JP2018084743A - 光アイソレータ及びこれを用いた光伝送装置 - Google Patents

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Akio Watanabe
章夫 渡辺
山内 良彦
Yoshihiko Yamauchi
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【課題】光アイソレータの各要素が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置される態様において、安定的な動作特性を維持する。【解決手段】第1の複屈折結晶1と第2の複屈折結晶2との間にファラデー回転子3、半波長板4を配設してなる光アイソレータ5であって、半波長板4の入射面が光の入射方向に対して直交配置される条件で、使用波長λの光に対して最大アイソレーション値をとるときの半波長板4の厚さをT0とした場合、半波長板4の入射面が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置された条件では、半波長板4を通過する実質的光路長LをT0に合わせるように半波長板4の厚さTを調整する。更に、この光アイソレータ5を含む光伝送装置をも対象とする。【選択図】図1

Description

本発明は、光伝送装置の一要素として用いられる光アイソレータに係り、特に、低価格で偏光無依存型に有効な光アイソレータ及びこれを用いた光伝送装置の改良に関する。
光アイソレータは、例えば高速長距離伝送用のレーザ光源に用いられるものであり、レーザ光源から出た光が光ファイバに導かれる順方向の損失が1dB以下と小さく、光ファイバからレーザ光源に導かれる逆方向の損失が20dB以上と大きい特徴を持っている。このような特性を実現するために、光アイソレータには、少なくとも一枚の偏光子とファラデー回転子が不可欠であるが、特に高い逆方向損失が要求される場合には、少なくとも二枚の偏光子と二枚のファラデー回転子が必要になる。通信部品用の偏光子とファラデー回転子は何れも高価な光学部品であり、近年の通信部品市場からの厳しい価格低減要求にこたえるためにはより一層の価格低減が求められている。
現在標準的に使用されている偏光子はガラスであるが、光信号の中経や増幅器に使用される光アイソレータには、偏光無依存型が求められる。通常の偏光無依存型光アイソレータは、例えば複屈折結晶を楔形に加工した偏光子二枚とファラデー回転子一枚とで構成される。ところが、このような光アイソレータは、一つ一つの光学部品を個別の金属ホルダに固定して、相互の回転方向を調整して組み立てる必要があり、通信用アイソレータに比べ高価なものとなる。
また、偏光無依存型光アイソレータとしては、エルビウムドープファイバアンプ(EDFA)のような増幅器に使われる他に、半導体光増幅器用に求められることがある。この場合は、コスト的に一層安価なものが求められると同時に、実装密度の高い製品が必要となる。
このような用途に有用な光アイソレータとしては、例えば特許文献1に示されるように、少なくとも二枚の複屈折結晶板の間に一枚のファラデー回転子、一枚の半波長板を並列配置したものが既に知られている。
特開2004−029334号公報(実施例,図1)
ところで、この種の光アイソレータは、例えば光学部品として集光レンズと光ファイバとの間に設置され、例えば半導体増幅器が構築されることになるが、このとき、反射戻り光が半導体増幅器に戻らないようにするためには光アイソレータの各素子自体の反射を有効に抑える必要が生ずる。例えば光ファイバに集光する集光ビームが開口0.1、広がり角度6度であると仮定すると、光アイソレータの各要素(各素子)は広がり角度6度以上に傾斜させることが通例行われる。
ところが、利得の高い半導体増幅器を組み立てるには、僅かな反射が動作特性を損なう懸念もあり、光アイソレータの各要素は更に大きな傾斜角で傾斜させることが必要であることが判明した。
そこで、光アイソレータの各素子を6度よりも大きい傾斜角、例えば8度で傾斜させたところ、使用波長λの光に対してピークアイソレーション値(アイソレーション値の最大値に相当)が変化してしまい、動作が不安定になる現象が見られた。
本発明が解決しようとする技術的課題は、光アイソレータの各要素が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置される態様において、安定的な動作特性を維持することにある。
本発明者らは、光アイソレータの各要素(対構成の複屈折結晶板、ファラデー回転子、半波長板)を順次傾斜配置したときの光線状態の変化を調査したところ、以下のような結果が判明した。
