JP2018039226A - 氷雪付着防止シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高い光線透過率を有し、かつ加熱素子により溶解する氷雪が滑落し易い氷雪付着防止シートを提供すること。【解決手段】基材と、基材上に設けられ、複数の導電性線状体を有する加熱素子と、を備え、構造物に貼付けたときに露出する露出面における水の接触角が90°以上である氷雪付着防止シートである。【選択図】図1

Description

本発明は、氷雪付着防止シートに関する。
寒冷地、特に豪雪地では、屋外に置かれる構造物に氷雪が付着すると様々な問題を引き起こす。
例えば、視認性が要求される構造物(例えば信号機等)に氷雪が付着すると、その視認性が悪化する。光透過性のある構造物(例えば窓等)に氷雪が付着すると、その光透過性が悪化する。
このため、加熱素子を備え、構造物への氷雪の付着を防止する氷雪付着防止シートが知られている。例えば、その一例として、特許文献1には、所定のパターンに形成された金属線抵抗体が、シート状の可撓性透明基材の表面または内部に設けられた構成を有する信号灯用の面状ヒーターが開示されている。
特開2014−059644号公報
ここで、視認性が要求される構造物又は光透過性のある構造物に氷雪付着防止シートを貼付けて使用する場合、構造物の機能(視認性、光透過性)を阻害しないために、高い光線透過率が必要となる。
一方で、加熱素子の加熱により構造物に付着する氷雪を溶解し、氷雪の付着を防止するとき、加熱素子により溶解する氷雪を滑落させ易くすることができれば、加熱素子の消費電力が抑えられると共に、上記様々な問題も短時間で解決できる。また、氷雪が加熱素子の加熱により溶解された後に、水滴が付着しにくければ、加熱素子が動作していない間に水滴が凍結し、氷雪が付着しやすくなるという事態も回避される。
そこで、本発明の課題は、高い光線透過率を有し、かつ加熱素子により溶解する氷雪や氷雪の溶解後に残る水滴が滑落し易い氷雪付着防止シートを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>
基材と、前記基材上に設けられ、複数の導電性線状体を有する加熱素子と、を備え、
構造物に貼付けたときに露出する露出面における水の接触角が90°以上である氷雪付着防止シート。
<2>
前記構造物に貼り付けたときに露出する露出面における水の滑落角度が20°以下である<1>に記載の氷雪付着防止シート。
<3>
光線透過率が70%である<1>又は<2>に記載の氷雪付着防止シート。
<4>
前記導電性線状体が、金属ワイヤーを含む線状体、又は導電性糸を含む線状体である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の氷雪付着防止シート。
本発明によれば、高い光線透過率を有し、かつ加熱素子により溶解する氷雪や氷雪の溶解後に残る水滴が滑落し易い氷雪付着防止シートを提供することである。
本実施形態に係る氷雪付着防止シートを示す概略斜視図である。 本実施形態に係る氷雪付着防止シートを示す概略断面図である。 本実施形態に係る氷雪付着防止シートの使用例として、シートを信号機に貼付けた例を説明するための概略斜視図である。 本実施形態に係る氷雪付着防止シートに給電部を設けた様子を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る氷雪付着防止シートの第1の変形例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る氷雪付着防止シートの第2の変形例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る氷雪付着防止シートの第3の変形例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る氷雪付着防止シートの第4の変形例を示す概略斜視図である。 本実施形態に係る氷雪付着防止シートの第5の変形例を示す概略斜視図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いた数値範囲は、「〜」の前後で示された数値が各々最小値及び最大値として含まれる数値範囲を意味する。
<シート>
本実施形態に係る氷雪付着防止シート(以下「シート」とも称する)は、基材と、基材上に設けられ、複数の導電性線状体を有する加熱素子と、を備える。そして、シートを被着体である構造物に貼り付けたときに露出するシートの露出面における水の接触角が90°以上である。
本実施形態に係るシートは、加熱素子を複数の導電性線状体で構成するため、光線透過率が高まる。一方で、構造物に貼付けたときに露出する露出面における水の接触角が90°以上とすることによって、シートの露出面に対する氷雪や水滴の付着力が弱まり、自重でシートの露出面から滑落し易くなる。
このように、本実施形態に係るシートでは、高い光線透過率を有し、かつ加熱素子により溶解する氷雪や、氷雪の溶解後に残る水滴が滑落し易い。
そして、視認性が要求され又は光線透過性を有する構造物に、本実施形態に係るシートを貼付けることで、構造物の機能(視認性、光線透過性)を阻害することなく、構造物への氷雪や水滴の付着を防止し、氷雪や水滴による構造物の機能悪化を防ぐことができる。
本実施形態に係るシートにおいて、シートの露出面における水の接触角は、90°以上であるが、氷雪や水滴を滑落し易くする観点から、95°以上が好ましく、100°以上がより好ましい。ただし、水の接触角は、巻き取り時のシートの扱いやすさ等の観点から、例えば、160°以下であり、好ましくは140°以下である。
なお、水の接触角は、次の方法により測定される。
温度25℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、測定対象のシートの面に、2mlの純水を滴下し、滴下した純水の接触角を、水接触角計「商品名DAS−100「KRUSS社製」)を用いて、測定する。
