JP2018052800A - 光学ガラス、ガラス母材と光学素子 - Google Patents

光学ガラス、ガラス母材と光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】原料コストが低く、屈折率が1.77−1.85で、アッベ数が40−48であり、質量百分率で、以下の成分を含有する高屈折・低分散光学ガラスを提供する。【解決手段】SiO2:4−20%;B2O3:8−24%;La2O3:20−40%;Gd2O3:11−30%;Y2O3:0−15%;TiO2:0−8%;Ta2O5:0−8%;Nb2O5:0%超過8%以下、Ta2O5/Nb2O5:1未満、ZrO2:0%超過15%以下、ZnO:11−30%。本発明は、Ta2O5の含有量を下げ、原料コストを最適化した。合理的な組成設計により、本発明に係る光学ガラスは、所望の光学定数を達成すると同時に精密成形にも有利であり、優れた化学安定性有する。当該光学ガラスからなるガラス母材と光学素子も開示される。【選択図】なし

Description

本発明は、高屈折・低分散光学ガラスに関する。また、低コストの高屈折・低分散光学ガラスによって製造されるガラス母材及び光学素子に関する。
最近、光学システムのデジタル化、高精密化の急速な発展に伴い、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮影設備、及び、プロジェクター、投写型テレビ等画像放送(投影)装置等の光学デバイスにおいて、光学システムに使用されるレンズ、プリズム等の光学素子の数を減少させ、光学システム全体の軽量化させ、コンパクト化させることがますます要求されてきている。光学システムの設計においては、高屈折率のガラスを幅広く採用し、非球面レンズを利用してコンパクト化、超薄型と広角化を実現し、光学システムの軽量化・高性能化を実現すると同時に色差補正もさらに容易であり、したがって、高屈折・低分散ガラスの研究開発ニーズは徐々に大きくなってきている。
初期の高屈折・低分散ガラスの製造には大量のTaを含有した。特許文献1では、15%超過35%未満Taを含む、屈折率が1.75−1.85、アッベ数が34−44の光学ガラスを開示している。タンタルはレアメタルであり、Taを使うことは製品のコストコントロールにはとても不利である。そのため、高屈折・低分散ガラス組成においてTaを低減又は不使用とすることは、光学ガラス開発者の研究開発目標となってきた。
中国特許出願公開第1876589号明細書
発明が解決しようとする課題は、原料コストが低く、屈折率が1.77−1.85、アッベ数が40−48の高屈折・低分散光学ガラスを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、上記光学ガラスからなるガラス母材と光学素子を更に提供する。
上記課題を解決するために、本発明に係る(1)光学ガラスは、質量百分率で、以下の成分を含有する。
SiO:4−20%;
:8−24%;
La:20−40%;
Gd:11−30%;
:0−15%;
TiO:0−8%;
Ta:0−8%;
Nb:0%超過8%以下;
Ta/Nb:1未満;
ZrO:0%超過15%以下;
ZnO:11−30%。
(2)(1)に記載の光学ガラスであり、質量百分率で、以下の成分を含有する。
WO:0−15%;
Al:0−10%;
YB:0−10%;
LiO:0−2%;
NaO:0−10%;
O:0−10%;
SB:0−1%;
RO:0−10%、ここで、ROは、MgO、CaO、SrO又はBaOの1種又は数種である。
(3)光学ガラスであって、質量百分率で、以下の成分を含有する。
SiO:4−20%;
:8−24%;
La:20−40%;
Gd:11−30%;
:0−15%;
WO:0−15%;
Ta:0−8%;
Nb:0%超過8%以下;
Ta/Nb:1未満;
ZrO:0%超過15%以下;
ZnO:11−30%;
TiO:0−8%;
Al:0−10%;
YB:0−10%;
LiO:0−2%;
NaO:0−10%;
O:0−10%;
SB:0−1%;
RO:0−10%、ここで、ROは、MgO、CaO、SrO又はBaOの1種又は数種である。
(4)(1)〜(3)の何れか1つに記載の光学ガラスであって、各成分の含有量は下記の9個の条件のうち1つ以上の条件を満足する。
(i)Ta/Nb:0.8未満;
(ii)ZnO/(SiO+B):0.3−2;
(iii)Gd/(La+Gd+Y):0.2−0.55;
(iv)SiO/(SiO+B):0.2−0.6;
(v)Nb/Gd:0.01−0.45;
(vi)(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO):0.1−5;
(vii)Nb/ZnO:0.01−0.5;
(viii)TiO/(TiO+Nb):0.01−0.8;
(ix)ZnO/(WO+Ta+Nb+TiO):1.8以上。
(5)(1)〜(3)の何れか1つに記載の光学ガラスであって、更に以下を備える。SiO:5−18%、及び/又はB:10−23%、及び/又はLa:20−35%、及び/又はGd:11−25%、及び/又はY:0−10%、及び/又はWO:0−10%、及び/又はTa:0−5%、及び/又はNb:0.1−6%、及び/又はZrO:1−10%、及び/又はZnO:15−30%;及び/又はTiO:0−5%;及び/又はAl:0−5%;及び/又はYB:0−5%;及び/又はLiO:0−1%、及び/又はNaO:0−5%;及び/又はKO:0−5%;及び/又はSB:0−0.5%、及び/又はRO:0−5%、ここで、ROはMgO、CaO、SrO又はBaOの1種又は数種である。
