JP2018060725A - 車両用灯具 - Google Patents

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大久保 泰宏
Yasuhiro Okubo
泰宏 大久保
寿佳 井上
Hisayoshi Inoue
寿佳 井上
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【課題】ロービーム配光パターンに切り替えたときの見栄えが良いハイビーム配光パターンのホットゾーンの光量を高める補助ユニット部を備えた車両用灯具を提供する。【解決手段】本発明の車両用灯具は、ハイビーム及びロービーム配光パターンに多重される配光パターンを形成する補助ユニット部を備え、補助ユニット部は、第1レンズと、前方側に設けられた第2レンズと、第1レンズの第1後方焦点に配置された第1発光チップと、第1後方焦点よりも前方側に配置され、上辺が第1発光チップよりも鉛直方向下側に位置する第1位置と第1位置よりも鉛直方向上側の第2位置の間を移動する第1シェードと、を備え、第1シェードが第1位置に位置すると、カットオフラインに対応した形状を有する第2補助スポット配光パターンが形成され、第1シェードが第2位置に位置すると、カットオフラインに対応する形状を有しない第1補助スポット配光パターンが形成される。【選択図】図2

Description

本発明は車両用灯具に関するものである。
特許文献1には、LEDを光源に用いた車両用灯具であって、可動シェードを用いることでハイビーム配光パターンとロービーム配光パターンとが切り替えられる車両用灯具が開示されている。
特開2015―144059号公報
ところで、近年、LED等の半導体型の光源がハイパワーになってきたことに伴い、特許文献1にも見られるように、車両用灯具の光源として、LED等の半導体型の光源が用いられるようになってきている。
一方、LED等の半導体型の光源を使用すると、ハイビーム配光パターンの中央側に求められる高光度帯(ホットゾーンともいう)の光量が不足気味になる場合がある。
そこで、このハイビーム配光パターンの中央側に多重してホットゾーンの光量を高める補助スポット配光パターンを形成する補助ユニット部を設けるようにすることが考えられる。
しかしながら、補助ユニット部が形成する補助スポット配光パターンは、ハイビーム配光パターンのホットゾーンに対応することから、ロービーム配光パターンのカットフランよりも鉛直方向上側まで配光領域を有するものとなる。
したがって、ロービーム配光パターンのカットフランよりも鉛直方向上側に光を照射しないように、ロービーム配光パターンに切り替えるときには、補助ユニット部を消灯する必要がある。
そうすると、車両用灯具において、ハイビーム配光パターン時に点灯している領域とロービーム配光パターン時に点灯している領域とが異なることになり、見栄えが悪くなるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ロービーム配光パターンに切り替えたときの見栄えが良いハイビーム配光パターンのホットゾーンの光量を高める補助ユニット部を備えた車両用灯具を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下の構成によって把握される。
(1)本発明の車両用灯具は、ハイビーム配光パターンの中心側に多重される第1補助スポット配光パターンとロービーム配光パターンの中心側に多重される第2補助スポット配光パターンを形成する補助ユニット部を備え、前記補助ユニット部は、第1レンズと、前記第1レンズの前方側に設けられた第2レンズと、前記第1レンズの第1後方焦点又は前記第1後方焦点近傍に配置された半導体型の第1発光チップと、前記第1後方焦点よりも前方側であって、前記第1発光チップと前記第1レンズの間の位置に配置され、上辺が前記第1発光チップよりも鉛直方向下側に位置する第1位置と前記第1位置よりも鉛直方向上側の第2位置の間を移動する第1シェードと、を備え、前記第1シェードが前記第1位置に位置すると、ハイビーム配光パターンに対応する前記第1補助スポット配光パターンが形成され、前記第1シェードが前記第2位置に位置すると、前記第1発光チップからの一部の光が遮光され、ロービーム配光パターンに対応する前記第2補助スポット配光パターンが形成される。
(2)上記(1)の構成において、前記第2位置は、前記第1発光チップよりも鉛直方向上側の位置である。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記第1シェードは、水平方向に直線状に形成された前記上辺を有している。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記第1レンズは、前記第1シェードが第2位置に位置するときに、前記光が通過する第1領域を有し、前記第1レンズは、前記第1領域を通過する光が前記第2レンズを介して前方側に照射されたときに、前記カットオフラインに対応する形状を有する前記第2補助スポット配光パターンを形成する配光制御を行う形状に形成されている。
(5)上記(4)の構成において、前記第2レンズは、前記第2レンズの第2後方焦点からの光をほぼ平行光に配光制御するように形成され、前記第1レンズは、前記第2レンズの第2出射面から前方側に照射される光が水平方向外側ほど内向きになる配光制御をするとともに、前記第1領域の水平方向左外側を通過して前記第2レンズの第2出射面から前方側に照射される光ほど鉛直方向下向きになる配光制御を行うように形成されている。
(6)上記(5)の構成において、前記第1領域は、前記第1レンズの前記第1入射面の鉛直幅の上側約1/4の範囲から入射する光が通過する領域であり、前記第1位置は、前記第1発光チップから前記鉛直幅の上側約1/4の範囲よりも鉛直方向下側の前記第1入射面に向かう光を遮光する位置である。
(7)上記(5)又は(6)の構成において、前記第2レンズは、任意の面として形成された第2出射面と、前記第2出射面に対応して前記第2後方焦点からの光をほぼ平行光にする曲面として形成された第2入射面と、を備え、前記第1レンズは、複合二次曲面として形成された前記第1入射面と、前記第1入射面に対応して前記第1後方焦点に対して焦点をズラす自由曲面として形成された前記第1出射面と、を備えている。
(8)上記(1)から(7)のいずれか1つの構成において、ハイビーム配光パターン及びロービーム配光パターンのメイン配光を形成するメインユニット部を備え、前記メインユニット部は、少なくとも第1ユニット部を備えており、前記第1ユニット部は、第3レンズと、前記第3レンズの前方側に設けられる第4レンズと、前記第3レンズの第3後方焦点よりも後方に配置された半導体型の第2発光チップと、前記第3レンズの前記第3後方焦点又は前記第3後方焦点近傍の前記第2発光チップと前記第3レンズの間の位置に配置され、上辺が前記第2発光チップよりも鉛直方向下側に位置する第3位置と前記上辺が鉛直方向で前記第2発光チップと重なる第4位置の間を移動する第2シェードと、を備え、前記第2シェードは、前記上辺が前記カットオフラインに対応した形状に形成されており、前記第2シェードが前記第4位置に位置すると、前記ロービーム配光パターン用の前記カットオフラインを有する配光パターンが形成され、前記第2シェードが第3位置に位置すると、前記カットオフラインを有しない前記ハイビーム配光パターン用の配光パターンが形成される。
(9)上記(8)の構成において、前記第1シェード及び前記第2シェードは、1つのシェード部材に一体に形成されている。
(10)上記(8)又は(9)の構成において、前記第2シェードは、鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって形成された円弧状の切欠部が形成され、前記第4位置に位置するときに、前記第3レンズの鉛直方向下側の領域に光が入射できるようになっている。
(11)上記(8)から(10)のいずれか1つの構成において、前記メインユニット部は第2ユニット部を備えており、前記第2ユニット部は、第5レンズと、前記第5レンズの前方側に設けられる第6レンズと、前記第5レンズの第5後方焦点又は前記第5後方焦点近傍に配置される半導体型の第3発光チップと、を備え、前記第1ユニット部が前記メイン配光のメインスポット配光パターンを形成しており、前記第2ユニット部が前記メイン配光の拡散配光パターンを形成している。
(12)上記(11)の構成において、前記第1レンズ、前記第3レンズ及び前記第5レンズは、1つのレンズ部材に一体形成されており、前記第2レンズ、前記第4レンズ及び前記第6レンズは、1つのレンズ部材に一体形成されており、前記第1発光チップ、前記第2発光チップ及び前記第3発光チップは、1つの基板上に設けられている。
(13)上記(8)から(12)のいずれか1つの構成において、前記メインユニット部を複数備えている。
