JPWO2003033144A1 - 光触媒複合体、光触媒層形成用塗布液及び光触媒担持構造体 - Google Patents

光触媒複合体、光触媒層形成用塗布液及び光触媒担持構造体 Download PDF

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Abstract

本発明は、浄水、脱臭、防汚、殺菌、廃水処理、藻の育成抑制、および各種の化学反応に使用可能な光触媒を担持した構造体を提供することを目的とする。光触媒、コロイダルシリカ粒子を含有する光触媒複合体であって、前記コロイダルシリカ粒子が、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子を用い、さらにジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることにより、上記目的を達成することができる。

Description

技術分野:
本発明は、浄水、脱臭、防汚、殺菌、排水処理、藻の成育抑制、及び各種化学反応等に用いられる光触媒を担持した構造体、特に透明性に優れた屋外環境下でも十分な耐久性を有する光触媒複合体、光触媒層形成用塗布液及び光触媒担持構造体に関する。
背景技術:
従来から、光触媒の作用により抗菌、防黴性や有害物質の分解を意図して、光触媒を担体上に担持させてなる光触媒担持構造体が知られている。かかる光触媒担持構造体は、通常担体表面に光触媒成分を含有する光触媒層形成用塗布液を塗布、硬化させることにより光触媒層を形成することにより製造されている。
光触媒層形成用塗布液は、二酸化チタン等の金属酸化物からなる光触媒成分だけでは様々な担体に十分な強度を持って固定することが困難であることからバインダー成分を含有しており、光触媒の酸化作用に耐えうるバインダーとしてシリカゾルが多く用いられてきた。
また、担体(基材あるいは基板)表面に光触媒を含有する被膜または層(以下、「光触媒層」という。)を形成してなる部材(以下、「光触媒担持構造体」という。)を屋外で使用する場合、長期間に渡って風雨にさらされる。このとき、光触媒膜層が耐水性に劣るものである場合には、部分的にあるいは全面的に担体から剥離して、充分な光触媒活性を発揮できない。従って、光触媒担持構造体がより長期間に渡って屋外で使用される場合には、より耐水性が高いことが望まれていた。
さらに、光触媒層が長期間に渡って風雨にさらされた場合には、その透明性が劣化することが知られている。従って、ガラスや透明プラスチック等のような透明な担体上に光触媒膜層を形成する場合には、下値の色や模様を活かすためにも、特に耐水性に優れ、透明度の変化が少ないことが要求されていた。
本発明に用いる細長い形状に結合した球状コロイダルシリカを使用している例が、例えば、特開平11−10803号公報に光触媒を含有する農業用資材として記載されているが、本発明のような構成は具体的に実施例には記載されていない。
発明の開示:
耐水性および長期耐久性の評価方法としてはJISK5400やJISK6744に規定されているような耐沸騰水試験が知られているが、1時間漬浸した場合でも、剥離がなく、透明性の変化がほとんどないという光触媒触媒層はいままで知られていなかった。
長期間風雨にさらされるような屋外環境で使用される場合の光触媒担持体が解決しなくてはならない課題として、1)1時間沸騰水に漬浸させた後でも、光触媒と担体の接着性が良好であり、かつ光触媒塗膜の透明性の変化が大きくないこと、2)光触媒活性が担体上に担持されることにより大きく低下しないこと、3)屋外における紫外線照射によって担持した光触媒による担体および接着座の劣化がおきず、長期に渡って接着強度を維持し耐久性を保っていることの3点が挙げられる。
本発明は、浄水、脱臭、防汚、殺菌、廃水処理、藻の育成抑制、および各種の化学反応に使用可能で、上記3点の課題を解決しうる光触媒を担持した構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、バインダー成分として、アルミニウム、ジルコニウムを主成分とし、特殊な形状を有するシリカゾルを用いることで上記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(1)光触媒、コロイダルシリカ粒子を含有する光触媒複合体であって、前記コロイダルシリカ粒子が、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子であり、該光触媒複合体にさらにジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする光触媒複合体、
(2)さらにシリコン化合物を含有することを特徴とする(1)に記載の光触媒複合体、
(3)球状コロイダルシリカ粒子の粒子径が10〜50nmであることを特徴とする(1)または(2)に記載の光触媒複合体、
(4)球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子の長さが50〜400nmの範囲であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の光触媒複合体、
(5)球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が、動的光散乱法による測定粒子径(D1nm)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2nm)の比D1/D2が5以上であって、このD1は40〜300nmであり、そして電子顕微鏡観察による5〜20nmの範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する細長い形状の非晶質コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする(1)または(2)に記載の光触媒複合体、
(6)前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の光触媒複合体、
(7)前記アルミニウム化合物が、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の光触媒複合体、
(8)前記ジルコニウム化合物またはアルミニウム化合物は、150℃で乾燥後の比表面積が100m/g以上の多孔質ゲルである(6)または(7)に記載の光触媒複合体、
(9)光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して、前記コロイダルシリカ粒子を5〜50重量%含有し、光触媒を5〜60重量%含有することを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載の光触媒複合体、
(10)光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して、ジルコニウム化合物を、5〜40重量%含有することを特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の光触媒複合体、
(11)光触媒複合体全体に対して、アルミニウム化合物を、酸化物に換算して20〜90重量%含有することを特徴とする(1)〜(10)のいずれかに記載の光触媒複合体に関する。
また、
