JP2017166336A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

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裕之 仲井間
Hiroyuki Nakaima
裕之 仲井間
山本 真也
Shinya Yamamoto
真也 山本
隆容 鈴木
Takayasu Suzuki
隆容 鈴木
久弥 近藤
Hisaya Kondo
久弥 近藤
和也 本田
Kazuya Honda
和也 本田
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Abstract

【課題】高い制御性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機は、ハウジング1に第1吸入室27a、第2吸入室27b、第1吐出室29a及び第2吐出室29bが形成されている。また、この圧縮機は、制御圧室13cと制御機構15を備えている。制御機構15は、制御圧室13cに連通する制御路55と、制御路55を第1吐出室29aに連通させる第1通路59aと、制御路55を第2吸入室27bに連通させる第2通路59bとを有している。また、制御機構15は、第2通路59bの開度を変更可能な制御弁24aと、第1通路59aの開度を絞る絞りとしての絞り通路20とを有している。【選択図】図1

Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機は、ハウジングと、駆動軸と、斜板と、リンク機構と、複数のピストンと、区画体と、移動体と、制御圧室と、制御機構とを備えている。ハウジングは、フロントハウジング、リヤハウジング及びシリンダブロックによって構成されている。フロントハウジングは、斜板の一面側に配置されており、第1吸入室と第1吐出室とが形成されている。リヤハウジングは斜板の他面側に配置されており、第2吸入室と第2吐出室と圧力調整室とが形成されている。シリンダブロックは、フロントハウジングとリヤハウジングとの間に配置されている。シリンダブロックには、第1吸入室及び第1吐出室に連通する複数の第1シリンダボアと、第2吸入室及び第2吐出室に連通する複数の第2シリンダボアとが形成されている他、斜板室が形成されている。
駆動軸はハウジングに回転可能に支承されている。斜板は、斜板室内に設けられており、駆動軸の回転によって回転可能となっている。リンク機構は、駆動軸と斜板との間に設けられており、斜板の傾斜角度の変更を許容する。ここで、傾斜角度とは、駆動軸の回転軸心に直交する方向に対する斜板の角度である。各ピストンは、第1頭部と第2頭部とを有している。第1頭部は、第1シリンダボア内を往復動して、第1シリンダボア内に第1圧縮室を区画する。第2頭部は、第2シリンダボア内を往復動して、第2シリンダボア内に第2圧縮室を区画する。各ピストンと斜板との間には、変換機構としてのシューが設けられている。シューは、ピストン毎に対をなしており、斜板の回転によって、傾斜角度に応じたストロークで各ピストンを往復動させる。区画体は、駆動軸に設けられており、斜板室内で駆動軸と一体回転可能となっている。移動体は、駆動軸に設けられており、斜板室内で駆動軸と一体回転可能となっているとともに、回転軸心方向に移動して傾斜角度を変更する。制御圧室は、区画体と移動体とにより区画されており、内部の圧力によって移動体を移動させる。
制御機構は、制御路、給気路、抽気路、制御弁及びオリフィスを有している。制御路は、駆動軸の内部に形成されており、制御圧室と圧力調整室とに連通している。給気路は第2吐出室と圧力調整室とに連通している。抽気路は第2吸入室と圧力調整室とに連通している。制御弁は、第2吸入室の圧力により自己の開度を変更可能となっている。オリフィスは抽気路に設けられている。制御機構は、圧力調整室内の圧力を制御することによって、制御圧室内の圧力を制御する。
この圧縮機では、制御機構の制御弁が自己の開度を大きくすれば、第2吐出室内の圧力によって、圧力調整室内の圧力が増大する。このため、制御圧室の圧力が増大し、移動体が区画体から離れるように回転軸心方向に移動する。これにより、リンク機構は、斜板の傾斜角度を増大させる。こうして、この圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が増大する。一方、制御弁が自己の開度を小さくすれば、圧力調整室内の圧力が減少するため、制御圧室の圧力も減少する。これにより、移動体が区画体に近づくように移動するため、リンク機構は、斜板の傾斜角度を減少させる。こうして、この圧縮機では、駆動軸の1回転当たりの吐出容量が減少する。
特開2014−92104号公報
この種の圧縮機では、必要に応じて素早く吐出容量を増減し得る高い制御性が要求される。この点、上記従来の圧縮機では、制御圧室が圧力調整室を介して第2吸入室及び第2吐出室と連通していることから、吐出容量を増減するに当たって、圧力調整室内の圧力を制御する必要がある。このため、この圧縮機では、制御弁が開度を変更した際、吐出容量が増減されるまでに遅れが生じ易い。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、高い制御性を発揮可能な容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、吸入室、吐出室、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
前記駆動軸の回転軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、
前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記回転軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
前記吸入室は、前記斜板の一面側に位置する第1吸入室と、前記斜板の他面側に位置する第2吸入室とからなり、
前記吐出室は、前記斜板の前記一面側に位置する第1吐出室と、前記斜板の前記他面側に位置する第2吐出室とからなり、
前記各シリンダボアは、前記斜板の前記一面側に設けられ、前記第1吸入室及び前記第1吐出室と連通する第1シリンダボアと、前記斜板の前記他面側に設けられ、前記第2吸入室及び前記第2吐出室と連通する第2シリンダボアとからなり、
前記各ピストンは、前記第1シリンダボア内を往復動して、前記第1シリンダボア内に第1圧縮室を区画する第1頭部と、前記第2シリンダボア内を往復動して、前記第2シリンダボア内に第2圧縮室を区画する第2頭部とを有し、
前記制御機構は、前記駆動軸の内部に形成され、前記制御圧室に連通する制御路と、
前記ハウジング及び前記駆動軸の少なくとも一方に形成され、前記制御路を前記第1吐出室又は前記第1吸入室に連通させる第1通路と、
前記ハウジング及び前記駆動軸の少なくとも一方に形成され、前記第1通路が前記第1吐出室に連通すれば前記制御路を前記第2吸入室に連通させ、前記第1通路が前記第1吸入室に連通すれば前記制御路を前記第2吐出室に連通させる第2通路と、
前記第1通路及び前記第2通路のうちの一方側の通路に設けられ、前記一方側の通路の開度を変更可能な制御弁と、
前記第1通路及び前記第2通路のうちの他方側の通路に設けられ、前記他方側の通路の開度を絞る絞り又は前記他方側の通路の開度を変更可能な前記制御弁とを有していることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、第1通路が制御路を第1吐出室に連通させれば、第2通路は制御路を第2吸入室に連通させる。これにより、制御圧室内には第1通路及び制御路を経た第1吐出室内の冷媒が直接導入されるとともに、制御圧室内の冷媒は制御路及び第2通路を経て第2吸入室へ直接導出される。また、第1通路が制御路を第1吸入室に連通させれば、第2通路は制御路を第2吐出室に連通させる。これにより、制御圧室内には第2通路及び制御路を経た第2吐出室内の冷媒が直接導入されるとともに、制御圧室内の冷媒は制御路及び第1通路を経て第1吸入室へ直接導出される。そして、第1通路及び第2通路のうちの一方側の通路には制御弁が設けられ、第1通路及び第2通路のうちの他方側の通路には絞り又は制御弁が設けられる。これにより、制御圧室内に導入される冷媒の流量と、第2吸入室へ導出される冷媒の流量とが調整される。こうして、この圧縮機では、制御圧室内の圧力が調整される。