本発明によれば、ロービーム配光パターンに切り替えたときの見栄えが良いハイビーム配光パターンのホットゾーンの光量を高める補助ユニット部を備えた車両用灯具を提供することができる。
本発明に係る実施形態の車両用灯具を備えた車両の平面図である。 本発明に係る実施形態の灯具ユニットの主要部を後方側から見た平面図である。 本発明に係る実施形態の灯具ユニットの主要部を前方側から見た平面図である。 本発明に係る実施形態の第1ユニット部の主要部を示す斜視図である。 本発明に係る実施形態の第2シェードを説明するための図であり、(a)は第2シェードの裏面図であり、(b)は斜視図である。 本発明に係る実施形態の第2シェードが移動することで形成される第1ユニット部の形成する配光パターンを説明する図であり、(a)は第2シェードが第4位置に位置するときの配光パターンを説明する図であり、(b)は第2シェードが第3位置に位置するときの配光パターンを説明する図である。 本発明に係る実施形態の第2ユニット部の主要部を上側から見た平面図である。 本発明に係る実施形態の第2ユニット部の主要部を横側から見た側面図である。 本発明に係る実施形態の第2ユニット部の形成するスクリーン上での拡散配光パターンを等光度線で示す図である。 本発明に係る実施形態の補助ユニット部の主要部を横側から見た側面図である。 本発明に係る実施形態の第1レンズの基本構成を説明するための図である。 本発明に係る実施形態の基本構成を有する第1レンズを用いた場合のスクリーン上での配光パターンを等光度線で示した図である。 本発明に係る実施形態の第1レンズの調整について説明するための図である。 本発明に係る実施形態の第1レンズの調整後のスクリーン上に形成される配光パターンを等光度線で示す図である。 本発明に係る実施形態の第1シェードを第2位置から鉛直方向下側に約3.0mm移動させて第1シェードが第1位置に位置するときに形成されるスクリーン上での配光パターンを等光度線で示す図である。 本発明に係る実施形態のメインユニット部(第1ユニット部及び第2ユニット部)と補助ユニット部の形成する配光パターンが多重されたスクリーン上での車両用灯具としての配光パターンを等光度線で示す図であり、(a)はロービーム配光パターンを示す図であり、(b)はハイビーム配光パターンを示す図である。 本発明に係る実施形態の第2シェードの変形例を示す図である。 本発明に係る実施形態の変形例の灯具ユニットの主要部を後方側から見た平面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
また、実施形態及び図中において、特に断りがない場合、「前」、「後」は、各々、車両の「前進方向」、「後進方向」を示し、「上」、「下」、「左」、「右」は、各々、車両に乗車する運転者から見た方向を示す。
本発明に係る実施形態の車両用灯具は、図1に示す車両102の前方の左右のそれぞれに設けられる車両用前照灯(101R、101L)であり、以下では単に車両用灯具と記載する。
なお、車両用灯具において、基本的な構成は左右の車両用灯具で共通であるので、左側の車両用灯具で説明を行うこととし、左右で異なる点については、その異なる点についてだけ説明を行うものとする。
本実施形態の車両用灯具は、車両前方側に開口したハウジング(図示せず)と開口を覆うようにハウジングに取り付けられるアウターレンズ(図示せず)を備え、ハウジングとアウターレンズとで形成される灯室内に灯具ユニット10(図2及び図3参照)等が配置されている。
図2は灯具ユニット10の主要部を後方側から見た平面図であり、図3は灯具ユニット10の主要部を前方側から見た平面図である。
なお、以降においても同様であるが、図において、X軸は車両102における水平方向を示しており、Y軸は車両102における鉛直方向を示しており、Z軸はチップ光軸を示している。
また、図2では、発光チップ(第1発光チップ53、第2発光チップ23及び第3発光チップ33)の外形を実線で示すとともに発光チップが配置される基板60の外形を点線で示すようにしている。
本実施形態の灯具ユニット10は、図2に示すように、ハイビーム配光パターン及びロービーム配光パターンのメイン配光を形成するメインユニット部40と、ハイビーム配光パターンの中心側に多重される第1補助スポット配光パターンとロービーム配光パターンの中心側に多重される第2補助スポット配光パターンを形成する補助ユニット部50と、を備えている。
本実施形態では、メインユニット部40及び補助ユニット部50に対応した給電構造(導電パターン)を設けた1つのアルミ実装基板(以下、単に基板60という)を用いて、その基板60上にメインユニット部40及び補助ユニット部50の後述する各発光チップ(第1発光チップ53、第2発光チップ23及び第3発光チップ33)を配置するようにしている。
しかしながら、メインユニット部40及び補助ユニット部50で共通の基板60を使用する必要はなく、メインユニット部40及び補助ユニット部50に対応して個別に基板を設けるようにしてもよい。
ただし、本実施形態のように共通の基板60とすることで部品点数を削減し、コストダウンが行えるため、1つの基板60上に後述する各発光チップ(第1発光チップ53、第2発光チップ23及び第3発光チップ33)を設けるようにすることが好ましい。
(メインユニット部)
メインユニット部40は、ハイビーム配光パターン及びロービーム配光パターンのメイン配光を形成する部分であり、メインユニット部40は、メイン配光のメインスポット配光パターンを形成する第1ユニット部20と、メイン配光の拡散配光パターンを形成する第2ユニット部30と、を備えている。
ただし、メインユニット部40に関しては、以下で、具体的に説明する第1ユニット部20と第2ユニット部30を備えるものに限定される必要はなく、他の構成からなるものであってもよい。
しかしながら、後述するように、補助ユニット部50等との部品の共通化を行う観点で、以下で具体的に説明する第1ユニット部20と第2ユニット部30を備えるものとすることが好ましい。
また、第1ユニット部20の配光範囲を拡散配光パターンに対応する範囲まで広げたものとすることで第2ユニット部30を省略することが可能であるため、第2ユニット部30は、メインユニット部40における必須の構成ではない。
(第1ユニット部)
図4は第1ユニット部20の主要部を示す斜視図である。
図4に示すように、第1ユニット部20は、第3レンズ21と、第3レンズ21の前方側に設けられる第4レンズ22と、第3レンズ21の第3後方焦点PF3よりも後方に配置された半導体型の第2発光チップ23と、第3レンズ21の第3後方焦点PF3又は第3後方焦点PF3近傍の第2発光チップ23と第3レンズ21の間の位置に配置された第2シェード24と、を備えている。
(第2発光チップ)
第2発光チップ23は、本実施形態では、半導体型の発光素子であるLEDチップを用いるようにしているが、例えば、同様に半導体型の発光素子である半導体レーザチップ(LDチップ)を用いるようにしてもよい。
なお、第2発光チップ23の一部に欠けがある場合があり、このように一部に欠けがある場合には、その欠けの部分が鉛直方向下側に位置するように第2発光チップ23を配置するとよい。
そのように欠けの部分が鉛直方向下側に位置するように第2発光チップ23を配置することで、この欠けの部分を上方に投影することができ、配光パターンの上方に逃がすようにすることで良好な配光パターンを形成することが可能となる。
(第4レンズ)
第4レンズ22は、透明なガラス材料や樹脂材料等を用いて形成されるが、成形性がよく、屈折率の波長依存性が小さく、青色分光色を抑制しやすい観点からPMMA等のアクリル系樹脂を用いるのが好ましい。
第4レンズ22は、図3に示すように、前方側から見た正面視で、外形が矩形状で、図4に示すように、平らな平面状に形成された第4出射面221を有している。
なお、第4出射面221は、平面状に形成されることに限定される必要はなく、デザイン等の要求に応じて適宜変更可能な自由面としてよい。
つまり、第4出射面221は、デザイン等の様々な要求に応じて自由に設定される任意の面として形成される。
また、第4レンズ22は、図4に示すように、後方側(第2発光チップ23側)に突出した形状の光が入射する第4入射面222を有している。
この第4入射面222は自由曲面で形成され、第4出射面221の形状に応じて、第4出射面221から前方側に照射される光が所定の配光パターンを形成するように配光制御する面形状に形成されている。
第4レンズ22の具体的な配置について説明すると、第4レンズ22は、図4に示すように、第2発光チップ23のチップ光軸Zと第4レンズ22の第4レンズ光軸がほぼ一致するように配置されており、さらに、第4レンズ22は、後述する第2シェード24の基準点CP2から約14mm後方側のチップ光軸Z上に、第4レンズ22の第4後方焦点SF4が位置するように配置されている。
(第3レンズ)
第3レンズ21は、第2発光チップ23から第4レンズ22に至るまでの前後方向の距離を縮めるとともに、第4レンズ22のサイズを小型化する役目を果たしており、以下、具体的に説明する。
