JP2018066046A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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宏児 大菅
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Abstract

【課題】焼結原料用の造粒物において、転炉スラグと微粉原料を付着層内に配置した造粒物を用いて焼結鉱を製造する方法の提供。
【解決手段】粒径最大長1.0mm超の核粒子2外周囲に母材と転炉スラグの付着層3が形成され母材4が鉄鉱石、スケール、ダスト、石灰石、消石灰、硅石、ドロマイト、粉コークス1種類以上含み粒径最大長500μm以下の粒子を有する造粒物を用い焼結鉱を製造する方法において、付着層3全体最大厚1.0〜3.5mm、[CaO/Fe2O3]0.15〜0.49、転炉スラグ5粒径最大長1.0mm以下、転炉スラグ5全体に対し粒径0.5mm以上の割合が50wt%以上、付着層3全体の転炉スラグ5の体積率が0超40vol%以下、付着層3内に転炉スラグ5を有する造粒物Aを造粒し、焼結鉱を製造する際造粒物Aと造粒物Bの合計に対し0超70wt%以下割合で造粒物Aを混合する方法。
【選択図】図14

Description

本発明は、溶融同化性の低い転炉スラグを含有する焼結原料用の造粒物を用いて、焼結鉱を製造する技術に関する。
焼結とは、カルシウムフェライト系の融液源となる石灰石をバインダ(糊)とし、粉コークスを燃焼させたときの燃焼熱で、粉鉱石同士を融液によるスラグ結合で塊成化して、焼結鉱を製造するプロセスである。
ところで近年では、焼結工場に対しては、製鉄所内の各プロセスで生じる発生品(副産物)を、有価な鉄源としてリサイクルする役割が期待されている。焼結工場でリサイクルされる対象となる発生品の一つとしては、例えば、路盤材などの原料として商品化されている製鋼スラグなどが挙げられる。
このような製鋼工程で発生する製鋼スラグ(例えば、脱珪スラグ、脱硫スラグ、脱燐スラグ、転炉スラグなど)には、精錬特性を発現させるため、CaO、MgOなどが多く含まれている。これらCaO、MgOなどは、焼結成品の強度や被還元性を発揮させるのに必要な要素であり、通常は焼結原料として石灰石やドロマイト等の鉱物により、添加されている。
そのため、製鋼スラグのなかでも、比較的P、Sの不純物が少ない、すなわちP、Sの濃度が低い転炉スラグを、焼結原料としてリサイクル処理をすることで、副原料使用量の削減、及び、スラグ処理費用削減など、製造コストに対して多くのメリットが得られる。
転炉スラグを使用した焼結原料用の造粒物を用いて、焼結鉱を製造する技術としては、例えば、特許文献1〜4に開示されているものがある。
特許文献1は、製鋼スラグ中のCaOを最大限、同化反応に活用し、焼結歩留まりの向上を図ることを目的としている。
具体的には、同文献は、まず転炉スラグを粒径が1〜3mmの分級点で、粗粒と細粒に分ける。細粒とされた転炉スラグは遊離CaOが多いため、生石灰の代替材として使用する。その細粒転炉スラグと、その他配合原料と混合・造粒して、造粒物Aを製造する。また、粗粒とされた転炉スラグは核として使用する。その粗粒転炉スラグの外周囲に、石灰石と鉄鉱石の微粉からなる付着層を形成して、造粒物Bを製造する。これら造粒物AとBを混合し、焼結機のパレット上に供給して焼結鉱を製造する。
特許文献2は、脱硫スラグに含まれる遊離CaO、及び、金属鉄を有効に活用し、製鉄プロセスで再利用することを目的としている。
具体的には、同文献は、脱硫スラグを粒径が0.5mmから1.5mmの範囲内の分級点で篩分けし、篩上に残留した脱硫スラグを粉砕して分級点以下の粒度に調整し、その調整した脱硫スラグと、篩下の脱硫スラグを混合して破砕スラグとし、その破砕スラグを焼結原料として使用して、焼結鉱を製造する。
特許文献3は、転炉スラグを用いて低シリカ塊成鉱を製造するにあたり、投機困難となった転炉スラグを、塊成鉱製造プロセスに積極的に利用することを目的としている。
具体的には、同文献は、転炉スラグを粒度が-3mm(3mmアンダー)となるように粉砕して、平均粒径が0.4〜0.6mmとなるように粒度調整し、塩基度CaO/SiO2を1.80〜2.20に維持するように、転炉スラグを石灰石または生石灰の代替として、フラックスとして使用して、塊成鉱を製造する。
特許文献4は、転炉スラグを塊成鉱製造プロセスにおいて、ゲーサイト鉱石を多量に使用することを目的としている。
具体的には、同文献は、塊成鉱製造の事前処理において、粒度が10mm以下のゲーサイト粉鉱石に、予め粒度が-1mm(1mmアンダー)となるように粉砕し、粒度が-0.125mm(0.125mmアンダー)が30%以上になるように粒度調整した転炉スラグを添加・混合して、疑似粒子化させることで、ゲーサイト鉱石表面に転炉スラグを被覆する。
特開2015−183289号公報 特開2015−120963号公報 特開平5−51653号公報 特開平5−43953号公報
さて、焼結原料用の造粒物(疑似粒子)は、核粒子と、核粒子の外周囲に形成される付着層を有している。なお、ここでの付着層とは、リサイクルされた転炉スラグと、例えば、微粉鉱石や石灰石、製鉄所内で発生するダストなどで構成される母材を合わせた全体を指す。
転炉スラグは、含有する高融点のMgOや、微量の成分の影響により、高温になるまで溶融同化しにくい特性を有している。
ここで、図1に示すように、転炉スラグと石灰石と比較すると、石灰石が1250℃で溶融同化が完了するのに対し、転炉スラグは1300〜1350℃で溶融同化が完了する。このことより、転炉スラグは、焼結結合強度を高めるためのバインダ(糊)としての役割が弱いことが分かる。
そのため、転炉スラグは、焼結成品(焼結原料用の造粒物)へ溶融同化しにくく、焼結成品への転炉スラグ歩留は低くなる。
また、溶融同化性の悪い高粘性(低流動性)の融液は、焼結充填層の通気を阻害し、生産性低下の弊害が生じることが知られている。
ところで、特許文献1の造粒物は、同文献の図5に示すように、粒径が1〜3mm、特に好ましくは3mm以上の粗粒転炉スラグを核と規定し、この核粒子の周囲に石灰石と鉄鉱石の微粉を付着させた層構成としている。
しかしながら、特許文献1には、造粒物の付着層に、粒径が1mm以下の中粒転炉スラグを配置した疑似粒子構造の規定に関する記載がされておらず、中粒転炉スラグを対象とした技術ではない。また、焼結原料用の造粒物A,Bともに、転炉スラグを含有しているが、転炉スラグを片寄せ(どちらか一方を多く)した造粒物の混合比についての記載はされていない。さらに、転炉スラグを片寄せした造粒物側への熱源の片寄せに関する記載もされていない。
特許文献2、3においては、造粒後の疑似粒子に形成されている付着層の厚みに関する記載がされていないため、付着層における中粒転炉スラグの配置状況が不明である。また、付着層の組成に関しての明確な記載がないため、付着層中の融液生成による転炉スラグを取り込む効果が不明である。また、焼結原料用の造粒物を、例えば造粒物A、造粒物Bに分けて製造されていないし、焼結原料用の造粒物の混合比や熱源の片寄せに関する記載もされていない。
特許文献4においては、転炉スラグ以外の付着層原料の粒度構成、及び、付着層の厚みなどの記載がされていないため、付着層における中粒転炉スラグの配置状況が不明である。また、付着層中にFe2O3が存在しないため、付着層で融液を生成し、転炉スラグを融液中に取り込むことを目的としている本願発明とは技術が異なる。また、焼結原料用の造粒物を、例えば造粒物A、造粒物Bに分けて製造されていないし、焼結原料用の造粒物の混合比や熱源の片寄せに関する記載もされていない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、母材と転炉スラグからなる、焼結原料用の造粒物の付着層において、転炉スラグと微粉原料を併用して、その付着層内に配置することで、溶融同化性の低い転炉スラグを、その外周囲に存在する母材から生成する融液で結合させて、その融液中に取り込んで、焼結成品への歩留を高めた焼結原料用の造粒物を使用して、焼結鉱を製造する方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる焼結鉱の製造方法は、粒径の最大長さが1.0mmを超える核粒子を有し、前記核粒子の外周囲には、母材と転炉スラグからなる付着層が形成されていて、前記母材が、鉄鉱石、スケール、製鉄所内で発生するダスト、石灰石及び/又は消石灰、硅石、ドロマイト、粉コークスのうち、少なくとも1種類以上含み、且つ粒径の最大長さが500μm以下の粒子で構成されている焼結原料用の造粒物を用いて、焼結鉱を製造する方法において、前記付着層全体の最大厚みは、1.0mm以上3.5mm以下とされており、前記母材の平均成分におけるFe2O3とCaOとの重量比である[CaO(wt%)/Fe2O3(wt%)]が、0.15以上0.49以下とされており、前記転炉スラグは、粒径の最大長さが1.0mm以下であり、且つ、当該転炉スラグ全体に対して、粒径が0.5mm以上の割合が50wt%以上とされており、前記付着層全体における前記転炉スラグの体積率が、0より大きく40vol%以下となるように、前記付着層内に当該転炉スラグが配置されている焼結原料用の造粒物Aを造粒し、前記造粒物Aと、前記造粒物Aとは異なる焼結原料用の造粒物Bとを混合して、前記焼結鉱の製造する際に、前記造粒物Aの割合が、前記造粒物Aと前記造粒物Bとの合計に対して、0より大きく70wt%以下となるように混合することを特徴とする。