こうして、この圧縮機では、制御圧室が圧力調整室を介して第1吸入室及び第2吐出室と連通したり、制御圧室が圧力調整室を介して第2吸入室及び第1吐出室と連通したりする場合と比較して、制御圧室内の圧力を素早く調整することができる。このため、この圧縮機では、必要に応じて移動体が斜板の傾斜角度を素早く変更できるため、素早く吐出容量を増減することができる。
したがって、本発明の容量可変型斜板式圧縮機は高い制御性を発揮する。
本発明の圧縮機において、第1通路は、制御路を第1吐出室に連通させ得る。また、第2通路は、制御路を第2吸入室に連通させ得る。さらに、制御弁は、第2通路に設けられ得る。また、第1通路には、絞りが設けられ得る。そして、制御路には、第1吐出室の冷媒が制御圧室へ至る給気経路と、制御圧室の冷媒が第2吸入室へ至る抽気経路と、給気経路と抽気経路とを隔てる隔壁とが形成されていることが好ましい。
この場合には、制御圧室内の圧力を調整するに当たって、制御弁が第2通路の開度を大きくすることにより、制御圧室内の圧力を素早く低下させることが可能となる。また、制御路に隔壁が形成されることにより、給気経路を流通する冷媒が制御圧室内に至らずに抽気経路へ流通することを防止できる。これらのため、この圧縮機では制御圧室内の圧力を好適に調整することができ、吐出容量を好適に増減することができる。また、この圧縮機では、第1通路に絞りが設けられることにより、第1通路及び第2通路の両方に制御弁が設けられる場合に比べて、製造コストを低廉化することが可能となる。
また、本発明の圧縮機において、第1通路は、制御路を第1吸入室に連通させ得る。さらに、第2通路は、制御路を第2吐出室に連通させ得る。また、制御弁は、第2通路に設けられ得る。さらに、第1通路には、絞りが設けられ得る。そして、制御路には、第2吐出室の冷媒が制御圧室へ至る給気経路と、制御圧室の冷媒が第1吸入室へ至る抽気経路と、給気経路と抽気経路とを隔てる隔壁とが形成されていることも好ましい。
この場合には、制御圧室内の圧力を調整するに当たって、制御弁が第2通路の開度を大きくすることにより、制御圧室内の圧力を素早く増大させることが可能となる。また、隔壁によって、給気経路を流通する冷媒が制御圧室に至らずに抽気経路へ流通することを防止できる。これらのため、この圧縮機でも制御圧室内の圧力を好適に調整することができ、吐出容量を好適に増減することができる。また、この圧縮機でも、第1通路及び第2通路の両方に制御弁が設けられる場合に比べて、製造コストを低廉化することが可能となる。
また、この場合、第1吐出室は第1吸入室の外周に配置され得る。さらに、駆動軸は第1吸入室内に挿通され得る。そして、絞りは、駆動軸に設けられていることが好ましい。これにより、第1通路に絞りを容易に設けることが可能となる。ここで、第1吐出室を第1吸入室の外周に配置した構成において、第1通路が制御路を第1吐出室に連通させた場合、第1吐出室から制御路へ流通する冷媒が第1吸入室等へ流入することを防止するための封止部材が必要となる。この点、この圧縮室では、第1通路は制御路を第1吸入室に連通させており、駆動軸は第1吸入室内に挿通されるため、上記のような封止部材が不要となる。これらのため、この圧縮機では製造を容易化することができる。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は高い制御性を発揮する。
図1は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最小の状態を示す断面図である。 図2は、実施例1の圧縮機において、傾斜角度が最大の状態を示す断面図である。 図3は、実施例1の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図4は、実施例1の圧縮機に係り、ハウジングを示す図1におけるA−A断面を示す断面図である。 図5は、実施例1の圧縮機に係り、第1通路等を示す要部拡大断面図である。 図6は、実施例1の圧縮機に係り、給気経路、抽気経路及び隔壁等を示す要部拡大断面図である。 図7は、比較例の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図8は、実施例2の圧縮機において、傾斜角度が最小の状態を示す断面図である。 図9は、実施例2の圧縮機に係り、制御機構を示す模式図である。 図10は、実施例2の圧縮機に係り、第1通路等を示す要部拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1、2を図面を参照しつつ説明する。これらの圧縮機は、いずれも車両に搭載されており、車両用空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1及び図2に示すように、実施例1の圧縮機は、ハウジング1と、駆動軸3と、斜板5と、リンク機構7と、複数のピストン9と、複数対のシュー11a、11bと、アクチュエータ13と、制御機構15とを備えている。
ハウジング1は、フロントハウジング17と、リヤハウジング19と、第1シリンダブロック21と、第2シリンダブロック23と、第1弁形成プレート39と、第2弁形成プレート41とを有している。なお、本実施例では、フロントハウジング17が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング19が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1及び図2の紙面の上方を圧縮機の上方側とし、紙面の下方を圧縮機の下方側として、圧縮機の上下方向を規定している。そして、図4以降では、図1及び図2に対応させて前後方向及び上下方向を表示する。なお、実施例1における前後方向等は一例であり、本発明の圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その姿勢が適宜変更される。
フロントハウジング17には、前方に向かって突出するボス17aが形成されている他、駆動軸3を挿通させる第1軸孔17bが形成されている。ボス17a内には軸封装置25が設けられている。
また、フロントハウジング17内には、第1連通室18aと、第1吸入室27aと、第1吐出室29aと、壁部17cとが形成されている。第1連通室18aは、フロントハウジング17の後端面17dから前方に向かって円柱状に凹設されており、フロントハウジング17の中心側に位置している。
第1吸入室27aは、フロントハウジング17の後端面17dから前方に向かって円環状に凹設されており、図4に示すように、第1連通室18aの外周側に配置されている。第1吐出室29aについても、フロントハウジング17の後端面17dから前方に向かって円環状に凹設されており、第1吸入室27aの外周側に配置されている。壁部17cは第1吸入室27a内に位置しており、上下方向に延びている。壁部17c内には、壁部17cを上下に貫通する絞り通路20が形成されている。この絞り通路20を通じて、第1連通室18aと第1吐出室29aとが連通している。絞り通路20は本発明における絞りの一例である。
また、図1及び図2に示すように、フロントハウジング17には、第1前方側連通路12aが形成されている。第1前方側連通路12aは、前端が第1吐出室29aに連通しており、後端がフロントハウジング17の後端面17dに開口している。
第2ハウジング19には、第2連通室18b、第2吸入室27b及び第2吐出室29bが形成されている。第2連通室18bは、リヤハウジング19の前端面19aから後方に向かって円柱状に凹設されており、リヤハウジング19の中心側に位置している。なお、上記の第1連通室18a及び第2連通室18bの大きさ等は適宜設計することができる。
第2吸入室27b及び第2吐出室29bについても、それぞれリヤハウジング19の前端面19aから後方に向かって円環状に凹設されている。第2吸入室27bは、第2連通室18bの外周側に配置されている。第2吐出室29bは、第2吸入室27bの外周側に配置されている。
また、リヤハウジング19には、抽気路22及び制御弁24aが設けられている。抽気路22は、第1抽気路22aと第2抽気路22bとで構成されている。第1抽気路22aは、第2吸入室27bと制御弁24aとに接続している。第2抽気路22bは、制御弁24aと第2連通室18bとに接続している。制御弁24aは、第2吸入室27b内の圧力に基づいて自己の開度を変更することにより、抽気路22の開度を変更することが可能となっている。
