JP2018051871A - 印刷方法 - Google Patents

印刷方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018051871A
JP2018051871A JP2016189334A JP2016189334A JP2018051871A JP 2018051871 A JP2018051871 A JP 2018051871A JP 2016189334 A JP2016189334 A JP 2016189334A JP 2016189334 A JP2016189334 A JP 2016189334A JP 2018051871 A JP2018051871 A JP 2018051871A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
screen
ink
image
area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016189334A
Other languages
English (en)
Inventor
裕貴 浦野
Hirotaka Urano
裕貴 浦野
公樹 三谷
Kimiki Mitani
公樹 三谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riso Kagaku Corp
Original Assignee
Riso Kagaku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riso Kagaku Corp filed Critical Riso Kagaku Corp
Priority to JP2016189334A priority Critical patent/JP2018051871A/ja
Publication of JP2018051871A publication Critical patent/JP2018051871A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Printing Methods (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】 印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上させつつ、印刷時間の増大を抑制することが可能な印刷方法を提供する。
【解決手段】
被印刷物Pの印刷領域Paに印刷画像を印刷する印刷方法であって、印刷領域Paに対応する開口部11aを有する第1スクリーン版10を用いて、スクリーン印刷方式により印刷領域Paに白色インクを塗工する工程Aと、少なくとも多価金属塩を含む前処理液を下地画像に塗工する工程Bと、インクジェット方式により印刷領域Paに印刷画像を印刷する工程Cと、を含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被印刷物に印刷画像を印刷する印刷方法に関する。
従来、被印刷物の印刷領域にカラー画像などの印刷画像を印刷する場合、インクジェット方式による印刷方法が広く適用されている。
ここで、被印刷物が、所定色を有する場合、印刷画像のインク色が、被印刷物の所定色に反映されてしまい、印刷画像のインク色の発色性が低下するおそれがある。
このため、被印刷物の印刷領域において、白色インクにより下地画像を形成した後、下地画像の上に印刷画像を印刷するインクジェット印刷方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−38063号公報
ところで、印刷画像のインク色の発色性をより向上させるためには、下地画像の隠ぺい性を高める必要がある。また、隠ぺい性の高い下地画像を形成するためには、印刷領域の全体に比較的厚い白色インクにより下地画像を形成することが望まれる。
しかしながら、従来技術のようなインクジェット印刷方法では、インクヘッドからインク液滴をドット単位で塗布するため、隠ぺい性の高い下地画像を形成する処理時間が増大する。この結果、被印刷物に印刷画像を印刷するための印刷時間が増大するという問題があった。
また、従来技術のようなインクジェット印刷方法により形成した下地画像の上に印刷画像を印刷すると、印刷画像のインクが下地画像の白色インクに沈み込む場合がある。このような場合、印刷画像のインク色の発色性が必ずしも向上しないため、印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上させるための手法が望まれていた。
