JP2018061683A - 自走式電気掃除機及び自走式電気掃除機セット - Google Patents
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Abstract
Description
[自走式電気掃除機1]
図1は、本実施形態に係る自走式電気掃除機1の斜視図である。本実施形態の自走式電気掃除機1は、自律的に駆動して清掃を行うものであり、後述のとおり、小形化に寄与する種々の構成を有している。
自走式電気掃除機1は、掃除領域(例えば、室内)を自律的に移動しながら掃除する掃除機である。自走式電気掃除機1は、上壁(及び一部の側壁)である上ケース111、底壁(及び一部の側壁)である下ケース112、及び前部に設置されるバンパ18、を含んで構成される本体11を備える。
本実施形態の自走式電気掃除機1は、小形軽量かつ比較的高速で移動し、清掃領域を複数回清掃することを想定した自走式電気掃除機である。具体的には、前後寸法及び左右寸法がともに300mm以下、好ましくは280mm以下又は260mm以下であり、高さ寸法が100mm以下、好ましくは95mm以下である。このような寸法にすることが好ましい理由は後述する。このような小形形状の利点を発揮しつつ、自走式電気掃除機1に搭載すべきパーツを収容する容積を確保するために、自走式電気掃除機1は、直径300mm以下、好ましくは280mm以下又は260mm以下の円内に収まる形状であることが好ましい。
図24の横軸は椅子の脚間距離であり、椅子の左右の脚の間隔を「a:脚間隔正面」、椅子の前後の脚の間隔を「b:脚間隔側面」としている。縦軸は、横軸に示す椅子の脚間距離において、調査対象の椅子が含まれる割合(寸法カバー率)を示している。すなわち、横軸に示す脚間距離の値と同じ、或いはそれよりも大きい脚間距離を有する椅子がどの程度あるかを示している。なお、発明者らが調査した対象の椅子は約150脚である。
本実施形態の自走式電気掃除機1は、小さく軽くして、さらに移動速度を比較的早いものにすることで、狭いところや低いところにも入り込んで清掃可能領域を拡げ、清掃領域の同じ部分を複数回通過することを想定している。すなわち一度の通過ではなく複数回の通過で塵埃を除去することを想定しており、このため、電動送風機を小形なものにしている。
自走式電気掃除機1を小形にすることは、家具の隙間等に入り込む観点からは好ましいが、清掃領域の観点からは、自走式電気掃除機1を小形にしつつも回転ブラシ14の幅は大きくすることが望まれる。回転ブラシ14の幅(軸方向寸法。図3のL1等参照)は、自走式電気掃除機1の幅(左右寸法。図3のL2等参照)に対して51%以上である。また、具体的には、自走式電気掃除機1の左右方向端部から回転ブラシ14の端部までの距離(図3のL3等参照)が65mm以下、好ましくは60mm以下であり、回転ブラシ14の幅が120mm以上、好ましくは130mm以上とされている。
図2は上ケース111とダストケース4を取り外した状態の斜視図、図3は自走式電気掃除機1の底面図、図4は、図1のA−A線で切断した断面図、図5は吸口部113、塵埃センサユニット12およびダストケース4の斜視図である。
下ケース112は、駆動輪116、走行モータ1161、アーム1141、及び減速機構1142を含んで構成される駆動機構を収容する駆動機構収容部114、並びに、サイドブラシ取付部1121、走行モータ1161、回転ブラシモータ1133、電動送風機16、充電池19、充電池19を収納する電池収容部115(図4参照)、制御装置2、及び吸口部113が取付られている薄型の円板状の部材である。
本体11内に設けられる部材中、比較的重量のあるものは、充電池19及び電動送風機16である。充電池19の方が電動送風機16よりも重いことが多い。本実施形態の本体11の重量バランスをとるべく、まず、電動送風機16が下ケース112の略中央に設けられており、充電池19が前側に設けられている。
自走式電気掃除機1は、2つの略円を接続した形状であり、前側の曲率半径は後側の曲率半径よりも大きい。具体的には、サイドブラシ15が設けられている前後位置における幅が、回転ブラシ14が設けられている前後位置における幅よりも大きい。こうすることで、サイドブラシ15を左右外側に配置して広い範囲の塵埃を収集できるようにしつつ、回転ブラシ14の端部から自走式電気掃除機1の幅方向端部までの寸法を抑制して、回転ブラシ14をより壁際に近づけることができる。壁際を走行する場合、自走式電気掃除機1を左右に揺動させつつ清掃させれば、特に、サイドブラシ15の清掃領域を広げつつ、回転ブラシ14を壁際に寄せることができる。
