JP2018039947A - エマルションクリヤー塗料の製造方法 - Google Patents

エマルションクリヤー塗料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018039947A
JP2018039947A JP2016176592A JP2016176592A JP2018039947A JP 2018039947 A JP2018039947 A JP 2018039947A JP 2016176592 A JP2016176592 A JP 2016176592A JP 2016176592 A JP2016176592 A JP 2016176592A JP 2018039947 A JP2018039947 A JP 2018039947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium oxide
inorganic silicate
silicate polymer
emulsion
suspension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016176592A
Other languages
English (en)
Inventor
文彦 大橋
Fumihiko Ohashi
文彦 大橋
健司 新井
Kenji Arai
健司 新井
敦 芝原
Atsushi Shibahara
敦 芝原
元作 西野
Gensaku Nishino
元作 西野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Kasei Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Fujikura Kasei Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Kasei Co Ltd, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical Fujikura Kasei Co Ltd
Priority to JP2016176592A priority Critical patent/JP2018039947A/ja
Publication of JP2018039947A publication Critical patent/JP2018039947A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】耐候性及び透明性に優れるクリヤー塗膜を形成することが可能なエマルションクリヤー塗料を提供する。
【解決手段】エマルションクリヤー塗料の製造方法は、ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を混合し、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を調製する工程と、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液から副生成物の塩を除去する工程と、塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液と、表面の少なくとも一部に酸化チタンが存在する基材とを混合した後、水熱反応させて、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液を得る工程と、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液と、樹脂エマルションを混合する工程を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、エマルションクリヤー塗料の製造方法及びクリヤー塗膜の形成方法に関する。
塗料は、通常、様々な材料や製品、部品の表面に、数μmから数百μm程度の膜厚で塗布されており、基材の保護(長寿命化)の他、各々の用途に応じて、それらの表面に色合いや風合い、艶や光輝感を持たせるようにすることでその機能を発揮している。塗膜の主な機能は、美観と被塗物の保護である。サブミリオーダーの膜厚で美観を保ち、過酷な環境から被塗物を長期に亘り保護する耐久性は、塗膜の重要な機能の一つである。
塗膜は、常に何らかの形で外界と接触した状態に晒されており、紫外光、降雨等による自然暴露、人的要素の強い物理的化学的攻撃を受ける状態に置かれている。塗膜の性能は、これらの外的環境因子を含む様々な外的刺激に対して、どれだけの耐久性を有するかで決定されることになる。このため、耐久性の評価試験は、自動車、土木用機械類、橋梁、備蓄タンク等の大型鋼構造物、ビル、体育館等の大型公共建築物等の屋外で使用される、あらゆる機械や構造物の総合的性能を評価する上で、重要な判断基準として用いられる。
1960年代以降の石油化学の発展により、樹脂合成や高分子化学の研究分野が進展し、耐候性に優れた素材の研究開発が行われるようになった。さらに、近年では、従来の耐候性に加え、耐汚染性を有する塗膜の技術開発が行われており、その市場ニーズは極めて高い。特に、近年の建築物は、高層化・高意匠化が進んでおり、塗膜の汚染が目立ち易く、再塗工が困難な事例が多い。特に、壁面部に付着した汚染物質が雨水の流下に伴って形成される雨筋汚れが発生しやすく、美観が損なわれることが問題点として指摘されている。
そこで、雨筋汚れの発生を低減し、長期間に亘り、建築物の美観を維持することを可能にする塗料に対する需要が高まっている。近年注目されている方法の一つに、塗膜の表面の親水化が挙げられる。これは、塗膜の表面を親水化することによって、疎水性の高い汚染物質の付着を防止すると共に、雨水が表面に拡散することにより汚染物質を流去しやすくする方法である。
一般的に、塗料に対する無機系分散安定剤として、コロイダルシリカが知られており、現在では、コロイダルシリカを添加して塗膜を親水化することにより、塗膜に耐汚染性を付与する技術に関する研究が行われている。
しかしながら、コロイダルシリカの添加量が増加すれば、塗膜の親水性が向上する一方で、塗膜の硬度が著しく上昇し、塗膜にクラックが発生するという問題がある。
こうした点を踏まえて、種々の用途に応じデザインされた基材、下地の上に、硬度の上昇を抑えながら、透明性及び耐汚染性を同時に発現するクリヤー塗膜を構築することが望まれている。
一方、酸化チタンの光触媒能により有機化合物を分解除去する方法が数多く報告されている。例えば、酸化チタンの光電極による水の光分解は、発見者の名前に因んで、本多・藤嶋効果と呼ばれている。この光触媒反応は、太陽エネルギーを利用する低環境負荷型化学プロセスとしての利用が期待されている。酸化チタンに光を照射すると、強い還元作用を持つ電子と強い酸化作用を持つ正孔とが生成し、表面に生成した酸素種が接触する分子種が分解すると考えられている。酸化チタンの光触媒能を利用することで、例えば、水相中に存在する有機溶剤、農薬、界面活性剤等の環境汚染物質、気相中の有害物質、悪臭等の分解除去が可能となる。
酸化チタンの光触媒能を利用する方法は、耐久性に優れ、反応生成物の大部分は、二酸化炭素であるため、使用環境に対する負荷が低い。また、この方法は、微生物の代謝に依存する生物学的処理法と比較すると、温度等の反応条件の設定や代謝発生物処理等の運転条件の設定に関わる制約が極めて少ない。しかも、この方法は、生物学的処理法では処理が困難である有機ハロゲン化合物や有機リン化合物のような物質も容易に分解除去することができる利点がある。
この方法は、既に、滅菌、防汚、消臭等の分野で実用化されており、更に、燃焼排ガス中の窒素酸化物の除去、住宅内の揮発性有害有機化合物の分解、廃水の浄化等の環境浄化への応用が検討されている。
しかしながら、これまで行われてきた酸化チタンによる有機化合物の分解除去に関する研究では、酸化チタン粉末をそのまま用いており、部材への組み込み、メンテナンス及びハンドリングに問題があり、汎用性のある実用化技術を開発することが極めて困難であった。
そこで、例えば、酸化チタンを、取り扱いが容易な繊維、プラスチックス等の媒体と混練して使用する試みがなされた。
しかしながら、酸化チタンは、光触媒能による有害有機化合物や環境汚染物質の分解だけではなく、混練する媒体である繊維やプラスチックスの分解劣化も引き起こすため、こうした媒体の使用には問題があった。
