JP2018042532A - 冷凍パン生地用品質改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍パン生地に添加しても、パン生地の物性(べたつき)に悪影響を与えることなく、冷凍パン生地を長期間 冷凍保管しても、焼成したパン類のボリュームと食感(柔らかさ)の劣化を抑制することができる冷凍パン生地用品質改良剤を提供すること。【解決手段】難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを含有することを特徴とする冷凍パン生地用品質改良剤。【選択図】 なし

Description

本発明は、冷凍パン生地に用いる品質改良剤に関し、詳しくは冷凍パン生地に配合することにより冷凍パン生地の老化を抑制することができる品質改良剤に関する。
従来のパン類は、パン生地を作製した後に冷凍することなく加熱(焼成など)してパン類を製造している。しかし、近年では、生産の合理化やフレッシュパンの供給を目的に、パン生地を作製した後に冷凍保管し、得られた冷凍パン生地を数日間冷凍保管した後に加熱(焼成など)するなどしてパン類を製造するという方法が増えてきている。ここで問題となるのが、冷凍パン生地を用いて作製したパン類が、冷凍パン生地を用いない従来の方法で作製したパン類とは、柔らかさ、あるいはボリュームなどの品質面で劣るということである。これら問題点は、パン生地を冷凍保管することにより起因するものである。
パン生地を冷凍保管する際に起こる問題点を改善する従来技術としては、難消化性ポリサッカライド及び/又はイースト非資化性糖を主成分とする冷凍生地改良剤(特許文献1)、重合度11以上のデキストリン及び/又はその還元物を有効成分として含有する冷凍パン生地類改良剤(特許文献2)、アミラーゼ類と乳化剤とを含有する冷凍・冷蔵生地改良剤(特許文献3)、穀粉類にα−アミラーゼおよびアスコルビン酸類を添加して冷凍パン生地を製造する方法(特許文献4)、小麦粉に対し、特定量のα−アミラーゼとジグリセリン脂肪酸エステルを添加した冷凍パン生地(特許文献5)などが開示されている。しかしこれらの従来技術には一長一短があり、冷凍パン生地が有する上記問題点を十分に解決できないのが現状である。
特開平5−252858号公報 特開平7−284366号公報 特開平8−89158号公報 特願平9−231764号公報 特開平10−215757号公報
本発明の目的は、冷凍パン生地に添加しても、パン生地の物性(べたつき)に悪影響を与えることなく、冷凍パン生地を長期間冷凍保管しても、焼成したパン類のボリュームと食感(柔らかさ)の劣化を抑制することができる冷凍パン生地用品質改良剤を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを冷凍パン生地に添加することにより、上記課題を解決することを見出した。本発明者は、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなっている。
[1]難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを含有することを特徴とする冷凍パン生地用品質改良剤。
[2]難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを有効成分として含有することを特徴とする冷凍パン生地。
[3]パン生地に、難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを有効成分として添加する工程を経ることを特徴とする冷凍パン生地の製造方法。
[4]上記[2]の冷凍パン生地を焼成することを特徴とするパン類の製造方法。
本発明の冷凍パン生地用品質改良剤は、パン生地に添加してもパン生地の物性(べたつき)に悪影響を与えることなく、該品質改良剤を含有する冷凍パン生地を長期間冷凍保管しても、焼成したパン類のボリュームと食感(柔らかさ)の劣化を抑制することができるという効果を有する。
[難消化性デキストリン]
本発明で用いられる難消化性デキストリンは、澱粉を焙焼し、次いで酵素を用いて加水分解して得られる、体内で消化されにくい水溶性の食物繊維である。また、難消化性デキストリンは、その他の処理、例えば、上記の方法で得られた食物繊維にさらに水素添加して還元処理した難消化性デキストリンなども包含する。
通常、難消化性デキストリンは、食物繊維の接種、血糖値の上昇を抑えるといった、健康機能を期待して使用されるものであるが、本発明ではこのような身体への生理活性性能向上を目的にしたものではなく、冷凍パン生地に配合することにより、該冷凍パン生地を焼成して得られたパン類の品質を改善するために用いるものである。
