JP2018043582A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Kazunari Yano
一成 矢野
伊藤 芳輝
Yoshiteru Ito
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Abstract

【課題】エンジンの実回転速度を目標回転速度に好適に追従させるようモータジェネレータがフィードバックトルクを出力することができるハイブリッド車両の制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジン2と、バッテリ21から供給される電力によって動作する第1モータジェネレータ4と第2モータジェネレータ5とによって生成された動力を、動力伝達機構11を介して駆動軸7に出力するハイブリッド車両の制御装置において、少なくともバッテリ21の充電状態に基づいて算出される基本トルクに優先して、エンジン回転速度を目標エンジン回転速度に追従させるためのフィードバックトルクが出力されるように第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5を制御するハイブリッドECU52を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、エンジン及びモータジェネレータの動力が動力伝達機構を介して駆動軸に伝達されるハイブリッド車両において、エンジンとモータジェネレータを協調制御することで駆動制御を行うハイブリッド車両の制御装置が知られている。
特許文献1では、このようなハイブリッド車両において、エンジンの回転速度が目標回転速度へ収束するようにモータジェネレータのトルクを制御する技術が提案されている。
特開2015−98205号公報
特許文献1に開示されているようなハイブリッド車両では、基準トルクにフィードバック補正トルクが加算された値がモータジェネレータのトルク指令値として算出され、モータジェネレータはトルク指令値を出力するよう制御される。
ところで、モータジェネレータがトルクを出力する際には、モータジェネレータがトルクを出力することにより消費または充電される電力がバッテリの充放電制限値を超過する可能性がある。
このため、バッテリの充放電制限値に基づいてモータジェネレータの出力するトルクが制限されることがある。
しかしながら、特許文献1に記載されているハイブリッド車両において、バッテリの充放電制限値に基づいてモータジェネレータの出力するトルクが制限されると、フィードバック補正トルクが充分に出力されない恐れがあった。このため、エンジン回転速度の目標回転速度への追従性を向上させることに関して未だ改善の余地があった。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、エンジンの実回転速度を目標回転速度に好適に追従させるようモータジェネレータがフィードバックトルクを出力することのできるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
エンジンと、バッテリから供給される電力によって動作するモータジェネレータとの動力を、動力伝達機構を介して駆動軸に出力するハイブリッド車両の制御装置において、少なくとも前記バッテリの充電状態に基づいて算出される基本トルクと前記エンジンの回転速度を目標回転速度に追従させるためのフィードバックトルクとを合算した指令トルクを前記モータジェネレータが出力するように前記モータジェネレータを制御する制御部を有し、前記制御部は、前記基本トルクに優先して前記フィードバックトルクが出力されるよう前記モータジェネレータを制御するものである。
この発明によると、エンジンの実回転速度を目標回転速度に好適に追従させるようモータジェネレータがフィードバックトルクを好適に出力することができる。
図1は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両を示す構成図である。 図2は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の各軸の回転速度の第1の関係を示す共線図である。 図3は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の各軸の回転速度の第2の関係を示す共線図である。 図4は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の制御装置において、フィードバックパワーの算出に関する機能ブロック図である。 図5は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の制御装置において、制限後目標電力の算出に関する機能ブロック図である。 図6は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の制御装置において、トルク制御に関する機能ブロック図である。 図7は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の制御装置において、目標駆動トルクを算出するために参照されるマップである。 図8は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の制御装置において、目標充放電パワーを算出するために参照されるマップである。 図9は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の制御装置において、エンジンの目標動作点を算出するために参照されるマップを示す図である。 図10は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の制御装置によって実行される、モータジェネレータの制御処理を説明するフローチャートである。 図11は、本発明の実施例に係るハイブリッド車両における、モータジェネレータパワーを従来例と比較した図である。
本発明の一実施の形態に係るハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと、バッテリから供給される電力によって動作するモータジェネレータとの動力を、動力伝達機構を介して駆動軸に出力するハイブリッド車両の制御装置において、少なくとも前記バッテリの充電状態に基づいて算出される基本トルクと前記エンジンの回転速度を目標回転速度に追従させるためのフィードバックトルクとを合算した指令トルクをモータジェネレータが出力するようにモータジェネレータを制御する制御部を有し、制御部は、基本トルクに優先してフィードバックトルクが出力されるようモータジェネレータを制御する。これにより、本実施の形態に係るハイブリッド車両の制御装置は、エンジンの実回転速度を目標回転速度に好適に追従させるようモータジェネレータがフィードバックトルクを好適に出力することができる。