また、酸化チタンを抗菌防カビ材料として用いる場合には、例えば、汚染水の流水下では、細菌類の酸化チタンに対する親和性が低く、細菌類の酸化チタンの表面への吸着を阻害するため、酸化チタンの光触媒能の十分な発揮を見込めない等の問題点があった。
現在では、酸化チタンを含む塗料を、例えば、壁材などの基材に塗装して光触媒機能を発揮させる試みがなされている。こうした塗料により形成される塗膜は、表面に付着した汚染物質が酸化チタンの光触媒能により分解するだけではなく、親水性を有する酸化チタン粒子が塗膜の表面に露出しているため、汚れが付着しにくいという特性を発揮する。すなわち、酸化チタン粒子を含有する塗膜は、自ら汚れを除去するセルフクリーニング機能を有している。
しかしながら、塗料成分として、樹脂を含む有機系塗料を用いた場合には、上述のように樹脂が酸化チタンの表面と接触するため、酸化チタンの光触媒能により、樹脂が分解され、塗膜の劣化を引き起こす問題があった。
そこで、最近では、アパタイトなどのリン酸カルシウムを酸化チタンに被覆した酸化チタン複合粒子を含有する塗料が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの塗料では、いずれも塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウムなどを溶解させた擬似体液に、酸化チタンを分散させた分散液に塩化カルシウムを添加して酸化チタン複合粒子を製造している。
この種の酸化チタン複合粒子では、アパタイトは、酸化チタンの表面を完全に被覆しているのではなく、酸化チタンの表面に分散して析出している。すなわち、酸化チタンの表面が部分的に露出しているため、酸化チタンの光触媒能は失活しない。また、酸化チタンの表面をアパタイトが被覆しているので、アパタイトがスペーサーとなり、酸化チタンは、直接樹脂とは接触しないため、樹脂の分解が抑制され、有機系塗料の使用が可能になる。また、アパタイトは、タンパク質、アルデヒド類などの物質の吸着能に優れているため、酸化チタン複合粒子は、消光時に物質を吸着することができ、その結果、消光時に吸着した物質が光照射時に酸化チタンの光触媒能により分解する。
しかしながら、特許文献1〜3に記載の塗料に含まれる酸化チタン複合粒子の製造に使用する擬似体液は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオン、塩化物イオンなどのイオン種を大過剰に含む。このため、酸化チタン複合粒子が分散した分散液をそのまま塗料に用いると、こうした共存イオン種の影響により、樹脂が凝集し、分散不良を生じることがある。樹脂の凝集を防ぐためには、分散液を何度もデカンテーションしなければならず、生産工程が増えるため、生産効率が低下する。また、疑似体液を用いる手法では、アパタイト結晶の成長が非常に遅く、工業的製品の製造技術としては、生産性が低いために、実用化が難しい。さらに、この方法で製造された酸化チタン複合粒子を含む塗料により形成された塗膜は、樹脂が凝集し、均質性が低下することがある。そのため、この種の塗料は、耐候性を満足できるものではなく、その問題を解消できる新しい塗料や塗膜を開発することが強く要請されていた。
また、他の先行技術として、酸化チタンと他の無機化合物等を組み合わせることが種々行われており、例えば、珪藻土、活性アルミナ、活性白土およびゼオライトから選ばれる少なくとも1種以上の顔料と、酸化チタンを含有する室内汚染対策用水性塗料(特許文献4参照)、酸化チタンを担持した調湿性無機粉末を含有する水性エマルション塗料で塗装して得られる調湿性建材基材(特許文献5参照)、酸化チタンを、コロイダルシリカ共重合アクリル樹脂エマルションに配合してなるエマルション塗料(特許文献6参照)、四価金属のリン酸塩、二価金属の水酸化物、及び酸化チタンを必須成分とする水性エマルション塗料(特許文献7参照)、表面の一部がリン酸カルシウムで被覆された酸化チタン粒子を含む塗料組成物(特許文献8参照)等が提案されている。
特開2000−1631号公報 特開2003−80078号公報 特開2004−58050号公報 特開2002−338897号公報 特開2002−235382号公報 特開2002−348525公報 特開2003−20438号公報 特開2008−88436号公報
環境を汚染する有機化合物の吸着性を獲得するためには、比表面積が高く、メソ細孔を有する固体の使用が有効であり、また、大気系における極性分子の捕捉には、固体マトリクスの電荷分布も制御することが望ましい。例えば、火山噴出物の風化鉱物として、地球表層中に産出するケイ酸塩群は、その特異な形状に起因する微細構造により、比表面積及び細孔容積が高く、選択的イオン交換能を有することが明らかとなっている。
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、耐候性及び透明性に優れるクリヤー塗膜を形成することが可能なエマルションクリヤー塗料の製造方法を開発することを目標として鋭意研究を重ねた。
その結果、本発明者らは、光触媒として不活性であり、雑菌等を吸着する性質を持ち、環境親和材料として有用であり、かつ多孔質であり、化学組成や細孔構造が制御された無機ケイ酸塩高分子を、水熱反応を利用して酸化チタンの周りに被覆することにより耐候性及び透明性に優れるクリヤー塗膜を形成することが可能なエマルションクリヤー塗料を製造することが可能であるとの新規知見を見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様は、耐候性及び透明性に優れるクリヤー塗膜を形成することが可能なエマルションクリヤー塗料を提供することを目的とするものである。
本発明の一態様は、エマルションクリヤー塗料を製造する方法であって、ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を混合し、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を調製する工程と、該無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液から副生成物の塩を除去する工程と、該塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液と、表面の少なくとも一部に酸化チタンが存在する基材とを混合撹拌した後、水熱反応させて、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液を得る工程と、該酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液と、樹脂エマルションを混合する工程を含む。
本発明の一態様によれば、耐候性及び透明性に優れるクリヤー塗膜を形成することが可能なエマルションクリヤー塗料を提供することができる。
耐候試験後の試験片のクリヤー塗膜が形成されている側の写真である。
(エマルションクリヤー塗料の製造方法)
エマルションクリヤー塗料の製造方法は、ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を混合し、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を調製する工程と、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液から副生成物の塩を除去する工程と、塩が除去された無機ケイ酸塩高分子前駆体粒子の懸濁液と、表面の少なくとも一部に酸化チタンが存在する基材とを混合撹拌した後、水熱反応させて、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液を得る工程と、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液と、樹脂エマルションを混合する工程を含む。これにより、耐候性及び透明性に優れるクリヤー塗膜を形成することができる。
無機ケイ酸塩高分子粒子は、表面が親水性基(アルミノール基及び/又はシラノール基)で覆われている多孔質構造を有する。
酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子のBET比表面積は、200m/g以上であることが好ましく、250m/g以上であることがさらに好ましい。酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の比表面積が200m/g以上であることにより、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の表面における水酸基の露出割合を向上させると共に、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の水中での分散性を向上させることができる。
酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子中に含有される酸化チタンの含有率は、20〜40質量%であることが望ましい。酸化チタンの含有率が40質量%以下であることにより、無機ケイ酸塩高分子による酸化チタンの表面の被覆率が向上し、樹脂の劣化を抑制することができる。また、酸化チタンの含有率が20質量%以上であることにより、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の光触媒能が向上する。
酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の粒径は、0.1〜100μmの範囲であることが好ましく、0.1〜10μmの範囲であることがさらに好ましい。
ケイ素化合物としては、モノケイ酸又はその誘導体であれば、制限されるものではなく、例えば、オルトケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸アルキル、メタケイ酸ナトリウム、無定形コロイド状二酸化ケイ素(エアロジル等)等が挙げられ、1種又は2種以上を併用して使用することができる。
アルミニウム化合物としては、水溶液中でアルミニウムイオンを生成することが可能であれば、制限されるものではなく、例えば、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシド等が挙げられ、1種又は2種以上を併用して使用することができる。
基材は、表面の少なくとも一部に酸化チタンが存在する。この基材としては、好適には、例えば、酸化チタン粒子が例示されるが、これに制限されるものではない。
本実施形態に用いられる無機ケイ酸塩高分子の担体としての酸化チタン粒子は、光触媒能が高い点で、結晶形がブルッカイトあるいはアナターゼであることが好ましい。結晶形がルチルや非晶質の酸化チタンは、上記の結晶形の酸化チタンよりも光触媒能が低いが、これらを使用することも可能である。また、酸化チタン粒子の粒径は、制限されるものではないが、有機繊維、プラスチックス等の媒体と酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を混練することを前提とする場合は、粒子径がサブミクロン以下であることが好ましい。
ケイ素化合物の水溶液及びアルミニウム化合物の水溶液は、それぞれ濃度が1mmol/L〜10mol/Lであることが好ましく、20mmol/L〜0.5mol/Lであることがさらに好ましい。これにより、副生成物の生成を抑制することができる。
無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を調製する際に、ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を急速混合することが好ましい。これにより、副生成物の生成を抑制することができる。
また、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を調製する際に、ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を同時混合してもよい。
ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を急速混合する際の速度は、1mL/min〜10000L/minであることが好ましく、1mL/min〜50L/minであることがさらに好ましい。これにより、副生成物の生成を抑制することができる。
無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を調製する際のアルミニウムに対するケイ素のモル比は、0.1〜5.0であることが好ましく、0.5〜3.0であることがさらに好ましい。これにより、無機ケイ酸塩高分子粒子の細孔構造を制御することができる。アルミニウムに対するケイ素のモル比が0.1以上であることにより、副生成物として、ベーマイト(α−AlO(OH))やギブサイト(α−Al(OH))が生成するのを抑制することができ、5.0以下であることにより、副生成物として、非晶質シリカが生成するのを抑制することができる。
ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を混合した液のpHは、3〜10であることが好ましく、6〜8であることがさらに好ましい。これにより、無機ケイ酸塩高分子粒子の化学組成を制御することができる。
ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を混合した液のpHを調整するために、アルミニウム化合物の水溶液に予め酸成分を添加しておく、又は、ケイ素化合物の水溶液に予めアルカリ成分を添加しておくことも有効である。
酸成分としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。
アルカリ成分としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられる。
この時、酸成分又はアルカリ成分と共に、凝集阻止剤として、ポリエチレングリコールやポリビニルアルコール、界面活性剤等の試剤を添加してもよい。
なお、ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を混合した液のpHが弱酸性領域であれば、アルカリ性水溶液を、0.1〜5mL/minの速度で滴下して、pHが中性付近になるように調整して、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子を生成させることができる。
アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等の水溶液が挙げられる。
勿論、ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を混合した液のpHが中性付近の6.5〜8の領域であっても、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子は生成する。
無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液から副生成物の塩を除去する前に、撹拌或いは振盪することが好ましい。
無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を撹拌或いは振盪する温度は、10〜50℃であることが好ましく、20〜40℃であることがさらに好ましい。
無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を撹拌或いは振盪する時間は、0.1〜72時間であることが好ましく、1〜24時間であることがさらに好ましい。
無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液から副生成物の塩を除去する方法としては、特に制限されないが、例えば、透析膜脱塩、限外濾過、遠心分離等が挙げられる。
無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液から副生成物の塩を除去した後、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液と略同量の水を添加し、良く分散させることが好ましい。
無機ケイ酸塩高分子粒子の形態を制御するために、塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液に、必要に応じて、酸性水溶液を添加してもよい、
