JP2018059055A - ポリプロピレン系樹脂、樹脂発泡シート、及び、樹脂発泡成形体 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂、樹脂発泡シート、及び、樹脂発泡成形体 Download PDF

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皓平 田積
Kohei Tazumi
皓平 田積
道弘 林
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道弘 林
翔太 遠藤
Shota Endo
翔太 遠藤
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Kana Shiraishi
奏 白石
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Abstract

【課題】溶融状態で高いせん断速度での加工が行われる用途に適したポリプロピレン系樹脂を提供し、独立気泡性に優れた樹脂発泡シート並びに強度と軽量性とに優れた樹脂発泡成形体を提供すること。
【解決手段】押出機を通過させた後の一軸伸長粘度のグラフの傾きがひずみ量1〜3の間で1以上となるポリプロピレン系樹脂を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリプロピレン系樹脂、樹脂発泡シート、及び、樹脂発泡成形体に関する。
ポリプロピレン系樹脂は、従来、各種の用途に広く用いられており、該ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体(ホモPP)や、プロピレンとエチレンなどのα−オレフィンとの共重合体(ブロックPP、ランダムPP)が知られている。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、分子中に分岐構造を有していない線状構造のものを主体としたもの(リニアPP)や分岐構造を有するものを主体としたもの(分岐PP)などが知られている。
この分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂は、線状構造のポリプロピレン系樹脂に比べて高い溶融張力を示すことから高溶融張力ポリプロピレン系樹脂などとも称されている。
このような分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂は、溶融状態において一定のひずみ速度での一軸伸長粘度測定を行い、ひずみ量(ひずみ速度×時間)を横軸、伸長粘度を縦軸とした両対数(常用対数)グラフに測定結果をプロットして表すと、ある程度のひずみ量までは伸長粘度が直線的に増大し、その後、傾きを増大させて伸長粘度の変化が直線的ではなくなる「伸長粘度曲線」が得られる。
この前段側の領域については「線形領域」などと称され、後段側の領域については「非線形領域」などと称されている。
また、「非線形領域」では、引張り弾性率などの特性が「線形領域」よりも増大するような形になり、このような特性のことを従来「ひずみ硬化性」など称している。
ポリプロピレン系樹脂においては、ひずみ量(ε)が1(s/s)から3(s/s)にかけての領域における「伸長粘度曲線」の傾きがひずみ硬化性の評価指標として利用されたりしている(下記特許文献1)。
特表2009−542872号公報
発泡層を備えた樹脂発泡シートを押出発泡法によって製造する場合のように溶融樹脂が大きなせん断速度で変形する際に樹脂のひずみ硬化性は大きく影響する。
具体的には、発泡層の形成材料として適度なひずみ硬化性を有する樹脂を選択すると、発泡における破膜が防止されて独立気泡性に優れた樹脂発泡シートが得られ易くなる。
用いる原材料によって樹脂発泡シートの発泡層の状態を良好なものにできるということは、言い換えると樹脂発泡シートの製造時における樹脂温度や樹脂圧に関する条件設定の幅を広げることができるということを意味し、良質な樹脂発泡シートが製造容易になることを意味する。
樹脂発泡シートとしては、発泡層単層のものや、発泡層を含めて2層以上の積層構造を有する「積層発泡シート」などと称されるものが知られている。
この積層発泡シートを共押出法で作製する場合、一つの層と別の層とで原料樹脂の種類が異なったり、これらを同じ種類の樹脂で形成させる場合でもこれらが発泡倍率の大きく異なるものであると両方の層の形成に適した押出条件を設定することには困難性を伴う。
例えば、発泡層と非発泡層とをそれぞれポリプロピレン系樹脂で作製する場合、押出機に対して発泡層側に適した条件設定を行うと非発泡層側では樹脂の溶融粘度が高くなって非発泡層に樹脂切れを生じさせ易くなってしまう。
その一方で、非発泡層側に適した条件設定を行う発泡層側では樹脂の溶融粘度が低くなりすぎて発泡層が良好な発泡状態にならないおそれがある。
そのようなことから、ひずみ硬化性を有する樹脂を発泡層の原材料として選択することで製造条件の設定範囲を広げることができるようになれば、発泡層単層の樹脂発泡シートにおいても前記のような効果が得られるものの積層発泡シートにおいてはより一層有利な効果が得られることになる。
また、独立気泡性に優れた樹脂発泡シートは、強度と軽量性とに優れた樹脂発泡成形体の形成材料として有効なものとなる。
しかしながら従来のポリプロピレン系樹脂においては、樹脂発泡シートのような溶融状態で大きなせん断速度での加工が行われる用途に十分適したものが提供されていないという問題を有する。
そこで本発明は、溶融状態で高いせん断速度での加工が行われる用途に適したポリプロピレン系樹脂を提供し、ひいては独立気泡性に優れた樹脂発泡シートや強度と軽量性とに優れた樹脂発泡成形体を提供することを課題としている。
上記課題を解決すべく、本発明者が鋭意検討を行った結果、押出機を一旦通過させた後に所定のひずみ硬化性を有するポリプロピレン系樹脂が樹脂発泡シートなどの大きなせん断速度が加わる用途に適していることを見出して本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、押出機を通過させた後に温度200℃、1.0/秒の一定ひずみ速度で一軸伸長粘度を測定した際に歪み硬化性を示し、且つ、横軸をひずみ量(ε)の対数(log(ε))、縦軸を伸長粘度(η)の対数(log(η))とした両対数のグラフで一軸伸長粘度の測定結果を表した際にひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾きが1.0以上となるポリプロピレン系樹脂を提供する。
また、本発明は、ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物で形成された発泡層を有する樹脂発泡シートであって、前記樹脂組成物が含有する前記ポリプロピレン系樹脂は、押出機を通過させた後に温度200℃、1.0/秒の一定ひずみ速度で一軸伸長粘度を測定した際に歪み硬化性を示し、且つ、横軸をひずみ量(ε)の対数(log(ε))、縦軸を伸長粘度(η)の対数(log(η))とした両対数のグラフで一軸伸長粘度の測定結果を表した際にひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾きが1.0以上となるポリプロピレン系樹脂である樹脂発泡シートを提供する。
さらに、本発明は、樹脂発泡シート製の樹脂発泡成形体であって、ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物で形成された発泡層を有する樹脂発泡シート製であり、前記樹脂組成物が含有する前記ポリプロピレン系樹脂は、押出機を通過させた後に温度200℃、1.0/秒の一定ひずみ速度で一軸伸長粘度を測定した際に歪み硬化性を示し、且つ、横軸をひずみ量(ε)の対数(log(ε))、縦軸を伸長粘度(η)の対数(log(η))とした両対数のグラフで一軸伸長粘度の測定結果を表した際にひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾きが1.0以上となるポリプロピレン系樹脂である樹脂発泡成形体を提供する。
