
インモールドラベルの厚さ(全厚)は、JIS K7130:1999に準拠し、定圧厚さ測定器((株)テクロック製、商品名:PG−01J)を用いて測定した。また、インモールドラベルにおける各層の厚さは、測定対象試料を液体窒素にて−60℃以下の温度に冷却し、ガラス板上に置いた試料に対してカミソリ刃(シック・ジャパン(株)製、商品名:プロラインブレード)を直角に当て切断し断面観察用の試料を作製し、得られた試料を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製、商品名:JSM−6490)を使用して断面観察を行い、外観から熱可塑性樹脂組成物ごとの境界線を判別して、インモールドラベルの全厚に観察される各層厚さ比率を乗算して求めた。
(表面原子構成比率O/C値)
X線光電子分光分析装置(Thermo Fisher Scientific社製のK−Alpha)を用い、低融点樹脂層1aの表面の活性処理面を、励起X線:Al Kα線にして光電子脱出角度90度、C1sメインピークの結合エネルギー値を284.6eVとして1s軌道のエネルギーを測定し、得られたスペクトルからC1sピークとO1sピークの面積比を(酸素原子の数/炭素原子の数)の比、(O/C値)とした。
(表面張力)
JIS K6768:1999に従って、ぬれ張力試験用混合液(和光純薬(株)製)を低融点樹脂層1a表面の測定面に塗布し、低融点樹脂層1a(フィルム)をぬらすと判定された最も表面張力が低い標準液の表面張力を測定面の表面張力とした。単位は、mN/mで表した。
(コロナ放電処理痕)
PP製スクリューボトル(50ml)に粉体トナー(型番:TK−571M、京セラミタ社製、プラス帯電タイプ)と、粒子径2.5mmのガラスビーズを投入し、ボトルを3分間手で振り、凝集体を破砕した。得られたトナーをインモールドラベルの低融点樹脂層1aの表面にふりかけ、コロナ放電処理痕の有無を、目視にて確認し、以下の基準で判断した。
有:インモールドラベルの低融点樹脂層1aの表面にトナーが付着し、かつ模様が浮き上がって見える。
無:インモールドラベルの低融点樹脂層1aの表面にトナーが付着しない。または、インモールドラベルの低融点樹脂層1aの表面にトナーが付着するが模様が浮かび上がってこない。
[ラベル付き容器の特性]
(ラベル付き容器の製造)
各実施例及び各比較例で得たインモールドラベルを、長辺8cm及び短辺6cmの矩形に打ち抜いた。
次に打ち抜いたインモールドラベルを、静電気帯電装置を用いて帯電させた。続いてストレッチブロー成形機(日精ASB社製、商品名:ASB−70DPH)の成形用金型の内部に、低融点樹脂層1aの反対面が金型に接するように(低融点樹脂層がキャビティ側を向くように)、設置して型締めした。インモールドラベルは、金型内でラベルの長辺が樹脂成形体の胴体の周方向に対して平行に貼着されるように設置した。金型は、キャビティ側の表面温度が20〜45℃の範囲内となるように制御した。
一方、ポリエチレンテレフタレート製のプリフォームを100℃に予熱した。次に、プリフォームを金型に導き、5〜40kg/cm2のブロー圧力下、1秒間ストレッチブロー成形した。その後、15秒で50℃まで冷却した。
次に型を開き、高さ12cm及び一辺約7cmの角型の胴部を有するラベル付き容器を取り出した。
(インモールドラベルの接着強度)
測定対象のラベル付き容器を、温度23℃、相対湿度50%環境下で2日間保管した。次に、ラベルの貼着部分の容器器壁およびラベルを一体にカッターで切り取り、容器の胴の周方向を長手として長さ12cm(ラベルの貼着部分は9cm、非貼着部分は3cm)及び幅1.5cm(全幅にラベルが貼着)の測定用サンプルを、容器2個より計6本採取した。
次に、つかみしろ(ラベルの非貼着)部分からラベルを丁寧に剥がしていき、約1cm剥離して、つかみしろのための接着部分を形成した。次に幅1.5cmのPETフィルム(50μm)の端と上記接着部分とを重ね、粘着剤で接着してラベル側のつかみしろ部分とし、接着強度測定用のサンプルを作製した。
次に、JIS K6854−2:1999に基づき、引張試験機(島津製作所社製オートグラフAGS−5kNJ)を用いて剥離速度300mm/minの条件で180度剥離試験を実施した。剥離長さ25mm〜75mm間の剥離力の平均値を測定し、さらにサンプル6点の測定値を平均して得られた値を、接着強度とした。接着強度の単位は、N/15mmとした。
なお、比較例1〜3のラベル付き容器については、ラベルの殆どの部分が容器から浮き上がり、サンプリング時に剥がれてしまい、安定に測定できなかったため、比較例1〜3については「接着せず」と判定した。