(6)(1)〜(3)の何れか1つに記載の光学ガラスであって、更に以下を備える。SiO:6−15%、及び/又はB:12−20%、及び/又はLa:22−32%、及び/又はGd:12−22%、及び/又はY:0−8%、及び/又はWO:0−7%、及び/又はZrO:2−8%、及び/又はZnO:15−25%、及び/又はTiO:0−2%。
(7)(1)〜(3)の何れか1つに記載の光学ガラスであって、更に以下を満たす。Ta/Nb:0.5未満、及び/又はZnO/(SiO+B):0.5−1.8、及び/又はGd/(La+Gd+Y):0.25−0.5、及び/又はSiO/(SiO+B):0.23−0.5、及び/又はNb/Gd:0.02−0.35、及び/又は(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO):0.1−3、及び/又はNb/ZnO:0.02−0.35、及び/又はTiO/(TiO+Nb):0.05−0.7、及び/又はZnO/(WO+Ta+Nb+TiO):3−15。
(8)(1)〜(3)の何れか1つに記載の光学ガラスであって、更に以下を満たす。ZnO/(SiO+B):0.5−1.45;及び/又はGd/(La+Gd+Y):0.25−0.45、及び/又はSiO/(SiO+B):0.25−0.45、及び/又はNb/Gd:0.05−0.25、及び/又は(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO):0.1−1、及び/又はNb/ZnO:0.03−0.25、及び/又はTiO/(TiO+Nb):0.1−0.6、及び/又はZnO/(WO+Ta+Nb+TiO):4−12。
(9)(1)〜(3)の何れか1つに記載の光学ガラスであって、SiO、B、La、Gd、Y、TiO、Nb、WO、ZrO及びZnOの合計含有量は95%以上で、Taを含有しない。
(10)(9)に記載の光学ガラスであって、であって、SiO、B、La、Gd、Y、TiO、Nb、ZrO及びZnOの合計含有量は99%以上である。
(11)(1)又は(2)に記載の光学ガラスであって、質量百分率で、以下の成分を含有する。
:0−10%;
Bi:0−10%;
TeO:0−10%;
Ga:0−10%;
Lu:0−10%;
GeO:0−8%;
CeO:0−1%;
SnO:0−1%;
F:0−10%。
(12)(1)又は(2)に記載の光学ガラスであって、質量百分率で、以下の成分を含有する。
:0−5%;
Bi:0−5%;
TeO:0−5%;
Ga:0−5%;
Lu:0−5%;
GeO:0−5%;
CeO:0−0.5%;
SnO:0−0.5%;
F:0−5%。
(13)(1)〜(12)の何れか1つに記載の光学ガラスであって、その屈折率(nd)は1.77−1.85で、アッベ数(νd)は40−48で、ガラスの密度(ρ)は5.00g/cm以下である。
(14)(1)〜(12)の何れか1つに記載の光学ガラスであって、ガラスの透過率が80%を達成する際の対応する波長λ80は410nm以下で、透過率が5%を達成する際の対応する波長λは350nm以下で、失透温度の上限は1160℃以下で、ガラス転移温度(Tg)は630℃以下である。
(15)(1)〜(12)の何れか1つに記載の光学ガラスであって、ガラスの透過率が80%を達成する際の対応する波長λ80は400nm以下で、透過率が5%を達成する際の対応する波長λは340nm以下である;失透温度の上限は1150℃以下で、ガラス転移温度(Tg)は620℃以下で、ガラスの密度(ρ)は4.90g/cm以下である。
(16)(1)から(15)の何れか1つに記載の光学ガラスにより製造されるガラス母材である。
(17)(1)から(15)の何れか1つに記載の光学ガラスにより製造される光学素子である。
Taの含有量を下げ、原料コストを最適化した。合理的な組成設計により、本発明に係る光学ガラスは、所望の光学定数を達成すると同時に精密成形にも有利であり、優れた化学安定性有する。当該光学ガラスからなるガラス母材と光学素子も開示される。
I 光学ガラス
本発明に係る光学ガラスは、原料のコスト削減から鑑み、高価なTa含有量を低減又は非含有とすることで、屈折率が1.77−1.85で、アッベ数が40−48である高屈折率低分散の光学ガラスを得ることである。
本発明になる光学ガラスの各成分に対して説明する。
本明細書において、各成分の含有量、総含有量は特別説明のない限り、質量百分率で示す。更に、以下の説明において、規定値以下又は規定値以上に言及する場合、当該規定値を含むものとする。
はガラスネットワークの形成成分であり、ガラスの可溶性と耐失透性を向上して、ガラス状転移温度と密度を下げる役割をする。上記の効果を達成するため、本発明では8%以上のBを導入し、好ましくは10%以上のBを導入し、さらに好ましくは12%以上のBを導入する。但し、その導入量が24%を超えると、ガラスの安定性が下がり、屈折率も下がり、本発明に係る高屈折率ガラスは得られなくなる。そのため、本発明のBの含有量は24%を上限と設定し、好ましくは23%とし、更に好ましくは20%とする。