酸性水溶液が添加された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液のpHは、3〜6であることが好ましく、3.5〜4.5であることがさらに好ましい。
酸性水溶液としては、例えば、塩化水素、硫酸、硝酸、酢酸、過塩素酸等の水溶液が挙げられる。
塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液と基材を混合撹拌した後、水熱反応させることにより、化学組成や細孔構造の制御されている酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を生成させることができる。
塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液と基材を混合撹拌する温度は、10〜50℃であることが好ましく、20〜40℃であることがさらに好ましい。
塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液と基材を混合撹拌する時間は、0.1〜72時間であることが好ましく、1〜24時間であることがさらに好ましい。
塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子と基材の懸濁液の混合物を水熱反応させる温度は、20〜150℃であることが好ましく、40〜105℃であることがさらに好ましい。
塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子と基材の懸濁液の混合物を水熱反応させる時間は、12〜240時間であることが好ましく、24〜72時間であることがさらに好ましい。
塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子と基材の懸濁液の混合物を水熱反応させる時、水分が蒸発しないような方法で、加熱熟成すれば良く、例えば、反応装置として、オートクレーブ等の密閉容器や、冷却管付きマントルヒーター等を用いることができる。
塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子と基材の懸濁液の混合物を水熱反応させる好適な条件は、100℃前後で48時間程度である。
得られる酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液は、そのまま用いてもよいし、水で数回洗浄した後、用いてもよい。
また、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液に、アルカリ性水溶液を添加することで、pHを8〜12程度に調整し、生成物をゲル状物質として凝集させて回収してもよい。
アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等の水溶液が挙げられる。
なお、凝集阻止剤を添加している場合は、有機溶媒中、200℃以下で1時間以上抽出除去してもよい。メタノール、エタノール、アセトン、トルエン、キシレン、ベンゼン等が挙げられる。
本実施形態では、無機ケイ酸塩高分子の前駆体として、非晶質アルミニウムケイ酸塩鉱物の一種であるアロフェンの前駆体又はその誘導体の非晶質体又は準結晶質体を用いてもよい。それにより、無機ケイ酸塩高分子粒子として、中空球状のアロフェンを生成させることもできる。
上記のようにして、反応条件、アルミニウムに対するケイ素のモル比、複合粒子中の酸化チタンの含有率を制御することにより、物理的特性を変化させた、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を合成することができる。
本実施形態において、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、基材の表面を被覆する無機ケイ酸塩高分子の、多孔性や細孔径分布及び形状を無機ケイ酸塩高分子の前駆体の組成や、水熱反応の温度、時間を変えることによって制御することができる。ケイ素化合物の水溶液、アルミニウム化合物の水溶液の濃度や、水熱反応の温度、時間を減少させると、薄膜状の無機ケイ酸塩高分子ドメインが生成する。一方、ケイ素化合物の水溶液、アルミニウム化合物の水溶液の濃度や、水熱反応の温度、時間を上昇させると、無機ケイ酸塩高分子ドメインを巨大化させることができる。それらの条件を適宜選択することで、基材の表面を被覆する無機ケイ酸塩高分子の膜厚や析出状態を制御することができる。
本実施形態の酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、表面が光触媒として不活性な無機ケイ酸塩高分子膜によって被覆されている。更に、無機ケイ酸塩高分子膜は、蛋白質、アミノ酸、細菌、ウイルス等を吸着する作用を有するので、水中や空気中の細菌等を吸着することができる。そして、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、無機ケイ酸塩高分子膜の表面に細孔を有し、この細孔の底には光触媒として活性な酸化チタンが露出した状態の多孔質構造を有している。
そのため、蛍光灯、白熱灯、ブラックライト、UVランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等からの人工光、太陽光等の光を酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子に照射すると、この露出した酸化チタンに光が照射される。そして、光の照射によって酸化チタンに生成した電子と正孔との酸化還元作用により、無機ケイ酸塩高分子膜は、吸着した蛋白質やアミノ酸、細菌、ウイルス等を迅速に、かつ連続的に分解除去することができる。
また、本実施形態の酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、例えば、環境浄化材料として使用される。上記の環境浄化材料を有機繊維や樹脂等の媒体に混練して使用する場合、これらの媒体と接触している部分が、光触媒として不活性なセラミックスであるため、上記の媒体の分解を誘発しない。
そして、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、悪臭物質や、トルエン、キシレン、酢酸エチル、p−ジクロロベンゼン、窒素酸化物、硫黄酸化物等の空気中の有害物質、あるいは水中に溶解している有機溶剤や農薬等の、環境を汚染している有機化合物を吸着する。このため、蛍光灯、白熱灯、ブラックライト、UVランプ、水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ等からの人工光や太陽光を酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子に照射すると、酸化チタンに生成した電子と正孔の酸化還元作用によって、迅速に、かつ連続的に、吸着した有機化合物を分解除去することができる。
しかも、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、光を照射するだけで、低コスト、省エネルギー的で、かつメンテナンスフリーでの使用が可能である。そして、基材上に被覆される無機ケイ酸塩高分子の内部骨格に、白金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、銀、銅、鉄、亜鉛等の金属を担持した場合には、その触媒能により、有機化合物の分解除去効果や、抗菌防カビ効果等の環境浄化効果が一層増大する。
本実施形態において、環境浄化材料の媒体としては、例えば、ポリエチレンやナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルアセタール樹脂、ポリアセテート、ABS樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース、セルロース誘導体、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスチレン、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂、セルロイド、キチン、デンプンシート等の、あらゆる種類の有機繊維やプラスチックス、あるいはそれらの共重合体を適用することが可能である。