本発明では、難消化性デキストリンとして、還元処理した難消化性でキストリン、還元処理していない難消化性デキストリンのいずれであっても用いることが可能であるが、歯切れの良い食感が得られるという点で還元処理していない難消化性デキストリンが好ましい。
本発明では、市販されている難消化性デキストリンを用いることができ、例えば、パインファイバー、ファイバーソル2、ファイバーソル2H(いずれも商品名;松谷化学工業社製)、などが挙げられる。なお、上記パインファイバーは還元処理していない難消化性デキストリンであり、上記ファイバーソル2およびファイバーソル2Hは還元処理した難消化性デキストリンである。
[甜菜ペクチン]
本発明で用いられる甜菜ペクチンは、甜菜のパルプから抽出したペクチンである。甜菜ペクチンは通常、甜菜精製の副生物である使用済み甜菜パルプまたは繊維から抽出されたものであり、既存のシトラスペクチンの製造工程と同様に、パルプからの抽出・濾過・アルコール沈殿・粉砕などの各工程を経て製造されるものを用いることができる。
本発明で用いられる甜菜ペクチンは、DE値が50%以上のHMタイプの甜菜ペクチンであることが好ましく、具体的にはDE値が55〜65%のHMタイプの甜菜ペクチンが挙げられる。また、本発明で用いられる甜菜ペクチンはアセチル基を多く有する甜菜ペクチンであることが好ましく、具体的には、アセチル化度が12〜15%の甜菜ペクチンが挙げられる。
[α−アミラーゼ]
本発明で用いられるα−アミラーゼは、澱粉分子内部のα−1、4−グルコシド結合を加水分解し、構成糖が2〜7の麦芽糖およびデキストリンに分解することができる酵素である。食品に用いることができるα−アミラーゼであれば、その由来、調整法は特に制限されず用いることが可能であるが、失活温度の比較的高い(60〜80℃)のα−アミラーゼが高い老化防止効果が得られることから好ましく用いられる。さらに、前記のようなα−アミラーゼの中でも、分解して生成される糖の構成が2〜4糖が多くなるものが、パン生地の保水力が向上、老化防止性が向上することなどから好ましく用いられる。
本発明の冷凍パン生地用品質改良剤には、本発明の目的を阻害しない範囲で他の任意の成分が含まれても良く、例えば、澱粉類(加工澱粉、難消化性デキストリン以外のデキストリンなど)、α−アミラーゼ以外の酵素(ヘミセルラーゼ、グルコースオキシダーゼ、プロテアーゼ、ホスホリパーゼA2など)、粉質改良剤(炭酸Ca、第三リン酸Ca、微粒二酸化ケイ素など)、酸化剤(ビタミンC、L−シスチンなど)、果汁粉末、粉末グルテンなどが挙げられる。
本発明の冷凍パン生地用品質改良剤の各成分の配合については特に制限はないが、本発明の冷凍パン生地用品質改良剤100質量%中、難消化性デキストリンの配合量としては、好ましくは2〜90質量%、より好ましくは4〜80質量%、さらにより好ましくは5~70質量%である。
甜菜ペクチンの配合量としては、好ましくは0.1〜30質量%、より好ましくは1〜20質量%、さらにより好ましくは4〜15質量%である。
α‐アミラーゼの配合量としては、α‐アミラーゼの活性によって異なるが、α‐アミラーゼの活性が56000単位/gであるα‐アミラーゼ含有製剤の場合、好ましくは0.002〜7.2質量%、好ましくは0.02〜6.0質量%、より好ましくは0.05〜5.0%質量%である。
なお、本発明に用いられるα‐アミラーゼの活性の1単位は、40℃30分反応させた時、葡萄糖に換算して10mgの糖を生成させる酵素力価をいう。
本発明の冷凍パン生地用品質改良剤は、上記した難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを、均一に混合することにより得ることができる。均一に混合する際に用いられる混合装置に特に制限はなく、公知の混合装置、例えば、リボンミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー、V字型混合機、マトコン(IBCブレンダ―)、ユニバーサルミキサーなどを用いることができる。
難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを有効成分として含有する冷凍パン生地、および該冷凍パン生地の製造方法も本発明の形態の1つである。
本発明の冷凍パン生地は、有効成分である上記の難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを含有する。前記有効成分は、本発明の冷凍パン生地用品質改良剤の製剤の形態(予め混合し製剤化した形態)であってもよいし、各有効成分が別々の形態(製剤化していない形態)であってもよい。