第2シェード24は、カットオフラインを形成するために、基準点CP2がレンズの後方焦点若しくは後方焦点近傍に配置されることになる。
このため、仮に、第4レンズ22だけの場合、図4を見るとわかるように、第2シェード24は、第4レンズ22から離れた後方の位置(第4後方焦点SF4の位置)に配置されることになる。
また、第2発光チップ23は、第2シェード24よりも後方側に位置する必要があるため、第4レンズ22だけの場合、第2発光チップ23は第4後方焦点SF4よりも更に後方側に配置されることになる。
そして、そのような後方の位置に第2発光チップ23が配置されているとすると、第4レンズ22に至るまでの間に第2発光チップ23から放射される光は、大きく広がることになり、その光を受けるために第4レンズ22をかなり大きなものとする必要がある。
一方、第4レンズ22よりも第2発光チップ23側に、本実施形態のように、第3レンズ21を設けるようにすると、この第3レンズ21の配光制御によって、第2シェード24を第4レンズ22に近づけて配置しても、あたかも第2シェード24が第4後方焦点SF4又は第4後方焦点SF4近傍に位置しているのと同様の状態とすることができる。
具体的には、本実施形態では、第3レンズ21は、第3レンズ21から後方側に約5.5mmの位置に第3後方焦点PF3が位置するように形成されており、第3レンズ21は、第2発光チップ23のチップ光軸Zと第3レンズ21の第3レンズ光軸がほぼ一致するように配置されている。
そして、第2シェード24は、第3レンズ21の第3後方焦点PF3又は第3後方焦点PF3近傍に第2シェード24の基準点CP2が位置するように配置されるとともに、その第3レンズ21の第3後方焦点PF3から約1.0mm後方に第2発光チップ23が位置するように配置されている。
この第3レンズ21は、第3レンズ21を介して第4レンズ22に照射される光が、図4に示す第4レンズ22と第4レンズ22の第4後方焦点SF4を結ぶコーンLC4(以下、第4レンズコーンともいう)と同程度の広がりのライトコーンを有するように配光制御を行うことで、第2シェード24及び第2発光チップ23があたかも第4レンズ22の第4後方焦点SF4を基準として配置されているかのような状態を作り出している。
本実施形態では、第3レンズ21は、第2発光チップ23からの光が入射する第3入射面212が水平方向と鉛直方向の二軸によって織り成される内側に緩やかに凹む複合二次曲面に形成されており、第3出射面211が第3入射面212の形状に応じて、入射した光が第4レンズコーン内に収まるように変換する配光制御を行う自由曲面に形成されている。
具体的には、第3レンズ21は、第3入射面212の形状に応じて、第2発光チップ23の発光中心から放射される光のうち、チップ光軸Zを基準に放射角が水平方向左右に35度(左35度、右35度)の範囲の光を第4レンズコーンとほぼ同様の広がり状態に変換して第4レンズ22へ照射する形状に第3出射面211が形成されている。
また、第2発光チップ23の発光中心から放射される光のうち、放射角が水平方向で35度以上の光に関しては、第4レンズコーンの広がり状態と同様な状態にすると、第4レンズ22の水平方向左右外側に光が照射されるため、第3レンズ21は、第3入射面212の形状に応じて、放射角が35度以上の光について、若干内向きに変換して、第4レンズ22の第4入射面222の水平方向外側の部分に照射する形状に第3出射面211が形成されている。
そして、第3レンズ21は、上述したように、第3レンズ21に近い位置に第3レンズ21の第3後方焦点PF3が設定されており、第3レンズ21の近く(第3後方焦点PF3から後方側約1.0mmの位置)に第2発光チップ23が配置されている。
このため、第2発光チップ23から放射される光は、第3レンズ21に到達するまでの間に大きく広がらないので、第2発光チップ23からの光を受けるために、第3レンズ21を大型化する必要はない。
そして、第2発光チップ23からの光が適切に第4レンズ22に入射できるように第3レンズ21が配光制御を行って、第2発光チップ23からの光が適切なライトコーンとして第4レンズ22側に照射されるため、第4レンズ22を大型化する必要もない。
このように、第3レンズ21を設けるようにすることで、第2発光チップ23から第4レンズ22に至るまでの前後方向の距離を縮めることが可能であるとともに、第4レンズ22のサイズを小型化することが可能となる。
ところで、第3レンズ21も第4レンズ22と同様に透明なガラス材料や樹脂材料等を用いて形成すればよいが、第3レンズ21は第2発光チップ23の近くに配置されることになるため、第3レンズ21には、成形性がよく、耐熱性に優れる観点で、ポリカーボネート系樹脂を用いるのが好適である。
(第2シェード)
図5は第2シェード24を説明するための図であり、(a)は第2シェード24の裏面図であり、(b)は斜視図である。
なお、図5(b)では第2発光チップ23の発光面23aを併せて図示している。
第2シェード24は、例えば、光を透過しない材料を用いて形成され、第2発光チップ23からの光の一部を遮光し、ロービーム配光パターンのカットオフラインを形成する。
なお、第2シェード24に光を透過する透明な材料を用いる場合には、光を透過しない塗料等を用いて表面コーティングを行えば良い。
図5に示すように、第2シェード24は厚さが約0.2mmの金属板で形成された平板状であり、第2シェード24の上辺24aは、カットオフラインを形成するために、カットオフラインの形状に形成されている。
そして、図5(a)に示すように、斜めカットオフラインを形成するための傾斜部の上側頂点に位置するように第2シェード24の基準点CP2が設定されており、この基準点CP2は、図5(b)に示すように、チップ光軸Z上に位置するとともに、第2シェード24の上辺24aの第2発光チップ23(発光面23a)側の位置に設定されている。
なお、本実施形態では、第2シェード24の基準点CP2と第3レンズ21の第3後方焦点PF3(図4参照)が一致しており、基準点CP2及び第3後方焦点PF3から約1.0mm後方側に第2発光チップ23の発光面23aの中心が位置している。
このようにすると、図5(b)に示すように、第2発光チップ23からの光の一部(光線L1参照)が、第2シェード24の上辺24aの面で反射され、その反射された光(光線L1参照)が、配光パターンのカットオフラインの上方近傍に照射されるようになる。
つまり、第2シェード24は、第2シェード24の上辺24aの面で反射される第2発光チップ23からの光が、配光パターンのカットオフラインの上方近傍に照射される位置に設けられている。
この結果、カットオフラインの明暗境界線を暈すことができ、視認性の高いロービーム配光パターンとすることができるようになる。
一方、本実施形態は、ハイビーム配光パターン及びロービーム配光パターンが切り替え可能なものであり、第2シェード24は、上述した位置関係よりも鉛直方向下側の位置に位置するように図示しない駆動機構で移動するようになっている。
つまり、第2シェード24は、上辺24aが第2発光チップ23よりも鉛直方向下側に位置する第3位置と上辺24aが鉛直方向で第2発光チップ23と重なる第4位置の間を移動し、第2シェード24が第3位置に位置すると、カットオフラインを有しないハイビーム配光パターン用の配光パターンを形成し、第2シェード24が第4位置に位置すると、ロービーム配光パターン用のカットオフラインを有する配光パターンが形成されるようになっている。
図6は第2シェード24が移動することで形成される第1ユニット部20の形成する配光パターンを説明する図であり、図6(a)は第2シェード24が第4位置に位置するときの配光パターンを説明する図であり、図6(b)は第2シェード24が第3位置に位置するときの配光パターンを説明する図である。
なお、図6は下側に図2に対応した第1ユニット部20の図を示し、上側にスクリーン上での配光パターンの図を示している。
図6では、配光パターンは等光度線で示している。
また、以降の図においてもスクリーン上での配光パターンを示す図においては同様であるが、図6の配光パターンを示す図におけるVU−VL線はスクリーン上の鉛直基準線であり、HL−HR線はスクリーン上の水平基準線である。
図6(a)に示すように、上辺24aが鉛直方向で第2発光チップ23と重なる第4位置に第2シェード24が位置すると、ロービーム配光パターン用のカットオフラインCL(上側水平カットオフラインCL1、斜めカットオフラインCL2及び下側水平カットオフラインCL3を有するカットオフラインCL)を有する配光パターンが形成される。
一方、図6(a)に示す状態から、第2シェード24が2mm以上(具体的には約3mm)鉛直方向下側に移動して、上辺24aが第2発光チップ23よりも鉛直方向下側に位置する第3位置に第2シェード24が位置するようになると、第3レンズ21のより鉛直方向下側に光が入射できるようになり、図6(b)に示すように、配光範囲が鉛直方向上側に広がり、カットオフラインCLを有しないハイビーム配光パターン用の配光パターンが形成される。
