JP2018059323A - 立坑および立坑の地震時設計方法 - Google Patents

立坑および立坑の地震時設計方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018059323A
JP2018059323A JP2016197427A JP2016197427A JP2018059323A JP 2018059323 A JP2018059323 A JP 2018059323A JP 2016197427 A JP2016197427 A JP 2016197427A JP 2016197427 A JP2016197427 A JP 2016197427A JP 2018059323 A JP2018059323 A JP 2018059323A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shaft
main body
stiffening member
side wall
shaft main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016197427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6915254B2 (ja
Inventor
山本 修一
Shuichi Yamamoto
修一 山本
佐藤 清
Kiyoshi Sato
清 佐藤
賢一 久末
Kenichi Hisasue
賢一 久末
喬博 秀島
Takahiro Hideshima
喬博 秀島
麻里子 森
Mariko Mori
麻里子 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP2016197427A priority Critical patent/JP6915254B2/ja
Publication of JP2018059323A publication Critical patent/JP2018059323A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6915254B2 publication Critical patent/JP6915254B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy

Landscapes

  • Underground Structures, Protecting, Testing And Restoring Foundations (AREA)

Abstract

【課題】簡略な構成で耐震設計の省力化を図ることが可能な、線状地下構造物との接続部を有する立坑、および立坑の耐震設計方法を提供する。【解決手段】地盤中に構築され、線状地下構造物との接続部を備える立坑であって、 側壁に孔状の欠損部を有する筒体よりなる立坑本体と、前記欠損部の近傍を補剛する補剛部材とを備え、該補剛部材は、中空部を前記欠損部と連通させる姿勢で、基端を前記側壁に剛接合された管状材よりなり、その先端が前記側壁から突出し、前記線状地下構造物との接続部をなす。【選択図】図8