下ケース112について、回転ブラシ14の左右方向外側それぞれ(真左外側及び真右外側)には、下ケース112の底面に設けた凸部である後方突起1123の少なくとも一部が設けられている。後方突起1123それぞれの少なくとも一部は、駆動輪116の真後方にも位置している。
図3等に示す駆動機構収容部114に収容される駆動機構は、駆動輪116を本体11に支持する機構である。駆動機構は、走行モータ1161、駆動輪116を左右内側から支持するアーム1141、及び減速機構1142を含む。アーム1141は、2つの駆動輪116の間に設けられており、一端が前後方向に延在する回動軸、他端が駆動輪116に接続した部材であり、回動軸まわりの回動によって駆動輪116それぞれを回動させることができる部材である。回動軸それぞれは、2つの駆動輪116の間、特に本実施形態においては、駆動輪116それぞれ及び中央突起1124,突起1125の間に位置している。
図4等に示す様に、電池収容部115は、内部に充電池19を収容する空間であり、下ケース112の中心よりも前側に位置している。電池収容部115は、充電池19を交換するために下向きの開口を有して構成される。なお、電池収容部115の左右には、サイドブラシ15を取り付けるサイドブラシ取付部1121が形成されている。
図3等に示す様に、駆動輪116はそれぞれ、減速機構1142それぞれを介して走行モータ1161それぞれの駆動力を受ける部材である。これにより駆動輪116自体が回転することで本体11を前進、後退、旋回させることができる。駆動輪116は、左右両側に配置されている。
図3等に示す様に、前方蓋117は、下ケース112前端側に形成された電池収容部115(図4参照)の開口を下ケース112の下面から塞ぐ略長方形板状の部材である。また、前方蓋117は、下ケース112の中心側付近に補助輪17を取り付ける円形の補助輪取付部1122を備える。
図20は、補助輪17の拡大斜視図である。図3,20等に示す様に、補助輪17は、下ケース112を床面から離間させつつ自走式電気掃除機1を円滑に移動させるための補助的な車輪であり、下ケース112に設けられている。補助輪17は、駆動輪116による本体11の移動に伴い床面との間で生じる摩擦力によって従動回転するように固定軸173によって支持されている。
なお、接地輪17を後述する従動ローラ1186に読み替えて、円板部172と同様の構成を気密部材118に設けても良い。
バンパ18は、外部から作用する押圧力に応じて前後方向、好ましくはさらに左右方向、で移動可能に設置されている。バンパ18は、左右一対のバンパばね(図示省略)によって前方向に付勢されている。バンパ18を介して障害物からの抗力がバンパばねに作用すると、バンパばねは変形し、バンパ18を前方向に付勢しつつバンパ18の後退を許容する。バンパ18が障害物から離れて抗力がなくなると、バンパばねの付勢力によってバンパ18は元の位置に戻る。ちなみに、バンパ18の後退(つまり、障害物との接触)は、バンパセンサ(赤外線センサ)によって検知され、その検知結果が制御装置2に入力される。障害物等の接触位置に応じてバンパ18の変位量が異なるため、本体11に対する障害物等の位置を検知することも可能である。
掻取りブラシ13は表面の一部又は略全部に植毛を備え、後述する回転ブラシ14と略平行な方向に軸を有するブラシであり、本実施形態では床面との接触により従動回転又は回動する。回動の場合は、ストッパ等を設けることで回動範囲を規制する。掻取りブラシ13の植毛の高さ位置は、フローリング(板の間)を掃除する場合は、床面から先端が0.5mm程度離間していることが好ましい。また、掻取りブラシ13の植毛の位置は、絨毯上を掃除する場合は、絨毯の毛と重なることが好ましい。このため、掻取りブラシ13は絨毯表面から塵埃を掻き出すように回収できる。
図19は、回転ブラシ14の斜視図である。回転ブラシ14は、駆動輪116の回転中心を通る軸(左右方向)に略並行に配置されている(図3参照)。回転ブラシ14は、水平方向(本実施形態では左右方向)に回転軸を有する円筒形であり、吸口部113に回転可能に支持されている。回転ブラシ14は、回転ブラシモータ1133(図2参照)により駆動力を受けて回転駆動する。回転ブラシ14は、軸部141の外周面から法線方向に突出する複数の植毛142を備えている。回転ブラシ14の植毛142は、長さが異なる植毛、硬さが異なる植毛など複数種類の植毛を備え、各植毛が回転軸に対してらせん状に列をなす様に配設されている(図19参照)。