図1から図11を用いて、本発明の実施例に係るハイブリッド車両の制御装置について説明する。
図1に示すように、本実施例に係るハイブリッド車両1は、内燃機関型のエンジン2と、第1モータジェネレータ4と、第2モータジェネレータ5と、駆動輪6と、駆動輪6に動力を伝達可能に連結された駆動軸7と、第1遊星歯車機構8と、第2遊星歯車機構9と、第3遊星歯車機構10と、第1インバータ19と、第2インバータ20と、ハイブリッドECU(Electronic Control Unit)52と、エンジンECU(Electronic Control Unit)53と、モータECU(Electronic Control Unit)54と、バッテリECU(Electronic Control Unit)55とを含んで構成される。本実施例に係るハイブリッド車両1は、エンジン2と、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5の少なくとも1つのモータジェネレータとの動力を、後述する動力伝達機構11を介して駆動軸7に出力するようになっている。
(エンジン)
エンジン2は、吸気行程、圧縮行程、膨張行程及び排気行程からなる一連の4行程を行う4サイクルのエンジンによって構成されている。エンジン2の出力軸3は、第1遊星歯車機構8と第2遊星歯車機構9とに連結されている。
(第1モータジェネレータ)
第1モータジェネレータ4は、ロータ軸13と、ロータ14と、ステータ15とを有している。ロータ14には、複数の永久磁石が埋め込まれている。ステータ15は、ステータコア及びステータコアに巻き掛けられた三相コイルを有している。ステータ15の三相コイルは、第1インバータ19に接続されている。
このように構成された第1モータジェネレータ4において、ステータ15の三相コイルに三相交流電力が供給されると、ステータ15によって回転磁界が形成される。この回転磁界にロータ14に埋め込まれた永久磁石が引かれることにより、ロータ14がロータ軸13周りに回転駆動される。すなわち、第1モータジェネレータ4は、電動機として機能し、ハイブリッド車両1を駆動する駆動力を生成することができる。
また、ロータ14がロータ軸13周りに回転すると、ロータ14に埋め込まれた永久磁石によって回転磁界が形成され、この回転磁界によりステータ15の三相コイルに誘導電流が流れることにより、三相の交流電力が発生する。すなわち、第1モータジェネレータ4は、発電機としても機能する。
(第1インバータ)
第1インバータ19は、モータECU54の制御により、バッテリ21などから供給された直流の電力を三相の交流電力に変換する。この三相の交流電力は、第1モータジェネレータ4のステータ15の三相コイルに供給される。
第1インバータ19は、モータECU54の制御により、第1モータジェネレータ4によって生成された三相の交流電力を直流の電力に変換する。この直流の電力は、例えば、バッテリ21を充電する。
(第2モータジェネレータ)
第2モータジェネレータ5は、ロータ軸16と、ロータ17と、ステータ18とを有している。ロータ17には、複数の永久磁石が埋め込まれている。ステータ18は、ステータコア及びステータコアに巻き掛けられた三相コイルを有している。ステータ18の三相コイルは、第2インバータ20に接続されている。
このように構成された第2モータジェネレータ5において、ステータ18の三相コイルに三相交流電力が供給されると、ステータ18によって回転磁界が形成される。この回転磁界にロータ17に埋め込まれた永久磁石が引かれることにより、ロータ17がロータ軸16周りに回転駆動される。すなわち、第2モータジェネレータ5は、電動機として機能し、ハイブリッド車両1を駆動する駆動力を生成することができる。
また、ロータ17がロータ軸16周りに回転すると、ロータ17に埋め込まれた永久磁石によって回転磁界が形成され、この回転磁界によりステータ18の三相コイルに誘導電流が流れることにより、三相の交流電力が発生する。すなわち、第2モータジェネレータ5は、発電機としても機能する。
(第2インバータ)
第2インバータ20は、モータECU54の制御により、バッテリ21などから供給された直流の電力を三相の交流電力に変換する。この三相の交流電力は、第2モータジェネレータ5のステータ18の三相コイルに供給される。
第2インバータ20は、モータECU54の制御により、第2モータジェネレータ5によって生成された三相の交流電力を直流の電力に変換する。この直流の電力は、例えば、バッテリ21を充電する。
(第1遊星歯車機構)
第1遊星歯車機構8は、サンギア22と、サンギア22の外歯に噛み合う複数のプラネタリギア23と、複数のプラネタリギア23に内歯が噛み合うリングギア25と、プラネタリギア23を自転可能に支持するプラネタリキャリア24とを備えている。
(第2遊星歯車機構)
第2遊星歯車機構9は、サンギア26と、サンギア26の外歯に噛み合う複数のプラネタリギア27と、複数のプラネタリギア27に内歯が噛み合うリングギア29と、プラネタリギア27を自転可能に支持するプラネタリキャリア28とを備えている。
(第3遊星歯車機構)
第3遊星歯車機構10は、サンギア30と、サンギア30の外歯に噛み合う複数のプラネタリギア31と、複数のプラネタリギア31に内歯が噛み合うリングギア32と、プラネタリギア31を自転可能に支持するプラネタリキャリア33とを備えている。
第1遊星歯車機構8のサンギア22は、第1モータジェネレータ4のロータ14と一体に回転するように、中空のロータ軸13に連結されている。第1遊星歯車機構8のプラネタリキャリア24と、第2遊星歯車機構9のサンギア26とは、エンジン2の出力軸3と一体に回転するように連結されている。
第1遊星歯車機構8のリングギア25には、第2遊星歯車機構9のプラネタリギア27がロータ軸13周りに公転するようにプラネタリキャリア28を介して連結されている。また、第1遊星歯車機構8のリングギア25は、デファレンシャルギア及びその他のギアを含むギア機構35を介して駆動軸7を回転させるように設けられている。
第2遊星歯車機構9のリングギア29には、第3遊星歯車機構10のプラネタリギア31がロータ軸16周りに公転するようにプラネタリキャリア33を介して連結されている。