本実施形態において、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、表面が親水性基であるシラノール基やアルミノール基で覆われていることと、表面に細孔を有する多孔質構造となっているため、親水性が極めて高い。
また、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液と、樹脂エマルションを混合しても、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の樹脂と接触している部分が、光触媒とは異なる不活性なセラミックスであるため、樹脂の分解を抑制することができる。
本実施形態のエマルションクリヤー塗料の形態としては、塗布する際のベース層となる被塗物の意匠を損なわない、もしくは向上させるものであれば、特に制限されない。エマルションクリヤー塗料の具体的な形態としては、透明クリヤー、半透明クリヤー、着色クリヤー等のクリヤー塗料が挙げられる。
樹脂エマルションを構成する樹脂としては、エマルションクリヤー塗料に適用することが可能であれば、特に制限されないが、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、フッ素樹脂等の合成樹脂が挙げられる。中でも、アクリルシリコーン樹脂が好ましい。
アクリルシリコーン樹脂中のシリコーン成分の含有率は、1〜60質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがさらに好ましい。アクリルシリコーン樹脂中のシリコーン成分の含有率が1質量%以上であることにより、クリヤー塗膜の耐候性を向上させることができる。一方、アクリルシリコーン樹脂中のシリコーン成分の含有率が60質量%以下であることにより、エマルションクリヤー塗料を重ね塗りした場合に、先に形成された塗膜上にエマルションクリヤー塗料が付着しやすくなると共に、クリヤー塗膜が割れにくくなる。
エマルションクリヤー塗料の固形分に対する酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比は、エマルションクリヤー塗料の形態及び意匠にもよるが、0.1〜5.0であることが好ましく、0.1〜3.0であることがより好ましい。特に、透明度が高いクリヤー塗膜の外観を達成したい場合は、エマルションクリヤー塗料の固形分に対する酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比は、0.1〜2.0であることが好ましい。エマルションクリヤー塗料の固形分に対する酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比が0.1以上であることにより、クリヤー塗膜の親水性を向上させることができる。一方、エマルションクリヤー塗料の固形分に対する酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比が2.0以下であることにより、クリヤー塗膜の外観、透明性及び耐候性を確保することができる。このとき、エマルションクリヤー塗料の固形分に対する酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比が2.0を超えた時点で、クリヤー塗膜の透明度が若干低下するが、これは、軟調描写(ソフトフォーカス)用の外観デザインとして知られる半透明クリヤーと呼ばれる意匠である。この半透明クリヤーとして呼称できる透明度を維持するためには、エマルションクリヤー塗料の固形分に対する酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比は、膜厚や形態、及び塗装する下地素材の種類にもよるが、5.0以下であることが好適である。
エマルションクリヤー塗料の固形分濃度は、2〜70質量%であることが好ましく、2〜60質量%であることがさらに好ましく、3〜50質量%であることが特に好ましい。これにより、クリヤー塗膜の造膜性を向上させることができる。
エマルションクリヤー塗料は、必要に応じて、造膜助剤を含んでいてもよい。
造膜助剤としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコール系エーテル変性物、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のプロピレングリコール系エーテル変性物、テキサノール等が挙げられる。
また、エマルションクリヤー塗料は、必要に応じて、消泡剤、粘度調整剤、凍結抑止剤、湿潤剤、水溶性樹脂、浸透助剤、防腐剤、表面調整剤、艶消剤、ゲル化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤の他、着色顔料、体質顔料、輝度顔料、遮熱顔料、寒水石、着色石、着色ビーズ、艶消ビーズ、着色樹脂チップ等のエマルションクリヤー塗料に相溶しない意匠材をさらに含んでいてもよい。
本実施形態のエマルションクリヤー塗料の製造方法によれば、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を簡便に製造することができるので、生産性が良好であり、かつ、エマルションクリヤー塗料とした際も、樹脂の凝集も抑制され、貯蔵安定性に優れている。また、エマルションクリヤー塗料により形成されるクリヤー塗膜は、表面が親水性であり、煤煙、土埃等の汚染物質が付着しにくく、汚染物質が付着しても雨水により洗い流されることから、優れた耐汚染性と美観を保持することができる。さらに、樹脂の劣化を低減することができるため、クリヤー塗膜が安定である。
(クリヤー塗膜の形成方法)
クリヤー塗膜の形成方法は、エマルションクリヤー塗料の製造方法によりエマルションクリヤー塗料を製造する工程と、エマルションクリヤー塗料を塗装対象物に塗布してクリヤー塗膜を形成する工程を含む。
クリヤー塗膜の膜厚は、1〜50μmであることが好ましく、1〜30μmであることがより好ましい。クリヤー塗膜の膜厚が1μm以上であることにより、クリヤー塗膜の強度が向上し、クラックの発生を抑制することができる。一方、クリヤー塗膜の膜厚が50μm以下であることにより、クリヤー塗膜の表層部における酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の存在量が増加するため、クリヤー塗膜の透明性及び耐汚染性が向上する。
エマルションクリヤー塗料の塗布方法としては、例えば、刷毛、ローラー、エアースプレー、エアーレススプレー等の公知の方法を用いることができる。
なお、膜厚を均一にするために、エマルションクリヤー塗料を複数回重ね塗りしてもよい。
また、エマルションクリヤー塗料を塗装対象物に塗布した後、自然乾燥させてもよいし、必要に応じて、加熱乾燥させてもよい。
次に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、部は、質量部を意味する。
(酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液の調製)
100mmol/Lのオルトケイ酸ナトリウム及び塩化アルミニウム水溶液を調製した。次に、Alに対するSiのモル比が0.9となるように、オルトケイ酸ナトリウム水溶液と塩化アルミニウム水溶液を室温で急速混合し、1時間撹拌した。このとき、pHが7以上の塩基性であったため、1mol/Lの塩酸を用いて、pHを7に調整し、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を得た。無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を20℃で1時間撹拌し、前駆体生成反応を十分に完結させた。遠心分離機を用いて、脱イオン水で充分に無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を洗浄し、副生成物の塩を除去した後、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液と同量の脱イオン水を添加し、良く分散させた。