(第2ユニット部)
次に、第2ユニット部30について説明する。
図7は第2ユニット部30の主要部を上側から見た平面図であり、図8は第2ユニット部30の主要部を横側から見た側面図である。
図7及び図8に示すように、第2ユニット部30は、第5レンズ31と、第5レンズ31の前方側に設けられる第6レンズ32と、第5レンズ31の第5後方焦点PF5又は第5後方焦点PF5近傍に配置される半導体型の第3発光チップ33と、を備えている。
第2ユニット部30はメイン配光の拡散配光パターンを形成し、本実施形態では、ハイビーム配光パターンのときと、ロービーム配光パターンのときとで配光状態を同じものとしている。
そして、ロービーム配光パターンでは、カットオフラインから下側に配光パターンが位置することが求められるので、第2ユニット部30が形成する拡散配光パターンは、配光パターンの上辺がカットオフラインに沿ったものとされており、以下、第5レンズ31及び第6レンズ32の説明を通して配光パターンの上辺がカットオフラインに沿った拡散配光パターンとする配光制御等についても説明する。
(第3発光チップ)
第3発光チップ33は、第2発光チップ23と同様であり、本実施形態では、半導体型の発光素子であるLEDチップを用いている。
ただし、LEDチップに限定される必要はなく、半導体型の発光素子である半導体レーザチップ(LDチップ)を用いるようにしてもよい。
なお、第3発光チップ33においても第2発光チップ23と同様に一部に欠けがある場合には、その欠けのある部分が鉛直方向上側に位置するように配置するようにして、欠けの部分を下方に投影することで配光パターンの下方に逃がすようにすればよく、このようにすることで、良好な配光パターンを形成することが可能となる。
(第6レンズ)
第6レンズ32は、透明なガラス材料や樹脂材料等を用いて成形されるが、成形性がよく、屈折率の波長依存性が小さく、青色分光色を抑制しやすい観点からPMMA等のアクリル系樹脂を用いるのが好ましい。
また、第6レンズ32を第4レンズ22(図3参照)と一体化させて2つのレンズを有する1つのレンズ部材として構成するほうが製造コストを低減できるので第6レンズ32と第4レンズ22の材料を統一しておくことが好ましい。
第6レンズ32の具体的な配置について説明すると、第6レンズ32は、図7に示すように、第3発光チップ33のチップ光軸Zと第6レンズ32の第6レンズ光軸がほぼ一致するように配置されており、さらに、第6レンズ32は、後述する第5レンズ31の第5後方焦点PF5から約16mm後方側のチップ光軸Z上に、第6レンズ32の第6後方焦点SF6が位置するように配置されている。
図7及び図8では、第3発光チップ33の発光中心から放射される光線についても示しており、次に、これらを参照しながら第6レンズ32の配光制御について説明する。
なお、図7及び図8に示す光線は光線群の一部についてのものであり、図示される光線の間にも、無数の光線が存在することに留意されたい。
第6レンズ32は、図3に示すように、前方側から見た正面視で、外形が矩形状で、図7に示すように、平らな平面状に形成された第6出射面321を有している。
この第6出射面321の表面形状に関しては、平面状に形成されることに限定される必要はなく、デザイン等の要求に応じて適宜変更可能な自由面としてよい。
つまり、第6出射面321は、デザイン等の様々な要求に応じて自由に設定される任意の面として形成される。
一方、第6レンズ32は、第6出射面321の形状に応じて、第6出射面321から前方側に照射される光が所定の配光パターンを形成するように配光制御する面形状に形成された光が入射する第6入射面322を有している。
具体的には、図7に示すように、第6入射面322は、水平方向の中央(チップ光軸Z上の位置)よりも水平方向外側で第3発光チップ33側に向かって出っ張る2つの凸状部分32a、32bが中央側で繋がり中央側において内側に凹む部分32cが形成された形状になっている。
このような形状に第6入射面322を形成すると、凸状部分32a、32bの最も第3発光チップ33側に突出している変曲点となる位置よりも水平方向の内側の凹む部分32cでは、中央側から外側に向かって第6出射面321から照射される光が外側に照射されるようになる。
なお、この部分で拡散配光パターンのほぼ全体形状となる配光パターンが形成されている。
そして、その凹む部分32cから、更に外側の第6入射面322に入射する光は、水平方向外側の位置で入射する光ほど、内側に向かって第6出射面321から照射されるようになっている。
この内側に照射される光は、拡散配光パターンの中央側の高光度帯を形成するように、水平方向右外側の第6入射面322から入射した光と水平方向左外側の第6入射面322から入射した光がチップ光軸Zを跨いでオーバーラップするようになっている。
このようにすることで、拡散配光パターンの中央側に光度の高い高光度帯を適切に形成することができる。
一方、図8に示すように、第6入射面322は、鉛直方向上側及び鉛直方向下側の第6入射面322に入射した光が第6出射面321から照射されるときに、カットオフライン近傍に向けて照射されるように形成されている。
また、第6入射面322は、鉛直方向中央側の第6入射面322に入射した光が第6出射面321から照射されるときに、拡散配光パターンの下側を形成するように下側に照射されるように形成されている。
このようにしておくことで、第5レンズ31からの距離が近く、第5レンズ31や第3発光チップ33の位置ズレ等の影響を受けやすい第6入射面322の鉛直方向中央側に入射する光が拡散配光パターンの下側を形成するように照射されるため、第3発光チップ33の位置ズレ等の影響でカットオフラインより上側に光が照射されることが抑制できる。
(第5レンズ)
第5レンズ31は、透明なガラス材料や樹脂材料等を用いて形成すればよいが、第5レンズ31は第3発光チップ33の近くに配置されることになるため、第5レンズ31には、成形性がよく、耐熱性に優れる観点で、ポリカーボネート系樹脂を用いるのが好適である。
また、図2に示すように、第3レンズ21と第5レンズ31は離間した位置に位置するが、これは光学的に配光制御を行うところだけで見れば、離間しているにすぎず、配光制御に影響しない構成を追加することで1つのレンズ部材とすることが可能である。
つまり、第3レンズ21と第5レンズ31の間を架橋する架橋部を設けるようにすれば、第3レンズ21と第5レンズ31を有する1つのレンズ部材として構成することが可能であり、そうすることで、製造コストが低減できるため、第5レンズ31と第3レンズ21の材料を統一しておくことが好ましい。
第5レンズ31は、第3レンズ21と同様に第3発光チップ33を第6レンズ32に近づけて配置できるようにして第6レンズ32から第3発光チップ33に至るまでの前後方向の距離を縮めるとともに、第6レンズ32のサイズを小型化する役目を果たしており、以下、具体的に説明する。
仮に、第6レンズ32だけの場合、第3発光チップ33は、第6レンズ32の第6後方焦点SF6又は第6後方焦点SF6近傍に配置されることになり、図7を見ればわかるとおり、第6レンズ32から離れた後方の位置に配置されることになる。
また、そのように後方に離れた位置に配置された第3発光チップ33から放射される光は、第6レンズ32に至るまでに大きく広がるため、その光を受けるには、大きな第6レンズ32が必要となる。
一方、第6レンズ32よりも第3発光チップ33側に、本実施形態のように、第5レンズ31を設けるようにすると、この第5レンズ31の配光制御によって、第3発光チップ33を第6レンズ32に近づけて配置しても、あたかも第3発光チップ33が第6後方焦点SF6又は第6後方焦点SF6近傍に位置しているのと同様の状態とすることができる。
具体的には、本実施形態では、第5レンズ31は、第5レンズ31から後方側に約5.5mmの位置に第5後方焦点PF5が位置するように形成されており、第5レンズ31は、第3発光チップ33のチップ光軸Zと第5レンズ31のレンズ光軸がほぼ一致するように配置されている。
そして、第5後方焦点PF5又は第5後方焦点PF5近傍に配置された第3発光チップ33からの光を、図7に示す第6レンズ32と第6後方焦点SF6を結ぶコーンLC6(以下、第6レンズコーンともいう)と同程度の広がりのライトコーンを有するように配光制御を行うことで、第3発光チップ33があたかも第6レンズ32の第6後方焦点SF6を基準として配置されているかのような状態を作り出している。
具体的には、第5レンズ31は、第3発光チップ33からの光が入射する第5入射面312が水平方向と鉛直方向の二軸によって織り成される内側に緩やかに凹む複合二次曲面に形成されており、第5出射面311が第5入射面312の形状に応じて、入射した光が第6レンズコーン内に収まるように変換する配光制御を行う自由曲面に形成されている。
