JP2018064074A - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェーハの反りを軽減する。【解決手段】ウェーハの加工方法であって、平行に並ぶ複数の分割予定ラインのそれぞれに沿って、一端の分割予定ラインから順に他端の分割予定ラインに至るまで、該ウェーハに対して透過性を有する波長の第1のレーザビームと、該ウェーハに対して透過性を有する波長の第2のレーザビームと、を分割予定ライン毎に交互に該ウェーハ内部に照射し、該分割予定ラインのそれぞれに沿って改質層を形成するレーザ加工ステップと、レーザ加工ステップを実施した後、該ウェーハを裏面側から研削して所定厚みへと薄化し、該ウェーハを個々のチップに分割する研削ステップと、を備え、該第1のレーザビームと、該第2のレーザビームと、の一方は、該ウェーハの該表面に至るクラックを発生させる照射条件で照射され、該第1のレーザビームと、該第2のレーザビームと、の他方は、該ウェーハの該表面に至るクラックが発生しない照射条件で照射される。【選択図】図1

Description

本発明は、ウェーハの加工方法に関する。
ICやLED等の複数のデバイスが表面に形成されたウェーハを加工してチップを作製する工程においては、該ウェーハの裏面が研削されてウェーハが薄化され、その後、ウェーハが分割されて、個々のチップが形成される。
分割前のウェーハの表面には、交差する複数の分割予定ラインによって区画された各領域にデバイスが配されている。該分割予定ラインに沿ってウェーハの裏面側から該ウェーハに透過性を有するレーザビームを照射し、集光させて、多光子吸収によりウェーハ中に分割の起点となる改質層を形成する。次に、該ウェーハに外力を作用させて該改質層からウェーハの厚さ方向にクラックを伸長させてウェーハを個々のチップに分割する。
上述のようなチップの作製工程に対して、例えば、特許文献1に記載されている通り、ウェーハの裏面側の研削と、チップへの分割と、を同時に実施する工程が検討されている。あらかじめ、ウェーハに改質層を形成しておき、その後、該ウェーハの裏面側を研削してウェーハを薄化するとともに、研削で生じた力により該改質層からクラックを伸長させて、ウェーハを分割する。このように、分割と研削とを同時に実施すると工程を簡略化できる。
さらに、ウェーハの裏面からレーザビームを照射して改質層を形成する際に、レーザ加工装置のレーザ照射条件を調整して、改質層を形成するとともに該改質層からウェーハの表面に至るクラックを形成する工程が検討されている。
国際公開第03/077295号
該改質層を形成する際に該改質層からウェーハの表面に至る該クラックを形成すると、ウェーハの表面には分割予定ラインに沿って該クラックが露出する。該クラックの両壁面は該クラックが形成される前は結合しており、該クラックが形成されるとクラックが占める空間の分だけ該両壁面が移動する。
複数の分割予定ラインのすべてに該クラックが形成されると、ウェーハの表面には、外周方向に向かう力(ストレス)がかかる。一方で、ウェーハの裏面にはそのような力がかからない。そのため、ウェーハは裏面を内側とするように反ってしまう。
改質層を形成した後、ウェーハの裏面側を研削するためにウェーハをレーザ加工装置から研削装置等に搬送し、ウェーハの表面を下側に向けた状態でウェーハを該研削装置のチャックテーブル上に載置する。該研削装置では、ウェーハを該チャックテーブルに吸引保持させて、研削ホイールとチャックテーブルとをそれぞれ回転させながら、研削ホイールとウェーハと接触させて研削を実施する。