SiOも、Bが構成するルーズなチェーン状の層状ネットワークとは異なる、ガラスの形成体である。SiOは、ガラスにおいて、非常に濃密で堅固な、珪素酸素四面体三次元ネットワークを形成する。このようなネットワークがガラスに加えられると、ルーズなホウ素酸素三角体[BO]ネットワークを補強するため、濃密になり、これにより、ガラスの高温粘度が上がり、同時に、珪素酸素四面体三次元ネットワークの導入により、ガラスネットワークのLa、Nb、Li等の失透陽イオンを隔離する能力が増強され、失透閾値が増え、ガラスの耐失透性能が向上する。本発明に係るガラスにおけるSiO含有量の下限は4%とし、好ましくは5%とし、更に好ましくは6%にする。これにより、上記の効果はより向上される。但し、SiOの含有量が多すぎると、ガラスの転移温度が上がり、且つ、ガラスの溶融性が下がってしまう。そのため、その含有量の上限を20%とし、好ましくは18%とし、更に好ましくは15%とする。
本発明では、SiOの含有量とSiOとBの合計含有量の比SiO/(SiO+B)を制御することで、その比が0.2−0.6の範囲内である場合、ガラスの溶融性を保証するだけではなく、ガラス安定性と高温粘度を効果的に増加し、特にSiO/(SiO+B)値が0.23−0.5であるとき、ガラスの高屈折・低分散光学特性及び低転移温度特性を維持すると同時に、ガラスの耐失透性能を効果的に改善させ、更に好ましくは0.25−0.45とする。
Laは、本発明の必要な光学特性を得る必須組成であり、本発明の配合システムにおいて、BとLaとの組み合わせが存在することは、ガラスの耐失透性能を効果的に向上させると同時に、ガラスの化学安定性を向上することができる。Laの含有量が20%未満である場合、必要な光学特性は達成し難くなる。但し、その含有量が40%を超えると、ガラスの耐失透性と溶融性能が全て悪化してしまう。そのため、本発明のLaの含有量は20−40%とし、好ましくは20−35%とし、更に好ましくは22−32%とする。
Gdは、ガラスの屈折率を増加してもガラスの色分散を著しく向上しない。本発明では、11%以上のGdとLaを導入して共存させることで、ガラスの安定性を向上し、且つ、ガラスの化学安定性が著しく増強し、屈折率を維持すると同時に、アッベ数の過度な上昇を制御する。もし、その含有量が30%を超えると、ガラスの耐失透性が下がり、且つガラスの密度も上昇する傾向になってしまう。そのため、本発明のGdの含有量は11−30%とし、好ましくは11−25%とし、更に好ましくは12−22%とする。
本発明の高屈折・低分散作用の組成では、更に好ましくはYを導入し、高屈折率と高アッベ数を維持すると同時に、ガラス材料のコストの上昇を抑制し、ガラスの溶融性、耐失透性が改善し、ガラスの失透温度の上限と比重を下げることが出来る。但し、その含有量が15%を超えると、ガラスの安定性、耐失透性が下がってしまう。そのため、Yの含有量範囲は0−15%とし、好ましくは0−10%とし、更に好ましくは0−8%とする。
YBも高屈折、低分散性能を付与する成分で、その導入量が10%超えると、ガラスの耐失透性能が下がるので、その含有量を0−10%に限定し、好ましくは0−5%とする。
本発明においてはLaとGdを共存させ、又は好ましくはLa、GdとYを共存し、更に好ましくは0.2−0.55の範囲でGd/(La+Gd+Y)、一層好ましくは0.25−0.5の範囲でGd/(La+Gd+Y)、より一層好ましくは0.25−0.45の範囲でGd/(La+Gd+Y)を共存させることにより、Taの使用を削減又は不使用とすることによるガラス安定性低減の不良効果を最大限回避し、優良なガラス安定性を有する高屈折率低分散のガラスが得られ、同時にガラスも着色し難い。
本発明に係るガラスにおいて、Nbの含有量が0を超えると、液相温度低減に非常に良い効果を有し、透過率を悪化させずに、ガラスの屈折率、耐失透性と化学耐久性を向上する作用を有し、適量のNbの導入は、精密成形過程において、ガラスの耐失透性能を効果的に改善させる。もし、その含有量が8%を超えると、ガラス色分散が高くなり、本発明に係るガラスの光学特性は得られなくなる。そのため、Nbの含有量範囲は0%超過8%以下とし、好ましい範囲は0.1−6%とする。本発明者の研究によって、本発明に係るガラスにおいてNb含有量とGd含有量の比Nb/Gdが0.01−0.45であるとき、ガラスの化学耐久性と耐失透性は著しく改善し、特にNb/Gdが0.02−0.35であるとき、効果は特に明らかで、さらに好ましくは0.05−0.25とする。
Taはガラスの屈折率、耐失透性と溶融ガラスの粘度を向上するが、高価の為、原料コストの低減には不利であるため、その含有量を8%以下に限定し、好ましくは5%以下とし、更に好ましくは1%以下とし、より一層好ましくは加えない。
本発明に係る光学ガラスにおいて、Ta/Nbの値を1未満に制御すると、屈折率と色分散を効果的に調節すると同時に、ガラスの耐失透性能を向上し、更に、ガラスに着色し易い成分を含有する場合、好ましくはTa/Nbの値を0.8未満としてガラスの着色性能を効果的に改善し、好ましくはTa/Nbの値を0.5未満とし、更に好ましくはTa/Nbの値を0.3未満とする。