第3遊星歯車機構10のリングギア32は、ケース34に固定されている。第3遊星歯車機構10のサンギア30は、第2モータジェネレータ5のロータ17と一体に回転するようにロータ軸16に連結されている。
第1遊星歯車機構8、第2遊星歯車機構9及び第3遊星歯車機構10は、動力伝達機構11を構成する。動力伝達機構11は、エンジン2の出力軸3と、第1モータジェネレータ4の出力軸としてのロータ軸13と、第2モータジェネレータ5の出力軸としてのロータ軸16と、ギア機構35を介して駆動軸7とが連結された遊星歯車機構を構成する。
このように、動力伝達機構11は、エンジン2と、第1モータジェネレータ4と、第2モータジェネレータ5と、駆動軸7との間で駆動力を授受させるようになっている。例えば、動力伝達機構11は、エンジン2と、第1モータジェネレータ4と、第2モータジェネレータ5とによって生成された動力を駆動軸7に伝達するようになっている。
図2に示すように、第2モータジェネレータ5のロータ軸16の回転速度と、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度と、第3遊星歯車機構10のリングギア32の回転速度との関係は、共線図で表すことができる。図2に示す共線図において、各縦軸は、図中、左から第3遊星歯車機構10のリングギア32の回転速度(図中、R3)、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度(図中、R2)、第2モータジェネレータ5のロータ軸16の回転速度(図中、MG2)をそれぞれ表している。
第3遊星歯車機構10のリングギア32は、固定されているため、第3遊星歯車機構10は、第2モータジェネレータ5のロータ軸16の駆動力を減速して第2遊星歯車機構9のリングギア29に伝達するリダクションギアを構成する。
第3遊星歯車機構10のリングギア32の歯数をZR3とし、第3遊星歯車機構10のサンギア30の歯数をZS3とすると、第3遊星歯車機構10のレバー比、すなわち、リダクションギア比Krは、ZR3/ZS3となる。
以上より、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度Nmg2_rgと、第2モータジェネレータ5のロータ軸16の回転速度(以下、「MG2回転速度」という)Nmg2との関係は、以下の式(1)で表すことができる。
Nmg2_rg=Nmg2/(1+Kr)・・・(1)
図3に示すように、第1モータジェネレータ4のロータ軸13の回転速度と、エンジン2の出力軸3の回転速度と、ギア機構35を介して駆動輪6に動力を伝達する第1遊星歯車機構8のリングギア25の回転速度と、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度との関係は、共線図で表すことができる。
図3に示す共線図において、各縦軸は、図中、左から第1モータジェネレータ4のロータ軸13の回転速度(図中、MG1)と、エンジン2の出力軸3の回転速度(図中、ENG)と、第1遊星歯車機構8のリングギア25の回転速度(図中、OUT)と、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度(図中、R2)をそれぞれ表している。
第1遊星歯車機構8のサンギア22の歯数をZS1とし、第1遊星歯車機構8のリングギア25の歯数をZR1とすると、第1遊星歯車機構8のレバー比K1は、ZR1/ZS1となる。
第2遊星歯車機構9のサンギア26の歯数をZS2とし、第2遊星歯車機構9のリングギア29の歯数をZR2とすると、第2遊星歯車機構9のレバー比K2は、ZS2/ZR2となる。
以上より、駆動軸7の回転速度に比例する第1遊星歯車機構8のリングギア25の回転速度(以下、駆動回転速度Noutという。)と、第1モータジェネレータ4のロータ軸13の回転速度(以下、「MG1回転速度」という)Nmg1と、第2遊星歯車機構9のリングギア29の回転速度Nmg2_rgとの関係は、以下の式(2)で表すことができる。
Nout=(K2×Nmg1+(1+K1)×Nmg2_rg)/(1+K1+K2)・・・(2)
ハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、バックアップ用のデータなどを保存するフラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによってそれぞれ構成されている。
これらのコンピュータユニットのROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットをハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55としてそれぞれ機能させるためのプログラムが格納されている。
すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、これらのコンピュータユニットは、本実施例におけるハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55としてそれぞれ機能する。
ハイブリッド車両1には、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車内LAN(Local Area Network)を形成するためのCAN通信線39が設けられている。ハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55は、CAN通信線39を介して制御信号等の信号の送受信を相互に行う。
ハイブリッドECU52は、主として、エンジンECU53、モータECU54及びバッテリECU55などの各種ECUを統括的に制御する。エンジンECU53は、主として、エンジン2を制御する。
また、ハイブリッドECU52は、後述する方法で算出した駆動回転速度から車速を算出する。なお、本実施例におけるハイブリッドECU52は、本発明における制御部に相当する。
モータECU54は、主として、第1インバータ19及び第2インバータ20を介して第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5をそれぞれ制御する。バッテリECU55は、主として、バッテリ21の状態を管理する。
また、モータECU54は、第1インバータ19及び第2インバータ20を介して実際のMG1回転速度Nmg1及び実際のMG2回転速度Nmg2を算出する。
ハイブリッドECU52は、モータECU54によって算出された実際のMG1回転速度Nmg1及び実際のMG2回転速度Nmg2から式(1)及び(2)を用いて実際の駆動回転速度(以下、「実駆動回転速度」という)Noutを算出する。