そして、第5レンズ31も基本となる形状は、第3レンズ21の形状をベースとした上で拡散配光パターンが車両外側に広がるように第5出射面311の形状を調整するようにしている。
つまり、第5レンズ31の第5出射面311の基本形状は、第5入射面312の形状に応じて、第3発光チップ33の発光中心から放射される光のうち、チップ光軸Zを基準に放射角が水平方向左右に35度(左35度、右35度)の範囲の光を第6レンズコーンとほぼ同様の広がり状態に変換するとともに、放射角が水平方向で35度以上の光を若干内向きに変換して、第6レンズ32の第6入射面322の水平方向外側の部分に照射する形状になっている。
そして、第5レンズ31は、上述のように、第5レンズ31に近い位置に第5レンズ31の第5後方焦点PF5が設定されており、第5レンズ31の近く(第5後方焦点PF5から後方側約1.0mmの位置)に第3発光チップ33が配置されている。
したがって、第3発光チップ33から放射される光は、第5レンズ31に到達するまでの間に大きく広がらないので、第3発光チップ33からの光を受けるために、第5レンズ31を大型化する必要がないとともに、第3発光チップ33からの光が適切に第6レンズ32に入射できるように第5レンズ31が配光制御を行って、第3発光チップ33からの光が適切なライトコーンとして第6レンズ32側に照射されるため、第6レンズ32を大型化する必要もない。
このため、第5レンズ31を設けるようにすることで、第3発光チップ33から第6レンズ32に至るまでの前後方向の距離を縮めることが可能であるとともに、第6レンズ32のサイズを小型化することが可能となる。
その上で、第6レンズコーンを逸脱しない範囲で拡散配光パターンが車両外側に広がるように第5出射面311の形状を調整している。
具体的には、図7に示すように、第5レンズ31の第5出射面311の第3発光チップ33側から離れる側に最も突出する部分がチップ光軸Z(第5レンズ31のレンズ光軸)より水平方向左側に位置し、その最も突出する部分を基準に、水平方向右側(チップ光軸Z側)のほうが、水平方向左側(チップ光軸Zから離れる側)よりも曲率が小さい形状(緩やかな曲面形状)に形成されている。
なお、本実施形態では、車両左側の車両用灯具の場合で説明しているので、最も突出する部分を基準に、車両内側のほうが、車両外側よりも曲率が小さい形状に形成されている。
一方、車両右側の車両用灯具の場合には、車両外側が水平方向右側となるため、上述した第5レンズ31の水平方向の関係を逆転させるようにすればよい。
つまり、チップ光軸Z(第5レンズ31のレンズ光軸)を基準に水平方向の状態を左右逆転させるようにすればよい。
そのように左右を逆転させると、第5レンズ31の第5出射面311の第3発光チップ33側から離れる側に最も突出する部分がチップ光軸Z(第5レンズ31のレンズ光軸)より水平方向右側に位置し、その最も突出する部分を基準に、車両内側のほうが、車両外側よりも曲率が小さい形状に形成されている状態となり、拡散配光パターンを水平方向右側(車両右側の車両用灯具における車両外側)に広げることができる。
図9は第2ユニット部30の形成するスクリーン上での拡散配光パターンを等光度線で示す図である。
図9に示すように、第6レンズ32によって適切に配光制御が行われているため、拡散配光パターンの上辺がカットオフラインの下側に沿ったものとなるとともに、中央側に良好な高光度帯が形成されている。
また、第5レンズ31によって車両外側(水平方向左側)に拡散配光パターンが拡張され、車両外側の視認性がよい拡散配光パターンになっている。
(補助ユニット部)
次に、補助ユニット部50について説明する。
図10は補助ユニット部50の主要部を横側から見た側面図である。
図10に示すように、補助ユニット部50は、第1レンズ51と、第1レンズ51の前方側に設けられた第2レンズ52と、第1レンズ51の第1後方焦点PF1又は第1後方焦点PF1近傍に配置された半導体型の第1発光チップ53と、第1後方焦点PF1よりも前方側の第1発光チップ53と第1レンズ51の間の位置に配置された第1シェード54と、を備えている。
(第1発光チップ)
第1発光チップ53は、第2発光チップ23と同様であり、本実施形態では、半導体型の発光素子であるLEDチップを用いている。
ただし、LEDチップに限定される必要はなく、半導体型の発光素子である半導体レーザチップ(LDチップ)を用いるようにしてもよい。
なお、第1発光チップ53にも第2発光チップ23と同様に一部に欠けがある場合があり、このように一部に欠けがある場合には、その欠けの部分が鉛直方向下側に位置するように第1発光チップ53を配置するとよい。
そのように欠けの部分が鉛直方向下側に位置するように第1発光チップ53を配置することで、この欠けの部分を上方に投影することができ、配光パターンの上方に逃がすようにすることで良好な配光パターンを形成することが可能となる。
(第2レンズ)
第2レンズ52は、透明なガラス材料や樹脂材料等を用いて成形されるが、成形性がよく、屈折率の波長依存性が小さく、青色分光色を抑制しやすい観点からPMMA等のアクリル系樹脂を用いるのが好ましい。
また、第2レンズ52を第4レンズ22及び第6レンズ32(図3参照)と一体化させて3つのレンズを有する1つのレンズ部材として構成するほうが製造コストを低減できるので第2レンズ52を第4レンズ22及び第6レンズ32の材料と同じ材料に統一しておくことが好ましい。
次に、第2レンズ52の具体的な配置について説明すると、第2レンズ52は、図10に示すように、第1発光チップ53のチップ光軸Zと第2レンズ52の第2レンズ光軸がほぼ一致するように配置されており、さらに、第2レンズ52は、後述する第1レンズ51の第1後方焦点PF1から約15mm後方側のチップ光軸Z上に、第2レンズ52の第2後方焦点SF2が位置するように配置されている。
また、第2レンズ52は、図3に示すように、前方側から見た正面視で、外形が矩形状で、図10に示すように、平らな平面状に形成された第2出射面521を有している。
この第2出射面521の表面形状に関しては、平面状に形成されることに限定される必要はなく、デザイン等の要求に応じて適宜変更可能な自由面としてよい。
つまり、第2出射面521は、デザイン等の様々な要求に応じて自由に設定される任意の面として形成される。
一方、第2レンズ52は、第2出射面521の形状に応じて、第2出射面521から前方側に照射される光が所定の配光パターンを形成するように配光制御する面形状に形成された光が入射する第2入射面522を有している。
本実施形態では、第2入射面522が、第2後方焦点SF2からの光を仮定したときに、チップ光軸Z(第2レンズ52の第2レンズ光軸)に平行な平行光として、第2出射面521から前方に照射する配光制御を行う形状に形成されている。
(第1シェード)
第1シェード54も、第2シェード24と同様に、例えば、光を透過しない材料を用いて形成すればよく、光を透過する透明な材料を用いる場合には、光を透過しない塗料等を用いて表面コーティングを行えば良い。
一方、第1レンズ51の第1後方焦点PF1又は第1後方焦点PF1近傍には、形成される配光パターンの配光範囲を適切なものとするために、第1発光チップ53が配置されているため、第1シェード54は、第2シェード24のように、第1後方焦点PF1又は第1後方焦点PF1近傍に配置することができず、具体的には、第1後方焦点PF1よりも約1.0mm前方側に配置されている。
このため、第2シェード24のように、上辺をカットオフラインの形状に形成する方法で、ロービーム配光パターン(カットオフラインの中央側)に対応した形状を有する配光パターンを形成することができない。
そこで、後述する第1レンズ51の配光制御によって、ロービーム配光パターン(カットオフラインの中央側)に対応した形状を有する配光パターンが形成しやすいように、第1シェード54は、第1発光チップ53からの光の一部を遮光する上辺54aの形状とされている。
具体的には、第1シェード54は、水平方向に直線状に形成された上辺54aを有するものとされており、理由については、第1レンズ51のところで後述するが、このようにすることで、第1レンズ51の配光制御によって、カットオフラインの中央側に対応した形状を有する配光パターンが形成しやすくなる。
(第1レンズ)
第1レンズ51は、透明なガラス材料や樹脂材料等を用いて形成すればよいが、第1レンズ51は第1発光チップ53の近くに配置されることになるため、第1レンズ51には、成形性がよく、耐熱性に優れる観点で、ポリカーボネート系樹脂を用いるのが好適である。
また、図2に示すように、第1レンズ51は、第3レンズ21及び第5レンズ31と離間した位置に位置するが、これは光学的に配光制御を行うところだけで見れば、離間しているにすぎず、配光制御に影響しない構成を追加することで1つのレンズ部材とすることが可能である。