なお、本明細書中における「ひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾き」とは、原則的には、前記グラフをひずみ量1から3の間で最小2乗法によって直線近似したときのこの直線の傾きを意味する。
但し、ひずみ量が3となる前に伸長した樹脂に切断が生じるなどしてグラフがひずみ量1から3の間で終了してしまうような場合は、例外的に、ひずみ量1から前記グラフの終点までを最小2乗法によって直線近似し、その傾きを「ひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾き」として判断する。
本発明によれば、大きなせん断速度が加わる加工用途に適したポリプロピレン系樹脂が提供され、独立気泡性に優れた樹脂発泡シート並びに強度と軽量性とに優れた樹脂発泡成形体が提供され得る。
ゲル分率を測定するための器具類を示した概略斜視図。
以下に、樹脂発泡シートの一例を示しつつ本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の樹脂発泡シートは、発泡層と非発泡層とを含む積層構造を有する樹脂発泡シート(以下「積層発泡シート」ともいう)である。
本実施形態の積層発泡シートは、単層構造を有する押出発泡シートで前記発泡層が構成され、前記非発泡層が押出フィルムで構成されている。
本実施形態の積層発泡シートは、押出発泡シートと押出フィルムとが一つのダイから押出されてなる共押出品である。
まず、発泡層を構成する単層構造の押出発泡シート(以下単に「発泡シート」ともいう)について説明する。
該発泡シートは、ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物が押出機で押出発泡されて形成されたものである。
本実施形態の発泡シートの原材料となるポリプロピレン系樹脂としては、押出機を通過させた後に温度200℃、1.0/秒の一定ひずみ速度で一軸伸長粘度を測定した際に歪み硬化性を示すものを採用することが重要である。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、横軸をひずみ量(ε:s/s)の常用対数値(log(ε))、縦軸を伸長粘度(η:Pa・s)の常用対数値(log(η))とした両対数のグラフで前記一軸伸長粘度の測定結果を示した際におけるひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾きが1.0以上の値となるものを採用することが重要である。
本実施形態のポリプロピレン系樹脂が示す前記グラフの傾きは、1.1以上であることが好ましく、1.2以上であることがより好ましい。
前記グラフの傾きは、通常、4以下であり、3以下であることが好ましく、2.5以下であることがより好ましく、1.6以下であることがさらに好ましい。
また、本明細書中における「押出機を通過させた後」とは、原則的に、株式会社 東洋精機製作所製「ラボプラストミル(商品名)」によって押し出した後の状態を意味する。
より詳しくは、東洋精機製作所製の「ラボプラストミル」の本体(型式:4M150)に、単軸押出機(型式:D2020(口径:20mm、L/D:20 備え付けの標準スクリュー(1条フルフライト))を取り付け、単軸押出機の3ゾーンの温度を、押出し方向上流側から下流側に向かって、順に210℃、190℃、190℃に設定し、且つ、先端金型温度を180℃に設定するとともに吐出量が1kg/hとなるようにスクリューの回転数を固定し、この「ラボプラストミル」を通過させた後の状態を本明細書では「押出機を通過させた後」の状態として定めている。
なお、一軸伸長粘度の測定は、上記のように設定された「ラボプラストミル」にポリプロピレン系樹脂を供給してストランド状に押出させ、このストランド状の試料を20℃の水を入れた1mの水槽中を通過させて冷却し、冷却された試料を切断して4mm程度の長さの棒状ペレットを作製して求めることができる。
より詳しくは、この棒状ペレットの一軸伸長粘度を粘弾性測定装置を用いて測定することで、ポリプロピレン系樹脂の押出機を通過させた後の一軸伸長粘度の値を測定することができる。
さらに詳細に説明すると、押出機を通過させた後のポリプロピレン系樹脂の一軸伸長粘度の値は、下記条件のもとで測定することができる。
また、押出機を通過させる前のポリプロピレン系樹脂の一軸伸長粘度について測定する必要がある場合も、当該一軸伸長粘度は、下記条件で測定することができる。
<一軸伸長粘度測定条件>
一軸伸張粘度測定は、粘弾性測定装置「PHYSICA MCR301」(Anton Paar社製)、温度制御システム「CTD450」にて測定する。
まず、測定するポリプロピレン系樹脂を熱プレス機にて190℃の温度で5分間プレスし、幅10mm、厚さ約0.8mmの短冊状サンプルを作製する。
次にこの短冊状サンプルを長さが20〜25mmとなるように切り出して試験片とする。
200℃に加熱した粘弾性測定装置の一軸伸張粘度測定用治具(SER2)に試験片をセットし、窒素雰囲気下にて200℃±0.5℃の温度条件で10秒間待機した後、ひずみ速度1.0/秒で一軸伸張粘度を測定する。
測定点間隔は「測定点間隔を対数で取得」に設定し、開始を0.01sec、終了を26secとする。
測定点は200とする。
測定結果は、縦軸を伸長粘度(η:Pa・s)の常用対数値(log(η))、横軸をひずみ量(ε:s/s)の常用対数値(log(ε))とした両対数軸のグラフとし、ひずみ量1から3までの範囲、若しくは、ひずみ量が3に至るまでに試験片が切断したり、ずれる場合はひずみ量1から最大伸長粘度を示したひずみ量までを最小2乗法によって直線近似し、該近似直線の傾きを求める。
押出機を通過させた後に一軸伸長粘度のグラフにおける前記傾きが1.0以上となるポリプロピレン系樹脂としては、分子鎖に分岐構造を有するものが挙げられる。
即ち、押出機通過前のポリプロピレン系樹脂(以下「バージン材」や「バージンPP」ともいう)は、本実施形態においては分岐した分子構造を有するものである。
このバージン材としては、分岐数が多く、分子鎖どうしの絡み合いが形成され易いものが好ましい。
分岐が少ないバージン材は、押出機中で加わるせん断によって分子鎖の絡み合いが解け易く、押出機通過後のひずみ硬化性を押出機通過前に比べて大きく低下させ易い。
この種のポリプロピレン系樹脂を用いた押出発泡法によって発泡シートを製造しようとした場合、ポリプロピレン系樹脂のひずみ硬化性がダイスリットから押出される時点で既に失われ、良好な発泡状態の発泡シートが得られないおそれがある。
一方で分岐数が多く、分子鎖の絡み合いが形成され易いものは良好なひずみ硬化性が押出後にも維持され得る。
そこで、前記バージン材に関しても前記の「一軸伸長粘度測定条件」に基づいて前記傾きを求めた場合、一定以上の傾きを示すことが好ましい。
より詳しくは、押出機通過前の状態にあるバージン材に200℃、1.0/秒の一定ひずみ速度で一軸伸長粘度を測定し、横軸をひずみ量(ε)の対数(log(ε))、縦軸を伸長粘度(η)の対数(log(η))とした両対数のグラフで一軸伸長粘度の測定結果を表した際におけるひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾きを「Slope1」、押出機を通過させた後のポリプロピレン系樹脂に対する同測定で求められる前記グラフの前記傾きの値を「Slope2」とした際に、前記バージン材は下記関係式(1)を満たすことが好ましい。

