JP2018082279A - 画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】原稿を搬送しながら画像を読みとる流し読みが可能な画像読取装置において、光源が原稿からの反射光を読み取るセンサの中心位置に対して片側にのみ配設された画像読取ユニットを用いて流し読みをすると、シートの後端部で白飛びが発生するという問題があった。
【解決手段】流し読み時に、シート後端部の白飛び発生領域においてシェーディング・ターゲットを変更して読み取ることで白飛びを補正することが可能になる。
【選択図】図8
【解決手段】流し読み時に、シート後端部の白飛び発生領域においてシェーディング・ターゲットを変更して読み取ることで白飛びを補正することが可能になる。
【選択図】図8
Description
本発明は、原稿画像を読む画像読取装置と、この画像読取装置が読み取った画像データに基づいてシートに画像を形成する画像形成装置とに関する。
シートに画像を形成する複写機、プリンタ等の画像形成装置には、原稿を読み取る画像読取装置を備え、その画像読取装置が読み取った原稿をシートに複写するようになっているものがある。この場合、画像読取装置は、2つの読み取り方式を採用しており、ユーザが選択した方法で原稿を読み取るようになっている、2つの読み取り方式には、固定読みと、流し読みとがある。
固定読みは、シート状或いは冊子状の原稿をガラスなどの透明状の原稿台に載置して固定した状態で、画像読取装置内に備えられた読取センサを一定方向に移動して走査することで原稿の画像を読み取る読み取り方式である。流し読みは、原稿搬送装置の原稿トレイにユーザによって載置された原稿を、原稿搬送装置が画像読取装置の画像読取位置に送り込み、画像読取位置に停止している読取センサの上にある原稿台上を通過させてその原稿を読み取る読み取り方式である。
そして、固定読みの場合は、原稿搬送装置で原稿を原稿台に押圧した状態で画像を読み取るので、画像を鮮明に読み取ることができるようになっている。また、流し読みの場合も、原稿が読取位置を通過するとき、原稿が原稿台に密着した状態あるいは一定の距離開けた状態で通過するようにして、やはり、画像を鮮明に読み取ることができるようになっている。しかし、流し読みの場合、搬送される原稿が原稿台から離れ過ぎると、画像を鮮明に読み取ることができない。このため、画像読取装置には、原稿と読取センサとの距離を一定に保つ対策が講じられている(特許文献1)。
特許文献1の、原稿と読取センサとの距離を一定に保つようにした構成は、原稿の浮き上がりを防止する原稿押圧部材を備えた構成になっている。そして、原稿押圧部材の原稿搬送方向の下流側の部分は、読取センサから徐々に離れるように形成されている。このため、搬送されてきた原稿は、原稿搬送方向の下流側の部分に沿って読取センサから離れるように浮き上がる場合があった。この結果、特許文献1の画像読取装置は、原稿の位置によって読取位置における原稿の傾斜が異なるため、画像読取精度にばらつきが生じることがあった。
さらに、原稿搬送ユニットを用いて原稿を流し読みする場合、プラテンガラスに設けられたごみ取りマイラー(シートと呼ぶ)の段差でも原稿の傾斜が生じることがある。
この結果、原稿後端部の原稿の状態とその他の部分の状態とが異なることによって、読み取り画像に差が生じることがあった。更には読取手段がコンタクトイメージセンサであり、コンタクトイメージセンサの読み取り中心の片側にだけLED光源を有する場合は、画像後端部に白飛び画像が顕著に発生するという問題があった。
本発明は、このような従来の技術に存在する課題を鑑みてなされたものであり、原稿を搬送しながら画像を読みとる流し読みが可能な画像読取装置において、シートの位置における読取画像の劣化を防止することが可能な画像読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像読取装置の代表的な構成は、
読取位置へ原稿を搬送する原稿搬送手段と、
前記原稿搬送手段によって前記読取位置に搬送される原稿に光を投射する投射手段と、
前記投射手段により投射された光の反射光を受光し、前記原稿の画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段により読み取られた画像データに対して、前記投射手段から投射される光を反射する原稿の第1の領域と、前記第1の領域とは原稿からの反射光の向きが異なる第2の領域とでシェーディング補正の仕方を変更する制御手段とを備えることを特徴とする。
読取位置へ原稿を搬送する原稿搬送手段と、
前記原稿搬送手段によって前記読取位置に搬送される原稿に光を投射する投射手段と、
前記投射手段により投射された光の反射光を受光し、前記原稿の画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段により読み取られた画像データに対して、前記投射手段から投射される光を反射する原稿の第1の領域と、前記第1の領域とは原稿からの反射光の向きが異なる第2の領域とでシェーディング補正の仕方を変更する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、原稿を搬送しながら画像を読みとる流し読みにおいて、読取画像の劣化を防止することができる。
以下、本発明の実施形態である画像読取装置と、この画像読取装置を装置本体に備えた画像形成装置とを図に基づいて説明する。
[画像形成装置]