先ず、複屈折結晶板はビームシフタとして機能するものであるから、傾斜配置によってビームのシフト量が僅かに変化することが予想されるものの、実験的には検出不能なレベルであり、かつ、光の切替えに伴う消光比の低下は全く見出せなかった。
次に、ファラデー回転子を傾斜配置し、ファラデー回転子の傾斜角度の依存性を調べたところ、傾斜角度に対する有意な変化や、光の切替えに伴う消光比の低下は見出せなかった。
最後に、半波長板を傾斜配置させて光の切替えに伴う消光比を測定したところ、傾斜角度が大きくなるにつれて消光比が低下する現象が見られた。また、消光比の波長依存性を調べると、傾斜角度が大きくなるにつれ、最大消光比が得られる波長が長くなる傾向が確認された。
ここに、使用する波長において、半波長板が狙い通りに機能しないことが特性劣化の原因であることが判明した。つまり、半波長板を斜めに透過する光線は、実質的光路長が半波長板の実際の厚さ寸法よりも長い距離を透過することになり、その分、出射光線の消光比が低下するということである。
本発明者らは、前述した問題を解消するために、半波長板を斜めに透過する光線の実質的な光路長を正しく見積もって半波長板の厚さを選定することに着目し、本発明を案出するに至った。
本発明の第1の技術的特徴は、無偏光状態の光が順方向に対して入射され、常光と異常光との複数の偏光に分かれる第1の複屈折結晶と、前記第1の複屈折結晶から順方向に離れて配設される第2の複屈折結晶と、第1、第2の複屈折結晶間に配設され、第1の複屈折結晶を通過した複数の偏光が順方向に対して所定方向に45度回転させられると共に、逆方向から入射された複数の偏光が順方向とは反対方向に45度回転させられるファラデー回転子と、第1、第2の複屈折結晶間に配設され、複数の偏光が光の進行方向に対して同方向に45度回転させられる半波長板と、を備え、前記半波長板の入射面が前記光の入射方向に対して直交配置される条件で、使用波長λの光に対して最大アイソレーション値をとるときの半波長板の厚さをTとした場合、前記半波長板の入射面が前記光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置された条件では、前記半波長板を通過する実質的光路長をTに合わせるように前記半波長板の厚さTを調整することを特徴とする光アイソレータである。
本発明の第2の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた光アイソレータにおいて、前記半波長板の入射面が前記光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜角θで傾斜配置された条件では、前記半波長板の空気に対する相対屈折率をn、前記半波長板の屈折角をαとすると、前記半波長板の厚さTは、
T=T×cosα (式1)
但し、sinα=sinθ/n
によって選定することを特徴とする光アイソレータである。
本発明の第3の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた光アイソレータにおいて、前記半波長板の入射面が前記光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置された条件では、前記半波長板の空気に対する相対屈折率をn、光アイソレータの入射法線面に対する光の入射角をΘとすれば、前記半波長板の厚さTは、
T=T×√(1−sinΘ/n) (式2)
によって選定することを特徴とする光アイソレータである。
本発明の第4の技術的特徴は、第1乃至第3の技術的特徴のいずれかを備えた光アイソレータにおいて、前記半波長板の前記基準面に対する傾斜角θは6度を超える角度であることを特徴とする光アイソレータである。
本発明の第5の技術的特徴は、第1乃至第3の技術的特徴のいずれかを備えた光アイソレータと、前記光アイソレータの第1の複屈折結晶に対して無偏光状態の光を入射する入射側の光学部品と、前記光アイソレータの第2の複屈折結晶から同一の光路で出射された光を受け入れる出射側の光学部品と、を備えたことを特徴とする光伝送装置である。
本発明の第1の技術的特徴によれば、光アイソレータの各要素が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置される態様において、安定的な動作特性を維持することができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、安定的な動作特性を維持する上で、半波長板の屈折率、傾斜姿勢から半波長板の厚さを簡単に選定することができる。
本発明の第3の技術的特徴によれば、安定的な動作特性を維持する上で、半波長板の屈折率、光アイソレータへの光の入射角度から半波長板の厚さを簡単に選定することができる。
