JP2018051625A - 液冷ジャケットの製造方法 - Google Patents

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堀 久司
Hisashi Hori
久司 堀
伸城 瀬尾
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Abstract

【課題】接合部の金属不足を防ぐことができる液冷ジャケットの製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】底部と周壁部11とを有するジャケット本体2を形成するとともに、ジャケット本体2の開口部を封止する封止体3を形成する準備工程と、段差側面13bと封止体3の外周側面とを突き合わせて突合せ部J1を形成する封止体配置工程と、突合せ部J1に沿って補助部材4を配置する補助部材配置工程と、突合せ部J1に沿って回転ツールFを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含み、回転ツールFは、封止体3の厚さよりも長い攪拌ピンF2を備え、本接合工程では、周壁部11、封止体3及び補助部材4に攪拌ピンF2のみを接触させた状態で突合せ部J1に摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする。【選択図】図6

Description

本発明は、液冷ジャケットの製造方法に関する。
金属部材同士を接合する方法として、摩擦攪拌接合(FSW=Friction Stir Welding)が知られている。摩擦攪拌接合とは、回転ツールを回転させつつ金属部材同士の突合せ部に沿って移動させ、回転ツールと金属部材との摩擦熱により突合せ部の金属を塑性流動させることで、金属部材同士を固相接合させるものである。
近年、パーソナルコンピュータに代表される電子機器は、その性能が向上するにつれて、搭載されるCPU(発熱体)の発熱量が増大しており、CPUの冷却が重要になっている。従来、CPUを冷却するために、空冷ファン方式のヒートシンクが使用されてきたが、ファン騒音や、空冷方式での冷却限界といった問題がクローズアップされるようになり、次世代冷却方式として、液冷ジャケットが注目されている。
特開2015−131321号公報
従来の摩擦攪拌接合方法は、回転ツールの攪拌ピンのみをジャケット本体及び封止体に接触させ、攪拌ピンの基端側を露出させた状態で行うものであるため、塑性流動材が外部にあふれて接合部が金属不足になるという問題がある。
そこで、本発明は、接合部の金属不足を防ぐことができる液冷ジャケットの製造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために本発明は、ジャケット本体と封止体とを摩擦攪拌接合して液冷ジャケットを形成する液冷ジャケットの製造方法であって、底部と前記底部の周縁から立ち上がる周壁部と、前記周壁部の端面から一段下がった位置に形成された段差底面と、前記段差底面から立ち上がる段差側面と、を有するジャケット本体を形成するとともに、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体を形成する準備工程と、前記ジャケット本体に前記封止体を配置し、前記段差側面と前記封止体の外周側面とを突き合わせて突合せ部を形成する封止体配置工程と、前記突合せ部に沿って補助部材を配置する補助部材配置工程と、前記突合せ部に沿って本接合用回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含み、前記本接合用回転ツールは、前記封止体の厚さよりも長い攪拌ピンを備え、前記本接合工程では、前記周壁部、前記封止体及び前記補助部材に前記攪拌ピンのみを接触させた状態で前記突合せ部に摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、本接合工程において、周壁部及び封止体に加え、補助部材も同時に摩擦攪拌接合を行うため、接合部の金属不足を防ぐことができる。また、本接合工程では、攪拌ピンのみを被接合金属部材に接触させるため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。
また、前記本接合工程では、前記補助部材にバリが発生するように接合条件を設定し、前記バリが形成された前記補助部材を除去する除去工程を含むことが好ましい。
かかる製造方法によれば、バリを補助部材に集約しつつ、バリを補助部材ごと容易に除去することができる。
また、前記本接合工程では、前記本接合用回転ツールの回転中心軸を前記ジャケット本体の内側に傾斜させた状態で摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
前記本接合工程では、前記本接合用回転ツールの回転中心軸を前記ジャケット本体の外側に傾斜させた状態で摩擦攪拌接合を行うことが好ましい。
かかる製造方法によれば、本接合用回転ツールを容易に挿入することができる。
また、前記突合せ部に沿って仮接合用回転ツールを挿入して仮接合する仮接合工程をさらに含み、前記仮接合工程では、前記周壁部、前記封止体及び前記補助部材に前記仮接合用回転ツールの攪拌ピンのみを接触させた状態で、前記突合せ部にスポット仮接合を行うことが好ましい。
