JP2018076815A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】斜板の傾角の変更をスムーズに行うこと。
【解決手段】抽気通路36は、途中から分岐して、圧力調整室15cから吸入室15aに向かう第1抽気通路361及び第2抽気通路362を備えている。また、可変容量型斜板式圧縮機は、抽気通路36の内部を移動可能であり、第2抽気通路362を開閉する弁体51と、第2抽気通路362を閉鎖する方向に弁体51を付勢する付勢ばね57とを備える。弁体51には、弁体51よりも上流側と第1抽気通路361における弁体51よりも下流側とを連通する連通路55が形成されている。連通路55は、絞り55sを有する。
【選択図】図5
【解決手段】抽気通路36は、途中から分岐して、圧力調整室15cから吸入室15aに向かう第1抽気通路361及び第2抽気通路362を備えている。また、可変容量型斜板式圧縮機は、抽気通路36の内部を移動可能であり、第2抽気通路362を開閉する弁体51と、第2抽気通路362を閉鎖する方向に弁体51を付勢する付勢ばね57とを備える。弁体51には、弁体51よりも上流側と第1抽気通路361における弁体51よりも下流側とを連通する連通路55が形成されている。連通路55は、絞り55sを有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、可変容量型斜板式圧縮機に関する。
一般的に、可変容量型斜板式圧縮機のハウジングは、シリンダブロックと、シリンダブロックの一端に連結されたフロントハウジングと、シリンダブロックの他端に連結されたリヤハウジングとを備えている。リヤハウジングには、吸入室及び吐出室が形成されている。ハウジング内には回転軸が回転可能に支持されている。また、ハウジング内におけるフロントハウジングとシリンダブロックとの間には斜板室が形成されている。斜板室には、回転軸から駆動力を得て回転するとともに回転軸の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板が収容されている。シリンダブロックには、シリンダブロックの軸方向に沿って貫通するとともに吸入室及び吐出室に連通するシリンダボアが回転軸の周囲に複数形成されている。各シリンダボア内にはピストンが往復動可能に収納されている。各ピストンは、一対のシューを介して斜板の外周部に係留されている。そして、回転軸の回転に伴う斜板の回転運動が、シューを介してピストンの往復直線運動に変換される。
ここで、斜板の傾角を変更するために、斜板室にアクチュエータを備えたものが、例えば特許文献1に開示されている。このようなアクチュエータは、回転軸に設けられる区画体と、斜板室内で回転軸の回転軸線方向に移動する移動体と、区画体と移動体とによって区画される制御圧室とを有する。斜板室は、外部冷媒回路から冷媒ガスが吸入される吸入圧領域となっている。シリンダブロックには、斜板室と吸入室とを連通する吸入通路が形成されている。
また、リヤハウジングには圧力調整室が形成されている。圧力調整室と吐出室とは給気通路を介して連通している。給気通路上にはオリフィスが設けられている。また、圧力調整室と吸入室とは抽気通路を介して連通している。抽気通路上には、制御機構としての電磁式の制御弁が設けられている。制御弁は、吸入室の圧力に基づき抽気通路の開度を調整する。これにより、抽気通路を流れる冷媒ガスの流量が調整され、圧力調整室の圧力が制御される。回転軸には、回転軸の軸内に形成され、圧力調整室と制御圧室とを連通する制御通路が形成されている。
そして、吐出室から給気通路、圧力調整室及び制御通路を介した制御圧室への冷媒ガスの供給と、制御圧室から制御通路、圧力調整室及び抽気通路を介した吸入室への排出とが行われ、制御圧室の圧力が変更される。移動体は、制御圧室と斜板室との圧力差に伴って区画体に対して回転軸の軸方向に移動する。この移動体の回転軸の軸方向への移動に伴い、斜板の傾角が変更されるようになっている。
しかしながら、上記構成のアクチュエータにおいて、制御圧室には、吐出室からの高温高圧の冷媒ガスが供給されるが、斜板室内の冷媒ガスは吐出室の冷媒ガスに比べて低温であるため、制御圧室の冷媒ガスが、斜板室内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化してしまう虞がある。このように、制御圧室の冷媒ガスは、吸入圧領域の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化することがある。制御圧室で液化した液冷媒は、冷媒ガスに比べて、制御圧室から制御通路、圧力調整室及び抽気通路を介して吸入室へ排出され難いため、制御圧室の圧力の変更がスムーズに行われず、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができなくなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決する可変容量型斜板式圧縮機は、吸入圧領域、吐出圧領域、及び複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックを有するハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、前記回転軸からの駆動力を得て回転して前記回転軸の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板と、前記シリンダボアに往復動可能に収納され、前記斜板に係留されるピストンと、前記斜板の傾角を変更可能なアクチュエータと、を備え、前記アクチュエータは、前記回転軸に設けられる区画体と、前記回転軸線方向に移動可能な移動体と、前記区画体と前記移動体とによって区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、