本発明の第4の技術的特徴によれば、光アイソレータの各要素の傾斜角を大きくし、より安定的な動作特性を維持することができる。
本発明の第5の技術的特徴によれば、光アイソレータの各要素が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置される態様において、安定的な動作特性を維持することが可能な光アイソレータを含む光伝送装置を提供することができる。
(a)は本発明が適用される光アイソレータの実施の形態の概要における基本構成要素を示す説明図、(b)は(a)に示す光アイソレータを傾斜配置した態様を示す説明図、(c)は(b)に示す傾斜配置した態様の光アイソレータの半波長板の厚さの選定手法を示す。 実施の形態1に係る光アイソレータの全体構成を示す説明図である。 (a)は実施の形態1で用いられる半波長板の厚さの選定手法1を示す説明図、(b)は実施の形態1で用いられる半波長板の厚さの選定手法2を示す説明図である。 (a)は図3(a)(b)における実質的光路長を選定する際に用いられる光アイソレータの構成例を示す説明図、(b)は(a)に示す光アイソレータを傾斜角θで傾斜配置した態様を示す説明図である。 図4(a)(b)に示す光アイソレータの各波長特性を示す説明図である。 (a)は実施例1に係る光アイソレータの構成を示す説明図、(b)は(a)に示す光アイソレータの波長特性を示す説明図である。 (a)は比較例1に係る光アイソレータの構成を示す説明図、(b)は(a)に示す光アイソレータの波長特性を示す説明図である。 (a)は比較例2に係る光アイソレータの構成を示す説明図、(b)は(a)に示す光アイソレータの波長特性を示す説明図である。
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用される光アイソレータが組み込まれた光伝送装置の実施の形態の概要を示す。
同図において、光アイソレータ5は、無偏光状態の光が順方向に対して入射され、常光と異常光との複数の偏光Bm(本例ではBm,Bm)に分かれる第1の複屈折結晶1と、第1の複屈折結晶1から順方向に離れて配設される第2の複屈折結晶2と、第1、第2の複屈折結晶1,2間に配設され、第1の複屈折結晶1を通過した複数の偏光Bmが順方向に対して所定方向に45度回転させられると共に、逆方向から入射された複数の偏光Bm(本例ではBm,Bm)が順方向とは反対方向に45度回転させられるファラデー回転子3と、第1、第2の複屈折結晶1,2間に配設され、複数の偏光Bmが光の進行方向に対して同方向に45度回転させられる半波長板4と、を備えている。
そして、本例では、光伝送装置として、前述した光アイソレータ5と、光アイソレータ5の第1の複屈折結晶1に対して無偏光状態の光を入射する入射側の光学部品7と、光アイソレータ5の第2の複屈折結晶2から同一の光路で出射された光を受け入れる出射側の光学部品8と、を備えたものが示されている。
ここで、光学部品7,8としては、半導体レーザ、集光レンズ、光ファイバ等適宜選定して差し支えない。
このような技術的手段において、第1、第2の複屈折結晶1,2は互いに直交する直線偏光成分で屈折率が異なり、光線が二つに分離するもので、方解石を始め適宜選定可能である。
また、ファラデー回転子3、半波長板4の配列順は光の入射方向に対して任意である。
ここで、本例における光アイソレータ5の動作原理について簡単に説明する。
図1(a)において、光アイソレータ5はビームシフタとして機能する二枚の複屈折結晶1,2を含み、いずれも例えば紙面右肩上がりの光学軸を有している。
図1(a)中、無偏光の順方向の光線が右側から光アイソレータ5に入射したと仮定すると、垂直方向(ここでは水平方向に対して垂直な鉛直方向に相当)に振動する成分である異常光成分(図1(a)中点線で示すBmに相当)が第1の複屈折結晶1を通過するときにビームシフトを起こす。この異常光成分は、ファラデー回転子3で時計回り方向に45度回転し、半波長板4の結晶軸に対して例えば22.5度の偏角を有するものと仮定する。このとき、半波長板4が入射光線の波長に対して適切な厚さに調整されていれば、半波長板4に入射した光は更に時計回りに45度回転し、半波長板4を透過した光の偏光方向は水平方向に振動する。そして、水平方向の光が第2の複屈折結晶2に入射すると、これは常光成分となり、ビームシフトを起こさないで第2の複屈折結晶2を透過する。