さらに、リヤハウジング19には、第1後方側連通路14aが形成されている。この第1後方側連通路14aは、後端が第2吐出室29bに連通しており、前端がリヤハウジング19の前端面19aに開口している。
第1シリンダブロック21は、フロントハウジング17と第2シリンダブロック23との間に設けられている。第1シリンダブロック21には、駆動軸3の回転軸心O方向に延びる複数個の第1シリンダボア21aが形成されている。各第1シリンダボア21aは、それぞれ周方向に等角度間隔で配置されている。
また、第1シリンダブロック21には、駆動軸3を挿通させる第2軸孔21bが形成されている。さらに、第1シリンダブロック21には、第2軸孔21bに圧縮機の後方側から連通する第1凹部21cが形成されている。第1凹部21cは第2軸孔21bと同軸をなしている。第1凹部21cは、第2軸孔21bよりも内径が大きくされている。第1凹部21c内には、第1スラスト軸受35aが設けられている。
また、第1シリンダブロック21には、前後方向に延びる第1連絡路37aと第2前方側連通路12bとが形成されている。これらの第1連絡路37a及び第2前方側連通路12bは、それぞれ前端が第1シリンダブロック21の前端面21dに開口しており、後端が第1シリンダブロック21の後端面21eに開口している。
第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21とリヤハウジング19との間に設けられている。第2シリンダブロック23は、第1シリンダブロック21に接合されることにより、第1シリンダブロック21との間に斜板室33を形成している。斜板室33は第1凹部21cと連通している。これにより、第1凹部21cは斜板室33の一部を構成している。また、斜板室33は第1連絡路37aと連通している。
第2シリンダブロック23には、駆動軸3の回転軸心O方向に延びる複数個の第2シリンダボア23aが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第1シリンダボア21aと同様、周方向に等角度間隔でそれぞれ配置されており、各第1シリンダボア21aと同軸かつ前後で対になっている。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとは同径に形成されている。なお、第1シリンダボア21aと第2シリンダボア23aとが対をなしていれば、これらの個数は適宜設計することができる。また、各第1シリンダボア21aと各第2シリンダボア23aとで異なる径の大きさに形成しても良い。さらに、対をなす第1シリンダボア21a及び第2シリンダボア23aの軸心は、ずれていても良い。
第2シリンダブロック23には、駆動軸3を挿通させる第3軸孔23bが形成されている。なお、図示を省略しているものの、第1軸孔17b、第2軸孔21b及び第3軸孔23b内には、それぞれ滑り軸受が設けられている。
また、第2シリンダブロック23には、第3軸孔23bに圧縮機の前方側から連通する第2凹部23cが形成されている。第2凹部23cは第3軸孔23bと同軸をなしている。第2凹部23cは、第3軸孔23bよりも内径が大きくされている。第2凹部23cも斜板室33と連通しており、斜板室33の一部を構成している。第2凹部23c内には、第2スラスト軸受35bが設けられている。
また、第2シリンダブロック23には、吸入ポート330と、第2連絡路37bとが形成されている。斜板室33は、吸入ポート330を介して管路を構成する図示しない蒸発器と接続している。第2連絡路37bは、前後方向に延びており、斜板室33と連通している。
さらに、第2シリンダブロック23には、吐出ポート230と、合流吐出室231と、第3前方側連通路12cと、第2後方側連通路14bとが形成されている。吐出ポート230と合流吐出室231とは、互いに連通している。合流吐出室231は、吐出ポート230を介して管路を構成する図示しない凝縮器と接続している。
第3前方側連通路12cは、前端が第2シリンダブロック23の前端面23eに開口しており、後端が合流吐出室231に連通している。そして、第3前方側連通路12cは、第1シリンダブロック21と第2シリンダブロック23とが接合されることにより、第2前方側連通路12bと連通する。第2後方側連通路14bは、前端が合流吐出室231に連通しており、後端が第2シリンダブロック23の後端面23dに開口している。
図5に示すように、第1弁形成プレート39は、フロントハウジング17の後端面17dと第1シリンダブロック21の前端面21dとの間に設けられている。この第1弁形成プレート39を介して、フロントハウジング17と第1シリンダブロック21とが接合されている。
第1弁形成プレート39は、バルブプレート390と、吸入弁プレート391と、吐出弁プレート392と、リテーナプレート393とを有している。バルブプレート390、吐出弁プレート392及びリテーナプレート393には、第1シリンダボア21aと同数の第1吸入孔390aが形成されている。バルブプレート390及び吸入弁プレート391には、第1シリンダボア21aと同数の第1吐出孔390bが形成されている。さらに、バルブプレート390、吸入弁プレート391、吐出弁プレート392及びリテーナプレート393には、第1吸入連通孔390cと第1吐出連通孔390dとが形成されている。
各第1シリンダボア21aは、各第1吸入孔390aを通じて第1吸入室27aと連通する。また、各第1シリンダボア21aは、各第1吐出孔390bを通じて第1吐出室29aと連通する。そして、第1吸入連通孔390cを通じて、第1吸入室27aと第1連絡路37aとが連通する。また、第1吐出連通孔390dを通じて、第1前方側連通路12aと第2前方側連通路12bとが連通する。
吸入弁プレート391は、バルブプレート390の後面に設けられている。吸入弁プレート391には、弾性変形により各第1吸入孔390aを開閉可能な吸入リード弁391aが複数形成されている。吐出弁プレート392は、バルブプレート390の前面に設けられている。吐出弁プレート392には、弾性変形により各第1吐出孔390bを開閉可能な吐出リード弁392aが複数形成されている。リテーナプレート393は、吐出弁プレート392の前面に設けられている。リテーナプレート393は、各吐出リード弁392aの最大開度を規制する。また、第1シリンダブロック21には、各吸入リード弁391aの最大開度を規制するリテーナ21fが凹設されている。なお、説明を容易にするため、図1、図2及び図8では、吸入弁プレート391、吐出弁プレート392、リテーナプレート393及びリテーナ溝21fの図示を省略している。
図1及び図2に示すように、第2弁形成プレート41は、リヤハウジング19の前端面19aと第2シリンダブロック23の後端面23dとの間に設けられている。この第2弁形成プレート41を介して、リヤハウジング19と第1シリンダブロック23とが接合されている。
詳細な図示を省略するものの、第2弁形成プレート41は、バルブプレート410を有している他、第1弁形成プレート39と同様に、吸入弁プレート、吐出弁プレート及びリテーナプレートを有している。また、第1シリンダブロック21と同様、第2シリンダブロック23にもリテーナ溝が凹設されている。
第2弁形成プレート41には、第2シリンダボア23aと同数の第2吸入孔410aと第2吐出孔410bとが形成されている他、第2吸入連通孔410cと第2吐出連通孔410dとが形成されている。各第2シリンダボア23aは、各第2吸入孔410aを通じて第2吸入室27bと連通する。また、各第2シリンダボア23aは、各第2吐出孔410bを通じて第2吐出室29bと連通する。そして、第2吸入連通孔410cを通じて、第2吸入室27bと第2連絡路37bとが連通する。また、第2吐出連通孔410dを通じて、第1後方側連通路14aと第2後方側連通路14bとが連通する。
この圧縮機では、第1、2連絡路37a、37b及び第1、2吸入連通孔390c、410cにより、第1、2吸入室27a、27bと斜板室33とが互いに連通している。このため、第1、2吸入室27a、27b内と斜板室33内とは、圧力がほぼ等しくなっている。そして、斜板室33には、吸入ポート330を通じて蒸発器を経た低圧の冷媒ガスが流入することから、斜板室33内及び第1、2吸入室27a、27b内は、第1、2吐出室29a、29b内よりも低圧である。