(「Slope2」/「Slope1」) ≧ 0.5 ・・・(1)
上記の関係式(1)を満たすことで十分な分岐鎖の絡み合いが生成されていることが分かり、発泡時に気泡膜が破れるのを抑制出来るという効果が発揮され得る。
押出機を通過させた後の前記傾きは、通常、バージン材での傾き以下となる。
押出機を通過させた後の前記傾きが、バージン材での傾きを大きく超えるということは、バージン材が反応性を内在させていることを意味する。
そのため、ポリプロピレン系樹脂の物性の安定性を向上させることや、後述するゲル分率の増加を抑制させることを考慮すると、押出機通過後での前記傾き(Slope2)と押出機通過前での前記傾き(Slope1)とは、下記関係式(2)を満たすことが好ましい。

(「Slope2」/「Slope1」) ≦ 2.0 ・・・(2)
ポリプロピレン系樹脂に分岐構造を形成させる方法としては、線状構造を有するポリプロピレン系樹脂(以下、「線状ポリプロピレン系樹脂」や「リニアPP」ともいう)と、ビニルモノマーと、有機過酸化物のようなラジカル発生剤とを押出機中で溶融混練する方法が知られている。
前記発泡層の原材料たるポリプロピレン系樹脂も、このような方法で得られたものを採用することができる。
分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂(以下、「分岐ポリプロピレン系樹脂」や「分岐PP」ともいう)を上記のような方法で作製する際には、β開裂によるリニアPPの主鎖切断が生じ、切断された分子が他の分子に結合することで長鎖分岐が形成される。
そこで、分岐PPの原材料となるリニアPPが分子量の大きなものであるとビニルモノマーやラジカル発生剤を多く添加した場合、樹脂の溶融粘度が高くなり過ぎるおそれがあるため分岐数をあまり増やすことができない。
その一方で分子量の小さなリニアPPは、多くの分岐を導入しても溶融粘度が実用上問題になるまで上昇しない。
そのため、押出機通過後も良好なるひずみ硬化性を示す分岐PPを得るためには、出発材料として分子量が低いリニアPPを採用することが好ましい。
分岐PPの原材料となる線状のポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーを重合させることにより得られる重合体である。
分岐PPの原材料となるポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーの単独重合体やプロピレンモノマーと他のモノマーとの共重合体などが挙げられる。
前記共重合体は、例えば、重合成分100質量%中、プロピレンモノマーの含有量が50質量%以上であることが好ましく、プロピレンモノマーの含有量が80質量%以上であることがより好ましく、プロピレンモノマーの含有量が90質量%以上であることが特に好ましい。
共重合は、ランダム共重合であってもよく、ブロック共重合であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂は、共重合体である場合、プロピレンモノマー以外の成分が、エチレンモノマー及び炭素数4〜8のαオレフィンモノマーからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、エチレンモノマー及び1−ブテンモノマーの内の1種以上であることがより好ましい。
分岐PPの原材料となるポリプロピレン系樹脂としては、具体的には、プロピレンホモポリマー、プロピレンランダムポリマー及びプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
該ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーの単独重合体であることが好ましく、プロピレンホモポリマーであることが好ましい。
前記のようなことから分岐PPの原材料となるポリプロピレン系樹脂は、分子量が比較的小さく、高いメルトマスフローレイト(MFR)を示すものが好ましい。
一般的な発泡シートの形成材料として用いられるポリプロピレン系樹脂は、MFRが3g/10min以下程度であるが分岐PPの原材料となるポリプロピレン系樹脂は、メルトマスフローレイト(MFR)が、4.0g/10min以上であることが好ましい。
該ポリプロピレン系樹脂のMFRは、5.0g/10min以上であることがより好ましく、7.0g/10min以上であることがさらに好ましい。
該ポリプロピレン系樹脂のMFRは、20.0g/10min以下であることが好ましく、18.0g/10min以下であることがより好ましい。
分岐PPやその原材料となるポリプロピレン系樹脂(リニアPP)のMFRは、JIS K7210:1999「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト(MFR)及びメルトボリュームフローレイト(MVR)の試験方法」のB法に基づいて、温度230℃、公称荷重2.16kgの条件にて測定することができる。
分岐PPの原材料となるポリプロピレン系樹脂は、1種類だけでなく2種類以上のものを混合して用いてもよい。
例えば、MFRの異なる2種類のポリプロピレン系樹脂を分岐PPの原材料として採用してもよい。
分岐PPの原材料としては、4.0g/10min以上のMFRを示す第1のポリプロピレン系樹脂と、MFRが4.0g/10min未満の第2のポリプロピレン系樹脂とを併用することが好ましい。
第1のポリプロピレン系樹脂としては、4.0g/10min以上20g/10min以下のMFRを示すものの中から選択されることが好ましく、7.0g/10min以上18.0g/10min以下のMFRを示すものの中から選択されることがより好ましい。
第1のポリプロピレン系樹脂よりもMFRの低い第2のポリプロピレン系樹脂としては、0.1g/10min以上4.0g/10min以下のMFRを示すものの中から選択されることが好ましく、0.5g/10min以上4.0g/10min以下のMFRを示すものの中から選択されることがより好ましい。
第1のポリプロピレン系樹脂と第2のポリプロピレン系樹脂とは、例えば、質量比率(第1PP/第2PP)が90/10〜10/90となるようにブレンドして用いることができる。
このように複数のポリプロピレン系樹脂を分岐PPの原材料とする場合、原材料に含まれる全てのポリプロピレン系樹脂を分岐PPに含有させるのと同じ割合で混合した混合樹脂は、MFRが4.0g/10min以上であることが好ましい。
また、分岐PPの原材料としては、第1のポリプロピレン系樹脂と第2のポリプロピレン系樹脂との合計値に占める第1のポリプロピレン系樹脂の質量百分率をa(%)、第2のポリプロピレン系樹脂の質量百分率をa(%)とし、第1のポリプロピレン系樹脂のメルトマスフローレイトの値をA(g/10min)、第2のポリプロピレン系樹脂のメルトマスフローレイトの値をA(g/10min)、とした際に、下記関係式(x)を満足することが好ましい。