(12)光触媒層形成用塗布液であって、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が分散したシリカゾル、並びに光触媒粒子及び/またはゾルを含有し、さらに、ジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種をを含有することを特徴とする光触媒層塗布液、
(13)さらにポリシロキサンを含有することを特徴とする(12)に記載の光触媒層塗布液、
(14)光触媒層形成用塗布液全体に対して、固形分として酸化物換算で、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が分散したシリカゾルシリカゾルを0.5〜5重量%、及び光触媒粒子及び/またはゾルを固形分として0.5〜6重量%を含有してなることを特徴とする(12)または(13)に記載の光触媒層形成用塗布液、
(15)光触媒層形成用塗布液全体に対して、固形分として酸化物換算で、ジルコニウム化合物を0.5〜5重量%、アルミニウム化合物を2〜9重量%からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする(12)または(14)に記載の光触媒層形成用塗布液、
(16)球状コロイダルシリカ粒子の粒子径が10〜50nmであることを特徴とする(12)〜(15)のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液、
(17)球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子の長さが50〜400nmの範囲であることを特徴とする(12)〜(16)のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液、
(18)球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が、動的光散乱法による測定粒子径(D1nm)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2nm)の比D1/D2が5以上であって、このD1は40〜300nmであり、そして電子顕微鏡観察による5〜20nmの範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する細長い形状の非晶質コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする(12)〜(15)のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液、
(19)前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物のゾルであることを特徴とする(12)〜(18)のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液、
(20)前記アルミニウム化合物が、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物のゾルであることを特徴とする(12)〜(19)のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液、
(21)前記アルミニウム化合物の平均粒子径が2〜50nmであることを特徴とする(12)〜(20)のいずれかに記載の光触媒層形成用塗布液、
(22)前記アルミニウム化合物の平均粒子径が2〜20nmである(12)〜(20)のいずれかに記載の光触媒層形成用塗布液に関する。
(23)担体表面に接着層を形成し、さらに該接着層表面に光触媒層を形成してなる光触媒層担持構造体であって、前記光触媒層が、(1)〜(11)のいすれかに記載の光触媒複合体からなることを特徴とする光触媒層担持構造体に関し、
(24)前記接着層及び光触媒層を合わせた塗膜の濁度が3%以下であることを特徴とする(23)に記載の光触媒担持構造体、
(25)沸騰イオン交換水中で1時間煮沸した後でのJISK5400に規定された碁盤目テープ法による付着性が評価点数6点以上であることを特徴とする(23)または(24)に記載の光触媒担持構造体、
(26)沸騰イオン交換水中で1時間煮沸した後での接着層及び光触媒層を合わせた塗膜の濁度が3%以下であることを特徴とする(23)に記載の光触媒担持構造体、
(27)紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後でのJISK5400に規定された碁盤目テープ法による付着性が評価点数6点以上であることを特徴とする(23)に記載の光触媒担持構造体、
(28)紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後での接着層及び光触媒層を合わせた塗膜の濁度が3%以下であることを特徴とする(23)に記載の光触媒担持構造体に関する。
本発明の光触媒複合体は、基本的には光触媒成分及び球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子を含有し、さらにジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有してなることを特徴とする。
光触媒は、粉末状、ゾル状、溶液状など、乾燥・硬化したときに接着層と固着して光触媒活性を示すものであればいずれも使用することができる。特にゾル状で平均粒子径が50nm以下、好ましくは20nm以下のものを使用する場合には、光触媒層の透明性が向上し直線透過率が高くなるため、透明性を要求されるガラス基板やプラスチック成形体に塗布する場合に好ましい。
また、下地の担体に色や模様が印刷されたものの場合に、こうした透明な光触媒層を塗布すると下地の色や柄を損なうことがない。50nm以上では直線透過率が減少し、ヘイズ率が高くなる。ここで、ヘイズ率は、ヘイズ率=(全光透過率−直線透過率)/全光透過率という関係式で求められる値である。例えば、トイレの窓ガラスは、トイレ内が明るいように全光透過率の高いもので、かつ、内部がはっきりと見えてはいけないのでヘイズ率は高いものである必要がある。
前記光触媒としては、具体的にはTiO、ZnO、SrTiO、CdS、GaP、InP、GaAs、BaTiO、KNbO、Fe、Ta、WO、SnO、Bi、NiO、CuO、SiC、SiO、MoS、InPb、RuO、CeO等を例示することができ、さらにこれらの光触媒にPt、Rh、RuO、Nb、Cu、Sn、Ni、Fe等の金属もしくは金属酸化物を添加したものを使用することができる。これらの内、耐久性、コスト、光触媒活性を考慮すると酸化チタン(TiO)を主成分とするものが特に好ましく、さらに、光触媒活性を考慮するとアナターゼ型酸化チタンが好ましい。また、太陽光のような紫外線を多く含む光で触媒活性を示す酸化チタンのみならず、貴金属をドープ等して紫外線の少ない室内光においても触媒活性示す酸化チタンを用いることができる。
前記光触媒複合体中の光触媒の含有量は、光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して5重量%〜60重量%が好ましい。5重量%未満になると光触媒活性が著しく低下する。一方、60重量%を越える場合には光触媒活性は高くなるものの、接着層との接着性が乏しくなる。