また、この圧縮機では、第1前方側連通路12a、第1吐出連通孔390d、第2前方側連通路12b及び第3前方側連通路12cによって、第1吐出連通路12が形成されている。さらに、第1後方側連通路14a、第2吐出連通孔410d及び第2後方側連通路14bによって、第2吐出連通路14が形成されている。そして、第1吐出室29aと第2吐出室29bとは、第1吐出連通路12、第2吐出連通路14及び合流吐出室231を通じて、互いに連通している。
駆動軸3は、駆動軸本体30と第1支持部材43aと第2支持部材43bとで構成されている。また、駆動軸3の前端には、ねじ部3aが形成されている。このねじ部3aを介して駆動軸3は、図示しないプーリ又は電磁クラッチと連結されている。また、駆動軸3には、制御路55が形成されている。なお、制御路55の詳細は後述する。
駆動軸本体30は、軸方向でハウジング1の前方側から後方側に向かって延びている。駆動軸本体30の前方側には、第1小径部30aが形成されている。駆動軸本体30の後方側には、第2小径部30bが形成されている。
また、駆動軸本体30には、上記の斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とが設けられている。これらの斜板5とリンク機構7とアクチュエータ13とは、それぞれ斜板室33内に配置されている。
第1支持部材43aは、駆動軸3の回転軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第1支持部材43aは、駆動軸本体30の第1小径部30aに圧入されている。第1支持部材43aの後端には、第1フランジ430が形成されている。また、図5に示すように、第1支持部材43aの外周面には、第1環状溝431と第2環状溝432とが形成されている。第1環状溝431内には、第1封止部材44aが設けられている。第2環状溝432内には、第2封止部材44bが設けられている。
図1及び図2に示すように、第2支持部材43bについても、駆動軸3の回転軸心Oを中心軸とする円筒状に形成されている。第2支持部材43bは、駆動軸本体30の第2小径部30bの後端側に圧入されている。第2支持部材43bには、第2フランジ433が形成されている他、後述する第2ピン47bが挿通される取付部(図示略)が形成されている。
駆動軸3は、ハウジング1内において、軸封装置25、第1、2連通室18a、18b、第1〜3軸孔17b、21b、23b、第1、2弁形成プレート39、41、斜板室33及び第1、2スラスト軸受35a、35bに挿通されている。これにより、図5に示すように、駆動軸3では、第1支持部材43aが軸封装置25、第1連通室18a、第1弁形成プレート39及び第1スラスト軸受35aに挿通されつつ、第1、2軸孔17b、21bに支持されている。また、第1封止部材44aは第1軸孔17b内に配置され、第2封止部材44bは第2軸孔21b内に配置される。これにより、第1、2封止部材44a、44bは、第1連通室18a内の冷媒ガスが斜板室33等の第1連通室18aの外部へ漏れることを防止する。
一方、図1及び図2に示すように、第2支持部材43aは第2スラスト軸受35b及び第2弁形成プレート41に挿通されつつ、第3軸孔23bに支持されている。駆動軸3の後端は、第2連通室18b内に突出している。こうして、駆動軸3はハウジング1に支承されており、圧縮機の前後方向と平行な回転軸心O周りで回転可能となっている。また、駆動軸3がハウジング1に支承されることにより、第1フランジ430は、第1凹部21cの前壁との間で、第1スラスト軸受35aを軸方向から挟持する。第2フランジ433は、第2凹部23cの後壁との間で、第2スラスト軸受35bを軸方向から挟持する。なお、図示を省略するものの、第2支持部材43bと第3軸受23bとの間には、第2連通室18bと斜板室33との間を封止する封止部材が設けられている。
斜板5は環状の平板形状をなしており、前面5aと後面5bとを有している。前面5aは、斜板室33内において圧縮機の前方側、つまり、フロントハウジング17側に面している。後面5bは、斜板室33内において圧縮機の後方側、つまり、リヤハウジング19側に面している。
斜板5はリングプレート45を有している。このリングプレート45は環状の平板形状に形成されており、中心部に挿通孔45aが形成されている。斜板5は、斜板室33内において挿通孔45aに駆動軸本体30が挿通されることにより、駆動軸3に取り付けられている。また、リングプレート45には、斜板5の前面5a側から後面5b側まで貫通する溝部45bが形成されている。また、リングプレート45と、第2支持部材43bの第2フランジ433との間には、駆動軸3周りで復帰ばね(図示略)が設けられている。
リンク機構7はラグアーム49を有している。ラグアーム49は、斜板室33内において、斜板5よりも後方に配置されており、斜板5と第2支持部材43bとの間に位置している。ラグアーム49は、前方から後方に向かって略L字形状となるように形成されている。また、ラグアーム49には、ウェイト部49aが形成されている。なお、ウェイト部49aの形状は適宜設計することが可能である。
ラグアーム49の前端側は、第1ピン47aによってリングプレート45と連結されている。これにより、ラグアーム49は、第1ピン47aの軸心を第1揺動軸心M1として、リングプレート45、すなわち斜板5に対し、第1揺動軸心M1周りで揺動可能に支持されている。
ラグアーム49の後端側は、第2ピン47bによって第2支持部材43bと連結されている。これにより、ラグアーム49は、第2ピン47bの軸心を第2揺動軸心M2として、第2支持部材43b、すなわち駆動軸3に対し、第2揺動軸心M2周りで揺動可能に支持されている。これらのラグアーム49、第1、2ピン47a、47bに加えて、後述する連結アーム132及び第3ピン47cによって、本発明におけるリンク機構7が構成されている。
ウェイト部49aは、ラグアーム49の前端側、つまり、第1揺動軸心M1を基準として第2揺動軸心M2とは反対側に延在して設けられている。このため、ラグアーム49が第1ピン47aによってリングプレート45に支持されることで、ウェイト部49aはリングプレート45の溝部45bを通って、リングプレート45の前面、つまり斜板5の前面5a側に位置する。そして、斜板5が回転軸心O周りに回転することにより発生する遠心力が斜板5の前面5a側でウェイト部49aにも作用する。
この圧縮機では、斜板5と駆動軸3とがリンク機構7によって連結されることにより、斜板5は駆動軸3と共に回転することが可能となっている。また、ラグアーム49の両端がそれぞれ第1揺動軸心M1及び第2揺動軸心M2周りで揺動することにより、斜板5は、図1に示す最小値から図2に示す最大値まで傾斜角度を変更することが可能となっている。
図1及び図2に示すように、各ピストン9は、それぞれ前端に第1頭部9aを有しており、後端に第2頭部9bを有している。つまり、各ピストン9は両頭ピストンである。各第1頭部9aは、それぞれ各第1シリンダボア21a内を往復動可能に収納されている。これらの各第1頭部9aと第1弁形成プレート39とにより、第1シリンダボア21a内にそれぞれ第1圧縮室53aが形成されている。各第2頭部9bは、それぞれ第2シリンダボア23a内を往復動可能に収納されている。これらの各第2頭部9bと第2弁形成プレート41とにより、第2シリンダボア23a内にそれぞれ第2圧縮室53bが形成されている。
また、各ピストン9の中央には係合部9cが形成されている。各係合部9c内には、半球状のシュー11a、11bがそれぞれ設けられている。これらのシュー11a、11bは、変換機構として斜板5の回転をピストン9の往復動に変換する。こうして、斜板5の傾斜角度に応じたストロークで、各第1頭部9aがそれぞれ第1シリンダボア21a内を往復動することが可能となっているとともに、各第2頭部9bがそれぞれ第2シリンダボア23a内を往復動することが可能となっている。
ここで、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度の変更に伴い各ピストン9のストロークが変化することで、リンク機構7は、各第1頭部9aと各第2頭部9bとの各上死点位置を移動させる。具体的には、図1に示すように、リンク機構7は、斜板5の傾斜角度が小さくなるに伴って、各第2頭部9bの上死点位置よりも各第1頭部9aの上死点位置を大きく移動させる。
アクチュエータ13は、斜板室33内において斜板5よりも前方側に配置されている。より具体的には、アクチュエータ13は、斜板室33内において、斜板5を基準として第1シリンダブロック21側に位置している。これにより、アクチュエータ13は、第1凹部21c内に進入することが可能となっている。