図21は気密部材118を本体11から取り外した状態の分解斜視図、図22は気密部材118の裏面斜視図である。
回転ブラシ14の下方に位置する部分には、気密部材118が取付けられている。気密部材118は、自走式電気掃除機1の下面視において、回転ブラシ14下方の領域を前後方向に亘って設けられる架橋部1181、左右方向に延在する揺動軸1182、及び回転ブラシ14を囲む形状の枠体部1183、気密部材118を取り外す際に用いる取外し爪1184、架橋部1181及び枠体部1183を下方に付勢する付勢部1185、並びに、従動ローラ1186を有する。
図3等に例示するサイドブラシ15は、部屋の隅など、本体11よりも外側にあり、回転ブラシ14を届かせることが容易ではない場所の塵埃を吸口部113(吸引口1131)に導くブラシである。サイドブラシ15の回転軸は上下方向であり、サイドブラシ15の一部は平面視で本体11から露出している。サイドブラシ15は、平面視において120°間隔で放射状に延びる3束のブラシを有し、下ケース112の前方左右側それぞれに配置されている。サイドブラシ15は、その根元がサイドブラシホルダ151に固定されている。
図4に示す電動送風機16は、前後方向に軸を持つファンを有し、ファンが回転駆動することでダストケース4内の空気を外部に排出して負圧を発生させ、床面から吸引口1131(吸口部113)を介して塵埃を吸い込む機能を有している。電動送風機16の外周面には弾性体161が設置されている。このように弾性体を介在させることで、電動送風機16の振動が減衰して本体11に伝わりにくくなり、本体11の振動、騒音を低減できる。なお、本実施形態では、電動送風機16は下ケース112の中心付近に配置されている。また、複数回の清掃領域の通過を想定しているため、電動送風機16は比較的小型のものを採用することが好ましく、その直径は上述の通り70mm以下にすることができる。一方、部屋等を清掃する自走式電気掃除機1として十分に機能させるには、その直径は50mm以上であることが好ましい。
図6は吸口部113、塵埃センサユニット12およびダストケース4の分解斜視図、図7は塵埃センサユニット12の正面図、図8は塵埃センサユニット12の右側面図である。
吸口部113は、ダストケース4に連通する吸引口1131が形成されるとともに、掻取りブラシ13、回転ブラシ14を収容する部材である。吸口部113には、回転ブラシモータ1133が取付けられていても良い。吸引口1131より上流側(回転ブラシ14側)は、回転ブラシ14が収納されるスペースであり、吸引口1131より断面積が大きい。
塵埃センサユニット12は、吸口部113とダストケース4との間に配置される。
塵埃センサユニット12は、枠121、枠121に設けられて互いに対向する発光部122及び受光部123、枠121のダストケース4側に取付けられた密着部材124、及び基板127を有する。塵埃センサユニット12は、吸口部113及びダストケース4とは別部材として形成されており、枠121を吸口部113に接触させ、この状態で取り付けることにより、発光部122、受光部123、コネクタ126及び密着部材124を同時に取付け可能である。このため、本実施形態の塵埃センサユニット12は、組立性に優れている。
枠121は、発光部123及び受光部124を結ぶ光軸に空間を確保しつつ、枠121自体又はこの近傍に発光部123及び受光部124を取付可能な部材である。本実施形態の枠121は、長手方向及び短手方向を持つ形状であり、例えば矩形状にすることができる。本実施形態では略長方形状である。枠121の長手方向の一方には、受光部123及び基板127が取付けられている。枠121の長手方向の他方には、発光部122が取付けられている。なお、発光部122及び受光部123は、枠121の短手方向に設けてもよい。また、枠121は正方形状、円形状、楕円形状、卵型等であってもよい。
発光部122及び受光部123は、互いに対向しており、発光部122が発する赤外線等の光は、受光部123によって受光される。発光部122が発するものは、光に限られず、超音波等、塵埃の有無を検知可能であれば種々公知のものでよい。発光部122及び受光部123を同じ側に設けても良いが、小形化の観点等からは対向させる方が好ましい。