本実施形態に係るシートにおいて、シートの露出面における水の滑落角度は、20°以下が好ましく、15°以下がより好ましく、10°以下がさらに好ましい。ただし、水の滑落角度は、製造の困難性等の観点から、例えば、3°以上である。
シートの露出面における水の滑落角度が20°以下であれば、さらに、氷雪や水滴が滑落し易くなり、氷雪による構造物の機能悪化を防ぐことができる。
なお、水の滑落角度は、次の方法により測定される。
温度25℃、50%RHの環境下で、測定対象のシートを、水張りにて傾斜角0°にした試料台(ガラス板)上に載置する。次に、次いで、純水14μLをシートの面に滴下して液滴を形成する。その後、上記試料台を傾斜させてゆき、液滴の後退角が変化したときの試料台の傾斜角を水の滑落角度として求める。
本実施形態に係るシートにおいて、シートの光線透過率は、構造物の機能(視認性、光線透過性)を阻害しない観点から、70%以上が好ましく、70%〜100%がより好ましく、80%〜100%がさらに好ましい。
シートの光線透過率が70%以上あれば、構造物の機能(視認性、光線透過性)を阻害することがなくなる。
なお、光線透過率は、透過率計により、可視域(380nm〜760mm)の光線透過率を測定し、その平均値とする。
本実施形態に係るシートにおいて、シート(その加熱素子)の面抵抗(Ω/□=Ω/sq.)は、800Ω/□以下が好ましく、0.5Ω/□〜500Ω/□がより好ましく、0.8Ω/□〜300Ω/□がさらに好ましい。印加する電圧を低減する観点から、面抵抗の低いシート10が要求される。
シートの面抵抗が800Ω/□以下であれば、印加する電圧の低減が容易に実現される。
なお、シートの面抵抗は、次の方法により測定する。まず、電気的接続を向上させるために、銀ペーストをシート10(その加熱素子)両端に塗布する。その後、銅テープを両端に貼付けたガラス基板に、シート10を銀ペーストと銅テープが接触するように貼付けた後、電気テスターを用いて抵抗を測定し、シートの面抵抗を算出する。
以下、本実施形態に係るシートの構成について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る氷雪付着防止シート10(以下、単に「シート10」とも称する)は、図1及び図2に示すように、例えば、基材20と、基材上に設けられ、複数の導電性線状体を有する加熱素子30と、基材20及び加熱素子30の間に配置された接着剤層40と、を有している。つまり、例えば、シート10は、基材20、接着剤層40、及び加熱素子30がこの順で積層されている。
ここで、シート10は、構造物に対して加熱素子30が設けられた側の面を対面させ、加熱素子30における「複数の導電性線状体」の間から露出する接着剤層40の接着力によって、構造物に貼付けて使用される。そして、シート10を構造物に貼付けたとき露出する露出面(以下、「シート10の露出面」とも称する)は、加熱素子30が設けられた側とは反対側の基材20の面となる。つまり、シート10の露出面は、氷雪の付着を防止する面である。
(基材)
基材20は、例えば、基材本体22と、表面層24とを有する。表面層24は、シート10の露出面を構成する。
−基材本体−
基材本体22としては、樹脂フィルム、ガラスフィルム等の、光線透過性を有するフィルムが挙げられる。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂等の周知の樹脂、又はこれらを2種以上含む混合樹脂のフィルム(シート)が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ヒドリンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、天然ゴム等の周知のゴム、又はこれらを2種以上含む混合ゴムのフィルム(シート)も挙げられる。
ガラスフィルムとしては、例えば、ケイ酸塩ガラス、スズリン酸塩ガラス、亜鉛ホウ酸ガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミケイ酸ガラス、シリカガラス等の周知のガラスのフィルム(シート)が挙げられる。
基材本体22は、接着剤層40および表面層24との密着性を向上させる観点から、プライマー層を設けたプライマー層付き基材であってもよい。
プライマー層を構成する成分としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、これらの樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
基材本体22は、高分子紫外線吸収剤からなる耐候層を設けた耐候層付き基材であってもよい。なお、耐候層と基材との間にプライマー層を有していてもよい。
高分子紫外線吸収剤としては、紫外線吸収骨格がポリマー構造内に共有結合している構造を有するものであり、重量平均分子量が5,000以上のものが好ましく、より好ましくは10,000以上である。
基材本体22は、接着剤層40および表面層24との密着性を向上させる観点から、表面に酸化法、凹凸化法等の表面処理を施してもよい。
酸化法としては、特に限定されず、例えば、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、クロム酸酸化(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる。
また、凹凸化法としては、特には限定されず、例えば、サンドブラスト法、溶剤処理法
等が挙げられる。
これらの表面処理は、基材の種類に応じて適宜選定されるが、接着剤層40および表面層24との密着性向上の観点、及び操作性の観点から、コロナ放電処理法が好ましい。
基材本体22は、高分子紫外線吸収剤以外の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、着色剤等が含有されていてもよい。
