JP2018059166A - パラジウム−ニッケル合金皮膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低応力で、クラックや密着不良の発生が少なく、耐久性、耐食性、耐摩耗性に優れ、色調ムラの少ないパラジウムニッケル合金皮膜を厚くめっきする方法の提供。
【解決手段】膜厚が10〜120μmであり、好ましくは、5〜300MPaの応力であり、更に、ピッカース硬さが200〜600Hvである、パラジウム−ニッケル合金皮膜。ニッケル含有量が好ましくは0.1〜50質量%であるパラジウム−ニッケル金皮膜。テトラアンミンパラジウム塩化物、硫酸ニッケル、電解質としてアンモニウム塩、応力緩衝剤として安息香酸、クロモトロープ酸、サッカリン、ベンゼンスルホン酸Na、を含有するめっき浴を用いるパラジウム−ニッケル合金皮膜及びその製造方法。陽極を隔膜で覆ってもよいパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気・電子・機械部品等の構成材料としての、パラジウム−ニッケル合金皮膜及びその製造方法に関し、特に、膜厚を厚くしても、色調ムラが少なく、低応力でクラックや密着不良の発生が少なく、硬く耐久性・耐摩耗性に優れると共に、耐食性の高い、パラジウム−ニッケル合金皮膜及びその製造方法に関する。
従来、電気・電子・機械部品等の製造を目的としためっき方法には、ニッケル、銅、金、銀などの金属を用いた電解めっきが用いられていた。しかし、ニッケルは卑な金属であり、その表面が酸化、腐食されやすいことから、耐食性が求められる部材には向いておらず、一方、金、銀などの貴な金属は、卑な金属に比べて、酸化、腐食され難いことから、耐食性には優れるものの、金属としては軟らかいため、機械的な耐久性、耐摩耗性に劣るということがあった。また、銀は、その表面が硫化されやすく、変色しやすいという欠点をもっていた。
これに対して、貴金属の中でも、耐酸化性や耐食性に優れ、また、耐久性・耐摩耗性に優れた材料として、白金族元素のめっき皮膜が注目されており、白金族元素の中でも優れた耐食性、耐熱性、耐酸化性などの諸特性を持ち、比較的めっき処理が容易なパラジウム又はパラジウム合金が有望視されている。ここで、以下にパラジウムやパラジウム合金めっきに関する先行技術を示す。例えば、特許文献1には、クラックのない光沢性に優れたパラジウム−コバルト合金めっき液及び該めっき液を用いて形成した合金皮膜が開示されている。
また、特許文献2には、パラジウム−リン合金めっき皮膜及びその製造方法が記載され、特許文献3には、電解用パラジウムめっき液及びそれを用いて形成されたリードフレームが開示されている。上記のようなパラジウムやパラジウム合金は、耐食性や耐摩耗性等を有する優れた材料であるが、めっき皮膜の膜厚が厚くなると、その硬さ故に、柔軟性が低いことに加えて、高い内部応力や水素吸蔵などの諸特性により、皮膜にクラックや剥がれが生じ、下地膜との密着不良が生じたり、素材を含めた部品全体に反りが生じたりする。
特に、パラジウム−ニッケル合金めっきの光沢皮膜は、上記特許文献3にあるようなパラジウム単独の無光沢や半光沢の皮膜と比べて、内部応力が高いため、厚膜の作製は非常に困難とされている。なお、特許文献1は、パラジウム−コバルト合金めっき被膜に関する発明であり、また、特許文献2は、パラジウム−リン合金めっき被膜であって
パラジウム−ニッケル合金被膜について一切言及されていない。また、特許文献4は、パラジウム−ニッケル合金メッキ液に関する発明であるが、電着皮膜の膜厚は2μmと膜厚の薄いものを対象としている。
特開2009−1886号公報 特開2012−241260号公報 特開2007−262507号公報 特開平5−271980号公報
本発明は、上記問題を解決するものであって、膜厚の厚いパラジウム−ニッケル合金皮膜及びその製造方法を提供することを課題とし、特に、膜厚を厚くしても、低応力でクラックや密着不良の発生が少なく、また、耐久性・耐摩耗性、耐食性に優れ、さらに
色調ムラが少ない、パラジウム−ニッケル合金皮膜及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、パラジウム−ニッケル合金めっきのめっき液成分の配合やめっき条件を工夫することで、めっき皮膜における内部応力を低い状態で維持することが可能となり、その結果、膜厚を厚くしてもクラックや密着不良が少ない、パラジウム−ニッケル合金皮膜を形成することができるとの知見が得られ、本発明を完成するに至った。前記課題は以下に示す本発明によって解決される。
1)膜厚が10μm以上120μm以下であることを特徴とするパラジウム−ニッケル合金皮膜。
2)応力が5MPa以上300MPa以下であることを特徴とする上記1)記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜。