しかし、ウェーハが裏面を内側とするように反ると、レーザ加工装置の搬送機構がウェーハを適切に吸引保持できず、ウェーハを搬送できない場合がある。さらに、ウェーハを研削装置に搬送できたとしても、ウェーハの表面を下側に向けてチャックテーブルに載置した際、ウェーハが反っていると該表面がチャックテーブルから部分的に浮いてしまう。すると、チャックテーブルから負圧を作用させて該ウェーハを吸引保持しようとしても、浮いている部分で負圧がリークし、適切な吸引保持が困難となる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウェーハの反りを軽減し、ウェーハの搬送を容易にして、該ウェーハの吸引保持を可能とするウェーハの加工方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、第1の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインと、該第1の方向に交差する第2の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインと、で区画された各領域にそれぞれデバイスが形成された表面を有するウェーハの加工方法であって、該第1の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインのそれぞれに沿って、一端の分割予定ラインから順に他端の分割予定ラインに至るまで、該ウェーハに対して透過性を有する波長の第1のレーザビームと、該ウェーハに対して透過性を有する波長の第2のレーザビームと、を分割予定ライン毎に交互に該ウェーハ内部に照射し、該分割予定ラインのそれぞれに沿って改質層を形成するレーザ加工ステップと、レーザ加工ステップを実施した後、該ウェーハを裏面側から研削して所定厚みへと薄化し、該ウェーハを個々のチップに分割する研削ステップと、を備え、該第1のレーザビームと、該第2のレーザビームと、の一方は、該改質層から該ウェーハの該表面に至るクラックを発生させる照射条件で照射され、該第1のレーザビームと、該第2のレーザビームと、の他方は、該改質層から該ウェーハの該表面に至るクラックが発生しない照射条件で照射されることを特徴とするウェーハの加工方法が提供される。
本発明の一態様に係るウェーハの加工方法によると、レーザ加工ステップでは、ウェーハの表面の複数の分割予定ラインに沿って形成された改質層のすべてから該表面に至るクラックを生じさせるのではなく、一部の分割予定ラインにのみ該クラックを形成する。つまり、残りの分割予定ラインにはクラックを形成しないので、その分ウェーハの反りは軽減される。
ウェーハの反りが軽減されると、ウェーハが搬送機構により搬送されやすくなり、また、研削装置のチャックテーブルに吸引保持されやすくなる。ウェーハの表面に至るクラックが全く存在しなければウェーハは反らないが、ウェーハを個々のチップに分割しにくくなる。該表面に至るクラックが適度に形成されると、ウェーハをチップに分割しやすくなるうえ、ウェーハの反りによる問題も抑制できる。
また、ウェーハの裏面を研削する前にすべての改質層から表面に至るクラックが発生していると、ウェーハの裏面を研削してウェーハを薄化するときに、ウェーハは該クラックにより早々に分割される。そして、研削加工はウェーハが個々のチップに分割された後にも継続される。すると、さらなる研削により力がかかり個々のチップが該表面に平行な面内を動き、チップ同士が衝突するようになる。特にチップの角部同士が衝突すると、欠けや不要なクラック等の損傷がチップに生じ易い。
一方、すべての改質層から表面に至るクラックを生じさせず、一部の改質層からだけ表面に至るクラックを生じさせ、残りの改質層からは表面に至るクラックを生じさせていなければ、研削の際にウェーハの分割は急速には進行しない。すなわち、研削を開始すると、まず、該クラックが存在する箇所でウェーハは分割され、次に残りの改質層が存在する箇所で該改質層からウェーハの厚さ方向にクラックが伸長してウェーハが分割される。つまり、研削加工時にウェーハの分割は段階的に進行する。
研削が段階的に進行すると、分割の初期段階では改質層から表面に至るクラックが存在しない箇所で結合が維持され、複数のチップの結合体が形成される。該結合体は、個々のチップよりも大きいため、研削による力が加わっても動きにくく、該結合体がさらに個々のチップに分割されるまでの間、該結合体同士の衝突は抑制される。よって、本発明の一態様により、形成されるチップの損傷を低減できる。
したがって、本発明の一態様により、ウェーハの反りを軽減し、ウェーハの搬送を容易にして、該ウェーハの吸引保持を可能とするウェーハの加工方法が提供される。