好ましくは、前記造粒物A側への有効発熱量の分配率が、50%以上となるように粉コークスを配合するとよい。
なお、造粒物A側への有効発熱量の分配率は、「造粒物A側への有効発熱量の分配率(%)=造粒物A側の有効発熱量(kJ/g)/{造粒物A側の有効発熱量(kJ/g)+造粒物B側の有効発熱量(kJ/g)}×100」で算出される。
本発明によれば、母材と転炉スラグからなる、焼結原料用の造粒物の付着層において、転炉スラグと微粉原料を併用して、その付着層内に配置することで、溶融同化性の低い転炉スラグを、その外周囲に存在する母材から生成する融液で結合させて、その融液中に取り込んで、焼結成品への歩留を高めた焼結原料用の造粒物を使用して、焼結鉱を製造することが可能となる。
石灰石と転炉スラグの溶融同化性を比較したものを模式的に示した図である。 焼結原料用の造粒物(疑似粒子)の断面を示した図である。 疑似粒子の付着層厚みの測定イメージを示した図である。 付着層の厚みによる疑似粒子の強度変化の概略を模式的に示した図である。 付着層の厚みと落下抵抗との関係を示した図である。 CaO-Fe2O3系状態を示した図である。 疑似粒子タブレットの概略を模式的に示した図である。 縦型電気炉の概略を模式的に示した図である。 電気炉焼成試験の温度履歴における焼結層内温度履歴を示した図である。 付着層を模擬したタブレット強度に及ぼすCaO/Fe2O3の影響を示した図である。 焼成時の通気性悪化メカニズムを模式的に示した図である。 転炉スラグ粒度の焼成速度に及ぼす影響を示した図である。 初期の融液生成温度での付着層の溶融同化状態を示した図である。 転炉スラグ/(母材+転炉スラグ)の体積比と、回転強度の関係を示した図である。 本発明に使用される造粒物Aの概略を模式的に示した図である。 2系統並列式の造粒設備を備える焼結工場の概略を模式的に示した図であり、その焼結工場におけるフローの例を示した図である。 造粒物Aの配合比ごとに分別した、焼結挙動へ及ぼす影響を模式的に示した図である。 焼結鍋試験での造粒物A,Bの処理フローの例を模式的に示した図である。 焼結鍋試験での造粒物A,Bの処理フローの例を模式的に示した図である。 造粒物Aの配合比における焼成速度への影響を示したグラフである。 造粒物Aの配合比における回転強度への影響を示したグラフである。 造粒物Aの配合比における生産性への影響を示したグラフである。 造粒物A,Bにおける有効発熱量分配率を模式的に示した図である。 粉コークス分配率における生産性への影響を示したグラフである。 粉コークス分配率における焼成速度への影響を示したグラフである。 落下抵抗測定装置の概略を模式的に示した図である。 回転強度測定装置の概略を模式的に示した図である。 角型焼結鍋試験装置の概略を模式的に示した図である。 丸型焼結鍋試験装置の概略を模式的に示した図である。 造粒物Aの組成に着目した実施例と比較例のヒストグラムである(表1,2)。 造粒物Aの混合比に着目した実施例と比較例のヒストグラムである(表3)。
以下、本発明にかかる焼結鉱の製造方法の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。従って、本発明の技術的範囲は、本実施形態に開示内容だけに限定されるものではない。
まず、焼結鉱の製造方法の概略について、述べる。
焼結鉱とは、主たる高炉原料で粉状の鉄鉱石に、石灰石などの溶剤を添加して、焼結機にて、焼き固めたものである。焼結機としては、例えば、ドワイトロイド式などの設備が挙げられる。
焼結機では、鉄鉱石を主とする焼結鉱の原料(焼結原料)をパレット台車上に充填し、下方よりシンタリングファンで大気を吸引して、原料中の粉コークスを連続的に燃焼させて、焼結鉱を製造している(例えば、鉄鋼便覧(製銑 製鋼) 2 焼結,P83)。
そのため、パレット台車上に充填された焼結原料の通気性は、パレット台車を通過する吸引大気量、すなわち酸素供給量に関係しており、粉コークスの燃焼速度、すなわち焼成速度(=生産性)に影響を及ぼす。
そこで焼結プロセスでは、一般的に焼結原料に水を添加し、造粒機(例、ドラムミキサ、パンペレタイザなど)にて疑似粒子にすることで、充填層内の空隙を閉塞させて、焼成時の通気性を悪化させる微粉鉱石を、核となる粗粒鉱石にまぶりつかせて、原料充填層(パレット台車上に充填された焼結原料)における通気性を確保している。
以下に、焼結原料用の造粒物(疑似粒子)について、図を参照しながら説明する。
なお以降においては、以下で規定する焼結原料用の造粒物を「造粒物A」とする。
図2Aは、造粒物Aの一例を示した断面図である。
疑似粒子1の断面の状態を顕微鏡で観察すると、粗粒原料である核粒子2の周囲(特に凹部)に微粉原料が付着し、1個の疑似粒子1を構成している(参考文献:鉄鋼便覧(製銑 製鋼) 2 焼結,P84)。
核粒子2は、粒径が1mm以上の粒子であり、その外周囲に1mm未満の粒子が付着していることが知られている(参考文献:肥田ら:鉄と鋼,68(82)2166)。
なお、ここでの粒径は、篩分け法による測定値であり、篩の目開き寸法で定義されるものである。
また、粒径(mm)は、参考文献、粉体工学便覧(粉体工学会編,日刊工業新聞社,初版(昭和61年2月28日),P.1)によれば、「粉体は、色々な大きさを持つ多くの粒子からなるが、この構成粒子群の平均的な大きさの概念を粒度と呼び、個々の粒子の大きさの代表寸法を粒子径と呼ぶ。実際の粒子は複雑な形状を有するために、球や直方体などの単純なものに還元した代表寸法が用いられる。」と記されている。
このことから、粒径は粒子径とも表し、粒子の大きさを指す代表寸法である。
また粒子径測定方法の一つとして、「篩い分け法」が挙げられる。篩い分け法とは、篩の見開きの分かった、大小網目の異なる2種の篩いによって粉体を分け、細かい方の篩い網の上に残留した粒子群を、大小2つの目開きの間の粒子径の大きさを有するものとする。
なおここで、篩い目の上に残留した粒子を、篩目寸法を超える粒子径と定義し、通過した粒子を、篩目寸法以下の粒子径と定義する。
例えば、目開き1mmの篩を通過する粒子は1mm以下の粒子径と分類され、通過できない粒子(篩上に残留する粒子)は1mmを超える粒子径と分類される。
したがって、工業的には、粒子径が1mmを超える粒径の粒子を核粒子と考えている。
また、核粒子2となる粒子は、一般的には粗粒の鉄鉱石であるが、返鉱(焼結鉱のうち、焼結成品と成らなかった篩下の微粉)、石灰石やドロマイト、硅石、粉コークスなど、粒子径が1mmを超えるものも、核粒子2として用いる。
以上より、本発明においては、粒子径の最大長さが1.0mmを超えるものを、核粒子2として用いている。
なお、焼結プロセスで使用される焼結原料は、最大でも粒子径が10mm〜20mmの分級点で分けられた篩下の微粉を使用するため、核粒子2の粒子径の最大長さは、大きくとも20mm以下である。
ところで、焼結原料には、鉄鉱石、副原料のみならず、製鉄所内で発生する微粉ダスト類も使用されている。
このような焼結用原料として使用される、製鉄所内で発生するダストには、以下に示すものが存在する。
ダストとしては、例えば、高炉排ガスの乾式・湿式集塵機の集塵ダスト、焼結工場内の篩で発生する返鉱、製鉄所内に配備されている集塵機又はシックナーで回収された集塵ダスト、ペレット工場に配備されているロータリーキルンから排出され脱落したキルンリング、高炉装入前に行われる篩にて発生する篩下、ヤードでの搬送中に落鉱、落骸したものを回収した雑鉱などが挙げられる。
それ故、本発明においては、母材4と転炉スラグ5からなる付着層3を核粒子2の外周囲に形成し、その付着層3を構成する母材4に、鉄鉱石、スケール、製鉄所内で発生するダスト、石灰石及び/又は消石灰、硅石、ドロマイト、粉コークスのうち、少なくとも1種類以上用いることとしている。言い換えれば、母材4は、鉄鉱石、スケール、ダスト、石灰石、消石灰、硅石、ドロマイト、粉コークスを1種類以上含むものである。