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置のシート搬送方向に沿った断面図である。画像形成装置には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機器等がある。画像形成装置100は、装置本体100Aと、装置本体100Aの上部に備えられた画像読取装置101とを備えている。画像読取装置101は、画像読取ユニット101Aと、原稿搬送ユニット101Bとを備えている。画像読取ユニット101Aは、原稿搬送ユニット101Bによって流し読みガラス2に供給される原稿Dか、或いは固定読みガラス1にユーザによって載置された原稿Dを読み取るようになっている。固定読みの際には、固定読みガラス1の上面1aには原稿が下向きに載置される。センサユニット41には下面1bに密着するようイメージセンサが設けられ、センサユニット41を副走査方向Eに沿って移動させることで読み取り面を走査して画像を読み取る。一方流し読み時には、流し読みガラス2の下面2bに、たとえばイメージセンサが密着するようセンサユニット41が固定される。本例のイメージセンサとしてはたとえばコンタクトイメージセンサ(CIS)が採用されている。原稿を搬送して流し読みガラス2の上面2a上を通過させることでセンサユニット41により読み取り面を走査し、画像を読み取る。ここで、駆動モータMは不図示のギアプーリを回転駆動し、このギアプーリと従動プーリ15とに掛け渡されたタイミングベルト11により、センサユニット41は固定読みガラス1の下面1bに沿って副走査方向に移動され、あるいは、流し読みガラス2の下面2bに接するように固定される。センサユニット41が例えば固定読み時のホームポジションHPにあることは、位置センサを設けることで検知できる。なお固定読みガラス1や流し読みガラス2のことをプラテンあるいはプラテンガラスとも呼ぶ。
図1は、本発明の実施形態の画像形成装置のシート搬送方向に沿った断面図である。画像形成装置には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機器等がある。画像形成装置100は、装置本体100Aと、装置本体100Aの上部に備えられた画像読取装置101とを備えている。画像読取装置101は、画像読取ユニット101Aと、原稿搬送ユニット101Bとを備えている。画像読取ユニット101Aは、原稿搬送ユニット101Bによって流し読みガラス2に供給される原稿Dか、或いは固定読みガラス1にユーザによって載置された原稿Dを読み取るようになっている。固定読みの際には、固定読みガラス1の上面1aには原稿が下向きに載置される。センサユニット41には下面1bに密着するようイメージセンサが設けられ、センサユニット41を副走査方向Eに沿って移動させることで読み取り面を走査して画像を読み取る。一方流し読み時には、流し読みガラス2の下面2bに、たとえばイメージセンサが密着するようセンサユニット41が固定される。本例のイメージセンサとしてはたとえばコンタクトイメージセンサ(CIS)が採用されている。原稿を搬送して流し読みガラス2の上面2a上を通過させることでセンサユニット41により読み取り面を走査し、画像を読み取る。ここで、駆動モータMは不図示のギアプーリを回転駆動し、このギアプーリと従動プーリ15とに掛け渡されたタイミングベルト11により、センサユニット41は固定読みガラス1の下面1bに沿って副走査方向に移動され、あるいは、流し読みガラス2の下面2bに接するように固定される。センサユニット41が例えば固定読み時のホームポジションHPにあることは、位置センサを設けることで検知できる。なお固定読みガラス1や流し読みガラス2のことをプラテンあるいはプラテンガラスとも呼ぶ。
このような画像形成装置100において、装置本体100Aは、画像読取装置101が原稿を読み取った画像読取情報や、パソコンや、ファクシミリ等の外部機器から送信されてきた画像データを、レーザ発光書込ユニット125で受け取る。レーザ発光書込ユニット125は、画像データに基づいてレーザ光L2を、帯電器113によって帯電されて回転している感光ドラム124の周面を照射し、その周面に静電潜像を形成する。静電潜像は、トナーボトルユニット116の現像剤(トナー)によって、トナー像となり可視像化される。感光ドラム124、帯電器113、トナーボトルユニット116等は、画像形成部123を形成している。
一方、装置本体100Aのピックアップローラ112は、カセット111からシートPを取り出す。そして、シート分離ローラ対114は、シートを搬送ローラ対117に搬送する。シート分離ローラ対114は、シートが重なっている場合、シートを1枚ずつに分離して、搬送する。
搬送ローラ対117は、回転停止しているレジストローラ対115にシートを搬送する。レジストローラ対115は、回転を停止した状態でシートの先端を受け止めて、シートが斜行している場合、真っ直ぐに矯正する。レジストローラ対115は、感光ドラム124に形成されているトナー像の位置に合わせて、シートを感光ドラム124と転写器118との間に送り込む。転写器118は、感光ドラム124のトナー像をシートに転写する。搬送ベルト119は、シートを定着器120に送り込む。定着器120は、シートを加熱加圧して、シートにトナー像を定着する。
シートは、片面にだけ、画像を形成される場合、排出ローラ対121によって装置本体100Aから外部に排出される。シートは、両面に形成される場合、反転パス122を搬送されながら、表裏反転されて、再度、感光ドラム124と転写器118との間に搬送されて、他方の面にトナー像を形成される。そして、シートは、定着器120で他方の面にトナー像を定着されて、装置本体100Aから外部に排出される。
[画像読取装置]
図2は、本発明の実施形態における画像読取装置101の外観斜視図である。図3は、図2の画像読取装置101の原稿搬送ユニット101Bを取り除いた画像読取ユニット101Aの外観斜視図である。図4は、図3の画像読取ユニット101Aの固定読みガラス1と流し読みガラス2とカバー3とを取り除いた画像読取ユニット101Aの外観斜視図である。
図2は、本発明の実施形態における画像読取装置101の外観斜視図である。図3は、図2の画像読取装置101の原稿搬送ユニット101Bを取り除いた画像読取ユニット101Aの外観斜視図である。図4は、図3の画像読取ユニット101Aの固定読みガラス1と流し読みガラス2とカバー3とを取り除いた画像読取ユニット101Aの外観斜視図である。
画像読取装置101は、原稿を読み取る画像読取ユニット101Aと、画像読取ユニット101Aの原稿読取位置としての流し読み位置RPに原稿を自動的に搬送する原稿搬送ユニット101Bとを備えている。画像読取ユニット101Aのケーシング40は、ベースフレーム14とベースフレーム14に取外し自在に設けられたカバー3とで形成されている。ケーシング40内には、後述するセンサユニット41、ガイドシャフト9、ギアプーリ10、従動プーリ15等が収納されている。
