JP2018046156A - インプリント装置、インプリント方法および物品製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】スループットの向上に有利なインプリント技術を提供する。【解決手段】インプリント装置は、基板の上のインプリント材に型を接触させた後に該インプリント材を硬化させることによって前記基板の上にパターンを形成する。前記インプリント装置は、前記基板と前記型との相対位置を変更するための駆動機構と、前記基板の形状を調整する基板変形部と、前記基板と前記型とのアライメントのための計測を行う計測器と、前記駆動機構および前記基板変形部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記計測器による計測結果に基づいて前記基板変形部を制御することによって前記基板の形状を調整する調整処理を実行し、前記調整処理は、前記基板を熱によって変形させる変形工程と、前記変形工程によって変形された後の前記基板の形状を維持する維持工程とを含み、前記制御部は、前記調整処理における前記変形工程と並行して、前記基板と前記型とのアライメントがなされるように前記駆動機構を制御する。【選択図】図2
Description
本発明は、 インプリント装置、インプリント方法および物品製造方法に関する。
新たなリソグラフィー技術として、基板の上のインプリント材に型を接触させた後に該インプリント材を硬化させることによって該基板の上にパターンを形成するインプリント技術が注目されている。現在、基板に既に形成されているパターンとその上に新たに形成されるパターンとの重ね合わせ誤差を数nm以下にすることが要求されている。インプリント技術において、重ね合わせ誤差を低減するために、型の形状を補正したり、基板の形状を補正したりする方法が提案されている。特許文献1には、基板側パターンに温度分布を形成することによってその形状を補正し、基板側パターンのインプリント材と型のパターン部とを接触させ、パターン部の形状を補正した後に基板側パターンとパターン部とのアライメントを行うことが記載されている。
特許文献1に記載された方法では、基板側パターンおよび型のパターン部の形状補正の後に基板側パターンと型のパターン部とのアライメントがなされるので、1回のパターンの形成時間が、これらの処理時間の合計によって決定されてしまう。したがって、該方法は、スループットの低下をもたらしうる。
本発明は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、スループットの向上に有利なインプリント技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、基板の上のインプリント材に型を接触させた後に該インプリント材を硬化させることによって前記基板の上にパターンを形成するインプリント装置に係り、前記インプリント装置は、前記基板と前記型との相対位置を変更するための駆動機構と、前記基板の形状を調整する基板変形部と、前記基板と前記型とのアライメントのための計測を行う計測器と、前記駆動機構および前記基板変形部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記計測器による計測結果に基づいて前記基板変形部を制御することによって前記基板の形状を調整する調整処理を実行し、前記調整処理は、前記基板を熱によって変形させる変形工程と、前記変形工程によって変形された後の前記基板の形状を維持する維持工程とを含み、前記制御部は、前記調整処理における前記変形工程と並行して、前記基板と前記型とのアライメントがなされるように前記駆動機構を制御する。
本発明によれば、スループットの向上に有利なインプリント技術が提供される。
以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。
図1には、本発明の一実施形態のインプリント装置1の構成が示されている。インプリント装置1は、基板11の上に供給あるいは配置されたインプリント材14に型8を接触させた後にインプリント材14を硬化させることによって基板11の上にパターンを形成する。
インプリント材としては、硬化用のエネルギーが与えられることにより硬化する硬化性組成物(未硬化状態の樹脂と呼ぶこともある)が用いられる。硬化用のエネルギーとしては、電磁波、熱等が用いられうる。電磁波は、例えば、その波長が10nm以上1mm以下の範囲から選択される光、例えば、赤外線、可視光線、紫外線などでありうる。硬化性組成物は、光の照射により、あるいは、加熱により硬化する組成物でありうる。これらのうち、光の照射により硬化する光硬化性組成物は、少なくとも重合性化合物と光重合開始剤とを含有し、必要に応じて非重合性化合物または溶剤を更に含有してもよい。非重合性化合物は、増感剤、水素供与体、内添型離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、ポリマー成分などの群から選択される少なくとも一種である。