さて、先述したように、核粒子2は、粒子径が1mm以上の粒子であり、その外周囲に1mm未満の粒子が付着していることが知られている(参考文献:肥田ら:鉄と鋼,68(82)2166)。
さらに、付着粉(母材4)となりうる粒子径を有する粒子の中でも、特に粒子径が500μm以下の粒子が、核粒子2への付着率が良いとされている(参考文献:鉄鋼便覧P85,図2-6)。
ここでの付着層3を構成する母材4としては、後述する中粒の転炉スラグ5を疑似粒子内に取り込むバインダ(糊)の役割をさせるために、本発明においては、より付着粉として寄与し易い、粒子径が500μm以下の粒子を対象としている。
なお、ここでの母材4の粒子径は、篩分け法による測定値であり、篩の目開き寸法で定義されるものである。例えば、目開き0.5mmの篩を通過する粒子は粒子径が0.5mm以下と分類され、通過できない粒子は粒子径が0.5mmを超える粒径と分類される。
したがって、本発明においては、粒子径の最大長さが500μm(0.5mm)以下の粒子を、付着層3を構成する母材4(付着粉)として用いることとしている。なおここでの付着層3とは、転炉スラグ5と母材4を合わせた全体のことを指す。
疑似粒子1は、転動造粒されることにより、核粒子2の周りに付着粉(母材4)が積層されるように付着して、付着層3が成長するように形成されてゆくため、最表面層は球形に近くなる(例、雪だるま式)。
図2Bは、球形の疑似粒子1における付着層3の厚みの測定方法を示す断面図である。
以下に、疑似粒子における付着層3の厚みの測定方法を示す。
1)造粒した疑似粒子1を任意に選び中央部を切断した断面写真を撮影する。
2)付着層3の外表面は、断面写真においておよそ円形であるので、円周上のある点から法線方向に伸ばした直線が核粒子2に接するまでの距離Xi(i=1・・・n)を付着層3の厚みと定義する。
3)付着層3の最大厚み(mm)は、10箇所以上測定した距離Xiのうち、最大値の最大厚みと定義する。
なお、核粒子2は、図2Bに示すように、必ずしも疑似粒子1の中央部に存在するわけでなく、形状も略球形とは限らず、歪んでいることもあるため、付着層3の厚みは一つの疑似粒子1の中でも、場所によって異なる。
ところで、転炉スラグ5の粒子は、原料充填層(パレット台車上に充填された焼結原料)内に単独で存在すると、バインダ(糊)としての同化性が乏しく焼結成品に歩留にくい。そのため、転炉スラグ5を付着層3内に配置して、付着層3中の母材4により生成される融液で、その転炉スラグ5を成品(疑似粒子1)に取り込む必要がある。
図3中のAに示すように、搬送過程の衝撃などで、付着層3の表面から転炉スラグ5が突出すると、その突出した脆弱部から崩壊し始め、焼成時に転炉スラグ5を付着層3内に保持することができない。そのため、転炉スラグ5を付着層3の表面から突出させることなく疑似粒子1内に配置しなければならない。
一方、図3中のCに示すように、疑似粒子1の付着層3は、厚みが大きいほど粗大な転炉スラグ5を取り込むことが可能であるが、付着層3の強度は弱いため、厚みが大きくなり過ぎると搬送過程の衝撃で剥離してしまうこととなる。
すなわち、図3中のBに示すように、転炉スラグ5を内部で保持し、且つ成品(疑似粒子1)へ歩留らせるためには、付着層3の厚みを適正な範囲とする必要があることが分かった。
そこで、付着層3の厚みの強度を調査するため、落下抵抗測定装置12(図24参照)を用いて、疑似粒子1の落下抵抗を行った。
図4は、疑似粒子1の落下抵抗試験の測定結果を示した図である。
以下に、疑似粒子1の落下抵抗試験の方法を示す。
1)1mm〜2mmの核粒子2(鉄鉱石)を篩で選別する。
2)タイヤ型の造粒機に、核粒子2と粒子径が500μm以下の付着層3の原料を装入して、疑似粒子1を造粒する。
3)疑似粒子1を粒子径ごとに篩分けて、核粒子2の平均粒子径との差から所定の付着層3厚みの粒子を選択する。
4)各付着層3の厚みごとに、12個の疑似粒子1を選択し、50cmの高さから鉄板上に落下させて割れるまでの回数を数える(割れた時の落下も回数に含む)。
5)疑似粒子1、12個の測定結果のうち、最大値及び最小値を除いた10個の測定結果の平均値を、落下抵抗の代表値として採用する。
なお、転炉スラグ5は、粒子径の最大長さが1.0mm以下で且つ、粒子径が0.5mm以上の割合が、転炉スラグ5全体に対して、50%とされているものを使用した(詳細は後述)。
ところで、付着層3の厚みが増すと、疑似粒子1の自重が増加して落下時の衝撃が増し、さらに核粒子2の骨材効果が弱くなる。
図4中のCを参照すると、付着層3の厚みが3.5mm以上となると、それを境に落下抵抗の回数が減少していることが確認できる。すなわち、付着層3の厚みが3.5mm以上となると、疑似粒子の強度が著しく低下することとなる。
一方で、図4中のAに示すように、付着層3の厚みが1.0mmより薄くなると、それを境に落下抵抗の回数が減少していることが確認できる。すなわち、搬送過程の衝撃などで、付着層3の表面から転炉スラグ5が突出すると、その突出した脆弱部が崩壊の起点となり、疑似粒子1の強度が低下することとなる。
以上より、疑似粒子1の付着層3は部分的に薄くても良いが、転炉スラグ5が存在する部位においては、中粒の転炉スラグ5の粒子が付着層3(疑似粒子1)の表面から突出することが無いように、十分な厚みとしておくことが必要である。
したがって、本発明においては、図4中のBに示すように、付着層3全体の最大厚みは、1.0mm以上3.5mm以下としている。
さて、焼結鉱では、主として低融点のカルシウムフェライト融液を介したスラグ結合によって、鉄鉱石同士の結合強度が保たれている。カルシウムフェライトは、鉄鉱石中のFe2O3と、石灰石などを由来とするCaOから生成される。
一方で、転炉スラグ5は溶融同化性に劣るため、石灰石と比較すると、バインダ(糊)となる融液発生源としてのCaOの役割を期待しにくい。
そのため、転炉スラグ5を除いた、付着層3中の母材4の低融点部位から発生した融液により、その付着層3中の転炉スラグ5を包み込んで、同化を進める必要がある。このとき、母材4の融液発生量は、付着層3中のCaO濃度が支配的であるため、CaO[wt%]/Fe2O3[wt%]で制御することができる。
なお、「CaO[wt%]/Fe2O3[wt%]」は、転炉スラグ5由来の粒子を除く、付着層3中における母材4の平均CaOとFe2O3との重量比である。
焼結鉱の焼成は、一般にカルシウムフェライト系の融液の生成が開始する1200℃以上で行われている。
しかし、焼成温度が高くなり過ぎると、付着層3だけでなく、核粒子2を含む原料充填層全体が溶融して岩盤上に凝固して、ガスの流れを阻害してしまう。そのため、焼成の温度は、最高温度が1400℃以下となるように調整されている。
また、図5のCaO-Fe2O3状態図に示すように、液相領域(図中のグレー色で囲んだ領域)は、母材4中のCaOの量により、大きく変化する。
そのため、付着層3中の母材4の組成に関しては、焼結焼成温度である1200℃〜1400℃(図5中の破線で囲んだ領域)と液相領域とが合わさる箇所が、母材4が完全に融液となりうる範囲である。
したがって、本発明においては、付着層3中の母材4より生成される融液により、反応し難い転炉スラグ5を包み込んで同化を促進させるため、母材4の平均成分におけるFe2O3とCaOとの重量比である[CaO(wt%)/Fe2O3(wt%)]を、0.15以上0.49以下としている。これにより、母材4は低温の1200℃から液相領域になる。
なお、焼結層内の焼成温度は必ずしも均一ではないため、好ましくは[CaO/Fe2O3]を低温の1200℃でも融液生成量の多い、0.25以上0.32以下とするとよい。
このとき、焼結プロセスでは、造粒物A(擬似粒子)の強度を向上させるために、造粒時に生石灰CaOを使用することがあるが、母材4の成分を計算するにあたっては、造粒水添加により完全に水和して消石灰Ca(OH)2に変化しているものとして考慮している。
また、焼結プロセスでは、製鉄所内で発生する微粉ダストも使用しているが、母材4の平均成分を上記の範囲とすることで、鉄鉱石や石灰石と同様に、母材4における溶融挙動を制御することができる。
ここで、図6に示すように、母材4における[CaO/Fe2O3]の影響を調査するため、付着層3成分を模擬したタブレット(直径10mm, 高さ10mmの円柱状)を作成した。なお、タブレットの成分[CaO/Fe2O3]は、石灰石の配合比で調整した。
図7に示すように、作成したタブレットに対して、実際の焼結層内と同様の温度履歴を与えるため、縦型の電気炉6と昇降装置7を用いて焼成した後、回転強度測定装置13(図25参照)を用いて、I型タンブラー試験で強度測定を行った。
タブレット焼成試験の手順は、以下のとおりである。
