JP2018046061A - 磁気抵抗素子、磁気検出装置、及び磁気抵抗素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁化方向が面内方向とは異なる方向に設定された固定層の着磁を安定的に行う。【解決手段】磁気抵抗素子1は、主面21を有する基板2と、主面21と平行な面内方向に電流を通流可能に主面21に沿って形成された導電性部分であって主面21と直交する面直方向における所定範囲に設けられた配線部4と、主面21と非平行な第一の磁化容易軸方向に磁化方向が固定された強磁性体層であって面直方向にて占める範囲が所定範囲と重複するように主面21に沿って設けられ且つ面内方向にて配線部4と所定間隔をおいて隣接配置された固定層33と、第二の磁化容易軸方向を有し外部磁界に応じて磁化方向が可変な強磁性体層であって面直方向に基板2及び固定層33と積層された自由層35と、を備えている。【選択図】図2
Description
本発明は、磁気抵抗素子及びこれを備えた磁気検出装置、並びに磁気抵抗素子の製造方法に関する。
磁気抵抗素子は、基板と、磁化方向が固定された固定層と、磁化方向が外部磁界に応じて変化する自由層とを備えている。なお、固定層はピン層又は磁化固定層とも称され得る。また、自由層は磁化自由層とも称され得る。磁気抵抗素子は、磁気検出(即ち外部磁界の検出)に好適に用いられる。磁気抵抗素子において、固定層の磁化方向が面直方向に設定された構成が知られている(例えば特許文献1等参照)。ここで、「面直方向」とは、基板の面内方向に対して垂直な方向である。
磁気抵抗素子において、所定の性能を安定的に発揮させるためには、固定層の着磁を安定的に行うことが肝要である。例えば、固定層の磁化方向が異なる複数の磁気抵抗素子を互いに電気的に接続したブリッジ回路を用いて、外部磁界を検出する場合があり得る。この場合、上記のような複数の磁気抵抗素子を一つの基板上に設けることが好ましい。しかしながら、固定層の磁化方向が面内方向ではない場合(即ち例えば面直方向に沿った方向である場合)、一つの基板上に形成された複数の磁気抵抗素子における各固定層の磁化方向を面直方向にて反転させた構成を、簡略な装置構成で良好に実現することは困難であった。本発明は、上記に例示した課題等に鑑みてなされたものである。
請求項1に係る磁気抵抗素子(1)は、主面(21)を有する基板(2)と、前記主面と平行な第一面内方向(Y)に電流を通流可能に前記主面に沿って形成された導電性部分であって前記主面と直交する面直方向(Z)における所定範囲(Z1)に設けられた配線部(4)と、前記主面と非平行な第一の磁化容易軸方向に磁化方向が固定された強磁性体層であって前記主面と平行で前記第一面内方向と直交する第二面内方向(X)にて前記配線部と所定間隔をおいて隣接配置された固定層(33)と、第二の磁化容易軸方向を有し外部磁界に応じて磁化方向が可変な強磁性体層であって前記面直方向に前記基板及び前記固定層と積層された自由層(35)とを備えている。前記固定層は、前記面直方向にて占める範囲が前記所定範囲と重複するように前記主面に沿って設けられている。
上記構成によれば、前記配線部にて前記第一面内方向に前記電流が通流すると、前記第二面内方向にて前記配線部と隣接する領域にて、前記主面と非平行な磁界が発生する。ここで、前記固定層は、前記第二面内方向にて前記配線部と前記所定間隔をおいて隣接配置され、且つ、前記面直方向にて占める範囲が前記所定範囲と重複するように設けられている。故に、上述の磁界によって、前記固定層は、前記主面と非平行な前記第一の磁化容易軸方向に良好に磁化される。したがって、上記構成によれば、磁化方向が面内方向(即ち前記主面と平行な任意の方向)とは異なる方向に設定された前記固定層の着磁を、安定的に行うことが可能になる。
請求項12に係る磁気検出装置(700)は、前記磁気抵抗素子と、前記磁気抵抗素子の出力に応じて前記配線部に制御電流を通流させるように前記磁気抵抗素子及び前記配線部と電気的に接続された制御部(705)とを備えている。
上記構成においては、外部磁界に応じた前記磁気抵抗素子の前記出力は、前記制御部に入力される。すると、前記制御部は、前記磁気抵抗素子の前記出力に応じて、前記配線部に前記制御電流を通流させる。これにより、前記主面と非平行な磁界が、前記第二面内方向にて前記配線部と隣接する領域にて発生する。この領域には前記固定層と前記自由層とが設けられている。故に、前記固定層の着磁用の前記配線部を、いわゆる磁気平衡式におけるフィードバックコイルとして用いることが可能となる。したがって、磁気平衡式の磁気検出が、簡略な装置構成によって良好に行われ得る。
請求項13に係る製造方法は、前記基板上に前記配線部と前記固定層と前記自由層とを形成する工程と、前記配線部に前記電流を通流させることで前記固定層を前記第一の磁化容易軸方向に磁化させる工程とを含む。
上記製造方法においては、前記配線部にて前記第一面内方向に前記電流が通流すると、前記第二面内方向にて前記配線部と隣接する前記固定層に、前記面内方向と非平行な磁界が作用する。この磁界によって、前記固定層は、前記主面と非平行な前記第一の磁化容易軸方向に磁化される。したがって、上記製造方法によれば、磁化方向が前記面内方向とは異なる方向に設定された前記固定層の着磁を、安定的に行うことが可能になる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
以下、本発明の実施形態及びその変形例を、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、複数の実施形態及び変形例の間で互いに同一又は均等である部分については、同一符号を付し、技術的に矛盾なき限り、先行する実施形態等における説明が適宜援用され得るものとする。
(第1実施形態の磁気抵抗素子の構成)
図1及び図2を参照すると、第1実施形態に係る磁気センサ1は、いわゆる磁気抵抗素子としての構成を有している。具体的には、磁気センサ1は、基板2と、信号発生部3と、配線部4と、絶縁層5と、端子群6とを備えている。
図1及び図2を参照すると、第1実施形態に係る磁気センサ1は、いわゆる磁気抵抗素子としての構成を有している。具体的には、磁気センサ1は、基板2と、信号発生部3と、配線部4と、絶縁層5と、端子群6とを備えている。
基板2は、均一な厚さを有する薄板材であって、例えばシリコンウエハ等を用いて形成されている。基板2は、厚さ方向と直交する平坦な表面である主面21を有する。主面21は、図中XY平面(即ち互いに直交するX軸とY軸とを含む平面)と平行に設けられているものとする。この場合、図中Z軸方向は、主面21の法線と平行な方向となり、これを以下「面直方向」と称する。これに対し、主面21と平行な方向を、以下「面内方向」と称する。図中、Y軸方向は「第一面内方向」に対応し、X軸方向は「第二面内方向」に対応する。以下、正負を特定しないX軸方向を「基板幅方向」と称し、正負を特定しないY軸方向を「基板長方向」と称する。また、図中Z軸負方向に対象物(例えば磁気センサ1)を見ることを、以下「平面視」と称する。一方、面内方向と平行な方向に対象物を見ることを、以下「側面視」と称する。
信号発生部3は、主面21上に形成されている。信号発生部3は、一対の素子部30a,30bを有している。本実施形態においては、一対の素子部30a,30bは、基板長方向に沿って配列されている。具体的には、素子部30aは、素子部30bよりも図中Y軸正方向に配置されている。図2は素子部30aの断面を示す。但し、素子部30aと素子部30bとは同様の構成を有している。以下、素子部30aを主として参照しつつ、信号発生部3の内部構成について説明する。