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたもので、印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上させつつ、印刷時間の増大を抑制することが可能な印刷方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る印刷方法の第1の特徴は、被印刷物の印刷領域に印刷画像を印刷する印刷方法であって、前記印刷領域に対応する開口部を有するスクリーン版を用いて、スクリーン印刷方式により前記印刷領域に白色インクを塗工する工程Aと、少なくとも多価金属塩を含む前処理液を前記印刷領域に塗工する工程Bと、インクジェット方式により前記印刷領域に前記印刷画像を印刷する工程Cと、を含むことにある。
本発明に係る印刷方法の第2の特徴は、前記工程Bでは、前記印刷領域に対応する開口部を有する他のスクリーン版を用いて、スクリーン印刷方式により前記前処理液を前記印刷領域に塗工することにある。
本発明に係る印刷方法の第3の特徴は、前記工程Aにおいて用いられる前記スクリーン版は、第1メッシュ数により構成される第1スクリーン紗を備え、前記工程Bにおいて用いられる前記他のスクリーン版は、第2メッシュ数により構成される第2スクリーン紗を備え、前記第1メッシュ数は、前記第2メッシュ数よりも大きいことにある。
本発明に係る印刷方法の第1の特徴によれば、スクリーン印刷方式により白色インクで塗工する工程Aを含む。これにより、インクジェット方式により白色インクで塗工する場合に比べて、白色インクによって下地画像を形成する処理時間を低減できる。
また、本発明に係る印刷方法の第1の特徴によれば、スクリーン印刷方式により白色インクで塗工する工程Aと、少なくとも多価金属塩を含む前処理液を印刷領域に塗工する工程Bを含む。これにより、下地画像を形成する白色インクを凝集させることができるため、下地画像による隠ぺい性が高められ、印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上できる。
このように、本発明に係る印刷方法の第1の特徴によれば、印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上させつつ、印刷時間の増大を抑制することができる。
本発明に係る印刷方法の第2の特徴によれば、工程Bにおいて、スクリーン印刷方式により前処理液を印刷領域に塗工する。これにより、前処理液の塗工領域を正確に設定できるため、前処理液が印刷領域の周囲に飛散することにより被印刷物Pが汚れてしまうことを防止できる。
本発明に係る印刷方法の第3の特徴によれば、工程Aにおいて用いられるスクリーン版は、第1メッシュ数により構成される第1スクリーン紗を備え、工程Bにおいて用いられる他のスクリーン版は、第2メッシュ数により構成される第2スクリーン紗を備える。また、第1メッシュ数は、第2メッシュ数よりも、大きい。これにより、工程Aにおいて、下地画像を形成するために塗工した白色インクに凹凸が生じにくくなり、凹凸により形成される傾斜部に着弾したドットが移動する事で起こるビーディング(白抜け)が低減するため、印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上できる。
本発明の第1実施形態に係る印刷方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る第1スクリーン版を説明するための展開斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る第1スクリーン版を用いた下地処理を説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る第2スクリーン版を説明するための展開斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る第2スクリーン版を用いた前処理を説明するための斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るインクジェット印刷装置を用いた本印刷処理を説明するための斜視図である。 比較評価の結果を示す表である。
以下、本発明の実施例に係る印刷方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。また、以下に示す実施例は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態]
<印刷方法の構成>
本発明の第1実施形態に係る印刷方法は、被印刷物Pの印刷領域Paに印刷画像を印刷する。図1は、本発明の第1実施形態に係る印刷方法を示すフローチャートである。図1に示すように、印刷方法は、下地処理工程S10(工程A)、前処理工程S20(工程B)、本印刷処理工程S30(工程C)を含む。