複数の分割予定ラインの一例を説明するウェーハの表面の平面図である。 図2(A)は、改質層と、該改質層からウェーハの表面に至るクラックと、を形成する場合を説明する断面模式図であり、図2(B)は、改質層を形成する際にウェーハの表面に至るクラックを形成しない場合を説明する断面模式図である。 研削ステップを説明する断面模式図である。
本発明に係る実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る被加工物であるウェーハ1の上面図を示す。該被加工物であるウェーハ1は、例えば、シリコン、SiC(シリコンカーバイド)、若しくは、その他の半導体等の材料、または、サファイア、ガラス、石英等の材料からなる基板である。
図1に示す通り、該ウェーハ1の表面1aは、第1の方向1cに平行な複数の分割予定ライン3aと、該第1の方向1cに交差する第2の方向1d(例えば、第1の方向1cに対して垂直な方向)に平行な複数の分割予定ライン3bと、で区画される。区画された各領域にそれぞれICやLED等のデバイス5が形成されている。ウェーハ1は、最終的に分割予定ライン3に沿って分割され、個々のチップが形成される。
さらに、第1の方向1cに平行な複数の分割予定ライン3aの一部の分割予定ラインを第1の分割予定ライン3cとし、第1の方向1cに平行な複数の分割予定ライン3aの残りの分割予定ラインを第2の分割予定ライン3dとする。図1に示される通り、第1の分割予定ライン3cと、第2の分割予定ライン3dと、は互いに交互に配される。なお、図1では、第1の分割予定ライン3cを一点鎖線で示し、第2の分割予定ライン3dを二点鎖線で示す。
後述のレーザ加工ステップでは、該第1の分割予定ライン3cに沿ってウェーハ1の内部に第1の改質層(後述)を形成するとともに、該第1の改質層からウェーハ1の表面1aに至るクラックを発生させる。また、該レーザ加工ステップでは、該第2の分割予定ライン3dに沿ってウェーハ1の内部に第2の改質層(後述)を形成する。なお、第2の改質層からウェーハ1の表面1aに至るクラックは発生させない。
改質層からウェーハ1の表面1aに至るクラックが形成されると、該クラックの両壁面を移動させるように力がかかる。該クラックがウェーハ1のすべての分割予定ライン3に形成される場合、該力の総計としてウェーハ1の表面1aにウェーハ1の外周に向いた力(ストレス)がかかり、ウェーハ1は裏面1bを内側にして反るようになる。そこで、本実施形態に係るウェーハの加工方法においては、分割予定ライン3のすべてに該クラックが形成されないようにする。
第1の方向1cに平行な複数の分割予定ライン3aを構成する第1の分割予定ライン3c及び第2の分割予定ライン3dは、図1に示す通り、交互に並ぶように配される。すなわち、該第1の改質層と、該第2の改質層と、は交互に並ぶように形成される。すると、表面1aに至るクラックが発生する改質層の数が全改質層の半数程度になり、ウェーハ1の表面1a側にかかる力を表面1a全体で均一に小さくできる。
本実施形態に係るウェーハの加工方法では、さらに第2の方向1dに平行な複数の分割予定ライン3bについても、第1の分割予定ラインと、第2の分割予定ラインと、を交互に設定してよい。この場合、第2の方向1dに平行な複数の分割予定ライン3bにも、その一部の分割予定ラインに沿って改質層から表面に至るクラックを形成する一方で、残りの分割予定ラインに沿っては該クラックを形成しないので、ウェーハ1の反りをさらに軽減できる。
次に、本実施形態に係るウェーハ1の加工方法について説明する。該加工方法では、レーザ加工ステップを実施する。該ステップでは、まず、複数の第1の分割予定ライン3cのうち一端の第1の分割予定ラインに沿って第1のレーザビームを該ウェーハ1内部に照射する。そして、該該1の分割予定ラインに沿って所定の深さに第1の改質層を形成するとともに、該第1の改質層からウェーハ1の表面1aに至るクラックを形成する。
その次に、複数の第2の分割予定ライン3dのうち該第1の分割予定ラインに隣接する第2の分割予定ラインに沿って第2のレーザビームを該ウェーハ1内部に照射し、該第2の分割予定ラインに沿って所定の深さに第2の改質層を形成する。なお、該第2の改質層からは、ウェーハ1の表面1aに至るクラックを形成しない。