洗浄後の無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液に、酸化チタン(ブルッカイト)粒子の懸濁液を投入し、20℃で1時間撹拌した後に、得られた懸濁液をテフロン(登録商標)容器に封入し、100℃で48時間加熱して水熱反応させ、酸化チタン粒子の表面を無機ケイ酸塩高分子で被覆し、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を生成させた。
その後、遠心分離機を用いて、脱イオン水で酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を十分に洗浄し、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液を得た。ここで、酸化チタン粒子の表面を被覆している無機ケイ酸塩高分子は、アロフェン及びアロフェン前駆体から得られた類縁化合物を含む。
電気乾燥機を用いて、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液を40℃で乾燥させ、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を得た。
次に、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子のX線回折図形、BET比表面積、化学組成を測定した。
(X線回折図形)
自動X線回折装置RINT2100V/PC(リガク社製)を用いて、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子のX線回折図形を測定した。
その結果、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子のX線回折図形からは、酸化チタンのブルッカイト相に起因するピークが確認され、それらと被さるように、非晶質ケイ酸塩又は非晶質アルミニウムケイ酸塩鉱物(アロフェン)の特徴であるブロードなピークが25°及び40°付近に確認された。
(比表面積)
触媒分析装置BELCAT−A(マイクロトラック・ベル社製)を用いて、流通式窒素吸着法により、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の比表面積を測定した。
その結果、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、比表面積が253m/gであった。
(化学組成)
蛍光X線分析装置MESA−500(堀場製作所社製)を用いて、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の化学組成を測定した。
表1に、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の化学組成を示す。
表1から、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、酸化チタンの含有率が33.7質量%であり、その周囲と表面に非晶質アルミニウムケイ酸塩高分子が存在し、非晶質アルミニウムケイ酸塩高分子のAlに対するSiのモル比が1.05であることが明らかとなった。
(粒度分布)
粒度分布測定装置ZETASIZER−3000HSA(マルバーンインスツルメンツ社製)を用いて、動的光散乱法により粒度分布を測定した。
その結果、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、粒径が0.4μmから1.1μmの範囲に分布し、粒径が1μm付近にシャープなピークを示す粒度分布曲線が確認された。また、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、体積平均粒径が0.8μmであった。
次に、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を用いて、エマルションクリヤー塗料を調製した。
(エマルションクリヤー塗料ベースの調製)
まず、脱イオン水、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を、94:6(質量比)の割合で混合し、超音波分散処理を行い、ミルベースを得た。
次に、樹脂エマルションとして、固形分が42質量%のポリデュレックスG−659(旭化成社製)、成膜助剤として、エチレングリコールモノブチルエーテル(KHネオケム社製)、表面調整剤として、IPA(太平化成社製)及び水を、62.0:1.0:10.0:27.0(質量比)の割合で混合し、レットダウンベースを得た。
(実施例1)
ミルベースと、レットダウンベースと、水で、エマルションクリヤー塗料の固形分に対する、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子に含有している酸化チタンの質量比が0.063となるように混合し、さらに粘度調整剤アデカノールUH−420(ADEKA社製)を適量添加して粘度を約2Pa・sに合わせ、エマルションクリヤー塗料を得た。この時のエマルションクリヤー塗料の固形分に対する、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比は0.19であった。
(実施例2)
エマルションクリヤー塗料の固形分に対する、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子に含有している酸化チタンの質量比を0.32に変更した以外は、実施例1と同様にして、エマルションクリヤー塗料を得た。なお、この時のエマルションクリヤー塗料の固形分に対する、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比は0.94であった。
(実施例3)
エマルションクリヤー塗料の固形分に対する、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子に含有している酸化チタンの質量比を0.63に変更した以外は、実施例1と同様にして、エマルションクリヤー塗料を得た。なお、この時のエマルションクリヤー塗料の固形分に対する、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比は1.86であった。
(比較例1)
酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、エマルションクリヤー塗料を得た。
(比較例2)
エマルションクリヤー塗料ベースと、酸化チタン(ブルッカイト)粒子の懸濁液と、水で、エマルションクリヤー塗料の固形分に対する、酸化チタンの質量比が0.063となるように混合し、さらに粘度調整剤アデカノールUH−420(ADEKA社製)を適量添加して粘度を約2Pa・sに合わせ、エマルションクリヤー塗料を得た。
(比較例3)
エマルションクリヤー塗料の固形分に対する、酸化チタンの質量比を0.32に変更した以外は、比較例2と同様にして、エマルションクリヤー塗料を得た。
(比較例4)
エマルションクリヤー塗料の固形分に対する、酸化チタンの質量比を0.63に変更した以外は、比較例2と同様にして、エマルションクリヤー塗料を得た。
(クリヤー塗膜の形成)
プライマーとしての、水系セラミトーン(黒)(藤倉化成社製)を、アルミニウム製の平板上に塗布した。次に、実施例1〜3および比較例1〜4の各エマルションクリヤー塗料を、エアー塗装スプレーガンW−88(アネスト岩田社製)を用いて、プライマー上に塗布し、乾燥させて、クリヤー塗膜を形成し、試験片とした。この時、クリヤー塗膜は、膜厚が28μmであった。
(色差)
試験片のクリヤー塗膜が形成されている側の色差を測定した。なお、色差の測定には、色差計SMカラーコンピューターSM−T型(スガ試験機社製)を用いた。
表2に、比較例1の試験片との色差の差を示す。
ここで、比較例1のクリヤー塗膜は、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子もしくは酸化チタン(ブルッカイト)粒子が添加されていないため、高い透明性を有する。
表2から、比較例1の試験片と、実施例1〜3の試験片との色差の差は2未満であることがわかる。このため、実施例1〜3のクリヤー塗膜は、比較例1のクリヤー塗膜と、同じ色域であるといえ、クリヤー塗膜としての特性、即ち、透明性を十分に満たしていた。