本発明の冷凍パン生地は、上記有効成分の他に、通常パン生地の製造に用いられる各種原材料が用いられる。例えば、穀粉類、水、パン酵母、食塩、卵、乳製品、油脂類、糖類などが挙げられる。
上記穀粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、超強力粉、中力粉、薄力粉などの小麦粉;ライ麦粉、米粉などが挙げられる。上記乳製品としては、牛乳、濃縮乳、脱脂粉乳、全脂粉乳などが挙げられる。上記油脂類としては、バター、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、ラードなどが挙げられる。上記糖類としては、上白糖、グラニュー糖、黒糖、果糖ぶどう糖液糖、還元水あめなどが挙げられる。
有効成分が、冷凍パン生地用品質改良剤の製剤の形態である場合、パン生地中の穀粉類100質量部に対して、冷凍パン生地用品質改良剤の配合量は、好ましくは0.01〜5.0質量部、より好ましくは0.05〜3質量部、さらにより好ましくは0.1〜1.5質量部である。
各有効成分が、別々の形態である場合、パン生地中の穀粉類100質量部に対して、難消化性デキストリンの配合量は、好ましくは0.01~5.0質量部、より好ましくは0.02〜3.0質量部、さらにより好ましくは0.02〜1.5質量部である。甜菜ペクチンの配合量は、好ましくは0.001〜1.5部、より好ましくは0.005〜0.12質量部、さらにより好ましくは0.005〜0.08質量部である。α‐アミラーゼの配合量は、α‐アミラーゼの活性が、好ましくは約0.08〜2000単位、より好ましくは約1.0〜1600単位、さらに好ましくは約1.0〜1200単位となる量である。上記範囲内であると、本発明の効果を発揮できるため好ましい。
冷凍パン生地の製造方法としては、パン生地に、難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを有効成分として添加する工程を経る方法であれば特に制限はなく、例えば、通常のパン生地製造工程のいずれかで前記有効成分を添加した後にパン生地を冷凍する方法が挙げられる。好ましくは、前記有効成分が冷凍パン生地に均一に分散するタイミングで添加する方法であり、特に好ましくは、パン生地製造工程の生地の混捏工程で前記有効成分を添加する方法である。
上記通常のパン生地の製造工程としては、例えば、生地の混捏、第1発酵、生地分割、成形および最終発酵(ホイロ)の各工程を順に行う方法が挙げられる。冷凍パン生地は、前記工程途中のいずれかで得られた生地、あるいは最終発酵(ホイロ)工程で得られた生地を冷凍すればよく、冷凍直前の工程あるいは生地の形態の違いにより、「生地玉冷凍」(生地分割した生地を冷凍したもの)、「成形後冷凍」(最終発酵する前の成形した生地を冷凍したもの)、「ホイロ後冷凍」(成形し最終発酵した生地を冷凍したもの)などと呼ばれる冷凍パン生地が挙げられる。本発明では、前記のいずれの冷凍パン生地であってもよい。
かくして得られた冷凍パン生地は、冷凍パン生地作製時におけるパン生地の物性に悪影響(べたつき)を与えることがないため、工業的に生産する際の機械適正(ライン適正)に優れている。また、冷凍パン生地を長時間冷凍保管しても、冷凍パン生地を用いて焼成したパン類のボリュームと柔らかい食感を維持することができるという効果を奏する。
本発明の冷凍パン生地を焼成するパン類の製造方法も本発明の形態の1つである。ここで、本発明でいうパン類とは、穀粉類生地をパン酵母で発酵する製品をいい、食品衛生法でいうパンの他に発酵を伴う饅頭、ドーナツあるいはその他の焼き菓子類も対象として含むものである。
冷凍パン生地が、「生地玉冷凍」の冷凍生地の場合、解凍、成形、最終発酵(ホイロ)後に焼成することによりパン類が得られる。前記解凍に特に制限はないが、成形に適した温度まで解凍することが好ましく、例えば、生地中心温度が10℃以上になるまで解凍する解凍条件が挙げられる。なお、解凍の際、生地が乾燥しないよう、ビニール袋やキャンバス地などで覆い解凍することが望ましい。
解凍した生地は、公知の方法で成形、最終発酵(ホイロ)などを行った後、さらに焼成することによってパン類が得られる。
冷凍パン生地が、既に目的とする形状に成形された「成形後冷凍」の冷凍生地の場合、解凍した後に、最終発酵(ホイロ)、さらに焼成することによりパン類が得られる。前記解凍条件に特に制限はないが、例えば、室温、または20〜25℃の温度帯で、60〜120分解凍する方法が挙げられる。また、前記最終発酵(ホイロ)条件に特に制限はないが、28〜40℃の温度帯で40〜80分最終発酵(ホイロ)する方法が挙げられる。