Description

本発明は、トンネル等線状地下構造物との接続部を有する立坑および立坑の地震時設計方法に関する。
従来より、線状地下構造物と接続する立坑を地盤中に構築するにあたっては、例えば特許文献1に開示されているトンネルと立坑坑口部との接合構造のように、立坑の側壁に開口を設けるとともに当該開口にトンネルの端部を挿入した状態で、両者の間に可撓性部材を介装させることにより、立坑およびトンネルの安全性と止水性能を確保している。
このような地盤中に構築される立坑には、常時土圧および水圧が作用するだけでなく、地震発生時には、構造物周辺地盤の地盤変位に起因する地震力等の荷重が作用することが知られている。このため、立坑を設計する際には、例えば特許文献2で示すように、立坑に設計条件を与えてこれをモデル化し、構造解析を行って断面力や変位を測定したのち、耐震性能の照査を行う、という一連の作業に則った耐震設計を行っている。
特開2011−241639号公報 特開2008−133595号公報
しかし、側壁に開口が存在する立坑において開口は側壁の欠損部であり、側壁の開口を含まない高さ範囲と比較して開口を含む高さ範囲は、せん断抵抗部材として考慮できる範囲が小さくなるため、立坑における開口を含む高さ範囲は、開口を含まない高さ範囲と比較して過大な設計となりやすい。
また、水平方向の耐震設計を行う場合、立坑における開口を含まない高さ範囲では、解析モデルにリングモデルを採用できるが、開口を含む高さ範囲では、リング効果が期待できない。このため、開口を含む高さ範囲と含まない高さ範囲のそれぞれの断面に対して別途、耐震性能照査を実施する必要があり、設計に係る手間も膨大なものとなっていた。そして、立坑を、地震等の外力が作用しても損傷を生じることなく、設備としての機能を保持できる健全な構造体として設計するには、側壁の欠損部を含む周辺領域の部材厚を大きくする、または、側壁の内周面であって欠損部の上下にリング梁補強を設ける等の補剛対策を講じることとなる。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、簡略な構成で耐震設計の合理化を図ることが可能な、線状地下構造物との接続部を有する立坑、および立坑の地震時設計方法を提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明の立坑は、地盤中に構築され、線状地下構造物との接続部を備える立坑であって、側壁に孔状の欠損部を有する筒体よりなる立坑本体と、前記欠損部の近傍を補剛する補剛部材とを備え、該補剛部材は、中空部を前記欠損部と連通させる姿勢で、基端が前記側壁に剛接合された管状材よりなり、先端が前記側壁から突出し、前記線状地下構造物との接続部をなすことを特徴とする。
上記の立坑によれば、立坑本体における欠損部の近傍に補剛部材が立坑本体と一体をなすよう剛結合される。これにより、地盤変位に起因する水平方向の荷重が立坑に作用した際に、側壁における欠損部周囲だけでなく補剛部材をもせん断抵抗部材として考慮することができる。これにより、従来の側壁に欠損部を有する立坑のように、側壁の内周面であって欠損部の上下に補剛リングを構築したり、欠損部周辺における側壁の部材厚を厚くするといった、立坑の中空断面を狭小化するような過大な補剛対策を回避でき、立坑を経済的で合理化された構造とすることが可能となる。
上記の立坑は、前記補剛部材の先端に、前記線状地下構造物と接続する可撓性継ぎ手が設置されることを特徴とする。
上記の立坑によれば、地震発生時に立坑とトンネル各々が異なる挙動を示すことに起因して両者の間に相対変位が生じた場合にも、線状地下構造物が可撓性継ぎ手を介して補剛部材の先端に接続されるため、応力の集中しやすい補剛部材の基端と立坑本体の側壁との接合部において、発生応力の大幅な緩和を図ることが可能となる。
上記の立坑は、前記補剛部材の配置される地盤が、岩盤であることを特徴とする。
上記の立坑によれば、地震発生時に立坑に対して、例えば地盤変位による水平方向の外力もしくは地下水位の上昇による鉛直方向の外力が作用し、立坑に転倒や浮き上がりを生じるような挙動が生じた場合、補剛部材が岩盤に当接して立坑の挙動を抑制できる。これにより、地震発生時に立坑に対していずれの外力が作用しても、その姿勢を安定した状態に保持し、立坑としての機能を安全に維持することが可能となる。
上記の立坑の地震時設計方法は、前記立坑本体の鉛直方向について、該立坑本体をモデル化した2次元解析モデルを作成し、該立坑本体の側壁において前記欠損部の周囲に発生する応力が前記補剛部材に分散することを考慮して該立坑本体の構造解析を行うとともに耐震性能照査を行った後、前記立坑の水平方向について、前記立坑をモデル化した2次元または3次元解析モデル作成し、該立坑の構造解析を行うとともに耐震性能照査を行うことを特徴とする。