また、図中右側から光アイソレータ5に入射する無偏光の順方向の光線のうち水平方向に振動する成分は、第1の複屈折結晶1に対して常光成分(図1(a)中実線で示すBmに相当)であり、第1の複屈折結晶1に対してはビームシフトを起こさないで透過し、ファラデー回転子3で時計回り方向に45度回転すると、半波長板4の結晶軸に対して67.5度の偏角を有するものとなる。この状態において、半波長板4が入射光線の波長に対して適切な厚さに調整されていれば、半波長板4を透過した光の偏光方向は垂直方向に振動する。そして、垂直方向に振動した光が第2の複屈折結晶2を入射すると、これは異常光成分となり、ビームシフトを起こして第2の複屈折結晶2を透過することになる。
このように、ファラデー回転子3と半波長板4が理想的に機能すれば、図1(a)中右側から入射した垂直偏波も水平偏波も、第1の複屈折結晶1か、第2の複屈折結晶2のいずれかで同じようにビームシフトを引き起こす。その結果、入射光線が光アイソレータ5の全素子を透過した時、全成分が同一の光路を進行することになる。
また、同じ光路を逆方向に伝搬する光線を考えると、図1(a)中、第2の複屈折結晶2に対して逆方向の左側から垂直に振動する成分と水平に振動する成分の経路を分析することになる。
ここで、垂直方向の振動は異常光成分(図1(a)中二点鎖線で示すBmに相当)であり、第2の複屈折結晶2でビームシフトを起こす。これが半波長板4に入射すると半波長板4の結晶軸とは67.5度の偏角を持つ。したがって、半波長板4を透過した後の光の偏光方向は−45度の方位となる。この偏波に対してファラデー回転子3はさらに反時計回りに45度の回転を与えるため、ファラデー回転子3を透過した後の光の偏光方向は垂直方向である。このため、第1の複屈折結晶1に左側から入射した光線が垂直方向の振動である時、これは異常光成分であるので、第1の複屈折結晶1を透過した光線は、更にビームシフトを起こす。つまり、光アイソレータ5に逆方向から入射した光の異常光成分(Bm)は、二度のビームシフトを経て出射されることになる。
一方、水平方向の振動である常光成分(図1(a)中一点鎖線で示すBmに相当)は、第2の複屈折結晶2でも第1の複屈折結晶1でもビームシフトを起こさずに、半波長板4で時計回りに45度回転し、かつ、ファラデー回転子3で反時計回りに45度回転して透過する。
このようにして、光アイソレータ5に逆方向から入射した光線は、第1、第2の複屈折結晶1,2のいずれでもビームシフトを起こし、あるいは、いずれでもビームシフトを起こさずに、半波長板4、ファラデー回転子3を通過するときに光の偏光方向を元に戻した状態で透過することから、順方向から入射した光線の位置から反れた位置から出射される。つまり、逆方向に進行する光の全成分が、正しく180度回転、あるいは、回転しても結局元の状態に戻るようになっていれば、光アイソレータ5は正しく機能すると言える。
更に、この種の光アイソレータ5にあっては、反射戻り光の存在が動作特性を損なう懸念があるため、図1(b)に示すように、光アイソレータ5の各要素を、各要素の入射面が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜角θで傾斜配置する態様が多く採用されている。
ここで、光アイソレータ5の各要素の傾斜角θは適宜選定して差し支えないが、反射戻り光の影響をより少なく抑える上で前述した傾斜角θを大きく設定しようとすると、アイソレーションの値が変化してしまい、光アイソレータ5の動作が却って不安定になる現象が見られた。
前述したように、本発明者らは、この要因について検討した結果、半波長板4に入射する光の実質的光路長に着目し、図1(b)に示すように、半波長板4の入射面が光の入射方向に対して直交配置される条件で、使用波長λの光に対して最大アイソレーション値をとるときの半波長板4の厚さをTとした場合、図1(c)に示すように、半波長板4の入射面が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置された条件では、半波長板4を通過する実質的光路長LをTに合わせるように半波長板4の厚さTを調整するようにしたものである。
次に、本実施の形態に係る光アイソレータの代表的態様又は好ましい態様について説明する。
ここで、半波長板4の厚さの具体的選定手法の第1の手法としては、図1(c)に示すように、半波長板4の入射面が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜角θで傾斜配置された条件では、半波長板4の空気に対する相対屈折率をn、半波長板4の屈折角をαとすると、半波長板4の厚さTは、
T=T×cosα (式1)
但し、sinα=sinθ/n
によって選定する手法が挙げられる。
本手法は、半波長板4の傾斜姿勢から実質的光路長Lを算出したものであり、実質的光路長Lが半波長板4の屈折角αに依存すると考えられ、前述した屈折角αが傾斜角θ及び空気に対する相対屈折率nにて一義的に決まることに基づく。