を備え、前記ハウジングに形成された圧力調整室と、前記圧力調整室と前記吸入圧領域とを連通する抽気通路と、前記圧力調整室と前記吐出圧領域とを連通する給気通路と、前記制御圧室と前記圧力調整室とを連通し、前記回転軸の軸内に形成される制御通路と、前記圧力調整室の圧力を制御する制御機構と、を備え、前記制御機構によって前記圧力調整室に導入される前記吸入圧領域及び前記吐出圧領域の圧力が制御されることにより、前記移動体の前記回転軸線方向への移動に伴い、前記斜板の傾角が変更されて、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式圧縮機であって、前記抽気通路は、途中から分岐して、前記圧力調整室から前記吸入圧領域に向かう第1抽気通路及び第2抽気通路を備え、前記抽気通路の内部を移動可能であり、前記制御機構の一部をなすとともに前記第2抽気通路を開閉する弁体と、前記第2抽気通路を閉鎖する方向に前記弁体を付勢する付勢部材と、前記弁体に形成されるとともに前記弁体よりも上流側と前記第1抽気通路における前記弁体よりも下流側とを連通する連通路と、を備え、前記連通路の少なくとも一部が絞りになっており、前記弁体は、前記絞りよりも上流側の圧力と前記第1抽気通路における前記絞りよりも下流側の圧力との差圧に基づき、前記第2抽気通路を開閉する。
例えば、制御圧室の圧力を減少させる際には、制御機構によって圧力調整室の圧力を減少させるように圧力調整室の圧力を制御し、制御圧室の冷媒ガスを制御通路、圧力調整室及び抽気通路を介して吸入圧領域へ排出させる。このとき、絞りよりも上流側の圧力は、第1抽気通路における絞りよりも下流側の圧力よりも高くなっている。そして、絞りよりも上流側の圧力と第1抽気通路における絞りよりも下流側の圧力との差圧に基づき、弁体が第2抽気通路を開放する方向に移動する。このとき、制御圧室に液化した冷媒ガスが存在していても、液化した液冷媒が、制御通路を通過して抽気通路に流れ、第2抽気通路を介して吸入圧領域に排出される。よって、制御圧室で液化した液冷媒を抽気通路の途中から第2抽気通路を介して吸入圧領域に素早く排出することができ、制御圧室の圧力の変更をスムーズに行うことができる。その結果、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記回転軸には、前記制御通路から前記抽気通路に向けて前記回転軸の外周面に開口する径路が形成されているとよい。これによれば、制御圧室内で液化した液冷媒が、制御通路に排出されるとともに、回転軸の遠心力によって、制御通路における回転軸の径方向外側に飛ばされた液冷媒が、径路を介して抽気通路に排出され易くなる。したがって、制御圧室で液化した液冷媒を抽気通路に素早く排出することができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記弁体は、前記弁体よりも上流側と前記第2抽気通路との間をシールする外面シール部を有するとよい。これによれば、外面シール部によって、弁体よりも上流側と第2抽気通路との間を好適にシールすることができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記第2抽気通路は、前記吸入圧領域である吸入室に連通しており、前記弁体が前記第2抽気通路を閉鎖しているときに前記弁体が着座する弁座部材を備え、前記弁座部材は、前記圧力調整室と前記吸入圧領域である斜板室とを隔てる位置に配置されているとよい。これによれば、圧力調整室と斜板室とを隔てる弁座部材を利用して、弁体が第2抽気通路を閉鎖しているときの弁体を位置決めすることができる。
この発明によれば、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
以下、可変容量型斜板式圧縮機を具体化した一実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。なお、可変容量型斜板式圧縮機は車両空調装置に用いられる。
図1に示すように、可変容量型斜板式圧縮機10のハウジング11は、互いに連結された筒状のシリンダブロックとしての第1シリンダブロック12及び第2シリンダブロック13と、第1シリンダブロック12に連結されたフロントハウジング14と、第2シリンダブロック13に連結されたリヤハウジング15とを備えている。
図1に示すように、可変容量型斜板式圧縮機10のハウジング11は、互いに連結された筒状のシリンダブロックとしての第1シリンダブロック12及び第2シリンダブロック13と、第1シリンダブロック12に連結されたフロントハウジング14と、第2シリンダブロック13に連結されたリヤハウジング15とを備えている。
フロントハウジング14と第1シリンダブロック12との間には、第1弁・ポート形成体16が介在されている。また、リヤハウジング15と第2シリンダブロック13との間には、第2弁・ポート形成体17が介在されている。
フロントハウジング14と第1弁・ポート形成体16との間には、吸入室14a及び吐出室14bが区画されている。吐出室14bは吸入室14aの外周側に配置されている。また、リヤハウジング15と第2弁・ポート形成体17との間には、吸入室15a及び吐出室15bが区画されている。さらに、リヤハウジング15には、圧力調整室15cが形成されている。圧力調整室15cは、リヤハウジング15の中央部に位置しており、吸入室15aは、圧力調整室15cの外周側に配置されている。さらに、吐出室15bは吸入室15aの外周側に配置されている。各吐出室14b,15b同士は、図示しない吐出通路を介して接続されている。そして、吐出通路は図示しない外部冷媒回路に接続されている。各吐出室14b,15bは吐出圧領域となっている。