1)電気炉6の均熱帯(最高温度となる領域)を、焼成時に初期の融液が生成される1250℃に設定する。
2)予め、電気炉6内の縦方向における温度分布を測定しておき、図8に示す焼結層内の温度履歴となるように、試料カゴ8の昇降速度を調整する。
3)試料カゴ8に作成したタブレット(試料)を1つ載置して、予め決めておいた昇降速度で炉内に装入し、所定の温度履歴を与える。
4)冷却後、タブレット(試料)を取り出し、I型タンブラー試験(回転強度試験)に供する。
続いて、I型タンブラー試験の手順は、以下のとおりである。
1)電気炉6で焼成したタブレット3個分の重量を測定する(W1)。
2)一方側は閉塞、他方側は開閉可能された、長さ300mm,直径25mmの筒状の鉄製シリンダに、試料であるタブレット3個を装入する。
3)筒状シリンダ14を回転機15に設置して、20rpmで300回転させ、タブレットに転動・落下の衝撃を与える。
4)試験後、試料(粉砕されたタブレット)を筒状シリンダ14から取り出し、710μmの篩で分けて、篩上に残留した試料を回収する。
5)タブレット3個分の篩上の重量を測定する(W2)。
6)(W1),(W2)を下式に代入して、回転強度を計算する。
TI=(W2/W1)×100
なお、回転強度とは、I型タンブラーを使用して、落下及び転動の衝撃を与えた後の塊率を示す。
図9は、付着層3成分を模擬したタブレットにおける母材4の[CaO/Fe2O3]と、I型タンブラーで測定した回転強度の関係を示す図である。なお、図9において、実線のみのグラフは液相線温度を示し、実線とプロット点(■印)のグラフは回転強度を示す。
図9に示すように、母材4を低融点融液が生成され易い組成とする、すなわち[CaO/Fe2O3]を0.15以上0.49以下とすることで、付着層3中において、転炉スラグ5と母材4の同化が進行することとなり、付着層3を模擬したタブレットの強度を向上させることが可能となる。
すなわち、溶融同化を促進させることで、転炉スラグ5が焼結成品(造粒物A)内に取り込まれて歩留が向上する。
一方で、液相線温度が1400℃を超える領域になると、転炉スラグ5を同化させる強度を発現するために必要な、カルシウムフェライト融液の生成量が少なくなるので、付着層3を模擬したタブレットの強度は著しく低下することとなる。
粒子径が1mm以上の粗粒転炉スラグは、付着粉(母材4)に用いることが難しく、疑似粒子の核粒子2、又は、単独で焼結原料層に存在する。
そのため、図10中のAに示すように、粗粒転炉スラグは、伝熱性及び溶融速度に劣り、未溶融部分が融液の構造粘性を上げてしまうため、原料充填層内の空隙を閉塞して、焼成時の通気性を悪化させてしまうこととなる。
さらに、転炉スラグ5に起因する結合状態の悪い、図10中のAに示すような部位に関しては、結合強度が弱いため、焼結プロセスでは早くに破壊されてしまい、成品として歩留り難くなる。
そこで、本発明では、粒子径が1mmよりは小さいが、単独では付着層3として用いることが難しい、粒子径が0.5mm以上の中粒の転炉スラグ5を対象としている。
また、図10中のBに示すように、中粒の転炉スラグ5を、粒子径が500μm以下の微粉と合わせて用いて付着層3内に取り込むことで、中粒転炉スラグ5の外周囲に存在する母材4から発生する初期の融液で、その中粒転炉スラグ5を包み込んで溶融同化を促進させる。
ここで、焼結鍋試験について、説明する。
図26Aに示すように、角型の焼結鍋9(280mm角)を用いて、焼結鍋試験を実施した。
鉱石層の厚さは、500mmとした。原料装入量は、80kgとした。焼成条件としては、大気吸引(点火時=-1.0kPa(-1000mmAq),焼成時=-1.6kPa(-1600mmAq))とした。点火時間は、90secとした。焼成時間は、点火から排ガス中CO2濃度が0.2%以下となるまでの時間とした。
焼成速度は、「鉱石層(原料層)厚(mm)/焼成時間(min)」で求めた。なお、焼結速度は、焼結鍋試験で点火から焼成完了するまでの、粉コークスの燃焼が伝播する平均速度である。
生産性は、「{成品重量(kg)/1000(kg/t)}/{焼成時間(min)/(60min/hr)}/鍋の焼成面積(m2)」で求めた。
なお、焼成速度(%)及び生産性(%)の指数化については、下式を用いて行った。
・焼成速度(%)=実際の焼成速度(mm/min)/ベース条件の焼成速度(mm/min)×100
・生産性(%)=実際の生産率(t/h/m2)/ベース条件の生産率(t/h/m2)×100
ここで、角型焼結鍋9におけるベース条件の生産率/焼成速度は、転炉スラグ5を含まない標準的な原料を使用し、同様の手順で、焼結鍋試験を行った結果である生産率=1.50t/h/m2、焼成速度=24.5mm/minを用いた。
角型焼結鍋9を用いた焼結鍋試験の手順を以下に示す。
1)角型の焼結鍋9に、まずパレットの保護用床敷きとして、粒子径が10〜20mmの焼結鉱を装入し、その焼結鉱の上に鉄鉱石、石灰石等の副原料、及び、凝結材として粉コークスを疑似粒子化した原料を装入した。なお、配合(混合)条件としては、焼結後の成品SiO2が5.4質量%、塩基度CaO/SiO2が2.1となるように調整した。
2)次いで、風箱10に接続された排風機11で、吸引圧=-1.0kPaの一定条件で、点火バーナーで原料充填層の表面に着火した後、吸引圧=-1.6kPaの一定条件で、大気吸引して原料充填層中の粉コークスを燃焼させた。なお、焼成終了は、排ガス中CO2濃度が0.2%以下に到達した時刻とした。
3)上記の手順で焼成された焼結ケーキを、落下強度試験装置(JIS M8711:1993)を用いて、床敷きを除いた焼成物全量を2mの高さから4回落下させ、粒子径が4mm以上として残留したものを成品とした。
4)焼成時間と原料層厚を、下式に代入して焼成速度を求めた。
・焼成速度(mm/min)=原料層厚(mm)/焼成時間(min)
5)焼成速度と成品重量を、下式に代入して生産性を求めた。
・生産性(t/h/m2)={成品重量(kg)/1000(kg/t)}/{焼成時間(min)/(60min/hr)}/鍋の焼成面積(m2)
次いで、角型焼結鍋9を用いた焼結鍋試験の結果について、述べる。
図11は、角型焼結鍋9(280mm角)を用いた焼結鍋試験の結果を示した図であり、転炉スラグ5を粒度ごとに分けて示している。
図11に示す焼結鍋試験の結果は、転炉スラグ5を6wt%配合した時のものである。この結果を踏まえ、転炉スラグ5の配合比が増減させた場合、図10中のAに示すようなガス流れを阻害する領域が比例して増減するため、焼成速度に影響を及ぼす傾向は不変であった。
粒子径が1mm以上の粗粒転炉スラグを使用すると、先に述べたように、焼成時の通気性が悪化してしまい、焼成速度が低下することとなる(図11中の右側の2つの棒グラフ参照)。
一方で、粒子径が0.5mm以下の微粉転炉スラグを多量に使用すると、含有するMgOやAl2O3などが付着層3中の融液に溶け込んで、融液の粘性を上げてしまい、焼成速度が低下することとなる。その結果、融液の流動による凝集が鈍ることとなり、粗粒転炉スラグの使用時と同様に、焼成時の通気性悪化を招いてしまうこととなる(図11中の左側の2つの棒グラフ参照)。
したがって、本発明においては、図11中の中央の2つの棒グラフに示すように、付着層3内に配置する中粒の転炉スラグ5において、粒子径の最大長さが1.0mm以下で且つ、粒子径が0.5mm以上の割合を、転炉スラグ5全体に対して、50wt%以上に粒度をコントロールすることとしている。これにより、焼成速度の悪化を抑制することができる。
なおこのとき、使用する中粒の転炉スラグ5を、粒子径の最大長さが1mm以下で且つ、粒子径が0.5mm以上の割合が、転炉スラグ5全体に対して90wt%としても、同様の効果が得られることを知見した。
また前述の結果を受けて、使用する中粒の転炉スラグ5を、粒子径の最大長さが1mm以下で且つ、粒子径が0.5mm以上の割合が、転炉スラグ5全体に対して100wt%(すなわち、粒子径が0.5mm〜1.0mmのみ)としても、同様の効果が得られることも知見した。
さて、転炉スラグ5は、融点が高い物質を含むため、付着層3に配置された場合、転炉スラグ5の外周囲に存在する母材4ともに、溶融同化が進みにくい。
特に、初期の融液が生成される、焼成温度が1250℃段階の焼成初期では、転炉スラグ5の外周囲に存在する母材4においては溶融が進行するが、転炉スラグ5自体は溶融せずに、不活性な物質として存在することとなる。
そのため、付着層3中に存在する未溶融の転炉スラグ5は、発生した融液間のネットワークを遮断し、融液の凝集を妨げるものとなる。
ここで、付着層3中における転炉スラグ5の量の影響を調査するため、図6に示すような、付着層3の成分を模擬したタブレット(直径10mm、高さ10mmの円柱状)を作成した。