カバー3には、上面1a(図1)に原稿が載置される透明部材としての固定読みガラス1と、上面2a(図1)を原稿が通過する透明部材としての流し読みガラス2と、掬い上げガイド13(図3)とが設けられている。掬い上げガイド13は、固定読みガラス1と、流し読みガラス2との間に配置されている。案内部としての掬い上げガイド13は、原稿搬送ユニット101Bにより画像読取ユニット101Aに搬送された原稿を、再び原稿搬送ユニット101Bへ案内して戻すために、原稿を流し読みガラス2から掬い上げるようになっている。
固定読みガラス1(図1)の下面1bと、流し読みガラス2の下面2bとには、センサユニット41の読取デバイスとして密着型のイメージセンサ4が選択的に密着するようになっている。イメージセンサ4は長手方向に光源からの光を原稿へと案内するための導光体4a(図6)を、イメージセンサ4の短手方向に1つ備えている。図2、図3において、ガイドシャフト9は、長尺なセンサユニット41の長手方向(主走査方向F)に対して整直角方向に、ベースフレーム14に配置されている。センサユニット41は、ガイドシャフト9に案内されて、副走査方向Eに往復移動するようになっている。
ガイドシャフト9の一端側(図4において左端側)には、駆動モータM(図1)の動力を伝えるギアプーリ10が配置してある。ガイドシャフト9の他端側(図1において右端側)には、従動プーリ15(図4)が配置してある。ギアプーリ10と従動プーリ15とには、無端環状のタイミングベルト11が掛け渡してある。タイミングベルト11は、ガイドシャフト9に略平行に架設されている。タイミングベルト11の一部分は、イメージセンサ4(図4)を支持したセンサホルダ7の軸受42に接続されている。駆動モータMの回転は、ギアプーリ10を介してタイミングベルト11に伝達されるようになっている。また、センサホルダ7は、主走査方向Fの中間部に一体的に設けられた軸受42(図4)がガイドシャフト9に受け止め支持されて、ガイドシャフト9に沿って移動するようになっている。
したがって、駆動モータMによってタイミングベルト11が循環すると、タイミングベルト11に連動してセンサユニット41がガイドシャフト9上を移動する。そして、センサホルダ7に位置決め保持されているイメージセンサ4が固定読みガラス1および流し読みガラス2の下側を移動して原稿の画像を読み取ることができる。イメージセンサ4の移動方向は、駆動モータMの正逆回転により変えることができる。
ベースフレーム14の底部14a(図4)には、イメージセンサ4がホームポジションHP(図1)に居るか否かを検知する位置検知センサ12(図4)が設けられている。位置検知センサ12は、ベースフレーム14に設けたセンサフラグ7bを検知して、イメージセンサ4がホームポジションHPに居るか否かを検知するようになっている。
以上の構成の画像読取ユニット101Aは、ユーザが原稿を固定読みガラス1の上面1aに置いた原稿の画像を、センサユニット41を固定読みガラス1の下面1bを移動させて読み取るようになっている。この読み取り方は詳細に後述する固定読みである。一方、画像読取ユニット101Aは、センサユニット41を流し読み位置RPの流し読みガラス2の下に移動させて、停止させるようになっている。そして、画像読取ユニット101Aは、流し読みガラス2の上面2aを原稿搬送ユニット101Bにより搬送される原稿の画像を、センサユニット41で読み取るようになっている。この読み方は詳細に後述する流し読みである。
[原稿搬送ユニット]
次に、画像読取ユニット101Aに搭載された原稿搬送ユニット101Bを図5に基づいて説明する。図5は、図2のK−K矢視断面図である。原稿搬送ユニット101Bは、原稿を途中でスイッチバック搬送して、画像読取ユニット101Aが原稿の両面を自動的に読み取ることができるようになっている。
次に、画像読取ユニット101Aに搭載された原稿搬送ユニット101Bを図5に基づいて説明する。図5は、図2のK−K矢視断面図である。原稿搬送ユニット101Bは、原稿を途中でスイッチバック搬送して、画像読取ユニット101Aが原稿の両面を自動的に読み取ることができるようになっている。
原稿搬送ユニット101Bは、主に、次の各構成要素を備えている。すなわち、読み取る原稿がユーザによって載置される原稿給紙トレイ16。原稿給紙トレイ16の下方に設けられて、読取が終了した原稿が排出されて積載される原稿排紙トレイ17。原稿給紙トレイ16に載置された原稿を1枚ずつ搬送部22へ送る分離ローラ18。分離ローラ18と対向する位置に配置されて重なっている原稿を分離ローラ18と協動して1枚に分離する分離パッド19。分離ローラ18と分離パッド19のニップ部からなる分離部20へ原稿給紙トレイ16上の原稿を送り込むピックローラ21。分離部20から画像読取ユニット101Aの流し読みガラス2上に設定された流し読み位置RPまでの間に設けられた搬送パス23。搬送パス23上に設けられた搬送ローラ対25。流し読み位置RPの上方に配設され、流し読みガラス2に対して一定の隙間G(図7)を持って設けられたプラテンガイド27。流し読みガラス2に対して搬送原稿を押さえ付ける原稿押さえ部材28。原稿の搬送方向で原稿排紙トレイ17の上流に設けられた排紙ローラ29。自動両面読取の際に排紙ローラ29によってスイッチバック搬送された原稿を反転パス24へ案内する反転部材30。
以上のように構成された画像読取装置101は、ユーザが原稿の読み取り方式を任意に選択することができるようになっている。読み取り方式には、固定読み方式と流し読み方式とがある。固定読み方式は、ユーザが原稿を固定読みガラス1上に置いた状態で、イメージセンサ4が固定読みガラス1の下を副走査方向E(図3)に移動して、画像を読み取る方式である。この方式では1枚のシート状の原稿の他に、冊子状の原稿も読み取ることができる。流し読み方式は、イメージセンサ4を、流し読みガラス2の直下を移動させて、所定の流し読み位置RPに待機させ、原稿給紙トレイ16にユーザが載置した原稿を流し読みガラス2上を通過させて読み取る方式である。固定読みと流し読みとの切り替えは、ユーザが画像読取ユニット101Aと、原稿搬送ユニット101Bとのどちらかに原稿をセットした際に自動的に、もしくはユーザの設定により自由に行えるようになっている。