インプリント材は、吐出部により、液滴状、或いは複数の液滴が繋がってできた島状又は膜状となって基板上に配置されうる。インプリント材の粘度(25℃における粘度)は、例えば、1mPa・s以上100mPa・s以下でありうる。基板の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス、金属、半導体、樹脂等が用いられうる。必要に応じて、基板の表面に、基板とは別の材料からなる部材が設けられてもよい。基板は、例えば、シリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、石英ガラスである。
本明細書および添付図面では、基板11の表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系において方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸、Z軸にそれぞれ平行な方向をX方向、Y方向、Z方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転、Z軸周りの回転をそれぞれθX、θY、θZとする。X軸、Y軸、Z軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な方向、Y軸に平行な方向、Z軸に平行な方向に関する制御または駆動を意味する。また、θX軸、θY軸、θZ軸に関する制御または駆動は、それぞれX軸に平行な軸の周りの回転、Y軸に平行な軸の周りの回転、Z軸に平行な軸の周りの回転に関する制御または駆動を意味する。また、位置は、X軸、Y軸、Z軸の座標に基づいて特定されうる情報であり、姿勢は、θX軸、θY軸、θZ軸の値で特定されうる情報である。位置決めは、位置および/または姿勢を制御することを意味する。アライメント(位置合わせ)は、基板および型の少なくとも一方の位置および/または姿勢の制御を含みうる。また、アライメントに付随して、基板および型の少なくとも一方が変形されうる。
インプリント装置1は、硬化部2、基板保持部19、基板駆動機構20、供給部5、基板変形部6と、型保持部15、型駆動機構16、型変形部18、計測器22、制御部7を備えている。硬化部2は、基板11の上に配置され型8によって成形されたインプリント材14に硬化用のエネルギーとしての光9を供給し、インプリント材14を硬化させる。硬化部2は、インプリント材14として熱硬化性樹脂材料が使用される場合には、インプリント材14に硬化用のエネルギーとしての熱を供給する熱源を含みうる。
型8は、例えば、矩形形状の外形を有しうる。型8は、基板11に対向する面にパターン部(例えば、回路パターンなどの転写すべき凹凸パターン)8aを含む。型8は、光9を透過する材料、例えば石英で構成されうる。型8は、光9が入射する面に、型8の変形を容易にするためのキャビティ(凹部)8bを有しうる。キャビティ8bは、例えば、円形の平面形状を有しうる。キャビティ8bの深さは、型8の大きさや材料に応じて決定されうる。型保持部15は、光9を通過させる開口部17を有し、開口部17には、光透過部材13が配置されうる。
型保持部15および光透過部材13は、型8のキャビティ8b側に密閉空間12を形成するように配置されうる。不図示の圧力調整装置によって密閉空間12の圧力が制御されうる。例えば、基板11の上のインプリント材14に型8を接触させる際は、圧力調整装置によって密閉空間12の圧力をその外部より高く設定することで、パターン部8aを基板11に向かって凸形に撓ませることができる。これにより、インプリント材14に対するパターン部8aの接触は、パターン部8aの中心部から開始する。これは、パターン部8aとインプリント材14との間に気体(空気)が閉じ込められることを抑え、パターン部8aの凹部にインプリント材14を充填させるために有用である。
型保持部15は、真空吸着力や静電力により型8を引き付けて保持する。型駆動機構16は、型保持部15を駆動することによって型8を駆動する。型駆動機構16は、型8を複数の軸(例えば、X軸、Y軸、Z軸、θX軸、θY軸、θZ軸の6軸)について駆動するように構成されうる。型変形部18は、型8の側面に力を加えることによって型8を変形させる。これにより、型8のパターン部8aの形状を補正し、基板11の上に予め形成されている基板側パターンの形状に対してパターン部8aの形状を合わせることができる。
基板保持部19は、基板11を保持する。基板保持部19は、基板11の裏面を吸着する複数の吸着部を含みうる。該複数の吸着部は、該複数の吸着部と基板11との間の圧力を個別に制御可能に構成されうる。基板保持部19の上には、型8の位置決めのための基準マーク21が設けられうる。
基板駆動機構20は、基板保持部19を駆動することによって基板11を駆動する。基板駆動機構20は、基板11を複数の軸(例えば、X軸、Y軸、θZ軸の3軸)について駆動するように構成されうる。基板駆動機構20は、例えば、リニアモータ、ヴォイスコイルモータ、電磁アクチュエータ等を含みうる。基板駆動機構20は、例えば、粗動系によって微動系を駆動し、微動系によって基板保持部19を駆動するように構成されうる。