第1弁・ポート形成体16には、吸入室14aに連通する吸入ポート16a、及び吐出室14bに連通する吐出ポート16bが形成されている。第2弁・ポート形成体17には、吸入室15aに連通する吸入ポート17a、及び吐出室15bに連通する吐出ポート17bが形成されている。各吸入ポート16a,17aには、図示しない吸入弁機構が設けられるとともに、各吐出ポート16b,17bには、図示しない吐出弁機構が設けられている。
図2に示すように、リヤハウジング15における第2シリンダブロック13側の端面において、吸入室15aよりも内側の部位には、第2弁・ポート形成体17を貫通して第2シリンダブロック13の内側に突出する環状の突出部15fが形成されている。突出部15fの端面には、第1凹部15dが形成されている。第1凹部15dの底面151dの中央部には、第2凹部15eが形成されている。第2凹部15eの底面151eは、リヤハウジング15における第2シリンダブロック13側の端面よりも凹んだ位置に存在する。
図1に示すように、ハウジング11内には回転軸21が回転可能に支持されている。回転軸21において、回転軸線Lが延びる方向である回転軸線方向(回転軸21の軸方向)の一端側であり、ハウジング11の前方側(一方側)に位置する前端部側は、第1シリンダブロック12に貫設された軸孔12hに挿通され、ラジアルベアリングB1を介して第1シリンダブロック12に回転可能に支持されている。そして、回転軸21の前端は、フロントハウジング14内に位置している。
図2に示すように、回転軸21において、回転軸線方向の他端側であり、ハウジング11の後方側(他方側)に位置する後端部側は、突出部15fの第1凹部15d及び第2凹部15eに挿通され、ラジアルベアリングB2を介して第2凹部15eの内面に回転可能に支持されている。回転軸21の後端面は、第2凹部15eの底面151eから離れた位置にある。そして、回転軸21の後端面、第2凹部15eの内面、及び第2凹部15eの底面151eによって第1空間151cが区画されている。回転軸21の後端面は、第1空間151cに面している。
図1に示すように、フロントハウジング14と回転軸21との間にはリップシール型の軸封装置22が介在されている。回転軸21の前端には、動力伝達機構PTを介して外部駆動源としての車両のエンジンEが作動連結されている。本実施形態では、動力伝達機構PTは、常時伝達型のクラッチレス機構(例えばベルト及びプーリの組合せ)である。
ハウジング11内には、第1シリンダブロック12及び第2シリンダブロック13により区画された斜板室24が形成されている。斜板室24には、回転軸21から駆動力を得て回転して回転軸21の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板23が収容されている。斜板23には、回転軸21が挿通可能な挿通孔23aが形成されている。そして、回転軸21が挿通孔23aに挿通されることにより、斜板23が回転軸21に取り付けられている。
第1シリンダブロック12には、第1シリンダブロック12の軸方向に貫通形成される第1シリンダボア12aが回転軸21の周囲に複数(図1では1つの第1シリンダボア12aのみ図示)配列されている。各第1シリンダボア12aは、吸入ポート16aを介して吸入室14aに連通するとともに、吐出ポート16bを介して吐出室14bに連通している。
第2シリンダブロック13には、第2シリンダブロック13の軸方向に貫通形成される第2シリンダボア13aが回転軸21の周囲に複数(図1では1つの第2シリンダボア13aのみ図示)配列されている。各第2シリンダボア13aは、吸入ポート17aを介して吸入室15aに連通するとともに、吐出ポート17bを介して吐出室15bに連通している。
第1シリンダボア12a及び第2シリンダボア13aは、前後で対となるように配置されている。対となる第1シリンダボア12a及び第2シリンダボア13a内には、ピストンとしての両頭ピストン25が前後方向へ往復動可能にそれぞれ収納されている。すなわち、本実施形態の可変容量型斜板式圧縮機10は、両頭ピストン型斜板式圧縮機である。
各両頭ピストン25は、一対のシュー26を介して斜板23の外周部に係留されている。そして、回転軸21の回転に伴う斜板23の回転運動が、シュー26を介して両頭ピストン25の往復直線運動に変換される。
各第1シリンダボア12a内には、両頭ピストン25と第1弁・ポート形成体16とによって第1圧縮室20aが区画されている。各第2シリンダボア13a内には、両頭ピストン25と第2弁・ポート形成体17とによって第2圧縮室20bが区画されている。
第1シリンダブロック12には、軸孔12hに連続するとともに軸孔12hよりも大径である第1大径孔12bが形成されている。第1大径孔12bは、斜板室24に連通している。斜板室24と吸入室14aとは、第1シリンダブロック12及び第1弁・ポート形成体16を貫通する吸入通路12cにより連通している。
第2シリンダブロック13には、回転軸21の軸方向で第1大径孔12bに対向配置される第2大径孔13bが形成されている。第2大径孔13bは、斜板室24に連通している。斜板室24と吸入室15aとは、第2シリンダブロック13及び第2弁・ポート形成体17を貫通する吸入通路13cにより連通している。
第2シリンダブロック13の周壁には吸入口13sが形成されている。吸入口13sは外部冷媒回路に接続されている。そして、外部冷媒回路から吸入口13sを介して斜板室24に吸入された冷媒ガスは、吸入通路12c,13cを介して吸入室14a,15aに吸入される。よって、吸入室14a,15a及び斜板室24は、吸入圧領域となっており、圧力がほぼ等しくなっている。
回転軸21は、第1大径孔12b内に配置される環状のフランジ部21fを有する。なお、フランジ部21fは、回転軸21とは別体であり、回転軸21に圧入されている。回転軸21の軸方向において、フランジ部21fと第1シリンダブロック12との間には第1スラスト軸受27aが配設されている。また、回転軸21における後端側には、第2大径孔13b内に配置される環状のフランジ部21gが突設されている。回転軸21の軸方向において、フランジ部21gと突出部15fの突出端面との間には第2スラスト軸受27bが配設されている。