また、エマルションクリヤー塗料の固形分に対する酸化チタンの質量比が同じ実施例と比較例の各組み合わせを比較すると、試験片の色差の差は、最大でも0.3(実施例2と比較例3)であり、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を含むクリヤー塗膜は、酸化チタン(ブルッカイト)粒子を含むクリヤー塗膜と、極めて近い色域であるといえる。
次に、試験片の耐候性試験前後の色差の差と光沢の保持率、耐候性試験後の外観を評価した。
(耐候性試験前後の色差の差、光沢の保持率)
試験片の耐候性試験を実施した。具体的には、まず、試験片に、紫外線照射機アイスーパーUVテスターW−151(岩崎電気社製)を用いて、ブラックパネルの温度が63℃、湿度が50%RHの条件で、各塗面が80mW/cmの照射強度で受光するように、試験片に紫外線を4時間照射した。その後、槽内の温度を約30℃、湿度を98%RH以上に設定して、4時間保持し、槽内を結露させた。上述した紫外線照射と結露のサイクルを480時間経過するまで繰り返した。
耐候性試験前後の試験片のクリヤー塗膜が形成されている側の色差の差と光沢の保持率を測定した。なお、色差と光沢の測定には、それぞれ色差計SMカラーコンピューターSM−T型(スガ試験機社製)と光沢計micro−TRI−gloss(BYK Gardner GmbH社製)を用いた。
(耐候性試験後の外観)
耐候性試験後の試験片のクリヤー塗膜が形成されている側の外観を目視により確認した。外観の判定基準は、以下の通りである。
A:表面の状態が良好であり、透明度が高く、光沢、色調ともに異常な変化が認められない
B:表面の状態が良好であり、透明度は高いが、光沢、色調に一部異常な変化が認められる
C:表面の状態が不良であり、透明度が低く、光沢、色調に異常な変化が認められる
図1に、耐候性試験後の試験片のクリヤー塗膜が形成されている側の写真を示す。
表3に、試験片の耐候性及び耐候性試験後の外観の評価結果を示す。
表3から、実施例1〜3を比較例1と比較すると、耐候性試験前後の色差の差の差異は、0.8〜1.3であり、殆ど変わらない結果であった。また、実施例1〜3を比較例1と比較すると、耐候性試験前後の光沢の保持率の差異は、2.5%であり、殆ど変わらない結果であった。さらに、実施例1〜3を比較例1と比較すると、図1からも明らかなように、耐候性試験後の外観は、殆ど変わらない結果であった。
一方、比較例3を比較例1と比較すると、耐候性試験前後の光沢の保持率の差異は4.8%であり、光沢の保持率の低下が認められた。また、比較例3を比較例1と比較すると、図1からも明らかなように、耐候性試験後の外観の低下が認められた。
さらに、比較例4を比較例1と比較すると、耐候性試験前後の色差の差、光沢の保持率の差異は、それぞれ7.9、21.0%であり、色差の差の著しい増大と光沢の保持率の著しい低下が認められた。また、比較例4を比較例1と比較すると、図1からも明らかなように、耐候性試験後の外観の著しい低下が認められた。
ここで特筆すべきことは、比較例2〜4は、酸化チタンの添加量の増加に伴って、クリヤー塗膜の劣化現象が加速しているのに対し、実施例1〜3は、それぞれ比較例2〜4と、酸化チタンの添加量が同量であるにもかかわらず、クリヤー塗膜の劣化現象が認められていないということである。
以上のことから、酸化チタンと無機ケイ酸塩高分子を複合化することで、クリヤー塗膜の耐候性が格段に向上することが明らかとなった。
さらに詳細を説明する。以上の通り、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子を含有するエマルションクリヤー塗料は、高い透明性と優れた耐候性を発現することが示された。
実施例1〜3のエマルションクリヤー塗料は、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子が添加されており、比較例2〜4のエマルションクリヤー塗料は、酸化チタン(ブルッカイト)粒子が添加されている。即ち、実施例1〜3のエマルションクリヤー塗料に添加されているフィラーの添加量は、それぞれ比較例2〜4のエマルションクリヤー塗料より多いことになる。一般的に、エマルションクリヤー塗料中のフィラーの添加量が増加すれば、クリヤー塗膜の透明度は低下することが知られている。また、クリヤー塗膜の透明性に最も影響する要因は、フィラーと樹脂マトリクスとの屈折率の差異である。また、フィラーの粒子径の光散乱への影響も、考慮すべきクリヤー塗膜の透明性に影響する因子であるとされる。
上記を考慮し、実施例1〜3の示す透明性の向上について考察する。先ず、フィラーと樹脂マトリクスとの屈折率の差異は、物質本来の特性差であり、制御が困難であるため、フィラーの粒子径の制御が重要となる。
酸化チタンは、一次粒子がナノオーダーであるが、エマルションクリヤー塗料に分散させた際に、二次粒子を形成し、透明度の低下の一因となることと、酸化チタンの表面が直接樹脂に接触しているため、樹脂の光劣化を惹起することが白濁化の要因となる。
しかしながら、酸化チタンの周囲を無機ケイ酸塩高分子が包囲することで、二次粒子への成長を阻害するとともに、無機ケイ酸塩高分子がスペーサーとなり、酸化チタンの表面と樹脂の接触部位を大幅に低減することができる。そのため、樹脂の光劣化の低減と、透明性の維持という相反した性能を発現するものと考えられる。
さらに、耐候性試験においては、サンプルチャンバ内での温度及び湿度の変化によってクリヤー塗膜が物理的に「伸び縮み」するストレスを、酸化チタン粒子の表面を包囲した無機ケイ酸塩高分子が緩衝材として適度に緩和し、結果的にクリヤー塗膜の耐候性の向上に寄与した可能性も示唆される。
酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、既存のアパタイト等を用いた酸化チタン複合粒子とは一線を画す機能複合型エマルションクリヤー塗料用フィラーである。また、フィラーの添加量の増加に伴い、クリヤー塗膜の強度は上昇することが知られているため、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、耐候性と透明性を維持しながら機械的強度の改善にも資する、ということができる。
以上のように、実施例1〜3のクリヤー塗膜は、酸化チタンのみでは達成し得なかった優れた耐候性及び透明性を有することが明らかとなった。
本実施形態のエマルションクリヤー塗料は、添加されている酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の優れた耐水性、耐熱性や耐腐食性、特異な形状を利用して、空気清浄機、熱交換器、浄水用フィルタ等、広範な産業分野で利用することが可能である。しかも、酸化チタン及び無機ケイ酸塩高分子は、医薬品や化粧品等にも使用され、食品添加物としても使用を認可されているため、安全性が高く、低コストで耐汚染性や耐候性にも優れるため、経済的である。
ここで、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、長期間に亘り、表面の耐候性及び透明性が持続するため、フィラーとして、有機繊維、プラスチックス等の媒体に添加することが可能である。このため、本実施形態のエマルションクリヤー塗料は、自動車内、浴室等の住居内空間にも応用することが可能である。

Claims (13)

  1. エマルションクリヤー塗料を製造する方法であって、
    ケイ素化合物の水溶液と、アルミニウム化合物の水溶液を混合し、無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を調製する工程と、
    該無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液から副生成物の塩を除去する工程と、
    該塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液と、表面の少なくとも一部に酸化チタンが存在する基材とを混合撹拌した後、水熱反応させて、酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液を得る工程と、