被印刷物Pは、例えば、黒などの所定色を有するものである。被印刷物Pの部材は、特に限定されないが、衣服に利用される布、紙等であってもよい。
下地処理工程S10では、被印刷物Pに下地画像を形成する下地処理を実行する。具体的に、下地処理工程S10では、印刷領域Paに下地画像を形成するため、印刷領域Paに対応する開口部11aを有する第1スクリーン版10を用いて、スクリーン印刷方式により印刷領域Paに白色インクを塗工する。なお、本実施形態において、第1スクリーン版10は、特許請求の範囲に記載の「スクリーン版」を構成する。
図2には、第1スクリーン版10の展開斜視図が示されている。また、図3には、第1スクリーン版10を用いた下地処理を説明するための斜視図が示されている。なお、以下において、被印刷物Pの幅方向Xと、被印刷物Pの長手方向Yと、被印刷物Pの厚さ方向Zとを規定して説明する。
図2に示すように、第1スクリーン版10は、第1フィルムシート11と、第1版枠12と、第1スクリーン紗13とを備える。
第1フィルムシート11には、加熱方式を用いた熱穿孔により開口部11aが形成されている。開口部11aは、下地処理を実行する際に、幅方向X及び長手方向Yにおいて、白色インクを塗工すべき被印刷物Pの印刷領域Paに対応した位置となるように形成されている。
第1版枠12は、金属材又は樹脂材からなる。第1版枠12は、四角形状に形成されている。第1版枠12は、内部において、厚さ方向Zに貫通した四角形孔12aが形成されている。第1版枠12の下面12bには、第1スクリーン紗13が紗張りされている。
第1スクリーン紗13は、ポリエステル樹脂などからなる糸が格子状に張られることで、第1のメッシュ13aが網目状に形成されている。
第1スクリーン紗13では、1インチ当たりの糸の数を示す第1メッシュ数が、120〜250となるように構成されていることが好ましく、180〜220であることがより好ましい。
下地処理工程S10では、図3に示すように、被印刷物Pに第1スクリーン版10を重ね合わせた後に、第1版枠12の四角形孔12a内でスキージ15を移動させながら、第1フィルムシート11に白色インクWKを引き延ばす。これにより、白色インクWKが第1フィルムシート11の開口部11aを介して被印刷物P側に押し込まれ、被印刷物Pの印刷領域Paに白色インクWKにより塗りつぶされた下地画像が印刷される。
次に、前処理工程S20では、前処理を実行する。具体的に、前処理工程S20では、前処理液PSを印刷領域Paに塗工する。すなわち、下地画像を形成する白色インクWKの上に前処理液PSを塗工する。
ここで、本実施形態では、前処理工程S20において、印刷領域Paに対応する開口部21aを有する第2スクリーン版20を用いて、スクリーン印刷方式により前処理液PSを印刷領域Paに塗工する。
前処理液PSは、少なくとも多価金属塩を含む。多価金属塩は、インクの色材と反応することにより色材を凝集させる効果を期待できる凝集剤である。
多価金属塩は、例えば、Ca++、Cu++、Ni++、Mg++、Zn++、Ba++、Al+++、Fe+++及びCr+++からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属イオンから構成される塩である。中でも着色や身体への安全性の観点から、Ca++又はMg++が好ましい。また、前処理液PSには、凝集剤の定着性向上のために樹脂を含んでもよい。例えば、ウレタン樹脂、(メタ)アクリル樹脂、スチレン/(メタ)アクリル樹脂、オレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エステル樹脂等、アクリルアミド樹脂が挙げられる。樹脂のイオン性としては、金属塩との混和安定性の観点からノニオン性、カチオン性、弱アニオン性が挙げられる。カチオン性樹脂を使用するとインクの凝集性向上も期待できる。
また、前処理液PSには、目止め剤が含まれていてもよい。目止め剤は、インクの色材を被印刷物Pの内部に浸透することを抑制する効果を期待できるものである。目止め剤としては、例えば、シリカ等の無機粒子が挙げられる。なお、無機粒子の平均粒子径は、インクの粒子径に合わせて変えることが好ましいが、例えば、500nm以下であってもよい。
図4には、前処理工程S20で用いられる第2スクリーン版20の展開斜視図が示されている。また、図5には、第2スクリーン版20を用いた下地処理を説明するための斜視図が示されている。なお、第2スクリーン版20は、特許請求の範囲に記載の「他のスクリーン版」を構成する。
図4に示すように、第2スクリーン版20は、第2フィルムシート21と、第2版枠22と、第2スクリーン紗23とを備える。
第2フィルムシート21は、加熱方式を用いた熱穿孔により開口部21aが形成されている。開口部21aは、前処理において、前処理液PSを塗工すべき被印刷物Pの印刷領域Paに対応した位置となるように形成されている。