上記の立坑の地震時設計方法によれば、鉛直方向の検討時には、立坑本体に対して欠損部近傍に生じる応力を前記補剛部材に分散させる処理を行い、水平方向の検討時には、立坑本体に補剛部材を剛接合した状態の立坑の2次元または3次元解析モデルによるFEM解析を行う。これにより、立坑本体における欠損部を含む高さ範囲の設計を合理化することが可能になるとともに、欠損部が存在しない高さ範囲と欠損部を含む高さ範囲とを分けることなく、立坑全体で耐震性能照査を実施でき、設計に係る手間を大幅に削減し、耐震設計の合理化を図ることが可能となる。
上記の立坑の地震時設計方法は、前記立坑の水平方向の耐震性能照査では、前記補剛部材の設計条件を変更することにより、前記立坑本体の部材耐力を増減させることを特徴とする。
上記の立坑の地震時設計方法によれば、立坑本体の水平方向の耐震性能照査において安全性を満足できない場合に、補剛部材の設計条件を適宜変更して検討を繰り返すことができるため、必ずしも立坑本体の鉛直方向の検討にまで戻って、立坑本体の設計条件から検討をやり直す必要がなく、耐震設計に係る手間を大幅に削減し、合理化を図ることができる。
また、立坑本体を過大な構造としなくても、補剛部材の設計条件の変更により立坑本体の部材耐力を増加させることができ、立坑本体を必要とされる機能に見合った合理的な構造に設計することが可能となる。
本発明によれば、立坑本体を補剛する機能と線状地下構造物との接続部としての機能とを有する補剛部材を、立坑本体の側壁に形成された欠損部の周囲に剛接合し、立坑を立坑本体と補剛部材の一体化構造とすることにより、立坑全体の構造が合理化でき、設計の手間を大幅に削減し、耐震設計の合理化を図ることが可能となる。
本発明の立坑の概略を示す図である。 本発明の立坑と補剛部材を備えない立坑本体のみの各々に静的荷重を作用させてFEM解析を行った際の緒元を示す図である。 本発明の立坑と補剛部材を備えない立坑本体のみの各々についてFEM解析を行った際の静的荷重を示す図である。 本発明の立坑と補剛部材を備えない立坑本体のみの各々に静的荷重を作用させてFEM解析を行った場合の変形図である。 本発明の立坑と補剛部材を備えない立坑本体のみの各々に静的荷重を作用させたFEM解析を行った場合のモーメント図である。 本発明の立坑の地震時設計方法の手順を示すフロー図である。 本発明の立坑本体の2次元の解析モデルを示す図である。 本発明の立坑の3次元の解析モデルを示す図である。
本発明の立坑および立坑の地震時設計方法は、立坑本体の側壁に形成された欠損部を補剛する補剛部材を側壁の外周面に剛接合するとともに、補剛部材の先端を線状地下構造物との接続部とすることにより、立坑を経済的で合理化された構造とするものである。以下に、トンネルに接続する立坑を事例に挙げ、本発明の立坑と立坑の地震時設計方法を、図1〜図8を用いて説明する。
なお、線状地下構造物は、トンネル、下水管、電力線や通信線の洞道等、地盤中で横方向に延在する地下構造物であればいずれでもよく、また、立坑も、シールドトンネルの発進もしくは到達立坑、地下駅舎の躯体、洞道に連絡する立坑等、鉛直方向に構築される円筒状や角筒状の地下構造物であればいずれでもよい。さらに立坑本体の躯体も、ケーソンや地中連続壁等、鉄筋コンクリート造であればなんら限定されるものではない。
図1(a)(b)で示すように、全長が地盤9中に構築されている立坑1は、立坑本体2と補剛部材6とを備えている。立坑本体2は、床版3にて底部を閉塞された筒状の側壁4を備え、軸心が鉛直状となる姿勢で立設されている。側壁4には、内外を連通する孔状の欠損部5が設けられるとともに、欠損部5を囲うように補剛部材6が接合されている。
補剛部材6は管状材よりなり、中空が欠損部5と連通する態様でその基端が立坑本体2の側壁4に剛接合されている。本実施の形態では、補剛部材6の基端を側壁4のの外周面に剛接合しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、立坑本体2に対して一体に接合されていれば、例えば欠損部5の内周面に接合されるものであってもよい。
このような立坑本体2の欠損部5を、補剛部材6にて補剛することにより生じる効果を把握するべく、立坑本体2のみの解析モデルおよび立坑本体2に補剛部材6を剛接合した立坑1の解析モデルを作成し、3次元FEM解析を行った。
3次元FEM解析を実施するにあたって、立坑本体2および補剛部材6は、それぞれ図心位置における線状シェル要素でモデル化した。なお、本実施の形態では、図1(b)で示すように、欠損部5は、立坑本体2の側壁4に対して対向する位置に1対設けられており、これらを補剛する補剛部材6は、各々の軸心を同一直線状に位置するようにして配置されているものとした。
また、立坑本体2、欠損部5および補剛部材6の寸法は図2(a)に、立坑本体2および補剛部材6の物性値は図2(b)に、立坑本体2および補剛部材6の線状シェル要素の壁厚は図2(c)に、それぞれ示すとおりである。そして、荷重条件は、図3で示すように、立坑本体2の軸線と補剛部材6の軸線を含む平面に対して直交する方向に作用する100kN/m2の等分布荷重とした。