そして、第1のレーザビームを照射していない複数の第1の分割予定ライン3cのうち該第2の分割予定ラインに隣接する第1の分割予定ラインに沿って、第1の改質層と、該改質層からウェーハ1の表面1aに至るクラックと、を形成する。
このように、隣接する複数の分割予定ラインに沿って、次々に第1のレーザビームと、第2のレーザビームと、を交互に照射し、ウェーハ1の表面1aに至るクラックを伴う第1の改質層と、該クラックを伴わない第2の改質層と、を交互に形成する。
図2(A)は、ウェーハ1中に改質層を形成するとともに、ウェーハ1の表面1aに至るクラックを形成する場合を示す断面模式図である。また、図2(B)は、ウェーハ1中に改質層を形成する際に、ウェーハ1の表面1aに至るクラックを形成しない場合を示す断面模式図である。なお、図2(A)及び図2(B)においては、説明の便宜上、一部の構成要素に付されるハッチングを省略している。
レーザ加工ステップで使用されるレーザ加工装置2は、ウェーハ1を吸引保持するチャックテーブル4と、レーザビームを発振する加工ヘッド8と、を備える。チャックテーブル4は、吸引源(不図示)と接続された吸引路(不図示)を内部に有し、該吸引路の他端がチャックテーブル4上の保持面6に接続されている。該保持面6は多孔質部材によって構成され、該保持面6上に載せ置かれたウェーハ1に該多孔質部材を通して該吸引源により生じた負圧を作用させて、チャックテーブル4はウェーハ1を吸引保持する。
加工ヘッド8は、第1のレーザビームを発振してウェーハ1の内部に集光する機能を有し、所定の深さに第1の改質層9aを形成するとともに該第1の改質層9aからウェーハ1の表面1aに至るクラック7を発生させる条件の第1のレーザビームを照射できる。
また、加工ヘッド8は、第2のレーザビームを発振してウェーハ1の内部に集光する機能を有し、所定の深さに第2の改質層9bを形成する条件の第2のレーザビームを照射できる。第2のレーザビームの照射条件では、第2の改質層9bからウェーハ1の表面1aに至るクラック7は形成されない。
なお、該第1のレーザビーム及び第2のレーザビームには、例えば、Nd:YVOまたはNd:YAGを媒体として発振され、ウェーハ1に対して透過性を有する波長のレーザビームが用いられる。
チャックテーブル4は、パルスモータ等を動力とする加工送り手段(不図示)により、レーザ加工装置2の加工送り方向(例えば、図2(A)及び図2(B)の矢印の方向)に送られる。ウェーハ1は、チャックテーブル4が加工送り方向に送られて加工送りされる。
レーザ加工ステップでは、まず、シリコンからなるウェーハ1の表面1aを下側に向け、レーザ加工装置2のチャックテーブル4の保持面6にウェーハ1を載せ置く。そして、該チャックテーブル4から負圧を作用させて、ウェーハ1を吸引保持させる。
次に、複数の第1の分割予定ライン3cの一端の分割予定ラインに沿って、図2(A)に示すように、レーザ加工装置2の加工ヘッド8からウェーハ1の裏面1bに第1のレーザビームを照射する。第1のレーザビームをウェーハ1の所定の深さに集光させ、第1の改質層9aとともにウェーハの表面1aに至るクラック7を形成する。該分割予定ラインに沿って第1の改質層9aと、ウェーハ1の表面に至るクラック7と、を形成した後、ウェーハ1を割り出し送りする。
その後、複数の第2の分割予定ライン3dのうち、該第1の改質層9aに隣接する分割予定ラインに沿って、図2(B)に示すように、レーザ加工装置2の加工ヘッド8からウェーハ1の裏面1bに第2のレーザビームを照射する。第2のレーザビームをウェーハ1の所定の深さに集光させ、第2の改質層9bを形成する。このとき、該第2の改質層9bからはウェーハ1の表面1aに至るクラックは形成されない。該分割予定ラインに沿って第2の改質層9bを形成した後、ウェーハ1を割り出し送りする。
レーザ加工ステップでは、このように、複数の分割予定ラインの一端の分割予定ラインから順に他端の分割予定ラインに至るまで、第1のレーザビームと、第2のレーザビームと、を交互に該ウェーハ内部に照射する。そして、ウェーハ1の表面1aに至るクラック7を伴う第1の改質層9aと、該クラック7を伴わない第2の改質層9bと、を交互に形成する。