[A×a+A×a]/100 > 4.0 ・・・(x)

第1のポリプロピレン系樹脂と第2のポリプロピレン系樹脂とが上記の関係を有することにより、連気率の低い発泡シートを得るのに適した分岐PPを得ることができるという効果を奏する。
分岐PPは、上記のようにMFRの異なる複数のポリプロピレン系樹脂を出発原料とすることで、そのゲル分率の値を、例えば、1.0質量%以下とすることができ、好ましくは、ゲル分率の値を0.6質量%以下、特に好ましくは0.3質量%以下とすることができる。
分岐PPに含まれるゲルは、発泡層を構成する発泡シートに粗大気泡を形成させる原因となったり、“ブツ”と呼ばれる微小突起を形成させる原因となったりする。
なお、分岐PPや発泡層についてゲル含有量(ゲル分率)を求める場合は、図1に示したような器具を利用し、下記のような方法で求めることができる。
[ゲル含有量測定方法]
試料はペレットやビーズはそのまま使用し、発泡体は1cm角程度にカットする。
その試料0.8gを精秤後、底部が平らで側面をひだ折りにした200メッシュ金網にいれる。
200mLトールビーカー(図1の符号TB)にスノコ(図1の符号BM)を入れ、該スノコとトールビーカーの底との間の空間にスターラーピース(図1の符号ST)を入れる。
スノコの上に試料をいれたメッシュ金網を設置し、キシレン80mLを加える。
加熱攪拌ドライバス装置(アズワン製HDBS−6)を用いて130℃、80rpmで3時間攪拌後、トールビーカー内の200メッシュ金網をピンセットで取り出し、130℃に加熱したキシレン80mL中にて共洗いし金網側面の付着物除去を行う。
その後、金網上の樹脂不溶物をドラフト内で自然乾燥させてキシレンを蒸発させ、最後に樹脂不溶物を金網ごと恒温乾燥器で120℃、2時間乾燥させる。
デシケーター内で放冷後金網ごと質量を測定し、ゲル含有量(質量%)を次式で算出する。

ゲル含有量(質量%)=
金網上の不溶樹脂質量(g)/試料質量(0.8g) ×100

(金網上の不溶樹脂質量=ろ過乾燥後の金網質量−ろ過前金網のみ質量)
分岐PPの分子構造や、製造時におけるゲルの発生量は、MFRの異なる複数のポリプロピレン系樹脂を出発原料とするだけでなく、この出発原料に反応させるモノマーや該モノマーをポリプロピレン系樹脂に反応させるためのラジカル発生剤の種類の選択や量の制限によっても低減できる。
本実施形態においては、前記ラジカル発生剤として有機過酸化物を用い、前記モノマーとして芳香族ビニルモノマーを用いることができる。
前記有機過酸化物は、ポリプロピレン系樹脂に対する水素引抜能を有するものである。
本実施形態で用いられる該有機過酸化物は、特に限定されず、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシケタール及びケトンパーオキサイド等が挙げられる。
前記ハイドロパーオキサイドとしては、例えば、パーメタンハイドロパーオキシド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、及びt−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
前記ジアルキルパーオキサイドとしては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、及び、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3等が挙げられる。
前記パーオキシエステルとしては、例えば、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,5−ジメチル2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、及びt−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等が挙げられる。
前記ジアシルパーオキサイドとしては、例えば、ジベンゾイルパーキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、及びジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド等が挙げられる。
前記パーオキシジカーボネートとしては、例えば、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等が挙げられる。
前記パーオキシケタールとしては、例えば、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ブタン、n−ブチル4,4−ジ-(t−ブチルパーオキシ)バレレート、及び2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
前記ケトンパーオキシドとしては、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等が挙げられる。
本実施形態の有機過酸化物は、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、又は、パーオキシジカーボネートであることが好ましい。
前記有機過酸化物は、下記一般式(X)で表される構造を有していることが好ましい。
Figure 2018059055

(但し、Rは、置換若しくは非置換のフェニル基又は置換若しくは非置換のアルコキシ基を表し、Rは1価の有機基を表している。)
なお、一般式(X)の内、「R」がアルコキシ基である場合、「R」は、炭素数が3〜8個の分枝構造を有するアルキル基(例えば、イソプロピル、t−ブチル、t−ヘキシル、2−エチルヘキシルなど)に酸素原子が結合したアルコキシ基であることが好ましい。
「R」が2−エチルヘキシルに酸素原子が結合したアルコキシ基以外の場合、酸素原子は、2級炭素か3級炭素かに結合していることが好ましく下記一般式(Y)で表される構造を有していることが好ましい。
Figure 2018059055

(但し、式中の「R11」、「R12」は、何れか一方がメチル基で他方が水素原子で、「R14」が炭素数1〜6の直鎖アルキル基を表し、「R13」が2級炭素であることを表している。)
なお、「R」が置換又は非置換のフェニル基かの何れかである場合、「R」は、非置換のフェニル基か、又は、1つの水素原子がメチル基で置換された置換フェニルであることが好ましい。
また、「R」も分枝アルキルやフェニルなどの嵩高い構造を有することが好ましい。
具体的には、下記一般式(Z)で表される構造を有していることが好ましい。
Figure 2018059055