また、作成したタブレットは、実際の焼結層内と同様の温度履歴を与えるため、先述した方法と同様に、図7に示す縦型の電気炉6と昇降装置7を用いて焼成した後、図25に示すI型タンブラー試験で強度測定を行った。
その後、1250℃で焼成したタブレットを樹脂に埋めた後、中央部を切断して研磨し、光学顕微鏡(×10倍)で断面観察した。その断面写真を図12に示す。
以下に、付着層3成分を模擬したタブレットの組成について、説明する。
図12に示すように、付着層3内の母材4から融液が生成されて溶融同化が進むほど、融液が凝集するようになる。そして、融液が移動した跡には、大きな気孔が形成されることとなる。断面写真から定性的に見てとれるように、微粉転炉スラグ粒子が付着層3内に多数存在すると、融液の凝集が妨げられて、気孔が集合せずに分散していることが確認できる。
図13に、タブレット(試料)に対して、I型タンブラー試験を行ったときの結果をに示す。
図13より、微粉転炉スラグによる融液間のネットワークの遮断は、付着層3に存在する転炉スラグ5の体積割合によって、影響が決定されるものと考えられる。そこで、転炉スラグ5の配合量から体積割合(vol%)を、下式で求めた。
・付着層中の転炉スラグ体積割合(vol%)=転炉スラグの配合体積(cm3)÷{転炉スラグの配合体積(cm3)+母材の配合体積(cm3)}×100
また、転炉スラグ5の配合体積は、下式のように、真比重より求めることができる。ここでは、付着層3になりうる微粉においては、「かさ比重≒真比重」と考えることとしている。
・転炉スラグの配合体積(cm3)=転炉スラグの配合重量(g)÷転炉スラグ真比重(g/cm3)
・母材の配合体積(cm3)=母材原料の配合重量(g)÷母材平均真比重(g/cm3)
なお、母材4の平均真比重は、実際の母材4の真比重を測定することが望ましいが、母材4を構成する材料、それぞれの真比重の荷重平均値で求めても良い。ここでの真比重は、(JIS Z 8807)に従いピクノメータを使用して測定した。
図13に示すように、タブレット焼成試験をした後、I型タンブラー試験を行って、強度測定を行った結果より、付着層3中における転炉スラグ5の体積割合が大きいタブレット(試料)ほど、回転強度の値が低く、強度が弱いことが確認できる。この強度が弱いということは、融液の凝集によるスラグ結合が妨げられたことを示している。
特に、付着層3中における転炉スラグ5の体積割合が40vol%を超過すると、急激に回転強度の値が低下しており、付着層3の強度が非常に弱いことが確認できる。
試料(造粒物)の強度が弱くなる原因は、転炉スラグ5と母材4の量の比が逆転する領域、つまり転炉スラグ5の量の方が多くなってゆく領域において、融液を介したスラグ結合から、各転炉スラグ5間における直接の結合へと、結合形態の支配因子が変化していくためと考えられる。
したがって、造粒物A(擬似粒子)は、付着層3全体における転炉スラグ5の体積率が、0より大きく40vol%以下となるように、転炉スラグ5を付着層3中に配置することとしている。
以上述べたような特徴を有する焼結原料用の造粒物Aの概略を模式的に示すと、図14のようになる。
図14に示すように、本発明にかかる造粒物Aの構成は、以下のとおりである。
A)核粒子2は、粒子径の最大長さが1mmを超えるものである。
B)付着層3の最大厚みは、1.0mm以上3.5mm以下である。
C)付着層3を構成する母材4における、[CaO(wt%)/Fe2O3(wt%)]は、0.15以上0.49以下である。
D)付着層3を構成する転炉スラグ5は、粒子径の最大長さが1mm以下のもので構成され、そのうち粒子径が0.5mm以上の割合が、転炉スラグ5全体に対して50%以上である。
E)転炉スラグ5の体積比率が0より大きく40vol%以下となるように、付着層3中に転炉スラグ5を配置する。
なお、付着層3は、母材4と転炉スラグ5で構成される。母材4は、最大長さが500μm以下の粒子で構成されていて、鉄鉱石、スケール、製鉄所内で発生するダスト、石灰石及び/又は消石灰、硅石、ドロマイト、粉コークスのうち1種類以上含む。
図14に示す、上記の構成とされた疑似粒子1(造粒物A)を使用して、焼結鍋試験を行った。
本実施例の効果は、焼結鍋試験における焼成速度mm/min(すなわち生産性)と、以下のように定義するCaO歩留(%)(=転炉スラグ歩留(%))で評価した。
この焼結鍋試験における成品の定義は、ここでは粒子径が4mmより大きな焼結鉱とする。したがって、粒子径が4mm以下の焼結鉱は、返鉱として扱うこととしている。
焼結鉱の組織は、均一ではないため、付着層3における強度の弱い部位が早くに破壊され、粉化して返鉱となる。
このことからCaO歩留を下式で求めると、強度の弱いスラグ結合部が早くに破壊されるため、通常返鉱のCaO濃度は、成品のCaO濃度よりも1%程度高く、CaO歩留は90%程度となる。
・CaO歩留(%)={1-(返鉱CaO(%)-成品CaO(%))/成品CaO(%)}×100
また、転炉スラグ5は、石灰石よりも溶融同化しにくいため、図10中のAに示すように、付着層3において、溶融が未完全な転炉スラグ5を主体とする結合部位は、成品として歩留らず返鉱となりやすい。
このとき、転炉スラグ5は、CaOを多く含むので、返鉱となる量が増加すると、返鉱CaO(%)が上昇することとなり、その一方でCaO歩留は低下することとなる。
すなわち、CaO歩留が高いほど、転炉スラグ歩留が向上し、成品への溶融同化が良く進んでいると言える。
表1、表2に、焼結鍋試験の条件、及び、その試験で得られた焼成結果を示す。
表3に、焼成結果の指数値を算出するために用意した、転炉スラグ5を含まない擬似粒子の構成(ベース条件)を示す。なお、表1〜表3は、それぞれ一続きのものであり、見やすくするため、分割して上下に配置している。
なお、以下に示す焼結鍋試験の焼成結果の評価に関しては、転炉スラグ5を含まない、通常の(一般的な)焼結原料用の造粒物を使用して焼結鉱を製造した際における焼成速度、及び、CaO歩留まりを閾値とした。
また、生産性及び焼成速度については、試験装置ごとに、転炉スラグ5を含まない条件(ベース条件)により指数化して、実施例と比較例との対比を行った。
なお、生産性(%)及び焼成速度(%)の指数化については、下式を用いて行った。
・生産性(%)=実際の生産率(t/h/m2)/ベース条件の生産率(t/h/m2)×100
・焼成速度(%)=実際の焼成速度(mm/min)/ベース条件の焼成速度(mm/min)×100
例えば、表1の実施例2においては、
・生産性(%)=1.53(t/h/m2)/1.50(t/h/m2)×100=102(%)
・焼成速度(%)=25.3(mm/min)/24.5(mm/min)×100=103(%)
である。
また、表1の実施例12においては、
・生産性(%)=1.65(t/h/m2)/1.50(t/h/m2)×100=110(%)
・焼成速度(%)=25.4(mm/min)/24.5(mm/min)×100=104(%)
である。
すなわち、焼成速度が24.5mm/min以上(指数値でいえば、100%以上)、CaO歩留が95%以上となる造粒物Aの条件を、焼成速度の悪化が無く、且つ転炉スラグ5の焼成鉱への歩留まりを高めることが可能な条件と定義した。
ところで、表1の実施例(番号2〜5)、表2の比較例(番号1,6〜8)は、付着層3の厚みを変えた造粒物Aを用意し、それらに対して焼結鍋試験を実施した結果である。
表1の実施例2〜5に示すように、本発明で規定した範囲内であれば、落下抵抗を維持する、すなわち造粒物Aの強度を確保することができるとともに、焼成結果も良好である。
一方で、表2の比較例1、比較例6〜8に示すように、本発明で規定した範囲を超えてしまう(1つでも満たさない)と、焼結鍋試験の過程で疑似粒子が崩壊してしまい、焼成速度の低下、並びに、CaO歩留の低下を招くこととなる(指数値で100%を下回る)。
次に、表1の実施例(番号10〜13)、表2の比較例(番号9,14)は、付着層3中の母材4の成分を変えた造粒物Aを用意し、それらに対して焼結鍋試験を実施した結果である。
表1の実施例10〜13に示すように、本発明で規定した範囲内であれば、良好な焼成結果を示した。
一方で、表2の比較例9,14に示すように、本発明で規定した範囲を超えてしまう(1つでも満たさない)と、付着層中の融液で転炉スラグの同化を進めることができないため、焼成速度の低下、並びに、CaO歩留の低下を招くこととなる(指数値で100%を下回る)。
表1の実施例(番号17,18)、表2の比較例(15,16,19,20)は、転炉スラグ5の粒度を変えた造粒物Aを用意し、それらに対して焼結鍋試験を実施した結果である。