[制御回路のブロック説明]
図6は、画像読取装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。制御回路はマイクロプロセッサ(CPU58)を中心に構成されており、CPU58の入出力ポートには、各種負荷のドライブ回路およびセンサ信号が接続される。また、各種パラメータや制御シーケンスソフトの格納されたメモリ59を備えている。
図6は、画像読取装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。制御回路はマイクロプロセッサ(CPU58)を中心に構成されており、CPU58の入出力ポートには、各種負荷のドライブ回路およびセンサ信号が接続される。また、各種パラメータや制御シーケンスソフトの格納されたメモリ59を備えている。
画像読取ユニット101Aは、密着型のイメージセンサ4を副走査方法に移動し原稿を走査する駆動モータM、イメージセンサ4をホームポジションに位置決めするための位置検知センサ12、およびイメージセンサ4を備えている。そして原稿面からの反射光を光電変換したイメージセンサ4の出力信号をA/D変換するアナログフロントエンド51、アナログフロントエンド51の出力データにシェーディング補正や下地処理などを行う画像処理回路52、駆動モータM、位置検知センサ12および画像処理回路52の制御を行うCPU58、シェーディング補正のパラメータ等を記憶しておくメモリ59、を備えたスキャナコントローラ50はシステムコントローラと共に装置本体100Aに配置されている。
原稿搬送ユニット101Bは、原稿給紙トレイ16に原稿が載置されたか検知する原稿検知センサ53、ジャム処理のためのカバーの開閉を検知する開閉検知センサ54、流し読みの読取タイミングをとるリードセンサ55、反転時に廃紙コロを離間する離間ソレノイド56、分離ローラ18とピックローラ21と搬送ローラ対25の駆動となるADF駆動モータ57を備えている。ADF駆動モータ57ドライバによって駆動される。ドライバには、CPU58から相励磁信号と、モータ電流制御信号が入力されている。離間ソレノイド56はドライバによって駆動され、CPU58の入出力ポートに接続された信号によって、その動作を制御されるものである。原稿検知センサ53、開閉検知センサ54、リードセンサ55等の各種センサは、CPU58の入力ポートに接続されて、装置内における、原稿の挙動、および可動負荷の挙動をモニターするために用いられる。リードセンサ55は、原稿搬送ユニット101Bの搬送路を通過する原稿を検知可能で、かつ、流し読み位置RPよりも上流側に設けられている。これにより、搬送路を通過する原稿の前端部の通過のタイミングおよび後端部の通過のタイミングを検知できる。
[流し読み位置周辺部分の構成説明]
次に、本実施形態の画像形成装置の特長とする、画像読取装置101における流し読み位置RP周辺部分の構成を図7に基づいて説明する。図7は、図5の画像読取装置101における流し読み位置RP周辺部分の拡大図である。画像読取ユニット101Aに設けられた流し読みガラス2上の所定の位置に流し読み位置RPが設定されている。流し読みガラス2の流し読み位置RPの真下には、センサユニット41が待機するようになっている。流し読みガラス2の原稿搬送方向Jの下流側には、掬い上げガイド13が設けられている。掬い上げガイド13は、流し読みガラス2の上を通過した原稿を流し読みガラス2から掬い上げて原稿排紙トレイ17に案内するための部材である。掬い上げガイド13には、原稿を掬い上げることができるように、原稿搬送方向Jの下流に行くに従って登り勾配の掬い上げ面13aが形成されている。
次に、本実施形態の画像形成装置の特長とする、画像読取装置101における流し読み位置RP周辺部分の構成を図7に基づいて説明する。図7は、図5の画像読取装置101における流し読み位置RP周辺部分の拡大図である。画像読取ユニット101Aに設けられた流し読みガラス2上の所定の位置に流し読み位置RPが設定されている。流し読みガラス2の流し読み位置RPの真下には、センサユニット41が待機するようになっている。流し読みガラス2の原稿搬送方向Jの下流側には、掬い上げガイド13が設けられている。掬い上げガイド13は、流し読みガラス2の上を通過した原稿を流し読みガラス2から掬い上げて原稿排紙トレイ17に案内するための部材である。掬い上げガイド13には、原稿を掬い上げることができるように、原稿搬送方向Jの下流に行くに従って登り勾配の掬い上げ面13aが形成されている。
流し読み位置RPに対向する原稿搬送ユニット101Bには、プラテンガイド27が設けられている。原稿搬送方向Jの第1の規制部としてのプラテンガイド27は、搬送パス23を搬送されてきた原稿を流し読みガラス2の上面から浮き上がらないようにする部材である。プラテンガイド27は、原稿搬送ユニット101Bのフレーム45に対して、流し読みガラス2に接近離間するように、上下動自在に設けられており、通常、不図示のばねによって、流し読みガラス2の側に押圧されている。流し読みガラス2の上面2aにはシート部材46が貼り付けてあり、シート部材46は原稿のゴミ取りに効果がある。そして、プラテンガイド27は、流し読みガラス2との間に後述する隙間Gが生じるように、下降位置が規制されている。