斜板室24内には、斜板23における回転軸21の回転軸線方向に対する斜板23の傾角を変更可能なアクチュエータ30が配置されている。アクチュエータ30は、フランジ部21fよりも後方側であって、且つ斜板23よりも前方側に配置されている。アクチュエータ30は、回転軸21と一体回転可能な環状の区画体31を有する。区画体31には、回転軸21が挿入される挿入孔31hが形成されている。そして、回転軸21が挿入孔31h内に圧入されることにより、区画体31が回転軸21に一体化されている。
アクチュエータ30は、フランジ部21fと区画体31との間に配置されるとともに斜板室24内で回転軸21の回転軸線方向に移動可能な有底円筒状の移動体32を有する。移動体32は、第1大径孔12bの内側に侵入可能に配置されている。移動体32は、回転軸21が貫挿される貫挿孔32eを有する円環状の底部32aと、底部32aの外周縁から回転軸21の軸方向に延びる円筒部32bとを有する。移動体32は、回転軸21と一体回転可能になっている。円筒部32bの内周面と区画体31の外周面との間はシール部材33によりシールされるとともに、貫挿孔32eと回転軸21との間はシール部材34によりシールされている。そして、アクチュエータ30は、区画体31と移動体32とにより区画される制御圧室35を有する。
斜板室24内において、斜板23とフランジ部21gとの間にはラグアーム40が配設されている。ラグアーム40は一端から他端に向かって略L字形状に形成されている。ラグアーム40の一端にはウェイト部40aが形成されている。ウェイト部40aは、斜板23の溝部23bを通過して斜板23の前面側に位置している。
ラグアーム40の一端側は、溝部23b内を横切る第1ピン41によって斜板23の上端側(図1における上側)に連結されている。これにより、ラグアーム40の一端側は、第1ピン41の軸心を第1揺動中心M1として、斜板23に対して第1揺動中心M1周りで揺動可能に支持されている。ラグアーム40の他端側は、回転軸21に一体的に設けられる図示しない支持部材に対して第2ピン42によって連結されている。これにより、ラグアーム40の他端側は、第2ピン42の軸心を第2揺動中心M2として、支持部材に対して第2揺動中心M2周りで揺動可能に支持されている。
移動体32の円筒部32bの先端には、斜板23側に向けて突出する連結部32cが設けられている。連結部32cには第3ピン43が挿通可能な移動体側挿通孔32hが形成されている。また、斜板23の下端側(図1における下側)には、第3ピン43が挿通可能な斜板側挿通孔23hが形成されている。そして、第3ピン43によって連結部32cが斜板23の下端側に連結されている。
回転軸21には、制御圧室35と第1空間151cとを連通し、回転軸21の軸内に形成される制御通路29が形成されている。制御通路29は、回転軸21の軸方向に延びる第1軸内通路29aと、第1軸内通路29aに連通するとともに回転軸21の径方向に延びる第2軸内通路29bとから形成されている。第2軸内通路29bの一端は第1軸内通路29aの先端に連通するとともに、他端は制御圧室35に開口している。第1軸内通路29aの後端は、第1空間151cに開口している。よって、制御圧室35と第1空間151cとは、第1軸内通路29a及び第2軸内通路29bを介して連通している。
図2に示すように、第1凹部15d内には、環状の弁座部材52が配置されている。弁座部材52には、回転軸21が挿通される挿通孔52hが形成されている。回転軸21の軸方向において、弁座部材52における斜板室24側の端面は、第2スラスト軸受27bに接触している。回転軸21の軸方向において、弁座部材52における第2スラスト軸受27bとは反対側の端面は、第1凹部15dの底面151dから離れている。第1凹部15dの内側には、弁座部材52における第2スラスト軸受27bとは反対側の端面、第1凹部15dの内面、及び第1凹部15dの底面151dによって、回転軸21の周囲で環状に延びる第2空間152cが区画されている。本実施形態において、第1空間151c及び第2空間152cは、圧力調整室15cを形成している。
弁座部材52は、第1凹部15dの内面に圧入されており、弁座部材52の外周面と第1凹部15dの内面との間はシールされている。また、回転軸21の外周面と弁座部材52の内周面との間にはシール部材54が設けられており、回転軸21の外周面と弁座部材52の内周面との間がシール部材54によってシールされている。これにより、第2空間152cと斜板室24との間がシールされている。よって、本実施形態において、弁座部材52は、圧力調整室15cと斜板室24とを隔てる位置に配置されている。
回転軸21の後端部は、回転軸21の軸方向において、第2空間152cに対応する位置から後端面までの部位が、それよりも前端側の部位よりも外径が小さい小径部211になっている。本実施形態のラジアルベアリングB2は、小径部211の外周面と第2凹部15eの内周面との間に配置されている。
第1凹部15dの底面151dにおける第2凹部15eよりも回転軸21の径方向外側には、弁収容孔15hが形成されている。弁収容孔15hは、回転軸21の軸方向に延びている。また、リヤハウジング15には、弁収容孔15hと制御弁36sとを繋ぐ通路36aが形成されている。本実施形態において、弁収容孔15h及び通路36aは、抽気通路36の一部を構成している。
回転軸21の小径部211には、制御通路29から抽気通路36に向けて小径部211の外周面に開口する径路291が形成されている。径路291は、小径部211の外周面と第2凹部15eの内周面との間において、ラジアルベアリングB2よりも第2空間152c寄りの部分に向けて開口している。