また、半波長板4の厚さの具体的選定手法の第2の手法としては、図1(c)に示すように、半波長板4の入射面が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置された条件では、半波長板4の空気に対する相対屈折率をn、光アイソレータ5の入射面法線に対する光の入射角をΘとすれば、半波長板4の厚さTは、
T=T×√(1−sinΘ/n) (式2)
によって選定する手法が挙げられる。
本例は、半波長板4の相対屈折率n、光アイソレータ5の入射面法線に対する光の入射角Θから半波長板4の実質的光路長Lを算出したものであるから、仮に、光アイソレータ5の各要素が水平面に直交する鉛直面に対して傾斜配置されていない態様であったとしても、光アイソレータ5の入射面法線に対する光の入射角Θが0でない態様では、この光の入射角Θを利用することで半波長板4の実質的光路長Lを算出することで、半波長板4の厚さTを割り出すことが可能である。
このように、半波長板4は、反射戻り光の影響をより低減させるという観点からすると、その入射面が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜角θ(あるいは入射角Θ)で傾斜配置される態様であればよく、その傾斜角θ(あるいは入射角Θ)は6度を超えるものが好ましい。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は実施の形態1に係る光アイソレータの全体構成を示す説明図である。
同図において、光アイソレータ20は、図示外の光伝送装置に組み込まれるものであって、図示外の筒状磁極が組み込まれた筒状ホルダ21を有し、この筒状ホルダ21内の空間部には、無偏光状態の光が順方向に入射され、常光と異常光の複数の偏光成分に分かれるビームシフタとして機能する第1の複屈折結晶22と、光の順方向に対して第1の複屈折結晶22の下流側に配設され、順方向あるいは逆方向に透過する偏光成分を予め決められた方向、例えば時計回りに45度回転させる半波長板23と、半波長板23を透過した順方向の複数の偏光成分を予め決められた方向、例えば時計回りに45度回転させ、一方、逆方向から入射される偏光成分を反時計回りに45度回転させるファラデー回転子24と、光の順方向に対してファラデー回転子24の下流側に配置され、第1の複屈折結晶22と同様にビームシフタとして機能する第2の複屈折結晶25と、を順次配設したものである。
本例において、光アイソレータ20は、光進行方向をX軸(本例では水平軸に相当)とした場合、筒状ホルダ21及び各要素22〜25の光入射面がX軸に直交するY軸(本例では鉛直軸に相当)に対して傾斜角θ(本例ではθ=6度〜10度)で傾斜配置されている。
更に、本例では、半波長板23の厚さTは、図2及び図3(a)に示すように、半波長板23内を透過する光Bmの実質的光路長Lが予め決められた値Tとなるように選定されている。
今、図3(a)に示すように、半波長板23の空気に対する相対屈折率をn、半波長板23の屈折角をαとすると、半波長板23の厚さTは、以下の式1で表される。
T=T×cosα (式1)
但し、sinα=sinθ/nである。
ここで、但書の式について補足すると、半波長板23の光入射面がY軸に対して傾斜角θで傾斜配置されていることから、本例では、X軸に沿って進行する光Bmの入射角は傾斜角θに相当することになり、相対屈折率nは屈折角αに対する入射角θの正弦比であることに基づく。
また、本例では、光アイソレータ20は、筒状ホルダ21及び各要素22〜25の光入射面がY軸に対して傾斜角θで傾斜配置されている態様であるが、例えば光アイソレータ20がY軸に対して傾斜配置されていなくても、図3(b)示すように、光アイソレータ20の入射面法線に対して光Bmの入射方向を傾斜配置するようにすれば、光アイソレータ20を物理的に傾斜配置した態様(図2参照)と実質的に同様な状態を得ることが可能である。
そこで、図3(b)に示す態様において、半波長板23の空気に対する相対屈折率をn、半波長板23の屈折角をβ、光アイソレータ20の入射面法線に対する光Bmの入射角をΘとすれば、半波長板23の厚さTは、以下の式2で表される。
T=T×√(1−sinΘ/n) (式2)
ここで、n=sinΘ/sinβであることから、式2は以下の式2’で表される。
T=T×√(1−sinβ) (式2’)
尚、図3(b)では、光アイソレータ20がY軸に対して傾斜配置されていない態様を示しているが、例えば光アイソレータ20がY軸に対して傾斜角θで傾斜配置されていたとしても、光アイソレータ20の入射面法線に対する光Bmの入射角Θが傾斜角θと異なる態様にあっては、式2を用いて半波長板23の厚さTを選定するようにすればよい。