ZnOを本発明に係るシステムのガラスに入れると、ガラスの屈折率と色分散を調整することができ、ガラスの耐失透性能を改善し、ガラスの転移温度を下げ、ガラスの安定性を向上することができる。ZnOは更にガラスの高温粘度を下げ、比較的に低い温度においてガラスを精錬して、ガラスの透過率を向上することができる。特に、本発明に係るガラスに酸化タンタルを少量含有する場合、又は、含有しない場合、11%以上のZnOを導入することにより、ある程度光学定数の低減を補うことが出来る。但し、ZnO添加量が余りにも多過ぎる場合は、ガラスの耐失透性能が下がってしまい、同時に高温粘度が小さくなり、成形し難くなる。本発明に係るガラスシステムにおいて、ZnOの含有量が11%より低い場合は、Tg温度が設計要求を満たさなくなる。もし、その含有量が30%より高くなる場合は、ガラスの耐失透性が下がり、高温粘度は設計要求を達成しなくなる。そのため、ZnOの含有量の下限は11%に限定し、好ましい下限は15%とする。ZnOの含有量の上限を30%に限定し、好ましい上限は25%とする。
Tg温度が比較的低く、且つ安定性が良好で、溶解し易いガラスを得るため、発明者は大量な試験研究を通して、ZnO/(B+SiO)の比の範囲を0.3−2とし、好ましくはZnO/(B+SiO)の比の範囲を0.5−1.8とし、更に好ましくはZnO/(B+SiO)の比の範囲を0.5−1.45とする場合、ガラスの安定性とTg温度とは最適なバランスを取ることができ、良質の製品が得られる事を発見した。
同時に、ガラスに、適切なTg温度において優れる耐失透性能を付与するために、好ましくはNb/ZnOの値を0.01−0.5の範囲内に制御し、更に好ましくは0.02−0.35とし、より一層好ましくは0.03−0.25とする。
ZrOは高屈折・低分散の酸化物であり、ガラスに入れると、ガラスの屈折率を向上し、色分散を調節する。同時に、適量のZrOをガラスに入れると、ガラスの耐失透性能とガラスの安定性を向上することができる。本発明においては、その含有量が15%より高い場合は、ガラスは溶け難く、精錬温度が上昇し、ガラス内部に介在物が生じ、透過率が下がってしまう。そのため、その含有量を0%超過15%以下に設定し、好ましくは1−10%とし、更に好ましくは2−8%とする。
TiOは高屈折高色分散酸化物であり、ガラスに入れるとガラスの屈折率と色分散を著しく向上することができる。本発明者は適量のTiOを本発明に係るガラスに添加すると、ガラス安定性を増加し、特に耐失透性能が向上できることを発見する。但し、多すぎる量のTiOをガラスに入れると、低分散の開発目標は実現し難く、同時にガラスの透過率も著しく低減し、ガラスの安定性も悪化してしまう事を発見した。そのため、TiOの含有量は0−8%とし、好ましくは0−5%とし、更に好ましくは0−2%とする。本発明においては、好ましくはTiO/(TiO+Nb)の値を0.01−0.8に制御し、ガラスの失透性能と化学耐久性を効果的に調節し、更に好ましくはTiO/(TiO+Nb)を0.05−0.7とし、より一層好ましくはTiO/(TiO+Nb)を0.1−0.6とする。
WOのガラスにおける主な役目は光学定数を維持して、ガラス失透を改善することであるが、その含有量が多すぎるとガラス透過率が下げ、着色度が増大され、失透性能も悪化してしまう。従って、WOの好ましい含有量は0−15%であり、更に好ましいは0−10%で、より一層好ましい含有量は0−7%である。
WOとTiOの多すぎる量の導入は、ガラスの透過率を下げてしまうが、両者はガラスの耐失透性能に比較的に良好な役目を果たし、発明者は本システムの光学ガラスに対する研究を通して、(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO)を0.1−5の範囲内に制御すると、透過率と失透性能のバランスを良くするだけではなく、更にガラスの化学安定性を最適化するので、更に好ましくは(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO)の値を0.1−3とし、より一層好ましくは(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO)の値を0.1−1とする。
特に、本発明者はガラス優れる耐失透性能と高屈折・低分散の光学特性を有すると同時に、ガラスに良好な透過率と低コストのメリットを保証するため、大量の実験研究を通して、ZnO/(WO+Ta+Nb+TiO)を1.8以上制御することによって、好ましくは3−15とし、更に好ましくは4−12とする事によって、前記の目標を満たすことを発見した。
Alを少量に導入するとガラスになる安定性と化学安定性を改善することができるが、その含有量が10%を超えると、ガラス溶融性が悪くなり、耐失透性が低減する傾向があるので、本発明のAlの含有量は0−10%で、好ましくは0−5%で、更に好ましくは0−1%で、より一層好ましくは導入しないことである。
LiOをガラス組成に入れると、ガラスのTg温度を効果的に下げることが出来る。但し、低軟化点光学ガラスは、通常、白金製容器又は白金合金製容器を用いて精錬され、高温精錬において、ガラス組成のLiは、白金製容器又は白金合金製容器を腐食し、完成品のガラスに比較的多い白金を含む異物を混入させ、ガラスの品質が下がってしまう。また、本発明において、2%を超えるLiOはガラスの失透性能が急激に下がってしまうので、その含有量を0−2%に限定し、好ましくは0−1%とする。
NaOとKOは、Tgを下げる効果的な任意成分であり、その含有量が多すぎると、失透温度の上昇によりガラス化し難くなり、そのため、その含有量を好ましくはそれぞれ0−10%に限定し、更に好ましくは0−5%とし、より一層好ましくは0−1%とする。