本実施形態においては、信号発生部3を構成する素子部30aは、いわゆるトンネル磁気抵抗素子としての構成を有している。トンネル磁気抵抗素子はTMR素子とも称される。TMRはTunneling Magneto Resistanceの略である。具体的には、図2に示されているように、素子部30aは、下部絶縁層31と、下部信号線層32と、固定層33と、中間層34と、自由層35と、上部信号線層36とを備えている。下部絶縁層31、下部信号線層32、固定層33、中間層34、自由層35、及び上部信号線層36は、この順に主面21から離隔する方向(即ち図中Z軸正方向)に向かって配列された状態で積層されている。
下部絶縁層31は、基板2と下部信号線層32との間に設けられている。下部絶縁層31及び下部信号線層32は、素子部30aと素子部30bとに跨るように設けられている。即ち、素子部30aと素子部30bとは、下部信号線層32を介して電気的に接続されている。下部信号線層32は、良導体薄膜であって、CuやAl等の良導体金属によって形成されている。
固定層33、中間層34、自由層35、及び上部信号線層36は、素子部30aと素子部30bとに、それぞれ個別に設けられている。即ち、素子部30aにおける固定層33と、素子部30bにおける固定層33とは、互いに分離して設けられている。中間層34及び自由層35についても同様である。
固定層33は、主面21と非平行な磁化容易軸方向に磁化方向が固定された強磁性体層である。本実施形態においては、固定層33は、面直方向に沿った(即ち具体的には面直方向と平行な)磁化容易軸方向を有している。このような垂直磁化膜である固定層33は、例えば、以下に例示する公知の薄膜を用いて形成することが可能である。Co/Pt多層膜、Co/Pd多層膜、CoCr合金にPt,Ta,B,Nb等を添加した薄膜、Co/(Pt又はPd)多層膜とCo−Xa/(Pt又はPd)多層膜層(XaはCr,B,Ta,Mn,V)との積層磁性膜、Co/(Pt又はPd)多層膜とCo/{(Pt−Ya)又は(Pd−Ya)}多層膜層(YaはB,Ta,Ru,Re,Ir,Mn,Mg,Zr,Nb)との積層磁性膜、CoCr合金膜とCo/(Pt又はPd)多層膜との積層磁性膜、FePt合金、CoPt合金。
中間層34は、固定層33と自由層35との間に設けられている。中間層34は、MgO、AlO等の絶縁体によって形成されている。自由層35は、面直方向に基板2及び固定層33と積層されている。自由層35は、外部磁界に応じて磁化方向が可変な強磁性体層であって、本実施形態においては固定層33とは異なる磁化容易軸方向を有している。具体的には、自由層35の磁化容易軸方向は、面内方向に沿った(即ち面内方向と平行な)方向である。このような面内磁化の自由層35は、公知の材料(例えば、Fe、Co、Niのうちの少なくとも一つとBとを含有するアモルファス状態の合金、等)を用いて形成することが可能である。
固定層33と中間層34と自由層35との積層体によって形成されたTMR素子構造は、下部信号線層32と上部信号線層36の間に設けられている。即ち、素子部30a及び30bは、自由層35に作用する磁界(例えば外部磁界)に応じて下部信号線層32と上部信号線層36の間の電気抵抗が変化するように構成されている。上部信号線層36は、良導体薄膜であって、CuやAl等の良導体金属によって形成されている。
配線部4は、主面21に沿って形成された導電性部分であって、図1にて矢印で示されているように、面内方向(即ち本実施形態においては基板長方向)に電流を通流可能に設けられている。具体的には、配線部4は、CuやAl等の良導体金属によって形成されている。配線部4は、基板長方向にて素子部30aと素子部30bとに跨るように設けられている。
本実施形態においては、配線部4は、第一配線41と第二配線42とを備えている。第一配線41及び第二配線42は、それぞれ、基板長方向に延びる直線状に形成されている。第一配線41と信号発生部3と第二配線42とは、基板幅方向に沿ってこの順に配列されている。即ち、素子部30a及び30bにおける固定層33は、基板幅方向に沿って並ぶ第一配線41と第二配線42との間に配置されている。第一配線41は、基板幅方向にて信号発生部3の一方側(即ち図中左側)に設けられている。同様に、第二配線42は、基板幅方向にて信号発生部3の他方側(即ち図中右側)に設けられている。
第一配線41及び第二配線42は、面直方向における所定範囲(図2におけるZ1参照)内に設けられている。第一配線41及び第二配線42の具体的な構成について以下説明する。絶縁層5には、貫通溝51が形成されている。絶縁層5は、面内方向(即ち基板幅方向)にて信号発生部3と配線部4との間の絶縁性を確保するように、主面21上に設けられている。絶縁層5は、下部絶縁層31と同材料によって形成されている。貫通溝51は、面直方向にて絶縁層5を貫通するように基板長方向に沿って形成されている。第一配線41は、1本の導電線状に形成されていて、面直方向にて貫通溝51を貫通するように設けられている。第二配線42についても同様である。即ち、本実施形態においては、第一配線41及び第二配線42が設けられる所定範囲Z1は、絶縁層5が設けられている範囲(即ち素子部30a及び素子部30bが設けられている範囲)と略同一に設定されている。
第一配線41及び第二配線42は、電流の通流により発生する磁界が固定層33に作用するように、基板幅方向にて固定層33に隣接配置されている。即ち、第一配線41は、微小(例えば100μm以下)なギャップを隔てて固定層33と対向配置されている。第二配線42も同様である。また、固定層33は、面直方向にて占める範囲が、配線部4が設けられた範囲(即ち所定範囲Z1)と重複するように設けられている。具体的には、本実施形態においては、固定層33は、面直方向にて第一配線41及び第二配線42が設けられた範囲内に設けられている。換言すれば、第一配線41及び第二配線42は、固定層33よりも厚く形成されている。
端子群6は、磁気センサ1の最も上層側(即ち図中Z軸正方向側)に設けられた複数の通電端子であって、CuやAl等の良導体金属の薄膜によって形成されている。本実施形態においては、端子群6は、第一入出力端子61と、第二入出力端子62と、第一通電端子63と、第二通電端子64と、第三通電端子65と、第四通電端子66とを有している。
第一入出力端子61は、素子部30aにおける上部信号線層36(即ち図1にて基板長方向に並ぶ一対の上部信号線層36のうちの上側のもの)と同層に設けられていて、この上部信号線層36と電気的に接続されている。具体的には、第一入出力端子61は、素子部30aにおける上部信号線層36と一体的に形成されている。第二入出力端子62は、素子部30bにおける上部信号線層36(即ち図1における上述の一対の上部信号線層36のうちの下側のもの)と同層に設けられていて、この上部信号線層36と電気的に接続されている。具体的には、第二入出力端子62は、素子部30bにおける上部信号線層36と一体的に形成されている。
第一通電端子63は、基板幅方向にて第一入出力端子61と隣接配置されている。即ち、第一通電端子63は、第一入出力端子61よりも図中X軸負方向に配置されている。第一通電端子63は、第一配線41の一端部(即ち図1における上端部)と電気的に接続されている。具体的には、第一通電端子63は、第一配線41と一体的に形成されている。
第二通電端子64は、基板幅方向にて第二入出力端子62と隣接配置されている。即ち、第二通電端子64は、第二入出力端子62よりも図中X軸負方向に配置されている。第二通電端子64は、第一配線41の他端部(即ち図1における下端部)と電気的に接続されている。具体的には、第二通電端子64は、第一配線41と一体的に形成されている。
第三通電端子65は、基板幅方向にて第二入出力端子62と隣接配置されている。即ち、第三通電端子65は、第二入出力端子62よりも図中X軸正方向に配置されている。第二通電端子64と、第二入出力端子62と、第三通電端子65とは、この順に図中X軸正方向に配列されている。第三通電端子65は、第二配線42の一端部(即ち図1における下端部)と電気的に接続されている。具体的には、第三通電端子65は、第二配線42と一体的に形成されている。