図3に示すように、圧力調整室15cと吸入室15aとは抽気通路36を介して連通している。抽気通路36には制御機構としての電磁式の制御弁36sが設けられている。制御弁36sは、吸入室15aの圧力に基づき抽気通路36の開度を調整することが可能になっている。そして、制御弁36sにより、抽気通路36を流れる冷媒ガスの流量が調整され、圧力調整室15cの圧力が制御される。また、圧力調整室15cと吐出室15bとは給気通路37を介して連通している。給気通路37にはオリフィス37aが設けられており、給気通路37を流れる冷媒ガスの流量がオリフィス37aにより絞られている。
そして、吐出室15bから給気通路37、第1空間151c、第1軸内通路29a及び第2軸内通路29bを介した制御圧室35への冷媒ガスの供給と、制御圧室35から第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、径路291、第2空間152c及び抽気通路36を介した吸入室15aへの冷媒ガスの排出とが行われる。これにより、制御圧室35の圧力が制御される。そして、制御圧室35と斜板室24との圧力差に伴って、移動体32が区画体31に対して回転軸21の軸方向に移動するようになっている。よって、制御圧室35に供給される冷媒ガスは、移動体32の移動制御を行うために用いられる制御ガスである。
図2に示すように、抽気通路36は、途中から分岐して、圧力調整室15cから吸入室15aに向かう第1抽気通路361及び第2抽気通路362を備えている。具体的には、第2抽気通路362は、弁収容孔15hから分岐して弁収容孔15hと吸入室15aとを連通する通路である。第1抽気通路361は、弁収容孔15hにおける第2抽気通路362が弁収容孔15hから分岐された部分よりも通路36a側の通路である。
弁収容孔15hには、制御機構の一部をなすとともに第2抽気通路362を開閉する柱状の弁体51が配置されている。弁体51は、弁収容孔15hの内部を回転軸21の軸方向に移動可能になっている。
弁体51には、弁体51よりも上流側と第1抽気通路361における弁体51よりも下流側とを連通する連通路55が形成されている。連通路55は、弁体51における弁座部材52側の端部に形成される絞り55sと、絞り55sに連通するとともに絞り55sから離れるにつれて拡径していく拡径部55aと、拡径部55aよりも内径が大径であるとともに回転軸21の軸方向に延びる大径部55bとを有する。拡径部55aと大径部55bとの間には、回転軸21の径方向に延びる端面55cが形成されている。
弁体51は、弁体51よりも上流側と第2抽気通路362との間をシールする外面シール部56を有する。外面シール部56は、弁体51の移動方向において、弁体51の外周面における弁座部材52側の部位である。
弁収容孔15hの内部には、第2抽気通路362を閉鎖する方向に弁体51を付勢する付勢部材としての付勢ばね57が配設されている。付勢ばね57の一端は端面55cに当接するとともに、他端は弁収容孔15hの底面に当接している。弁体51は、付勢ばね57の付勢力によって弁座部材52に向けて付勢されている。弁体51は、第2抽気通路362を閉鎖しているときに弁座部材52に着座する。
弁体51における弁座部材52側の端部には、絞り55sに連通する溝55kが形成されている。溝55kは、回転軸21の径方向に延びており、弁体51が弁座部材52に着座している状態において第2空間152cに連通する。そして、弁体51が弁座部材52に着座している状態であっても、弁体51における弁座部材52側の端面には、第2空間152cの内部の圧力に基づく荷重が付与されるようになっている。
絞り55sよりも上流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重が、第1抽気通路361における絞り55sよりも下流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重と、付勢ばね57の付勢力に基づく弁体51に付与される荷重との合計よりも小さい場合がある。この場合、弁体51は、弁座部材52に着座している状態で位置決めされており、外面シール部56により、絞り55sよりも上流側と第2抽気通路362との間がシールされている。
一方、絞り55sよりも上流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重が、第1抽気通路361における絞り55sよりも下流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重と、付勢ばね57の付勢力に基づく弁体51に付与される荷重との合計よりも大きくなる場合がある。この場合、弁体51は、弁座部材52から離れる方向へ移動する。そして、外面シール部56が、第2抽気通路362よりも弁収容孔15hの底面側に位置するまで弁体51が移動すると、絞り55sよりも上流側と第2抽気通路362とが連通する。
したがって、弁体51は、絞り55sよりも上流側の圧力と第1抽気通路361における絞り55sよりも下流側の圧力との差圧に基づき、第2抽気通路362を開閉する。
圧力調整室15c(第2空間152c)と制御弁36sとは、弁体51が、弁座部材52に着座している状態では、溝55k、絞り55s、拡径部55a、大径部55b、弁収容孔15h、及び通路36aを介して連通している。また、圧力調整室15c(第2空間152c)と制御弁36sとは、弁体51が、弁座部材52から離れる方向へ移動したときには、弁収容孔15h、絞り55s、拡径部55a、大径部55b、及び通路36aを介して連通している。
圧力調整室15c(第2空間152c)と制御弁36sとは、弁体51が、弁座部材52に着座している状態では、溝55k、絞り55s、拡径部55a、大径部55b、弁収容孔15h、及び通路36aを介して連通している。また、圧力調整室15c(第2空間152c)と制御弁36sとは、弁体51が、弁座部材52から離れる方向へ移動したときには、弁収容孔15h、絞り55s、拡径部55a、大径部55b、及び通路36aを介して連通している。