基板127は、発光部122の駆動回路、受光部123の増幅回路、増幅した信号を或る基準電圧と比較することにより塵埃の通過による受光量の減少をパルスとして出力するコンパレータなどを搭載できる。コンパレータに代えて又は追加して、受光部123の受光量が継続して減少していることを検出できるようにしても良い。この場合、ダストケース4が満杯であるか否かを推測できる。
密着部材124は、枠121の周縁形状に合せた形状であり、本実施形態では中空の略長方形状である。枠121の形状は、吸引口1131の形状に合せられている。密着部材124としては、パッキン等を採用できる。
このように構成された塵埃センサユニット12は、発光部122と受光部123を一体で保持できるので、光軸を一致させることが容易である。また、受光部123と基板127とを近接して配置できるので、受光部123から増幅回路までの距離を短くすることができ、微弱な信号である受光部123の出力に対する電磁雑音の影響を少なくすることができる。また、発光部122の配線125も塵埃センサユニット12内で一体化しており、制御装置2と電気的に接続する際も、配線(図示せず)をコネクタ126に接続するだけでよく、組立性に優れている。
図9は、図7のC−C断面図である。塵埃センサユニット12について、枠121に平行な方向(主方向に垂直な方向)のうち、発光部122及び受光部123の対向方向に略垂直な方向を非対向方向と呼称する。枠121のうち、吸引口1131側の非対向方向の幅をa、ダストケース4側の非対向方向の幅をbとすると、a≒bかつa<bである。これにより主方向に垂直な面の断面積が必要以上に狭まり損失が増えるのを抑えている。また、枠121が囲む領域の中心線90(主方向に略平行である。)を、寸法a及びbの中点を通る直線とする。すなわち、図9に例示するようにa1=a2=a/2、b1=b2=b/2が成り立つ直線を考えると、a1及びb1は中心線より上方側、a2及びb2は中心線より下方側である。このとき、発光部122および受光部123は、非対向方向について、中心線90より下方側に配置されている。塵埃は空気より重く、中心線90の下側を通過する確率が高いため、下方側に発光部122及び受光部123を設けることで、高精度に塵埃を検知可能である。
枠121に平行な方向のうち、発光部122及び受光部123の対向方向に略平行な方向を対向方向と呼称する。吸引口1131側の対向方向の幅をe、ダストケース4側の対向方向の幅をdとすると、e>dである。すなわち、枠121の対向方向の幅は、ダストケース4側に向かうにつれて小さくなる。これにより、塵埃を含む空気は矢印91の方向に流れるところ、慣性により、塵埃は壁面から離れて流れる。このため、透明樹脂キャップ1239の傷や汚れを抑えることができる。
図11はダストケース4を本体11から取り外した状態の斜視図、図12は自走式電気掃除機1のうち、ダストケース4が装着される本体11の領域を含む斜視図、図13は図12の要部拡大図、図14は図5のB−B断面図、図15は小道具収容部1102及び小道具95を含む斜視図、図16はダストケース4を取付けた本体11の後方斜視図である。
ダストケース4は、床面から吸引口1131(吸口部113)を介して吸い込まれた塵埃を蓄積する容器である。ダストケース4は、吸引口1131側に形成されたダクト42、回収した塵埃を主に蓄積する主蓄積室41、蓄積した塵埃をフィルタ46側(上方側)から取出し可能とする蓋45、回動して主蓄積室77下方側(ダクト42側)の開口を開閉可能な逆流抑制弁44、及び折り畳み可能なハンドル43を備える。ダストケース4は、本体11の斜め上から斜め下に向けて取り付けられる。
主蓄積室41は、例えば樹脂材で形成され、空間を内包する領域であり、蓋45及び逆流抑制弁44によって塵埃が空間から外側に漏れることを抑制している。蓋45は、主蓄積室41の水平方向側の開口を塞ぐことができ、逆流抑制弁44は、主蓄積室41の下方側の開口を塞ぐことができる。主蓄積室41が内包する空間の断面積は、枠121の断面積より大きい。ここでいう主蓄積室41が内包する空間の断面積としては、例えば、フィルタ46に垂直な方向の断面積とすることができる。