(但し、式中の「R21」は、炭素数1〜6の直鎖アルキル基か、又は、フェニル基を有する1価の有機基かの何れかであることを表している。)
一般式(X)で表される構造を有する有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、などが挙げられる。
適度な分岐を有する分岐PPを作製する上において、ポリプロピレン系樹脂(リニアPP)100質量部に対する有機過酸化物の量は0.1質量部以上1.5質量部以下であることが好ましい。
ポリプロピレン系樹脂100質量部に対する有機過酸化物の量は、0.3質量部以上であることが好ましく、1.0質量部以下であることが好ましい。
前記芳香族ビニルモノマーは、ポリプロピレン系樹脂に化学的結合をし、分岐構造を形成するとともにポリプロピレン系樹脂どうしを架橋する架橋剤として作用する成分である。
本実施形態の分岐PPの形成に用いる芳香族ビニルモノマーは、1種のみでも、2種以上でもよい。
前記芳香族ビニルモノマーとしては、たとえばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのイソプロペニルベンゼンが挙げられる。
なかでも、芳香族ビニルモノマーは、スチレンであることが好ましい。
適度な分岐を有する分岐PPを作製する上において、芳香族ビニルモノマーの量は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
芳香族ビニルモノマーの量は、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対して、0.5質量部以上であることが好ましく、5.0質量部以下であることが好ましい。
なお、要すれば、分岐PPの作製には、芳香族ビニルモノマー以外のモノマーを用いてもよい。
該モノマーとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどのα−オレフィンモノマー;シクロペンテン、ノルボルネンなどのシクロオレフィンモノマー;5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジエンモノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデンなどの塩素系モノマー;アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸などのアクリル系モノマー;エポキシ系モノマー;ビニルアセテートなどのアセテート系モノマーがあげられる。
適度な分岐を有する分岐PPを作製する上において、分岐PPの作製時には芳香族ビニルモノマーやラジカル発生剤の反応性を制御すべくラジカル捕捉剤を用いることが好ましい。
本実施形態のラジカル捕捉剤は、アルキルラジカル種と反応可能なものである。
ラジカル捕捉剤は、アルキルラジカルと結合した後の芳香族ビニルモノマーと結合可能であることが好ましい。
ラジカル捕捉剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ラジカル捕捉剤としては、キノン化合物(キノン類)、ナフトキノン化合物(ナフトキノン類)及びフェノチアジン化合物(フェノチアジン類)等が挙げられる。
前記キノン化合物としては、p−ベンゾキノン、p−ナフトキノン、2−t−ブチル−p−ベンゾキノン、及び2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン等が挙げられる。前記ナフトキノン化合物としては、1,4−ナフトキノン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、及びビタミンK等が挙げられる。
前記フェノチアジン化合物としては、フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、及びビス−(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン等が挙げられる。
適度な分岐を有する分岐PPを作製する上において、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対するラジカル捕捉剤の使用量は好ましくは0.005質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上である。
また、ポリプロピレン系樹脂100質量部に対するラジカル捕捉剤の量は、好ましくは1質量部以下である。
本実施形態の分岐PPは、上記のような原材料をニーダー、バンバリーミキサー、押出機などの一般的な混練機器で溶融混練して作製することができる。
前記溶融混練を実施する際には、押出機を用いることが好ましい。
本実施形態の発泡シートは、上記のような分岐PPをベースポリマーとした樹脂組成物を調製し、該樹脂組成物を使った押出発泡法によって作製することができる。
この樹脂組成物には、分岐PPの他に発泡剤や添加剤などといった一般的な発泡シートの作製に用いられている各種成分を含有させることができる。
このとき用いる発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、シクロペンタン等の炭化水素やこれらのハロゲン化物、炭酸ガス及び窒素が挙げられる。
前記押出発泡に際しては、発泡シートに良好な発泡状態を備えさせるべく、気泡調整剤を用いることが好ましい。
該気泡調整剤としては、例えば、タルク、マイカ、シリカ、珪藻土、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、ガラスビーズなどの無機化合物粒子、ポリテトラフルオロエチレンなどの有機化合物粒子などが挙げられる。
さらには、加熱分解型の発泡剤としても機能するアゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウムとクエン酸の混合物なども前記気泡調整剤として用いることができる。
該気泡調整剤や前記発泡剤は、1種単独で用いる必要はなく2種以上を併用してもよい。
さらに、分岐PPとともに発泡シートに含有させる成分としては各種の添加剤が挙げられる。
該添加剤としては、分岐PP以外のポリマーやプラスチック薬剤が挙げられる。
発泡シートの原材料として分岐PP以外に用いるポリマーとしては、分岐構造を付与するなどの特別な改質が施されていないポリプロピレン系樹脂(リニアPP)などが挙げられる。
このポリプロピレン系樹脂としては、分岐PPの原材料として前記に例示したものが挙げられる。
また、分岐PPとともに発泡シートに含有させるポリプロピレン系樹脂としては、多段重合法によって得られる軟質系のものが好ましい。
即ち、前記ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合又はプロピレンとエチレンとのランダム共重合を行う第1段階と、該第1段階後にエチレンと1種類以上の炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合を行う第2段階との少なくとも2段階の工程を経て得られるものが好ましい。
なお、分岐PP以外のポリマーを発泡シートの原材料として採用する場合、分岐PPと他のポリマーとは、例えば、8:2〜2:8(分岐PP:他のポリマー)の質量比率で用いることが好ましい。
前記プラスチック薬剤としては、例えば、耐候性安定剤、帯電防止剤、酸化防止剤、消臭剤、光安定剤、結晶核剤、顔料、滑材、すべり性の付与又はアンチブロッキング性の付与を目的とした界面活性剤、無機充填剤、並びに無機充填剤の分散性を向上させる分散性向上剤等が挙げられる。
前記分散性向上剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル及び高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
上記のような材料は、発泡剤以外を一旦フルコンパウンド化して押出発泡させてもよいが、分岐PPに余分な熱履歴を与えない方が良好な発泡状態の発泡シートを作製する上において有利である。
従って、分岐PPやその他の成分を含む樹脂組成物は、ドライブレンドやマスターペレット法によって調製し、これらの溶融混練は押出発泡のために利用する押出機で実施することが好ましい。
発泡シートを得るための押出発泡法としては特に限定されず、円環状の吐出口(ダイスリット)を有するサーキュラーダイを用いる方法や線状の吐出口を有するフラットダイを用いる方法が挙げられる。
本実施形態においては、発泡シートの主たる原材料である分岐PPが前記の吐出口から吐出される時点において適度なひずみ硬化性を示すことから独立気泡性に優れ、且つ、高い発泡倍率の発泡シートを容易に得ることができる。
本実施形態の発泡シートは、連続気泡率が40%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましい。
なお、発泡シートの連続気泡率は、通常、その下限値が0.5%程度となる。
発泡シートの連続気泡率は、以下の方法で測定される。
(連続気泡率測定方法)
発泡シートから、縦25mm、横25mmのシート状サンプルを複数枚切り出し、切り出したサンプルを隙間があかないようにして重ね合わせて厚み25mmの測定用試料とし、この測定用試料の外寸をミツトヨ社製「デジマチックキャリパ」を使用して1/100mmまで測定し、見掛けの体積(cm)を求める。
次に空気比較式比重計1000型(東京サイエンス社製)を使用して、1−1/2−1気圧法により測定用試料の体積(cm)を求める。
これらの求めた値と下記式とにより連続気泡率(%)を計算し、試験数5個の平均値を求める。
なお、測定は、測定用試料をJIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で16時間状態調節した後、JIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で行う。
また、空気比較式比重計は、標準球(大28.9cc 小8.5cc)にて補正を行う。