3)ビッカース硬さが200Hv以上600Hv以下であることを特徴とする上記1)又は2)記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜。
4)ニッケル含有量が0.1質量%以上50質量%以下であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一に記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜。
5)皮膜外観が鏡面光沢又は全光沢であることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一に記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜。
6)上記1)〜5)のいずれか一に記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法であって、電解めっき時の陽極を隔膜で覆うことを特徴とするパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法。
7)上記1)〜5)のいずれか一に記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法であって、電解めっき時の陽極として、酸化イリジウム又は酸化イリジウムをコーティングしたもの使用することを特徴とするパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法。
本発明によれば、クラックや下地との密着不良が少なく、膜厚の厚い、パラジウム−ニッケル合金皮膜を得ることができる。これにより、従来の技術では実現できなかった硬くて耐久性・耐摩耗性に優れ、耐食性の高い厚い膜厚のめっき皮膜を用いた電気部品・電子部品・機械部品、電鋳品等の製造が可能となる。さらに、めっき浴の配合成分の種類や濃度その他のめっき条件を適切に調整することで、上記めっき皮膜の光沢を、無光沢、半光沢、光沢(全光沢又は鏡面光沢)の少なくとも3段階に制御することができるので、外観上の品質要求も満たすことができる。
本発明は、電解めっきにより形成したパラジウム−ニッケル合金膜であって、膜厚が10μm以上120μm以下であることを特徴とするめっき膜である。先述のとおり、パラジウム−ニッケル合金めっき皮膜は、一般的に内部応力が高いため、厚膜のものを形成することが困難とされていたが、本発明は、めっき液やめっき条件等を適切に調整することで内部応力の上昇を抑制し、これにより、膜厚の厚いパラジウム−ニッケル合金膜の形成を可能としたものである。
パラジウム−ニッケル合金めっき皮膜は、パラジウムが高価であるにもかかわらず、皮膜の耐食性が高いことから、耐食性を有する部材等への応用が期待されている。しかし、耐食性を有する部材は、強酸性で金属腐食性の高い溶液に接触している場合が多く、耐食性の高いパラジウム−ニッケル合金皮膜であっても、数μm程度の厚さでは腐食による部材の物性低下は避けられない。したがって、めっき被膜の膜厚は10μm以上、好ましくは30μm以上、さらに好ましくは50μm以上とする。
パラジウム−ニッケル合金めっき皮膜の膜厚は、用途等に応じて、厚くしていくことが有効であるが、クラックや剥がれ、下地との密着性の観点から、膜厚120μm以下とするのが望ましい。一方、本発明は、10μm未満の薄い膜を形成することも可能であり、下地との密着性や、応力による部材の反り等に敏感な薄いシート状の部材を形成する場合には、10μm未満の膜厚の薄いパラジウム−ニッケル合金めっき皮膜は有効である。本発明において、めっき皮膜の厚みは、皮膜断面をSEMで測定した。
また、本発明のパラジウム−ニッケル合金皮膜は、上記のような厚い膜厚であっても、応力が5MPa以上300MPa以下であることを特徴とする。低応力のめっき膜は、クラックや剥がれが生じ難く、また、下地との良好な密着性を維持することができる。本発明において、応力は、スペシャルティ テスティング アンド デベロップ社製 ストリップ電着応力測定器を用いて測定し、測定して得られたゲージ幅とめっき重量から得られた膜厚をもとに算出した。
また、本発明のパラジウム−ニッケル合金膜は、ビッカース硬度が200Hv以上、600Hv以下であることを特徴とする。このような硬度の高いめっき皮膜は、耐久性及び耐摩耗性に優れ、長期間使用しても、その機能を損なうことなく、安定した特性を維持することができる。硬度は、ニッケル含有量やめっき条件で変化し、ニッケル含有量が多くなると硬くなり、陰極電流密度が上がるとめっき皮膜は硬くなる。また、一般的に結晶粒径が小さくなると硬度が上がる。