RO(ROはMgO、CaO、SrO又はBaOの1種又は数種)は、ガラスの溶融性を改善し、ガラスの光学性能を調整できるが、その含有量が10%を超えると、ガラスの耐失透性が下がるので、本発明において、ROの含有量は0−10%とし、更に好ましい範囲は0−5%で、より一層好ましくは導入しない。
はガラスの耐失透性を向上する任意選択成分であり、特にPの含有量を10%以下にすることで、ガラスの化学耐久性、特に耐水性の低減を抑制することができる。そのため、酸化物換算組成のガラス総質量に対して、その含有量を10%以下に限定し、好ましくは5%以下とし、更に好ましくは3%以下とし、より一層好ましくは導入しない。
Biはガラス屈折率を適切に向上して、ガラス化温度を下げる任意選択成分であり、その含有量が10%を超えると、ガラス耐失透性が下がってしまうので、その含有量を10%以下に限定し、好ましくは5%以下とし、更に好ましくは1%以下とし、より一層好ましくは導入しない。
GeOはガラスの屈折率を向上して耐失透性効果を増加する成分であり、本発明に係る光学ガラスの任意選択成分であるが、高価なものであるため、多すぎる量を導入すると本発明の生産コストを削減する目的を果たせなくなるので、その含有量を8%以下に限定し、好ましくは5%以下とし、更に好ましくは2%以下とし、より一層好ましくは導入しない。
本発明において10%以下のLuを導入すると、その他レアメタル組成とは相乗効果を果たし、ガラスの安定性をより一層向上するが、高価であるため、ガラスに導入すると生産コストの削減に不利であるため、その含有量を10%以下に限定し、好ましくは5%以下とし、更に好ましくは3%以下とし、より一層好ましくは導入しない。
本発明に任意選択成分として、Gaを10%以下に制御することにより、ガラスの耐失透性を向上して、ガラスの摩耗度を増加するので、その含有量は好ましくは10%以下とし、更に好ましくは5%以下とし、さらに好ましくは3%以下、より一層好ましくは導入しない。
TeOはガラスの屈折率を向上してガラスの転移温度を下げる任意選択成分であり、その含有量が多すぎると、白金製容器と反応し易くなり、設備の耐用年数に不利である。そのため、TeOの含有量を10%以下に限定し、好ましくは5%以下とし、更に好ましくは導入しない。
SB、SnO、CeO組成を少量に添加することにより、ガラスの清澄効果を向上することができるが、SBの含有量が1%超えると、ガラスは清澄性能が下がる傾向があり、同時に強い酸化作用によりガラスを精錬する白金製容器又は白金合金製容器の腐食及び成形型の悪化を進行させてしまうので、本発明ではSBの添加量を好ましくは0−1%とし、更に好ましくは0−0.5%とし、より一層好ましくは導入しない。SnOも清澄剤として添加することができるが、その含有量が1%を超えると、ガラスは着色し、又はガラスを加熱、軟化して、圧縮成型等の再成形を行う際、Snは核形成の開始点となり、失透を生じる傾向がある。そのため、本発明のSnOの含有量は好ましくは0−1%で、更に好ましくは0−0.5%で、より一層好ましくは添加しない。CeOの作用及び添加量の割合はSnOと一致しており、その含有量は好ましくは0−1%で、更に好ましくは0−0.5%で、より一層好ましくは添加しない。
Fは低分散化、ガラス化転移温度を下げる有効な組成であるが、含有量が多すぎる場合には、ガラスの屈折率が著しく低減し、又は、ガラス融液の揮発性が増大され、ガラス溶液の成形時に縞が発生し、又は、揮発により、屈折率変動が増加する傾向に繋がる。Fの原料として、YF、LaF、GdF、ZrF、ZnF、アルカリ金属フッ素化物又はアルカリ土金属フッ素化物が導入される。本発明では、Fの含有量を好ましくは光学ガラスの総含有量の0−10%とし、更に好ましくは0−5%とし、より好ましくは導入しない。
本発明の目的を達成するため、ガラスの各組成を質量百分率で示し、好ましくはSiO、B、La、Gd、Y、TiO、Nb、WO、ZrOとZnOの合計含有量を95%以上とし、Taを含有しない。更に好ましくはSiO、B、La、Gd、Y、TiO、Nb、WO、ZrOとZnOの合計含有量を99%以上とし、より一層好ましくはSiO、B、La、Gd、Y、TiO、Nb、ZrOとZnOの合計含有量を99%以上とする。
[含有すべきでない成分について]
本発明のガラス特性を損なわない範囲において、必要に応じて、上記において言及していないその他の成分を添加することができる。ただし、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag及びMo等遷移金属成分は、個別に又は複合的に少量を含有する場合でも、ガラスが着色されてしまい、可視光区域の特定波長において吸収が発生し、本発明における、可視光透過率効果を向上する性質を低下させてしまう。そのため、特に可視光区域における波長の透過率を要求する光学ガラスについては、含有させないのが好ましい。
Pb、Th、Cd、Tl、Os、Be及びSeの陽イオンは、近年以来、有害化学物質として取り扱いを制限する傾向がある。ガラスの製造工程だけではなく、加工工程及び製品化後の処置まで、環境保護対策が必要である。そのため、環境への影響を重要視する状況においては、不可欠に混入する場合を除き、含有しないのが好ましい。従って、光学ガラスは、実際には環境汚染物質を含まないことになる。そのため、特殊の環境対策を取らなくても、本発明に係る光学ガラスは製造、加工及び廃棄が可能となる。