また、ハイブリッドECU52は、モータECU54によって算出された実際のMG1回転速度Nmg1及び実際のMG2回転速度Nmg2から式(3)を用いて実際のエンジン回転速度(以下、「実エンジン回転速度」という)Negを算出する。
Neg=((1+K2)×Nmg1+K1×Nmg2)/(1+K1+K2)・・・(3)
バッテリECU55の入力ポートには、バッテリ状態検出センサ60が接続されている。バッテリ状態検出センサ60は、バッテリ21の充放電電流、電圧及びバッテリ温度を検出する。バッテリECU55は、バッテリ状態検出センサ60から入力される充放電電流の値、電圧の値及びバッテリ温度の値に基づき、バッテリ21の残容量(以下、「SOC」という)などを検出する。
また、バッテリECU55は、バッテリ21の電圧、温度、SOCに基づいてバッテリ21の充放電電力を制限するための制限値(以下、「バッテリ充放電制限値」)Pbtlmtを算出する。なお、バッテリ充放電制限値Pbtlmtとは、具体的には放電側の制限値であり正の値で表されるバッテリ充放電上限値Pbtlmt_highと、充電側の制限値であり負の値で表されるバッテリ充放電下限値Pbtlmt_lowとの両値をまとめて表すものである。ここで、バッテリ充放電制限値Pbtlmtは、バッテリ21を正常に使用することができる状態であればバッテリ21の充放電電力の制限が緩く、バッテリ21を正常に使用することが困難である状態であればバッテリ21の充放電電力の制限が厳しくなるような値に設定される。ここで、制限が緩いとは、バッテリ21の充電及び放電を許容する方向に制限値が設定されることを示し、具体的には制限値の絶対値が相対的に大きいことを示す。制限が厳しいとは、バッテリ21の充電及び放電が禁止される方向に制限値が設定されることを示し、具体的には制限値の絶対値が相対的に小さいことを示す。
具体的には、SOCまたはバッテリ電圧が所定範囲内である場合、バッテリ充放電上限値Pbtlmt_highは一定の値に設定され、SOCまたはバッテリ電圧が該所定範囲の下限値よりも小さい場合においてはSOCまたはバッテリ電圧が小さくなるほど、バッテリ充放電上限値Pbtlmt_highは小さくなるように設定される。また、バッテリ温度が所定範囲内である場合、バッテリ充放電上限値Pbtlmt_highは一定の値に設定され、バッテリ温度が該所定範囲の上限値よりも大きい場合においてはバッテリ温度が大きくなるほど、または該所定範囲の下限値よりも小さい場合においてはバッテリ温度が小さくなるほど、バッテリ充放電上限値Pbtlmt_highは小さくなるように設定される。
また、SOCまたはバッテリ電圧が所定範囲内である場合、バッテリ充放電下限値Pbtlmt_lowは一定の値に設定され、SOCまたはバッテリ電圧が該所定範囲の上限値よりも大きい場合においてはSOCまたはバッテリ電圧が大きくなるほど、バッテリ充放電下限値Pbtlmt_lowは大きくなるよう設定される。また、バッテリ温度が所定範囲内である場合、バッテリ充放電下限値Pbtlmt_lowは一定の値に設定され、バッテリ温度が該所定範囲の上限値よりも大きい場合においてはバッテリ温度が大きくなるほど、バッテリ充放電下限値Pbtlmt_lowは大きくなるよう設定される。
なお、上述したSOCまたはバッテリ電圧における所定範囲や、バッテリ温度における所定範囲とは、バッテリ21の充放電電力を制限する必要がないと判断される範囲であり、任意範囲を所定範囲として設定されるものであればよい。また、所定範囲は必ずしも複数の値を包括する範囲である必要はなく、ある所定値のみを所定範囲として設定するものであってもよい。
バッテリ状態検出センサ60は、例えば、バッテリ21の充放電電流を検出する電流センサと、バッテリ21の電圧を検出する電圧センサと、バッテリ温度を検出する温度センサとを含んで構成される。なお、電流センサと電圧センサと温度センサとは、個別に設けてもよい。
ハイブリッドECU52の入力ポートには、アクセルペダル61の操作量(以下、単に「アクセル開度」という)を検出するアクセル開度センサ62が接続されている。
次に、図4から図9を用いて、エンジン2、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5の出力制御について説明する。
ハイブリッドECU52は、後述する方法で算出された目標エンジン回転速度Negreqと、実エンジン回転速度Negと、実際のMG1回転速度Nmg1及び実際のMG2回転速度Nmg2と、を用いてフィードバックパワーを算出する。ここで、フィードバックパワーとは、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5がフィードバックトルクを出力する際に消費される電力である。また、フィードバックトルクとは、実エンジン回転速度Negを目標エンジン回転速度Negreqに追従させるために第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5が出力するトルクの成分である。
なお、本実施例において、パワーとは、トルクに回転速度を乗算した値に比例し、エンジン2、第1モータジェネレータ4、第2モータジェネレータ5及び駆動軸7の各回転体におけるトルク及び回転速度の組み合わせによって一意に決まる。
ハイブリッドECU52は、目標エンジン回転速度Negreqと、実エンジン回転速度Negから式(4)及び(5)を用いて、実エンジン回転速度Negを目標エンジン回転速度Negreqに追従させるために第1モータジェネレータ4が出力するフィードバックトルク(以下、「MG1フィードバックトルク」とする)Tmg1fb、及び第2モータジェネレータ5が出力するフィードバックトルク(以下、「MG2フィードバックトルク」とする)Tmg2fbを算出する(フィードバックトルク算出部101)。なお、ここでフィードバックゲインGは、実エンジン回転速度Negを目標エンジン回転速度Negreqに追従させるために、出力軸3に出力されるトルクを算出するための係数である。
Tmg1fb=(Negreq−Neg)×G×(1+K2)/(1+K1+K2)・・・(4)
Tmg2fb=(Negreq−Neg)×G×K1/(1+K1+K)・・・(5)