図4(a)(b)の変形図をみると、立坑本体2に補剛部材6が設置されていない図4(a)では、側壁4における一対の欠損部5の間に位置する領域において、大きい変形が生じていることを示す濃色部分が広い範囲に広がっている。これに対し、立坑本体2に補剛部材6が設置されている図4(b)では、濃色部分の範囲が小さくなっており、欠損部5周辺の変形が小さくなっている様子がわかる。
同様に、図5(a)(b)の曲げモーメント図をみると、立坑本体2に補剛部材6が設置されていない図5(a)では、側壁4における一対の欠損部5の間に位置する領域および床板3近傍において、応力が発生していることを示す濃色部分が広い範囲に広がっている。これに対し、立坑本体2に補剛部材6が設置されている図5(b)では、上記の位置における濃色部分の範囲が小さくなる一方で、側壁4の欠損部周辺および側壁4と剛接合している補剛部材6の基端近傍に濃色部分が存在し、応力が分散している様子がわかる。
このように、欠損部5の近傍に補剛部材6を立坑本体2と一体をなすよう剛結合することで、立坑本体2の軸線と補剛部材6の軸線を含む平面に対して直交する方向に作用する等分布荷重が立坑1に作用した際に、図1(b)示すような、側壁4の欠損部周辺Sと補剛部材6の両者をせん断抵抗部材として扱うことができる。このため、立坑本体4に対して、側壁4の内周面であって欠損部5の上下に補剛リングを構築したり、欠損部5周辺における側壁4の部材厚を厚くするといった、中空断面を狭小化するような過大な補剛対策を回避でき、立坑1を経済的で合理化された構造とすることが可能となる。
また、補剛部材6は、上述する側壁4を補剛する機能に加えて、立坑1と線状地下構造物7とを接続する機能を有するとともに、接続後は線状地下構造物7の一部分として機能する。具体的には、図1(b)で示すように、補剛部材6の中空断面の形状および大きさを立坑1と接続しようとする線状地下構造物7の内空断面と同様の形状に形成しておくとともに、補剛部材6の軸線を線状地下構造物7の軸線の延在方向に位置合わせしておく。こうすると、補剛部材6を利用して立坑1と線状地下構造物7とを容易に接続することが可能となる。
このとき、補剛部材6の先端に可撓性継ぎ手8を設置し、可撓性継ぎ手8を介して線状地下構造物7を接続するとよい。こうすると、地震発生時に立坑1と線状地下構造物7各々が異なる挙動を示すことに起因して両者の間に相対変位が生じた場合にも、応力の集中しやすい補剛部材6の基端と立坑本体2の側壁との接合部において、発生応力の大幅な緩和を図ることが可能となる。
なお、可撓性継ぎ手8を介することにより補剛部材6と線状構造物7とは絶縁されるため、補剛部材6が線状構造物7の一部として機能する場合であっても、両者の躯体は必ずしも同一の構造を備えていなくてもよい。したがって、線状地下構造物7は、山岳工法やシールド工法等いずれの施工方法により構築されるものであってもよいし、補剛部材6も、立坑本体2の側壁4に剛に接合できる構造を有していれば、場所打ちコンクリート造、プレキャストコンクリート造、もしくは合成構造等、いずれの態様にて構築するものであってもよい。
さらに、補剛部材6は立坑本体2の側壁4を補剛する機能および立坑1と線状地下構造物7とを接続する機能に加えて、立坑1の地震時の安定性を確保する機能を付与することも可能である。
具体的には、図1で示すように、立坑1のうち少なくとも補剛部材6を岩盤10に構築するとともに、補剛部材6の突出長さを適宜調整する。こうすると、立坑1に対して地震等により水平方向の外力が作用するもしくは地下水位の上昇等により鉛直方向の外力が作用して、立坑1に転倒や浮き上がりを生じるような挙動が生じても、立坑本体2の外周面から突出する補剛部材6が岩盤10に当接する。これにより立坑1の挙動が抑制されるため、立坑1はいずれの外力が作用しても、その姿勢を安定した状態で保持し、立坑1としての機能を維持することが可能となる。
上述する補剛部材6を立坑本体2に備えた立坑1について耐震設計を実施する際には、立坑1が地盤9内にあることを考慮した耐震性能照査を行う。一般に、地盤9中に構築される地中構造物は、地震発生時に自身が変形するのではなく、先に周辺地盤が変形し、その影響が地中構造物に作用して地中構造物に変形および断面力が生じることが知られている。このため、地中構造物の構造解析には、応答変位法、応答震度法、動的解析法のいずれかが採用される。そこで、本実施の形態では、立坑1の耐震解析に動的解析法を採用することとし、動的解析法により算定された結果に対して耐震性能照査を実施する、補剛部材6を備えた立坑1の地震時設計方法を、図6のフロー図で示す手順に従って詳述する。
まず、立坑本体2の鉛直方向について耐震設計を行う(STEP1)。具体的には、立坑本体2の設計条件(例えば、側壁4の壁圧、配筋、コンクリート強度等)を設定する。次に、図7で示すように、立坑本体2を側壁4を梁要素、床版3や地盤9および立坑本体2内部を平面ひずみ連続体要素でモデル化した2次元解析モデルを作成し、FEM動的解析法により地震時の変位および断面力(曲げモーメント、せん断)を算出する。
