JP2018052149A - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Abstract
Description
ABSでは、複数の車輪にそれぞれ車輪速センサーを備え、これら各センサーの出力を相互に比較することにより、車輪のスリップ率を検出している。一方、ABSを安価な小型車両にも採用するために、1つの車輪にのみ車輪速センサーを備えたいわゆる1チャンネルABSが知られている。
例えば、特許文献1では、自動二輪車の1チャンネルABSにおいて、初発進時に車輪速センサーが正常であると確認できるまでABSのインジケータ表示を行うとともに、初発進後にも所定速度以下となった際にABSのインジケータ表示を行うことで、初発進後にも車輪速センサーの異常の可能性を運転者に知らせている。
この構成によれば、警告手段の作動は、初発進前の他、互いに別個の車輪速センサーおよび車速センサーの何れかに異常が生じる等により、それぞれ車輪速に係る各検出情報間の差異が所定値以上になったときになされるので、警告手段の作動時にセンサーの故障であることを運転者が容易に判別することができる。
なお、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
この構成によれば、車輪速センサーが監視する車輪とは異なる車輪の回転速度を別途の車輪速センサーで直接検出する場合に比して、該車輪速センサーの設置に伴うセンサーブラケットの新設、及びパルサリングの設定や配線が不要となるため、部品点数や設置作業を簡素化してコストダウンを図ることができる。
請求項3に記載した発明は、前記一つの車輪(Wf)は、当該鞍乗り型車両(1)の前輪(Wf)である。
この構成によれば、車輪ロック回避の重要性の高い前輪にのみ低コストでABS制御を可能とすることができる。
請求項4に記載した発明は、車速情報を表示するメーター装置(53)を備え、前記車速センサー(42)は、前記メーター装置(53)に車速情報を表示するためのセンサーを兼ねている。
この構成によれば、メーター装置用のセンサーとは別に車速センサーを設ける場合に比して、センサー数を減らしてコストダウンを図ることができる。
請求項5に記載した発明は、前記車速センサー(42)は、前記ABSモジュレータ(33)の電源部(38b)に接続されている。
仮に、車速センサーがメーター装置の電源部に接続される構成では、メーター装置用のヒューズが切れる等によりメーター装置の電源が落ちた場合に、センサーのフェール判断を維持できなくなる。一方、上記構成のように、車速センサーがABSモジュレータの電源部に接続される構成であれば、メーター装置の電源が落ちた場合にも、センサーのフェール判断を維持できるとともに、メーター装置に警告手段があれば、該警告手段をABSモジュレータの電源を用いて作動させることができる。なお、警告手段がメーター装置の電源で作動する構成であっても、上記構成によれば、メーター装置の電源が落ちても車速センサーは作動可能であり、ABS制御自体を可能な状態を維持できる。
請求項6に記載した発明は、前記車輪速センサー(41)および車速センサー(42)の各検出情報間の差異が所定値以上になった状態が所定時間以上続いたときに、前記警告手段(43)を作動させる。
この構成によれば、意図的に車輪をロック又は空転させる場合に警告手段が作動することを抑止し、警告手段の作動時にセンサーの故障であることを運転者がより確実に判別することができる。
請求項7に記載した発明は、前記車輪速センサー(41)は、前記一つの車輪(Wf)である当該鞍乗り型車両(1)の前輪(Wf)の回転速度を検出し、前記車速センサー(42)は、当該鞍乗り型車両(1)の原動機(PU)の出力軸(23a)の回転速度から、当該鞍乗り型車両(1)の他の車輪である後輪(Wr)の回転速度を検出する。
この構成によれば、後輪を意図的にロック又は空転させた場合に警告手段が頻繁に作動することを抑止した上で、車輪ロック回避の重要性の高い前輪にのみ低コストでABS制御を可能とすることができる。
メインフレーム12、ダウンフレーム13、センターフレーム14およびロアフレーム15に囲まれた領域には、エンジン2および変速機23を一体に有するパワーユニットPUが搭載されている。エンジン2は、クランク軸を収容するクランクケース26の前部上方にシリンダ27を起立させている。変速機23は、エンジン2のクランクケース26の後部内に収容されている。
前輪制動時に、車輪速センサー41の検出情報から前輪Wfがロック状態に陥りそうになったことを制御部38が検出すると、制御部38がABS制御(アンチロックブレーキ制御)を行う。
ABS制御では、ブレーキキャリパ32に供給するブレーキ液圧を減圧、増圧あるいは一定に保持する。減圧、増圧および保持のいずれのモードを選択するかは、車輪速センサー41から得た検出情報に基づいて判断される。
車速センサー42は、パワーユニットPUのクランクケース26に設置され、パワーユニットPUの出力軸23aの回転速度を車速情報として検出する。車速センサー42は、パワーユニットPUの出力軸23a等を介して後輪Wrの回転速度を検出する。車速センサー42は、メーター装置53に車速情報を表示するためのセンサーを兼ねている。換言すれば、メーター表示用の車速センサー42がABS制御にも用いられている。