以下、本発明に係る光学ガラスの特性について詳細に説明する。
[光学ガラスの光学定数]
本発明に係る光学ガラスは高屈折率・低分散ガラスであり、高屈折率・低分散ガラスより製造されたレンズの多くは高屈折率高分散ガラスより製造されたレンズと組合せて、色差校正に用いる。本発明に係る光学ガラスは、その用途の光学特性に適用する角度から考慮して、ガラス屈折率ndの範囲を1.77−1.85とし、好ましい範囲は1.78−1.84とし、より好ましい範囲は1.785−1.84とし、本発明に係るガラスのアッベ数νdの範囲は40−48で、好ましい範囲は41−47である。
[光学ガラスの転移温度]
光学ガラスは、ある温度区間において徐々に固体状から塑性状態に変わる。転移温度とは、ガラス試料が室温状態から屈状温度まで上昇し、その低温区域と高温区域の直線部分の延長線が交差する交差点の対応する温度である。
本発明に係るガラスの転移温度Tgは630℃以下で、620℃以下が好ましく、615℃以下が更に好ましく、610℃以下がより好ましい。
[光学ガラスの着色]
本発明に係るガラスの短波透射スペクトル特性は着色度(λ80/λ)で表す。λ80とは、ガラス透過率が80%に達する時に対応する波長の事を指し、λとは、ガラス透過率が5%に達する時に対応する波長の事を指す。λ80は、互いに平行且つ光学研磨された2つの対向する平面を有する、10±0.1nmの厚さのガラスを用いて、280nmから700nmまでの波長領域の分光透過率を測定して、透過率が80%である波長として測定される。いわゆる分光透過率又は透過率とは、ガラスの上記表面に強度Iinの光が垂直に入射し、当該ガラスを透過して、異なる平面から強度Ioutの光を出射する場合に、Iout/Iinによって表される量であり、ガラスの上記表面上の表面反射損失の透過率を含む。ガラスの屈折率が高いほど、表面反射損失は大きい。そのため、高屈折率ガラスにおいては、λ80の値が小さければ、ガラス自体の着色は極めて少ない。
本発明に係る光学ガラスのλ80は、410nm以下、405nm以下の範囲が好ましく、400nm以下の範囲が更に好ましく、395nm以下の範囲がさらに好ましく、390nm以下の範囲がより一層好ましい。λの範囲は350nm以下、345nm以下の範囲が更に好ましく、340nm以下の範囲のがさらに好ましく、335nm以下の範囲がより一層好ましい。
[光学ガラスの密度]
光学ガラスの密度は温度20℃の時の単位体積の質量であり、単位はg/cmで表示する。
本発明に係るガラスの密度は5.00g/cm以下であり、4.90g/cm以下であることが好ましい。
[失透温度の上限]
温度勾配炉法を用いてガラスの失透化性能が測定される。大きさ180×10×10mmのガラスサンプルを作製し、側面を研磨して、温度勾配を備える炉内に4時間入れた後、取り出して、顕微鏡を用いて失透化状態を観察する。ガラス結晶体に対応する最高温度が、ガラスの失透温度の上限である。
ガラスの失透温度の上限が低ければ低いほど、ガラスの高温における安定性が強くなり、生産の工学的性質もますます良くなる。
本発明に係るガラスの失透温度は1160℃以下で、好ましくは1155℃以下で、更に好ましくは1150℃以下で、より一層好ましくは1140℃以下である。
II ガラス母材と光学素子
以下、本発明に係る光学母材と光学素子を説明する。
本発明に係る光学母材と光学素子は、全て上記本発明に係る光学ガラスからなる。本発明に係る光学母材は、高屈折率・低分散特性を有する。本発明に係る光学素子は、高屈折率・低分散特性を有し、低コストで光学価値の高い各種レンズ、プリズム等の光学素子を提供することができる。
レンズの例として、レンズ面が球面又は非球面の凹面のメニスカスレンズ、凸面のメニスカスレンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ等の各種レンズがある。
これらレンズは、高屈折率高分散ガラスより製造されたレンズと組合せて、色差校正をすることができ、色差校正用のレンズに適切する。また、光学システムのコンパクト化にも非常に有効なレンズである。
プリズムにとっては、屈折率が高い為、撮影光学システムに組み合わせることによって、曲線状の光路を経由して、所望の方向に向かう、コンパクトで、広角の光学システムを実現できる。
実施例
本発明の課題を解決するための手段として、以下、実施例を挙げて本発明に係る光学ガラスを更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
光学ガラスを製造する溶融及び成型方法は、当該分野の当業者によって実施しうる。ガラス原料(炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、酸化物、ホウ酸等)をガラス酸化物の配合比率によって計量し、均一に混合した後、精錬装置(例えば、白金製容器)に投入し、適切に攪拌した後1250℃以下まで温度を下げ、1150〜1400℃で清澄化及び均質化した後、成型金型に流し込み又はリークし、最後にアニーリングによる後処理、処理等を行い、又は、精密プロファイリング技術によって直接圧縮成形を行った。
[光学ガラスの実施例]