第2版枠22は、金属材又は樹脂材からなる。第2版枠22は、四角形状に形成されている。第2版枠22は、内部において、厚さ方向Zに貫通した四角形孔22aが形成されている。第2版枠22の下面22bには、第2スクリーン紗23が紗張りされている。
第2スクリーン紗23は、ポリエステル樹脂などからなる糸が格子状に張られることで、第2のメッシュ23aが網目状に形成されている。第2スクリーン紗23では、1インチ当たりの糸の数を示す第2メッシュ数が、50〜100となるように構成されていることが好ましい。また、第2メッシュ数は、60〜80となるように構成されていることがより好ましい。
前処理工程S20では、図5に示すように、被印刷物Pに第2スクリーン版20を重ね合わせた後に、第2版枠22の四角形孔22a内でスキージ25を移動させながら、第2フィルムシート21に前処理液PSを引き延ばす。これにより、前処理液PSが第2フィルムシート21の開口部21aを介して被印刷物P側に押し込まれ、下地画像に前処理液PSが塗工される。
また、本実施形態では、第1スクリーン紗13の第1メッシュ数は、第2スクリーン紗23の第2メッシュ数よりも大きくなるように構成されている。
本印刷処理工程S30では、本印刷処理を実行する。具体的に、本印刷処理工程S30では、インクジェット方式により印刷領域Paに印刷画像を印刷する。
図6には、インクジェット印刷装置を用いた本印刷処理を説明するための斜視図が示されている。図6の例では、説明のため、インクジェット印刷装置に備えられるインクジェットヘッド30を主として示し、インクジェット印刷装置に備えられている他の機器は、省略している。
本印刷処理工程S30では、図6に示すように、画像データに基づいて、被印刷物Pの印刷領域Paに印刷画像を印刷する。印刷画像は、カラーインクMKにより表現される。なお、カラーインクMKは、特に限定されないが、例えば、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクにより構成される。
<作用及び効果>
以上のように、本発明の第1実施形態に係る印刷方法では、スクリーン印刷方式により印刷領域に白色インクを塗工する下地処理工程S10を含む。これにより、インクジェット方式により白色インクを塗工する場合に比べて、白色インクによって下地画像を形成する処理時間を低減できる。
また、本発明の第1実施形態に係る印刷方法では、スクリーン印刷方式により白色インクで塗工する工程Aと、少なくとも多価金属塩を含む前処理液を印刷領域に塗工する工程Bを含む。これにより、下地画像を形成する白色インク(下地インク)を凝集させることができるため、下地画像による隠ぺい性が高められ、印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上できる。
このように、本発明の第1実施形態に係る印刷方法によれば、印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上させつつ、印刷時間の増大を抑制することができる。
また、本発明の第1実施形態に係る印刷方法では、前処理工程S20において、スクリーン印刷方式により前処理液を印刷領域に塗工する。これにより、前処理液の塗工領域を正確に設定できるため、前処理液が印刷領域の周囲に飛散することにより被印刷物Pが汚れてしまうことを防止できる。
また、本発明の第1実施形態に係る印刷方法では、下地処理工程S10において用いられるスクリーン版は、第1メッシュ数により構成される第1スクリーン紗を備え、前処理工程S20において用いられる第2スクリーン版20は、第2メッシュ数により構成される第2スクリーン紗を備える。また、第1メッシュ数は、第2メッシュ数よりも大きい。
ここで、一般的に、メッシュ数の大きいスクリーン紗ほど、糸径が細くなるように構成されるため、第1スクリーン紗は、糸径が比較的細くなるように構成されている。従って、下地処理工程S10において、第1スクリーン紗を有する第1スクリーン版10を用いて塗工した白インクには、凹凸が生じにくくなり、凹凸により形成される傾斜部に着弾したドットが移動する事で起こるビーディング(白抜け)が低減するため、印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上できる。
また、第2メッシュ数は、第1メッシュ数よりも小さい構成となるため、第2スクリーン紗では、第2のメッシュ23aのサイズは大きくなる。従って、前処理工程S20において第2スクリーン版20を用いて前処理液を塗工する際に、下地画像の白色インクが第2スクリーン紗の糸の周りに付着しても、第2スクリーン紗のメッシュが目詰まりしてしまうことを抑制できるため、前処理液を下地画像により確実に塗工できる。
また、前処理工程S20を実行せずに、下地処理工程S10においてスクリーン印刷方式により下地処理を実行した後、本印刷処理工程S30においてインクジェット方式により本印刷処理を実行する印刷方法も考えられる。