プラテンガイド27の原稿搬送方向Jの上流側の部分には、原稿を流し読みガラス2に接近させるための案内面(傾斜面)27aが、原稿搬送方向Jの下流側に行くに従って流し読みガラス2に接近するように傾斜して形成されている。また、流し読み位置RPに対向するプラテンガイド27の部分には、原稿が流し読みガラス2から浮き上がるのを防止する浮き上がり防止面27bが形成されている。浮き上がり防止面27bは、流し読みガラス2の上面2aと平行に形成された平坦面であり、流し読みガラス2との間に原稿が通過できる程度の隙間Gを形成して、流し読みガラス2に対向している。フレーム45のプラテンガイド27の原稿搬送方向Jの下流側の隣には、上壁ガイド片43が位置してフレーム45に設けられている。上壁ガイド片43は、掬い上げガイド13の掬い上げ面13aと平行に対向する案内面43aを有している。掬い上げ面13aと案内面43aは、流し読みガラス2の上面2aを通過する原稿を流し読みガラス2から原稿搬送ユニット101B内に導き入れて原稿排紙トレイ17に案内する排出パス44を形成している。掬い上げ面13aよりも原稿搬送方向Jの上流側でかつ上壁ガイド片43の下面の、プラテンガイド27に近い位置に、原稿搬送方向Jの下流側に向けて延びた原稿押さえ部材28が設けられている。原稿搬送方向Jの第2の規制部としての原稿押さえ部材28は、PET,ABS等の弾性を備えた樹脂製のシート状の弾性片であり、原稿押さえ部材28の下流端部(後端部)28aが流し読みガラス2の上面2aに圧接して接触している。
原稿は、イメージセンサ4の導光体4aからの照射光L3により原稿面を照射し、その反射光をイメージセンサにより検知することで光学的に読み取られる。照射光L3のガラス2の上面2aに対する角度は角度αで略一定である。
[流し読み位置での原稿の動作説明]
以上説明した、画像読取装置101における流し読み位置RP周辺部分の構成による原稿の動作を図8、図9に基づいて説明する。図8、図9は、図7の画像読取装置101における流し読み位置RP周辺部分の構成の動作説明用の図である。図8の(A)図は、原稿の先端部が流し読み位置RPに送り込まれてきた図である。図8の(B)図は、原稿が流し読み位置RPに到達した図である。図8の(C)図は、原稿が流し読み位置RPを通過している図である。図9の(D)は、原稿後端がシートに掛かって流し読み位置を通過している図である。図9の(E)は、原稿後端がシートから外れて流し読み位置を通過している図である。
以上説明した、画像読取装置101における流し読み位置RP周辺部分の構成による原稿の動作を図8、図9に基づいて説明する。図8、図9は、図7の画像読取装置101における流し読み位置RP周辺部分の構成の動作説明用の図である。図8の(A)図は、原稿の先端部が流し読み位置RPに送り込まれてきた図である。図8の(B)図は、原稿が流し読み位置RPに到達した図である。図8の(C)図は、原稿が流し読み位置RPを通過している図である。図9の(D)は、原稿後端がシートに掛かって流し読み位置を通過している図である。図9の(E)は、原稿後端がシートから外れて流し読み位置を通過している図である。
図8の(A)図において、原稿Dが搬送パス23を搬送ローラ対25(図5)によって流し読み位置RPに搬送されてくる。そして、原稿は、案内面27aに案内されて、浮き上がり防止面27bと流し読みガラス2の上面2aとの隙間Gに進入する。このとき、既に、センサユニット41は、流し読み位置RPに待機して、センサユニット41のイメージセンサ4の導光体4aから流し読み位置RPに一方向の光を照射して、反射光を受光し、不図示の撮像部で画像データを生成して画像を読み取っている。
図8の(B)図に示すように、原稿Dは、流し読み位置RPに到達して、浮き上がり防止面27bによって、浮き上がりを防止され、流し読みガラス2の上面2aに近接して、流し読み位置RPを通過し始める。イメージセンサ4は、ラインセンサであり、主走査方向F(図3)に1ラインずつ原稿を読み取る。原稿Dは、さらに搬送されると、原稿押さえ部材28に当接して、流し読みガラス2に押し付けられる。原稿搬送ユニット101Bに原稿搬送方向Jに所定の間隔をおいて配置され、流し読取位置RPから原稿が浮き上がるのを防止する複数の規制部としてのプラテンガイド27と原稿押さえ部材28とによって、原稿Dは浮き上がりを防止されてはいるが、流し読みガラス2の上面2aに貼り付けられたシート部材46の段差によって流し読み位置RPで僅かな傾斜(約4度)を保ちながら搬送される。
図8の(C)図に示すように、原稿Dは、さらに搬送され、掬い上げガイド13に掬い上げられて、排出パス44に進入する。このとき、流し読み位置RPを通過した原稿Dが、掬い上げガイド13に掬い上げられて、流し読みガラス2から浮き上がり、流し読み位置RPからも浮き上がろうとする。しかし、流し読み位置RPを通過した原稿Dは、押さえ部材28によって流し読みガラス2の方に押圧されているため、殆ど浮き上がることがないが、ここでもシート部材46の段差によって流し読み位置RPで僅かな傾斜を保ちながら搬送されている。
図9の(D)図に示すように、原稿Dは、さらに搬送され、原稿Dの後端が搬送パス23を通過してシート部材46に近接している。ここでもシート部材46の段差によって流し読み位置RPで僅かな傾斜を保ちながら搬送されている。
図9の(E)図に示すように、原稿Dは、さらに搬送され、原稿Dの後端がシート部材46を通過して流し読みガラス2の上面2aに近接している。このとき押さえ部材28によって流し読みガラス2の方に押圧されているため、殆ど浮き上がることがない。つまり、図8(B)から図9(D)までに示された、流し読み位置RPで僅かな傾斜(約4度)が発生していない。
以上説明した理由により、原稿を照射するイメージセンサ4の導光体4aからの照射光L3のガラス2の上面2aに対する角度α(図7)は略一定であるが、流し読み位置RPで原稿の僅かな傾斜(約4度)がある場合とない場合が発生している。
なお上記説明では、シート部材46の高さに起因して原稿の傾斜角度がわずかに変化するものと述べた。しかしながら、シート部材46が無いとしても、原稿の傾斜角度の変化は生じ得る。たとえば、搬送路23から流し読みガラス2の上面2aにかけての搬送路は、搬送路23と上面2aとの接続部分で屈折している。この屈折部分を通過する原稿は屈曲するため、流し読み位置PRにおいて流し読みガラス2の上面2aから浮いていることがあり得る。そして原稿後端部が流し読みガラス2の上面2aに乗れば原稿の屈曲は解消されるから、原稿の浮きも解消される。この場合にも、搬送路上の原稿の位置によって流し読み位置における原稿の傾斜が変化する可能性がある。ただし、以下では原稿の傾斜はシート部材46に起因するものとして説明する。
[原稿状態における光量の説明]