第四通電端子66は、基板幅方向にて第一入出力端子61と隣接配置されている。即ち、第四通電端子66は、第一入出力端子61よりも図中X軸負方向に配置されている。第一通電端子63と、第一入出力端子61と、第四通電端子66とは、この順に図中X軸正方向に配列されている。第四通電端子66は、第二配線42の他端部(即ち図1における上端部)と電気的に接続されている。具体的には、第四通電端子66は、第二配線42と一体的に形成されている。
(製造方法)
以下、本実施形態に係る磁気センサ1の製造方法について、図1及び図2を参照しつつ説明する。最初に、基板2上に、上述の構成の信号発生部3、配線部4、絶縁層5、及び端子群6が形成される。この段階においては、信号発生部3における固定層33は未磁化状態(即ち着磁前の状態)である。
以下、本実施形態に係る磁気センサ1の製造方法について、図1及び図2を参照しつつ説明する。最初に、基板2上に、上述の構成の信号発生部3、配線部4、絶縁層5、及び端子群6が形成される。この段階においては、信号発生部3における固定層33は未磁化状態(即ち着磁前の状態)である。
その後、第一通電端子63、第二通電端子64、第三通電端子65、及び第四通電端子66が、着磁用電源と接続される。そして、第一通電端子63から第一配線41を介して第二通電端子64に達するような着磁用電流が印加されるとともに、第三通電端子65から第二配線42を介して第四通電端子66に達するような着磁用電流が印加される。具体的には、例えば、第一通電端子63が着磁用電源の正極と接続されるとともに、第四通電端子66が着磁用電源の負極と接続される。また、第二通電端子64と第三通電端子65とが短絡される。この状態で、第一通電端子63から第四通電端子66に向かう着磁用電流が印加される。
これにより、第一配線41にて図中Y軸負方向に着磁用電流が通流するとともに、第二配線42にて図中Y軸正方向に着磁用電流が通流する。即ち、第一配線41と第二配線42とに、互いに逆方向の電流が通流する。すると、第一配線41と第二配線42との間にて、図中Z軸正方向の磁界が発生する。この磁界を用いることで、固定層33が図中Z軸正方向に磁化される。このようにして、固定層33の着磁が行われる。
(効果)
上記構成によれば、配線部4における第一配線41及び第二配線42にて基板長方向に着磁用電流が通流すると、基板幅方向にて第一配線41及び第二配線42と隣接する領域にて、主面21と非平行な磁界が発生する。ここで、固定層33は、基板幅方向にて第一配線41及び第二配線42と所定間隔(例えば100μm以下の微小ギャップ)をおいて隣接配置されており、且つ、面直方向にて占める範囲が所定範囲Z1(即ち面直方向にて第一配線41及び第二配線42が設けられる範囲)と重複するように設けられている。故に、上述の磁界によって、固定層33は、主面21と非平行な面直方向に良好に磁化される。したがって、上記構成によれば、磁化方向が面内方向とは異なる方向に設定された固定層33の着磁を、安定的に行うことが可能になる。
上記構成によれば、配線部4における第一配線41及び第二配線42にて基板長方向に着磁用電流が通流すると、基板幅方向にて第一配線41及び第二配線42と隣接する領域にて、主面21と非平行な磁界が発生する。ここで、固定層33は、基板幅方向にて第一配線41及び第二配線42と所定間隔(例えば100μm以下の微小ギャップ)をおいて隣接配置されており、且つ、面直方向にて占める範囲が所定範囲Z1(即ち面直方向にて第一配線41及び第二配線42が設けられる範囲)と重複するように設けられている。故に、上述の磁界によって、固定層33は、主面21と非平行な面直方向に良好に磁化される。したがって、上記構成によれば、磁化方向が面内方向とは異なる方向に設定された固定層33の着磁を、安定的に行うことが可能になる。
上記構成においては、配線部4への通電により、信号発生部3の位置にて面直方向に沿った磁界が発生する。この磁界は、いわゆる磁気平衡式におけるキャンセル磁界(即ち外部磁界を打ち消すための磁界)として利用することが可能である。即ち、配線部4は、固定層33の着磁後(即ち磁気センサ1の製造工程終了後)も、機能的要素(即ち磁気平衡式におけるフィードバックコイル)として利用され得る。したがって、本実施形態によれば、磁気平衡式の磁気検出が、簡略な装置構成によって良好に行われ得る。なお、磁気平衡式の磁気検出のための回路構成の具体例については後述する。
上記構成においては、固定層33の磁化方向は、面直方向に沿った方向(即ち面直方向と平行な方向、又は面直方向とのなす角度が小さくなるような方向)である。また、このような垂直磁化の固定層33よりも外側(即ち外部磁場側)に配置された自由層35の磁化方向は、面内方向に沿った方向(即ち面内方向と平行な方向、又は面内方向とのなす角度が小さくなるような方向)である。自由層35の磁化困難軸方向である面直方向の外部磁界の検出に際して、自由層35の磁化反転は緩やかである。故に、上記構成によれば、面直方向の外部磁界の検出に際して、広い磁界範囲での磁界強度の検出が可能となる。
上記構成においては、配線部4は、電流の通流により発生する磁界が固定層33に作用するように、基板幅方向にて固定層33に近接配置されている。また、固定層33は、面直方向にて配線部4が設けられた所定範囲Z1内に設けられている。換言すれば、配線部4における第一配線41及び第二配線42は、固定層33よりも厚く形成されている。さらに、固定層33は、面直方向にて占める範囲が第一配線41及び第二配線42と重複するように設けられている。換言すれば、固定層33は、側面視にて、第一配線41及び第二配線42と重なるように配置されている。上記構成によれば、所定範囲Z1内の面直方向に発生する磁界は、所定範囲Z1外の面直方向に発生する磁界と比較し、面直方向の角度ばらつきが小さくなる。したがって、固定層33が所定範囲Z1内に設けられることで、着磁時の面直方向の角度ばらつきが小さくなり、安定した着磁が可能となる。
(第2実施形態)
配線部4即ち第一配線41及び第二配線42が、基板長方向に延びる直線状に形成されている場合、上述のように、複数の素子部30a等を配線部4に沿って設けることで、複数の素子部30a等における固定層33の着磁が同時に行われ得る。よって、信号発生部3における素子部30a等の数は、上記の第1実施形態のような2個に限定されない。即ち、信号発生部3における素子部30a等の数は、3個以上であってもよい。
配線部4即ち第一配線41及び第二配線42が、基板長方向に延びる直線状に形成されている場合、上述のように、複数の素子部30a等を配線部4に沿って設けることで、複数の素子部30a等における固定層33の着磁が同時に行われ得る。よって、信号発生部3における素子部30a等の数は、上記の第1実施形態のような2個に限定されない。即ち、信号発生部3における素子部30a等の数は、3個以上であってもよい。
例えば、図3に示されている第2実施形態においては、信号発生部3には、4つの素子部30a,30b,30c,及び30dが設けられている。図2及び図3を参照すると、本実施形態においては、素子部30bにおける上部信号線層36と素子部30cにおける上部信号線層36とは一体化されている。素子部30cにおける下部信号線層32と素子部30dにおける下部信号線層32とは一体化されている。素子部30dにおける上部信号線層36は、第二入出力端子62と接続されている。本実施形態の構成によれば、配線部4への通電により、4つの素子部30a,30b,30c,及び30dにおける固定層33が同時に着磁され得るため、製造時間の短縮によるコストダウンが可能となる。
(第3実施形態)
図4を参照すると、第3実施形態の磁気センサ1においては、信号発生部3には、一対の素子部30a及び30bが設けられている。一対の素子部30a,30bは、基板長方向に配列されている。具体的には、素子部30aは、素子部30bよりも図中Y軸正方向に配置されている。素子部30a及び30bは、第1実施形態における図2に示された構成と同様の構成を有している。