しかし、前処理工程S20を実行しない場合、下地画像の白色インクと印刷画像のカラーインクとのそれぞれの特性に起因して、カラーインクのドット合一やレベリング不足が発生してしまい、印刷画像の発色性が低下するおそれがある。このため、白色インクとカラーインクとに使用できる材料を制限しなければならない可能性もある。
本発明の第1実施形態に係る印刷方法では、前処理工程S20において前処理を実行することで、前処理液がカラーインクの成分と反応し、カラーインクのドット合一やレベリング不足を防止できるため、印刷画像の発色性の低下を抑制する。これにより、白色インクとカラーインクとに使用できる材料の自由度を高めることもできる。
また、本発明の第1実施形態において、下地処理工程S10で用いられる第1スクリーン版10の第1スクリーン紗13では、第1メッシュ数が、120〜250となるように構成されていることが好ましい。これは、次の理由による。
本印刷処理工程S30においてインクジェット方式により吐出されるカラーインクの粘度は比較的低いため、下地画像の表面に凹凸が形成される場合には、凹凸に起因するドット流れや歪みにより細字再現性に影響を与えるおそれがある。
また、下地処理工程S10において白色インクをスクリーン印刷方式で塗工する場合、白色インクの表面には、第1スクリーン紗13の糸により凹凸が形成される可能性がある。しかし、本発明の第1実施形態に係る印刷方法のように、第1スクリーン紗13の第1メッシュ数が、120以上であれば凹凸が形成されることを抑制できる。これにより、本印刷処理工程S30においてインクジェット方式により印刷画像を印刷する場合に、白色インクに形成される凹凸に起因するドット流れや歪みを抑制できるため、印刷画像の細字再現性も高められる。
また、第1メッシュ数が、250以下であると、白色インクのインク通過性を確実に確保できる。なお、第1メッシュ数は、180〜220となるように構成されていることがより好ましい。
また、本発明の第1実施形態に係る印刷方法では、本印刷処理工程S30において、インクジェット方式により印刷画像を印刷する。これにより、色の位置精度の高い印刷画像を再現することができるため、印刷品質を向上できる。
また、本発明の第1実施形態に係る印刷方法では、前処理工程S20において、スクリーン印刷方式により前処理液を印刷領域Paに塗工していたが、塗工方法はこれに限定されない。例えば、スプレー方式により前処理液を印刷領域Paに塗工してもよい。
また、第2フィルムシート21に形成される開口部21aの外縁は、第1フィルムシート11の開口部11aの外縁よりも0.5mm以上10mm以下の範囲で外側に形成されていることが好ましい。これにより、前処理液の塗工領域の面積が、下地画像の領域の面積よりも広くなるため、前処理工程S20において、前処理液の塗工領域の位置が下地画像の領域の位置に対して多少ずれても、前処理液を下地画像に確実に塗工することができる。
[比較評価]
次に、本発明の効果を明確にするために、比較例及び実施例に係る印刷方法によって実施した比較評価について説明する。比較例1〜4及び実施例1〜6の印刷方法と評価結果とを図7に示す。なお、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
<実験方法>
比較例1〜4及び実施例1〜6に係る印刷方法により被印刷物Pに印刷を行って印刷結果を評価した。被印刷物Pとしては、黒色の綿100%の布(Tシャツ)を20枚準備した。
比較例1〜4及び実施例1〜6に係る印刷方法の全てにおいて、下地画像を形成するために白色インクを塗工する下地処理工程と、下地画像の上に印刷画像を印刷する本印刷処理工程とを含めた。なお、比較例1及び4に係る印刷方法のみ、準備処理工程を含めた。準備処理工程では、スプレー方式により印刷領域Paに前処理液を事前に塗工する準備処理を実施した。
また、本印刷処理工程において印刷される印刷画像は、黒、赤、青、緑、黄の5色で描いた12ポイント及び16ポイントの文字(各3文字)と、黒、赤、青、緑、黄の5色で描いた5×5cmの塗り潰し画像とを採用した。
印刷方法の詳細は、図7に示す通りである。なお、比較例1〜4及び実施例1〜6に係る印刷方法により被印刷物Pに印刷画像を印刷後、被印刷物Pをヒートプレス機にて150℃60秒間熱定着させている。
<インク>
図7において、下地処理工程に示す白色インクの種類は、下記の通りである。
W1:理想科学工業製 RISO水性インク1000mL ホワイト(スクリーン用水系顔料インク)
W2:ユニバインダーBR−W(改)(スクリーン用水系顔料インク)
W3:マスターマインド製 maOZ−T200Wh(インクジェット用水系顔料インク)
<前処理液>
図7において、準備処理工程及び前処理工程に示す前処理液の種類は、下記の通りである。