かかる製造方法によれば、補助部材を仮接合できるため、本接合工程で摩擦攪拌接合をする際に、補助部材の位置ずれを防ぐことができる。また、スポット仮接合を行うため、連続的に行う場合に比べて接合サイクルを短くすることができる。また、スポット仮接合を行うことで入熱量を抑えることができるため、封止体の熱歪を防ぐことができる。
また、前記仮接合工程では、前記仮接合用回転ツールの回転中心軸を前記ジャケット本体の内側に傾斜させた状態でスポット仮接合を行うことが好ましい。
また、前記仮接合工程では、前記仮接合用回転ツールの回転中心軸を前記ジャケット本体の外側に傾斜させた状態でスポット仮接合を行うことが好ましい。
かかる製造方法によれば、補助部材を容易に仮接合することができる。
また、前記仮接合用回転ツールは、前記本接合用回転ツールと同一であることが好ましい。
かかる製造方法によれば、回転ツールの交換をする必要がないため、接合サイクルを短くすることができる。
本発明に係る液冷ジャケットの製造方法によれば、接合部の金属不足を防ぐことができる。
本発明の第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の準備工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の封止体配置工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の補助部材配置工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の仮接合工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の除去工程を示す斜視図である。 第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の除去工程後を示す断面図である。 第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の補助部材配置工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す斜視図である。 第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法の本接合工程を示す断面図である。
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明における「表面」とは「裏面」の反対側の面という意味である。図1に示すように、本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、ジャケット本体2と封止体3とを摩擦攪拌により接合して液冷ジャケット1を形成する。液冷ジャケット1は、内部に流体を流通させ、液冷ジャケット1に設置された発熱体(図示省略)と熱交換を行う器具である。本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、準備工程と、封止体配置工程と、補助部材配置工程と、仮接合工程と、本接合工程と、除去工程とを行う。
準備工程は、ジャケット本体2及び封止体3を用意する工程である。ジャケット本体2は、図1に示すように、底部10と、周壁部11とを含んで構成されている。ジャケット本体2は、上方が開口した箱状体である。ジャケット本体2は、本実施形態ではアルミニウム合金で形成されている。ジャケット本体2の材料は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金等の摩擦攪拌可能な金属から適宜選択される。底部10は、平面視矩形の板状を呈する。周壁部11は、底部10の周縁に立設されており、平面視矩形枠状を呈する。底部10及び周壁部11の内部には凹部12が形成されている。
周壁部11の内周縁には、段差部13が形成されている。段差部13は、段差底面13aと、段差底面13aから立ち上がる段差側面13bとで構成されている。段差底面13aは、周壁部11の端面11aから一段下がった位置に形成されている。ジャケット本体2は、例えば、ダイキャストによって形成する。
封止体3は、図1に示すように、ジャケット本体2の開口部を封止する矩形の板状部材である。封止体3は、段差部13に隙間なく配置される大きさになっている。封止体3は、ジャケット本体2と同じ金属部材で形成されている。封止体3の板厚寸法は、段差側面13bの高さ寸法と同等になっている。
封止体配置工程は、図2に示すように、ジャケット本体2に封止体3を配置して突合せ部J1を形成する工程である。封止体配置工程では、周壁部11の段差底面13aに封止体3を配置する。これにより、封止体3の外周側面3dと段差側面13bとが突き合わされて突合せ部J1が形成される。突合せ部J1は、封止体3の周方向に亘って形成される。
補助部材配置工程は、図3に示すように、突合せ部J1に沿って補助部材4を配置する工程である。補助部材4は、平面視矩形枠状を呈する板状部材である。補助部材4の材料は、摩擦攪拌可能な金属であればよいが、本実施形態ではジャケット本体2及び封止体3と同じ材料で形成されている。補助部材4の板幅は、周壁部11の端面11aの幅と略同等になっている。これにより、補助部材4を端面11aに載置すると、補助部材4の内周側面4d(図6も参照)が突合せ部J1に重なるようになっている。補助部材4の板厚は、後記する本接合工程の際に、塑性化領域W2が金属不足にならない程度に適宜設定すればよい。