以上説明した、流し読み位置RPで原稿の僅かな傾斜(約4度)がある場合とない場合の違いについて説明する。図10は、原稿状態における光量の説明図である。図10の(A)図は、原稿が好適な状態である。図10の(B)図は、原稿が傾斜した状態である。
以上説明した、流し読み位置RPで原稿の僅かな傾斜(約4度)がある場合とない場合の違いについて説明する。図10は、原稿状態における光量の説明図である。図10の(A)図は、原稿が好適な状態である。図10の(B)図は、原稿が傾斜した状態である。
図10の(A)図に示すように、イメージセンサ4の導光体4aは、流し読み位置RPで最も良好な光量となっている。光量を矢印で模式的に表した照射光L3は流し読み位置RPにて反射する。原稿Dの反射光はセルフォックレンズアレイ4bに入射して、不図示の撮像部で画像データを生成して画像を読み取るようになっている。しかしながら、図10の(B)図においては、原稿が傾斜しているために、照射光L3の反射光はセルフォックレンズアレイ4bに入射できず、照射光L3´の反射光だけが入射している。照射光L3´は副次的な光量を表している。
図10の(A)図においては、照射光L3の反射光と照射光L3´の反射光が両方入射している。つまり図10の(B)より(A)の方が光量が多く、画像としては明るくなる。図10の(A)図は、図9の(E)図で示された、原稿状態を表している。これに対し、図10の(B)図は、図8の(B)から図9(D)までで示された、原稿状態を表している。
以上、説明した理由により、原稿先端から後端付近までの光量は等しいが、後端だけ光量が多くなることが分かる。このため、図11に示すように、原稿後端の読取画像に白飛びが発生している。また、白飛びの発生量は、原稿後端がシート部材46の端を通過してから流し読み位置RPを通過するまでの距離Lとなる。距離Lは、流し読み位置周辺部分の構成によって決まるため、原稿のサイズには影響されず一定であり、予め知ることができる。
[シェーディング補正とシェーディング・ターゲットの説明]
次に図12を用いて、シェーディング補正の説明をする。図12の(A)図は、白色基準板を固定読みする場合の読取結果の輝度値を示す図である。図12の(B)図は、原稿を固定読みする場合の読取結果の輝度値を示す図である。図12の(C)図は、原稿を流し読みする場合の読取結果の輝度値を示す図である。図12の(D)図は、白飛びを補正する場合の読取結果の輝度値を示す図である。
次に図12を用いて、シェーディング補正の説明をする。図12の(A)図は、白色基準板を固定読みする場合の読取結果の輝度値を示す図である。図12の(B)図は、原稿を固定読みする場合の読取結果の輝度値を示す図である。図12の(C)図は、原稿を流し読みする場合の読取結果の輝度値を示す図である。図12の(D)図は、白飛びを補正する場合の読取結果の輝度値を示す図である。
図12の(A)図は、白色基準板を複数ライン分サンプリングした主走査位置に対する輝度を表している。白色基準版(不図示)は、掬い上げガイド13側で固定読みガラス1の端部に配置されている。白色基準版を読み取ったデータDwの画素ごとに補正倍率Gwをかけてシェーディング補正を行う。このとき、白色基準版の理想輝度をシェーディング・ターゲットSHDCwと言っており、データDwの各画素がシェーディング・ターゲットの値(例えば輝度値270)になるように1ラインに含まれる画素ごとに補正倍率Gwが設定されている。
図12の(B)図は、原稿(白紙)を固定読みして複数ライン分サンプリングした主走査位置に対する輝度を表している。白紙を読み取ったデータDT1の画素ごとに補正倍率G1をかけてシェーディング補正を行う。すでに白色基準板で画素ごとに補正倍率Gwが取得されているため、G1=Gwとしてシェーディング補正したデータが得られる。このときも、シェーディング・ターゲットSHDC1を取得しておく。
図12の(C)図は、原稿(白紙)を流し読みして複数ライン分サンプリングした主走査位置に対する輝度を表している。理想的には、DT1=DT2であるが、固定読みガラス1と流し読みガラス2の差が考えられるため、SHDC2=SHDC1×DT1/DT2としてシェーディング・ターゲットを算出して、シェーディング補正を行っている。ここでDT1/DT2は予め測定して得ておくことができる。
図12の(D)図は、(C)図と同じく原稿(白紙)を流し読みして複数ライン分サンプリングした主走査位置に対する輝度を表している。ただし、シェーディング・ターゲットSHDC2>シェーディング・ターゲットSHDC3とすることで、補正倍率G2>補正倍率G3となり、シェーディング補正したデータの輝度は低くなる。輝度が低いと画像は暗くなる。すなわち、白飛びした画像を暗くすることが可能である。このような画像の読み方を本実施形態では暗読みと呼ぶことにする。また、図11における輝度a、輝度b(a<b)より、SHDC3<SHDC2となるSHDC3を、SHDC3=a/b×SHDC2にて求めることができる。このことより、図11の輝度bの領域の読み取りに対してシェーディング・ターゲットSHDC3を設定することで白飛びを補正することが可能となり、図13に示す一様な輝度の画像となる。ここで輝度の比a/bは、画素によらず一定と考えらえる。それというのは、この輝度の差は、原稿の傾斜の相違により生じている。すなわち、イメージセンサに入射する光量の差が輝度の差として現れている。そしてこの原稿の傾斜は1ラインの画素の上では一定であると考えることができるから、輝度の比a/bは画素によらず一定である。すなわち、輝度bは図11の幅Lの領域にわたって一定であると考えられる。
以上説明した理由により、シェーディング・ターゲットを算出しておくことで、画像処理回路52において補正倍率が取得されシェーディング補正が実行される。各画素の補正倍率Gは、シェーディング・ターゲットSHDC/白色基準板で測定した当該画素の輝度、によって得ることができる。
[白飛び補正の制御フローの説明]
図14を用いて、白飛び補正の制御について説明する。これらのフローチャートで示した制御処理はスキャナコントローラ50内のメモリ59にプログラムとして格納されており、CPU58によって実行される。
図14を用いて、白飛び補正の制御について説明する。これらのフローチャートで示した制御処理はスキャナコントローラ50内のメモリ59にプログラムとして格納されており、CPU58によって実行される。