連続気泡率(%)=
100×(見掛け体積−空気比較式比重計での測定体積)/見掛け体積
前記発泡シートは、通常、見掛け密度が0.025g/cm以上0.5g/cm以下となるように作製される。
前記発泡シートの見掛け密度は、JIS K7222:1999「発泡プラスチックおよびゴム−見掛け密度の測定」に記載される方法により測定され、具体的には下記のような方法で測定される。
(密度測定方法)
発泡シートから、100cm以上の試料を作製し、この試料をJIS K7100:1999の記号23/50、2級環境下で16時間状態調節した後、その寸法、質量を測定して、見掛け密度を下記式により算出する。

見掛け密度(g/cm)=試料の質量(g)/試料の体積(cm

なお、試料の寸法測定には、例えば、Mitutoyo Corporation社製「DIGIMATIC」CD−15タイプを用いることができる。
上記のようにして得られる発泡シートは、独立気泡性に優れることから、例えば、真空成形や圧空成形などといった熱成形において良好な加工性(二次発泡性、成形型への追従性)を示すものとなり、軽量性と強度に優れた樹脂発泡成形体の原材料となり得る。
前記のように本実施形態の積層発泡シートは、上記のような発泡シートと押出フィルムとが一つのダイから押出されてなる共押出品であり、前記発泡シートによって発泡層が形成されているとともに押出フィルムによって非発泡層が形成されている。
この非発泡層の形成材料は、発泡層を形成しているポリプロピレン系樹脂と親和性の高いものが好ましく、前記発泡層と同じか又は異なるポリプロピレン系樹脂を含むものであることが好ましい。
より詳しくは、非発泡層は分岐PPによって形成させることが好ましい。
押出機を通過させた後に一軸伸長粘度を測定した際のグラフが前記のような傾きを示すポリプロピレン系樹脂は、発泡層単独の樹脂発泡シートにおいても独立気泡性に優れた発泡シートをより広範囲な製造条件で作製可能になるという点において優れた効果を発揮するものであるが、本実施形態のように積層発泡シートの発泡層の原材料とされることでより顕著な効果を発揮する。
一般に発泡層と非発泡層とを共押出法で積層一体化する際には、これらを1つのダイから押し出すため発泡層の形成材料と非発泡層の形成材料との間で温度条件等に差を設け難い。
そして、発泡層では、形成材料中に多くの発泡剤を含むため、当該発泡剤によって樹脂(分岐PP)が可塑化され、本来の樹脂の溶融粘度よりも低粘度な状態になり易い。
一方で非発泡層側では、発泡層の形成材料のような大きな可塑化効果が生じるわけではない。
そして、非発泡層の形成材料を十分低い溶融粘度にして押出時に樹脂途切れなどが生じないような樹脂温度にしようとすると発泡層の形成材料が低粘度になり過ぎて押出時に破泡し易くなる。
本実施形態においては発泡層の形成材料として押出時にまで良好なひずみ硬化性を維持し得る分岐PPが用いられているため、非発泡層の押出に適した温度設定にされても破泡が生じにくく、独立気泡性に優れた発泡層を形成させることができる。
また、本実施形態の分岐PPは、ロッド状やボード状の発泡体の原材料としても有用である。
そして、樹脂発泡シートが熱成形されてなる樹脂発泡成形体と同様に、ロッド状やボード状の発泡体を二次加工した樹脂発泡成形体においても優れた軽量性と強度とが発揮される点においては同じである。
また、本実施形態の分岐PPは、発泡体とは別の非発泡な製品の原材料としても有用なものである。
即ち、本発明は上記例示に何等限定されるものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[評価1]
(1)分岐ポリプロピレン系樹脂(分岐PP−A)の作製
線状ポリプロピレン系樹脂(PP1:ホモポリプロピレン樹脂、MFR=7.5g/10min、密度=0.9g/cm)100質量部と、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート(化薬アクゾ社製「カヤカルボンBIC−75」、1分間半減期温度:156℃)0.90質量部とをリボンブレンダーにて攪拌混合して、混合物を得た。
得られた混合物を、口径が41mmの二軸押出機(L/D=42)に供給し、液体注入ポンプを用いて二軸押出機の途中から、スチレンモノマーをポリプロピレン系樹脂100質量部に対する割合が3.0質量部となるように供給した。
フィード部の設定温度を170℃、それ以降の温度を230℃に設定し、回転数120rpm、ギアポンプ回転数25rpmの条件にて二軸押出機中で、原料組成物を溶融混練させ、押出機の先端に取り付けた口径2mm、孔数9個のダイスから、45kg/hの吐出量で、溶融混練物をストランド状に押し出した。
次いで、押し出されたストランド状の溶融混練物を、30℃の水を収容した冷却水槽中を通過させて、冷却した。
冷却されたストランド状の混練物を、ペレタイザーでカットして、分岐ポリプロピレン系樹脂(分岐PP−A)のペレットを得た。
(2)分岐PPの特性調査
上記のようにして得られた分岐PP−Aのペレットの一軸伸長粘度(非線形領域の傾き)、MFR、及び、溶融張力を測定した。
なお、溶融張力は下記のようにして測定した。
[溶融張力測定方法]
試料は、ペレットをそのまま使用する。
溶融張力は、ツインボアキャピラリーレオメーターRheologic5000T(イタリア チアスト社製)を用いて測定する。
即ち、試験温度(230℃)に加熱された径15mmのバレルに測定試料樹脂を充填後、5分間予熱したのち、上記測定装置のキャピラリーダイ(口径2.0mm、長さ20mm、流入角度フラット)からピストン降下速度(0.1546mm/s)を一定に保持して紐状に押出しながら、この紐状物を上記キャピラリーダイの下方27cmに位置する張力検出のプーリーに通過させた後、巻取りロールを用いて、その巻取り速度を初速8.7mm/s、加速度12mm/sで徐々に増加させつつ巻き取って行き、紐状物が切断する直前の極大値と極小値の平均を試料の溶融張力とする。
なお、張力チャートに極大点が1個しかない場合はその極大値を溶融張力とする。
(3)押出機通過後の特性調査