なお、シリコンからなるウェーハ1に対して透過性を有する第1のレーザビームとして、例えば、波長1342nmのパルスレーザビームを用いる。出力を1.5W、繰り返し周波数を90kHzとし、ウェーハ1の送り速度を700mm/sに設定する。この照射条件でレーザビームをウェーハ1に照射すると、改質層9aと、該改質層9aからウェーハ1の表面1aに至るクラック7と、を形成できる。
また、シリコンからなるウェーハ1に対して透過性を有する第2のレーザビームとして、例えば、波長1342nmのパルスレーザビームを用いる。出力を1.2W、繰り返し周波数を90kHzとし、ウェーハ1の送り速度を700mm/sに設定する。すなわち、第2のレーザビームは、第1のレーザビームよりも出力の低いレーザビームである。この照射条件でレーザビームをウェーハ1に照射すると、改質層9bが形成される一方で、該改質層9bからウェーハ1の表面1aに至るクラック7は形成されない。
なお、第1のレーザビームと、第2のレーザビームと、は照射条件を入れ替えて用いてもよい。すると、複数の第1の分割予定ライン3cに沿って、ウェーハ1の表面1aに至るクラックを伴わない改質層9bが形成され、複数の第2の分割予定ライン3dに沿って、該クラックを伴う改質層9aが形成される。
また、改質層9a及び改質層9bは、表面1aからの深さが、作製される個々のチップの仕上がり厚さよりも深くなるように形成される。該仕上がり厚さよりも浅い深さに改質層が形成されると、ウェーハ1が個々のチップに分割されたときに、個々のチップの側面に該改質層が残り、該チップが衝撃等を受けたとき該改質層から欠けやクラック等の損傷が生じる場合がある。そのため、後述の研削ステップでウェーハ1を薄化する過程で改質層が研削により除去されるように、改質層の深さをこのように設定する。
例えば、最終的に作製されるチップの仕上がり厚さを50μmとする場合、ウェーハ1の表面1aからの深さが60μm以上90μm以下の範囲となるように改質層9a及び改質層9bを形成する。
また、ウェーハ1の表面1aに至るクラック7を伴う第1の改質層9aを形成する際、該クラック7をより確実に形成するために、改質層9aに加えて該改質層9aと重なるように2層目の改質層を形成してもよく、さらに改質層9aと重なるように3層目以降の改質層を形成してもよい。改質層9aと重なる改質層を形成すると、改質層9aからウェーハ1の表面1aに至るクラックの形成を促進できる。
改質層9aと重なる複数の改質層を形成するとき、表面1aに近い側から順に各層の改質層を形成する。すなわち、改質層9aを形成した後、該改質層9aと重なるように2層目の改質層を形成し、その次に3層目の改質層を形成する。これは、裏面1bからレーザビームを照射して各層の改質層を形成する場合、形成しようとする改質層よりも裏面1bに近い位置に先に他の改質層が既に形成されていると、レーザビームの照射の妨げとなるためである。
改質層9aと重なる2層目の改質層を形成するとき、改質層9aからウェーハ1の厚さ方向に60μm以上90μm以下の範囲で離間するように2層目の改質層を形成する。さらに、3層目の改質層を形成するとき、2層目の改質層からウェーハ1の厚さ方向に同程度離間するように3層目の改質層を形成する。すなわち、各層の改質層間の距離を改質層9aから表面1aまでの距離と同程度とする。
改質層9aと重なる改質層を形成するときのレーザビームの照射条件は、集光深さ以外の条件を改質層9aを形成するときに用いる第1のレーザビームの照射条件と同じに設定する。または、第1のレーザビームの照射条件よりも出力を弱めた照射条件に設定する。
レーザ加工ステップを実施すると、第1の方向1cに平行な分割予定ライン3aのすべてに沿って、改質層が形成される。そして、チャックテーブル4を回転させてウェーハ1を加工送りする方向を切り替えてレーザビームを照射し、すべての分割予定ラインに沿って改質層を形成する。
第2の方向1dに平行な複数の分割予定ライン3bについても、表面に至るクラックを伴う改質層と、該クラックを伴わない改質層と、を交互に形成してもよい。その場合、第2の方向1dに平行な複数の分割予定ライン3bについても、同様にレーザ加工ステップを実施する。