図6に示すように、アクチュエータ13は、移動体13aと区画体13bと制御圧室13cとを有している。制御圧室13cは、移動体13aと区画体13bとの間に形成されている。
移動体13aは、前壁130と、周壁131と、一対の連結アーム132とを有している。なお、図1、図2、図6及び図8では、連結アーム132の一方のみを図示している。
図6に示すように、前壁130は移動体13aの前方に位置しており、回転軸心Oから離れる方向で径方向に延びている。また、前壁130には挿通孔130aが貫設されている。挿通孔130a内にはOリング51aが設けられている。周壁131は、前壁130の外周縁と連続し、移動体13aの後方に向かって延びている。これらの前壁130及び周壁131により、移動体13aは有底の円筒状をなしている。各連結アーム132は周壁131の後端にそれぞれ形成されており、周壁131から圧縮機の後方に向かって延びている。各連結アーム132には、後述する第3ピン47cを挿通する挿通孔132aが形成されている。
区画体13bは、移動体13aの内径とほぼ同径をなす略円板状に形成されている。区画体13bは中心に挿通孔133が貫設されている。また、区画体13bの外周にはOリング51bが設けられている。さらに、区画体13bには前方から後方に向かって凹む凹面134が形成されている。
移動体13aの挿通孔130aには、駆動軸本体30が挿通されている。これにより、移動体13aは、駆動軸本体30を回転軸心O方向に移動することが可能となっている。一方、区画体13bの挿通孔133に対して、駆動軸本体30が圧入されている。これにより、区画体13bは駆動軸本体30に固定され、区画体13bは駆動軸本体30と共に回転可能となっている。なお、区画体13bについても回転軸心O方向に移動可能に駆動軸本体30に挿通する構成としても良い。
区画体13bは、移動体13a内に配置されており、その周囲が周壁131によって取り囲まれた状態となっている。これにより、移動体13aが回転軸心O方向に移動するに当たり、周壁131の内周面と、区画体13bの外周面とが摺動する。
そして、区画体13bが周壁131によって取り囲まれることにより、移動体13aと区画体13bとの間に制御圧室13cが形成されている。この制御圧室13cは、前壁130と周壁131と区画体13bとによって斜板室33から区画されている。
図1及び図2に示すように、各牽引アーム132と、リングプレート45とは、第3ピン47cによって連結されている。これにより、斜板5は、第3ピン47cの軸心を第3軸心M3として、第3軸心M3周りで移動体13aに揺動可能に連結されている。ここで、第1ピン47aと第3ピン47cとは、駆動軸本体30を挟んで対向して配置されている。つまり、各牽引アーム132は、回転軸心Oを基準として、溝部45bとは反対側でリングプレート45に連結されている。また、区画体13bとリングプレート45との間には、駆動軸3周りで傾角減少ばね(図示略)が設けられている。
制御路55は、第1、2軸路55a、55bと第1、2径路55c、55dとで構成されている。第1軸路55aは、駆動軸本体30の内部に形成されており、駆動軸本体30の軸方向で、駆動軸本体30の前後方向の略中央から駆動軸本体30の前端側まで延びている。第2軸路55bも駆動軸本体30に形成されている。第2軸路55bは、第1軸路55aよりも大径に形成されており、駆動軸本体30の後端面に開口している。第2軸路55bは、第1軸路55aと同軸で駆動軸本体30の後端面から駆動軸本体30の前後方向の略中央まで延びており、第1軸路55aに接続している。図6に示すように、第2軸路55b内には隔壁部材57が設けられている。隔壁部材57は、第2軸路55bの前端、すなわち、第1軸路55aと第2軸路55bとの間に配置されている。隔壁部材57は本発明における隔壁の一例である。なお、隔壁部材57を省略し、第1軸路55aと第2軸路55bとを同径に形成しても良い。
第1径路55cは、駆動軸本体30の前後方向の略中央に形成されている。第1径路55cは、第1軸路55aの後端側と接続しつつ駆動軸本体30の径方向に延びており、駆動軸本体30の外周面に開口している。第2径路55dは、駆動軸本体30の前後方向の略中央であって、第1径路55cよりも後方に形成されている。第2径路55dは、第2軸路55bの前端側と接続しつつ駆動軸本体30の径方向に延びており、駆動軸本体30の外周面に開口している。上記のように駆動軸3にアクチュエータ13が設けられることにより、第1径路55cは、第1軸路55aと制御圧室13cとを連通している。また、第2径路55dは、第2軸路55bと制御圧室13cとを連通している。
また、図5に示すように、駆動軸3には、第3径路55eが形成されている。第3径路55eは、駆動軸3の前端側に形成されている。第3径路55eは、第1軸路55aの前端側と接続しつつ駆動軸本体30及び第1支持部材43aの径方向に延びており、第1支持部材43aの外周面に開口している。第3径路55eは、上記のように駆動軸3がハウジング1に支承されることにより、第1連通室18a内に位置して、第1連通室18aと第1軸路55aとを連通している。
図1及び図2に示すように、この圧縮機では、第3径路55e、第1連通室18a及び絞り通路20によって、第1軸路55a及び第1径路55cが第1吐出室29aと連通している。また、第2連通室18b、抽気路22及び制御弁24aによって、第2軸路55b及び第2径路55dが第2吸入室27bと連通している。つまり、この圧縮機では、第3径路55e、第1連通室18a及び絞り通路20によって、制御路55を第1吐出室29aに連通させる第1通路59aが構成されている。また、第2連通室18b、抽気路22及び制御弁24aによって、制御路55を第2吸入室27bに連通させる第2通路59bが構成されている。
そして、図6に示すように、この圧縮機では、制御路55のうち、第1軸路55a及び第1径路55cによって、第1吐出室29a内の冷媒ガスが制御圧室13c内へ至る給気経路61aが構成されている。また、制御路55のうち、第2軸路55b及び第2径路55dによって、制御圧室13c内の冷媒ガスが第2吸入室27b内へ至る抽気経路61bが構成されている。これらの給気経路61aと抽気経路61bとは、上記の隔壁部材57によって隔てられている。
図3に示すように、制御機構15は、制御路55と、第1通路59aと、第2通路59bとを有している。制御機構15は、第1通路59a及び制御路55を流通させて、第1吐出室29a内の冷媒ガスを制御圧室13c内に導入するとともに、制御路55及び第2通路59bを流通させて、制御圧室13c内の冷媒ガスを第2吸入室27b内へ導出する。具体的には、制御機構15は、絞り通路20、第1連通室18a、第3径路55e、第1軸路55a及び第1径路55cを流通させて、第1吐出室29a内の冷媒ガスを制御圧室13c内に導入する。そして、第2径路55d、第2軸路55b、第2連通室18b及び抽気路22を流通させて、制御圧室13c内の冷媒ガスを第2吸入室27b内へ導出する。この際、絞り通路20は第1通路59aの開度を絞り、制御弁24aは第2通路59bの開度を変更する。こうして、制御機構15は、制御圧室13c内の圧力を制御する。なお、制御機構15による制御圧室13c内の圧力制御の詳細は後述する。
この圧縮機では、図1及び図2に示す吸入ポート330に対して蒸発器に繋がる配管が接続されるとともに、吐出ポート230に対して凝縮器に繋がる配管が接続される。凝縮器は配管及び膨張弁を介して蒸発器と接続される。これらの圧縮機、蒸発器、膨張弁、凝縮器等によって車両用空調装置の冷凍回路が構成されている。なお、蒸発器、膨張弁、凝縮器及び各配管の図示は省略する。
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸3が回転することにより、斜板5が回転する。これにより、各ピストン9では、各第1頭部9aが各第1シリンダボア21a内を往復動し、各第2頭部9bが各第2シリンダボア23a内を往復動する。このため、第1、2圧縮室53a、53bがピストン9のストロークに応じて容積変化を生じる。このため、この圧縮機では、第1、2吸入室27a、27bから第1、2圧縮室53a、53bへ冷媒ガスを吸入する吸入行程と、第1、2圧縮室53a、53bにおいて冷媒ガスが圧縮される圧縮行程と、圧縮された冷媒ガスが第1、2吐出室29a、29bに吐出される吐出行程等とが繰り返し行われることとなる。第1吐出室29aに吐出された冷媒ガスは、第1吐出連通路12を経て合流吐出室231に至る。同様に、第2吐出室29bに吐出された冷媒ガスは、第2吐出連通路14を経て合流吐出室231に至る。そして、合流吐出室231に至った冷媒ガスは、吐出ポート230から配管を介して凝縮器に吐出される。