なお、本実施の形態では、地震時の変位および断面力を、前記立坑本体2の側壁4における欠損部5の周囲に発生する応力が前記補剛部材6に分散することを考慮し、算出している。具体的には、欠損部における剛性を欠損部のない状態としてモデル化し、断面力を算出する。そして、算出した断面力に相当する荷重を、後述する立坑1の水平方向の耐震設計(STEP2)を行う際に、補剛部材6に作用させることにより、2次元解析モデル上で欠損部5の周囲に発生する応力を前記補剛部材6に分散させている。
この後、耐震性能照査として、FEM動的解析法により算出した水平変位に基づいて、立坑本体2の安定照査を実施するとともに、同じくFEM動的解析法により算出した断面力に基づいて、立坑本体2の耐力照査を行う。耐力照査は、従来より実施されている手法である許容応力度設計法もしくは限界状態設計法のいずれを使用してもよい。
上記の耐震性能照査にて、地震後に立坑本体2としての安全性および機能が維持でないと判定した場合には、立坑本体2の設計条件を変更する工程に戻り、上記の検討を繰り返す。一方、立坑本体2としての安全性および機能が維持できると判定した場合には、立坑1の水平方向の耐震設計を行う(STEP2)。
立坑1の水平方向の耐震設計では、補剛部材6の設計条件を設定したうえで、立坑本体2に補剛部材6を剛接合した立坑1をモデル化した3次元解析モデルを作成し、立坑本体2の鉛直方向の耐震設計において算出される最大地盤ばね反力度を地盤反力として採用し、この荷重を作用させることにより、FEM動的解析法にて地震時の断面力(曲げモーメント、せん断)を算出する。このとき、立坑本体2の設計条件(例えば、側壁4の壁厚、配筋、コンクリート強度等)は、立坑本体2の鉛直方向の耐震設計において安全性および機能が維持できると判定した時の数値を採用する。
また、3次元の解析モデルを作成する際の要素はいずれでもよいが、例えば、図8で示すように、立坑本体2の側壁4と補剛部材6とを線形シェル要素、立坑本体2の床版3をソリッド要素(図示せず)でモデル化するとよい。さらに、荷重条件は、静水圧と静止土圧を足し合わせた等分布荷重と、先に述べた立坑本体2の鉛直方向の耐震設計において算出される最大地盤ばね反力度を採用した地盤反力と、補剛部材6に作用させる、立坑本体2の鉛直方向の耐震設計において算出した断面力に相当する荷重である。なお、地盤反力は、立坑周辺の地盤応力から計算してもよい。
この後、FEM動的解析法により算出した断面力に基づいて、立坑本体1の耐力照査を行う。耐力照査は、立坑本体2の鉛直方向の耐震設計と同様に、許容応力度設計法もしくは限界状態設定法のいずれを採用してもよい。耐力照査にて、地震後に立坑1としての安全性および機能が維持でないと判定した場合、立坑本体2の鉛直断面の耐震設計(STEP1)まで戻って、立坑本体2の設計条件を適宜変更し、再計算を行ってもよいし、立坑本体2の設計条件は変更せず、補剛部材6の設計条件を変更し、立坑1の水平方向の耐震設計に係る再計算を行ってもよい。
このように、本実施の形態では、立坑1の水平方向の耐震性能照査において安全性を満足できない場合に、補剛部材6の設計条件を適宜変更して検討を繰り返すことができるため、必ずしも立坑本体2の鉛直方向の検討に戻って立坑本体2の設計条件から検討をやり直す必要がなく、耐震設計に係る手間を大幅に省力化することが可能となる。
また、補剛部材6の設計条件を変更することで、立坑本体2について鉛直方向の検討で得た設計条件を変えることなく部材耐力を増減できるため、立坑本体2を過大な構造とせず、必要とされる機能に見合った合理的な構造に設計できる。
一方、立坑1に接続する線状構造物7は、上記のような立坑1の耐震設計に影響を受けることなく、応答変位法等従来の手法に基づいて耐震設計を行えばよい(STEP3)。なお、線状地下構造物7は、可撓性継ぎ手8を介して補剛部材6に接続するされるため、一般部についてのみ設計すればよい。
本発明の立坑1および立坑1の地震時設計方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、側壁4に2つの欠損部5が設けられ、欠損部5の形状が円形の孔であることから、補剛部材6も側壁4に2体設置され、その形状は中空断面が円形の管状材となっている。しかし、補剛部材6の数量および中空断面形状は、欠損部5に対応していればいずれでもよい。
また、本実施の形態では、欠損部5を円形孔としたが、必ずしもこれに限定されるものではなく、線状構造物7の中空断面形状と同様の形状を有していれば、馬蹄形等いずれの形状であってもよく、欠損部5の数量やその配置位置についても、なんら限定されるものではない。
さらに、本実施の形態では、立坑1の水平方向の耐震設計において、3次元解析モデルを採用したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、2次元解析モデルを採用してもよい。
1 立坑
2 立坑本体
3 床版
4 側壁
5 欠損部
6 補剛部材
7 線状地下構造物
8 接合部材
9 地盤
10 岩盤