図4を参照すると、第3実施形態の磁気センサ1においては、信号発生部3には、一対の素子部30a及び30bが設けられている。一対の素子部30a,30bは、基板長方向に配列されている。具体的には、素子部30aは、素子部30bよりも図中Y軸正方向に配置されている。素子部30a及び30bは、第1実施形態における図2に示された構成と同様の構成を有している。
配線部4には、素子部30aに対応して、第一配線410が設けられている。第一配線410は、上層接続部411と、下層接続部412と、囲繞部413と、下層接続部414と、上層接続部415とを有している。また、本実施形態においては、第一通電端子63及び第二通電端子64は、基板幅方向にて第一入出力端子61と隣接配置されている。即ち、第一通電端子63と、第一入出力端子61と、第二通電端子64とが、素子部30aよりも図中Y軸正方向側にて、この順に図中X軸正方向に配列されている。
上層接続部411及び下層接続部412は、CuやAl等の良導体金属によって形成された良導体薄膜である。上層接続部411は、第一通電端子63から基板長方向に延びるように設けられている。下層接続部412は、上層接続部411よりも下層側(即ち図中Z軸負方向側)にて、基板幅方向に延びるように設けられている。下層接続部412の基端部(即ち図中左端部)は、平面視にて、上層接続部411の先端部(即ち図中下端部)と重なるように配置されている。下層接続部412の基端部と、上層接続部411の先端部とは、周知の層間接続技術によって互いに電気的に接続されている。
囲繞部413は、素子部30aの周囲を取り囲むように設けられた良導体部分であって、平面視にて図中Y軸正方向に開口する略C字状又は略U字状に形成されている。囲繞部413は、面直方向にて占める範囲が、素子部30aにおける固定層33(図2参照)の面直方向にて占める範囲と重複するように設けられている。囲繞部413の平面視における一端部(即ち図中左上側の端部)は、下層接続部412の先端部(即ち図中右端部)と周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。囲繞部413の平面視における他端部(即ち図中右上側の端部)は、下層接続部414の基端部(即ち図中左端部)と周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。
下層接続部414及び上層接続部415は、CuやAl等の良導体金属によって形成された良導体薄膜である。下層接続部414は、囲繞部413の平面視における上述の他端部から基板幅方向に延びるように、下層接続部412と同層に設けられている。上層接続部415は、第二通電端子64から基板長方向に延びるように、下層接続部414よりも上層(即ち図中Z軸正方向)側に設けられている。下層接続部414の先端部(図中右端部)は、平面視にて、上層接続部415の先端部と重なるように配置されている。下層接続部414の先端部と、上層接続部415の先端部とは、周知の層間接続技術によって互いに電気的に接続されている。
同様に、配線部4には、素子部30bに対応して、第二配線420が設けられている。第二配線420は、上層接続部421と、下層接続部422と、囲繞部423と、下層接続部424と、上層接続部425とを有している。また、第三通電端子65及び第四通電端子66は、基板幅方向にて第二入出力端子62と隣接配置されている。即ち、第四通電端子66と、第二入出力端子62と、第三通電端子65とが、素子部30bよりも図中Y軸負方向側にて、この順に図中X軸正方向に配列されている。
上層接続部421及び下層接続部422は、CuやAl等の良導体金属によって形成された良導体薄膜である。上層接続部421は、第三通電端子65から基板長方向に延びるように設けられている。下層接続部422は、上層接続部421よりも下層側にて、基板幅方向に延びるように設けられている。下層接続部422の基端部(図中右端部)は、平面視にて、上層接続部421の先端部と重なるように配置されている。下層接続部422の基端部と、上層接続部421の先端部とは、周知の層間接続技術によって互いに電気的に接続されている。
囲繞部423は、素子部30bの周囲を取り囲むように設けられた良導体部分であって、平面視にて図中Y軸負方向に開口する略C字状又は略U字状に形成されている。囲繞部423は、面直方向にて占める範囲が、素子部30bにおける固定層33(図2参照)の面直方向にて占める範囲と重複するように設けられている。囲繞部423の平面視における一端部(即ち図中右下側の端部)は、下層接続部422の先端部(即ち図中左端部)と周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。囲繞部423の平面視における他端部(即ち図中左下側の端部)は、下層接続部424の基端部(即ち図中右端部)と周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。
下層接続部424及び上層接続部425は、CuやAl等の良導体金属によって形成された良導体薄膜である。下層接続部424は、囲繞部423の上述の他端部から基板幅方向に延びるように、下層接続部422と同層に設けられている。上層接続部425は、第四通電端子66から基板長方向に延びるように、下層接続部424よりも上層側に設けられている。下層接続部424の先端部(図中左端部)は、平面視にて、上層接続部425の先端部と重なるように配置されている。下層接続部424の上述の一端部と、上層接続部425の先端部とは、周知の層間接続技術によって互いに電気的に接続されている。
上述のように、磁気センサ1の基板長方向における一方側(即ち図4における上側)には、素子部30a及びこれに対応する第一配線410が配置されている。同様に、磁気センサ1の基板長方向における他方側(即ち図4における下側)には、素子部30b及びこれに対応する第二配線420が配置されている。
本実施形態の構成においては、第一通電端子63が着磁用電源の正極と接続されるとともに、第二通電端子64が着磁用電源の負極と接続される。この状態で、第一通電端子63から第一配線410を介して第二通電端子64に達するような着磁用電流が印加される。すると、着磁用電流は、第一配線410における囲繞部413にて、図中反時計回りに通流する。これにより、囲繞部413に取り囲まれた素子部30aにおける固定層33(図2参照)が、図中Z軸正方向に磁化される。
同様に、第三通電端子65が着磁用電源の正極と接続されるとともに、第四通電端子66が着磁用電源の負極と接続される。この状態で、第三通電端子65から第二配線420を介して第四通電端子66に達するような着磁用電流が印加される。すると、着磁用電流は、第二配線420における囲繞部423にて、図中時計回りに通流する。これにより、囲繞部423に取り囲まれた素子部30bにおける固定層33(図2参照)が、図中Z軸正方向に磁化される。
本実施形態によれば、上述の各実施形態による効果の他、以下の効果が奏される。即ち、素子部30aは、第一配線410における囲繞部413に取り囲まれている。同様に、素子部30bは、第二配線420における囲繞部423に取り囲まれている。故に、素子部30a及び30bは囲繞部413及び423からの距離が一定であるため、素子部30a及び30bにおける固定層33(図2参照)に作用する着磁用磁界が均一化される。したがって、本実施形態によれば、素子部30a及び30bにおける垂直磁化膜の着磁時の印加磁界ばらつきが低減し、着磁が良好に行われ得る。
(第4実施形態)
図5及び図6を参照しつつ、第4実施形態について説明する。本実施形態においては、信号発生部3は、第1実施形態と同一の構成を有している。即ち、信号発生部3は、基板長方向に並ぶ一対の素子部30a,30bを有している。