本発明に用いられるコロイダルシリカ粒子は、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子であることを特徴とし、その形状の具体例として、球状コロイダルシリカ粒子をパールネックレスのパールにみたてるとパールネックレスの一部のような形状を例示することができる。すなわち、球状シリカ粒子を3個以上、好ましくは5個以上、更に好ましくは7個以上連結したものを例示することができる。また、球状コロイダル粒子一つ一つの形状が明確である必要はなく、部分的には筒状に連続して細長い形状をしているものでもよく、さらに、球状コロイダル粒子が結合している必要はなく、粒子全体として細長い形状であるのが好ましい。
細長い形状において、その長さは、50〜400nmの範囲が好ましく、その太さを10〜50nmの範囲のものが好ましく、全体にわたって太さが均一なものが好ましい。さらに、細長い形状は、ある球状コロイダルシリカ粒子を起点に2次元方向に伸長しているのが好ましい。また、全体として細長い形状であれば、多少分岐構造を有するものでも構わない。
球状コロイダルシリカ粒子が先に述べたようにネックレス状に結合している場合に、その球状コロイダルシリカ粒子の平均粒径は、10〜50nmの範囲であるのが好ましい。
以上のような特性を有するコロイダルシリカ粒子として、具体的には、動的光散乱法による測定粒子径(D1nm)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2nm)の比D1/D2が5以上であって、このD1は40〜300nmであり、そして電子顕微鏡観察による5〜20nmの範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する細長い形状の非晶質コロイダルシリカ粒子を例示することができる。このようなコロイダルシリカ粒子が分散したゾルの製造方法として、特開平1−317115号公報、特開平7−118008号公報に記載されている方法を例示することができる。
本発明に用いられるジルコニウム化合物は光触媒複合体の耐アルカリ性を向上させる目的で添加される。かかるジルコニウム化合物としては、ジルコニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、オキシ炭酸塩、蓚酸塩、オキシ蓚酸塩、酢酸塩、オキシ酢酸塩、炭素数1〜6のアルコキシド及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物のゲルが好ましい。
ジルコニウムの化合物の好ましい具体例としては、酸化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、水和酸化ジルコニウム、オキシ水酸化ジルコニウム、水和硝酸ジルコニウム、水和オキシ塩化ジルコニウム、蓚酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムジブトキシドアセチルアセトナート、ジルコニウムジブトキシドラクテート、ジルコニウムブトキシドの加水分解生成物、ジルコニウムイソプロポキシドの加水分解生成物を挙げることができる。
アルミニウムの化合物は、光触媒複合体の耐アルカリ性をさらに向上させ、ヘイズ率を下げる目的で添加される。アルミニウム化合物としては、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩、炭酸塩、オキシ炭酸塩、蓚酸塩、オキシ蓚酸塩、酢酸塩、オキシ酢酸塩、炭素数1〜6のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解生成物からなる群から選ばれた1種又は2種以上の混合物が好ましい。
アルミニウムの化合物の好ましい具体例として、酸化アルミニウム、酸化水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水和酸化アルミニウム、ベーマイト、硝酸アルミニウム、オキシ硝酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、オキシ炭酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、オキシ蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、オキシ酢酸アルミニウム、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムブトキシドアセチルアセトナート、アルミニウムブトキシドラクテート、アルミニウムブトキシドの加水分解生成物、アルミニウムイソプロポキシドの加水分解生成物等を挙げることができる。
光触媒と共に用いられるジルコニウム化合物またはアルミニウム化合物は、平均粒子径が2nm〜50nm、好ましくは2nm〜20nmのゾルを使用するのが好ましい。このいような粒子径のものを使用する場合には、光触媒層の透明性が向上し、直線透過率が高くなるため、特に透明性を要求されるガラス基板やプラスチック成形体に塗布する場合に好ましい。また、下地の担体に色や模様が印刷されたものの場合に、こうした透明な光触媒層を塗布すると下地の色や柄を損なうことがない。また、平均粒子径が50nm以上のものを用いる場合には、直線透過率が減少し、ヘイズ率が高くなる。
前記光触媒複合体中のジルコニウムまたはアルミニウムの、酸化物、酸化水酸化物、水酸化物は、150℃で乾燥後の比表面積が100m/g以上の多孔質ゲルを使用するのが好ましい。多孔質ゲルは吸着性を有しており、光触媒活性を高める効果を有する。
前記光触媒複合体中のジルコニウム化合物の含有量は、光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して5〜40重量%であるのが好ましい。5重量%未満では光触媒層の耐アルカリ性に乏しくなる。一方、40重量%を越えると透明性が悪くなる。
前記光触媒複合体のアルミニウム化合物の含有量は、光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して20〜90重量%であるのが好ましい。20重量%未満では光触媒層のヘイズ率の上昇を抑制する効果及び耐アルカリ性を高める効果に乏しくなる。一方、添加量が90重量%を越えると光触媒活性が低下する。
前記光触媒複合体中のジルコニウム化合物及びアルミニウム化合物の含有量は、合計でこれらの酸化合物に換算して40〜95重量%が好ましい。40重量%未満では、接着層との接着が不十分となり、95重量%を越えると、添加できる光触媒の量が減少するため光触媒活性の低下が著しい。
前記光触媒複合体中に、さらにシリコン化合物を含有することより膜強度が向上する。シリコン化合物としては、
SiCln(OH)n(OR)n
で表されるシリコンアルコキシドまたはそれらの加水分解生成物である。
ここで、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、アミノメチル、アミノエチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル基等の(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表す。
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基、又はメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、プロポキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル基等のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表す。またn、n及びnは0、1又は2を表し、nは2から4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。