型駆動機構16および基板駆動機構20は、基板11と型8との相対位置が変更されるように基板11および型8の少なくとも一方を駆動する駆動機構DRVを構成する。駆動機構DRVによる基板11および型8の相対的な駆動は、基板11と型8とのアライメントの駆動、基板11の上のインプリント材14と型8との接触および分離のための駆動を含みうる。
基板変形部6は、基板保持部19によって保持された基板11を変形させるように構成されうる。基板変形部6は、例えば、インプリント装置1に搬入され基板保持部19によって保持された基板11に予め形成されているパターン(基板側パターン)の形状を補正するために、基板11を加熱する。基板変形部6は、例えば、型8を介して基板11に光を照射することによって基板11を加熱するための加熱光源を含みうる。加熱光源から放射される光は、赤外線などのように、基板11によって吸収されるが、インプリント材14が硬化させない波長を有する。基板変形部6は、加熱光源の他、加熱光源から放射される光に強度分布を持たせるための光学素子を有してもよい。基板変形部6は、基板保持部19等に配置された加熱素子を含んでもよい。
供給部5は、基板11の上にインプリント材14を供給あるいは配置する。計測器22は、基板11と型8とのアライメント(位置合わせ)のための計測(アライメント計測)を行うように構成されうる。計測器22は、基板11のアライメントマークおよび型8のアライメントマークを検出し、それらの位置を計測しうる。計測器22は、基板11のアライメントマークおよび型8のアライメントマークを検出し、それらの相互の位置関係を計測しうる。基板11の複数のライメントマークの位置を検出することによって基板11の形状を計測することができる。あるいは、基板11のショット領域の複数のライメントマークの位置を検出することによって該ショット領域の形状を計測することができる。型8の複数のライメントマークの位置を検出することによって型8(パターン部8a)の形状を計測することができる。
制御部7は、硬化部2、基板駆動機構20、供給部5、基板変形部6と、型駆動機構16、型変形部18等を制御する。制御部7は、例えば、基板変形部6を制御することによって基板11の形状を調整する調整処理を実行するように構成されうる。制御部7は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Arrayの略。)などのPLD(Programmable Logic Deviceの略。)、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuitの略。)、又は、プログラムが組み込まれた汎用コンピュータ、又は、これらの全部または一部の組み合わせによって構成されうる。制御部7は、硬化部2、駆動機構DRV(基板駆動機構20、型駆動機構16)供給部5、基板変形部6と、型保持部15、型変形部18、計測器22が収容された筺体に配置されてもよいし、当該筺体とは別の筺体に配置されてもよい。
その他、インプリント装置1は、基板駆動機構20を支持するベース定盤24と、型保持部15、型駆動機構16を支持するブリッジ定盤25と、ベース定盤24から延設され、ブリッジ定盤25を支持するための支柱26とを備える。さらに、インプリント装置1は、不図示であるが、型8を型保持部15に搬送する型搬送機構と、基板11を基板保持部19に搬送する基板搬送機構とを備えうる。
図2には、基板11の1つのショット領域に対してパターンを形成するパターン形成処理(インプリント処理)の流れが示されている。パターン形成処理は、制御部7によって制御される。図2に示されたパターン形成処理が1枚の基板11の複数のショット領域に対して実行されることによって1枚の基板11に対する処理が終了する。
まず、工程S100では、制御部7は、基板11の処理対象のショット領域の上にインプリント材14が配置されるように供給部5および基板駆動機構20を制御する。具体的には、例えば、処理対象のショット領域の上にインプリント材14が配置されるように、基板11が走査されながら供給部5からインプリント材14が吐出されうる。工程S101では、制御部7は、基板11のショット領域の上のインプリント材14に型8が接触するように駆動機構DRVを制御する。ここで、基板11のショット領域の上のインプリント材14に型8を接触させる処理は、例えば、工程S104の後(変形工程の開始後)等のタイミングで実施されてもよい。
工程S102では、制御部7は、計測器22にアライメント計測を実行させる。工程S103では、制御部7は、工程S102におけるアライメント計測による計測結果に基づいて、基板変形部6による基板11の変形を制御するための第1制御情報を決定する。第1制御情報は、例えば、アライメント計測の結果に従って決定される基板11の変形量(変形させるべき量)と予め定められた関数とに基づいて決定されうる。該関数は、例えば、単位時間当たりの加熱量と、基板11の変形量とが与えられたときに、それらに従う加熱時間を決定する関数でありうる。また、工程S103では、工程S102におけるアライメント計測による計測結果に基づいて、型変形部18による型8の変形を制御するための第2制御情報を決定する。なお、ここでは、制御情報として第1制御情報および第2制御情報を生成する例を説明するが、第2制御情報を生成し、第2制御情報に基づいて型8を変形させることは、本発明において必須ではない。