表1の実施例17,18に示すように、本発明で規定した範囲内であれば、良好な焼成結果を示した。一方で、表2の比較例15,16,19,20に示すように、本発明で規定した範囲を超えてしまう(1つでも満たさない)と、先に述べたとおり、焼成速度が低下することとなる(指数値で100%を下回る)。
表1の実施例(番号21〜23)、表2の比較例(番号24,25)は、付着層3中における転炉スラグ5の体積比を変えた造粒物Aを用意し、それらに対して焼結鍋試験を実施した結果である。
表1の実施例21〜23に示すように、本発明で規定した範囲内であれば、CaO歩留まりに関し、良好な結果が得られた。一方で、表2の比較例24,25に示すように、転炉スラグの体積比が上限を超えてしまうと、融液同士の結合が著しく阻害され、その結果、成品への転炉スラグの同化が鈍り、CaO歩留まりが大きく低下してしまうこととなる(指数値で100%を下回る)。
したがって、成品への中粒の転炉スラグ5の同化を進めることができるように、造粒物Aを、上で詳細に述べたように、付着層3内の中粒転炉スラグ5を所定の配置(疑似粒子構造)とすることで、転炉スラグ5の使用時に焼成速度を悪化させることなく、CaO歩留(成品への転炉スラグ歩留)を高めることができる。
さて、本発明では、上で詳細に述べた焼結原料用の「造粒物A」と、その造粒物Aとは異なる焼結原料用の「造粒物B」を別々に造粒し、それら造粒物Aと造粒物Bを適切に混合して、焼結鉱の製造することとしている。
この造粒物Aと造粒物Bの分割造粒に関しては、例えば、図15に示すような複数の造粒機21,22による並列造粒によって行うことができる。
図15に示すように、焼結工場16において、造粒物Aを造粒するA系統造粒設備17と、造粒物Bを造粒するB系統造粒設備18を、それぞれ独立して設けておき、上工程の各原料系統(A系統原料槽19、B系統原料槽20)から所定配合の原料を秤量して、下工程に、別々に配備されているA系統の造粒機21及び、B系統の造粒機22(例えば、ドラムミキサやパンペレタイザ)に供給し、その各造粒機21,22にて、造粒物A及び造粒物Bを造粒する。
その後の搬送過程で、ベルトコンベア23にて搬送されている造粒物Aの上に、造粒物Bを合流させて、ベルトコンベア23の乗継部で、造粒物Aと造粒物Bを混合して、焼結機24の給鉱ホッパ25へ供給する。
なお、これら造粒設備及び、造粒物Aと造粒物Bの混合方法については、単なる例示である。つまり、造粒設備の構成及び、造粒物Aと造粒物Bの混合方法に関しては限定されない。
ここでの造粒物Bとは、造粒物Aで規定した範囲のうち、一つでも規定を満たさない造粒物のことである。すなわち、造粒物Bの組成・成分等に関して、特に規定はしていない。例えば、本実施形態の造粒物Bは、転炉スラグを含んでいないものとしているが、細粒転炉スラグを含んでいても構わない。
なお、造粒物Bを構成する原料については、最終的な焼結後の成品成分を一定とするために、造粒物Aと造粒物Bの混合比、及び、造粒物Aの組成に対して、バランスが取れるように考慮して決める。
例えば、本実施例においては、焼結後の成品SiO2が5.4質量%、塩基度CaO/SiO2が2.1となるように、以下のような造粒物Bを使用した。
具体的には、造粒物B用の原料は、鉄鉱石が70〜90wt%であり、石灰石が0〜10wt%であり、ドロマイトが0〜10wt%であり、残部が0〜30wt%で、これらの原料に対して外数で粉コークスを1〜4wt%配合した。
なおここで、外数での粉コークス配合比とは、鉄鉱石、石灰石、ドロマイトおよび残部を合計したものを100wt%とし、それに対する粉コークスの比率である。
これら造粒物B用の原料を、ドラムミキサ22で混合して造粒し、造粒物Bを製造した。
さて、造粒物Aの付着層3は、液相線温度が低い組成(CaO/Fe2O3)としているため、焼成過程の早い段階から溶融が始まる。
そのため、原料充填層中の造粒物Aの割合が極端に増えると、焼成過程で融液が過剰に生成される。
その結果、図16中の左側に示すように、造粒物Aの配合比が80%相当存在することとなると、焼成時に融液が過剰生成した部分では融液が気孔を閉塞してしまい、冷却過程で岩盤状の焼結層を形成する。
融液が気孔を閉塞した岩盤状の焼結層は、通気抵抗が高いため、吸引ガスは周囲に迂回し、下方へ焼成が進む。
このとき、融液の過剰生成部(岩盤状の焼結層)の直下では、吸引ガスが流通しないため、熱と酸素が供給されず未焼成となり、シンターケーキの強度を低下させることとなり、生産性の低下の原因となる。
一方で、図16中の右側に示すように、造粒物Aの割合が不足している場合は、融液の発生場所が極端に点在化してしまうため、造粒物Aの周辺は強度の高い焼結部となるが、その周囲に相対的に脆弱な領域(焼結部)を発生させてしまう。
以上の結果より、シンターケーキ全体としての強度が低下する。
また、中粒の転炉スラグ5を含む造粒物Aの配合比を下げることは、当然の如く、転炉スラグ5のリサイクル量の低下を指し示すこととなるので、焼結原料全体に対する造粒物Aの配合比は高い方が好ましい。
以上の研究により、焼結原料全体に対する造粒物Aの配合比(造粒物Aの混合割合)に関し、適正な範囲が存在することを知見した。
そこで、先述した鍋試験装置(角型焼結鍋9)とほぼ同様の構造を有する、丸型焼結鍋26を用いて、造粒物Aの配合比における焼成への影響を調査した。
その丸型焼結鍋26を用いた焼結鍋試験の実施条件を以下に示す。
図26Bに示すように、試験装置として、丸型の焼結鍋26(φ130mm)を用いた。
鉱石層の厚さは、350mmとした。原料装入量は、8kgとした。焼成条件としては、大気吸引(点火時=-1.0kPa,焼成時=-1.0kPa)とした。点火時間は、90secとした。焼成時間は、点火から排ガス中CO2濃度が0.2%以下となるまでの時間とした。
焼成速度は、「原料層厚(mm)/焼成時間(min)」で求めた。なお、焼結速度は、焼結鍋試験で点火から焼成完了するまでの、粉コークスの燃焼が伝播する平均速度である。
生産性は、「{成品重量(kg)/1000(kg/t)}/{焼成時間(min)/(60min/hr)}/鍋の焼成面積(m2)」で求めた。
なお、焼成速度(%)及び生産性(%)の指数化については、下式を用いて行った。
・焼成速度(%)=実際の焼成速度(mm/min)/ベース条件の焼成速度(mm/min)×100
・生産性(%)=実際の生産率(t/h/m2)/ベース条件の生産率(t/h/m2)×100
ここで、丸型焼結鍋26におけるベース条件の生産率/焼成速度は、転炉スラグ5を含まない標準的な原料を使用し、同様の手順で焼結鍋試験を行った結果である生産率1.50t/h/m2、焼成速度32.5mm/minを用いた。
丸型の焼結鍋26を用いた焼結鍋試験の手順を以下に示す。
1)丸型の焼結鍋26に、まずパレットの保護用床敷きとして、粒子径が10〜20mmの焼結鉱を装入し、その焼結鉱の上に鉄鉱石、石灰石等の副原料、及び、凝結材として粉コークスを疑似粒子化した原料を装入した。なお、配合(混合)条件としては、焼結後の成品SiO2が5.4質量%、塩基度CaO/SiO2が2.1となるよう調整した。
2)次いで、風箱27に接続された排風機28で、吸引圧=-1.0kPaの一定条件で、点火バーナーで原料充填層の表面に着火した後、吸引圧=-1.0kPaの一定条件で、大気吸引して原料充填層中の粉コークスを燃焼させた。なお、焼成終了は、排ガス中CO2濃度が0.2%以下に到達した時刻とした。
3)上記の手順で焼成された焼結ケーキを、落下強度試験装置(JIS M8711:1993)を用いて、床敷きを除いた焼成物全量を2mの高さから4回落下させ、粒子径が4mm以上として残留したものを成品とした。
4)焼成時間と原料層厚を、下式に代入して焼成速度を求めた。
・焼成速度(mm/min)=原料層厚(mm)/焼成時間(min)
5)焼成速度と成品重量を、下式に代入して生産性を求めた。
・生産性(t/h/m2)={成品重量(kg)/1000(kg/t)}/{焼成時間(min)/(60min/hr)}/鍋の焼成面積(m2)
造粒物Aについては、本発明の規定範囲である、CaO/Fe2O3=0.16となるように、石灰石と転炉スラグ5を配合した。なお、転炉スラグ5に関しては、40vol%配合した。
なお、焼結原料全体に対する、造粒物Aの配合比(混合割合)は、下式で定義される。
・造粒物Aの配合比(wt%)=造粒物Aの配合量(kg)/{造粒物Aの配合量(kg)+造粒物Bの配合量(kg)}
また、残りの原料を用いた造粒物B(造粒物Aと異なる成分・組成の造粒物B)については、造粒物Aの配合比に合わせて、石灰石配合量を、成品のCaO/SiO2(塩基度、C/S)が一定となるように調整した。
また、熱源である粉コークスについては、石灰石・ドロマイト・鉱石中の結晶水の分解熱を考慮し、有効発熱量が造粒物Aと造粒物Bで等しくなるように配合した。