そして、これらの吸入行程等が行われる間、斜板5、リングプレート45、ラグアーム49及び第1ピン47aからなる回転体には斜板5の傾斜角度を小さくするピストン圧縮力が作用する。そして、斜板5の傾斜角度が変更されれば、ピストン9のストロークの増減による容量制御を行うことが可能である。
具体的には、制御機構15は、第1通路59a及び給気経路61a、すなわち、絞り通路20、第1連通室18a、第3径路55e、第1軸路55a及び第1径路55cを流通させて、第1吐出室29a内の冷媒ガスを制御圧室13c内に導入する。この際、絞り通路20によって、第1吐出室29a内から制御圧室13c内へ導入される冷媒ガスの流量が調整されることで、第1吐出室29a内から制御圧室13c内に導入される冷媒ガスの圧力が調整される。また、制御機構15は、抽気経路61b及び第2通路59b、すなわち、第2径路55d、第2軸路55b、第2連通室18b及び抽気路22を流通させて、制御圧室13c内の冷媒ガスを第2吸入室27b内へ導出する。
ここで、制御機構15において、制御弁24aが第2吸入室27b内の冷媒ガスの圧力に基づき、抽気路22の開度を大きくすれば、制御圧室13c内から第2吸入室27b内へ導出される冷媒ガスの流量が増大する。この結果、制御圧室13c内の圧力は、第2吸入室27b内の圧力とほぼ等しくなり、制御圧室13c内と斜板室33内との差圧である可変差圧が小さくなる。このため、斜板5に作用するピストン圧縮力によって、図1に示すように、アクチュエータ13の移動体13aが斜板室33の後方に向かって移動する。
これにより、この圧縮機では、各ピストン9を介して斜板5に作用する圧縮反力によって、斜板5は傾斜角度が減少する方向に付勢される。なお、圧縮反力は、各ピストン9によって斜板5に作用するピストン圧縮力の合力である。このため、各連結アーム132を通じて、移動体13aは斜板5に牽引される状態となり、回転軸心O方向で斜板室33の後方へ移動する。そして、移動体13aが斜板室33の後方へ移動することにより、この圧縮機では、斜板5が作用軸心M3周りで揺動する。また、ラグアーム49の前端側が第1揺軸心M1周りで揺動するとともに、ラグアーム49の後端側が第2揺動軸心M2周りで揺動する。このため、ラグアーム49の後端側が第2支持部材43bの第2フランジ433に近づく。これらにより、斜板5は、作用軸心M3を作用点とし、第1揺動軸心M1を支点として揺動する。このため、駆動軸3の回転軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が減少し、各ピストン9のストロークが減少する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が減少する。
また、この圧縮機では、ウェイト部49aに作用した遠心力も斜板5に付与される。このため、この圧縮機では、斜板5が傾斜角度を減少させる方向に変位し易くなっている。
そして、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度が小さくなり、各ピストン9のストロークが減少することにより、各第1頭部9aの上死点位置が第1弁形成プレート39から遠ざかる。このため、この圧縮機では、斜板5の傾斜角度がゼロ度に近づくことで、第2圧縮室53b側では、冷媒ガスが吐出リード弁を僅かに開いて圧縮仕事を行うものの、第1圧縮室53aでは、冷媒ガスが図5に示す吐出リード弁392aを開くことができず、圧縮仕事を行わない。上記のように、この圧縮機では、第1吐出連通路12、第2吐出連通路14及び合流吐出室231を通じて、第1吐出室29aと第2吐出室29bとが連通している。このため、第1吐出室29aと第2吐出室29bとの間で冷媒ガスが流通する。これにより、第1圧縮室53aで圧縮仕事が行われない場合であっても、第2吐出室29bに吐出された冷媒ガスが第1吐出室29aへ流通する。
一方、制御機構15において、制御弁24aが抽気路22の開度を小さくすれば、制御圧室13c内から第2吸入室27b内へ導出される冷媒ガスの流量が減少する。この結果、第1吐出室29a内の冷媒ガスの圧力によって、制御圧室13c内の圧力が増大する。このため、可変差圧が大きくなる。これにより、アクチュエータ13では、斜板5に作用するピストン圧縮力に抗して、移動体13aが図1に示す位置から斜板室33を回転軸心O方向で前方に向かって移動し、図2に示すように、第1凹部21c内に侵入する。
これにより、この圧縮機では、各連結アーム132を通じて、移動体13aは斜板5を回転軸心O方向で斜板室33の前方へ牽引する。このため、この圧縮機では、傾斜角度が小さくなる場合とは反対方向で斜板5が作用軸心M3周りに揺動する。また、傾斜角度が小さくなる場合とは反対方向でラグアーム49の前端側が第1揺動軸心M1周りで揺動するとともに、ラグアーム49の後端側が第2揺動軸心M2周りで揺動する。このため、ラグアーム49の後端側が第2支持部材43bの第2フランジ433から前方に遠ざかる。これらにより、斜板5は、作用軸心M3及び第1揺動軸心M1をそれぞれ作用点及び支点として、傾斜角度が小さくなる場合と反対方向に揺動する。このため、駆動軸3の回転軸心Oに直交する方向に対する斜板5の傾斜角度が増大し、各ピストン9のストロークが増大する。このため、この圧縮機では、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が増大する。
図7に比較例の圧縮機を示す。詳細な図示を省略するものの、比較例の圧縮機は実施例1の圧縮機とほぼ同様に構成されている。ここで、比較例の圧縮機では、実施例1の圧縮機における第1、2連通室18a、18b、壁部17c及び絞り通路20に換えて、ハウジング(図示略)に圧力調整室100、給気路101、抽気路102、制御弁103が設けられている。また、実施例1の圧縮機における制御路55に換えて、駆動軸(図示略)に制御路104が形成されている。比較例の圧縮機では、制御圧室13cと圧力調整室100とが制御路104によって連通している。また、圧力調整室100と第2吐出室29bとが給気路101によって連通している。さらに、圧力調整室100は抽気路102によって第2吸入室27bとも連通している。制御弁103は、第2吸入室27bの圧力により自己の開度を変更することにより、給気路101の開度を変更可能となっている。また、抽気路102には、オリフィス105が設けられている。比較例の圧縮機では、制御路104、給気路101、抽気路102、制御弁103及びオリフィス105によって制御機構150が構成されている。
比較例の圧縮機では、制御機構150は、圧力調整室100内の圧力を制御することによって、制御圧室13c内の圧力を制御する。具体的には、制御機構150において、制御弁103が自己の開度を小さくして給気路101の開度を小さくすれば、圧力調整室100内の圧力が減少する。このため、制御路104を通じて制御圧室13c内の圧力が減少することで、実施例1の圧縮機と同様に吐出容量が減少する。また、制御機構150において、制御弁103が自己の開度を大きくして給気路101の開度を大きくすれば、圧力調整室100内の圧力が増大するため、制御圧室13c内の圧力も増大する。このため、実施例1の圧縮機と同様に吐出容量が増大する。このように、比較例の圧縮機では、吐出容量を増減するに当たって、圧力調整室100内の圧力を調整する必要がある。このため、比較例の圧縮機では、制御弁103が開度を変更した際、吐出容量が増減されるまでに遅れが生じ易い。
これに対し、図1及び図2に示すように、実施例1の圧縮機では、作動時に第1通路59a及び給気経路61aを通じて、第1吐出室29a内の冷媒ガスが制御圧室13c内へ直接導入される。上記のように、この圧縮機では、第1、2吐出連通路12、14及び合流吐出室231を通じて第1吐出室29aと第2吐出室29bとが連通しているため、第2圧縮室53bで圧縮されて第2吐出室29bに吐出された冷媒ガスは、第1吐出室29aへ流通可能となっている。このため、実施例1の圧縮機では、たとえ第1圧縮室53aにおいて圧縮仕事が行われない場合であっても、第1吐出室29a内の冷媒ガスを制御圧室13c内へ導入することが可能となっている。そして、抽気経路61b及び第2通路59bを通じて制御圧室13c内の冷媒ガスが第2吸入室27b内へ直接導出される。これにより、実施例1の圧縮機では、比較例の圧縮機のように、制御圧室13cが圧力調整室100を介して第2吸入室27b及び第2吐出室29bと連通する場合と比較して、制御圧室13c内の圧力を素早く調整することができる。ここで、実施例1の圧縮機では、第1連通路18aを経由して第1吐出室29a内の冷媒ガスが制御圧室13c内へ導入され、制御圧室13c内の冷媒ガスは、第2連通路18bを経由して第2吸入室27b内へ導出される。しかし、第1、2連通路18a、18bは、上記の圧力調整室100のような制御圧室13c内の圧力の調整を行わない。