また、前述した式1、式2において用いられるTは以下のように選定される。
図4(a)に示すように、光アイソレータ20’は、筒状ホルダ21及び各要素22〜25の光入射面がX軸(本例では水平軸に相当)に対して直交配置されている水平配置態様であって、図5に示すように、使用波長λ(nm)に対してアイソレーション値が最大になる波長特性が得られるように、半波長板23の厚さTを選定するようにすればよい。
このように選定された厚さTの半波長板23を含む光アイソレータ20’(図4(a)参照)全体を傾斜させ、図4(b)に示すように、筒状ホルダ21及び各要素22〜25の光入射面がY軸に対して傾斜角θで傾斜配置される態様の光アイソレータ20”として使用すると、光進行方向が各要素22〜25の入射面法線に対して傾斜角θで傾斜することになるため、半波長板23を透過する光は屈折することになり、半波長板23を透過する実質的光路長が半波長板23の厚さTより長くなってしまう。この傾斜配置態様において、波長特性を調べたところ、図5に一点鎖線で示すように、使用波長λ(nm)に対するアイソレーション値が低下する傾向が見られる。
これに対し、本実施の形態における光アイソレータ20(図2参照)において、波長特性を調べたところ、使用波長λ(nm)に対してアイソレーション値が最大になる波長特性が得られることが確認されている。
◎実施例1
実施例1は実施の形態1に係る光アイソレータ20を具現化したものである。
本例において、光アイソレータ20は、図6(a)に示すように、光進行方向をX軸(本例では水平軸に相当)とし、図示外の筒状磁極が組み込まれた筒状ホルダ21内に各要素22〜25を順方向の光進行方向に沿って並設し、筒状ホルダ21及び各要素22〜25の光入射面がX軸に直交するY軸(本例では鉛直軸に相当)に対して傾斜角θ(本例ではθ=10°)で傾斜配置するようになっている。
そして、本例では、各要素22〜25としては以下のものが使用されている。
・第1の複屈折結晶22:11mm角板、厚さ0.5mm、光学軸90°/47°
・半波長板23:11mm角板、厚さT(T=0.0761mm)、光学軸45°
・ファラデー回転子24:GTD1310LE(型番)、11mm角板
・第2の複屈折結晶25:11mm角板、厚さ0.5mm、光学軸90°/47°
本例では、使用波長λが1310nmの光を用いたもので、実質的光路長LとしてはL=T=0.0766mmが選定されている。
このため、半波長板23の厚さTは例えば式1(又は式2)に従ってT=0.0761mmが選定されている。
ここで、半波長板23の空気に対する相対屈折率nを1.46とすると、傾斜角θが10°であるから、sin10=0.174であり、屈折角αの正弦値は、sinα=0.174÷1.46=0.119である。そして、cosα=√(1−sinα)であるから、cosα=√0.986=0.993となる。このため、T=0.0766×0.993=0.0761となる。
また、本例の波長特性を図6(b)に示す。同図によれば、使用波長λ(本例では1310nm<環境温度25℃>)の光に対して最大アイソレーション値(本例では42dB)を維持していることが確認された。
◎比較例1
比較例1は、図7(a)に示すように、図4(a)に示す光アイソレータ20’を具現化したものである。
同図において、光アイソレータ20’は、筒状ホルダ21及び各要素22〜25の光入射面が光進行方向に相当するX軸(本例では水平軸に相当)に対して直交配置されている水平配置態様である。
そして、本例では、各要素22〜25としては以下のものが使用されている。
・第1の複屈折結晶22:11mm角板、厚さ0.5mm、光学軸90°/47°
・半波長板23:11mm角板、厚さT(T=0.0766mm)、光学軸45°
・ファラデー回転子24:GTD1310LE(型番)、11mm角板
・第2の複屈折結晶25:11mm角板、厚さ0.5mm、光学軸90°/47°
尚、本例では、半波長板23の厚さTが実質的光路長LとしてのTになっている。
ここで、本例の波長特性を図7(b)に示す。同図によれば、使用波長λ(本例では1310nm<環境温度25℃>)の光に対して最大アイソレーション値(本例では42dB)を維持していることが確認された。
◎比較例2
比較例2は、図8(a)に示すように、図4(b)に示す光アイソレータ20”を具現化したものである。
同図において、光アイソレータ20”は、比較例1の光アイソレータ20’全体を傾斜させ、筒状ホルダ21及び各要素22〜25の光入射面がY軸に対して傾斜角θ(本例ではθ=10°)で傾斜配置される態様である。
そして、本例では、各要素22〜25としては以下のものが使用されている。