(耐水剥離試験)
測定対象のラベル付き容器品を25℃の温水に3時間または24時間浸漬して、水中で剥離テストして、以下の通り評価した。なお、ラベルを指で滑らせることができれば「剥離」とする。
A:24時間浸漬も剥離しない。
B:10時間浸漬では剥離しないが24時間浸漬では剥離する。
C:3時間浸漬では剥離しないが10時間浸漬では剥離する。
D:3時間浸漬で剥離する。
[その他]
材料のMFR(JIS K7210:1999によるメルトフローレート)、融点(JIS K7121:1987による融解ピーク温度)、エチレン含有率、密度、無機微細粉末の体積平均粒子径はそれぞれの材料のカタログ値を使用した。
Figure 2018089952
Figure 2018089952
<実施例101>
(株)日本触媒製「エポミンSP−003」、三菱化学(株)製「サフトマーST−1000」を混合して、固形分濃度3質量%のインキ受理層1c用塗料を作製した。
実施例1で作製した2層構造を有する白色不透明の二軸延伸ポリオレフィン系積層樹脂フィルムの熱可塑性樹脂フィルム1b側に上記塗料をメイヤーバー#8で塗布し、80℃で45秒間乾燥させてインキ受理層1cを設けた。
次に、インキ受理層1c側表面にフレキソ印刷機(エムティーテック社製、機器名:FC11B)でUVフレキソ用インク((株)T&K TOKA製、製品名:フレキソ500)を用いて、印刷して、絵柄が印刷されたインモールドラベルを作製し、実施例101のインモールドラベルとした。
実施例101のインモールドラベルを用いた以外は実施例1と同様にしてラベル付き容器を作製したところ、実施例1と同様に接着強度を発現し、絵柄を有するラベル付き容器が得られた。
[III.変形例]
最後に、本実施形態のラベル付き容器の製造装置の変形例について述べる。
[1.第一変形例]
ここでは、アーム部60に関する変形例を述べる。
上述した一実施形態では、一つのラベル10におけるラベル11,12の枚数に応じた数のアーム部61,62が設けられる車台部52を説明したが、ラベルの枚数にかかわらず、一つのアーム部を用いてもよい。
この場合に用いられるアーム部には、複数枚のラベルの全てと側面視で重複する大きさの先端部が設けられる。この先端部としては、多数の穴が穿設されたパンチンググリル(「パンチングプレート」とも称される)を用いることができる。
翻って、一つのラベル10におけるラベル11,12の枚数よりも多数のアーム部を設けてもよい。具体的には、一枚のラベル11,12に対して複数のアーム部が設けられてもよい。
さらに、吸引に限らず、静電気でラベルをアーム部に引き付けてもよい。この場合には、ラベルが帯電しうることから、帯電部を設けなくてもよい。
[2.第二変形例]
ここでは、ラベル10の取り出し先に関する変形例を述べる。
図8に示すように、長尺のフィルム1に加えて、スタッカ8に重ねられた状態の枚葉状のラベル9が設けられてもよい。この場合には、スタッカ8および上述した繰り出し機構20を支持する架台54が設けられ、また、ラベル9,10の取り出し先を切り替える切替機構(切替部)55が設けられる。ここでは、繰り出し機構20の上方に設けられたスタッカ8を例示する。
この切替機構55には、架台54を上下に移動させる移動機構56が設けられる。すなわち、切替機構55は、ラベル9,10の取り出し先のステージ(上下方向位置)を切り替える。ここでは、搬送機構50のステージを切り替えずに、ラベル9,10の取り出し先のステージを切り替える。
切替機構55によって架台54を上方に移動することで、車台部52のアーム部60に対向する繰り出し機構20のラベル10を取り出すことができるうえに、架台54を下方に移動させることで、アーム部60に対向するスタッカ8のラベル9を取り出すことができる。
したがって、容器2の表側に使用するラベル9,10を択一的に切り替えることができる。なお、容器2の裏側に使用するラベルがフィルムから分離される場合には、表側には枚葉状のラベル9が貼着されるとともに、裏側にはフィルムから分離されたラベルが貼着された容器2を成形することもできる。つまり、枚葉状のラベル9とフィルムから分離されたフィルムとを一つの容器2で併用することもできる。
このような切替機構55による切替工程が、巻回工程と並列的に実施されてもよい。
そのほか、切替機構は、ラベル9,10の取り出し先のステージを切り替えるのに代えてあるいは加えて、搬送機構50のステージを切り替えてもよい。具体的には、上下に延びるスライドレールが設けられ、車台部52がスライドレールに沿って上下にスライド移動する切替機構であってもよい。この場合には、車台部52が下部に位置するときは、上述したように長尺のフィルム1からラベル10を分離することができるうえに、上部に位置するときには、スタッカ8で重ねられた枚葉状のラベル9を取り出すことができる。