U1:硝酸カルシウム(和光純薬工業(株)製)100g及びイオン交換水700gを混合し、そこにモビニール6750(アクリル系樹脂エマルション、日本合成化学工業(株)製)200gをさらに混合することで前処理液U1を作製した。
U2:塩化カルシウム(和光純薬工業(株)製)100g及びイオン交換水700gを混合し、そこにモビニール6750(アクリル系樹脂エマルション、日本合成化学工業(株)製)200gをさらに混合することで前処理液U2を作製した。
<カラーインク>
図7において、本印刷処理工程に示すカラーインクの種類は、下記の通りである。
C1:理想科学工業製 RISOスクリーンインク1000mL ブラック、レッド、ブルー、グリーン、イエロー(スクリーン用水系顔料インク)
C2:マスターマインド製 maOZ−T200Bk、maOZ−T200c、maOZ−T200m、maOZ−T200y(インクジェット用水系顔料インク)
<評価項目>
比較例1〜4及び実施例1〜6に係る印刷方法により被印刷物Pに印刷画像を印刷後、「印刷時間」、「発色性」、「目詰まり」、「細字再現性」、「非印刷領域の汚れ」のそれぞれを評価項目として評価した。なお、評価項目の詳細は、次の通りである。
(印刷時間)
「印刷時間」は、比較例及び実施例のそれぞれの印刷方法において、「準備処理工程」、「下地処理工程」、「前処理工程」、「本印刷処理工程」などの各工程の作業時間を個別に測定した測定時間の合計を示す。なお、図7において、「印刷時間」の評価結果として示される「○」及び「×」は、下記を意味する。
○:印刷時間が90分以内
×:印刷時間が90分より長い
(発色性)
「発色性」は、印刷画像の発色性の評価結果を表す。なお、図7において、「発色性」の評価結果として示される「○」及び「×」は、下記を意味する。
○:Y画像部のL*(明度)が60以上、且つOD値(濃度)が1.00以上
×:Y画像部のL*(明度)が60未満、又はOD値(濃度)が1.00未満
(目詰まり)
「目詰まり」は、前処理において用いた第2スクリーン紗23に発生した目詰まりを表す。「目詰まり」の評価では、20枚の被印刷物Pに印刷画像を印刷後、イオン交換水を湿らせたウエスで第2スクリーン紗23の表面を1往復だけ洗浄し、洗浄した第2スクリーン紗23を用いて、スクリーン印刷により検査インク(WATERBLUE3(オリエント化学工業製 染料)1g、イオン交換水29g、モビニール6750 70gを混合して作製した)を印刷した結果において、印刷不良(版目詰まり)の箇所数を確認した。なお、図7において、「目詰まり」の評価結果として示される「○」、「△」及び「×」は、下記を意味する。
○:目詰まりが、3カ所未満
△:目詰まりが、3カ所以上あるが、1m以上離れた位置からは視認不可
×:目詰まりが、3カ所以上あり、1m以上離れた位置からも視認可
(細字再現性)
「細字再現性」は、印刷画像に含まれる所定ポイントの文字の再現性を表す。なお、図7において、「細字再現性」の評価結果として示される「○」、「△」及び「×」は、下記を意味する。
○:12ポイントの文字がつぶれていない
△:12ポイントの文字がつぶれているが、16ポイントの文字がつぶれていない
×:16ポイントの文字がつぶれている
(非印刷領域の汚れ)
「非印刷領域の汚れ」は、被印刷物の非印刷領域における汚れ度合を表す。「非印刷領域の汚れ」は、印刷領域から幅方向X及び長手方向Yに30mm離れた規定場所で測定したOD値に基づいて評価した。具体的に、比較例及び実施例のそれぞれの印刷方法を実施する前に、規定場所の実施前のOD値を測定するとともに、それぞれの印刷方法を実施した後に、規定場所の実施後のOD値を測定した。そして、実施前のOD値と実施後のOD値との差分値ΔODを算出して、「非印刷領域の汚れ」を評価した。なお、図7において、「非印刷領域」の評価結果として示される「○」、「△」及び「×」は、下記を意味する。
○:ΔODが0.05未満
△:ΔODが0.05以上0.1未満
×:ΔODが0.1以上
<評価結果>
図7に示すように、比較例1は、下地処理工程をインクジェット方式で印刷したため、印刷時間が長かった。更に、インクジェット方式ではインクの吐出量少ないため、白色インクによる隠ぺい性が十分に得られず、発色性も十分ではなかった。更に、比較例1には、準備処理において塗工した前処理液により、非印刷領域の汚れも見られた。
比較例2は、本印刷処理工程をスクリーン印刷方式で実行したため、印刷時間が長くなった。
比較例3は、印刷時間が短かったものの、白色インク上にカラーインクのドット合一が起き、発色性が十分に得られず、また、細字再現性も十分でなかった。
比較例4は、印刷時間が短かったものの、比較例3と同様に、白色インク上にカラーインクのドット合一が起き、発色性が十分に得られず、また、細字再現性も十分でなかった。更に、比較例4には、準備処理において塗工した前処理液により、非印刷領域の汚れも見られた。