このため、実施例1の圧縮機では、必要に応じて移動体13aが斜板5の傾斜角度を素早く変更できるため、素早く吐出容量を増減することができる。また、この圧縮機では、制御路55に隔壁部材57が設けられているため、給気経路61aと抽気経路61bとが隔てられている。これにより、この圧縮機では、第1軸路55aを流通する冷媒ガスが第1径路55c及び制御圧室13cを経由せずに、直接第2軸路55bへ流通することが防止される。このため、この圧縮機では、制御圧室13c内の圧力を好適に調整することが可能となっている。
したがって、実施例1の圧縮機は高い制御性を発揮する。
また、この圧縮機では、制御圧室13c内の圧力を調整するに当たって、制御弁24aによって抽気路22の開度を大きくすることにより、制御圧室13c内の圧力を素早く低下させることが可能となっている。また、この圧縮機では、第1吐出室29a内から制御圧室13c内へ導入する冷媒ガスの流量は、絞り通路20によって調整される。このため、制御圧室13b内から第2吸入室27b内へ導出される冷媒ガスの流量のみを制御弁24aで調整すれば足りる。このため、この圧縮機では、リヤハウジング19に制御弁24aを1つ設ければ良く、製造コストを低廉化することが可能となっている。
(実施例2)
図8及び図9に示すように、実施例2の圧縮機では、制御機構15に換えて制御機構16を備えている。また、図10に示すように、この圧縮機では、フロントハウジング17に対して、第1軸孔17b、第1連通室18a、壁部17c及び絞り通路20が形成されていない。これにより、この圧縮機では、第1吸入室27aがフロントハウジング17の中心側に配置されている。
また、図8に示すように、この圧縮機では、リヤハウジング19に対して、抽気路22及び制御弁24aに換えて給気路26及び制御弁24bが設けられている。給気路26は、第1給気路26aと第2給気路26bとで構成されている。第1給気路26aは、第2吐出室29bと制御弁24bとに接続している。第2給気路26bは、制御弁24bと第2連通室18bとに接続している。また、リヤハウジング19には、第2吸入室27bと制御弁24bとを接続する接続路28が形成されている。制御弁24bは、第2吸入室27b内の冷媒ガスの圧力に基づいて自己の開度を変更することにより、給気路26の開度を調整することが可能となっている。
この圧縮機では、駆動軸3は、ハウジング1内において、軸封装置25、第1吸入室27a、第2連通室18b、第2、3軸孔21b、23b、第1、2弁形成プレート39、41、斜板室33及び第1、2スラスト軸受35a、35bに挿通されている。これにより、図10に示すように、第1支持部材43aは、軸封装置25、第1吸入室27a、第1弁形成プレート39及び第1スラスト軸受35aに挿通されつつ、第2軸孔21bに支持されている。また、実施例1の圧縮機と異なり、この圧縮機では、第1支持部材43aに第1、2環状溝431、432及び第1、2封止部材44a、44bが設けられていない。
さらに、駆動軸3には、第3径路55eに換えて、第4径路55f及び絞り通路32が形成されている。第4径路55f及び絞り通路32は、駆動軸3の前端側に形成されている。第4径路55fは、第1支持部43aの径方向に延びており、第1支持部43aの外周面に開口している。絞り通路32は、第1軸路55a及び第4径路55fよりも小径に形成されている。絞り通路32は、第4径路55fと同軸で駆動軸本体30の径方向に延びて、第1軸路55aの前端側と第4径路55fとに接続している。絞り通路32も本発明における絞りの一例である。第4径路55f及び絞り通路32は、上記のように駆動軸3がハウジング1に支承されることにより、第1吸入室27a内に位置する。
図8に示すように、この圧縮機では、第4径路55f及び絞り通路32によって、第1軸路55a及び第1径路55cが第1吸入室27aと連通している。また、第2連通室18b、給気路26及び制御弁24bによって、第2軸路55b及び第2径路55cが第2吐出室29bと連通している。つまり、この圧縮機では、第4径路55f及び絞り通路32によって、制御路55を第1吸入室27aに連通させる第1通路60aが構成されている。また、第2連通室18b、給気路26及び制御弁24bによって、制御路55を第2吐出室29aに連通させる第2通路60bが構成されている。
そして、この圧縮機では、制御路55のうち、第2軸路55b及び第2径路55dによって、第2吐出室29b内の冷媒ガスが制御圧室13c内へ至る給気経路63aが構成されている。また、制御路55のうち、第1軸路55a及び第1径路55cによって、制御圧室13c内の冷媒ガスが第1吸入室27a内へ至る抽気経路63bが構成されている。実施例1の圧縮機と同様、これらの給気経路63aと抽気経路63bとについても、隔壁部材57によって隔てられている。
図9に示すように、制御機構16は、制御路55と、第1通路60aと、第2通路60bとを有している。制御機構16は、第2通路60b及び制御路55を流通させて、第2吐出室29b内の冷媒ガスを制御圧室13c内に導入するとともに、制御路55及び第1通路60aを流通させて、制御圧室13c内の冷媒ガスを第1吸入室27a内へ導出する。この際、制御弁24bは第2通路60bの開度を変更し、絞り通路32は第1通路60aの開度を絞る。こうして、制御機構16は、制御圧室13c内の圧力を制御する。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
この圧縮機では、制御機構16は、第2通路60b及び給気経路63a、すなわち、給気路26、第2連通室18b、第2軸路55b及び第2径路55dを流通させて、第2吐出室29b内の冷媒ガスが制御圧室13c内に導入する。そして、抽気経路63b及び第1通路60a、すなわち、第1径路55c、第1軸路55a、絞り通路32及び第4径路55fを流通させて、制御圧室13c内の冷媒ガスを第1吸入室27a内へ導出する。この際、絞り通路32によって、制御圧室13c内から第1吸入室27a内へ導出される冷媒ガスの流量が調整される。
ここで、制御機構16において、制御弁24bが第2吸入室27b内の冷媒ガスの圧力に基づいて給気路26の開度を小さくすれば、第2吐出室29b内から制御圧室13c内へ導入される冷媒ガスの流量が減少する。この結果、制御圧室13c内の圧力が減少し、可変差圧が小さくなる。このため、実施例1の圧縮機と同様、移動体13aが斜板室33の後方に向かって移動し、斜板5の傾斜角度が減少して、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が減少する。
一方、制御機構16において、制御弁24bが給気路26の開度を大きくすれば、第2吐出室29b内から制御圧室13c内へ導入される冷媒ガスの流量が増大する。この結果、第2吐出室29b内の冷媒ガスの圧力によって、制御圧室13c内の圧力が増大し、可変差圧が大きくなる。これにより、移動体13aが斜板室33の前方に向かって移動し、斜板5の傾斜角度が増大して、駆動軸3の1回転当たりの吐出容量が増大する。
このように、この圧縮機では、作動時に第2通路60b及び給気経路63aを通じて、第2吐出室29b内の冷媒ガスが制御圧室13c内へ直接導入される。また、抽気経路63b及び第1通路60aを通じて制御圧室13c内の冷媒ガスが第1吸入室27a内へ直接導出される。このため、実施例1の圧縮機と同様、この圧縮機でも、必要に応じて移動体13aが斜板5の傾斜角度を素早く変更できるため、素早く吐出容量を増減することができる。また、この圧縮機でも、隔壁部材57によって、給気経路63aと抽気経路63bとが隔てられているため、第2軸路55bを流通する冷媒ガスが第2径路55d及び制御圧室13cを経由せずに、直接第1軸路55aへ流通することが防止される。このため、この圧縮機でも、制御圧室13c内の圧力を好適に調整することが可能となっている。