また、本実施形態では、補助部材4の内周側面4dの位置と突合せ部J1の位置とが重なるように設定したが、当該内周側面4dが突合せ部J1よりも内側に位置してもよいし、外側に位置してもよい。補助部材4の内周側面4dの位置は、後記する本接合工程の際に、塑性化領域W2が金属不足にならず、かつ、後記する除去工程を行った際に補助部材4が周壁部11に残存しない程度に設定することが好ましい。
補助部材4には、幅方向に連続するスリット5が形成されている。また、補助部材配置工程では、ジャケット本体2、封止体3及び補助部材4をクランプ等の固定治具によってテーブルに移動不能に拘束する。
仮接合工程は、図4に示すように、回転ツールF(仮接合用回転ツール兼本接合用回転ツール)を用いて封止体3と補助部材4とを仮接合する工程である。回転ツールFは、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。回転ツールFは、例えば工具鋼で形成されている。連結部F1は、摩擦攪拌装置の回転軸に連結される部位である。連結部F1は円柱状を呈する。
攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の長さは、封止体3の板厚よりも大きくなっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝が刻設されている。本実施形態では、回転ツールFを右回転させるため、螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、被接合金属部材(ジャケット本体2、封止体3及び補助部材4)の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。回転ツールFは、先端にスピンドルユニット等の駆動手段を備えたロボットアームに取り付けることが好ましい。このようにすると、回転ツールFの回転中心軸を容易に傾けることができる。
仮接合工程では、突合せ部J1に沿って所定の間隔をあけて回転ツールFを浅く押し込み、ジャケット本体2、封止体3及び補助部材4をスポット仮接合する。仮接合工程では、回転ツールFの回転中心軸が鉛直方向と平行になるように回転ツールFを挿入してもいが、本実施形態では、封止体3の表面3bと補助部材4の内周側面4dとで構成された内隅に対して、回転ツールFの回転中心軸をジャケット本体2の内側に傾斜させた状態でスポット仮接合を行う。仮接合工程によって、内隅(突合せ部J1)に塑性化領域W1が形成される。
本接合工程は、図5及び図6に示すように、回転ツールF(仮接合用回転ツール兼本接合用回転ツール)を用いて突合せ部J1を摩擦攪拌接合する工程である。本接合工程では、突合せ部J1上に設定した開始位置Spに右回転させた回転ツールFを挿入し、突合せ部J1をなぞるように封止体3に対して左回りに回転ツールFを相対移動させる。本接合工程では、周壁部11、封止体3及び補助部材4と回転ツールFの攪拌ピンF2とを接触させた状態で摩擦攪拌接合を行う。これにより、周壁部11(ジャケット本体2)、封止体3及び補助部材4が接合される。回転ツールFの移動軌跡には塑性化領域W2が形成される。また、塑性化領域W2の一部は、スリット5と接触する。
本接合工程では、連結部F1と被接合金属部材とは接触しない、つまり、攪拌ピンF2の基端側を露出させた状態で摩擦攪拌接合を行う。また、本接合工程では、回転ツールFの回転中心軸が鉛直方向と平行になるように回転ツールFを挿入してもいが、本実施形態では、仮接合工程と同じように回転ツールFの回転中心軸をジャケット本体2の内側に傾斜させた状態で摩擦攪拌接合を行う。
回転ツールFの挿入深さは、適宜設定すればよいが、図6に示すように、本実施形態では、攪拌ピンF2の先端が、段差底面13aよりも下方に位置するように設定している。封止体3の回りに回転ツールFを一周させて、塑性化領域W2の始端と終端とをオーバーラップさせたら回転ツールFを被接合金属部材から離脱させる。
図6では、紙面の奥側から手前側に回転ツールFが移動する場面を描画している。図6に示すように、本実施形態では、回転ツールFのシアー側(advancing side:回転ツールの外周における接線速度に回転ツールの移動速度が加算される側)が封止体3の内側となるように回転ツールFの移動方向と回転方向を設定している。回転ツールFの回転方向及び進行方向は前記したものに限定されるものではなく適宜設定すればよい。
例えば、回転ツールFの回転速度が遅い場合では、塑性化領域W2のフロー側(retreating side:回転ツールの外周における接線速度から回転ツールの移動速度が減算される側)に比べてシアー側の方が塑性流動材の温度が上昇しやすくなるため、塑性化領域W2外のシアー側にバリVが多く発生する傾向にある。一方、例えば、回転ツールFの回転速度が速い場合、シアー側の方が塑性流動材の温度が上昇するものの、回転速度が速い分、塑性化領域W2外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。