東洋精機製作所製の「ラボプラストミル」の本体(型式:4M150)に、単軸押出機(型式:D2020(口径:20mm、L/D:20 備え付けの標準スクリュー(1条フルフライト))を取り付け、単軸押出機の3ゾーンの温度を、押出し方向上流側から下流側に向かって、順に210℃、190℃、190℃に設定し、且つ、先端金型温度を180℃に設定するとともに吐出量が1kg/hとなるようにスクリューの回転数を固定した。
上記で得られた分岐PP−Aのペレットをこの「ラボプラストミル」に供給してストランド状に押出し、該ストランド状の押出物を20℃の冷却水を蓄えた水槽に通して冷却した。
冷却後のストランドを切断してペレット化し、得られたペレットの一軸伸長粘度(ひずみ量1〜3における「グラフの傾き」)、MFR、及び、溶融張力を再び測定した。
(4)樹脂発泡シート(積層発泡シート)の作製
得られた「分岐PP−A」85質量部、サンアロマー社製の熱可塑性エラストマー樹脂、商品名「Q100F」15質量部、及び、気泡調整剤(大日精化工業社製「ファインセルマスターHCPO410K」)0.45質量部をドライブレンドして混合物を得た。
この混合物を、口径50mmのNo.1押出機と、口径65mmのNo.2押出機とを持つタンデム型押出機のNo.1押出機のホッパーに供給し、No.1押出機のバレル内で加熱溶融混練した後、発泡剤として混合ブタンガス(ノルマルブタン:イソブタン=7:3)を2.5質量%の割合となるようにNo.1押出機へ圧入した。圧入された発泡剤を含むポリプロピレン系樹脂組成物を溶融混練して発泡層形成用の第1のポリプロピレン系樹脂組成物を当該押出機内で調製した後、この第1のポリプロピレン系樹脂組成物をNo.1押出機とNo.2押出機とを接続する移送部を通じてNo.2押出機へ流入させた。
次いで、このNo.2押出機のバレル内で第1のポリプロピレン系樹脂組成物を均一に冷却した後、合流ダイへ流入させた。
この時の樹脂温度は180℃であり、No.2押出機からの吐出量は30kg/hであった。
一方、非発泡層用の第2のポリプロピレン系樹脂組成物としては、分岐ポリプロピレン系樹脂として上述した「分岐PP−A」を含み、熱可塑性エラストマーとしてBasell社製の商品名「Q100F」、及び、高分子型帯電防止剤として三洋化成株式会社製の商品名:「ペレスタット230」(ポリエーテル−ポリプロピレンブロック共重合体)を含むものを用いた。
具体的には前記の「分岐PP−A」を74質量部、前記熱可塑性エラストマーを13質量部及び、高分子型帯電防止剤を13質量部の割合で含有する混合原料を口径32mmの単軸押出機のホッパーに供給して溶融混練させた後、前記合流ダイへ流入させた。
この時の吐出量は3kg/hであった。
発泡層と非発泡層とは、合流ダイで合流させた第1のポリプロピレン系樹脂組成物と第2のポリプロピレン系樹脂組成物とをスリットの口径が70mmのサーキュラーダイヘ送り込み、該サーキュラーダイの円環状の吐出口(スリット間隔0.4mm)から円筒状に共押出して作製した。
この後、非発泡層が発泡層に積層された状態の円筒状発泡体を冷却マンドレルによって冷却成形後、冷却マンドレルの後部に取り付けたカッターにより円筒状発泡体を切開して長尺帯状の樹脂発泡シート(積層発泡シート1)を引き取り速度2.1m/minで巻き取った。
このときの樹脂発泡シートの平均厚みは2.18mmであった。
(分岐PP−B〜分岐PP−G:積層発泡シート2〜7)
使用したポリプロピレン系樹脂、スチレン量、有機過酸化物の量を以下の表1のとおりに変更した以外は分岐PP−Aと同様にして分岐ポリプロピレン系樹脂を作製し、各種物性を調査した。
なお、分岐PP−F、Gの製造には、ポリプロピレン系樹脂を2種類ブレンドして使用した。
また、得られた分岐ポリプロピレン系樹脂を用い、分岐PP−Aの場合と同様に樹脂発泡シートを作製した。
(積層発泡シート8、9)
分岐PP−Aおよび分岐PP−Eを用いて積層発泡シートを作製した。
「分岐PP−A」39質量部、日本ポリプロ社から商品名「BC6C」として市販のブロックPPを55質量部、サンアロマー社製の熱可塑性エラストマー樹脂、商品名「Q100F」6質量部、及び、気泡調整剤(大日精化工業社製「ファインセルマスターHCPO410K」)1.5質量部をドライブレンドして混合物を得た。
この混合物を、口径50mmのNo.1押出機と、口径65mmのNo.2押出機とを持つタンデム型押出機のNo.1押出機のホッパーに供給し、No.1押出機のバレル内で加熱溶融混練した後、発泡剤として混合ブタンガス(ノルマルブタン:イソブタン=7:3)を1.3質量%の割合となるようにNo.1押出機へ圧入した。圧入された発泡剤を含むポリプロピレン系樹脂組成物を溶融混練して発泡層形成用の第1のポリプロピレン系樹脂組成物を当該押出機内で調製した後、この第1のポリプロピレン系樹脂組成物をNo.1押出機とNo.2押出機とを接続する移送部を通じてNo.2押出機へ流入させた。
次いで、このNo.2押出機のバレル内で第1のポリプロピレン系樹脂組成物を均一に冷却した後、合流ダイへ流入させた。
この時の樹脂温度は180℃であり、No.2押出機からの吐出量は30kg/hであった。
一方、非発泡層用の第2のポリプロピレン系樹脂組成物としては、分岐ポリプロピレン系樹脂として上述した「分岐PP−A」を含み、熱可塑性エラストマーとしてBasell社製の商品名「Q100F」、及び、高分子型帯電防止剤として三洋化成株式会社製の商品名:「ペレスタット230」(ポリエーテル−ポリプロピレンブロック共重合体)を含むものを用いた。
具体的には前記の「分岐PP−A」を74質量部、前記熱可塑性エラストマーを13質量部及び、高分子型帯電防止剤を13質量部の割合で含有する混合原料を口径32mmの単軸押出機のホッパーに供給して溶融混練させた後、前記合流ダイへ流入させた。
そして、その後は「積層発泡シート1」と同様にして樹脂発泡シート(積層発泡シート8)を作製した。
この時の吐出量は3kg/hであった。
同様に分岐PP−Aを分岐PP−Eに置き換えて「積層発泡シート9」を得た。
Figure 2018059055
分岐PP−A〜分岐PP−Gの押出機通過前の特性と通過後の特性をと表2に示す。
また、分岐PP−A〜分岐PP−Gを用いて作製した発泡シートの特性を表3に示す。