更に、以下に示す方法で本発明に係る各ガラスの特性を測定し、測定結果を表1〜表6に示し、表において、K1はTa/Nbを示し、K2はSiO/(SiO+B)を示し、K3はNb/Gdを示し、K4はGd/(La+Gd+Y)を示し、K5は(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO)を示し、K6はZnO/(SiO+B)を示し、K7はNb/ZnOを示し、K8はTiO/(TiO+Nb)を示し、K9はZnO/(WO+Ta+Nb+TiO)示す。
(1)屈折率ndとアッベ数νd
屈折率とアッベ数は、GB/T7962.1−2010に規定される方法によって測定する。
(2)ガラス着色度(λ80/λ
相互相対の二つの光学平面を研磨した厚さ10±0.1mmのガラスサンプルで、分光透過率を測定し、その結果によって算出する。
(3)ガラス転移温度(Tg)
GB/T7962.16−2010に規定される方法によって測定する。
(4)ガラスの密度(ρ)
GB/T7962.20−2010に規定される方法によって測定する。
(5)ガラス失透温度の上限
温度勾配炉法を用いてガラスの失透化性能が測定される。大きさ180×10×10mmのガラスサンプルを作製し、側面を研磨して、温度勾配を備える炉内に4時間入れた後、取り出して、顕微鏡を用いて失透化状態を観察する。ガラス結晶体に対応する最高温度が、ガラスの失透温度の上限である。
(6)ガラス生産成形における失透状況
ガラスは、溶融、清澄化及び均質化された後、白金又は白金合金製ガラス排出管により成形型に流されインゴット又は角材に成形され、冷却された後、ガラスの内部及び表面が観察され、ガラス内部又は表面に結晶体が現れる場合は、ガラスの失透性能が不足することを示す。ガラス内部と表面に結晶体が無ければ「A」と示し、内部又は表面に結晶体が有れば「0」と示す。
Figure 2018052800
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[光学母材の実施例]
表1における実施例1〜10で得られた光学ガラスを所定の大きさにカットして、更にその表面に離型剤を均一に塗布してから、加熱及び軟化した後、加圧成形して、凹面のメニスカスレンズ、凸面のメニスカスレンズ、両凸レンズ、双凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ等の各種レンズ、プリズム母材を制作する。
[光学素子の実施例]
上記光学母材の実施例から得られたこれらの母材をアニーリングし、ガラス内部の変形を低下させるとともに微調整を行い、屈折率等の光学特性が所望する値となる。
次に、各母材を研削、研磨して、凹面のメニスカスレンズ、凸面のメニスカスレンズ、両凸レンズ、双凹レンズ、平凸レンズ、平凹レンズ等の各種レンズ、プリズムを制作する。得られる光学素子の表面には反射防止フィルムを塗布することができる。
本発明は、屈折率が1.77−1.85であり、アッベ数が40−48である、低コストで、且つ、化学安定性に優れた高屈折・低分散光学ガラス、及び当該ガラスからなる光学素子を提供し、近代的な新規の光電製品のニーズを満たすことができる。

Claims (17)

  1. 光学ガラスであって、質量百分率で、以下の成分を含有する。
    SiO:4−20%;
    :8−24%;
    La:20−40%;
    Gd:11−30%;
    :0−15%;
    TiO:0−8%;
    Ta:0−8%;
    Nb:0%超過8%以下;
    Ta/Nb:1未満;
    ZrO:0%超過15%以下;
    ZnO:11−30%。
  2. 請求項1に記載の光学ガラスであって、質量百分率で、以下の成分を含有する。
    WO:0−15%;
    Al:0−10%;
    YB:0−10%;
    LiO:0−2%;
    NaO:0−10%;
    O:0−10%;
    SB:0−1%;
    RO:0−10%、ここで、ROは、MgO、CaO、SrO又はBaOの1種又は数種である。
  3. 光学ガラスであって、質量百分率で、以下の成分を含有する。
    SiO:4−20%;
    :8−24%;
    La:20−40%;
    Gd:11−30%;
    :0−15%;
    WO:0−15%;
    Ta:0−8%;
    Nb:0%超過8%以下;
    Ta/Nb:1未満;
    ZrO:0%超過15%以下;
    ZnO:11−30%;
    TiO:0−8%;
    Al:0−10%;
    YB:0−10%;
    LiO:0−2%;
    NaO:0−10%;
    O:0−10%;
    SB:0−1%;
    RO:0−10%、ここで、ROは、MgO、CaO、SrO又はBaOの1種又は数種である。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学ガラスであって、各成分の含有量は下記の9個の条件のうち1つ以上の条件を満足する。
    (i)Ta/Nb:0.8未満;
    (ii)ZnO/(SiO+B):0.3−2;
    (iii)Gd/(La+Gd+Y):0.2−0.55;
    (iv)SiO/(SiO+B):0.2−0.6;
    (v)Nb/Gd:0.01−0.45;
    (vi)(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO):0.1−5;