ハイブリッドECU52は、算出したMG1フィードバックトルクTmg1fb及びMG2フィードバックトルクTmg2fbと、MG1回転速度Nmg1及びMG2回転速度Nmg2を用いてフィードバックパワーを算出する(フィードバックパワー算出部102)。具体的には、ハイブリッドECU52は、MG1フィードバックトルクTmg1fbとMG1回転速度Nmg1とを乗算した値をMG1フィードバックパワーPmg1fbとして算出し、MG2フィードバックトルクTmg2fbとMG2回転速度Nmg2とを乗算した値をMG2フィードバックパワーPmg2fbとして算出する。さらに、ハイブリッドECU52は、算出したMG1フィードバックパワーPmg1fbとMG2フィードバックパワーPmg2fbとを合算した値をフィードバックパワーPmgfbとして算出する。
上述したように、ハイブリッドECU52は、フィードバックトルク算出部101、フィードバックパワー算出部102としての機能を有する。
ハイブリッドECU52は、算出した実駆動回転速度Noutとタイヤ外径とギア機構35のギア比とを乗算することにより車速を算出する。ハイブリッドECU52は、アクセル開度センサ62によって検出されたアクセル開度と、上述の通り算出した車速と、バッテリ21のSOCとに基づいて、エンジン動作点の目標値(以下、「エンジン目標動作点」という)である目標エンジン回転速度Negreqと目標エンジントルクTegとを算出する。
ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリには、図7に示すような目標駆動トルク検索マップが格納されている。目標駆動トルク検索マップでは、アクセル開度と車速とに対してハイブリッド車両1の目標駆動トルクが対応付けられている。
ハイブリッドECU52は、アクセル開度センサ62によって検出されたアクセル開度と、算出された車速とに対して、この目標駆動トルク検索マップによって対応付けられた目標駆動トルクTaを特定する(目標駆動トルク算出部201)。ハイブリッドECU52は、特定した目標駆動トルクTaと車速とギア機構35のギア比を乗算することにより、目標駆動パワーPreqを算出する(目標駆動パワー算出部202)。ギア機構35のギア比は、ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリに格納されている。
また、ハイブリッドECU52のROM又はフラッシュメモリには、図8に示すような目標充放電パワー検索マップが格納されている。目標充放電パワー検索マップでは、バッテリ21のSOCに対して、目標充放電パワーが対応付けられている。ハイブリッドECU52は、バッテリECU55から送信されたバッテリ21のSOCに対して、目標充放電パワー検索マップによって対応付けられた目標充放電パワーPcrgを特定する(目標充放電パワー算出部203)。なお、目標充放電パワーPcrgは、放電側が正の値であり、充電側が負の値となるよう設定される。
ハイブリッドECU52は、目標駆動パワーPreqから目標充放電パワーPcrgを減算した値を目標エンジンパワーPegとして算出する(目標エンジンパワー算出部204)。このとき、算出された目標エンジンパワーPegが、ハイブリッド車両1の運転状態に応じたエンジンパワーの最大値より大きい値である場合は、ハイブリッド車両1の運転状態に応じたエンジンパワーの最大値を目標エンジンパワーPegとする。
ハイブリッドECU52は、算出された車速と目標エンジンパワーPegに基づいて図9に示すような目標動作点検索マップを参照してエンジン目標動作点を算出する(目標エンジン動作点算出部205)。ここでいう動作点とは、エンジン2の回転速度とエンジントルクの組み合わせを表すものである。具体的には、等パワーラインと車速に応じた動作点ラインとの交点をエンジン目標動作点とし、目標エンジン回転速度Negreqと目標エンジントルクTegとを算出する。
ハイブリッドECU52は、目標エンジンパワーPegと、目標駆動パワーPreqとの偏差を目標電力Pmgとして算出する(目標電力算出部206)。なお、算出された目標エンジンパワーPegが、車両の運転状態に応じたエンジンパワーの最大値以下である場合、目標電力Pmgは目標充放電パワーPcrgと同値になる。
ハイブリッドECU52は、バッテリECU55によって算出されたバッテリ充放電制限値Pbtlmtと、フィードバックパワーPmgfbとを用いて補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorを算出する(バッテリ充放電制限値補正部207)。具体的には、ハイブリッドECU52は、フィードバックパワーPmgfbによってバッテリ充放電制限値Pbtlmtを補正した値を補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorとして算出する。より詳細には、ハイブリッドECU52は、フィードバックパワーPmgfbとバッテリ充放電上限値Pbtlmt_highとの偏差を補正後バッテリ充放電上限値Pbtlmtcor_high、フィードバックパワーPmgfbとバッテリ充放電下限値Pbtlmt_lowとの偏差を補正後バッテリ充放電下限値Pbtlmtcor_lowとして算出する。例えば、ハイブリッドECU52は、バッテリ充放電上限値Pbtlmt_high及びバッテリ充放電下限値Pbtlmt_lowからフィードバックパワーPmgfbをそれぞれ減算した値を、補正後バッテリ充放電上限値Pbtlmtcor_high、補正後バッテリ充放電下限値Pbtlmtcor_lowとして算出する。この補正後バッテリ充放電上限値Pbtlmtcor_high及び補正後バッテリ充放電下限値Pbtlmtcor_lowの両値をまとめて補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorと表す。
ハイブリッドECU52は、目標電力Pmgと補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorとを用いて、制限後目標電力Pmglmtを算出する(目標電力制限部208)。具体的には、目標電力Pmgが正の値である場合、ハイブリッドECU52は、目標電力Pmgと補正後バッテリ充放電上限値Pbtlmtcor_highとにおいて、小さい方の値を制限後目標電力Pmglmtとして算出する。目標電力Pmgが負の値である場合、ハイブリッドECU52は、目標電力Pmgと補正後バッテリ充放電下限値Pbtlmtcor_lowとにおいて、大きい方、すなわち絶対値が小さい方の値を制限後目標電力Pmglmtとして算出する。
上述したように、ハイブリッドECU52は、目標駆動トルク算出部201、目標駆動パワー算出部202、目標充放電パワー算出部203、目標エンジンパワー算出部204、目標エンジン動作点算出部205、目標電力算出部206、バッテリ充放電制限値補正部207、目標電力制限部208としての機能を有する。