冷凍パン生地が、既に目的とする形状に成形され、さらに最終発酵が終了している「ホイロ後冷凍」の冷凍生地の場合、冷凍生地のまま、あるいは解凍した後に、焼成することによりパン類が得られる。前記解凍条件に特に制限はないが、例えば、室温、または20℃〜25℃の温度帯で、60〜120分解凍する方法が挙げられる。
上記冷凍パン生地を焼成する方法としては特に制限はなく、通常のパン生地を焼成する方法であればよく、例えば、菓子パン生地であればオーブンで、上火200℃下火180℃で8分焼成する方法などが挙げられる。
かくして得られた焼成したパン類は、パン生地を冷凍処理したとしてもボリュームと食感(柔らかさ)の劣化が抑制されるという優れた効果を発揮する。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
≪冷凍パン生地用品質改良剤の作製≫
(1)原材料
難消化性デキストリン(商品名:パインファイバー;松谷化学社製)
甜菜ペクチン(商品名:GENU PECTIN type BETA BI−J;三晶社製)
α−アミラーゼ1(商品名:NOVAMYL10000BG;ノボザイム社製、B.subtilis由来)
α−アミラーゼ2(商品名:ビオザイムA;天野エンザイム社製、A.oryzae由来)
シトラスペクチン(商品名:GENU PECTIN BIG−J;三晶社製)
デキストリン(商品名:パインデックス#2;松谷化学社製)
(2)冷凍パン生地用品質改良剤の配合
上記原材料を用いて作製した冷凍パン生地用品質改良剤の配合組成を表1に示した。表中、試作品1〜3は実施例品であり、試作品4〜7は比較例品である。
Figure 2018042532
(3)冷凍パン生地用品質改良剤の作製方法
表1に記載の原材料の2倍量をビニール袋に加えて口を封じ、1分間混合した後にJIS標準篩(篩番号24mesh:目開き710μm)で篩い、通過したものを冷凍パン生地用品質改良剤(試作品1〜7)とした。
≪冷凍パン生地の作製≫
竪型ミキサー(型式:カントーミキサーHPI−20m、関東混合機社製)に強力粉(商品名:ミリオン;日清製粉社製)2000g、イースト(商品名:FD−1;オリエンタル酵母工業社製)100g、ドウコンディショナー(商品名:ドウアクトZ;理研ビタミン社製)20g、上白糖(フジ日本製糖社製)300g、食塩(日本海水社製)24g、脱脂粉乳(全酪連社製)36g、液全卵(商品名:エクセルエッグ;キューピー社製)160g、水1060g、冷凍パン生地用品質改良剤(試作品1は6.3g、試作品2〜7は10g)または表2に示す冷凍パン生地に添加する有効成分群(有効成分群1〜6)のいずれかを投入し、低速1分間、中速3分間、高速2分間混捏した後、マーガリン(商品名:パンテオンDX;ミヨシ油脂社製)200gを投入し、さらに低速1分間、中速3分間、高速7分間混捏して生地を調製した。前記混捏の際、生地の温度が24℃となるようにミキサーボウルを冷却しながら混捏した(混捏工程)。得られた生地を15分間休ませた(フロアータイム:第1次発酵)後、分割機(型式:DQ;オシキリ社製)を用いて生地を80gに分割し、ラウンダー(型式:RQ;オシキリ社製)を用いて丸めを行った(生地分割・丸め工程)。分割した生地を20分間ませた(ベンチタイム)後、ストレートモルダー(製品名:ワイドファイン、型式:Fオシキリ社製)を用いてドックロール型に成形した後、直ちに急速凍結機(庫内温度−40℃設定)を用いて凍結を行った。冷凍庫内に入れてから1時間後に、生地に直接冷気が当たらないように段ボール箱に詰め、−18℃の冷凍庫内で3日間保管し、冷凍パン生地(サンプル1〜13)を得た。また、上記工程中、冷凍パン生地用品質改良剤(試作品1〜7)または表2に示す冷凍パン生地に添加する有効成分群(有効成分群1〜6)のいずれも用いない(無添加)以外は同様に作製して冷凍パン生地(サンプル14)を得た。
Figure 2018042532
≪パン生地の物性(べたつき)の評価≫
パン生地物性は、工業的にパン生地を作製する場合、工業ラインに適するか否かなどを判断する重要な要素の1つでもある。そこで、生地の物性(べたつき)について、ストレートモルダーを用いてドックロール型に成形した際の、パン生地表面の様子を目視にて観察し、下記評価基準で生地の物性(べたつき)について評価を行った。結果を表3に示す。
[評価基準:記号化]
◎:成形時のモルダーによるねじれ、肌荒れの発生がない状態。パン生地にべたつきがないと判断。
○:成形時のモルダーによるねじれ、肌荒れの発生がない状態。パン生地にべたつきがほぼないと判断。
△:成形時のモルダーによるねじれ、肌荒れが多い状態。パン生地にべたつきがややあると判断。
×:成形時のモルダーによるねじれ、肌荒れが激しく、表面に穴が開く状態。パン生地にべたつきがあると判断。