図5及び図6を参照しつつ、第4実施形態について説明する。本実施形態においては、信号発生部3は、第1実施形態と同一の構成を有している。即ち、信号発生部3は、基板長方向に並ぶ一対の素子部30a,30bを有している。
一方、本実施形態における配線部4及び端子群6は、第1実施形態とは異なる構成を有している。具体的には、配線部4は、平面視にて素子部30a及び30bを取り囲むように設けられている。これに対応して、端子群6は、第一入出力端子61と、第二入出力端子62と、第一通電端子63と、第二通電端子64とを有している。即ち、第4実施形態においては、第1実施形態における第三通電端子65及び第四通電端子66(図1参照)は設けられていない。第一通電端子63及び第二通電端子64は、基板幅方向にて第一入出力端子61と隣接配置されている。即ち、第一通電端子63と、第一入出力端子61と、第二通電端子64とは、素子部30a及び30bよりも図中Y軸正方向側にて、この順に図中X軸正方向に配列されている。
配線部4は、流入側接続層431と、Y軸配線層432と、X軸配線層433と、Y軸配線層434と、X軸配線層435と、Y軸配線層436と、流出側接続層437と、絶縁層439とを備えている。流入側接続層431、Y軸配線層432、X軸配線層433、Y軸配線層434、X軸配線層435、Y軸配線層436、及び流出側接続層437は、CuやAl等の良導体金属によって形成された良導体薄膜であって、平面視にて略直線状に形成されている。
流入側接続層431は、第一通電端子63から図中Y軸負方向に延びるように設けられている。Y軸配線層432は、平面視における流入側接続層431の延長線上にて、基板長方向に延びるように設けられている。流入側接続層431の先端部は、Y軸配線層432と一体的に接続されている。具体的には、第一通電端子63と流入側接続層431とY軸配線層432とは、継ぎ目無く一体に形成されている。Y軸配線層432は、基板長方向にて素子部30a及び30bに跨るように設けられている。即ち、Y軸配線層432の先端部(即ち図中下端部)は、素子部30bよりも図中Y軸負方向側に配置されている。
X軸配線層433は、基板幅方向に延びるように設けられている。本実施形態においては、複数のX軸配線層433が、絶縁層439を挟んで面直方向に積層されている。最上層のX軸配線層433は、Y軸配線層432よりも下層側に配置されている。最上層のX軸配線層433の基端部(即ち図中左端部)は、平面視にて、Y軸配線層432の先端部と重なるように設けられている。最上層のX軸配線層433の基端部は、Y軸配線層432の先端部と、周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。
Y軸配線層434は、平面視にて、信号発生部3を挟んでY軸配線層432と反対側に設けられている。また、Y軸配線層434は、Y軸配線層432よりも下層側に配置されている。Y軸配線層434は、X軸配線層433の先端部(即ち図中右端部)から図中Y軸正方向に延びるように設けられている。Y軸配線層434は、基板長方向にて素子部30a及び30bに跨るように設けられている。即ち、Y軸配線層434の先端部(即ち図中上端部)は、素子部30aよりも図中Y軸正方向側に配置されている。また、Y軸配線層434の基端部(即ち図中下端部)は、素子部30bよりも図中Y軸負方向側に配置されている。本実施形態においては、複数のY軸配線層434が、絶縁層439を挟んで面直方向に積層されている。Y軸配線層434は、これと対応する(即ち電気的に接続される)X軸配線層433と同層に配置されている。即ち、同層のX軸配線層433及びY軸配線層434は、継ぎ目無く一体に形成されている。換言すれば、X軸配線層433とY軸配線層434とによって形成された平面視略L字形の導電膜が、絶縁層439を挟んで複数層積層されている。
X軸配線層435は、基板幅方向に延びるように設けられている。本実施形態においては、複数のX軸配線層435が、絶縁層439を挟んで面直方向に積層されている。複数のX軸配線層435は、複数のX軸配線層433と面直方向にて互い違いに配置されている。即ち、X軸配線層435は、これと対応するY軸配線層434よりも下層側に配置されている。X軸配線層435の基端部(即ち図中右端部)は、これとZ軸正方向にて隣接するY軸配線層434の先端部(即ち図中上端部)と、周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。
X軸配線層435の先端部(即ち図中左端部)は、Y軸配線層436の基端部と同層にて一体的に接続されている。Y軸配線層436は、平面視にてY軸配線層432と全体的に重なるように、Y軸配線層432よりも下層側に配置されている。即ち、Y軸配線層432とY軸配線層436とは、絶縁層439を挟んで面直方向に積層されている。Y軸配線層436は、基板長方向にて素子部30a及び30bに跨るように設けられている。即ち、Y軸配線層436の基端部(即ち図中上端部)は、素子部30aよりも図中Y軸正方向側に配置されている。また、Y軸配線層436の先端部(即ち図中下端部)は、素子部30bよりも図中Y軸負方向側に配置されている。Y軸配線層432と同様に、Y軸配線層436は、これとZ軸負方向にて隣接するX軸配線層433と周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。Y軸配線層436は、複数層設けられ得る。
流出側接続層437は、最下層のY軸配線層434と同層にて一体的に接続されている。即ち、流出側接続層437は、最下層のY軸配線層434と継ぎ目無く一体に形成されている。流出側接続層437は、平面視にて第二通電端子64に向かって図中Y軸正方向に延びるように設けられている。流出側接続層437の先端部(図中上端部)と第二通電端子64とは、周知の層間接続技術によって互いに電気的に接続されている。
本実施形態においては、所定範囲Z1は、面直方向にて、Y軸配線層432、X軸配線層433、Y軸配線層434、X軸配線層435、及びY軸配線層436が設けられている範囲となる。具体的には、本実施形態においては、所定範囲Z1は、最上層に位置するY軸配線層432の上面から、最下層のY軸配線層434の下面までの範囲となる。固定層33は、かかる範囲内に配置されている。
本実施形態の構成においては、第一通電端子63が着磁用電源の正極と接続されるとともに、第二通電端子64が着磁用電源の負極と接続される。この状態で、第一通電端子63から配線部4を介して第二通電端子64に達するような着磁用電流が印加される。
すると、着磁用電流は、Y軸配線層432、X軸配線層433、Y軸配線層434、X軸配線層435、及びY軸配線層436によって形成されたコイルを通流する。即ち、図5に示されているように、平面視にて反時計回りの着磁用電流が、素子部30a及び30bを取り囲むように通流する。この着磁用電流により、図中Z軸正方向の着磁用磁界が、上述のコイルの内側にて発生する。この着磁用磁界により、素子部30a及び30bにおける固定層33は、図中Z軸正方向に磁化される。
本実施形態によれば、上述の実施形態1〜3と同様の効果が奏される。特に、本実施形態においては、素子部30a及び30bは、Y軸配線層432、X軸配線層433、Y軸配線層434、X軸配線層435、及びY軸配線層436によって形成されたコイルに取り囲まれている。さらに、Y軸配線層432、X軸配線層433、Y軸配線層434、X軸配線層435、及びY軸配線層436によるコイル状の多層配線が設けられた、面直方向における所定範囲Z1内に、素子部30a及び30bにおける固定層33が配置されている。本実施形態によれば、アンペールの法則より、素子部30a及び30bに印加される磁界の大きさはH=nIとなるため、同じ電流量であれば、コイルの巻き数を増加させることで、大きな磁場を発生させることができる。したがって、本実施形態によれば、素子部30a及び30bにおける垂直磁化膜である固定層33の着磁が良好に行われ得る。