Claims (5)

  1. 地盤中に構築され、線状地下構造物との接続部を備える立坑であって、
    側壁に孔状の欠損部を有する筒体よりなる立坑本体と、前記欠損部の近傍を補剛する補剛部材とを備え、
    該補剛部材は、中空部を前記欠損部と連通させる姿勢で、基端が前記側壁に剛接合された管状材よりなり、先端が前記側壁から突出し、前記線状地下構造物との接続部をなすことを特徴とする立坑。
  2. 請求項1に記載の立坑において、
    前記補剛部材の先端に、前記線状地下構造物と接続する可撓性継ぎ手が設置されることを特徴とする立坑。
  3. 請求項1または2に記載の立坑において、
    前記補剛部材の配置される地盤が、岩盤であることを特徴とする立坑。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の立坑の地震時設計方法であって、
    前記立坑本体の鉛直方向について、該立坑本体をモデル化した2次元解析モデルを作成し、該立坑本体の側壁において前記欠損部の周囲に発生する応力が前記補剛部材に分散することを考慮して該立坑本体の構造解析を行うとともに耐震性能照査を行った後、
    前記立坑の水平方向について、前記立坑をモデル化した2次元または3次元解析モデル作成し、該立坑の構造解析を行うとともに耐震性能照査を行うことを特徴とする立坑の地震時設計方法。
  5. 請求項5に記載の立坑の地震時設計方法において、
    前記立坑の水平方向の耐震性能照査では、前記補剛部材の設計条件を変更することにより、前記立坑本体の部材耐力を増減させることを特徴とする立坑の地震時設計方法。
JP2016197427A 2016-10-05 2016-10-05 立坑および立坑の地震時設計方法 Active JP6915254B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016197427A JP6915254B2 (ja) 2016-10-05 2016-10-05 立坑および立坑の地震時設計方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016197427A JP6915254B2 (ja) 2016-10-05 2016-10-05 立坑および立坑の地震時設計方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018059323A true JP2018059323A (ja) 2018-04-12
JP6915254B2 JP6915254B2 (ja) 2021-08-04