次に、図3を用いて研削ステップについて説明する。図3は、研削ステップにおけるウェーハ1の断面を模式的に説明する部分断面図である。本図では、説明の便宜上、一部の構成要素に付すハッチングを省略している。該研削ステップは、レーザ加工ステップが実施された後に実施される。該研削ステップでは、ウェーハ1の裏面1b側が研削されウェーハ1が所定の厚さに薄化されるとともにウェーハ1が個々のチップへと分割される。
本ステップでは研削装置10が用いられる。研削装置10は、研削ホイール14に垂直な回転軸を構成するスピンドル12と、該スピンドル12の一端側に装着され下側に研削砥石16を備える円盤状の研削ホイール14と、を備える。該スピンドル12の他端側にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、該モータが該スピンドル12を回転させると、該スピンドル12に装着された研削ホイール14も回転する。
また、研削装置10は、研削ホイール14と対面し研削の対象を保持するチャックテーブル18を有する。チャックテーブル18の上面には、吸引源(不図示)に接続された多孔質部材が配される。なお、チャックテーブル18は、その保持面20に略垂直な軸の周りに回転可能である。
研削ステップでは、まず、ウェーハ1の表面1aを下側に向け、チャックテーブル18の保持面20上にウェーハ1を載せ置く。そして、該多孔質部材を通して該吸引源による負圧を作用させて、ウェーハ1をチャックテーブル18上に保持させる。
このとき、ウェーハ1に形成されたすべての改質層9からウェーハ1の表面に至るクラック7が発生していると、ウェーハ1は激しく反る。すると、ウェーハ1の表面1aを下側に向け、チャックテーブル18の保持面20上にウェーハ1を載せ置くと、ウェーハ1の表面1aと、保持面20と、の間に大きな隙間を生じる。そのため、チャックテーブル18から負圧を作用させてウェーハ1を該チャックテーブル18に吸引保持させようとしても、隙間から負圧がリークしてしまうため吸引保持は困難である。
一方、本実施形態に係るウェーハの加工方法においては、ウェーハ1に形成された一部の改質層9からウェーハ1の表面1aに至るクラック7が発生しているが、他の改質層9からは該クラックが発生していない。そのため、ウェーハ1の反りが軽減される。すると、該ウェーハ1をチャックテーブル18に載せ置いたときに、ウェーハ1の表面1aと、保持面20と、の間の隙間は小さくなり、チャックテーブル18からウェーハ1に適切に負圧を作用しやすくなるため、吸引保持が容易となる。
ウェーハ1をチャックテーブル18に吸引保持させた後、チャックテーブル18を回転させ、さらに、スピンドル12を回転させて研削ホイール14を回転させる。そして、研削ホイール14を下降させ研削砥石16がウェーハ1の裏面1bに接触すると、該裏面1bの研削が開始される。研削ホイール14をさらに下降させてウェーハ1を所定の厚さに薄化する。なお、研削加工中に改質層からウェーハ1の厚さ方向にクラックが伸長し、該クラックがウェーハ1を厚さ方向に貫くと、該クラックによりウェーハ1は分割される。
すべての改質層9から表面1aに至るクラック7が形成されている場合、研削ステップでは、ウェーハ1は該クラック7により早期に個々のチップに分割される。そして、研削はその後も継続され、研削により該表面1aに平行な面内を動くように各チップに力がかかり、チップ同士が衝突する。特にチップの角部同士が衝突すると、大きな衝撃が生じて欠けや不要なクラック等の損傷がチップに生じてしまう。
一方、本実施形態においては、一部の改質層9から表面1aに至るクラック7を生じさせ、残りの改質層9からは表面1aに至るクラック7を生じさせないため、研削ステップではウェーハ1の分割は段階的に進行する。すなわち、研削が進行すると、まず表面1aに至るクラック7が存在する箇所でウェーハ1は分割される。次に、該クラック7が生じていない改質層9が存在する箇所でウェーハ1は分割される。