本実施形態では、回転ツールFの回転速度を速く設定しているため、図6に示すように、塑性化領域W2外のフロー側にバリVが多く発生する傾向にある。一方、本実施形態では、補助部材4も同時に摩擦攪拌接合されるため、塑性化領域W2に凹溝は発生せず塑性化領域W2の金属不足を防ぐことができる。また、回転ツールFの回転速度を速く設定することにより、回転ツールFの移動速度(送り速度)を高めることができる。これにより、接合サイクルを短くすることができる。
接合工程の際に、回転ツールFの進行方向のどちら側にバリVが発生するかは接合条件によって異なる。当該接合条件とは、回転ツールFの回転速度、回転方向、移動速度(送り速度)、攪拌ピンF2の傾斜角度(テーパー角度)、ジャケット本体2及び封止体3の材質、封止体3の厚さ等の各要素とこれらの要素の組み合わせで決定される。接合条件に応じて、バリVが発生する側又はバリVが多く発生する側が補助部材4側となるように設定すれば、後記する除去工程を容易に行うことができるため好ましい。
除去工程は、図7に示すように、ジャケット本体2から補助部材4を切除する工程である。除去工程では、スリット5(図5参照)を起点として、補助部材4の端部をめくり上げつつ、折り曲げるようにして除去する。除去工程では、装置を用いて補助部材4を折り曲げてもよいが、本実施形態では、手作業で折り曲げて切除している。これにより図8に示すように、液冷ジャケット1が完成する。
以上説明したジャケット本体の製造方法によれば、仮接合工程を行うことにより、本接合工程の際の突合せ部J1の目開きを防ぐことができる。また、スポット仮接合をすることにより、短時間で仮接合を行うことができる。また、スポット仮接合を行うことで入熱量を抑えることができるため、封止体3の熱歪を防ぐことができる。また、本接合工程では、攪拌ピンF2のみを被接合金属部材に接触させるため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。
また、本実施形態では、周壁部11及び封止体3に加え、補助部材4も同時に摩擦攪拌接合するため、図8に示すように、接合部(塑性化領域W2)の金属不足を防ぐことができる。また、仮接合工程によって、補助部材4もスポット仮接合するため、本接合工程の際に、補助部材4の位置ずれを防ぐことができる。
また、本実施形態では、本接合工程においてバリVを補助部材4に集約するため、除去工程においてバリVを補助部材4ごと除去することができる。これにより、バリVを容易に除去することができる。
また、本実施形態の仮接合工程及び本接合工程では、前記内隅に対して回転ツールFの回転中心軸をジャケット本体2の内側に傾斜させることにより、前記内隅に回転ツールFを容易に挿入することができる。また、仮接合工程と本接合工程では、回転ツールFの種類を変えてもよいが、本実施形態では兼用している。これにより、仮接合工程と本接合工程とで回転ツールFを交換する必要がないため、作業手間を軽減することができるとともに、接合サイクルを短くすることができる。
また、従来のように回転ツールのショルダ部を被接合金属部材に押し込んで摩擦攪拌接合を行うと、凹部12に塑性流動材が流入しないように、段差底面13aの幅を大きくしなければならない。しかし、本実施形態のように攪拌ピンF2のみを被接合金属部材に接触するようにすれば、塑性化領域W2の幅を小さくすることができるため、段差底面13aの幅を小さくすることができる。これにより、ジャケット本体2の設計の自由度を高めることができる。また、本実施形態のように回転ツールFをジャケット本体2の内側に傾斜させて挿入すれば、より段差底面13aの幅を小さくすることができる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。
また、前記したように補助部材配置工程において、補助部材4の内周側面4dが突合せ部J1よりも内側となるように補助部材4を配置してもよい。この場合、内周側面4dから突合せ部J1までの距離は、塑性化領域W2が金属不足にならず、かつ、除去工程を行った後に周壁部11に補助部材4が残存しない程度に適宜設定すればよい。補助部材4をこのように配置することにより、塑性化領域W2の金属不足をバランス良く防ぐことができるとともに、残存する補助部材4を容易に除去することができる。また、仮接合工程は、省略してもよい。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法について説明する。本実施形態に係る液冷ジャケットの製造方法では、準備工程と、封止体配置工程と、補助部材配置工程と、本接合工程と、除去工程とを行う。第二実施形態では、突合せ部J1の内側に補助部材4を配置する点で第一実施形態と相違する。
準備工程と、封止体配置工程は、第一実施形態と同じであるため、説明を省略する。図9に示すように、補助部材配置工程では、突合せ部J1の内側に補助部材4を配置する。補助部材4は、枠状及び板状を呈する金属部材である。補助部材4の厚さは、接合部の金属不足を防ぐように設定されている。補助部材4の一部には、幅方向に連続するスリット5が形成されている。補助部材配置工程では、補助部材4の外周側面4eと、突合せ部J1とが重なるように配置する(図11も参照)。