一方、実施例1〜6の評価結果は、印刷時間と発色性とのいずれにおいても良好であった。
すなわち、スクリーン印刷方式により白色インクを塗工する下地処理工程と、前処理液を下地画像に塗工する前処理工程と、インクジェット方式により印刷画像を印刷する本印刷処理工程とを備えた実施例1〜6は、印刷画像のインク色の発色性をより確実に向上させつつ、印刷時間の増大を抑制できることが証明された。
特に、実施例4〜6では、白色インクを塗工する下地処理工程において、メッシュ数を大きくした第1スクリーン版10を使用していたため、印刷時間と発色性とに加え、目詰まりと細字再現性とにおいても良好であることが証明された。
[本発明のその他の実施形態]
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。
例えば、上述した実施形態では、第1スクリーン版10が開口部11aを形成した第1フィルムシート11を備える場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。第1スクリーン版10は、第1スクリーン紗13に乳剤膜を形成した後に、露光などにより開口部11aを形成したものを適用してもよい。同様に、第2スクリーン版20においても、第1スクリーン紗13に乳剤膜を形成した後に、露光などにより開口部21aを形成したものを適用してもよい。
なお、第1スクリーン版10及び第2スクリーン版20を効率よく製造するという観点からは、第1スクリーン版10が、加熱方式を用いた熱穿孔により開口部11aを形成した第1フィルムシート11を備え、第2スクリーン版20が、加熱方式を用いた熱穿孔により開口部21aを形成した第2フィルムシート21を備えることが好ましい。
また、上述した実施形態に係る印刷方法は、被印刷物Pの印刷領域Paに印刷画像を印刷することにより、印刷物を生成できる。このため、上述した実施形態に係る印刷方法は、印刷物製造方法にも適用できる。
また、上述した実施形態に係る印刷方法では、第1スクリーン紗13の第1メッシュ数は、第2スクリーン紗23の第2メッシュ数よりも大きくなるように構成されていたが、これに限定されない。例えば、第1メッシュ数と第2メッシュ数とは、等しくてもよいし、第1メッシュ数が第2メッシュ数より小さくてもよい。
このように、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10…第1スクリーン版
11…第1フィルムシート
11a…開口部
12…第1版枠
13…第1スクリーン紗
20…第2スクリーン版
21…第2フィルムシート
21a…開口部
22…第2版枠
23…第2スクリーン紗
30…インクジェットヘッド
P…被印刷物
Pa…印刷領域
PS…前処理液
WK…白色インク

Claims (3)

  1. 被印刷物の印刷領域に印刷画像を印刷する印刷方法であって、
    前記印刷領域に対応する開口部を有するスクリーン版を用いて、スクリーン印刷方式により前記印刷領域に白色インクを塗工する工程Aと、
    少なくとも多価金属塩を含む前処理液を前記印刷領域に塗工する工程Bと、
    インクジェット方式により前記印刷領域に前記印刷画像を印刷する工程Cと、を含む
    ことを特徴とする印刷方法。
  2. 前記工程Bでは、前記印刷領域に対応する開口部を有する他のスクリーン版を用いて、スクリーン印刷方式により前記前処理液を前記印刷領域に塗工する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
  3. 前記工程Aにおいて用いられる前記スクリーン版は、第1メッシュ数により構成される第1スクリーン紗を備え、
    前記工程Bにおいて用いられる前記他のスクリーン版は、第2メッシュ数により構成される第2スクリーン紗を備え、
    前記第1メッシュ数は、前記第2メッシュ数よりも大きい
    ことを特徴とする請求項2に記載の印刷方法。
JP2016189334A 2016-09-28 2016-09-28 印刷方法 Pending JP2018051871A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016189334A JP2018051871A (ja) 2016-09-28 2016-09-28 印刷方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016189334A JP2018051871A (ja) 2016-09-28 2016-09-28 印刷方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018051871A true JP2018051871A (ja) 2018-04-05

Family