Figure 2018059055

Figure 2018059055
上記の結果から、押出機通過後に特定の一軸伸長粘度を示す分岐PPは、溶融状態で高いせん断速度での加工が行われる用途に適したものであることがわかる。
また、上記の結果から、そのような分岐PPを用いることで独立気泡性が高い(連続気泡率が低い)良好な発泡状態の樹脂発泡シートが得られることが分かる。
[評価2]
分岐PP−A、分岐PP−Eおよび分岐PP−Fを用いて単層発泡シートを作製した。
(1)樹脂発泡シートの作製(単層発泡シート10〜12)
得られた「分岐PP」85質量部、サンアロマー社製の熱可塑性エラストマー樹脂、商品名「Q100F」15質量部をドライブレンドしてポリマー混合物を得た。
このポリマー混合物を化学発泡剤(大日精化工業社製「ファインセルマスターHCPO410K」)とともに押出機で溶融混練し、該押出機の先端に装着したサーキュラーダイから押出しつつ発泡させて樹脂発泡シートを作製した。
各分岐PPを使って得られた樹脂発泡シートの特性は下記の通り。
Figure 2018059055
(2)成形性評価
作製した各発泡シートから縦700mm×横1050mmの平面長方形状の試験片を切り出した。
そして、単発成形機(東成産業社製 商品名「ユニック自動成形機 FM−3A」)を用意し、この単発成形機の上側ヒーターの平均温度を274℃、下側ヒーターの平均温度を237℃、上側雰囲気温度を192℃、下側雰囲気温度を185℃にした。
次に、上記試験片を単発成形機に導入して14〜18秒間各々加熱した後に、直径10mm(上面)×直径35mm(底面)で高さが違う円錐台を22個配置した金型を用いて、金型表面温度を50℃に温調し、加熱成形を行なった。
22個の円錐台の高さは、下記表に示す通りである。
Figure 2018059055
そして、得られた成形体を目視観察し、各円錐形状に破れが無いもののうち、最も高さの高い円錐台のNoを下記表にまとめた。

Figure 2018059055
上記の結果から、分岐PPを用いることで独立気泡性が高く(連続気泡率が低い)良好な成形性(伸びが良い)を有する樹脂発泡体が得られることが分かる。

Claims (6)

  1. 押出機を通過させた後に温度200℃、1.0/秒の一定ひずみ速度で一軸伸長粘度を測定した際に歪み硬化性を示し、且つ、横軸をひずみ量(ε)の対数(log(ε))、縦軸を伸長粘度(η)の対数(log(η))とした両対数のグラフで一軸伸長粘度の測定結果を表した際にひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾きが1.0以上となるポリプロピレン系樹脂。
  2. 押出機通過前の状態での前記グラフの前記傾きの値を「Slope1」とし、
    押出機を通過させた後の前記グラフの前記傾きの値を「Slope2」とした際に、
    下記関係式(1)を満たす請求項1記載のポリプロピレン系樹脂。

    「Slope2」/「Slope1」 ≧ 0.5 ・・・(1)
  3. ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物で形成された発泡層を有する樹脂発泡シートであって、
    前記樹脂組成物が含有する前記ポリプロピレン系樹脂は、押出機を通過させた後に温度200℃、1.0/秒の一定ひずみ速度で一軸伸長粘度を測定した際に歪み硬化性を示し、且つ、横軸をひずみ量(ε)の対数(log(ε))、縦軸を伸長粘度(η)の対数(log(η))とした両対数のグラフで一軸伸長粘度の測定結果を表した際にひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾きが1.0以上となるポリプロピレン系樹脂である樹脂発泡シート。
  4. 前記ポリプロピレン系樹脂は、
    押出機通過前の状態での前記グラフの前記傾きの値を「Slope1」とし、
    押出機を通過させた後の前記グラフの前記傾きの値を「Slope2」とした際に、
    下記関係式(1)を満たす、請求項3記載の樹脂発泡シート。

    「Slope2」/「Slope1」 ≧ 0.5 ・・・(1)
  5. 前記発泡層と同じか又は異なるポリプロピレン系樹脂を含む非発泡層をさらに備え、
    前記発泡層が押出発泡シートで構成され、前記非発泡層が押出フィルムで構成されており、
    該非発泡層と前記発泡層との共押出品である請求項3または4記載の樹脂発泡シート。
  6. 樹脂発泡シート製の樹脂発泡成形体であって、
    ポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物で形成された発泡層を有する樹脂発泡シート製であり、
    前記樹脂組成物が含有する前記ポリプロピレン系樹脂は、押出機を通過させた後に温度200℃、1.0/秒の一定ひずみ速度で一軸伸長粘度を測定した際に歪み硬化性を示し、且つ、横軸をひずみ量(ε)の対数(log(ε))、縦軸を伸長粘度(η)の対数(log(η))とした両対数のグラフで一軸伸長粘度の測定結果を表した際にひずみ量1以上3以下の範囲内でのグラフの傾きが1.0以上となるポリプロピレン系樹脂である樹脂発泡成形体。
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