本接合工程では、図10に示すように、回転ツールFを用いて突合せ部J1を摩擦攪拌接合する。本接合工程では、高速で左回転させた回転ツールFを突合せ部J1に設定した開始位置Spに挿入し、突合せ部J1に沿って相対移動させる。本実施形態では、回転ツールFの進行方向左側に補助部材4が位置するように設定する。図11に示すように、本接合工程では、回転ツールFをジャケット本体2の外側に傾斜させ、補助部材4の外周側面4eと周壁部11の端面11aとの内隅に攪拌ピンF2を斜めに挿入させた状態で摩擦攪拌接合を行う。本接合工程では、回転ツールFを高速で左回転させるとともに、進行方向左側に補助部材4を配置するため、フロー側である補助部材4側にバリVが発生する。本接合工程では、回転ツールFを突合せ部J1に沿って一周させるとともに、塑性化領域W3の先端と基端とをオーバーラップさせる。
除去工程では、補助部材4を封止体3から除去する工程である。除去工程では、スリット5を捲り上げるとともに、補助部材4の端部を折り曲げて、封止体3から補助部材4を除去する。
本実施形態では、周壁部11及び封止体3に加え、補助部材4も同時に摩擦攪拌接合するため、接合部(塑性化領域W3)の金属不足を防ぐことができる。本接合工程では、攪拌ピンF2のみを被接合金属部材に接触させるため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を軽減することができる。バリVを補助部材4に集約しつつ、バリVを補助部材4ごと容易に除去することができる。
以上本発明の液冷ジャケットの製造方法について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、本実施形態の本接合工程では、回転ツールFを傾斜させて摩擦攪拌接合を行ったが、回転中心軸と鉛直軸とを平行にした状態で摩擦攪拌接合を行ってもよい。
また、補助部材4を突合せ部J1を跨ぐように配置し、補助部材4の表面から回転ツールFを挿入して摩擦攪拌接合を行ってもよい。また、第二実施形態では、回転ツールFを右側に傾斜させてスポット仮接合を行ってもよい。また、回転ツールFは、仮接合工程と、本接合工程とで異なる回転ツールを用いてもよい。
1 液冷ジャケット
2 ジャケット本体
3 封止体
10 底部
11 周壁部
11a 端面
13 凹部
F 回転ツール
F2 攪拌ピン
J1 突合せ部
W1 塑性化領域
W2 塑性化領域

Claims (8)

  1. ジャケット本体と封止体とを摩擦攪拌接合して液冷ジャケットを形成する液冷ジャケットの製造方法であって、
    底部と前記底部の周縁から立ち上がる周壁部と、前記周壁部の端面から一段下がった位置に形成された段差底面と、前記段差底面から立ち上がる段差側面と、を有するジャケット本体を形成するとともに、前記ジャケット本体の開口部を封止する封止体を形成する準備工程と、
    前記ジャケット本体に前記封止体を配置し、前記段差側面と前記封止体の外周側面とを突き合わせて突合せ部を形成する封止体配置工程と、
    前記突合せ部に沿って補助部材を配置する補助部材配置工程と、
    前記突合せ部に沿って本接合用回転ツールを一周させて摩擦攪拌接合を行う本接合工程と、を含み、
    前記本接合用回転ツールは、前記封止体の厚さよりも長い攪拌ピンを備え、
    前記本接合工程では、前記周壁部、前記封止体及び前記補助部材に前記攪拌ピンのみを接触させた状態で前記突合せ部に摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする液冷ジャケットの製造方法。
  2. 前記本接合工程では、前記補助部材にバリが発生するように接合条件を設定し、
    前記バリが形成された前記補助部材を除去する除去工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  3. 前記本接合工程では、前記本接合用回転ツールの回転中心軸を前記ジャケット本体の内側に傾斜させた状態で摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  4. 前記本接合工程では、前記本接合用回転ツールの回転中心軸を前記ジャケット本体の外側に傾斜させた状態で摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  5. 前記突合せ部に沿って仮接合用回転ツールを挿入して仮接合する仮接合工程をさらに含み、
    前記仮接合工程では、前記周壁部、前記封止体及び前記補助部材に前記仮接合用回転ツールの攪拌ピンのみを接触させた状態で、前記突合せ部にスポット仮接合を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  6. 前記仮接合工程では、前記仮接合用回転ツールの回転中心軸を前記ジャケット本体の内側に傾斜させた状態でスポット仮接合を行うことを特徴とする請求項5に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  7. 前記仮接合工程では、前記仮接合用回転ツールの回転中心軸を前記ジャケット本体の外側に傾斜させた状態でスポット仮接合を行うことを特徴とする請求項5に記載の液冷ジャケットの製造方法。
  8. 前記仮接合用回転ツールは、前記本接合用回転ツールと同一であることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載の液冷ジャケットの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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