ハイブリッドECU52は、実際のMG1回転速度Nmg1と、実際のMG2回転速度Nmg2と、制限後目標電力Pmglmtと、目標エンジントルクTegと、MG1フィードバックトルクTmg1fb及びMG2フィードバックトルクTmg2fbとを用いて、指令トルクを算出する。ここで、指令トルクとは、第1モータジェネレータ及び第2モータジェネレータが出力するトルクの総量であり、本実施例においてはフィードバックトルクと後述する基本トルクとの総和である。この指令トルクは、具体的には、第1モータジェネレータ4が出力するよう制御される指令トルク(以下、「MG1指令トルク」とする。)Tmg1と、第2モータジェネレータ5が出力するよう制御される指令トルク(以下、「MG2指令トルク」とする。)Tmg2とのことを表す。
ハイブリッドECU52は、モータECU54によって算出された実際のMG1回転速度Nmg1、MG2回転速度Nmg2と、制限後目標電力Pmglmt及び目標エンジントルクTegとに基づいて、第1モータジェネレータ4の基本トルク(以下、「MG1基本トルク」とする。)Tmg1i、第2モータジェネレータ5の基本トルク(以下、「MG2基本トルク」とする。)Tmg2iを算出する(基本トルク算出部301)。具体的な算出方法については以下に示す。
制限後目標電力Pmglmtは、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5の出力により充電または消費される電力を表すものであり、以下の電力バランス式として式(6)で表すことができる。
Pmglmt=Nmg1×Tmg1i+Nmg2×Tmg2i・・・(6)
なお、基本トルクとは、バッテリ21の充放電電力を満たすために第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5が出力するトルクである。本実施例において、基本トルクは制限後目標電力Pmglmtに基づいて算出されるものであるが、制限後目標電力Pmglmtが目標電力Pmgと同値であり、かつ、目標電力Pmgが目標充放電パワーPcrgと同値である場合、式(6)における左辺は目標充放電パワーPcrgとなる。
また、図2及び図3の共線図を参照したときの、駆動軸を基準とするトルクバランス式として、エンジン2、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5のトルクの関係を以下の式(7)で表すことができる。
Teg+Tmg1i×(1+K1)=Tmg2i×(1+Kr)×K2・・・(7)
ハイブリッドECU52は、式(6)、(7)を用いてMG1基本トルクTmg1i、MG2基本トルクTmg2iを算出する。
ハイブリッドECU52は、算出したMG1基本トルクTmg1i及びMG2基本トルクTmg2iと、MG1フィードバックトルクTmg1fb及びMG2フィードバックトルクTmg2fbとを用いて指令トルクを算出する(指令トルク算出部302)。具体的には、MG1基本トルクTmg1iとMG1フィードバックトルクTmg1fbとを合算した値をMG1指令トルクTmg1として算出し、MG2基本トルクTmg2iとMG2フィードバックトルクTmg2fbとを合算した値をMG2指令トルクとして算出する。
上述したように、ハイブリッドECU52は、基本トルク算出部301、指令トルク算出部302としての機能を更に有する。
ハイブリッドECU52は、上述したように、フィードバックトルクを算出し、フィードバックトルクを出力する際に消費されるフィードバックパワーPmgfbに鑑みて算出された制限後目標電力Pmglmtに基づいて基本トルクを算出する。フィードバックトルクは、実エンジン回転速度Negを目標エンジン回転速度Negreqに追従させるために、目標エンジン回転速度Negreqと実エンジン回転速度Negを用いて算出されるものであり、その他のパラメータによって制限されることなく確保されるものである。
これに対して、基本トルクは、目標駆動トルクTaとバッテリ21の充放電電力を満たすために第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5が出力するトルクである。このため、基本トルクは、このような目的を満たすためには目標電力Pmgに基づいて、バッテリ充放電制限値Pbtlmtを越えない範囲で制限なく算出されることが望ましい。ところが、目標電力Pmgに基づき制限なく算出された基本トルクを出力すると、図11の「従来技術」に示すように、フィードバックパワーPmgfbと目標電力Pmgとを合算した消費電力がバッテリ充放電制限値を超過してしまうおそれがある。
本実施例における基本トルクは、制限後目標電力Pmglmtに基づいて算出されるものである。すなわち、本実施例における基本トルクは、図11の「本実施例」に示すように、バッテリ充放電制限値PbtlmtとフィードバックパワーPmgfbとの偏差である補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorを上限値として、目標電力Pmgが、制限された値である、制限後目標電力Pmglmtに基づき算出される。したがって、本実施例では、図11の「本実施例」に示すように、フィードバックパワーPfbと目標電力Pmgとを合算した消費電力がバッテリ充放電制限値を超過することがない。
補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorは、換言すれば、フィードバックトルクを確保した上でフィードバックパワーPmgfbによってさらに制限された、バッテリ21が充放電を行うことのできる制限値である。
すなわち、本実施例における基本トルクとは、フィードバックトルクが確保された上でフィードバックパワーPmgfbによって制限された、可能な限りバッテリ21の充放電電力を満たすために第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5が出力するトルクである。
このように、本実施例では、基本トルクよりもフィードバックトルクが優先的に確保される。すなわち、基本トルクは、フィードバックトルクを出力することに鑑みて算出される補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorに基づき制限されるが、フィードバックトルクは補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorに基づき制限されない。したがって、本実施例では、フィードバックトルクが制限なく出力される一方で、基本トルクが補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorに基づき制限された状態で出力される。