ダクト42は、主蓄積室41の下方側に一端を、逆流抑制弁44によって開閉可能にされる他端を、有している。ダクト42は、吸引口1131から主蓄積室41までの道程の一部、略全部又は全部を形成するダストケース4と一体の部分である。本実施形態のダクト42は、一端側が略上下方向に延在し、途中から他端側に向けて斜め下方向に延在する形状であるが、後者のみ、すなわち、他端側に向けて斜め下方向に延在する部分のみから成っていても良い。
ハンドル43は、主蓄積室41の上側を回動軸として回動可能に設けられている部材であり、把持部431、抜け止め部432、作用点部433、係止部434を有する。ハンドル43は、回動軸より前方から回動軸より上方までの概ね90°〜100°程度を回動できる。後述する作用点部433及び係止部434の両者の作用を奏するべく、回動加納範囲は90°超、概ね135°以下、好ましくは120°以下であることが好ましい。ここでは、把持部431が寝た状態(係止部434に係止された状態)を回動角0°としている。なお、図16に例示するような状態が、回動角概ね90°である。
ダストケース4は、後方上側が後方に出っ張った形状であり、本体11に取付けられた際に、後方上側が自走式電気掃除機1の側面の一部を形成する(図16等参照)。このため、本体11について、ダストケース4中の後方上側領域の真下にあたる領域もまた、自走式電気掃除機1の側面の一部を形成する。本実施形態では、この本体11による側面の一部の近傍に、図15等に例示するような小道具収容部1102を設け、小道具の一例としての清掃用ブラシ95を収納している。清掃用ブラシ95は、例えば、ダストケース4内をユーザが清掃するために用いることができるものであり、本体11の外周形状に沿って曲がった形状である。清掃用ブラシ95は、刷毛951及び冶具部952を有する。刷毛部951は、ダストケース4等の清掃時に用いることができ、冶具部952は、サイドブラシ15を取り外す際に用いることができる。
逆流抑制弁44は、ダクト42の他端としての開口を塞ぐことができる主面441、主面441に一体又は別体で取り付けられ、主面441に略平行な方向について、ダクト42より外側に突出した突出部442、及び、主面441及び突出部442を回動させる方向に付勢する付勢部443を有している。本実施形態では、突出部442は主面441に略平行な方向の外側それぞれに設けられている。
このため、外力が働かない状態では、逆流抑制弁44はダクト42の他端を塞いでいる。
特に図14に例示するように、主方向について、塵埃センサユニット12の寸法92は、ダクト42の他端側の寸法93より短い。すなわち、吸引口1131から主蓄積室41までを接続する道程の一部、好ましくは寸法92より多くを、ダクト42の他端側の寸法93が形成している。これにより、吸引口1131から主蓄積室41までの領域にダストケース4の一部を設けることができるため、ダストケース4の容積を拡大できる。
上述のように、ダストケース4が本体11に装着されている状態では、逆流抑制弁44は、回転ブラシ14の上側に格納されている。ダストケース4を本体11から取り外すと、付勢部443の付勢力により逆流抑制弁44は回動し、ダクト42側他端の開口を塞ぐ。これにより、ダクト42内に塵埃が蓄積されていても、ダストケース4から塵埃がこぼれ落ちることを抑制できる。なお、主面441は、平板状でも良いし、塵埃の通過を抑制できる程度のメッシュ状でも良い。
自走式電気掃除機1が塵埃を吸引すると、吸引した塵埃はまず主蓄積室41に蓄積されていき、主蓄積室41が満杯になるとダクト42にも蓄積される。ダクト42が重力方向より水平方向側を向いた斜め下向きであるため、ダクト42から塵埃が落下することを抑制できる。また、水平方向より重力方向側を向いているため、主蓄積室41が満杯になってから比較的すぐにダクト42に塵埃が蓄積され易く、塵埃センサユニット12により塵埃を検出し易い。
発光部122の光が瞬間的に遮られると、受光部123の受光量はパルス的に減少する。これにより、塵埃がダストケース4に向けて通過していることを検知できる。本実施形態では、主方向における断面積について、吸引口1131より回転ブラシ14側は大きく、枠121やダクト42では小さく、主蓄積室41では大きくなっている。すなわち、回転ブラシ14の収納空間から主蓄積室41までの道程における断面積は、枠121及び/又はダクト42で最小である。このため、吸込まれる塵埃は、ダクト42の形状に合わせられて断面積が小さい枠121に集中する。発光部122及び受光部123は、枠121に設けられているため、塵埃の多くは発光部122及び受光部123の間を通過する。すなわち、塵埃量を高精度に測定できる。