    (vii)Nb/ZnO:0.01−0.5;
    (viii)TiO/(TiO+Nb):0.01−0.8;
    (ix)ZnO/(WO+Ta+Nb+TiO):1.8以上。
  5. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学ガラスであって、以下を含む。
    SiO:5−18%、及び/又はB:10−23%、及び/又はLa:20−35%、及び/又はGd:11−25%、及び/又はY:0−10%、及び/又はWO:0−10%、及び/又はTa:0−5%、及び/又はNb:0.1−6%、及び/又はZrO:1−10%、及び/又はZnO:15−30%;及び/又はTiO:0−5;及び/又はAl:0−5%;及び/又はYB:0−5%;及び/又はLiO:0−1%、及び/又はNaO:0−5%;及び/又はKO:0−5%;及び/又はSB:0−0.5%、及び/又はRO:0−5%、ここで、ROはMgO、CaO、SrO又はBaOの1種又は数種である。
  6. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学ガラスであって、以下を含む。
    SiO:6−15%、及び/又はB:12−20%、及び/又はLa:22−32%、及び/又はGd:12−22%、及び/又はY:0−8%、及び/又はWO:0−7%、及び/又はZrO:2−8%、及び/又はZnO:15−25%、及び/又はTiO:0−2%。
  7. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学ガラスであって、以下を満たす。
    Ta/Nb:0.5未満、及び/又はZnO/(SiO+B):0.5−1.8、及び/又はGd/(La+Gd+Y):0.25−0.5、及び/又はSiO/(SiO+B):0.23−0.5、及び/又はNbO5/Gd:0.02−0.35、及び/又は(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO):0.1−3、及び/又はNb/ZnO:0.02−0.35、及び/又はTiO/(TiO+Nb):0.05−0.7、及び/又はZnO/(WO+Ta+Nb+TiO):3−15。
  8. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学ガラスであって、以下を満たす。
    ZnO/(SiO+B):0.5−1.45;及び/又はGd/(La+Gd+Y):0.25−0.45、及び/又はSiO/(SiO+B):0.25−0.45、及び/又はNb/Gd:0.05−0.25、及び/又は(WO+Ta+Nb)/(ZrO+TiO):0.1−1、及び/又はNb/ZnO:0.03−0.25、及び/又はTiO/(TiO+Nb):0.1−0.6、及び/又はZnO/(WO+Ta+Nb+TiO):4−12。
  9. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学ガラスであって、SiO、B、La、Gd、Y、TiO、Nb、WO、ZrO及びZnOの合計含有量は95%以上であり、Taを含有しない。
  10. 請求項1〜3の何れか一項に記載の光学ガラスであって、SiO、B、La、Gd、Y、TiO、Nb、ZrO及びZnOの合計含有量は99%以上である。
  11. 請求項1又は2に記載の光学ガラスであって、質量百分率で、以下の成分を含有する。
    :0−10%;
    Bi:0−10%;
    TeO:0−10%;
    Ga:0−10%;
    Lu:0−10%;
    GeO:0−8%;
    CeO:0−1%;
    SnO:0−1%;
    F:0−10%。
  12. 請求項1又は2に記載の光学ガラスであって、質量百分率で、以下の成分を含有する。
    :0−5%;
    Bi:0−5%;
    TeO:0−5%;
    Ga:0−5%;
    Lu:0−5%;
    GeO:0−5%;
    CeO:0−0.5%;
    SnO:0−0.5%;
    F:0−5%。
  13. 請求項1〜12の何れか一項に記載の光学ガラスであって、その屈折率(nd)は1.77−1.85で、アッベ数(νd)は40−48で、ガラスの密度(ρ)は5.00g/cm以下である。
  14. 請求項1〜12の何れか一項に記載の光学ガラスであって、ガラスの透過率が80%を達成する際の対応する波長λ80は410nm以下で、透過率が5%に達成する際の対応する波長λは350nm以下で、失透温度の上限は1160℃以下で、ガラス転移温度(Tg)は630℃以下である。
  15. 請求項1〜12の何れか一項に記載の光学ガラスであって、ガラスの透過率が80%を達成する際の対応する波長λ80は400nm以下で、透過率が5%に達成する際の対応する波長λは340nm以下で、失透温度の上限は1150℃以下で、ガラス転移温度(Tg)は620℃以下で、ガラスの密度(ρ)は4.90g/cm以下である。
  16. 請求項1〜15の何れか一項に記載の光学ガラスにより製造される、ガラス母材。
  17. 請求項1〜15の何れか一項に記載の光学ガラスにより製造される、光学素子。
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