・第1の複屈折結晶22:11mm角板、厚さ0.5mm、光学軸90°/47°
・半波長板23:11mm角板、厚さT(T=0.0766mm)、光学軸45°
・ファラデー回転子24:GTD1310LE(型番)、11mm角板
・第2の複屈折結晶25:11mm角板、厚さ0.5mm、光学軸90°/47°
ここで、本例の波長特性を図8(b)に示す。同図によれば、使用波長λ(本例では1310nm<環境温度25℃>)の光に対してアイソレーション値が30dBに低下することが確認された。尚、本例では、使用波長λが1330nm<環境温度25℃>の光に対して最大アイソレーション値(本例では42dB)が得られている。
本実施の形態に係る光アイソレータによれば、光アイソレータの各要素が光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置される態様であったとしても、半波長板を透過する実質的光路長を最適化するように半波長板の厚さを選定することで、反射戻り光の影響を最小限に抑え、使用波長の光に対して最大アイソレーション値を容易に得ることが可能である。このように、安定した動作特性の光アイソレータを提供することができ、このような光アイソレータと他の光学部品とを組み合わせることで高精度の光伝送装置を提供することが可能である。
1 第1の複屈折結晶
2 第2の複屈折結晶
3 ファラデー回転子
4 半波長板
5 光アイソレータ
7 入射側の光学部品
8 出射側の光学部品
20 光アイソレータ
20’ 光アイソレータ
20” 光アイソレータ
21 筒状ホルダ
22 第1の複屈折結晶
23 半波長板
24 ファラデー回転子
25 第2の複屈折結晶
Bm(Bm〜Bm) 偏光
θ 傾斜角
T 半波長板の厚さ
半波長板の予め決められた厚さ
L 半波長板の実質的光路長

Claims (5)

  1. 無偏光状態の光が順方向に対して入射され、常光と異常光との複数の偏光に分かれる第1の複屈折結晶と、
    前記第1の複屈折結晶から順方向に離れて配設される第2の複屈折結晶と、
    第1、第2の複屈折結晶間に配設され、第1の複屈折結晶を通過した複数の偏光が順方向に対して所定方向に45度回転させられると共に、逆方向から入射された複数の偏光が順方向とは反対方向に45度回転させられるファラデー回転子と、
    第1、第2の複屈折結晶間に配設され、複数の偏光が光の進行方向に対して同方向に45度回転させられる半波長板と、を備え、
    前記半波長板の入射面が前記光の入射方向に対して直交配置される条件で、使用波長λの光に対して最大アイソレーション値をとるときの半波長板の厚さをTとした場合、前記半波長板の入射面が前記光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置された条件では、前記半波長板を通過する実質的光路長をTに合わせるように前記半波長板の厚さTを調整することを特徴とする光アイソレータ。
  2. 請求項1に記載の光アイソレータにおいて、
    前記半波長板の入射面が前記光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜角θで傾斜配置された条件では、前記半波長板の空気に対する相対屈折率をn、前記半波長板の屈折角をαとすると、前記半波長板の厚さTは、
    T=T×cosα (式1)
    但し、sinα=sinθ/n
    によって選定することを特徴とする光アイソレータ。
  3. 請求項1に記載の光アイソレータにおいて、
    前記半波長板の入射面が前記光の入射方向に直交する基準面に対して傾斜配置された条件では、前記半波長板の空気に対する相対屈折率をn、光アイソレータの入射面法線に対する光の入射角をΘとすれば、
    前記半波長板の厚さTは、
    T=T×√(1−sinΘ/n) (式2)
    によって選定することを特徴とする光アイソレータ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光アイソレータにおいて、
    前記半波長板の前記基準面に対する傾斜角θは6度を超える角度であることを特徴とする光アイソレータ。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光アイソレータと、
    前記光アイソレータの第1の複屈折結晶に対して無偏光状態の光を入射する入射側の光学部品と、
    前記光アイソレータの第2の複屈折結晶から同一の光路で出射された光を受け入れる出射側の光学部品と、
    を備えたことを特徴とする光伝送装置。
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