工程S104では、制御部7は、基板変形部6を制御することによって基板11の形状を調整する調整処理の実行を開始する。ここで、調整処理は、基板11を熱によって変形させる変形工程と、該変形工程によって変形された後の基板11の形状を維持する維持工程とを含む。工程S104は、制御部7が調整処理の一部である変形工程を開始する工程として理解することができる。変形工程において、基板変形部6によって基板11に熱が加えられ、この熱によって基板11の形状が変化する。つまり、変形工程において、基板変形部6によって基板11に熱が加えられ、この熱によって基板11が変形する。変形工程では、制御部7は、第1制御情報に従って基板変形部6による基板11の変形を制御する。
工程S105では、制御部7は、駆動機構DRVによる基板11(のショット領域)と型8とのアライメント(基板11と型8との相対位置を調整する調整工程)を開始する。このアライメントは、例えば、X軸、Y軸、θZ軸について、基板11(のショット領域)と型8とのアライメントを行う動作を含みうる。駆動機構DRVによる基板11(のショット領域)と型8とのアライメントは、工程S102または後述の工程S113におけるアライメント計測の結果に基づいてなされうる。工程S104で開始された変形工程の実行中にアライメントを行うことによって、変形工程の開始からインプリント材の硬化の開始までの時間を短縮し、スループットを向上させることができる。アライメントの開始後は、制御部7は、任意のタイミングで計測器22にアライメント計測を実行させ、そのアライメントメント計測の結果に基づいて駆動機構DRVによる基板11(のショット領域)と型8とのアライメントを制御してもよい。この際のアライメント計測は、工程S102または後述の工程S113におけるアライメント計測において計測される複数のアライメントマークの全部または一部に対してなされうる。あるいは、この際のアライメント計測は、工程S102または後述の工程S113におけるアライメント計測において計測される複数のアライメントマークとは異なるアライメントマークに対してなされてもよい。
工程S106では、制御部7は、第2制御情報に基づいて型変形部18に型8を変形させる処理を開始させる。工程S106(型8を変形の開始)は、工程S103の後であれば、任意のタイミングで行うことができ、例えば、工程S104より先に行われてもよい。
工程S107では、制御部7は、基板11の形状を調整する調整処理における変形工程が終了したかどうかを判断する。そして、変形工程が終了したと判断した場合は、工程S108において、制御部7は、変形工程から維持工程に移行させる。維持工程では、基板変形部6は、変形工程によって変形された後の基板11の形状が維持されるように、基板11に対して熱を加える。ここで、制御部7は、例えば基板11と型8とのアライメントが完了していない場合において、維持工程と並行して基板11と型8とのアライメントがなされるように駆動機構DRVを制御してもよい。
次いで、工程S109において、制御部7は、計測器22にアライメント計測を実行させる。次いで、工程S110において、制御部7は、工程S108におけるアライメント計測の結果(計測器22による計測結果)に基づいて、アライメント誤差が所定条件を満たすかどうかを判断し、アライメント誤差が所定条件を満たす場合には、工程S111に進む。工程S111では、制御部7は、硬化部2に基板11のショット領域の上のインプリント材14を硬化させ、次いで、工程S111では、制御部7は、硬化したインプリント材14から型8が分離されるように駆動機構DRVを制御する。ここで、工程S109〜S112は、維持工程が継続される。
工程S110において、アライメント誤差が所定条件を満たさないと判断された場合は、制御部7は、工程S103に戻り、工程S109におけるアライメント計測の結果に基づいて制御情報を更新し、工程S104に進む。この場合には、基板11を変形させる調整処理を再実行することになる。
工程S107において、変形工程が未だ終了していないと制御部7が判断した場合、工程S113〜S115を実行することによって、変形工程の実行中に第1制御情報および第2制御情報を更新してもよい。工程S113では、制御部7は、計測器22にアライメント計測を実行させる。工程S114では、制御部7は、工程S113で実行したアライメント計測の結果に基づいて第1制御情報および第2制御情報を更新するべきかどうかを判断する。例えば、アライメント誤差が許容範囲を超えている場合は、制御部7は、第1制御情報および第2制御情報を更新するべきであると判断することができる。ここで、制御部7は、第1制御情報および第2制御情報のうち第1制御情報のみを更新するように構成されてもよい。
工程S114において、第1、第2制御情報を更新するべきであると制御部7が判断した場合、工程S115において、制御部7は、工程S113で実行したアライメント計測の結果に基づいて第1、第2制御情報を更新し、工程S107に戻る。