つまり、第1レンズ51、第3レンズ21及び第5レンズ31の間を架橋する架橋部を設けるようにすれば、第1レンズ51、第3レンズ21及び第5レンズ31を有する1つのレンズ部材として構成することが可能であり、そうすることで、製造コストが低減できるため、第1レンズ51を第3レンズ21及び第5レンズ31の材料と同じ材料に統一しておくことが好ましい。
そして、第1レンズ51は、第1発光チップ53のチップ光軸Zと第1レンズ51のレンズ光軸がほぼ一致するように配置されており、第3レンズ21と同様に第1発光チップ53を第2レンズ52に近づけて配置できるようにして第2レンズ52から第1発光チップ53に至るまでの前後方向の距離を縮めるとともに、第2レンズ52のサイズを小型化する役目を果たしており、以下、具体的に説明する。
図11は第1レンズ51の基本構成を説明するための図であり、上側から見た平面図になっている。
なお、図11は第1シェード54を設けていない状態を示す図であり、図11では第1発光チップ53の発光中心から放射される光線についても図示しているが、図11で図示する光線は光線群の一部についてのものであり、図示される光線の間にも、無数の光線が存在することに留意されたい。
第1レンズ51は、第3レンズ21と同様に、第1発光チップ53からの光が入射する第1入射面512を水平方向と鉛直方向の二軸によって織り成される内側に緩やかに凹む複合二次曲面に形成した上で、第1出射面511が第1入射面512の形状に応じて、入射した光が、図11に示す第2レンズ52と第2レンズ52の第2後方焦点SF2を結ぶコーンLC2(以下、第2レンズコーンともいう)と同程度の広がりのライトコーンを有するように配光制御し、第1レンズ51から第2レンズ52に向けて照射される光が第2レンズコーン内に収まるように変換する自由曲面に形成されている。
なお、この第2レンズコーン内に収まるように変換する配光制御は、そのままではより広がる状態にある光を第1レンズ51の第1出射面511による配光制御によって、内向きにする配光制御になっており、第1レンズ51は、水平方向左右外側ほど第1出射面511から照射される光を内向きに照射するようにしている。
ただし、水平方向外側の第1入射面512に入射する光を、第1出射面511から前方に照射するときに、第2レンズコーンの広がり状態と同様な状態とすると、第2レンズ52の水平方向左右外側に光が照射されるため、第3レンズ21と同様に、第1レンズ51でも、第1入射面512の形状に応じて、チップ光軸Zを基準として水平方向の放射角が所定の角度以上の光については、所定の角度未満の光の場合よりも、更に若干内向きに変換して、第2レンズ52の第2入射面522の水平方向外側の部分に照射する形状に第1出射面511が形成されている。
なお、第1レンズ51は、チップ光軸Zを基準として水平方向の放射角が所定の角度以上の光について、より内向きに照射する配光制御を行っているだけであるため、第1レンズ51は、全体的に見ても、水平方向左右外側の光ほど内向きに光を照射する配光制御を行っている。
そして、第1レンズ51も、第3レンズ21と同様に、第1レンズ51に近い位置(具体的には、第1レンズ51から後方側に約5.5mmの位置)に第1レンズ51の第1後方焦点PF1が設定されており、第1レンズ51の近く(第1レンズ51から後方側約5.5mmの位置)に第1発光チップ53が配置されている。
したがって、第1発光チップ53から放射される光は、第1レンズ51に到達するまでの間に大きく広がらないので、第1発光チップ53からの光を受けるために、第1レンズ51を大型化する必要がないとともに、第1発光チップ53からの光が適切に第2レンズ52に入射できるように第1レンズ51が配光制御を行って、第1発光チップ53からの光が適切なライトコーンとして第2レンズ52側に照射されるため、第2レンズ52を大型化する必要もない。
このため、第1レンズ51を設けるようにすることで、第1発光チップ53から第2レンズ52に至るまでの前後方向の距離を縮めることが可能であるとともに、第2レンズ52のサイズを小型化することが可能となる。
ここで、図11に示すように、第1出射面511は、第2レンズ52の第2出射面521側から光を入射させたときに、第1入射面512の中央から照射される光が第2後方焦点SF2に照射されるように配光制御を行う面形状になっているが、上述のような内向きに光を照射する配光制御のために、中央から右外側及び左外側の第1入射面512から照射される光ほど、第2後方焦点SF2の右側及び左側に焦点をズラす面形状に形成されている。
具体的には、図11に示すように、第1出射面511は、水平方向右外側の第1入射面512から第2後方焦点SF2側に照射される光ほど第2後方焦点SF2の右外側に焦点をズラすように形成されており、最も水平方向右外側の第1入射面512から照射される光を第2後方焦点SF2の右側外側約5.0mmの位置FRに焦点をズラすように形成されている。
同様に、第1出射面511は、中央から左外側の第1入射面512から照射される光ほど、第2後方焦点SF2の左側に焦点をズラす面形状に形成されており、具体的には、図11に示すように、第1出射面511は、最も水平方向左外側の第1入射面512から照射される光を第2後方焦点SF2の左側外側約5.0mmの位置FLに焦点をズラすように形成されている。
このように焦点をズラすようにすると、図11に示すように、第2レンズ52の第2出射面521から前方に照射される光は、第2出射面521の水平方向外側から照射される光ほど内側に照射される配光制御(クロス拡散配光制御)となる。
つまり、第1レンズ51は、第2レンズ52の第2出射面521から前方側に照射される光が水平方向外側ほど内向きになる配光制御をするように形成されている。
このため、ハイビーム配光パターンの中心側に多重される第1補助スポット配光パターン及びロービーム配光パターンの中心側に多重される第2補助スポット配光パターンに適した水平方向の配光範囲を有するように配光範囲を拡大することができる。
そして、上述のような第1レンズ51を用いた状態で、図10に示すように、第1発光チップ53からの光の一部を遮光するように第1シェード54を配置する。
具体的には、第1発光チップ53のチップ光軸Zを基準に、鉛直方向上側への放射角がθ1(本例では約35度)以上である放射角の光以外の光が第1レンズ51に入射しないように第1発光チップ53からの光の一部を遮光する位置に第1シェード54を配置する。
なお、本実施形態では、第1レンズ51に入射する最も大きい放射角の光は、約60度の放射角で放射された光になっている。
図12は、上述の基本構成を有する第1レンズ51を用いた場合のスクリーン上での配光パターンを等光度線で示した図である。
なお、図12では、カットオフラインの位置を点線で模式的に示している。
上述したように、第1シェード54の上辺54a(図10参照)は水平方向に直線状に形成されている。
このような上辺54aを有する第1シェード54で光の一部を遮光すると、第1発光チップ53から第1シェード54の上辺54aまでの距離が水平方向外側ほど長くなることに伴って、第1レンズ51の鉛直方向での光の入射範囲が、水平方向中央側と外側で異なることになる。
この結果、図12に示すように、スクリーン上での配光パターンは、水平方向外側ほど吊り上がるように湾曲した形状となる。
そして、水平方向左側では、ほぼカットオフラインより下側に収まっているものの、鉛直基準線(VU−VL線)近傍から水平方向右側の領域では、形成された配光パターンがカットオフラインより上側に位置している。
したがって、上述した第1レンズ51基本形状を基準として、主に水平方向右側の配光部分を鉛直方向下側にズラすように、第1レンズ51の第1出射面511を調整するだけで、全体としてカットオフラインより下側に形成されたロービーム配光パターンの中央側に多重するのに良好な第2補助スポット配光パターンとすることができる。
なお、水平方向に直線状の上辺54aを有する第1シェード54で形成された配光パターンの場合、図12に示すように、水平方向左右外側が吊り上がった形状であるため、斜めカットオフラインに合わせやすい湾曲を有している。
したがって、カットオフラインに合わせるように調節するために必要な第1レンズ51の調整は、以下で説明する微調整程度で済む。
そこで、次に、ロービーム配光パターンの中央側に多重するのに良好な全体としてカットオフラインより下側に形成された第2補助スポット配光パターンとするための第1レンズ51の調整について説明する。
図13は、第1レンズ51の調整について説明するための図であり、図10と同様の横側から見た側面図になっている。
ただし、図13では右下側に第1レンズ51の第1入射面512を模式的に示した図を併せて示している。
図13に示すように、ロービーム配光パターン(カットオフラインの中央側)に対応した形状を有する第2補助スポット配光パターンを形成するために、第1発光チップ53からの一部の光を遮光する第2位置に第1シェード54が位置するときには、第1レンズ51の第1入射面512の鉛直幅の上側約1/4の範囲(範囲A参照)にしか光が入射していない。