制御弁36sの弁開度を増大させると、制御圧室35から第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出される冷媒ガスの流量が多くなる。これにより、圧力調整室15cの圧力が吸入室15aの圧力とほぼ等しくなり、制御圧室35の圧力も吸入室15aの圧力とほぼ等しくなる。よって、制御圧室35と斜板室24との圧力差が少なくなることで、斜板23に作用する両頭ピストン25からの圧縮反力によって、斜板23が第3ピン43を介して移動体32を牽引し、移動体32の底部32aが区画体31に近づくように移動体32が移動する。
図4に示すように、移動体32の底部32aが区画体31に近づくように移動体32が移動すると、斜板23が第1揺動中心M1周りで揺動する。この斜板23における第1揺動中心M1周りの揺動に伴って、ラグアーム40が第2揺動中心M2周りで揺動し、ラグアーム40がフランジ部21gに接近する。これにより、斜板23の傾角が小さくなる。斜板23の傾角が小さくなると、両頭ピストン25のストロークが小さくなって吐出容量が減る。
制御弁36sの弁開度を減少させると、制御圧室35から第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出される冷媒ガスの流量が少なくなる。そして、吐出室15bから給気通路37、圧力調整室15c、第1軸内通路29a及び第2軸内通路29bを介した制御圧室35への冷媒ガスの供給が行われることで、制御圧室35の圧力が吐出室15bの圧力とほぼ等しくなる。よって、制御圧室35と斜板室24との圧力差が大きくなることで、移動体32が第3ピン43を介して斜板23を牽引しながら、移動体32の底部32aが区画体31から離間するように移動する。
図1に示すように、移動体32の底部32aが区画体31から離間するように移動体32が移動すると、斜板23が第1揺動中心M1周りで、斜板23の傾角減少時の揺動方向とは逆方向に揺動する。この斜板23の第1揺動中心M1周りでの斜板23の傾角減少時の揺動方向とは逆方向の揺動に伴って、ラグアーム40が第2揺動中心M2周りで、斜板23の傾角減少時の揺動方向とは逆方向に揺動し、ラグアーム40がフランジ部21gから離間する。これにより、斜板23の傾角が大きくなり、両頭ピストン25のストロークが大きくなって吐出容量が増える。
次に、本実施形態の作用について説明する。
吐出容量を減少させるために、制御圧室35の圧力を減少させる際には、制御弁36sの弁開度を増大させて、圧力調整室15cの圧力を減少させるように圧力調整室15cの圧力を制御し、制御圧室35の冷媒ガスを第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出させる。このとき、絞り55sよりも上流側の圧力は、第1抽気通路361における絞り55sよりも下流側の圧力よりも高くなっている。
吐出容量を減少させるために、制御圧室35の圧力を減少させる際には、制御弁36sの弁開度を増大させて、圧力調整室15cの圧力を減少させるように圧力調整室15cの圧力を制御し、制御圧室35の冷媒ガスを第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出させる。このとき、絞り55sよりも上流側の圧力は、第1抽気通路361における絞り55sよりも下流側の圧力よりも高くなっている。
図5に示すように、絞り55sよりも上流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重が、第1抽気通路361における絞り55sよりも下流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重と、付勢ばね57の付勢力に基づく弁体51に付与される荷重との合計よりも大きい場合がある。この場合、弁体51が第2抽気通路362を開放する方向に移動し、絞り55sよりも上流側と第2抽気通路362とが連通し、制御圧室35の圧力を素早く減少させる。
さらに、制御圧室35の冷媒ガスが斜板室24内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化した冷媒ガスが制御圧室35内に存在する場合がある。この場合、液化した液冷媒が、制御通路29に排出されるとともに、回転軸21の遠心力によって、制御通路29における回転軸21の径方向外側に飛ばされた液冷媒が、径路291を介しても小径部211の外周面と第2凹部15eの内周面との間に効果的に排出される。そして、液冷媒は、抽気通路36の途中から第2抽気通路362を介して吸入室15aに排出される。よって、制御圧室35で液化した液冷媒が、抽気通路36の途中から第2抽気通路362を介して吸入圧領域である吸入室15aに素早く排出され、制御圧室35の圧力の変更がスムーズに行われる。その結果、斜板23の傾角の変更がスムーズに行われる。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)絞り55sよりも上流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重が、第1抽気通路361における絞り55sよりも下流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重と、付勢ばね57の付勢力に基づく弁体51に付与される荷重との合計よりも大きい場合がある。この場合、弁体51が第2抽気通路362を開放する方向に移動する。このとき、制御圧室35の冷媒ガスが斜板室24内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化した液冷媒が、制御通路29を通過して抽気通路36に流れ、第2抽気通路362を介して吸入室15aに排出される。よって、制御圧室35で液化した液冷媒を抽気通路36の途中から第2抽気通路362を介して吸入室15aに素早く排出することができ、制御圧室35の圧力の変更をスムーズに行うことができる。その結果、斜板23の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