図3には、工程S113〜S115における第1制御情報および第2制御情報の更新の効果が示されている。図3(a)は、基板変形部6による基板1の形状の調整処理を示し、調整処理における加工工程は、第1制御情報によって制御される。図3(a)の「加熱量」は、第1制御情報に相当する。図3(b)は、駆動機構DRVによるアライメントが示されている。図3(c)には、型変形部18による型8の変形が示されている。
図3(d)には、X軸、Y軸に関するアライメント誤差が示されている。図3(e)には、基板11のショット領域と型8のパターン部8aとの間の形状に関するアライメント誤差を示している。ここで、図3(d)、(e)における実線は、工程S113で実行されたアライメント計測によって得られたアライメント誤差(「計測値」)を示している。図3(d)における点線は、第1制御情報(加熱量)に従って基板変形部6によって基板11を変形させ、第2制御情報(型8の変形量)に従って型変形部18によって型8を変形させた場合におけるアライメント誤差の推定値を示している。実線で示される計測値と点線で示される推定値とは理想状態では一致するが、実際には基板変形部6、型変形部18等の特性や外乱の影響により計測値と推定値とは一致しにくい。
図3(d)、(e)において、最も左の白の四角は、工程S102におけるアライメント計測を示し、最も右の白の四角は、工程S109におけるアライメント計測を示し、他の白の四角は、工程S113におけるアライメント計測を示している。図3(a)における黒の四角は、第1制御情報の更新を示し、図3(c)における黒の四角は、第2制御情報の更新を示し、図3(b)における黒の四角は、駆動機構DRVを制御する制御情報の更新を示している。工程S114では、制御部7は、点線で示されるアライメント誤差の推定値(第1制御情報に基づいて変形工程を実行し、第2制御情報に基づいて型変形部18を制御した場合のアライメント誤差の推定値。)と、実線で示されるアライメント誤差の計測結果と、の差が許容範囲を超えた場合に制御情報を更新すると判断しうる。あるいは、型変形部18による型8の変形を考慮せずに第1制御情報の更新を判断してもよい。つまり、工程S114では、制御部7は、第1制御情報に基づいて変形工程を実行した場合のアライメント誤差の推定値とアライメント計測に基づいて得られるアライメント誤差との差が許容範囲を超えた場合に、第1制御情報を更新すると判断してもよい。
図4には、工程S113〜S115を実行しない場合における制御が例示されている。図4(a)〜(e)は、図3(a)〜(e)に対応する。図4の例では、アライメント誤差の推定値とアライメント誤差の計測値との差が大きい場合においても、変形工程が終了するまで制御情報が更新されない。この場合、工程S110から工程S103に戻った後に制御情報が更新されうる。
インプリント装置を用いて形成した硬化物のパターンは、各種物品の少なくとも一部に恒久的に、或いは各種物品を製造する際に一時的に、用いられる。物品とは、電気回路素子、光学素子、MEMS、記録素子、センサ、或いは、型等である。電気回路素子としては、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、MRAMのような、揮発性或いは不揮発性の半導体メモリや、LSI、CCD、イメージセンサ、FPGAのような半導体素子等が挙げられる。型としては、インプリント用のモールド等が挙げられる。
硬化物のパターンは、上記物品の少なくとも一部の構成部材として、そのまま用いられるか、或いは、レジストマスクとして一時的に用いられる。基板の加工工程においてエッチング又はイオン注入等が行われた後、レジストマスクは除去される。
次に、物品製造方法の具体例を説明する。図5(a)に示すように、絶縁体等の被加工材2zが表面に形成されたシリコンウエハ等の基板1zを用意し、続いて、インクジェット法等により、被加工材2zの表面にインプリント材3zを付与する。ここでは、複数の液滴状になったインプリント材3zが基板上に付与された様子を示している。
図5(b)に示すように、インプリント用の型4zを、その凹凸パターンが形成された側を基板上のインプリント材3zに向け、対向させる。図5(c)に示すように、インプリント材3zが付与された基板1と型4zとを接触させ、圧力を加える。インプリント材3zは型4zと被加工材2zとの隙間に充填される。この状態で硬化用のエネルギーとして光を型4zを透して照射すると、インプリント材3zは硬化する。
図5(d)に示すように、インプリント材3zを硬化させた後、型4zと基板1zを引き離すと、基板1z上にインプリント材3zの硬化物のパターンが形成される。この硬化物のパターンは、型の凹部が硬化物の凸部に、型の凹部が硬化物の凸部に対応した形状になっており、即ち、インプリント材3zに型4zの凹凸パターンが転写されたことになる。
図5(e)に示すように、硬化物のパターンを耐エッチングマスクとしてエッチングを行うと、被加工材2zの表面のうち、硬化物が無いか或いは薄く残存した部分が除去され、溝5zとなる。図5(f)に示すように、硬化物のパターンを除去すると、被加工材2zの表面に溝5zが形成された物品を得ることができる。ここでは硬化物のパターンを除去したが、加工後も除去せずに、例えば、半導体素子等に含まれる層間絶縁用の膜、つまり、物品の構成部材として利用してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1:インプリント装置、6:基板変形部、7:制御部、8:型、11:基板、14:インプリント材、18:型変形部、22:計測器、DRV:駆動機構