以上のように、フィードバックトルクと基本トルクとの関係は、基本トルクよりもフィードバックトルクが優先して算出され、基本トルクよりもフィードバックトルクが優先して出力される関係である。なお、ここで「優先して算出」とは、基本トルクとフィードバックトルクの算出過程において、基本トルクがバッテリ充放電制限値Pbtlmt以外にフィードバックトルクの算出結果という他のパラメータによって制限される一方で、フィードバックトルクがバッテリ充放電制限値Pbtlmt以外の他のパラメータによって制限されないことをいう。また、「優先して出力」とは、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5から出力されるトルクのうち、基本トルクが上述のように制限されているのに対して、フィードバックトルクが上述のように制限されていないことをいう。
本実施例においては、フィードバックトルクが算出され、フィードバックパワー成分によって制限された値である補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtに基づいて基本トルクが算出されるものとして説明したが、フィードバックトルクが確保される事と基本トルクが確保される事とを比較して、フィードバックトルクが確保されることが優先されていればよい。
次に、図10を参照して、以上のように構成された本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置におけるモータジェネレータの制御処理について説明する。なお、以下に説明するモータジェネレータの制御処理は、ハイブリッドECU52及びモータECU54が作動している間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。
図10に示すように、まず、ハイブリッドECU52は、実駆動回転速度Noutに基づいて算出した車速と、アクセル開度とに基づいて目標駆動トルクTaを算出する(ステップS1)。
ステップS1の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、目標駆動トルクTaと算出した車速とギア機構35のギア比とを乗算して目標駆動パワーPreqを算出する(ステップS2)。
ステップS2の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、目標駆動パワーPreqから目標充放電パワーPcrgを減算して目標エンジンパワーPegを算出する(ステップS3)。
ステップS3の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、目標エンジンパワーPegと目標駆動パワーPreqとの偏差を目標電力Pmgとして算出する(ステップS4)。
ステップS4の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、目標エンジン回転速度Negreqと実エンジン回転速度NegとMG1回転速度Nmg1及びMG2回転速度Nmg2からフィードバックパワーPmgfbを算出する(ステップS5)。
ステップS5の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、バッテリ充放電制限値PbtlmtとフィードバックパワーPmgfbとの偏差を補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorとして算出する(ステップS6)。
ステップS6の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、目標電力Pmgと補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorとに応じて制限後目標電力Pmglmtを算出する(ステップS7)。
ステップS7の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、制限後目標電力Pmglmtを用いてMG1基本トルクTmg1i及びMG2基本トルクTmg2iを算出する(ステップS8)。
ステップS8の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、MG1基本トルクTmg1i及びMG2基本トルクTmg2iにMG1フィードバックトルクTmg1fb及びMG2フィードバックトルクTmg2fbをそれぞれ加算した値をMG1指令トルクTmg1及びMG2指令トルクTmg2として算出する(ステップS9)。
ステップS9の処理を実行した後、ハイブリッドECU52は、第1モータジェネレータ4がMG1指令トルクTmg1を出力し、第2モータジェネレータ5がMG2指令トルクTmg2を出力するよう、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5を制御し、本制御処理を終了する(ステップS10)。
このように、本実施例では、ハイブリッドECU52が、フィードバックパワーPmgfbによって制限された制限後目標電力Pmglmtに基づいて基本トルクを算出する。そして、ハイブリッドECU52が、基本トルクとフィードバックトルクとの合算値である指令トルクが出力されるよう第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5を制御する。
このため、図11に示すように、本実施例に係るハイブリッド車両の制御装置は、バッテリ充放電制限値PbtlmtとフィードバックパワーPmgfbとの偏差である補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorに基づいて基本トルクを出力する際に消費される電力(目標電力)が制限されることとなる。換言すれば、補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorが制限後目標電力Pmglmtとして算出される。この結果、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5の出力によって消費される電力値はフィードバックパワーPmgfbと制限後目標電力Pbtlmtの合算値であるため、該電力値、すなわちバッテリ21の消費電力がバッテリ充放電制限値Pbtlmtを超過することを防止することができる。