図14は流し読みジョブを示したフローチャートである。ユーザ操作を受け付けて流し読みジョブが開始されると、システムコントローラ60からスキャナコントローラ50に各種設定が行われると共に、シェーディング補正準備処理(S1)を行い、センサユニット41を流し読み位置RPへ移動する(S2)。シェーディング補正準備処理では、白色基準板を読み取り、読み取った1ラインの各画素について、その各画素の輝度をシェーディング・ターゲットに補正するための補正係数Gを決定する。本例では、各画素値を、図11の領域aのシェーディング・ターゲットSHDC2に補正するためのシェーディング補正係数G2と、領域bのシェーディング・ターゲットSHDC3に補正するためのシェーディング補正係数G3とを決定する。ステップS1では、シェーディング補正係数としてまずG2を画像処理回路52に設定しておく。そして、原稿の搬送を開始する(S3)。なお白色基準板を読み取るためには、センサユニット41を流し読み位置RPから白色基準板の位置まで移動する必要があることもある。そのような場合には、流し読みの開始前に一度白色基準板を読み、流し読み対象の原稿束について読取が終了するまで、同じシェーディング・ターゲットを用いてもよい。また、原稿1枚ごとにシェーディング・ターゲットを用意する場合には、たとえばプラテンガイド27の浮き上がり防止面27bを基準となる白色に着色し、流し読み位置RPのセンサユニット41から浮き上がり防止面27bを白色基準板として利用してもよい。
原稿の搬送が開始されたなら、原稿先端がリードセンサ55に達してリードセンサONとなるまで待つ。リードセンサがONとなったことを検知したら(S4−Y)、たとえば不図示のカウンタを用いて、読取開始までのカウントをスタートする(S5)。このカウントは、たとえばリードセンサ55の位置から流し読み位置RPまでの距離に相当するカウント値を開始カウントとしてカウンタに設定し、カウントを始めればよい。
カウント値が開始カウントに達したなら、すなわちカウント値が開始カウントと一致したなら(S6−Y)、原稿の読取を開始する(S7)。読み取りは、スキャナコントローラ50(特にCPU58)から読み取り開始信号を出力することなどで開始される。読み取りが開始されると、イメージセンサから出力されデジタル化された画像データに対して、画像処理回路52によって、シェーディング・ターゲットSHDC2の補正係数G2を用いたシェーディング補正を行う。画像処理回路50から出力されるシェーディング補正を含む補正済み画像データは、例えばメモリ59あるいは他のメモリの画像用の領域に一時格納されたり、あるいは外部へと出力される。このとき、流し読みガラス2上の原稿の一部分はシート部材46に乗った状態にある。
その後、原稿の搬送にともなってリードセンサ55の出力信号がオフになるのを待機する(S8)。原稿後端がリードセンサを通過したらリードセンサOFFとなるので(S8―Y)、その時点から読取終了カウントをスタートする(S9)。読み取り終了カウント値は、原稿後端部がリードセンサ55の位置から流し読み位置RPまで移動するまでの時間をカウントするから、搬送速度が一定である限り読み取り開始カウント値と同じ値である。同時に、暗読みカウントをスタートする(S10)。暗読みカウント値は、終了カウント値から幅L2に相当するカウント値を指し引いた値である。暗読みカウント値に達したタイミングで、原稿の後端部がシー部材46から外れた状態となる。暗読みカウント値に達したなら(S11−Y)、暗読み設定を行う(S12)。暗読み設定とは、シェーディング・ターゲットとしてSHDC3を用いることであり、そのための補正係数G3をシェーディング補正のために設定することである。このためステップS12以降では、画像処理回路52によるシェーディング補正は、SHDC3をシェーディング・ターゲットとした補正となる。そして、終了カウントに達したなら(S13)、読取終了を行い(S14)、それと共に暗読み解除を行う(S15)。暗読み解除では、流し読みされる次の原稿のためにシェーディング・ターゲットとしてSHDC2を設定し直す。このとき、白色基準板を用いた補正係数G2の較正を行ってもよい。最後に流し読み位置検知処理を実行してジョブが終了する(S16)。
複数枚の原稿がある場合には、例えばステップS15の後、ステップS4から原稿1枚ごとに繰り返して実行される。
このようにして、原稿の後端部がシート部46に乗っていない状態で読み取られる第1の領域と、原稿の後端部がシート部46から外れた状態で読み取られる第2の領域それぞれのシェーディング・ターゲットとして、一様な濃度の原稿を読み取った場合に、第1の領域と第2の領域それぞれの輝度が等しくなるようなシェーディング・ターゲットSHDC2、とSHDC3とを用いる。このため、シェーディング補正した画像データは、原稿の後端部の幅Lの領域については、原稿の傾斜による輝度の差が補正された画像データとなる。このため、一様な濃度の原稿を流し読みで読み取った際に、原稿の後端部の輝度が他の領域と変わることのない一様な輝度の画像を得ることができる。
以上説明したように、実施例の画像読取装置は、原稿を搬送しながら画像を読みとる流し読みにおいて、シートの後端部で発生する白飛び画像を補正することができ、読取画像の劣化を防止することができる。
[他の実施形態]
図14の手順では、シェーディング・ターゲットを、原稿後端部がシート46から外れるタイミングで切り替えている。シェーディング・ターゲットの切り替えと原稿の後端部がシート46から外れるタイミングとが正確に一致していれば、これによって図11のような輝度の差(印刷した場合には濃度の差)は、図13のように点線で示した境界が視認できない程度の補正できる。しかしながら、上記タイミングがずれると、輝度aの領域にシェーディング・ターゲットSHDC3を適用した暗線や、輝度bの領域にシェーディング・ターゲットSHDC2を適用した輝線が現れるおそれがある。