そして、第1入射面512の鉛直幅の上側約1/4の範囲から入射した光が第1出射面511に向かって通過する領域を第1領域とすると、第1レンズ51の調整は、第2レンズ52の第2出射面521側から光を入射させたときに、第1入射面512から照射される光の焦点をズラすように第1出射面511の形状を調整するようにして行われている。
なお、この第1入射面512の鉛直幅の上側約1/4の範囲を指して、以降、第1入射面512の上側入射面と呼ぶ場合がある。
具体的には、第1レンズ51及び第2レンズ52を介して照射される光のうち、スクリーン上の水平方向右側に照射される光は、第1レンズ51の水平方向左側の第1入射面512の上側入射面に入射した光であるので、この光の配光制御の状態を調整することによって、図12に示した配光パターンの水平方向右側の状態を変えることができる。
ここで、図12を見るとわかるように、カットオフラインより上側に位置している配光部分が、鉛直基準線(VU−VL線)近傍から水平方向右側の領域であることから、具体的には、第1入射面512の上側入射面のうち、水平方向中央側から水平方向左側に入射する光に関して、主に配光制御の状態を調節することでカットオフラインより上側に位置している配光部分をカットオフラインより下側に位置するように調整することができる。
そこで、図13に示すように、第2レンズ52の第2出射面521側から光を照射して、第1出射面511側から光を第1領域に入射させたときに、少なくとも水平方向中央側よりも水平方向左外側の第1入射面512から照射される光ほど、第2後方焦点SF2よりも鉛直方向上側に光が照射されるように焦点をズラすように第1出射面511が形成されている。
具体的には、水平方向中央側から照射される光は、第2後方焦点SF2よりも鉛直方向上側の約0.7mmの位置FU1に焦点が位置するように焦点がズラされている。
なお、水平方向右外側から水平方向中央側に向かっても、第2後方焦点SF2よりも鉛直方向上側の約0.7mmの位置FU1に徐々に焦点が近づくようにズレるようになっているため、配光パターンにおける鉛直基準線(VU−VL線)近傍から水平方向左側の領域においても、若干配光パターンが調整されている。
また、水平方向左外側ほどその焦点の鉛直方向上側へのズレが大きくなるように第1出射面511は形成されており、最も水平方向左外側の第1入射面512から照射される光は、第2後方焦点SF2よりも鉛直方向上側の約2.0mmの位置FU2に焦点が位置するように焦点がズラされている。
このように焦点の位置を鉛直方向上側にズラすようにすると、第2レンズ52から前方側に照射される光は、鉛直方向下側に照射されるようになる。
つまり、第1レンズ51は、第1領域(第1入射面512の鉛直幅の上側約1/4の範囲(範囲A参照)から入射する光が通過する領域)の水平方向左外側を通過して第2レンズ52の第2出射面521から前方側に照射される光ほど鉛直方向下向きになる配光制御を行うように形成されている。
図14は、第1レンズ51の調整後のスクリーン上に形成される配光パターンを等光度線で示す図である。
なお、図14でも図12と同様にカットオフラインの位置を点線で模式的に示している。
図14に示すように、焦点の位置をズラす調整を行った後の第1レンズ51を用いた場合、図12で見られたカットオフラインより上側に位置する配光領域がなくなり、ロービーム配光パターンの中心側に多重するのに良好な状態の第2補助スポット配光パターンが形成されていることがわかる。
一方、以上のような構成を有する補助ユニット部50において、図10に示した上辺54aが第1発光チップ53よりも鉛直方向上側の位置に位置する第2位置に第1シェード54が配置されている状態から、上辺54aが第1発光チップ53よりも鉛直方向下側に位置する第1位置に第1シェード54が配置されている状態にすると、第1レンズ51の鉛直方向下側の領域にも光が入射するようになり、図14に示す第2補助スポット配光パターンが鉛直方向上側へ拡張される。
図15は、第1シェード54を第2位置から鉛直方向下側に約3.0mm移動させて第1シェード54が第1位置に位置するときに形成されるスクリーン上での配光パターンを等光度線で示す図である。
第1シェード54を第1位置に移動すると、第1シェード54で遮光されていた光が第1レンズ51に入射するようになり、図15に示すように、鉛直基準線(VU−VL線)及び水平基準線(HL−HL線)が交わる位置を含むハイビーム配光パターンの中心側に多重されるのに好適な第1補助スポット配光パターンが形成されるようになる。
図16は、メインユニット部40(第1ユニット部20及び第2ユニット部30)と補助ユニット部50の形成する配光パターンが多重されたスクリーン上での車両用灯具としての配光パターンを等光度線で示す図であり、図16(a)はロービーム配光パターンを示す図であり、図16(b)はハイビーム配光パターンを示す図である。
図16(b)を見るとわかるように、補助ユニット部50を備えていることで、ハイビーム配光パターンの中央には光度の高い良好な高光度帯(ホットゾーンともいう)が形成されている。
また、第1シェード54を第2位置に位置させることで補助ユニット部50の第1発光チップ53を点灯した状態でも図16(a)に示すように、良好なカットオフラインを有するロービーム配光パターンが形成されている。
そして、ロービーム配光パターンに切り替える際に補助ユニット部50を消灯しないので、ハイビーム配光パターンのときと、ロービーム配光パターンのときとで点灯しているユニット部の数が変化せず、見栄えが悪くなることがない。
ところで、上記でも少し触れたが、第1レンズ51、第3レンズ21及び第5レンズ31を1つのレンズ部材に一体形成し、第2レンズ52、第4レンズ22及び第6レンズ32を1つのレンズ部材に一体形成し、更に第1シェード54及び第2シェード24を一体に繋げるようにして1つのシェード部材として形成するようにすれば、部品点数が削減でき、製造コストを低減することができるので好ましい。
また、第1発光チップ53、第2発光チップ23及び第3発光チップ33を1つの基板60上に配置するようにし、基板60の共通化を図ることで製造コストを低減できるので好ましい。
このように各部を一体化させるようにすれば、例えば、ヒートシンク上に基板60を配置するとともに、レンズホルダで第1レンズ51、第3レンズ21及び第5レンズ31が形成されたレンズ部材と第2レンズ52、第4レンズ22及び第6レンズ32が形成されたレンズ部材をヒートシンクに取り付けるようにすることができ、車両用灯具の組み立て作業をシンプルなものとすることができる。
また、第1シェード54及び第2シェード24が一体に形成されたシェード部材を用いることで、シェード部材を駆動させる1つの駆動装置を設けるだけとして、第1シェード54及び第2シェード24を一体で駆動させるようにすれば、個別に第1シェード54と第2シェード24を駆動させる駆動装置を設けて第1シェード54と第2シェード24を個別に駆動させる場合に比べ、構成をシンプルなものとでき、部品コストを低減することができる。
なお、車両用灯具の組み立て作業をシンプルなものとすることができるので組み立てに要するコストも低減することができる。
一方、上述したように、第1発光チップ53、第2発光チップ23及び第3発光チップ33は、第1レンズ51、第3レンズ21及び第5レンズ31の後方焦点を基準とした配置位置が若干異なる。
しかしながら、基板60に第1発光チップ53、第2発光チップ23及び第3発光チップ33を設ける際に、基板60を最も後方側に配置されることになる発光チップの位置に合わせるようにして、それよりも前方側に設けることになる発光チップに関してはサブマウントを介して基板60上に設けるようにすれば、第1発光チップ53、第2発光チップ23及び第3発光チップ33の前後方向の配置位置の違いを簡単に吸収することが可能である。
以上、具体的な実施形態を基に本発明の説明を行ってきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、図17に示すように、第1ユニット部20に設けられている第2シェード24に鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって形成された円弧状の切欠部24bを設けるようにしてもよい。
このような切欠部24bを設けておくと、ロービーム配光パターン用のカットオフラインを有する配光パターンを形成する第4位置に第2シェード24が位置するときにも、この切欠部24bを通過する光が、第3レンズ21の鉛直方向下側の領域に入射するようになる。
そして、第3レンズ21の鉛直方向下側の領域に入射した光は、第4レンズ22を介してスクリーン上の鉛直方向上方に照射され、標識や看板等を照らすことができるオーバーヘッド配光が形成されるので、視認性を一層高めることができる。