前記式で表されるシリコンアルコキシドの好ましい具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
前記光触媒複合体中のシリコン化合物の含有量は、光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して1〜20重量%であるのが好ましい。
またこれらの多成分に、塗膜強度を向上させる目的で、更にスズ、ニオブ、タンタルの酸化物あるいはこれらの水酸化物を含有させることもできる。その場合においては、光触媒層中のアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のの含有量が前記耐アルカリ性向上のために添加する含有量の範囲内であれば、極めて優れた耐アルカリ性を示すものとすることができる
本発明の光触媒層形成用塗布液は、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が分散したシリカゾル、並びに光触媒粒子及び/またはゾルを含有し、さらに、ジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種をを含有することを特徴とする。
前記光触媒層形成用塗布液に含まれる、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が分散したシリカゾル、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物及び光触媒の具体例としては、前記光触媒複合体に含まれるコロイダルシリカ粒子、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物及び光触媒の好ましいものとして列記したものと同様なものを用いることができる。
前記ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物及び光触媒はゾルの形で用いるのが好ましい。ゾルを使用する場合には、安定化のために光触媒塗布液中へ酸やアルカリの解膠剤を添加することもできる。またゾル懸濁液中に、接着性や操作性を良くする目的で、光触媒に対して5重量%以下の界面活性剤等を添加することもできる。
光触媒層形成用塗布液に含まれる各成分の量は、塗布液全体に対して、固形分として酸化物換算で、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が分散したシリカゾルシリカゾルを0.5〜5重量%、及び光触媒粒子及び/またはゾルを固形分として0.5〜6重量%であるのが好ましく、光触媒層形成用塗布液全体に対して、固形分として酸化物換算で、ジルコニウム化合物を0.5〜5重量%、アルミニウム化合物を2〜9重量%であるのが好ましい。
光触媒複合体にシリコン化合物を含有させる場合には、光触媒層形成用塗布液全体に対して、固形分として酸化物換算で、シリコン化合物を0.001〜5重量%含有させるのが好ましい。シリコン化合物としては例えば炭素数1〜5のアルコキシ基を有するシリコンアルコキシドの加水分解物あるいは該加水分解物生成物が好ましい。シリコンアルコキシドのアルコキシ基の炭素数が6を超えると、加水分解速度が非常に遅くなる。また、部分的に塩素を含んだシリコンアルコキシドを加水分解したポリシロキサンを使用することもできるが、塩素を多量に含有したポリシロキサンを使用する場合には、不純物の塩素イオンにより、担体が腐食されたり、接着性が低下するおそれがある。
かかるシリコンアルコキシドとしては、例えば、次式で表される化合物が好ましく使用できる。
SiCln(OH)n(OR)n
ここで、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、アミノメチル、アミノエチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル基等の(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表す。
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基、又はメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、プロポキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル基等のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表す。またn、n及びnは0、1又は2を表し、nは2から4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。
前記式で表されるシリコンアルコキシドの好ましい具体例としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC、Si(OC11、Si(OC13、SiCH(OCH、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCl(OCH、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC13、SiCl(OH)(OCH、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OCH、SiCl(OC等を挙げることができる。
光触媒層形成用塗布液の調製方法としては、(a)ジルコニウム又はアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾル溶液、光触媒、コロイダルシリカゾル等を混合する方法、ジルコニウム又はアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾルの前駆体溶液の状態で光触媒とコロイダルシリカゾル等を混合する方法、(b)ジルコニウム又はアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾル溶液及びコロイダルシリカゾルと光触媒を形成させるためのゾルや溶液等を混合する方法等、光触媒層中に均一に混合される方法であれば、いずれの方法も採用できる。また、(c)ジルコニウム又はアルミニウムの酸化物、酸化水酸化物もしくは水酸化物のゾルの前駆体溶液中に、光触媒粒子又はゾル、及びコロイダルシリカゾル等を分散し、コート時に加水分解や中和分解してゾル化させることもできる。
用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ジエチルエーテル、メチルセルソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、サクサンエチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素等を挙げることができる。また、これらの2種以上を混合して用いることもできる。これらの内、水−アルコール系溶媒が特に好ましい。
本発明に係る光触媒を担持した構造体は、光触媒層と担体の間に接着層を設けた構造を有する。光触媒層と担体との間に設けた接着層は、下地の担体を光触媒作用による劣化から保護する作用と光触媒層を担体に強固に接着させる作用を有しており、また接着層自身が光触媒作用による劣化を受けにくいという特徴をもつ。