分割が段階的に進行すると、表面1aに至るクラック7の存在する箇所でウェーハ1が分割される際、該クラック7が存在しない箇所では結合が維持され、複数のチップの結合体が形成される。該結合体は、個々のチップよりも大きいため、研削による力が加わっても該チップよりも動きにくく、該結合体がさらに個々のチップに分割されるまでの間、該結合体同士の衝突は抑制される。したがって、本発明の一態様により、形成されるチップの損傷を低減できる。
そして、すべての改質層からクラックが伸長し、該クラックがウェーハ1を上下に貫き、ウェーハ1がチップの仕上がり厚さにまで研削されると、個々のチップが形成される。
以上に説明したウェーハの加工方法により、ウェーハ1の反りが軽減されウェーハ1の吸引保持が可能となり、適切にウェーハ1を研削して個々のチップを形成できる。
なお、本発明は、上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態に係るレーザ加工ステップでは、平行に並ぶ複数の分割予定ラインに沿って、次々と照射条件を交互に切り替えてレーザビームを照射する場合について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、複数の第1の分割予定ライン3cのすべてに第1のレーザビームを照射し、その前後に第2の分割予定ライン3dのすべてに第2のレーザビームを照射してもよい。
レーザビームの照射条件を頻繁に切り替えないようにすると、加工ヘッド8から照射されるレーザビームを安定化でき、形成される改質層やウェーハの表面に至るクラックにムラが生じにくい。ただし、複数の第1の分割予定ライン3cのすべてに第1のレーザビームを照射するために割り出し送りを繰り返した後、複数の第2の分割予定ライン3dのすべてに第2のレーザビームを照射するために、割り出し送りの繰り返しをもう一度行うこととなる。
その一方で、上記実施形態に係るレーザ加工ステップでは、割り出し送りの総距離を最小限にできるため、レーザ加工に要する時間を最小にできる。
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
1 ウェーハ
1a 表面
1b 裏面
1c 第1の方向
1d 第2の方向
3 分割予定ライン
3a 第1の方向に平行な分割予定ライン
3b 第2の方向に平行な分割予定ライン
3c 第1の分割予定ライン
3d 第2の分割予定ライン
5 デバイス
7 ウェーハの表面に至るクラック
9 改質層
9a 第1の改質層
9b 第2の改質層
2 レーザ加工装置
4 チャックテーブル
6 保持面
8 加工ヘッド
10 研削装置
12 スピンドル
14 研削ホイール
16 研削砥石
18 チャックテーブル
20 保持面

Claims (1)

  1. 第1の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインと、該第1の方向に交差する第2の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインと、で区画された各領域にそれぞれデバイスが形成された表面を有するウェーハの加工方法であって、
    該第1の方向に平行に並ぶ複数の分割予定ラインのそれぞれに沿って、一端の分割予定ラインから順に他端の分割予定ラインに至るまで、該ウェーハに対して透過性を有する波長の第1のレーザビームと、該ウェーハに対して透過性を有する波長の第2のレーザビームと、を分割予定ライン毎に交互に該ウェーハ内部に照射し、該分割予定ラインのそれぞれに沿って改質層を形成するレーザ加工ステップと、
    レーザ加工ステップを実施した後、該ウェーハを裏面側から研削して所定厚みへと薄化し、該ウェーハを個々のチップに分割する研削ステップと、を備え、
    該第1のレーザビームと、該第2のレーザビームと、の一方は、該改質層から該ウェーハの該表面に至るクラックを発生させる照射条件で照射され、
    該第1のレーザビームと、該第2のレーザビームと、の他方は、該改質層から該ウェーハの該表面に至るクラックが発生しない照射条件で照射されることを特徴とするウェーハの加工方法。
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