なお、このような切欠部24bを設けておいても、ハイビーム配光パターンを形成するときに問題になることはない。
また、上記実施形態では、1つのメインユニット部40だけを設けた場合について示してきた。
しかしながら、1つのメインユニット部40だけではハイビーム配光パターン及びロービーム配光パターンのメイン配光に求められる光量が不足する場合があり、そのような場合には、図18に示すように、車両用灯具に、2つのメインユニット部40を設けるようにしてもよい。
なお、図18は、車両用灯具の灯具ユニット10の変形例を示す図であり、この灯具ユニット10の主要部を後方側から見た平面図である。
このように、本発明は、上記具体的な実施形態に限定されるものではなく、技術的思想を逸脱することのない変更や改良を行ったものも発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 灯具ユニット
20 第1ユニット部
21 第3レンズ
211 第3出射面
212 第3入射面
22 第4レンズ
221 第4出射面
222 第4入射面
23 第2発光チップ
23a 発光面
24 第2シェード
24a 上辺
30 第2ユニット部
31 第5レンズ
311 第5出射面
312 第5入射面
32 第6レンズ
32a、32b 凸状部分
32c 凹む部分
321 第6出射面
322 第6入射面
33 第3発光チップ
40 メインユニット部
50 補助ユニット部
51 第1レンズ
511 第1出射面
512 第1入射面
52 第2レンズ
521 第2出射面
522 第2入射面
53 第1発光チップ
54 第1シェード
54a 上辺
60 基板
CL カットオフライン
CL1 上側水平カットオフライン
CL2 斜めカットオフライン
CL3 下側水平カットオフライン
CP2 基準点
LC2、LC4、LC6 コーン
PF1 第1後方焦点
PF3 第3後方焦点
PF5 第5後方焦点
SF2 第2後方焦点
SF4 第4後方焦点
SF6 第6後方焦点
X 水平方向
Y 鉛直方向
Z チップ光軸
101L、101R 車両用前照灯
102 車両

Claims (13)

  1. ハイビーム配光パターンの中心側に多重される第1補助スポット配光パターンとロービーム配光パターンの中心側に多重される第2補助スポット配光パターンを形成する補助ユニット部を備え、
    前記補助ユニット部は、
    第1レンズと、
    前記第1レンズの前方側に設けられた第2レンズと、
    前記第1レンズの第1後方焦点又は前記第1後方焦点近傍に配置された半導体型の第1発光チップと、
    前記第1後方焦点よりも前方側の前記第1発光チップと前記第1レンズの間の位置に配置され、上辺が前記第1発光チップよりも鉛直方向下側に位置する第1位置と前記第1位置よりも鉛直方向上側の第2位置の間を移動する第1シェードと、を備え、
    前記第1シェードが前記第1位置に位置すると、ハイビーム配光パターンに対応する前記第1補助スポット配光パターンが形成され、
    前記第1シェードが前記第2位置に位置すると、前記第1発光チップからの一部の光が遮光され、ロービーム配光パターンに対応する前記第2補助スポット配光パターンが形成されることを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記第2位置は、前記第1発光チップよりも鉛直方向上側の位置であることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記第1シェードは、水平方向に直線状に形成された前記上辺を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用灯具。
  4. 前記第1レンズは、前記第1シェードが第2位置に位置するときに、前記光が通過する第1領域を有し、
    前記第1レンズは、前記第1領域を通過する光が前記第2レンズを介して前方側に照射されたときに、前記カットオフラインに対応する形状を有する前記第2補助スポット配光パターンを形成する配光制御を行う形状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  5. 前記第2レンズは、前記第2レンズの第2後方焦点からの光をほぼ平行光に配光制御するように形成され、
    前記第1レンズは、前記第2レンズの第2出射面から前方側に照射される光が水平方向外側ほど内向きになる配光制御をするとともに、前記第1領域の水平方向左外側を通過して前記第2レンズの第2出射面から前方側に照射される光ほど鉛直方向下向きになる配光制御を行うように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用灯具。
  6. 前記第1領域は、前記第1レンズの前記第1入射面の鉛直幅の上側約1/4の範囲から入射する光が通過する領域であり、
    前記第1位置は、前記第1発光チップから前記鉛直幅の上側約1/4の範囲よりも鉛直方向下側の前記第1入射面に向かう光を遮光する位置であることを特徴とする請求項5に記載の車両用灯具。
  7. 前記第2レンズは、
    任意の面として形成された第2出射面と、
    前記第2出射面に対応して前記第2後方焦点からの光をほぼ平行光にする曲面として形成された第2入射面と、を備え、
    前記第1レンズは、
    前記第1入射面と、
    前記第1入射面に対応して前記第1後方焦点に対して焦点をズラす自由曲面として形成された前記第1出射面と、を備えていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の車両用灯具。
  8. ハイビーム配光パターン及びロービーム配光パターンのメイン配光を形成するメインユニット部を備え、
    前記メインユニット部は、少なくとも第1ユニット部を備えており、
    前記第1ユニット部は、
    第3レンズと、
    前記第3レンズの前方側に設けられる第4レンズと、
    前記第3レンズの第3後方焦点よりも後方に配置された半導体型の第2発光チップと、
    前記第3レンズの前記第3後方焦点又は前記第3後方焦点近傍の前記第2発光チップと前記第3レンズの間の位置に配置され、上辺が前記第2発光チップよりも鉛直方向下側に位置する第3位置と前記上辺が鉛直方向で前記第2発光チップと重なる第4位置の間を移動する第2シェードと、を備え、
    前記第2シェードは、前記上辺が前記カットオフラインに対応した形状に形成されており、
    前記第2シェードが前記第4位置に位置すると、前記ロービーム配光パターン用の前記カットオフラインを有する配光パターンが形成され、
    前記第2シェードが第3位置に位置すると、前記カットオフラインを有しない前記ハイビーム配光パターン用の配光パターンが形成されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  9. 前記第1シェード及び前記第2シェードは、1つのシェード部材に一体に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の車両用灯具。
  10. 前記第2シェードは、鉛直方向下側から鉛直方向上側に向かって形成された円弧状の切欠部が形成され、前記第4位置に位置するときに、前記第3レンズの鉛直方向下側の領域に光が入射できるようになっていることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の車両用灯具。
  11. 前記メインユニット部は第2ユニット部を備えており、
    前記第2ユニット部は、
    第5レンズと、
    前記第5レンズの前方側に設けられる第6レンズと、
    前記第5レンズの第5後方焦点又は前記第5後方焦点近傍に配置される半導体型の第3発光チップと、を備え、
    前記第1ユニット部が前記メイン配光のメインスポット配光パターンを形成しており、
    前記第2ユニット部が前記メイン配光の拡散配光パターンを形成していることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の車両用灯具。
  12. 前記第1レンズ、前記第3レンズ及び前記第5レンズは、1つのレンズ部材に一体形成されており、
    前記第2レンズ、前記第4レンズ及び前記第6レンズは、1つのレンズ部材に一体形成されており、
    前記第1発光チップ、前記第2発光チップ及び前記第3発光チップは、1つの基板上に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の車両用灯具。
  13. 前記メインユニット部を複数備えていることを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の車両用灯具。
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