なお、繰り出し機構20における回転軸21,22の延在方向や、繰り出し機構20およびスタッカ8が並ぶ方向は、上下方向に限らず、周囲の構成や要求仕様などに応じて種々の方向に設定される。
[3.第三変形例]
ここでは、ラベル9,10の搬送に関する変形例を述べる。
搬送機構50は、車台部52がレール51に沿ってスライド移動して、ラベル9,10が直線的に往復動する機構に限られない。
たとえば、回転する円盤状の外周端部に断続的に吸盤や静電部を配置し、これらの吸盤や静電部でラベル9,10を引き付けてもよい。この場合には、ラベル9,10が回転しながら搬送される。
そのほか、四軸ロボットや六軸ロボットといった多軸のロボットアームの先端部に吸盤や静電部を配置し、これらの吸盤や静電部でラベル9,10を引き付けてもよい。この場合には、ラベル9,10を自在な軌道で搬送することができる。
さらに、ラベルの枚数に応じた数のロボットアームが設けられる場合には、相対的な配置を変更して搬送することができる。そのため、フィルム1に対してラベル10を高密度に印刷することで、材料コストを抑えることができる。
すなわち、複数のラベル11,12の相対的な配置は、取出工程(取出部)と配置工程(配置部)とで、異なるように設定されていてもよい。これにより、長尺のフィルム1において、一方の主面の長手方向に複数のラベル11,12からなるラベル群10が複数配列された状態で、一つのラベル群10の中における複数のラベル11,12の間隔を狭くすることができる。言い換えると、長尺のフィルム1に印刷するときの絵柄の割り付け(面付けともいう)の工夫により余白を少なくすることで、フィルム1の材料コストを削減することができる。
このとき、取出工程において、ラベル群10をなす複数のラベル11,12のそれぞれをフィルム1から分離する点で変化はないが、配置工程において、金型91のうち一つの内部に、取出工程で分離して取り出された複数のラベル11,12の相対的な配置と異なるように配置することが必要になる。複数のラベル11,12のそれぞれを吸引するアーム部60はそれぞれ独立して移動する必要がある。これを達成するためには、上述したように、それぞれのアーム部60がそれぞれ独立した多軸ロボットのアームとして、またはこのアームに接続されて構成されることが好ましい。
複数のラベル11,12の相対的な配置が、取出工程と配置工程とで異なるように設定される場合には、取出工程における複数のラベル11,12の相対位置および配置工程における複数のラベル11,12の相対位置をそれぞれ予め外部記憶装置112に記憶しておき、取出工程でのラベル11,12の相対配置を配置工程でのラベル11,12の相対配置に変化させて、複数のラベル11,12を金型91に配置するように多軸ロボットをコンピュータ制御することが好ましい。さらに、この制御を制御部100に実行させるプログラム117が外部記憶装置112に格納されることが好ましい。
[4.第四変形例]
ここでは、制御系に関する変形例を述べる。
制御部100の制御対象は、アーム部60だけでなく、印刷部30,繰り出し機構20,搬送機構50といった他のユニットであってもよいし、これらのユニットを統合的に制御して製造装置の全体を制御してもよい。この場合には、製造装置の各ユニットを個別に制御するときの制御処理や制御装置の全体を制御するときの制御処理をプログラム117が実行してもよい。
更に言えば、帯電部80を省略してもよい。この場合には、装置構成を簡素にすることができる。
[5.第五変形例]
ここでは、活性化処理部200にコロナ放電処理部を使用した場合に関連する変形例を述べる。
(1)コロナ放電処理部を設けてコロナ放電処理により活性化処理工程A14が実行されるので、その際に、ラベル10が帯電する。この帯電の電荷が大きい場合には、金型91にラベル10を静電吸着させることが可能となるので、帯電部80及び帯電工程A26を省略してもよい。
逆に、金型91内に吸引孔を設け、この吸引孔から真空吸引してラベル10を保持する場合には、除電装置(イオナイザ)を設けて、コロナ放電処理による活性化処理工程A14の実行後、ラベル10を金型91内に吸引保持させる前に、ラベル10を除電するようにするのが好ましい。これは、ラベル10が帯電していると、静電力が吸引保持に影響して、金型91内でのラベル10の保持位置が正規の位置からずれてしまうおそれがあるためである。