(第5実施形態)
図7及び図8を参照しつつ、第5実施形態について説明する。本実施形態においては、信号発生部3は、第1実施形態と同一の構成を有している。即ち、信号発生部3は、基板長方向に並ぶ一対の素子部30a,30bを有している。
図7及び図8を参照しつつ、第5実施形態について説明する。本実施形態においては、信号発生部3は、第1実施形態と同一の構成を有している。即ち、信号発生部3は、基板長方向に並ぶ一対の素子部30a,30bを有している。
一方、本実施形態における配線部4及び端子群6は、第1実施形態とは一部異なる構成を有している。即ち、第1実施形態と同様に、第一配線41は、基板幅方向にて信号発生部3の片側に設けられている。また、第二配線42も、基板幅方向にて信号発生部3の片側に設けられている。但し、第一配線41及び第二配線42は、それぞれ、複数の配線層を有する多層構造を有している。これに対応して、端子群6には、第一通電端子63、第二通電端子64、第三通電端子65、及び第四通電端子66が、それぞれ複数設けられている。本実施形態においては、第一通電端子63、第二通電端子64、第三通電端子65、及び第四通電端子66は、同数設けられている。
第一配線41は、第一配線層441と、絶縁層442と、流入側接続層443と、内部接続層444と、内部接続層445と、流出側接続層446とを備えている。第一配線層441、絶縁層442、流入側接続層443、内部接続層444、内部接続層445、及び流出側接続層446は、CuやAl等の良導体金属によって形成された良導体薄膜であって、平面視にて略直線状に形成されている。
第一配線層441は、基板長方向にて素子部30aと素子部30bとに跨るように、基板長方向に沿って設けられている。また、第一配線層441は、基板幅方向にて素子部30a及び素子部30bと所定間隔(例えば100μm以下)をおいて隣接配置されている。本実施形態においては、複数の第一配線層441が、絶縁層442を挟んで面直方向に積層されている。複数の第一配線層441の層数は、複数の第一通電端子63の設置数と同一である。
流入側接続層443は、複数の第一通電端子63の各々からY軸負方向に延びるように、磁気センサ1における最上層側に設けられている。即ち、複数の流入側接続層443が、複数の第一配線層441の層数と同数形成されている。最上層の第一配線層441は、これに対応する流入側接続層443(即ち図7の例では基板幅方向に配列した複数の流入側接続層443のうち平面視にて最も信号発生部3に近接するもの)と継ぎ目無く一体的に接続されている。他の第一配線層441は、これに対応する流入側接続層443と、内部接続層444を介して電気的に接続されている。複数の内部接続層444が、絶縁層442を挟んで面直方向に積層されている。複数の内部接続層444の層数は、複数の第一配線層441の層数と同一である。
内部接続層444の基端部(即ち図7における左端部)は、平面視にて、流入側接続層443の先端部と重なるように設けられている。かかる基端部にて、内部接続層444は、これと対応する流入側接続層443と、周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。内部接続層444は、これと対応する第一配線層441と同層に配置されている。即ち、内部接続層444の先端部(即ち図7における右端部)は、これと対応する第一配線層441と継ぎ目無く一体的に接続されている。
内部接続層445は、これと対応する内部接続層444と同層に設けられている。即ち、複数の内部接続層445が、絶縁層442を挟んで面直方向に積層されている。内部接続層445の基端部(即ち図7における右端部)は、これと対応する第一配線層441と同層に配置されている。即ち、第一配線層441と、これと対応する内部接続層444及び内部接続層445とは、平面視にて図中X軸負方向に開口する略U字又は略C字形状に、継ぎ目無く一体的に形成されている。
流出側接続層446は、複数の第二通電端子64の各々からY軸正方向に延びるように、磁気センサ1における最上層側に設けられている。即ち、複数の流出側接続層446が、複数の第一配線層441の層数と同数形成されている。
最上層の第一配線層441は、これに対応する流出側接続層446(即ち図7の例では基板幅方向に配列した複数の流出側接続層446のうち平面視にて最も信号発生部3に近接するもの)と継ぎ目無く一体的に接続されている。他の第一配線層441は、これに対応する流出側接続層446と、内部接続層445を介して電気的に接続されている。即ち、内部接続層445の先端部(即ち図7における左端部)は、平面視にて、流出側接続層446の先端部と重なるように設けられている。かかる先端部にて、内部接続層445は、これと対応する流出側接続層446と、周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。
第二配線42は、第二配線層451と、絶縁層452と、流入側接続層453と、内部接続層454と、内部接続層455と、流出側接続層456とを備えている。第二配線層451、絶縁層452、流入側接続層453、内部接続層454、内部接続層455、及び流出側接続層456は、CuやAl等の良導体金属によって形成された良導体薄膜であって、平面視にて略直線状に形成されている。
第二配線層451は、基板長方向にて素子部30aと素子部30bとに跨るように、基板長方向に沿って設けられている。また、第二配線層451は、基板幅方向にて素子部30a及び素子部30bと所定間隔(例えば100μm以下)をおいて隣接配置されている。本実施形態においては、複数の第二配線層451が、絶縁層452を挟んで面直方向に積層されている。複数の第二配線層451の層数は、複数の第三通電端子65の設置数と同一である。
流入側接続層453は、複数の第三通電端子65の各々からY軸正方向に延びるように、磁気センサ1における最上層側に設けられている。即ち、複数の流入側接続層453が、複数の第二配線層451の層数と同数形成されている。最上層の第二配線層451は、これに対応する流入側接続層453(即ち図7の例では基板幅方向に配列した複数の流入側接続層453のうち平面視にて最も信号発生部3に近接するもの)と継ぎ目無く一体的に接続されている。他の第二配線層451は、これに対応する流入側接続層453と、内部接続層454を介して電気的に接続されている。複数の内部接続層454が、絶縁層452を挟んで面直方向に積層されている。複数の内部接続層454の層数は、複数の第二配線層451の層数と同一である。
内部接続層454の基端部(即ち図7における右端部)は、平面視にて、流入側接続層453の先端部と重なるように設けられている。かかる基端部にて、内部接続層454は、これと対応する流入側接続層453と、周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。内部接続層454は、これと対応する第二配線層451と同層に配置されている。即ち、内部接続層454の先端部(即ち図7における左端部)は、これと対応する第二配線層451と継ぎ目無く一体的に接続されている。
内部接続層455は、これと対応する内部接続層454と同層に設けられている。即ち、複数の内部接続層455が、絶縁層452を挟んで面直方向に積層されている。内部接続層455の基端部(即ち図7における左端部)は、これと対応する第二配線層451と同層に配置されている。即ち、第二配線層451と、これと対応する内部接続層454及び内部接続層455とは、平面視にて図中X軸正方向に開口する略U字又は略C字形状に、継ぎ目無く一体的に形成されている。
流出側接続層456は、複数の第四通電端子66の各々からY軸負方向に延びるように、磁気センサ1における最上層側に設けられている。即ち、複数の流出側接続層456が、複数の第二配線層451の層数と同数形成されている。