    該酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の懸濁液と、樹脂エマルションを混合する工程を含むことを特徴とするエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  2. 前記無機ケイ酸塩高分子は、アロフェン及びアロフェン前駆体から得られた類縁化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  3. 前記ケイ素化合物の水溶液及び前記アルミニウム化合物の水溶液は、それぞれ濃度が1mmol/L〜10mol/Lであることを特徴とする請求項1又は2に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  4. 前記アルミニウムに対する前記ケイ素のモル比が0.1〜5.0であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  5. 前記ケイ素化合物の水溶液と、前記アルミニウム化合物の水溶液を、1mL/min〜10000L/minで急速混合することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  6. 前記ケイ素化合物の水溶液と、前記アルミニウム化合物の水溶液を混合した液は、pHが3〜10であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  7. 前記無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液を10〜50℃で0.1〜72時間撹拌する工程をさらに含み、
    該撹拌された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液から前記副生成物の塩を除去することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  8. 前記塩が除去された無機ケイ酸塩高分子の前駆体粒子の懸濁液と、前記基材とを10〜50℃で0.1〜72時間混合撹拌した後、20〜150℃で12〜240時間水熱反応させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  9. 前記酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、前記酸化チタンの含有率が20〜40質量%であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  10. 前記酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、比表面積が200m/g以上であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  11. 前記酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子は、粒径が0.1〜100μmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  12. 前記エマルションクリヤー塗料の固形分に対する前記酸化チタン/無機ケイ酸塩高分子複合粒子の質量比が0.1〜5.0であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法。
  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載のエマルションクリヤー塗料の製造方法によりエマルションクリヤー塗料を製造する工程と、
    該エマルションクリヤー塗料を塗装対象物に塗布してクリヤー塗膜を形成する工程を含むことを特徴とするクリヤー塗膜の形成方法。
JP2016176592A 2016-09-09 2016-09-09 エマルションクリヤー塗料の製造方法 Pending JP2018039947A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016176592A JP2018039947A (ja) 2016-09-09 2016-09-09 エマルションクリヤー塗料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016176592A JP2018039947A (ja) 2016-09-09 2016-09-09 エマルションクリヤー塗料の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018039947A true JP2018039947A (ja) 2018-03-15

Family

ID=61625304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016176592A Pending JP2018039947A (ja) 2016-09-09 2016-09-09 エマルションクリヤー塗料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018039947A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020095717A1 (ja) * 2018-11-07 2020-05-14 石原産業株式会社 塗料組成物及びこれを用いた着色親水性塗膜

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020095717A1 (ja) * 2018-11-07 2020-05-14 石原産業株式会社 塗料組成物及びこれを用いた着色親水性塗膜

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Amorim et al. Towards an efficient and durable self-cleaning acrylic paint containing mesoporous TiO2 microspheres
JP5196710B2 (ja) コーティング材とその用途
JP3454817B2 (ja) 可視光応答性塗料、塗膜及び物品
CN103937311A (zh) 光催化涂料
JP2012250134A (ja) 光触媒塗装体およびそのための光触媒コーティング液
CN107109086A (zh) 包括硅藻细胞壳的组合物及其应用
JP2006299210A (ja) コーティング材、光触媒膜及びその用途
JP5544515B2 (ja) 耐候性・耐汚染性塗膜形成用エマルション塗料の製造方法、そのエマルション塗料及び耐候性・耐汚染性塗膜
KR20240022535A (ko) 연질 또는 경질 표면을 보호, 코팅 또는 장식하기 위한 페인트, 제제 등에 첨가되기에 유용한, 금속성 또는 반금속성 나노입자 매트릭스 중에 금속 산화물 나노입자를 포함하는 고효율 오염제거 첨가제
JP2009136868A (ja) 光触媒塗装体およびそのための光触媒コーティング液
JP2006297350A (ja) 光触媒膜及びその製造方法
JP5403584B2 (ja) 再析出法で合成された耐候性を有する耐汚染材料とその製造方法
JP4980204B2 (ja) 酸化チタン系消臭剤の製造方法
JPWO2003033144A1 (ja) 光触媒複合体、光触媒層形成用塗布液及び光触媒担持構造体
JP2018039947A (ja) エマルションクリヤー塗料の製造方法
JPH091724A (ja) 二酸化チタンを含有したシリカ膜を有する物品
JP5358433B2 (ja) 複合体及びその製造方法並びにそれを含む組成物
JP3978636B2 (ja) 光触媒膜形成用コーティング組成物
JP2006297351A (ja) 光触媒膜及びその製造方法
JPH105598A (ja) 光触媒粉体およびそれを用いた光触媒体ならびにそれらの製造方法、それらを用いた環境浄化方法
JP3992129B2 (ja) 多孔質光触媒の製造方法
CN114262548A (zh) 一种具有可见光催化功能的涂料及其制备方法
JP5065636B2 (ja) 光半導体微粒子の製造方法
CN110408243B (zh) 含量子点的可见光光催化功能底涂及其制备方法
JP4110279B2 (ja) 光触媒皮膜を塗布した基材および光触媒皮膜を基材上に形成する方法