まず、ステップS1で車速センサー42の検出信号より後輪Wrの車輪速を演算する。また、ステップS2で車輪速センサー41の検出信号より前輪Wfの車輪速を演算する。
次に、ステップS3で車輪速センサー41および車速センサー42の各検出情報同士を比較し、前後輪Wrの車輪速の差異の絶対値が所定の閾値以上になったか否かを判定する。ステップS3でYES(前記絶対値が閾値以上)の場合、ステップS4で前記絶対値が閾値以上の状態が所定時間以上継続したか否かを判定する。ステップS4でYES(所定時間以上継続)の場合、ステップS5でセンサーフェールと検出し、警告灯出力を出力してインジケータランプ43を点灯させる。
この構成によれば、インジケータランプ43の点灯は、初発進前の他、互いに別個の車輪速センサー41および車速センサー42の何れかに異常が生じる等により、それぞれ車輪速に係る各検出情報間の差異が所定値以上になったときになされるので、初発進前を除いたときのインジケータランプ43の点灯であれば、センサーの故障であることを運転者が容易に認識することができる。また、車輪ロック回避の重要性の高い前輪Wfにのみ低コストでABS制御を可能とすることができる。
また、車速センサー42は、ABSモジュレータ33の電源部38bに接続されているので、メーター装置53の電源が落ちた場合にも、センサーのフェール判断を維持することができる。また、メーター装置53のインジケータランプ43をABSモジュレータ33の電源を用いて点灯させることもできる。
また、警告制御部44は、ABSモジュレータ33の制御部38に一体に設けられ、ABS制御部38aとともに制御部38の電源部38bから電力供給を受けて作動するので、ABSモジュレータ33以外の装置の電源によらずインジケータランプ43を点灯させることができる。
また、車輪速センサー41は前輪Wfの回転速度を検出し、車速センサー42はパワーユニットPUの出力軸23aの回転速度から後輪Wrの回転速度を検出するので、後輪Wrを意図的にロック又は空転させた場合に警告手段が頻繁に作動することを抑止した上で、車輪ロック回避の重要性の高い前輪Wfにのみ低コストでABS制御を可能とすることができる。
前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。また、パワーユニットに電気モータを含む車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
Wf 前輪(一つの車輪)
Wr 後輪(他の車輪)
23a 出力軸
33 ABSモジュレータ
38b 電源部
41 車輪速センサー
42 車速センサー
43 インジケータランプ(警告手段)
44 警告制御部
53 メーター装置
PU パワーユニット(原動機)
Claims (7)
- 一つの車輪(Wf)の回転速度を検出する車輪速センサー(41)と、
前記車輪速センサー(41)の検出情報に基づき前記一つの車輪(Wf)のABS制御を行うABSモジュレータ(33)と、
前記車輪速センサー(41)とは別に車速情報を検出する車速センサー(42)と、
運転者にABS制御に関する警告を行う警告手段(43)と、
前記車輪速センサー(41)および車速センサー(42)の各検出情報同士の比較結果に基づき、各検出情報間の差異が所定値以上になった際に、前記警告手段(43)を作動させる警告制御部(44)と、を備えている、鞍乗り型車両。 - 前記車速センサー(42)は、当該鞍乗り型車両(1)の原動機(PU)の出力軸(23a)の回転速度を車速情報として検出する、請求項1に記載の鞍乗り型車両。
- 前記一つの車輪(Wf)は、当該鞍乗り型車両(1)の前輪(Wf)である、請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両。
- 車速情報を表示するメーター装置(53)を備え、
前記車速センサー(42)は、前記メーター装置(53)に車速情報を表示するためのセンサーを兼ねている、請求項1から3の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記車速センサー(42)は、前記ABSモジュレータ(33)の電源部(38b)に接続されている、請求項1から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記車輪速センサー(41)および車速センサー(42)の各検出情報間の差異が所定値以上になった状態が所定時間以上続いたときに、前記警告手段(43)を作動させる、請求項1から5の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記車輪速センサー(41)は、前記一つの車輪(Wf)である当該鞍乗り型車両(1)の前輪(Wf)の回転速度を検出し、
前記車速センサー(42)は、当該鞍乗り型車両(1)の原動機(PU)の出力軸(23a)の回転速度から、当該鞍乗り型車両(1)の他の車輪である後輪(Wr)の回転速度を検出する、請求項1から6の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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