最上層の第二配線層451は、これに対応する流出側接続層456(即ち図7の例では基板幅方向に配列した複数の流出側接続層456のうち平面視にて最も信号発生部3に近接するもの)と継ぎ目無く一体的に接続されている。他の第二配線層451は、これに対応する流出側接続層456と、内部接続層455を介して電気的に接続されている。即ち、内部接続層455の先端部(即ち図7における右端部)は、平面視にて、流出側接続層456の先端部と重なるように設けられている。かかる先端部にて、内部接続層455は、これと対応する流出側接続層456と、周知の層間接続技術によって電気的に接続されている。
本実施形態においては、所定範囲Z1は、第一配線層441及び第二配線層451が設けられている範囲となる。具体的には、本実施形態においては、所定範囲Z1は、最上層の第一配線層441の上面から最下層の第一配線層441の下面までの範囲となる。同様に、所定範囲Z1は、最上層の第二配線層451の上面から最下層の第二配線層451の下面までの範囲となる。固定層33は、かかる範囲内に配置されている。本実施形態においては、固定層33は、面直方向にて、隣り合う2層の第一配線層441の間の位置に配置されている。換言すれば、本実施形態においては、固定層33は、第一配線層441及び第二配線層451が設けられている所定範囲Z1とは重なるものの、第一配線層441及び第二配線層451とは同層には配置されていない。
本実施形態の構成においては、素子部30aと素子部30bにおける固定層33の着磁は、第1実施形態と同様に行われる。よって、本実施形態によれば、上述の実施形態1と同様の効果が奏される。また、本実施形態の構成においては、配線部4は、面直方向に積層された複数の第一配線層441及び第二配線層451を有している。そして、複数の第一配線層441及び第二配線層451によって形成された多層配線が設けられた、面直方向における所定範囲Z1内に、素子部30a及び30bにおける固定層33が配置されている。故に、第4実施形態と同様に、本実施形態によれば、アンペールの法則より、素子部30a及び30bに印加される磁界大きさはH=nIとなるため、同じ電流量であれば、コイルの巻き数を増加させることで、大きな磁場を発生させることができる。したがって、本実施形態によれば、素子部30a及び30bにおける垂直磁化膜である固定層33の着磁が良好に行われ得る。さらに、本実施形態の構成においては、面直方向に積層された複数の第一配線層441と、面直方向に積層された複数の第二配線層451とが、互いに独立して設けられている。故に、第一配線層441と第二配線層451とを内部的に接続する必要が無くなり、製造方法が容易となる。
(磁気検出装置の実施形態)
図9を参照しつつ、一実施形態に係る磁気検出装置700の構成及び動作について説明する。磁気検出装置700を構成する磁気センサ1には、第一センサ部701と、第二センサ部702と、第三センサ部703と、第四センサ部704とが設けられている。
図9を参照しつつ、一実施形態に係る磁気検出装置700の構成及び動作について説明する。磁気検出装置700を構成する磁気センサ1には、第一センサ部701と、第二センサ部702と、第三センサ部703と、第四センサ部704とが設けられている。
本実施形態においては、第一センサ部701は、図5及び図6に示された第4実施形態の磁気センサ1と同様の構成を有する磁気抵抗素子である。第二センサ部702は、固定層33(図6参照)の磁化方向を逆転させた以外は、第一センサ部701と同様の構成を有する磁気抵抗素子である。即ち、第一センサ部701と第二センサ部702とでは、固定層33(図6参照)の磁化方向が異なる。具体的には、第一センサ部701における固定層33(図6参照)の磁化方向と、第二センサ部702における固定層33(図6参照)の磁化方向とは、反平行であり且つ面直方向に沿った方向である。
第三センサ部703は、第二センサ部702と同様の構成を有する磁気抵抗素子である。即ち、第二センサ部702と第三センサ部703とで、固定層33(図6参照)の磁化方向が同一である。第四センサ部704は、第一センサ部701と同様の構成を有する磁気抵抗素子である。即ち、第一センサ部701と第四センサ部704とで、固定層33(図6参照)の磁化方向が同一である。
第一センサ部701と、第二センサ部702と、第三センサ部703と、第四センサ部704とは、共通の基板2の上に形成されている。即ち、本実施形態においては、図6に示された配線部4と固定層33と自由層35とを備えた磁気抵抗素子部が、共通の基板2の上に設けられている。
第一センサ部701と第二センサ部702とは、電源電圧端子間(即ち図中Vcc−GND間)にて直列接続されている。第三センサ部703と第四センサ部704とは、電源電圧端子間にて直列接続されている。第一センサ部701と第二センサ部702との直列接続体と、第三センサ部703と第四センサ部704との直列接続体とは、電源電圧端子間にて並列接続されている。即ち、第一センサ部701と、第二センサ部702と、第三センサ部703と、第四センサ部704とにより、いわゆるフルブリッジ回路又はホイートストンブリッジ回路が形成されている。
磁気検出装置700は、上述の構成を有する磁気センサ1の他に、制御部705を備えている。制御部705は、上述のブリッジ回路における入出力端子と電気的に接続されている。即ち、制御部705は、外部磁界に応じて第一センサ部701〜第四センサ部704における第一入出力端子61−第二入出力端子62間(図5参照)に発生した電気出力(例えば電圧)を取得するように設けられている。また、制御部705は、第一センサ部701〜第四センサ部704における配線部4と電気的に接続されている。即ち、制御部705は、上述のブリッジ回路における入出力端子から取得した電気出力に応じて第一センサ部701〜第四センサ部704における配線部4に制御電流を通流させることで、磁気平衡式の磁気検出を実行可能に設けられている。
かかる構成の磁気検出装置700においては、第一センサ部701と第二センサ部702との接続部分における端子電位V01と、第三センサ部703と第四センサ部704との接続部分における端子電位V02との電位差に基づいて、磁界検出が行われる。かかる構成の磁気検出装置700によれば、磁気平衡式の磁界検出時の外乱(例えば温度)の影響が、可及的に抑制され得る。また、かかる構成の磁気検出装置700は、第一センサ部701〜第四センサ部704における着磁用電流の印加状態(即ち通流方向)を適宜調整することで、良好に実現され得る。
(変形例)
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対しては適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態と異なる部分についてのみ説明する。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的に矛盾しない限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対しては適宜変更が可能である。以下、代表的な変形例について説明する。以下の変形例の説明においては、上記実施形態と異なる部分についてのみ説明する。したがって、以下の変形例の説明において、上記実施形態と同一の符号を有する構成要素に関しては、技術的に矛盾しない限り、上記実施形態における説明が適宜援用され得る。
各図においては、いわゆる磁気抵抗素子としての主要な構成が図示されている。即ち、TMR素子等の実際の素子構成に必要な細部(例えば、保護層、下地層、等)については、各図において図示が省略されている。
基板2は、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。信号発生部3を構成する各層も、単層構造であってもよく、多層構造であってもよい。