前記担体は、接着剤層を介して光触媒を担持可能なものであれば特に限定されない。例えば、セラミックス、無機質材料、担体材質が熱をかけられない有機高分子体や熱や水等により酸化腐食し易い金属であっても、この接着層と光触媒層を設けた構造体を得ることができる。また、担体形状としては、フィルム状、シート状、板状、管状、繊維状、網状等どのような複雑な形状のものも使用可能である。担体の厚さとしては10μm以上のものであれば強固に担持することができるので好ましい。さらに、担体と接着層との密着性を良くするために、表面を放電処理やプライマー処理等の易接着処理を施した担体を用いることができる。
接着層の材質としては、担体を光触媒作用による劣化から保護し、さらに光触媒層を強固に固定できるものであれば特に制限されないが、具体的には(1)シリコン含有量が酸化物に換算して2〜10重量%の(アクリルシリコン樹脂、エポキシシリコン樹脂、ポリエステルシリコン樹脂)等のシリコン変性樹脂、(2)ポリシロキサンを酸化物に換算して3〜90重量%含有する樹脂、又は(3)コロイダルシリカを酸化物に換算して5〜90重量%含有した樹脂を使用することができる。これらの樹脂は光触媒を強固に接着し、担体を光触媒から保護するのに適当である。
シリコン含有量が酸化物に換算して2重量%未満のアクリルシリコン樹脂等のシリコン変性樹脂やポリシロキサン含有量が酸化物に換算して3重量%未満の樹脂、コロイダルシリカ含有量が酸化物に換算して5重量%未満の樹脂では、光触媒層との接着が悪くなる。また、接着層が光触媒により劣化し、光触媒層が剥離し易くなる。シリコン含有量が酸化物に換算して10重量%を超えるアクリル−シリコン樹脂等のシリコン変性樹脂やポリシロキサン含有量が酸化物に換算して90重量%を超える樹脂、コロイダルシリカ含有量が酸化物に換算して90重量%を超える樹脂では、担体との密着性が低下する。
またシリコンを導入する樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂等を例示することができる。これらの内、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂が、成膜性、強靭性、担体との密着性の点で特に好ましい。これらの樹脂は、溶液状であってもエマルジョンタイプであってもどちらでも使用できる。また、架橋剤等の添加物が含まれていてもよい。
前記接着層の樹脂に含まれるポリシロキサンが炭素数1〜5のアルコキシ基を有するシリコンアルコキシドの加水分解物あるいは該加水分解物生成物である場合には、接着性及び耐久性がより向上した担持構造体を得ることができる。シリコンアルコキシドのアルコキシ基の炭素数が6を超えると、加水分解速度が非常に遅いので、樹脂中で硬化させるのが困難になり、接着性や耐久性が悪くなる。また、部分的に塩素を含んだシリコンアルコキシドを加水分解したポリシロキサンを使用することもできるが、塩素を多量に含有したポリシロキサンを使用する場合には、不純物の塩素イオンにより、担体が腐食されたり、接着性が低下するおそれがある。
かかるシリコンアルコキシドとしては、例えば、次式で表される化合物が好ましく使用できる。
SiCln(OH)n(OR)n
ここで、Rはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、アミノメチル、アミノエチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル基等の(アミノ基、カルボキシル基又は塩素原子で置換されていてもよい)炭素数1〜8のアルキル基を表す。
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基等の炭素数1〜8のアルキル基、又はメトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、プロポキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル基等のアルコキシ基で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表す。またn、n及びnは0、1又は2を表し、nは2から4の整数を表し、かつn+n+n+n=4である。
前記式で表されるシリコンアルコキシドの好ましい具体例としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC、Si(OC11、Si(OC13、SiCH(OCH、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCH(OC、SiCl(OCH、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC、SiCl(OC13、SiCl(OH)(OCH、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OH)(OC、SiCl(OCH、SiCl(OC等を挙げることができる。
これらシリコン変性樹脂のシリコンを導入する方法としは、エステル交換反応、シリコンマクロマーや反応性シリコンモノマーを用いたグラフト反応、ヒドロシリル化反応、ブロック共重合法等種々あるが、どのような方法で得られたものも使用できる。
例えば、ポリシロキサンの樹脂への導入方法としては、(1)シリコンアルコキシドをモノマーの状態で樹脂溶液と混合し、接着層形成時に空気中の水分で加水分解させる方法、(2)予めシリコンアルコキシドの部分加水分解物を樹脂と混合し、更に、接着剤層形成時に空気中の水分で加水分解する方法等種々あるが、樹脂と均一に混合できる方法ならどのような方法でも良い。
また、シリコンアルコキシドの加水分解速度を調整するために、酸や塩基触媒を少量添加してもよい。ポリシロキサンの樹脂への添加量は、担体に光触媒層を強固に接着させるためには酸化物に換算して3〜90重量%が好ましい。
ポリシロキサンを導入させる樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂等どのような樹脂も使用できる。これらのうち、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂又はこれらの混合樹脂は、シリコン変性樹脂とした場合、耐久性や耐アルカリ性の点で好ましい。
接着層がコロイダルシリカを含有する場合、コロイダルシリカの粒子径は10nm以下であるのが好ましい。粒子径が10nm以上になると、接着層中の樹脂は光触媒により劣化し易くなるばかりか、光触媒層と接着層との接着も悪くなる。
コロイダルシリカを樹脂に導入する方法としては、樹脂溶液とコロイダルシリカ溶液を混合後、塗布−乾燥して保護膜を形成する方法が最も簡便である。その他、コロイダルシリカを分散した状態で樹脂を重合させたたものを使用することもできる。
また、コロイダルシリカと樹脂との接着性および分散性を良くするために、シランカップリング剤で処理されたコロイダルシリカを用いることもできる。
コロイダルシリカの樹脂への添加量は、担体に光触媒層を強固に接着させるためには酸化物に換算して5〜90重量%が好ましい。
コロイダルシリカを導入する樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等どのような物でも使用可能である。これらの樹脂の中で、アクリル樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂が、シリコン変性樹脂とした場合に耐久性や耐アルカリ性に優れたものを得ることができるため特に好ましい。