図14の手順では、シェーディング・ターゲットを、原稿後端部がシート46から外れるタイミングで切り替えている。シェーディング・ターゲットの切り替えと原稿の後端部がシート46から外れるタイミングとが正確に一致していれば、これによって図11のような輝度の差(印刷した場合には濃度の差)は、図13のように点線で示した境界が視認できない程度の補正できる。しかしながら、上記タイミングがずれると、輝度aの領域にシェーディング・ターゲットSHDC3を適用した暗線や、輝度bの領域にシェーディング・ターゲットSHDC2を適用した輝線が現れるおそれがある。
そこで、本例では、輝度aの領域と輝度bの領域との境界を含む帯状の領域で、シェーディング・ターゲットを、シェーディング・ターゲットSDCH2とシェーディング・ターゲットSDCH3との中間(SDCH2.5とする)に設定することで、シェーディング補正の程度を段階的に切り替える。たとえば、上述した帯状の領域(境界領域と呼ぶ)を、境界を含む10ライン分の幅の領域とする。その場合には例えば、図14のステップS10の暗読みカウントを、所定数ライン分、たとえば境界領域の幅の2分の1のライン数分小さく設定する。そしてそのカウント数に達したなら、シェーディング・ターゲットをSDCH2.5としてシェーディング補正を適用する。そのとき、同時に境界領域の幅のライン数のカウントを開始する。そしてそのカウント数に達したなら、シェーディング・ターゲットをSDCH3に設定する。
以上は一例であり、さらに細かい段階でシェーディング・ターゲットを切り替えてもよい。このようにすることで、シェーディング・ターゲットの切り替えのタイミングと、原稿の後端部がシート46から外れるタイミングとが正確に一致しなくとも、それにより生じる、周囲とは輝度の異なる線を目立たなくすることができる。
また上記例ではイメージセンサとしてコンタクトイメージセンサ(CIS)を用いた例を説明した。これは、原稿終端部付近の輝度の差が、CISを用いると、より著しいためであるが、たとえばCCDをイメージセンサとして用いたスキャナにも上記実施形態に係る発明を適用してもよい。
また、以上で説明した実施形態では、原稿の後端部がその他の部分に比べて明るく読み取られてしまう場合について説明したが、原稿の先端部がその他の部分に比べて暗く読み取られてしまう場合に上述したような構成を用いてもよい。このようにすることで、原稿の読み取り画像における輝度差を緩和することができるため、読取画像の劣化を防止することができる。また、本実施形態の導光体4aのような照射部を読取位置RPに対して反対側に設け、反対方向から光を照射する構成とする場合は、原稿の先端部がその他の部分に比べて明るく読み取られ、後端部がその他の部分に比べて暗く読み取られる場合がある。このような場合においても、以上で説明した実施形態の構成を用いることで、原稿の読み取り画像における輝度差を緩和することができるため、読取画像の劣化を防止することができる。つまり、本発明は、原稿の位置によって原稿からの反射光の向きが変化する場合に広く適用できるものである。
101:画像読取装置、101A:画像読取ユニット、101B:原稿搬送ユニット、2:流し読みガラス、41:センサユニット、46:シート、50:スキャナコントローラ、52:画像処理回路、55:リードセンサ、58:CPU
Claims (9)
- 読取位置へ原稿を搬送する原稿搬送手段と、
前記原稿搬送手段によって前記読取位置に搬送される原稿に光を投射する投射手段と、
前記投射手段により投射された光の反射光を受光し、前記原稿の画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段により読み取られた画像データに対して、前記投射手段から投射される光を反射する原稿の第1の領域と、前記第1の領域とは原稿からの反射光の向きが異なる第2の領域とでシェーディング補正の仕方を変更する制御手段とを備える、
ことを特徴とする画像読取装置。 - 前記第2の領域は、前記第1の領域とは原稿の搬送方向で異なる領域であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
- 前記第1の領域は、原稿の搬送方向先端部または後端部の領域であることを特徴とする画像読取装置・
- 前記制御手段は、前記第1の領域と前記第2の領域とで、前記シェーディング補正に用いるシェーディング・ターゲットを変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
- 前記読取位置よりも原稿搬送方向上流側に設けられたシート部材をさらに備え、
前記制御手段は、前記原稿搬送手段によって搬送される前記原稿の一部が前記シート部材上に位置する状態で前記画像読取手段によって読み取られる前記第1の領域と、前記シート部材上に原稿が位置しない状態で前記画像読取手段によって読み取られる前記第2の領域とで、異なるシェーディング補正を施すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 前記制御手段は、前記第1の領域と前記第2の領域とで取得される画像データそれぞれの輝度が等しくなるようなシェーディング・ターゲットを用いてシェーディング補正を施すことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
- 前記制御手段は、前記原稿において、前記シート部材の端部から前記読取位置までの距離を幅とする前記原稿の後端部からの領域を前記第2の領域とし、前記第2の領域以外の領域を前記第1の領域として前記画像データに補正を施すことを特徴とする請求項5または6に記載の画像読取装置。
- 前記画像読取手段は、
前記読取位置に搬送される前記原稿からの反射光を受光することで前記原稿の画像データを生成する撮像部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の画像読取装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取られる画像データに基づいてシートに画像を形成する画像形成手段と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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