図1及び図2に示された第1実施形態の構成において、素子部30bは省略され得る。即ち、磁気センサ1には、1つの素子部30aのみが設けられていてもよい。他の実施形態についても同様である。
素子部30aにおける固定層33と、素子部30bにおける固定層33とは、一体的に形成されていてもよい。即ち、1つの固定層33が、素子部30aと素子部30bとの間に跨るように設けられていてもよい。
固定層33の磁化方向は、面直方向と完全に平行(即ち互いのなす角度が完全に0)であるとは限らない。即ち、固定層33の磁化方向は、少なくとも面直方向成分を有していればよい。但し、本発明は面直方向成分がより大きい程、より効果的に適用され得る。したがって、固定層33の磁化方向は、面直方向に沿った方向であることが好適である。
信号発生部3の構成は、いわゆるTMR素子に限定されない。即ち、中間層34は、例えば、Cu、Ag等の導電体によって形成され得る。この場合、磁気センサ1は、巨大磁気抵抗素子としての構成を有している。巨大磁気抵抗素子はGMR素子とも称される。GMRはGiant Magneto Resistanceの略である。また、この場合、信号発生部3における信号線層の構成は、上記の実施形態のものから適宜変更され得る。
自由層35の磁化方向は、面内方向と完全に平行であるとは限らない。但し、面直方向成分を有する外部磁界を良好に検出する観点からは、自由層35の磁化方向は、面内方向に沿った方向であることが好適である。
図1及び図2に示された第1実施形態の構成において、第一配線41又は第二配線42のうちの一方のみが設けられていてもよい。他の実施形態についても同様である。
図3に示された第2実施形態において、素子部30bにおける上部信号線層36と、素子部30cにおける上部信号線層36とは、互いに分離していてもよい。
図5及び図6に示された第4実施形態において、基板幅方向における一方側のY軸配線層432及び436と、基板幅方向における他方側のY軸配線層434とは、面直方向にて互い違いに設けられていた。しかしながら、本発明は、かかる構造に限定されない。即ち、基板幅方向における一方側のY軸配線層432及び436と、基板幅方向における他方側のY軸配線層434とは、互いに同層であってもよい。
図7及び図8に示された第5実施形態において、固定層33は、第一配線層441又は第二配線層451と同層に配置されていてもよい。即ち、固定層33は、面直方向にて第一配線層441又は第二配線層451が設けられた範囲内に設けられてもよい。第一配線層441と第二配線層451とは、面直方向にて互い違いに設けられていてもよい。
面直方向にて、固定層33の一部は、所定範囲Z1外に位置していてもよい。
図9における第三センサ部703及び第四センサ部704は、省略され得る。即ち、図9に示された磁気センサ1は、複数の磁気抵抗素子によるハーフブリッジ回路であってもよい。あるいは、図9における第二センサ部702〜第四センサ部704は、省略され得る。即ち、第1〜第5実施形態のいずれか1つに係る磁気センサ1と制御部705とを接続することで、磁気検出装置700が構成され得る。
上述のブリッジ回路を構成する各センサ部(即ち第一センサ部701等)は、図5及び図6に示された第4実施形態の磁気センサ1と同様の構成に限定されない。即ち、上述のブリッジ回路を構成する各センサ部(即ち第一センサ部701等)は、他の実施形態の磁気センサ1と同様の構成を有する磁気抵抗素子によっても実現され得る。
変形例は、上記の例示に限定されない。また、複数の変形例が、互いに組み合わされ得る。更に、実施形態の全部又は一部と、変形例の全部又は一部とが、互いに組み合わされ得る。
1 磁気センサ
2 基板
21 主面
33 固定層
35 自由層
4 配線部
2 基板
21 主面
33 固定層
35 自由層
4 配線部
Claims (13)
- 主面(21)を有する基板(2)と、
前記主面と平行な第一面内方向(Y)に電流を通流可能に前記主面に沿って形成された導電性部分であって、前記主面と直交する面直方向(Z)における所定範囲(Z1)に設けられた配線部(4)と、
前記主面と非平行な第一の磁化容易軸方向に磁化方向が固定された強磁性体層であって、前記面直方向にて占める範囲が前記所定範囲と重複するように前記主面に沿って設けられ、前記主面と平行で前記第一面内方向と直交する第二面内方向(X)にて前記配線部と所定間隔をおいて隣接配置された固定層(33)と、
第二の磁化容易軸方向を有し外部磁界に応じて磁化方向が可変な強磁性体層であって、前記面直方向に前記基板及び前記固定層と積層された自由層(35)と、
を備えた磁気抵抗素子(1)。 - 前記第一の磁化容易軸方向は前記面直方向に沿った方向である、請求項1に記載の磁気抵抗素子。
- 前記第二の磁化容易軸方向は前記主面と平行な面内方向に沿った方向である、請求項1又は2に記載の磁気抵抗素子。
- 前記配線部は、前記電流の通流により発生する磁界が前記固定層に作用するように配置された、請求項1〜3のいずれか1つに記載の磁気抵抗素子。
- 前記固定層は、前記面直方向にて前記配線部が設けられた範囲内に設けられた、請求項1〜4のいずれか1つに記載の磁気抵抗素子。
- 前記配線部は、前記第一面内方向に延びる直線状に形成され、
前記配線部と前記固定層とは、前記第二面内方向に沿って並ぶように配列された、
請求項1〜5のいずれか1つに記載の磁気抵抗素子。 - 前記固定層は、前記第二面内方向に沿って並ぶように配列された一対の前記配線部の間に配置された、請求項6に記載の磁気抵抗素子。
- 前記配線部は、前記面直方向に並ぶように配列された複数の配線層(432〜436;441、442)を有する、請求項7に記載の磁気抵抗素子。
- 前記配線部は、前記面直方向に沿って見た場合に、前記固定層を取り囲むように設けられた、請求項1〜8のいずれか1つに記載の磁気抵抗素子。
- 前記基板には、前記配線部と前記固定層と前記自由層とを備えたセンサ部(701〜704)が複数設けられ、
複数の前記センサ部のうちの一つである第一センサ部(701)における前記固定層と、複数の前記センサ部のうちの他の一つである第二センサ部(702)における前記固定層とで、磁化方向が異なる、請求項1〜9のいずれか1つに記載の磁気抵抗素子。 - 複数の前記センサ部がブリッジ回路を形成している、請求項10に記載の磁気抵抗素子。
- 請求項1〜11のいずれか1つに記載の磁気抵抗素子と、
前記磁気抵抗素子の出力に応じて前記配線部に制御電流を通流させるように、前記磁気抵抗素子及び前記配線部と電気的に接続された制御部(705)と、
を備えた磁気検出装置(700)。 - 磁気抵抗素子(1)の製造方法であって、
主面(21)を有する基板(2)上に、
前記主面と平行な第一面内方向(Y)に電流を通流可能に前記主面に沿って形成された導電性部分であって、前記主面と直交する面直方向(Z)における所定範囲(Z1)内に設けられた配線部(4)と、
前記主面と非平行な第一の磁化容易軸方向に磁化方向が固定された強磁性体層であって、前記面直方向にて占める範囲が前記所定範囲と重複するように前記主面に沿って設けられ、前記主面と平行で前記第一面内方向と直交する第二面内方向(X)にて前記配線部と所定間隔をおいて隣接配置された固定層(33)と、
第二の磁化容易軸方向を有し外部磁界に応じて磁化方向が可変な強磁性体層であって、前記面直方向に前記基板及び前記固定層と積層された自由層(35)と、
を形成し、
前記配線部に前記電流を通流させることで、前記固定層を前記第一の磁化容易軸方向に磁化させる、
磁気抵抗素子の製造方法。
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- 2016-09-12 JP JP2016177860A patent/JP2018046061A/ja active Pending
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