(1)絞り55sよりも上流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重が、第1抽気通路361における絞り55sよりも下流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重と、付勢ばね57の付勢力に基づく弁体51に付与される荷重との合計よりも大きい場合がある。この場合、弁体51が第2抽気通路362を開放する方向に移動する。このとき、制御圧室35の冷媒ガスが斜板室24内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化した液冷媒が、制御通路29を通過して抽気通路36に流れ、第2抽気通路362を介して吸入室15aに排出される。よって、制御圧室35で液化した液冷媒を抽気通路36の途中から第2抽気通路362を介して吸入室15aに素早く排出することができ、制御圧室35の圧力の変更をスムーズに行うことができる。その結果、斜板23の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
(2)回転軸21の小径部211には、制御通路29から抽気通路36に向けて小径部211の外周面に開口する径路291が形成されている。これによれば、制御圧室35内で液化した液冷媒が、制御通路29に排出されるとともに、回転軸21の遠心力によって、制御通路29における回転軸21の径方向外側に飛ばされた液冷媒が、径路291を介して抽気通路36に排出され易くなる。したがって、制御圧室35で液化した液冷媒を抽気通路36に素早く排出することができる。
(3)弁体51は、弁体51よりも上流側と第2抽気通路362との間をシールする外面シール部56を有している。これによれば、外面シール部56によって、弁体51よりも上流側と第2抽気通路362との間を好適にシールすることができる。
(4)第2抽気通路362は、吸入圧領域である吸入室15aに連通している。弁体51が第2抽気通路362を閉鎖しているときに弁体51が着座する弁座部材52は、圧力調整室15cと斜板室24とを隔てる位置に配置されている。これによれば、圧力調整室15cと斜板室24とを隔てる弁座部材52を利用して、弁体51が第2抽気通路362を閉鎖しているときの弁体51を位置決めすることができる。
(5)本実施形態では、可変容量型斜板式圧縮機10において吐出容量を減少させるために、制御圧室35の圧力を減少させる際には、制御弁36sの弁開度を増大させて、制御圧室35の冷媒ガスを第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出させる。このとき、絞り55sよりも上流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重が、第1抽気通路361における絞り55sよりも下流側の圧力に基づく弁体51に付与される荷重と、付勢ばね57の付勢力に基づく弁体51に付与される荷重との合計よりも大きくなると、弁体51が第2抽気通路362を開放する。よって、制御圧室35の冷媒ガスの一部が、第2抽気通路362を介して吸入室15aに排出されるため、第2抽気通路362が設けられていない構成に比べて、制御弁36sを通過する冷媒ガスの流量が少なくなる。したがって、制御弁36sの弁開度が小さくても、制御圧室35の圧力を減少させることができるため、制御弁36sを小型化することができる。
(6)上記構成のようなアクチュエータ30を用いて斜板23の傾角の変更を行うものにおいては、吐出室15bの冷媒ガスを制御圧室35へ供給する際には、吐出室15bからの冷媒ガスが制御通路29を流れて制御圧室35に供給される。一方、制御圧室35の冷媒ガスを吸入室15aへ排出する際には、制御圧室35からの冷媒ガスが制御通路29を流れて吸入室15aへ排出される。したがって、制御通路29には、吐出室15bから制御圧室35への冷媒ガスの供給が行われているときに冷媒ガスが流れており、制御圧室35から吸入室15aへの冷媒ガスの排出が行われているときにも冷媒ガスが流れている。
したがって、例えば、制御通路29に、上記構成の弁体51を配置すると、吐出室15bから制御圧室35への冷媒ガスの供給が行われている際には、弁体51の絞り55sが、吐出室15bから制御圧室35へ供給される冷媒ガスの流れを阻害することになり、斜板23の傾角の変更をスムーズに行うことができなくなる虞がある。吐出室15bから制御圧室35への冷媒ガスの供給が行われるときと、制御圧室35から吸入室15aへの冷媒ガスの排出が行われるときとで、冷媒ガスが圧力調整室15cと制御圧室35との間を流れる通路をそれぞれ別々に設ければ、このような問題は解消されるが、別々に通路を設けると構成が複雑化してしまう。
そこで、本実施形態では、弁体51を、抽気通路36の内部に配置したため、吐出室15bから制御圧室35への冷媒ガスの供給が行われている際に、弁体51の絞り55sが、吐出室15bから制御圧室35へ供給される冷媒ガスの流れを阻害することが無く、斜板23の傾角の変更に影響を与えることが無い。そして、吐出室15bから制御圧室35への冷媒ガスの供給が行われるときと、制御圧室35から吸入室15aへの冷媒ガスの排出が行われるときとで、冷媒ガスが圧力調整室15cと制御圧室35との間を流れる通路をそれぞれ別々に設ける必要が無いため、構成が複雑化することがない。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、第2抽気通路362が、例えば、吸入圧領域である斜板室24に連通していてもよい。
○ 実施形態において、第2抽気通路362が、例えば、吸入圧領域である斜板室24に連通していてもよい。