図17は上ケース111を取り外した自走式電気掃除機1の斜視図、図18は図1のE−E断面図である。
自走式電気掃除機1の上下寸法を小形とするべく、本体11の上下寸法は電動送風機16の上下寸法と略同一にされている。図17に例示するように、上ケース111を取り外した状態だと、電動送風機16の上面の一部を覆う凸形状162が見えるように構成されている。これにより、本体11の上下寸法の小形化に寄与する。なお、本体11の底面側が、下面視で電動送風機16に重なる位置に、下方に突出した凸形状を有していても良い。
自走式電気掃除機1は、左側及び右側それぞれにサイドブラシ15を有している。本実施形態では、サイドブラシ15の回転速度をそれぞれ変更可能な構成としている。具体的には、自走式電気掃除機1が、左側に壁が位置するように走行する壁際清掃モードを実行している場合、壁が位置する側と同じ側である左側のサイドブラシ15の回転速度を、他方のサイドブラシ15の回転速度よりも速くするように制御する。これにより、壁際の清掃をより効果的に行うことができる。壁際清掃モードは、種々公知の方法により実行することができるが、例えば、本体11の左側に設けた測距センサ210が壁面(障害物)を検出し続けるように走行制御させることで実現できる。
サイドブラシ15それぞれは、充電池19の電力によって駆動するサイドブラシモータ152によって駆動している。本実施形態では、サイドブラシモータ152としてDCモータを採用している。DCモータは、時間平均で出力する電圧が同値であっても、デューティ比が高い(電圧印加時間が長い)方が高いトルクを伝達することができる。サイドブラシ15は、壁や障害物に接触していると、その摩擦によってトルクが減少するため、清掃効率が低下し易い。
図23は、自走式電気掃除機の制御装置2、及び制御装置2に接続される機器を示す概略構成図である。バンパセンサ(障害物検知手段)は、バンパ18の後退(つまり、障害物との接触)を検知するセンサである。
図23に示す走行モータ駆動装置(左)(右)は、左右側の走行モータ1161を駆動するインバータ、または、PWM制御によるパルス波形発生装置であり、制御装置2からの指令に応じて動作する。電動送風機駆動装置、回転ブラシ用モータ駆動装置、サイドブラシ用モータ駆動装置(左)(右)についても同様である。これら各駆動装置は、本体11内の制御装置2(図2参照)に設置されている。
制御装置2は、例えばマイコン(Microcomputer:図示省略)であり、ROM(Read Only Memory)に記憶されたプログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が各種処理を実行するようになっている。制御装置2は、スイッチシート22(図1参照)、及び、前記した各センサ類から入力される信号に応じて演算処理を実行し、前記した各駆動装置に指令信号を出力する。
本実施形態の自走式電気掃除機1は、上述のように、家具を配した部屋の床面を清掃することを想定したものである。自走式電気掃除機としては、他には例えば、机上など、部屋に比して非常に狭い領域を清掃すべく設計されるものが知られているが、このような狭い領域を清掃するための自走式電気掃除機と、本実施形態で詳述した自走式電気掃除機1とは、想定している使用態様が大きく異なる。あくまで本実施形態で詳述した自走式電気掃除機1は、家具を配した部屋の床面を効果的に清掃するべく製造される。このため、自走式電気掃除機1とともに、その旨を文字若しくは画像又は動画で示すマニュアルを同梱して自走式電気掃除機セットとして販売することが好ましい。マニュアルとしては例えば、紙媒体、DVD等の記録媒体、又はUSBメモリ等の記憶媒体にできる。なお、紙媒体としては、例えば、インターネット回線等の電気通信手段を介してダウンロード可能なストリーミングを視聴するための手段を記載した形式にしてもよい。
11 本体
111 上ケース
112 下ケース
1121 サイドブラシ取付部
1122 補助輪取付部
1123 後方突起
1124 中央前側突起
1125 中央後側突起
1126 排気口
1127 バンパーフレーム
1128 取付爪係止部
113 吸口部
1131 吸引口
1133 回転ブラシモータ
114 駆動機構収容部
1141 アーム(サスペンション)
1142 減速機構
115 電池収容部
116 駆動輪
1161 走行モータ
117 前方蓋