本発明において、ビッカース硬度は、株式会社ミツトヨ製微小硬さ試験機HM−221を用いて測定した。具体的には、めっき皮膜を最低10μm以上で成膜し、測定する皮膜は圧痕が見えやすいように平滑で光沢外観とした。試験力は2水準以上で同等の値がでるような試験力を求め、試験力が大きい値を採用した。また、硬度は2回測定の平均値を求めた。測定条件は、試験時間:負荷4秒、保持10秒、除荷4秒とし、試験力は厚みにより任意に変更した。
本発明のパラジウム−ニッケル合金膜は、ニッケルの含有量が0.1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。ニッケルの含有量は、めっき皮膜の外観や、皮膜の内部応力、硬度に影響を与える。パラジウム−ニッケル合金膜中の合金比率は、めっき液中のニッケル塩の濃度、及び、パラジウムの濃度とニッケルの濃度の比によって調整することができる。例えば、パラジウムの濃度10g/Lに固定した場合、ニッケルの濃度を1〜10g/Lと変化させることで、ニッケルの含有量を0.1〜50質量%に変化させることができる。0.1質量%を未満であると、めっき皮膜の光沢が失われると共に皮膜の応力が上昇し、一方、50質量%を超えると、耐食性が低下する。
本発明は、パラジウム−ニッケル合金皮膜の外観が光沢(鏡面光沢、全光沢)であることを特徴とする。めっき皮膜には、無光沢、半光沢又は光沢(鏡面光沢又は全光沢)の少なくとも3段階の光沢具体があり、用途等に適しためっき外観とする必要がある。光沢は、ニッケルの含有量やめっき条件の影響を受け、また一般的に、結晶の大きさが小さくなると、表面の凹凸も小さくなるため光沢度は強くなる。鏡面光沢又は全光沢は外観に艶があり見た目が良いものの、クラックや剥がれ、色ムラを生じ易いが、本発明によれば、鏡面光沢又は全光沢で外観不良(クラック等)のないめっき皮膜を形成することができる。
以下に、本発明のパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法について具体的に示す。まず、一例として、次の成分からなるパラジウム−ニッケルめっき浴を建浴する。
テトラアンミンパラジウム(II)塩化物
硫酸ニッケル(II)六水和物
硫酸アンモニウム
サッカリンナトリウム二水和物
ベンゼンスルホン酸ナトリウム
安息香酸
めっき浴は、パラジウム塩及びニッケル塩を主成分とし、さらに応力緩和剤、及び、電導塩を添加する。パラジウム塩として、上記テトラアンミンパラジウム(II)塩化物の他、ジブロモテトラアンミンパラジウム([Pd(NH]Br)、ジイオドテトラアンミンパラジウム([Pd(NH]I)、サルフェイトテトラアンミンパラジウム([Pd(NH)(SO))、のようなテトラアンミンパラジウム化合物;ジクロロジアミンパラジウム([Pd(NHCl])、ジブロモジアンミンパラジウム([Pd(NHBr])、ジイオドジアンミンパラジウム([Pd(NH])、サルフェイトジアンミンパラジウム([Pd(NH(SO)])のようなジアンミンパラジウム化合物などを用いることができる。
また、ニッケル塩としては、硫酸ニッケル(II)水和物の他、酢酸ニッケル、アミド硫酸ニッケル、塩化ニッケルなどを用いることができ、ニッケル塩の酸根は限定されない。皮膜中の合金比率は、めっき浴中のパラジウムとニッケルの濃度で変化させることができるが、ニッケル塩の役割は合金比率のコントロールだけでなく、外観及び皮膜の内部応力にも影響を与えるので、この点を考慮してそれぞれの濃度を決める必要がある。
応力緩和剤としては、ナフタレンスルフォン酸類、芳香族スルファミド及び芳香族カルボン酸などを添加する。例えば、サッカリン、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、クロモトロープ酸ナトリウム、安息香酸などが挙げられる。特に、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、クロモトロープ酸ナトリウム、安息香酸を用いることが好ましい。なお、これらの応力緩和剤は、電鋳に使用されているが、その効果の発現機構はほとんど知られておらず、また、本発明のような、パラジウム−ニッケル合金厚付めっきに応用された例は確認できない。
また、めっき液の電導塩は、一般的に使用するpH付近に緩衝作用があるものを選択することができるが、電導塩の種類によっては、皮膜外観及び内部応力に影響を与えることから、所望の特性を考慮しながら決める必要がある。電導塩としては上記で挙げた硫酸アンモニウムの他、塩化アンモニウム、アミド硫酸アンモニウム、クエン酸アンモニウムなどを用いることができる。また、電導塩は、15〜50g/L添加することが好ましい。
次に、上記めっき浴を用いて、例えば、以下の条件で電解めっきを行い、めっき皮膜を形成する。なお、下記の条件は、一例であって、本発明はこの条件に限定されるものでない。