≪冷凍パン生地を用いたパン類の作製≫
冷凍パン生地(サンプル1〜14)のいずれかを天板1枚に6個並べ、24℃、60%RHの条件で90分間解凍した後、ホイロ(型式:サン・キャビネット、TCH‐2660N;三幸機械社製、設定:38℃、80%RH)で50分間発酵(最終発酵)させた後、固定窯(型式:ニューコンボオーブン、TMC G.G.G.313;三幸機械社製、上火205℃、下火180℃)を用いて8分間焼成し、窯から取り出したのち1時間室温で冷却してパン類(パン1〜14)を得た。
≪焼成したパン類の評価≫
得られたパン類(パン1〜14)のボリューム、食感(柔らかさ)について評価をおこなった。
(1)ボリュームの評価方法
得られたパン類(パン1〜14)のボリュームの評価は、下記手順で行った。下記手順で得られた結果を表3に示す。
1)パン類(パン1〜14)それぞれ各6個の容積を、3DLaser Scanner(型式:Win VM2000:ASTEX社製)を用いて測定する。
2)得られた容積を、焼成前にあらかじめ測定した質量で割った数値を比容積とし、得られた比容積(各6個)の平均値を算出する。
3)パン1〜13の比容積の平均値と、パン14の比容積の平均値を用い、パン14の比容積の平均値を100とした際の数値を算出し、下記評価基準で記号化する。ここで、数値が大きいほどボリュームがあることを示す。
[評価基準:記号化]
◎:パン14の比容積の平均値を100とした際の数値が106以上。
○:パン14の比容積の平均値を100とした際の数値が102以上、106未満。
△:パン14の比容積の平均値を100とした際の数値が98以上、102未満。
×:パン14の比容積の平均値を100とした際の数値が98未満。
(2)食感(柔らかさ)の評価方法
パンの食感(柔らかさ)の評価は、上記ボリュームの評価を終えたパン類(パン1~14)を、ビニール袋で密閉し、20℃80%RHの条件で3日間保存した後のパンを用いて下記手順で行った。また、下記手順で得られた結果を表3に示す。
1)保存した後のパンから、それぞれ各3個を選び、一枚切りスライサー(Fresh‐100A:富士島工機社製)を用いて厚さ2cmにスライスして10枚のテストピースを準備する。
2)レオメーター(型式RT−2002D・D型:フドー社製)を用い、各テストピースを直径20mmの円形プランジャーで1cm圧縮した際の応力を測定する。
3)測定した応力の最大値と最小値を除く8回分の測定値の平均値を算出し、応力の平均値する。
4)パン1〜13の応力の平均値と、パン14の応力の平均値を用い、パン14の応力の平均値を100とした際の数値を算出し、下記評価基準で記号化する。ここで、数値が小さい程パンは柔らかいことを表す。
[評価基準:記号化]
◎:パン14の応力の平均値を100とした際の数値が82未満。
○:パン14の応力の平均値を100とした際の数値が82以上、92未満。
△:パン14の応力の平均値を100とした際の数値が92以上、102未満。
×:パン14の応力の平均値を100とした際の数値が102以上。
Figure 2018042532
結果より、実施例品である冷凍パン生地用品質改良剤または有効成分群を配合したパン生地の物性の評価は、いずれもべたつきがなく「◎」と良好であった。さらに前記生地の冷凍パン生地を用いて得られたパン類の評価は、ボリュームおよび食感(柔らかさ)が「◎」と良好であった。
一方、比較例品である冷凍パン生地用品質改良剤または有効成分群を配合したパン生地の物性の評価、あるいは前記生地の冷凍パン生地を用いて得られたパン類の評価は、 いずれかの評価で「△」あるいは「×」と良くなかった。

Claims (4)

  1. 難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを含有することを特徴とする冷凍パン生地用品質改良剤。
  2. 難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを有効成分として含有することを特徴とする冷凍パン生地。
  3. パン生地に、難消化性デキストリン、甜菜ペクチンおよびα−アミラーゼを有効成分として添加する工程を経ることを特徴とする冷凍パン生地の製造方法。
  4. 請求項2の冷凍パン生地を焼成することを特徴とするパン類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019225630A1 (ja) * 2018-05-23 2019-11-28 森永乳業株式会社 膨化食品およびその製造方法と、加工食品
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