また、この圧縮機では、制御圧室13c内の圧力を調整するに当たって、制御弁24bによって給気路26の開度を大きくすることにより、制御圧室13c内の圧力を素早く増大させることが可能となっている。そして、制御圧室13c内から第1吸入室27a内へ導出される冷媒ガスの流量は、絞り通路32によって調整されるため、この圧縮機でもリヤハウジング19に制御弁24bを1つ設ければ足りる。このため、この圧縮機でも製造コストを低廉化することが可能となっている。
さらに、この圧縮機では、第1吸入室27a内に駆動軸3が挿通されており、第1吸入室27a内において、第1軸路55aは第4径路55f及び絞り通路32を通じて第1吸入室27aと連通している。このため、この圧縮機では、実施例1の圧縮機と異なり、フロントハウジング17aに第1連通室18a、壁部17c及び絞り通路20を設ける必要がないとともに、第1支持部材43aに第1、2封止部材44a、44bを設ける必要がない。また、駆動軸本体30に絞り通路32を形成することにより、第1通路60aの開度を絞るための絞り通路32を容易に設けることが可能となっている。このため、この圧縮機では、製造を容易化することができ、この点においても製造コストを低廉化することが可能となっている。この圧縮機における他の作用は実施例1の圧縮機と同様である。
以上において、本発明を実施例1、2に即して説明したが、本発明は上記実施例1、2に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1、2の圧縮機において、第1シリンダブロック21や第2シリンダブロック23に制御弁24aや制御弁24bを配置しても良い。
また、実施例1、2の圧縮機において、斜板室33内において、アクチュエータ13を斜板5よりも後方に配置し、リンク機構7を斜板5よりも前方に配置する構成としても良い。
さらに、実施例1の圧縮機において、制御弁24aをフロントハウジング17に配置するとともに、絞り通路20を抽気路22に設ける構成としても良い。
また、実施例1の圧縮機において、絞り通路20に換えて、第1吐出室29a内から制御圧室13c内へ導入される冷媒ガスの流量を制御弁24aとは別の制御弁によって調整しても良い。
さらに、実施例2の圧縮機において、制御弁24bをフロントハウジング17に配置するとともに、絞り通路32を給気路26に設ける構成としても良い。
また、実施例2の圧縮機において、絞り通路32に換えて、制御圧室13c内から第1吸入室27a内へ導出される冷媒ガスの流量を制御弁24bとは別の制御弁によって調整しても良い。
さらに、実施例1の圧縮機では、第2吸入室27b内の圧力に基づいて、抽気路22、すなわち、第2通路59bの開度を変更する制御弁24aを採用している。しかし、これに限らず、流量制御弁を採用して抽気路22の開度を変更しても良い。この場合、冷凍回路の吐出領域内に第1圧力監視点が設定されるとともに、冷凍回路の吐出領域内において、第1圧力監視点よりも冷媒ガスの流通方向の下流であって、第1圧力監視点よりも低圧となる箇所に第2圧力監視点が設定される。これにより、流量制御弁は、第1圧力監視点と第2圧力監視点との差圧に基づき、抽気路22の開度を変更することが可能となる。実施例2の圧縮機についても同様に、流量制御弁によって給気路26の開度を変更しても良い。
本発明は空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
3…駆動軸
5…斜板
7…リンク機構
9…ピストン
9a…第1頭部
9b…第2頭部
13a…移動体
13b…区画体
13c…制御圧室
15、16…制御機構
20…絞り通路(絞り)
21a…第1シリンダボア
23a…第2シリンダボア
24a、24b…制御弁
27a…第1吸入室
27b…第2吸入室
29a…第1吐出室
29b…第2吐出室
32…絞り通路(絞り)
55…制御路
57…隔壁部材(隔壁)
59a、60a…第1通路
59b、60b…第2通路
61a、63a…給気経路
61b、63b…抽気経路

Claims (4)

  1. 吸入室、吐出室、斜板室及び複数のシリンダボアが形成されたハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支承された駆動軸と、
    前記斜板室内に配置されて前記駆動軸とともに回転される斜板と、
    前記駆動軸の回転軸心に直交する方向に対する前記斜板の傾斜角度の変更を許容するリンク機構と、
    前記各シリンダボアに収納され、前記斜板の回転によって前記傾斜角度に応じたストロークで往復動して前記各シリンダボア内に圧縮室を形成するピストンと、
    前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能に設けられた区画体と、
    前記斜板室内で前記駆動軸と一体回転可能であり、かつ前記区画体に対して前記回転軸心方向に移動して前記傾斜角度を変更する移動体と、
    前記区画体と前記移動体とにより区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、
    前記制御圧室内の圧力を制御する制御機構とを備え、
    前記吸入室は、前記斜板の一面側に位置する第1吸入室と、前記斜板の他面側に位置する第2吸入室とからなり、
    前記吐出室は、前記斜板の前記一面側に位置する第1吐出室と、前記斜板の前記他面側に位置する第2吐出室とからなり、
    前記各シリンダボアは、前記斜板の前記一面側に設けられ、前記第1吸入室及び前記第1吐出室と連通する第1シリンダボアと、前記斜板の前記他面側に設けられ、前記第2吸入室及び前記第2吐出室と連通する第2シリンダボアとからなり、
    前記各ピストンは、前記第1シリンダボア内を往復動して、前記第1シリンダボア内に第1圧縮室を区画する第1頭部と、前記第2シリンダボア内を往復動して、前記第2シリンダボア内に第2圧縮室を区画する第2頭部とを有し、
    前記制御機構は、前記駆動軸の内部に形成され、前記制御圧室に連通する制御路と、
    前記ハウジング及び前記駆動軸の少なくとも一方に形成され、前記制御路を前記第1吐出室又は前記第1吸入室に連通させる第1通路と、
    前記ハウジング及び前記駆動軸の少なくとも一方に形成され、前記第1通路が前記第1吐出室に連通すれば前記制御路を前記第2吸入室に連通させ、前記第1通路が前記第1吸入室に連通すれば前記制御路を前記第2吐出室に連通させる第2通路と、
    前記第1通路及び前記第2通路のうちの一方側の通路に設けられ、前記一方側の通路の開度を変更可能な制御弁と、
    前記第1通路及び前記第2通路のうちの他方側の通路に設けられ、前記他方側の通路の開度を絞る絞り又は前記他方側の通路の開度を変更可能な前記制御弁とを有していることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記第1通路は、前記制御路を前記第1吐出室に連通させ、
    前記第2通路は、前記制御路を前記第2吸入室に連通させ、
    前記制御弁は、前記第2通路に設けられ、
    前記第1通路には、前記絞りが設けられ、
    前記制御路には、前記第1吐出室の冷媒が前記制御圧室へ至る給気経路と、前記制御圧室の前記冷媒が前記第2吸入室へ至る抽気経路と、前記給気経路と前記抽気経路とを隔てる隔壁とが形成されている請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記第1通路は、前記制御路を前記第1吸入室に連通させ、
    前記第2通路は、前記制御路を前記第2吐出室に連通させ、
    前記制御弁は、前記第2通路に設けられ、
    前記第1通路には、前記絞りが設けられ、
    前記制御路には、前記第2吐出室の冷媒が前記制御圧室へ至る給気経路と、前記制御圧室の前記冷媒が前記第1吸入室へ至る抽気経路と、前記給気経路と前記抽気経路とを隔てる隔壁とが形成されている請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 前記第1吐出室は前記第1吸入室の外周に配置され、
    前記駆動軸は前記第1吸入室内に挿通され、
    前記絞りは、前記駆動軸に設けられている請求項3記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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