Claims (14)
- 基板の上のインプリント材に型を接触させた後に該インプリント材を硬化させることによって前記基板の上にパターンを形成するインプリント装置であって、
前記基板と前記型との相対位置を変更するための駆動機構と、
前記基板の形状を調整する基板変形部と、
前記基板と前記型とのアライメントのための計測を行う計測器と、
前記駆動機構および前記基板変形部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記計測器による計測結果に基づいて前記基板変形部を制御することによって前記基板の形状を調整する調整処理を実行し、前記調整処理は、前記基板を熱によって変形させる変形工程と、前記変形工程によって変形された後の前記基板の形状を維持する維持工程とを含み、
前記制御部は、前記調整処理における前記変形工程と並行して、前記基板と前記型とのアライメントがなされるように前記駆動機構を制御する、
ことを特徴とするインプリント装置。 - 前記制御部は、前記変形工程の実行中に、前記計測器による計測結果に基づいて、前記基板変形部による前記基板の形状の調整のための制御情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記制御情報に基づいて前記変形工程を実行した場合のアライメント誤差の推定値と前記計測器による計測結果に基づいて得られるアライメント誤差との差が許容範囲を超えた場合に、前記制御情報を更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記変形工程の実行中に、前記計測器に計測を実行させ、かつ前記計測器による計測結果に基づいて前記基板と前記型とのアライメントがなされるように前記駆動機構を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記維持工程の実行中に、前記計測器に計測を実行させ、かつ前記計測器による計測結果が所定条件を満たす場合に前記基板の上のインプリント材を硬化させる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記維持工程の実行中に前記計測器に計測を実行させて得られた計測結果が前記所定条件を満たさない場合に、前記調整処理を再実行する、
ことを特徴とする請求項5に記載のインプリント装置。 - 前記型を変形させる型変形部を更に備え、
前記制御部は、前記計測器による計測結果に基づいて前記型変形部に前記型を変形させる、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記調整処理と並行して前記型変形部に前記型を変形させる、
ことを特徴とする請求項7に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記基板の上のインプリント材に前記型が接触した後に前記調整処理を開始する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記変形工程において前記基板の上のインプリント材に前記型との接触が開始するように前記駆動機構を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記変形工程の他、前記維持工程と並行して、前記基板と前記型とのアライメントがなされるように前記駆動機構を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 基板の上のインプリント材に型を接触させた後に該インプリント材を硬化させることによって前記基板の上にパターンを形成するインプリント方法であって、
前記基板を熱によって変形させる変形工程と、
前記変形工程によって変形された後の前記基板の形状を維持する維持工程と、
前記基板と前記型とのアライメントがなされるように前記基板と前記型との相対位置を調整する調整工程と、を含み、
前記調整工程は、前記変形工程と並行して実行される、
ことを特徴とするインプリント方法。 - 前記調整工程は、前記変形工程の他、前記維持工程と並行して実行される、
ことを特徴とする請求項12に記載のインプリント方法。 - 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のインプリント装置により基板の上にパターンを形成する工程と、
前記工程で前記パターンが形成された前記基板を加工する工程と、
を含むことを特徴とする物品製造方法。
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JP2016179981A JP2018046156A (ja) | 2016-09-14 | 2016-09-14 | インプリント装置、インプリント方法および物品製造方法 |
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