電流: 0.6A
電解時間: 120分
電流密度: 2A/dm
浴量: 3L
pH: 7
温度: 40℃
撹拌速度: 300rpm
カソード: 銅(下地めっきなし)
アノード: 酸化イリジウムコーティングチタン
陽極隔膜: 有り
上記の通り、めっき時の不溶性陽極として、白金の代わりに酸化イリジウムを用いることでめっき液成分の酸化反応による副生成物の蓄積を低減し、応力上昇を抑えることができる。また、パラジウムめっき皮膜に水素が吸蔵されて内部応力が上昇することが知られていることから、めっき条件を調整し電析する結晶サイズを小さくすることで、結晶格子内への水素吸蔵等による格子ひずみを抑制して、皮膜全体の応力を低下させることが好ましい。
ところで、パラジウム−ニッケルめっきにおいて、長時間電解を行うと内部応力が上昇するという問題がある。これについて研究を進めったところ、めっき液中の内部応力上昇は、アノード酸化反応により生成する無機塩及び有機物の酸化体とめっき成分の相互作用により引き起こされることが分かった。このような知見から、本発明では、隔膜を使用することにより、陽極上で発生する亜硝酸イオンが陰極へ拡散するのを抑制して、内部応力の上昇を抑えることを特徴としている。なお、上述した隔膜において、隔膜内の液成分は必ずしもめっき液成分と同じである必要はなく、むしろ金属塩や添加剤を含まない液を用いた方が好ましく、また、隔膜内の液を適宜、交換するのが好ましい。
次に、本願発明の実施例及び比較例について説明する。なお、以下の実施例は、あくまで代表的な例を示しているもので、本願発明はこれらの実施例に制限される必要はなく、明細書の記載される技術思想の範囲で解釈されるべきものである。
(実施例1−8)
下記の表1に記載される成分からなるパラジウム−ニッケルめっき浴を建浴し、それぞれのめっき浴を用いて、同表に掲載される条件にて電解めっきを行い、めっき皮膜を形成した。その結果、実施例1−8のいずれも、めっき外観が良好な(クラック、剥がれ、色ムラ等がなく、鏡面光沢)、膜厚100μmのパラジウム−ニッケル合金皮膜が得られた。また、いずれのめっきにおいても、応力の上昇は抑えられ、また硬度も所定の範囲内であった。なお、実施例1−8のめっき皮膜の膜厚は、いずれも100μmであるが、それよりも薄いものは当然、外観不良のなく形成することができることから、表への掲載は、省略した。
(比較例1−6)
下記の表1に記載される成分からなるパラジウム−ニッケルめっき浴を建浴し、それぞれのめっき浴を用いて、同表に掲載される条件にて電解めっきを行い、めっき皮膜を形成した。その結果、比較例1−4において、膜厚が10μmになる前にめっき不良(色無あら)が発生し、100μmのものは得られなかった。なお、比較例5、6は、膜厚が10μm未満のパラジウム−ニッケル合金皮膜であるが、このような膜厚の薄いものについては隔膜を使用せずとも、めっき外観が良好な(クラック、剥がれ、色ムラ等がなく、鏡面光沢)ものが得られた。
本発明のパラジウム−ニッケル合金皮膜は膜厚が厚く、クラックや下地との密着不良が少ないことから、従来の技術では実現できなかった、耐久性や耐摩耗性、耐食性に優れた厚膜めっき皮膜を用いた電気部品・電子部品・機械部品、電鋳品等に有用である。また、本発明は、前記用途以外にも、眼鏡、時計、楽器、アクセサリー等の装飾品にも用いることができる。

Claims (7)

  1. 膜厚が10μm以上120μm以下であることを特徴とするパラジウム−ニッケル合金皮膜。
  2. 応力が5MPa以上300MPa以下であることを特徴とする請求項1記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜。
  3. ビッカース硬さが200Hv以上600Hv以下であることを特徴とする請求項1又は2記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜。
  4. ニッケル含有量が0.1質量%以上50質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜。
  5. 皮膜外観が鏡面光沢又は全光沢であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法であって、電解めっき時の陽極を隔膜で覆うことを特徴とするパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法であって、電解めっき時の陽極として、酸化イリジウム又は酸化イリジウムをコーティングしたもの使用することを特徴とするパラジウム−ニッケル合金皮膜の製造方法。
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