またコロイダルシリカは、珪酸ナトリウム水溶液を陽イオン交換することにより得られるシリカゾルであっても、シリコンアルコキシドを加水分解して得られるシリカゾルであっても、どのようなものでも使用することができる。
さらに本発明においては、ポリシロキサン及びコロイダルシリカの両方を含有する樹脂を接着層として使用することができる。その場合、接着層中のポリシロキサンおよびコロイダルシリカの含有量の合計が酸化物に換算して前記耐アルカリ性向上を示す含有量の範囲内であれば、同様に優れた耐アルカリ性を示すものとすることができる
接着層に使用する樹脂がコロイダルシリカを含有する樹脂若しくはポリシロキサンを含有する樹脂の場合、そのコロイダルシリカやポリシロキサンの粒子径は10nm以下が望ましい。コロイダルシリカやポリシロキサンの粒子径が10nmを越えるものであると、分散性が悪くなり、接着層の透光性が低下するため接着層と光触媒層の合計の波長550nmの全光線透過率は70%以下となる場合がある。
なお接着層樹脂には光触媒作用による劣化を抑える目的で、光安定化剤及び/又は紫外線吸収剤をさらに添加することができる。使用することができる光安定化剤としてはヒンダードアミン系が好ましいが、その他の物でも使用可能である。紫外線吸収剤としてはトリアゾール系等が使用できる。これらの添加量は、樹脂に対して、0.005重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%である。また、接着層上をシラン系もしくはチタン系カップリング剤で処理することにより、光触媒層との接着性を高めることも好ましい。
接着層を担体上に形成する方法としては、接着剤樹脂溶液を印刷法、シート成形法、スプレー吹き付け法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等でコート、乾燥・硬化させる方法を例示することができる。乾燥温度は、溶媒や樹脂の種類によっても異なるが、一般的に50℃〜300℃程度が好ましい。
接着層の厚さは、光触媒層との良好な接着を得るためには0.1μm〜20μm程度が望ましい。接着層の厚みが0.1μm以下であると、光触媒層を強固に接着させる働きが弱くなる。一方、厚みが20μm以上の場合は特に問題はないものの、実際の塗布加工を考慮すると20μm以上にするメリットは少ない。
光触媒層は、前記光触媒層形成用塗布液を接着層表面に印刷法、シート成形法、スプレー吹き付け法、ディップコーティング法、スピンコーティング法等でコートし、乾燥・硬化させることにより形成することができる。乾燥・硬化時の好ましい温度は、担体材質及び接着層中の樹脂材質によっても異なるが、通常50℃〜300℃程度である。
光触媒層の厚みは厚い方が光触媒活性は高くなるが、20μmを越えると光触媒活性は飽和する一方で、実際の塗布加工において困難となる場合が多く、また光触媒層の光透過率が低下するため20μm以下が好ましい。一方、光触媒の厚さが0.1μm未満になると、透光性は良くなるものの、光触媒が利用する紫外線をも透過してしまうために高い活性は望めなくなる。
光触媒層の厚さを0.1μm以上20μm以下とし、しかも平均粒子が50nm以下の光触媒粒子、及びアルミニウムの酸化物もしくは水酸化物のゲルを用いることにより、光触媒層と接着層の合計の波長550nmの全光線透過率は80%以上で、ヘイズ率が2%以下のものを得ることができる。かかる光触媒担持構造体は、透明な担体を用いる場合、透過した可視光線を照明として利用でき、また担体が不透明な場合でも、担体上の柄を損なうことがないので装飾性の上でも優れたものとなる。
このようにして得られる本発明の光触媒担持構造体は、前記接着層及び光触媒層を合わせた塗膜の濁度が3%以下であることを特徴とする。この場合、濁度とは、先に述べたヘイズ率と同じ意味で用いられる。
さらに、沸騰イオン交換水中で1時間煮沸した後でのJISK5400に規定された碁盤目テープ法による付着性が評価点数6点以上であることを特徴とする。また、沸騰イオン交換水中で1時間煮沸した後での接着層及び光触媒層を合わせた塗膜の濁度が3%以下であることを特徴とし、紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後でのJISK5400に規定された碁盤目テープ法による付着性が評価点数6点以上であることを特徴とし、紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後での接着層及び光触媒層を合わせた塗膜の濁度が3%以下であることを特徴とする。
本発明の光触媒を担持した構造体は、建築用塗料、壁紙、窓ガラス、ブラインド、カーテン、カーペット、照明器具、照明灯、道路灯、トンネル照明灯、高速道や新幹線の遮音壁、ブラックライト、船底・漁網防汚塗料、水処理用充填剤、農ビフィルム、防草シート、包装資材等に使用できる。特に高温多湿の環境下や屋外の環境下で使用される場合に、その優れた耐久性や透明性などの特性を発揮する。
発明を実施するための最良の形態:
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。
1)光触媒層形成用塗布液
(1)光触媒
光触媒触媒は次のものを使用した。
(T−1)硝酸酸性酸化チタンゾル(結晶粒子径8nm)
(2)シリカゾル
シリカゾルは次のものを使用した。
(S−1)ネックレス状コロイダルシリカ(日産化学製スノーテックスPS)
(3)アルミニウム化合物
アルミニウム化合物は次のものを使用した。
(A−1)酸化水酸化アルミニウム(ベーマイト)微粒子(川研ファインケミカル製アルミゾル10)
(4)ジルコニウム化合物
ジルコニウム化合物は次のものを使用した。
(Z−1)和光純薬製試薬特級オキシ硝酸ジルコニウム6水和物を水に溶解し10%水溶液とした後、12時間加熱して半量の水を常圧で留去して得られた液をオキシ硝酸ジルコニウム液として使用した。
(5)光触媒層形成用塗布液の調製
上記酸化チタン光触媒、ゾル溶液および化合物液を、pH1.5〜9の適当な範囲に調製して、混合し、所定量の界面活性剤を加えて光触媒層形成用塗布液を得た。
2)光触媒担持構造体の製造
(1)担体
(TA)ソーダライムガラス板
(TB)透明アクリル板
(TC)アルミ板
(2)接着剤層接着層中に含有するポリシロキサンは、次のものを使用した。
(PS−1)信越化学製シリコンテトラメトキシドモノマー
(PS−2)コルコート製ポリメトキシシロキサン商品名メチルシリケート51
(PS−3)コルコート製ポリエトキシシロキサン商品名エチルシリケート40接着層中に含有するコロイダルシリカとして、次のものを使用した。
(KS−1)触媒化成(株)製商品名カタロイドSI−350、粒子径7−9nm
(KS−2)日産化学(株)製商品名スノーテックスST−XS、粒子径4−6nmポリシロキサンもしくはコロイダルシリカを導入する樹脂溶液としては次のものを使用した。尚、シリコン含有量は樹脂固形分中のSiOに換算して表示した。
(J−1)シリコン含有量3重量%のアクリル−シリコン樹脂キシレン溶液
(J−2)シリコン含有量10重量%のアクリル−シリコン樹脂のキシレンイソプロパノール溶液
(J−3)シリコン含有量3重量%のアクリル−シリコンエマルジョン樹脂水溶液
(J−4)シリコン含有量3重量%のエポキシ−シリコン樹脂メチルエチルケトン溶液
(J−5)シリコン含有量3重量%のポリエステル−シリコン樹脂酢酸エチル溶液
(J−6)アクリルエマルジョン樹脂水溶液