(2)上記実施形態では、本発明を、フィルム1の長手方向に配列されたラベル10に活性化処理を施すものに適用した例を説明したが、本発明は、枚葉状のラベルに活性化処理を施すものにも適用できる。
本発明のラベル付き容器の製造装置およびラベル付き容器の製造方法によれば、これまでの常識ではポリエステルに接着できないポリエチレン系樹脂を接着層として有するフィルムを使用してポリエステル製容器に接着可能になり、ストレッチブロー成形による低温接着条件でも成形品との接着強度が充分である成形品を得ることができる。そのため、ポリエステル製容器用/ポリオレフィン製容器用兼用のインモールドラベルを製造することが可能になり、当該分野のコスト削減に大きく寄与する。
1 フィルム
1a ヒートシール層(低融点樹脂層)
1b 基層(熱可塑性樹脂フィルム)
1c 印刷層(インキ受理層)
8 スタッカ
9 枚葉状のラベル
10 ラベル(ラベル群)
11a 異形部
12 第二ラベル
13 余白部
14 マーキング
2 容器
2a 外壁
20 繰り出し機構(繰り出し部)
25 位置決め機構
26 光学機器
27 排出口
29 ストッパ
30 印刷部
40 検査部
41 検出部
42 判定部
50 搬送機構(搬送部)
51 スライドレール
52 車台部
54 架台
55 切替機構
56 移動機構
60 アーム部(取出部,配置部)
70 整形部(整形工程)
71 エアガン(噴気部)
72 バーナ(火炎放射部)
80 帯電部(帯電工程)
90 成形機構(成形部)
91 金型
100 制御部(コンピュータ)
200 活性化処理部
113 入力装置
114 出力装置(表示部)
117 プログラム
118 記録媒体
P1 原点位置
P2 整形位置
P3 帯電位置
P4 成形位置

Claims (6)

  1. 低融点樹脂層を有するラベルを取り出す取出部と、
    前記取出部によって取り出された前記ラベルを、前記低融点樹脂層を内方に向けて金型内に配置する配置部と、
    前記金型内に成形材料を供給し、前記配置部によって前記金型内に配置された前記ラベルが、前記低融点樹脂層で外壁に貼着された容器を成形する成形部と、
    前記ラベルが前記配置部によって前記金型内に配置される前に、前記低融点樹脂層に活性化処理を行う活性化処理部とを備えたことを特徴とするラベル付き容器の製造装置。
  2. 前記活性化処理部が、コロナ放電処理を行うコロナ放電処理部である
    ことを特徴とする請求項1に記載されたラベル付き容器の製造装置。
  3. 前記ラベルが、長尺のフィルムに、前記フィルムの長手方向に複数配列され、
    前記フィルムを繰り出す繰り出し部をさらに備え、
    前記取出部は、前記繰り出し部によって繰り出された前記フィルムから前記ラベルを取り出し、
    前記活性化処理部は、前記繰り出し部から繰り出されている最中の前記フィルムに配列された前記ラベルの前記低融点樹脂層に対して、前記活性化処理を行う
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載されたラベル付き容器の製造装置。
  4. 低融点樹脂層を有するラベルを取り出す取出工程と、
    前記取出工程によって取り出された前記ラベルを、前記低融点樹脂層を内方に向けて金型内に配置する配置工程と、
    前記金型内に成形材料を供給し、前記配置部によって前記金型内に配置された前記ラベルが、前記低融点樹脂層で外壁に貼着された容器を成形する成形工程と、
    前記ラベルが前記配置部によって前記金型内に配置される前に、前記低融点樹脂層に活性化処理を行う活性化処理工程とを備えたことを特徴とするラベル付き容器の製造方法。
  5. 前記活性化処理工程が、コロナ放電処理を行うコロナ放電処理工程である
    ことを特徴とする請求項4に記載されたラベル付き容器の製造方法。
  6. 前記ラベルが、長尺のフィルムに、前記フィルムの長手方向に複数配列され、
    前記フィルムを繰り出す繰り出し工程をさらに備え、
    前記取出工程では、前記繰り出し工程によって繰り出された前記フィルムから前記ラベルを取り出し、
    前記活性化処理工程では、前記繰り出し工程から繰り出されている最中の前記フィルムに配列された前記ラベルの前記低融点樹脂層に対して、前記活性化処理を行う
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載されたラベル付き容器の製造方法。
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