ID=61834794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016189334A Pending JP2018051871A (ja) 2016-09-28 2016-09-28 印刷方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018051871A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020164572A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本塗料株式会社 水系プライマーインク、インクセット及び印刷方法
JP2020164571A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本塗料株式会社 水系白色インク、インクセット及び印刷方法
CN113619303A (zh) * 2021-08-09 2021-11-09 大连华瑞泰服饰有限公司 用于防护服的硅胶材料、其制备方法及防护运动装备

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020164572A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本塗料株式会社 水系プライマーインク、インクセット及び印刷方法
JP2020164571A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本塗料株式会社 水系白色インク、インクセット及び印刷方法
JP7274908B2 (ja) 2019-03-28 2023-05-17 大日本塗料株式会社 水系白色インク、インクセット及び印刷方法
CN113619303A (zh) * 2021-08-09 2021-11-09 大连华瑞泰服饰有限公司 用于防护服的硅胶材料、其制备方法及防护运动装备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5647405B2 (ja) インクジェット捺染用白色インク
US9566814B2 (en) Ink jet recording process, ink jet recording apparatus, and recorded matter
JP6299968B2 (ja) 記録方法、インクセット及びインクジェット記録装置
US11566143B2 (en) Image forming method and ink set
JP2017144628A (ja) 記録方法
JP2018051871A (ja) 印刷方法
JPH0995044A (ja) 記録紙及びこれを用いたインクジェット記録方法
US20170321072A1 (en) Ink Composition for High-Quality/High-Definition Screen Printing, Printed Matter Produced by the Screen Printing Ink Composition, and Method for Producing the Printed Matter
US20050248645A1 (en) Method for improving the quality of ink jet printed images
JP6299967B2 (ja) 記録方法、インクセット及びインクジェット記録装置
JP2009012204A (ja) 印刷方法、印刷物、及び印刷装置
JP2018051872A (ja) 印刷物製造方法及びスクリーン印刷用インク
JP4639069B2 (ja) 顔料プリント方法
JPWO2010073306A1 (ja) 印刷物及び水性コート剤
JP2021021003A (ja) インクセット、印刷方法、及び印刷装置
JP4446420B2 (ja) 画像形成に用いられる処理液
JP2017071070A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法
JP7259965B2 (ja) プリント基板と基板印刷方法
JPH1178225A (ja) 顔料インク用記録媒体
JP6841160B2 (ja) 画像形成方法、画像形成装置、画像形成システム、及び画像形成物の製造方法
US20060251831A1 (en) Ink-jet recording medium
JP2021088096A (ja) 画像形成方法および画像形成装置
JP2001246841A (ja) 被記録媒体、その製造方法及び画像形成方法
JP2018505257A5 (ja)
JP2001001635A (ja) インクジェット記録用媒体とその製造方法