有効発熱量は、熱源である粉コークスの燃焼熱から、石灰石・ドロマイトに含まれるCaCO3及びMgCO3、鉱石中の結晶水の分解熱を差し引いた熱量のことを指し示し、下式で定義される。
・造粒物A側の有効発熱量(kJ/g)={粉コークス燃焼熱(kJ/g)×粉コークス配合量(g)−石灰石分解熱(kJ/g)×石灰石配合量(g)−ドロマイト分解熱(kJ/g)×ドロマイト配合量(g)−結晶水分解熱(kJ/g)×結晶水配合量(g)}÷造粒物A原料(g)
・造粒物B側の有効発熱量(kJ/g)={粉コークス燃焼熱(kJ/g)×粉コークス配合量(g)−石灰石分解熱(kJ/g)×石灰石配合量(g)−ドロマイト分解熱(kJ/g)×ドロマイト配合量(g)−結晶水分解熱(kJ/g)×結晶水配合量(g)}÷造粒物B原料(g)
各熱量の計算においては、次の値を使用した。
・粉コークス燃焼熱=29.9kJ/g
・石灰石分解熱=1.8kJ/g
・ドロマイト分解熱=1.6kJ/g
・結晶水分解熱=2.8kJ/g
なお、これらの値ついては、示唆熱分析計での測定値を使用した。
図17Aに示すように、上記した造粒物Aと造粒物Bを、各ドラムミキサ21,22を用いてそれぞれ造粒し、造粒物Aが所定の配合比となるように、実機と同等の混合を行い、焼成試験に供した。
図18に、造粒物Aの配合比における焼成時間への影響を示す。
なお、図18〜図20中の■印は、転炉スラグ5を含まない条件において、付着層3中のCaO/Fe2O3が、本発明の規定範囲を逸脱した比較例である。この造粒物Aは本発明の要件を満たしていないが、便宜的に配合比を50wt%とした。
この例は、表1の実施例、及び、表2の比較例(番号1〜25)において、総合評価の閾値(角型焼結鍋:焼成速度24.5mm/min)を設定したときの造粒物Aの配合比と、同一のものである。
また今回の試験において、試験装置を角型焼結鍋9から丸型焼結鍋26に変更したため、絶対値は異なる(丸型焼結鍋:焼成速度32.5mm/min)が、焼結原料の変化が及ぼす相対的な関係には差異はない。
図18中の◆印で示すように、本発明の規定範囲を満たす造粒物Aを配合しても、転炉スラグを含まない条件(図18中の■印)に対して、焼成速度の低下は認められなく良好である。
図19に、造粒物Aの配合比における回転強度への影響を示す。
なおここでの回転強度は、先述したI型タンブラー試験装置を使用して測定した。
図19中の◆印で示すように、造粒物Aの配合比が20〜70wt%の範囲においては、比較例(図19中の■印)に対して、回転強度が高く良好である。
しかしながら、造粒物Aの配合比が70wt%を超えるような、極端に造粒物Aの配合比が多い場合、回転強度が低下することとなる。これは先に述べたとおり、図16に示すような現象が生じ、未焼成部が増加して、その未焼成部において強度低下が起きてしまっていることといえる。
図20に、造粒物Aの配合比における生産性への影響を示す。
図20に示すように、生産性は、造粒物Aの配合比が20〜70wt%の範囲において、比較例(図20中の■印)より大きく向上しており、良好である。しかしながら、造粒物Aの配合比が70%を超過すると、大幅に生産性が低下してしまうこととなる(指数値で100%を下回る)。
なおこのとき、図示はしないが、造粒物Aの配合比が20wt%以下では、転炉スラグ5を含む造粒物Aが存在しない原料配合(ベース条件)に近づくため、自ずと図20中の■印で示した、比較例の結果に漸近するものと考えられる。
したがって、生産性の悪化させること無く、上で規定した造粒物Aを使用するためには、焼結原料全体に対して0〜70wt%の範囲で、配合(混合)する必要がある。
そのため、本発明では、造粒物Aと、造粒物Aとは異なる焼結原料用の造粒物Bとを混合して、焼結鉱の製造する際に、造粒物Aの割合が、造粒物Aと造粒物Bとの合計に対して、0より大きく70wt%以下となるように混合することとしている。これにより、焼成速度、回転強度、生産性ともに、良好な結果が得られる。
ところで、表1、表2における焼結鍋試験の焼成結果の評価は、先に述べた転炉スラグ5を含まない、一般的な焼結原料用の造粒物Aを使用して焼結鉱を製造した際における焼成速度、及び、生産性を閾値として評価した。
また、生産性及び焼成速度については、試験装置ごとに、転炉スラグ5を含まない条件(ベース条件)により指数化して、実施例と比較例との対比を行った。
なお、生産性(%)及び焼成速度(%)の指数化については、下式を用いて行った。
・生産性(%)=実際の生産率(t/h/m2)/ベース条件の生産率(t/h/m2)×100
・焼成速度(%)=実際の焼成速度(mm/min)/ベース条件の焼成速度(mm/min)×100
例えば、表1の実施例27においては、
・生産性(%)=1.59(t/h/m2)/1.50(t/h/m2)×100=106(%)
・焼成速度(%)=34.1(mm/min)/32.5(mm/min)×100=105(%)
である。
また、表1の実施例29においては、
・生産性(%)=1.66(t/h/m2)/1.50(t/h/m2)×100=110(%)
・焼成速度(%)=33.7(mm/min)/32.5(mm/min)×100=104(%)
である。
すなわち、焼成速度が32.5mm/min以上(指数値でいえば、100%以上)、生産性が1.50t/h/m2以上(指数値でいえば、100%以上)となる造粒物Aの使用方法を、焼成速度及び生産性の悪化が無く、且つ転炉スラグ5の焼成鉱への歩留まりを高めることが可能な条件と定義した。
ところで、表1の実施例(番号27〜32)、表2の比較例(番号26)は、造粒物Aの配合比(混合割合)を変えたものを用意し、それらに対して焼結鍋試験を実施した結果である。
表1の実施例27〜32に示すように、造粒物Aの配合比が本発明で規定した範囲内であれば、焼成速度及び生産性を悪化させることなく、造粒物Aを使用することができた。
しかしながら、表2の比較例26に示すように、造粒物Aの配合量が多すぎる(本発明で規定した範囲を1つでも満たさない)と、融液の過剰生成により焼成速度が低下してしまい、生産性の低下を招くこととなる(指数値で100%を下回る)。
したがって、造粒物Aを使用する場合、本発明で規定した範囲で使用する必要がある。また当然ながら、造粒物Aの配合比は、転炉スラグ5のリサイクル量を高めることができるので、可能な限り、多くすることが望ましい。
上記したように、本発明で規定した適正な範囲の造粒物A(擬似粒子)の配合比で、焼結鉱を製造することで、焼結鉱において、転炉スラグ5の歩留を向上させる効果が期待できる。
さらには、本発明においては、造粒物A側への有効発熱量の分配率が、所定以上になるように、粉コークスを配合するとよい。
この造粒物Aは、難溶融性の転炉スラグ5を付着層3内に配置し、付着層3を構成する母材4のCaO/Fe2O3を向上させることで、転炉スラグ5の溶融同化を図ったものである。
なおこのとき、転炉スラグ5を含む造粒物Aの焼成温度を、局所的に向上させることができれば、さらに溶融同化を促進し、生産性を高めることが可能である。
また通常、熱源となる粉コークスは、造粒物の配合に合わせた必要な熱量に応じて、有効発熱量を一定に保つ役割を有している。
ところで、造粒物A、造粒物Bを別々に造粒する、分割造粒に際しては、転炉スラグ5の外周囲の焼成温度を高めるために、造粒物A側に、熱源である粉コークスを多く配合(傾斜配合)し、造粒物Aの付着層3内で転炉スラグ5と粉コークスを近接配置することが有効であると考えた。
そこで、分割造粒時に粉コークスを、造粒物A側へ傾斜配合した焼結原料を作成し、先述したφ130mmの丸型焼結鍋26(試験装置)を用いて、焼成挙動を調査した。
この造粒物Aについては、本発明の規定範囲である、CaO/Fe2O3=0.16となるように、石灰石及び転炉スラグ5を配合した。なお、転炉スラグ5に関しては、40vol%配合した。
また、残りの原料を用いた造粒物B(造粒物Aとは異なる成分・組成の造粒物B)については、造粒物Aの配合比に合わせて、石灰石配合量を、成品のCaO/SiO2(塩基度、C/S)が一定となるように調整した。
なお、上で述べた実施例(造粒物A側への混合割合を、0より大きく70wt%以下にして焼結鉱を製造する方法)においては、造粒物Aと造粒物Bの有効発熱量を等しくするため、造粒物A側への石灰石・ドロマイト・鉱石中の結晶水の分解熱を考慮した有効発熱量の分配率を50%としていた。
しかし、図21に示すように、以下に説明する実施例においては、熱源である粉コークス全体の配合量を変更せずに、造粒物A側に傾斜配合し、造粒物A側の有効発熱量を高めるようにした。
有効発熱量は、熱源である粉コークスの燃焼熱から、石灰石・ドロマイトに含まれるCaCO3及びMgCO3、鉱石中の結晶水の分解熱を差し引いた熱量のことを指し示し、下式で定義される。