Family

ID=61908734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016197427A Active JP6915254B2 (ja) 2016-10-05 2016-10-05 立坑および立坑の地震時設計方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6915254B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019065633A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 株式会社大林組 立坑の地震時設計方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0813562A (ja) * 1994-06-27 1996-01-16 K Mac Kk 壁排水会合管用単位体及びその付設方法
JPH08113968A (ja) * 1994-10-17 1996-05-07 K Mac Kk 排水管継手
JPH11247582A (ja) * 1998-03-05 1999-09-14 Pub Works Res Inst Ministry Of Constr 立坑接合部に於ける免震及び止水工法並びに免震及び止水構造
JPH11287083A (ja) * 1998-04-02 1999-10-19 Mitsui Constr Co Ltd 横坑構造物と立坑構造物との接続構造
JP2008133595A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Tokyo Institute Of Technology 地下構造物の安全評価システムおよび安全評価方法
JP2009057714A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Sanritsu:Kk マンホールと下水道本管との接続構造
JP2011241639A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Kajima Corp 立坑坑口部の接合構造

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0813562A (ja) * 1994-06-27 1996-01-16 K Mac Kk 壁排水会合管用単位体及びその付設方法
JPH08113968A (ja) * 1994-10-17 1996-05-07 K Mac Kk 排水管継手
JPH11247582A (ja) * 1998-03-05 1999-09-14 Pub Works Res Inst Ministry Of Constr 立坑接合部に於ける免震及び止水工法並びに免震及び止水構造
JPH11287083A (ja) * 1998-04-02 1999-10-19 Mitsui Constr Co Ltd 横坑構造物と立坑構造物との接続構造
JP2008133595A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Tokyo Institute Of Technology 地下構造物の安全評価システムおよび安全評価方法
JP2009057714A (ja) * 2007-08-30 2009-03-19 Sanritsu:Kk マンホールと下水道本管との接続構造
JP2011241639A (ja) * 2010-05-20 2011-12-01 Kajima Corp 立坑坑口部の接合構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019065633A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 株式会社大林組 立坑の地震時設計方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6915254B2 (ja) 2021-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cardoso et al. Finite element (FE) modelling of storage rack frames
Lee et al. Strength prediction for ring-stiffened DT-joints in offshore jacket structures
JP5276139B2 (ja) 座屈拘束ブレース及び該座屈拘束ブレースを用いた建築構造物
Carrera et al. Analysis of reinforced and thin-walled structures by multi-line refined 1D/beam models
Bahrami et al. 3D numerical investigation of the effect of wall penetration depth on excavations behavior in sand
CN109214020B (zh) 一种储罐弹塑性象足屈曲临界载荷获取方法及装置
Kim et al. Analytical solutions of lateral–torsional buckling of castellated beams
JP6730884B2 (ja) 構造体の設計方法
Zhao et al. Hysteretic behaviour of overlapped tubular k-joints under cyclic loading
JP2018059323A (ja) 立坑および立坑の地震時設計方法
Takhirov et al. Bolted large seismic steel beam-to-column connections Part 2: numerical nonlinear analysis
CN109214018B (zh) 一种储罐设计方法及装置
JP6972870B2 (ja) 立坑の地震時設計方法
CN108166503B (zh) 支护结构最大变形能力近似计算方法及***
CN105102734B (zh) 混合结构及其构筑方法
CN106055782B (zh) 一种隧道施工救生舱舱体强度有限元模拟分析方法
JP2016008384A (ja) ハイブリッド梁
JP5377563B2 (ja) マンホールの補強方法
Aksogan et al. Dynamic analysis of non-planar coupled shear walls with stiffening beams using Continuous Connection Method
CN110427701B (zh) 一种基于安全储备系数的隧道二次衬砌设计方法及***
Lou et al. Studies into a high performance composite connection for high-rise buildings
CN110472314B (zh) 一种评估隧道存在软弱夹层下掌子面稳定性的方法
CN209055418U (zh) 一种岩石拉伸剪切试验用剪切盒
Popa et al. Stress and displacements analysis for drilling mast elements made of rectangular pipe: the overload test case
Kharat et al. Study of different type reinforcement in cylindrical pressure vessel

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200825

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210628

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6915254

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150