118 気密部材
1181 架橋部
1182 揺動軸
1183 枠体部
1184 取外し爪
1185 付勢部
1186 従動ローラ
1187 傾斜部
119 案内段差
1101 隙間
1102 小道具収容部
12 塵埃センサユニット
121 枠
122 発光部
1221 発光素子
123 受光部
1232 受光素子
1239 透明樹脂キャップ
124 密着部材
125 配線
126 コネクタ
127 基板
13 掻取りブラシ
14 回転ブラシ
141 軸部
142 植毛
143 不織布
1431 スリット
15 サイドブラシ
151 サイドブラシホルダ
1511 取付爪
1512 冶具挿穴
152 サイドブラシモータ
153 根元弾性部
1531 細状部
1532 太状部
154 刷毛部
155 取付爪
16 電動送風機
161 弾性体
17 補助輪
171 接地部
172 円板部
173 固定軸
174 小円板部
18 バンパ
19 充電池
2 制御装置
21 制御基板
210 センサ類(測距センサ)
211 センサ類(床面用測距センサ)
22 スイッチシート
221 円形操作ボタン
222 環形操作ボタン
4 ダストケース
41 主蓄積室
42 ダクト
421 直立部
43 ハンドル
431 把持部
432 抜け止め部
433 作用点部
434 係止部
44 逆流抑制弁
441 主面
442 突出部
443 付勢部
45 蓋
46 フィルタ
47 リブ
80 支持板
90 中心線
91 矢印
92 塵埃センサユニットの主方向の寸法
93 ダクトの他端側の寸法(斜め寸法)
94 ダクトの一端側の寸法(上下寸法)
95 小道具の一例としての清掃用ブラシ
951 刷毛
952 冶具部
Claims (8)
- 左右方向で互いに対向する2つの駆動輪と、左右方向に回転軸を持つ回転ブラシと、電動送風機と、充電池と、ダストケースと、を有し、自律的に駆動する自走式電気掃除機であって、
左右寸法が300mm以下、
前後寸法が300mm以下、
当該自走式電気掃除機を載置した状態の高さ寸法が100mm以下、
左右寸法が230mm以上、
前後寸法が230mm以上、
質量が2500g以下2000g以上、
直進時の平均速度は、150mm/s以上であることを特徴とする自走式電気掃除機。 - 左右方向で互いに対向する2つの駆動輪と、左右方向に回転軸を持つ回転ブラシと、電動送風機と、充電池と、ダストケースと、を有し、自律的に駆動する自走式電気掃除機であって、
左右寸法が300mm以下、
前後寸法が300mm以下、
当該自走式電気掃除機を載置した状態の高さ寸法が100mm以下、
左右寸法が230mm以上、
前後寸法が230mm以上、
質量が2500g以下2000g以上、
前記回転ブラシの幅をWとし、前記駆動輪及び前記回転ブラシを前記充電池によって駆動可能な時間をtとし、自然数をs(s=3又は4)とした場合、
直進時の平均速度は、4×5×s/(w×t)以上であることを特徴とする自走式電気掃除機。 - 前記回転ブラシの左右寸法は、120mm以上であり、
前記回転ブラシの左右寸法は、当該自走式電気掃除機の左右寸法の51%以上95%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自走式電気掃除機。 - 前記回転ブラシの前端は、前記駆動輪の後端よりも後方に位置していることを特徴とする請求項3に記載の自走式電気掃除機。
- 当該自走式電気掃除機は、中央より前側の曲率半径よりも後側の曲率半径の方が大きく、
前記回転ブラシは、中央より後側に配されており、
超信地旋回の旋回中心は、中央より前側であることを特徴とする請求項1乃至4何れか一項に記載の自走式電気掃除機。 - 前記電動送風機の直径が70mm以下、質量が250g以下であることを特徴とする請求項1乃至5何れか一項に記載の自走式電気掃除機。
- 前記電動送風機は、上ケース及び下ケースの間に配されており、
該電動送風機の上下寸法は、前記上ケース及び前記下ケースが囲む領域の上下寸法の90%以上であることを特徴とする請求項6に記載の自走式電気掃除機。 - 請求項1乃至7何れか一項に記載の自走式電気掃除機と、
当該自走式電気掃除機を、家具を配した部屋の床面の清掃に用いる旨を文字若しくは画像又は動画で示したマニュアルと、を有する自走式電気掃除機セット。
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