○ 実施形態において、回転軸21の小径部211に径路291が形成されていなくてもよい。この場合、例えば、回転軸21の小径部211が、第1軸内通路29aにおける圧力調整室15c側の端部が圧力調整室15cの第2空間152cに連通する構成であってもよい。そして、例えば、ラジアルベアリングB2を、シール部材54付近に配置するようにしてもよい。
○ 実施形態において、弁体51は、弁体51の移動方向の端面に端面シール部を有し、端面シール部によって、弁体51よりも上流側と第2抽気通路362との間をシールするようにしてもよい。
○ 実施形態において、アクチュエータ30は、制御圧室35の圧力が吸入室15aの圧力とほぼ等しくなることで、斜板23の傾角が大きくなるように移動体32が移動するとともに、制御圧室35の圧力が吐出室15bの圧力とほぼ等しくなることで、斜板23の傾角が小さくなるように移動体32が移動する構成であってもよい。すなわち、アクチュエータ30は、吐出容量を増大させるために、制御圧室35の圧力が減少する構成であってもよい。
○ 実施形態において、圧力調整室15cと吐出室15bとを連通する給気通路37上に電磁式の制御弁が設けられており、圧力調整室15cと吸入室15aとを連通する抽気通路にオリフィスが設けられている構成であってもよい。
○ 実施形態において、可変容量型斜板式圧縮機10は、両頭ピストン25を採用した両頭ピストン型斜板式圧縮機であったが、片頭ピストンを採用した片頭ピストン型斜板式圧縮機であってもよい。
○ 実施形態において、クラッチを介して外部駆動源から駆動力を得るようにしてもよい。
10…可変容量型斜板式圧縮機、11…ハウジング、12…シリンダブロックとしての第1シリンダブロック、12a…シリンダボアとしての第1シリンダボア、13…シリンダブロックとしての第2シリンダブロック、13a…シリンダボアとしての第2シリンダボア、14a,15a…吸入圧領域である吸入室、14b,15b…吐出圧領域である吐出室、15c…圧力調整室、21…回転軸、23…斜板、24…斜板室、25…ピストンとしての両頭ピストン、29…制御通路、30…アクチュエータ、31…区画体、32…移動体、35…制御圧室、36…抽気通路、36s…制御機構としての制御弁、37…給気通路、51…弁体、52…弁座部材、55…連通路、55s…絞り、56…外面シール部、57…付勢部材としての付勢ばね、291…径路、361…第1抽気通路、362…第2抽気通路。
Claims (4)
- 吸入圧領域、吐出圧領域、及び複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックを有するハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、
前記回転軸からの駆動力を得て回転して前記回転軸の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板と、
前記シリンダボアに往復動可能に収納され、前記斜板に係留されるピストンと、
前記斜板の傾角を変更可能なアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータは、
前記回転軸に設けられる区画体と、
前記回転軸線方向に移動可能な移動体と、
前記区画体と前記移動体とによって区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、を備え、
前記ハウジングに形成された圧力調整室と、
前記圧力調整室と前記吸入圧領域とを連通する抽気通路と、
前記圧力調整室と前記吐出圧領域とを連通する給気通路と、
前記制御圧室と前記圧力調整室とを連通し、前記回転軸の軸内に形成される制御通路と、
前記圧力調整室の圧力を制御する制御機構と、を備え、
前記制御機構によって前記圧力調整室に導入される前記吸入圧領域及び前記吐出圧領域の圧力が制御されることにより、前記移動体の前記回転軸線方向への移動に伴い、前記斜板の傾角が変更されて、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式圧縮機であって、
前記抽気通路は、途中から分岐して、前記圧力調整室から前記吸入圧領域に向かう第1抽気通路及び第2抽気通路を備え、
前記抽気通路の内部を移動可能であり、前記制御機構の一部をなすとともに前記第2抽気通路を開閉する弁体と、
前記第2抽気通路を閉鎖する方向に前記弁体を付勢する付勢部材と、
前記弁体に形成されるとともに前記弁体よりも上流側と前記第1抽気通路における前記弁体よりも下流側とを連通する連通路と、を備え、
前記連通路の少なくとも一部が絞りになっており、
前記弁体は、前記絞りよりも上流側の圧力と前記第1抽気通路における前記絞りよりも下流側の圧力との差圧に基づき、前記第2抽気通路を開閉することを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。 - 前記回転軸には、前記制御通路から前記抽気通路に向けて前記回転軸の外周面に開口する径路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
- 前記弁体は、前記弁体よりも上流側と前記第2抽気通路との間をシールする外面シール部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
- 前記第2抽気通路は、前記吸入圧領域である吸入室に連通しており、
前記弁体が前記第2抽気通路を閉鎖しているときに前記弁体が着座する弁座部材を備え、
前記弁座部材は、前記圧力調整室と前記吸入圧領域である斜板室とを隔てる位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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