ポリシロキサンもしくはコロイダルシリカを樹脂溶液と混合、濃度調製し、接着層形成用溶液を得た。接着層は、厚さが2μm以下の時や担体形状が平板以外の時はディッピング法で、担体が平板で厚さが2μm以上の場合には、ベーカーアプリケーターにより形成した。なお、接着層の乾燥は、担体の材質が、(TB)の場合80℃で、それ以外は120℃で行った。
(3)光触媒層は、担体の厚みが2μm以下の場合や担体形状が平板以外の場合は、ディッピング法で、担体が平板で厚みが2μm以上の場合は、バーコーターを用いて、背着座位相表面に塗工形成した。光触媒層の乾燥は、接着層を乾燥するのと同じ温度で行った。
3)光触媒担持構造体の性能試験
上記で得られた光触媒を担持した各試料を用いて、以下の性能試験を行った。(1)光触媒活性の評価試験
大きさ70mm×70mmに切り出した光触媒を担持した試料を、容量4リットルのパイレックス(登録商標)製ガラス容器中に設置した。この容器中に空気とアルデヒドの混合ガスを、アルデヒド濃度が200ppmとなるように加えた。次いで、担持試料に紫外線強度2mW/cmのブラックライト(FL15BLB、東芝ライテック製)の光を3時間照射後、容器内部のアルデヒドガス濃度をガスクロマトグラフにより測定し、その減少量により光触媒活性を評価した。
評価基準は下記の通りである。
3時間照射後のアルデヒドガス濃度の減少量による性能評価
100ppm以上 A
50〜100ppm B
20〜50ppm C
(2)付着性評価試験
光触媒を担持した試料表面に、切り傷によって2mmの間隔で25個のマス目を形成し、JISK5400に規定する碁盤目テープ法試験により付着性の評価を行った。評価点数は、JISK5400に記載の基準で行った。
(3)耐沸騰水性評価試験
JISK5400に規定する耐沸騰水試験に準拠して耐沸騰水試験を行った。ただし、漬浸時間を1時間とした。
(4)ヘイズ率の測定
接着層及び光触媒層を担持する前の担体をリファレンスとして、担持した試料の波長550nmの全光線透過率、及びヘイズ率を自記分光光度計(日立製作所(株)製U−4000型)で測定した。
(5)耐久性試験
光触媒を担持した試料にブラックライトで紫外線強度3mW/cmの光を、温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿槽内で500時間照射後、JISK5400に規定の碁盤目テープ法による付着性を測定し、耐久性の評価とした。評価点数は、付着性評価と同じとした。
以下の第1表に各材料の種類や量などを変えた実施例および比較例の様態を、第2表に得られた光触媒担持構造体の性能試験結果をまとめた。
Figure 2003033144
Figure 2003033144
上記第1表および第2表中、比較例1および比較例2では、ネックレス状構造をとらないシリカゾルとして、日産化学製スノーテックス20を使用した場合である。耐沸騰水試験後の光触媒層の付着性が低い。また、比較例1ではヘイズ率が高く、耐久性試験後にヘイズ率の上昇がみられた。
また比較例3は、光触媒層に中のジルコニアゾルが多すぎる場合である。初期のヘイズ率が高い。
実施例1〜3は、接着層にアクリル−シリコン樹脂を使用し、ネックレス状コロイダルシリカを使用した光触媒層を使用した例である。これらの試料は耐沸騰水性試験による評価は良好であり、耐久性も良好であった。
実施例4〜14は、接着層にポリシロキサンを含有したアクリル−シリコン樹脂を使用し、ネックレス状コロイダルシリカを使用した光触媒層を使用した例である。
実施例7、8、11は、透明アクリル板上に担持した例である。これらの試料も耐久性も良好であった。
また、接着層の樹脂として、ポリシロキサンを導入したエポキシ−シリコン樹脂(実施例16)やポリエステル−シリコン樹脂(実施例17)、アクリル樹脂(実施例18)を用いた場合にも良好な性能を示した。
実施例19〜26は接着層にコロイダルシリカを含有した樹脂を使用したものであり、触媒活性、耐沸騰水性、耐久性は良好であった。
実施例1〜26で得られた試料で、高温高湿下のブラックライトによる耐久性試験、耐沸騰水試験およびサンシャインカーボンアークウエザーメーター(スガ試験機性、WEL−SUN−HCH型)による促進耐光性試験にかけた試料を、再度光触媒活性を初期と同様の方法によりアセトアルデヒドガスの分解量により調べた。いずれの試料についても初期の光触媒活性を維持していることが判った。
実施例27〜31はソーダライムガラス板上に、接着層を介さず直接に、光触媒層を成膜した後、200℃で乾燥を行ったものであり、触媒活性、耐沸騰水性、耐久性は良好であった。
実施例27〜31で得られた試料を、高温高湿下のブラックライトによる耐久性試験、耐沸騰水試験およびサンシャインカーボンアークウエザーメーター(スガ試験機性、WEL−SUN−HCH型)による促進耐光性試験に2000時間かけた試料を、再度光触媒活性を初期と同様の方法によりアセトアルデヒドガスの分解量により調べた。いづれの試料についても初期の光触媒活性を維持していることが判った。
実施例27〜31で得られた試料を、サンシャインカーボンアークウエザーメーター(スガ試験機性、WEL−SUN−HCH型)による促進耐光性試験に2000時間かけた試料のヘイズ率を測定したところ、濁度がいづれも2%以内の値を示し、高透明性を維持していることが判った。
実施例32
光触媒層薬剤にさらにポリメトキシシロキサン(試薬)を酸化物換算で全固形分に対して10重量%となるように添加した以外は、実施例12に準じて成膜した。光触媒はB評価であった。しかし、大平理化工業(株)製のラビングテスターを用いて、フェルト摩耗試験を行ったところ、実施例12の塗膜は200往復で剥離が認められたのに対して、実施例32の塗膜は400往復でも剥離が認められなかった。
実施例33
光触媒層薬剤にさらにポリメトキシシロキサン(試薬)を酸化物換算で全固形分に対して20重量%となるように添加した以外は、実施例14に準じて成膜した。光触媒はC評価であった。しかし、大平理化工業(株)製のラビングテスターを用いて、フェルト摩耗試験を行ったところ、実施例14の塗膜は100往復で剥離が認められたのに対して、実施例33は400往復でも剥離が認められなかった。
産業上の利用可能性:
以上説明したように、本発明の光触媒複合体は光触媒活性が非常に高く、透明性に優れるものである。
本発明の光触媒層形成用塗布液は、保存安定性に優れ、簡便に光触媒層を形成することができる。また得られる光触媒層は、可視光を透過する透明なものも得られるので、担体の柄を損なうことがなく触媒を担持することができ、汎用樹脂や天然繊維などの幅広い担体に装飾性を損なうことがなく優れた活性を有する光触媒担持構造体を得ることができる。
本発明の光触媒担持構造体は、光触媒が担体に強固に接着されており、光触媒活性が非常に高く、しかも光触媒作用により担体が劣化したり、光触媒が脱離したりすることがない。
また、本発明の光触媒担持構造体は、光照射下でも長期間使用できるものである。また、耐アルカリ性試験の評価も良好で、サンシャインカーボンアークウェザーメーターによる促進耐候性試験後においても高い付着性を保っていることから、高温多湿の環境下や屋外の環境下で使用することができる。

Claims (28)

  1. 光触媒、コロイダルシリカ粒子を含有する光触媒複合体であって、前記コロイダルシリカ粒子が、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子であり、該光触媒複合体にさらにジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする光触媒複合体。
  2. さらにシリカを含有することを特徴とする請求の範囲1に記載の光触媒複合体。