また、本実施例では、ハイブリッドECU52が、フィードバックパワーPmgfbを確保しつつ、制限後目標電力Pmglmtを用いて基本トルクを算出する。このため、基本トルクに優先して、フィードバックトルクが制限されることなく第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5から出力される。この結果、エンジン2の実エンジン回転速度Negを目標エンジン回転速度Negreqに好適に追従させるよう第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5がフィードバックトルクを出力することができる。
なお、上述の実施例において、基本トルクは、バッテリ充放電制限値PbtlmtとフィードバックパワーPmgfbとの差分である補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorと目標電力Pmgとの大小関係に応じて算出されるものであるが、その他の実施例として、例えば目標電力Pmgに基づいて基本トルクを算出し、補正後バッテリ充放電制限値Pbtlmtcorに基づいて基本トルク制限値を算出し、基本トルクを基本トルク制限値によって制限する構成であってもよい。また、フィードバックトルクと基本トルクとを別々で算出した上で、算出されたフィードバックトルクを出力することを優先して基本トルクから制限される構成であってもよい。このような構成であっても、フィードバックトルクが確保されつつ、基本トルクが制限されるため、第1モータジェネレータ4及び第2モータジェネレータ5は好適にフィードバックトルクを出力することができる。
さらに、上述の実施例において、ハイブリッドECU52は、MG1回転速度Nmg1及びMG2回転速度Nmg2に基づいて実エンジン回転速度Negを算出しているが、例えばエンジン2に配置された図示しないクランク角センサを用いて実エンジン回転速度Negを算出してもよい。
さらに、上述の実施例において、ハイブリッドECU52が実駆動回転速度Noutとタイヤ外径とギア機構35のギア比とを乗算して車速を算出したが、例えば図示しない車速センサから送信される情報を車速として使用してもよい。
さらに、上述の実施例において、図5、図7に記載されているように、車速を用いて目標駆動トルクTaを算出しているが、例えば図7のマップをアクセル開度と実駆動回転速度Noutとに基づいて目標駆動トルクTaを算出するものとして、図5のブロック図における車速情報の代わりに実駆動回転速度Noutを用いるものであってもよい。
さらに、上述の実施例において、ハイブリッドECU52が本発明における制御部に相当するものであるが、制御部は、ハイブリッドECU52、エンジンECU53、モータECU54、バッテリECU55の全て、またはこれらECUの組み合わせによって構成されてもよい。
以上、本発明の実施例について開示したが、本発明の範囲を逸脱することなく本実施例に変更を加えられ得ることは明白である。本発明の実施例は、このような変更が加えられた等価物が特許請求の範囲に記載された発明に含まれることを前提として開示されている。
1 ハイブリッド車両
2 エンジン
4 第1モータジェネレータ(モータジェネレータ)
5 第2モータジェネレータ(モータジェネレータ)
6 駆動輪
7 駆動軸
11 動力伝達機構
21 バッテリ
52 ハイブリッドECU(制御部)
55 バッテリECU
60 バッテリ状態検出センサ

Claims (7)

  1. エンジンと、バッテリから供給される電力によって動作するモータジェネレータとの動力を、動力伝達機構を介して駆動軸に出力するハイブリッド車両の制御装置において、
    少なくとも前記バッテリの充電状態に基づいて算出される基本トルクと前記エンジンの回転速度を目標回転速度に追従させるためのフィードバックトルクとを合算した指令トルクを前記モータジェネレータが出力するように前記モータジェネレータを制御する制御部を有し、
    前記制御部は、前記基本トルクに優先して前記フィードバックトルクが出力されるよう前記モータジェネレータを制御することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記制御部は、前記フィードバックトルクを制限することなく前記指令トルクを前記モータジェネレータが出力するように前記モータジェネレータを制御することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記バッテリの充電状態と前記バッテリの充放電制限値と前記フィードバックトルクとに基づいて前記モータジェネレータの出力する基本トルクを算出し、
    前記基本トルクと前記フィードバックトルクとを合算したトルクが出力されるよう前記モータジェネレータの出力トルクを制御することを特徴とする請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. 前記制御部は、前記モータジェネレータが前記フィードバックトルクを出力する際に消費される電力であるフィードバックパワーと前記バッテリの充放電制限値との偏差と、前記バッテリの充電状態と、に基づいて前記基本トルクを算出することを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  5. 前記制御部は、前記フィードバックパワーと前記バッテリの充放電制限値との偏差と、少なくとも前記バッテリの充電状態に基づいて算出される前記モータジェネレータによって消費または充電される電力値とのいずれか一方の値に基づいて前記基本トルクを算出することを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  6. 前記制御部は、前記フィードバックパワーと前記バッテリの放電制限値との偏差と、少なくとも前記バッテリの充電状態に基づいて算出される前記モータジェネレータによって消費される電力値とのうち、いずれか小さい方の値に基づいて前記基本トルクを算出することを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  7. 前記制御部は、前記フィードバックパワーと前記バッテリの充電制限値との偏差と、少なくとも前記バッテリの充電状態に基づいて算出される前記モータジェネレータによって充電される電力値とのうち、いずれか大きい方の値に基づいて前記基本トルクを算出することを特徴とする請求項5に記載のハイブリッド車両の制御装置。
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