・造粒物A側の有効発熱量(kJ/g)={粉コークス燃焼熱(kJ/g)×粉コークス配合量(g)−石灰石分解熱(kJ/g)×石灰石配合量(g)−ドロマイト分解熱(kJ/g)×ドロマイト配合量(g)−結晶水分解熱(kJ/g)×結晶水配合量(g)}÷造粒物A原料(g)
・造粒物B側の有効発熱量(kJ/g)={粉コークス燃焼熱(kJ/g)×粉コークス配合量(g)−石灰石分解熱(kJ/g)×石灰石配合量(g)−ドロマイト分解熱(kJ/g)×ドロマイト配合量(g)−結晶水分解熱(kJ/g)×結晶水配合量(g)}÷造粒物B原料(g)
各熱量の計算においては、次の値を使用した。
・粉コークス燃焼熱=29.9kJ/g
・石灰石分解熱=1.8kJ/g
・ドロマイト分解熱=1.6kJ/g
・結晶水分解熱=2.8kJ/g
なお、これらの値については、示唆熱分析計での測定値を使用した。
図17Bに示すように、上記の造粒物Aと造粒物Bを、各ドラムミキサ21,22を用いてそれぞれ造粒し、造粒物Aの配合比を50%に固定して、実機と同等の混合を行い、焼成試験に供した。
さらに、本発明において、より優れた作用効果を示すため、上で述べた実施例(造粒物Aの混合割合を0より大きく70wt%以下にして焼結鉱を製造する方法)において、最大の生産性を示したものを、表4の実施例29(図22、図23中の◇印)に示し、造粒物Aにおける有効発熱量の分配率を規定する際の閾値とした。なお、表4は、それぞれ一続きのものであり、見やすくするため、分割して上下に配置している。
図22に、粉コークス分配率における生産性への影響を示す。
図23に、粉コークス分配率における焼成速度への影響を示す。
なお、図22、図23中■印は、転炉スラグ5を含まない条件において、付着層3中のCaO/Fe2O3が、本発明の規定範囲を逸脱した比較例である。この造粒物Aは、本発明の要件を満たしていないが、便宜的に配合比を50wt%とした。
図22中の◆印で示すように、造粒物A側へ粉コークスを傾斜配合して、有効発熱量の分配率を高めると、生産性が向上した。また、図23中の◆印で示すように、生産性の向上は、焼成速度の向上により得られる。
一方で、造粒物B側へ粉コークスを傾斜配合して、造粒物A側の有効発熱量の分配率を低くすると、焼成速度が低下してしまい、生産性が悪化することとなる。これは、付着層中に取り込まれた転炉スラグ近傍の粉コークス量が減少することによる、焼成時の局所的な温度低下により、転炉スラグの溶融性が悪化したためと考えられる。
したがって、有効発熱量の50%以上を造粒物A側へ分配することが、造粒物Aを使用する際に、生産性を向上させるのに有効である。
以上より、本発明においては、造粒物A側への有効発熱量の分配率が、50%以上となるように粉コークスを配合することとしている。
なお、造粒物A側への有効発熱量の分配率は、「造粒物A側への有効発熱量の分配率(%)=造粒物A側の有効発熱量(kJ/g)/{造粒物A側の有効発熱量(kJ/g)+造粒物B側の有効発熱量(kJ/g)}×100」で算出される。
ところで、以下に示す焼結鍋試験の焼成結果の評価は、先に述べた最も生産性の高い条件であった、表4の実施例29を閾値として評価した。
また、生産性及び焼成速度については、試験装置ごとに、転炉スラグ5を含まない条件(ベース条件)により指数化して、実施例と比較例との対比を行った。
なお、生産性(%)及び焼成速度(%)の指数化については、下式を用いて行った。
・生産性(%)=実際の生産率(t/h/m2)/ベース条件の生産率(t/h/m2)×100
・焼成速度(%)=実際の焼成速度(mm/min)/ベース条件の焼成速度(mm/min)×100
例えば、表4の実施例34においては、
・生産性(%)=1.70(t/h/m2)/1.50(t/h/m2)×100=113(%)
・焼成速度(%)=36.0(mm/min)/32.5(mm/min)×100=111(%)
である。
すなわち、焼成速度33.7mm/min以上(指数値でいえば、103.7%以上)、生産性1.66t/h/m2以上(指数値でいえば、110.3%以上)となる有効発熱量の分配率を、転炉スラグ5の焼成鉱への歩留まりを高め、さらに生産性の向上効果を得られる条件と定義した。
表4の実施例(番号34,35)及び、比較例(番号33)は、造粒物A側への有効発熱量の分配率を変えたものを用意し、それらに対して焼結鍋試験を実施した結果である。
以上述べたように、造粒物A側の有効発熱量が大きくなるように、熱源である粉コークスを傾斜配合することで、焼結原料全体に対して、造粒物Aを50wt%使用しながら、焼成速度及び生産性を高めることができた。
上記のように、熱源である粉コークスを、造粒物A側へ傾斜配合して、造粒物Aと造粒物Bとを混合して焼結鉱を製造することにより、転炉スラグ5の焼結鉱への歩留を高めつつ、さらに焼成速度の向上を図ることが可能となる。
以上、詳細に述べたように、焼結プロセス(焼結工場) において、製鉄プロセスで発生する転炉スラグ5を使用するのに際し、溶融同化しにくい中粒の転炉スラグ5を付着層3内に、上で詳細に述べたように配置された造粒物Aを用いることで、付着層3内の母材4より生成した融液で、転炉スラグ5を包み込んで同化を促進し、焼成速度の低下を抑制(生産性低下を回避)し且つ、多配合時における焼結成品(成品)への転炉スラグ歩留を向上させることが可能となる。
また、2つの造粒物を混合して焼結鉱を製造するに際しては、本発明で規定した擬似粒子で構成される造粒物Aと、残りの原料を用いて造粒された造粒物B(造粒物Aと異なるもの)を合わせて使用することで、生産性を悪化させることなく、造粒物Aによる作用効果を取り込むことが可能となる。
さらに合わせて、熱源である粉コークスを造粒物A側へ傾斜配合して、有効発熱量の分配率を高めるようにすることで、さらなる生産性の向上効果が期待できる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
A 造粒物(擬似粒子)
2 核粒子
3 付着層
4 母材
5 転炉スラグ
6 電気炉
7 昇降装置
8 カゴ
9 焼結鍋(角型)
10 風箱
11 排風機
12 落下抵抗測定装置
13 回転強度測定装置
14 筒状シリンダ
15 回転機
16 焼結工場
17 A系統造粒設備
18 B系統造粒設備
19 原料系統A(A系統の原料槽)
20 原料系統B(B系統の原料槽)
21 造粒機(ドラムミキサ)A
22 造粒機(ドラムミキサ)B
23 ベルトコンベア
24 給鉱ホッパ
25 焼結機
26 焼結鍋(丸型)
27 風箱
28 排風機

Claims (2)

  1. 粒径の最大長さが1.0mmを超える核粒子を有し、
    前記核粒子の外周囲には、母材と転炉スラグからなる付着層が形成されていて、
    前記母材が、鉄鉱石、スケール、製鉄所内で発生するダスト、石灰石及び/又は消石灰、硅石、ドロマイト、粉コークスのうち、少なくとも1種類以上含み、且つ粒径の最大長さが500μm以下の粒子で構成されている焼結原料用の造粒物を用いて、焼結鉱を製造する方法において、
    前記付着層全体の最大厚みは、1.0mm以上3.5mm以下とされており、
    前記母材の平均成分におけるFe2O3とCaOとの重量比である[CaO(wt%)/Fe2O3(wt%)]が、0.15以上0.49以下とされており、
    前記転炉スラグは、粒径の最大長さが1.0mm以下であり、且つ、当該転炉スラグ全体に対して、粒径が0.5mm以上の割合が50wt%以上とされており、
    前記付着層全体における前記転炉スラグの体積率が、0より大きく40vol%以下となるように、前記付着層内に当該転炉スラグが配置されている焼結原料用の造粒物Aを造粒し、
    前記造粒物Aと、前記造粒物Aとは異なる焼結原料用の造粒物Bとを混合して、前記焼結鉱の製造する際に、前記造粒物Aの割合が、前記造粒物Aと前記造粒物Bとの合計に対して、0より大きく70wt%以下となるように混合する
    ことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記造粒物A側への有効発熱量の分配率が、50%以上となるように粉コークスを配合することを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
    なお、造粒物A側への有効発熱量の分配率は、「造粒物A側への有効発熱量の分配率(%)=造粒物A側の有効発熱量(kJ/g)/{造粒物A側の有効発熱量(kJ/g)+造粒物B側の有効発熱量(kJ/g)}×100」で算出される。
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