  3. 球状コロイダルシリカ粒子の粒子径が10〜50nmであることを特徴とする請求の範囲1または2に記載の光触媒複合体。
  4. 球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子の長さが50〜400nmの範囲であることを特徴とする請求の範囲1〜3のいずれかに記載の光触媒複合体。
  5. 球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が、動的光散乱法による測定粒子径(D1nm)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2nm)の比D1/D2が5以上であって、このD1は40〜300nmであり、そして電子顕微鏡観察による5〜20nmの範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する細長い形状の非晶質コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする請求の範囲1または2に記載の光触媒複合体。
  6. 前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求の範囲1〜5のいずれかに記載の光触媒複合体。
  7. 前記アルミニウム化合物が、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物であることを特徴とする請求の範囲1〜6のいずれかに記載の光触媒複合体。
  8. 前記ジルコニウム化合物またはアルミニウム化合物は、150℃で乾燥後の比表面積が100m/g以上の多孔質ゲルである請求の範囲6または7に記載の光触媒複合体。
  9. 光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して、前記コロイダルシリカ粒子を5〜50重量%含有し、光触媒を5〜60重量%含有することを特徴とする請求の範囲1〜8のいずれかに記載の光触媒複合体。
  10. 光触媒複合体全体に対して、酸化物に換算して、ジルコニウム化合物を、5〜40重量%含有することを特徴とする請求の範囲1〜9のいずれかに記載の光触媒複合体。
  11. 光触媒複合体全体に対して、アルミニウム化合物を、酸化物に換算して20〜90重量%含有することを特徴とする請求の範囲1〜10のいずれかに記載の光触媒複合体。
  12. 光触媒層形成用塗布液であって、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が分散したシリカゾル、並びに光触媒粒子及び/またはゾルを含有し、さらに、ジルコニウム化合物およびアルミニウム化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする光触媒層塗布液。
  13. さらにポリシロキサンを含有することを特徴とする請求の範囲12に記載の光触媒層塗布液。
  14. 光触媒層形成用塗布液全体に対して、固形分として酸化物換算で、球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が分散したシリカゾルシリカゾルを0.5〜5重量%、及び光触媒粒子及び/またはゾルを固形分として0.5〜6重量%を含有してなることを特徴とする請求の範囲12または13に記載の光触媒層形成用塗布液。
  15. 光触媒層形成用塗布液全体に対して、固形分として酸化物換算で、ジルコニウム化合物を0.5〜5重量%、アルミニウム化合物を2〜9重量%からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求の範囲12または14に記載の光触媒層形成用塗布液。
  16. 球状コロイダルシリカ粒子の粒子径が10〜50nmであることを特徴とする請求の範囲12〜15のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液。
  17. 球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子の長さが50〜400nmの範囲であることを特徴とする請求の範囲12〜16のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液。
  18. 球状コロイダルシリカ粒子が細長い形状に結合したコロイダルシリカ粒子が、動的光散乱法による測定粒子径(D1nm)と窒素ガス吸着法による測定粒子径(D2nm)の比D1/D2が5以上であって、このD1は40〜300nmであり、そして電子顕微鏡観察による5〜20nmの範囲内の一様な太さで一平面内のみの伸長を有する細長い形状の非晶質コロイダルシリカ粒子であることを特徴とする請求の範囲12〜15のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液。
  19. 前記ジルコニウム化合物が、ジルコニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物のゾルであることを特徴とする請求の範囲12〜18のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液。
  20. 前記アルミニウム化合物が、アルミニウムの酸化物、酸化水酸化物、水酸化物、オキシ硝酸塩、オキシ炭酸塩、炭素数1〜4のアルコキシド、及び該アルコキシドの加水分解物からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物のゾルであることを特徴とする請求の範囲12〜19のいずれかに記載の光触媒形成用塗布液。
  21. 前記アルミニウム化合物の平均粒子径が2〜50nmであることを特徴とする請求の範囲12〜20のいずれかに記載の光触媒層形成用塗布液。
  22. 前記アルミニウム化合物の平均粒子径が2〜20nmである請求の範囲12〜20のいずれかに記載の光触媒層形成用塗布液。
  23. 担体表面に接着層を形成し、さらに該接着層表面に光触媒層を形成してなる光触媒層担持構造体であって、前記光触媒層が、請求の範囲1〜11のいすれかに記載の光触媒複合体からなることを特徴とする光触媒層担持構造体。
  24. 前記接着層及び光触媒層を合わせた塗膜の濁度が3%以下であることを特徴とする請求の範囲23に記載の光触媒担持構造体。
  25. 沸騰イオン交換水中で1時間煮沸した後でのJISK5400に規定された碁盤目テープ法による付着性が評価点数6点以上であることを特徴とする請求の範囲23または24に記載の光触媒担持構造体。
  26. 沸騰イオン交換水中で1時間煮沸した後での接着層及び光触媒層を合わせた塗膜の濁度が3%以下であることを特徴とする請求の範囲23に記載の光触媒担持構造体。
  27. 紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後でのJISK5400に規定された碁盤目テープ法による付着性が評価点数6点以上であることを特徴とする請求の範囲23に記載の光触媒担持構造体。
  28. 紫外線強度3mW/cmのブラックライトの光を、温度40℃、相対湿度90%の下で500時間照射した後での接着層及び光触媒層を合わせた塗膜の濁度が3%以下であることを特徴とする請求の範囲23に記載の光触媒担持構造体。
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