基材本体22の厚さは、シート10の用途に応じて適宜設定されるが、取扱性及び経済性の観点から、好ましくは10〜250μm、より好ましくは15〜200μm、更に好ましくは20〜150μmである。
−表面層−
表面層24は、シート10の露出面を構成する層であり、表面(基材本体と対面しない側の面)における水の接触角が90°以上である。また、表面層24は、表面における水の接触角が90°以上、かつ水の滑落角度が20°以下であることが好ましい。
そして、表面層24は、上記特性を満たす材料で構成された層が適用される。具体的には、次の通りである。
表面層24としては、例えば、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等を含む層が挙げられる。
フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体(TFE/P)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド共重合体(THV)等が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、熱縮合反応型シリコーン樹脂(例えば、両末端にシラノール官能基を有するジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサン又はメチルメトキシシロキサンとを反応させたシリコーン樹脂等)、熱付加反応型シリコーン樹脂(例えば、分子鎖の両末端又は両末端及び側鎖にビニル基を有するメチルビニルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンとを反応させたシリコーン樹脂等)、光硬化型シリコーン樹脂(例えば、アルケニル基、メルカプト基、(メタ)アクリル基、エポキシ基等の重合性官能基を有するシロキサンを重合させたシリコーン樹脂等)などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂は、溶剤型、エマルジョン型、及び無溶剤型のいずれであってもよい。
表面層24としては、例えば、有機シラン化合物と金属アルコキシド化合物とを含む組成物の硬化層(有機シラン化合物と金属アルコキシド化合物とを共加水分解及び縮重合した材料を含む層)も挙げられる。
有機シラン化合物として、例えば、炭素数1〜30のアルキルトリメトキシシラン、炭素数1〜30のアルキルトリエトキシシラン、炭素数1〜30のアルキルメチルジメトキシシラン、炭素数1〜30のアルキルメチルジエトキシシラン、炭素数1〜30のアルキルジメチルメトキシシラン、炭素数1〜30のアルキルジメチルエトキシシラン、炭素数1〜30のアルキルトリクロロシラン、炭素数1〜30のアルキルメチルジクロロシラン、炭素数1〜30のアルキルジメチルクロロシラン、炭素数1〜30のアルキルトリアセトキシシラン、炭素数1〜30のアルキルメチルジアセトキシシラン、炭素数1〜30のアルキルジメチルアセトキシシラン、炭素数1〜30のアルキルトリイソシアナシシラン、炭素数1〜30のアルキルメチルジシアナトシラン、炭素数1〜30のアルキルジメチルシアナトシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルトリメトキシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルトリエトキシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルメチルジメトキシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルメチルジエトキシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルジメチルメトキシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルジメチルエトキシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルトリクロロシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルメチルジクロロシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルジメチルクロロシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルトリアセトキシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルメチルジアセトキシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルジメチルアセトキシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルトリイソシアナシシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルメチルジシアナトシラン、炭素数3〜18のパーフルオロアルキルジメチルシアナトシラン等が挙げられる。
金属アルコキシド化合物としては、上記の有機シラン化合物以外の化合物であって、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン、トリエトキシアルミニウム、トリ−n−プロポキシアルミニウム、トリ−i−プロポキシアルミニウム、トリ−n−ブトキシアルミニウム、トリ−t−ブトキシアルミニウム、ジメトキシカルシウム、ジエトキシカルシウム、ジ−i−プロポキシカルシウム、ジ−n−ブトキシカルシウム、トリエトキシ鉄、テトラメトキシゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム、テトラ−i−プロポキシゲルマニウム、テトラ−n−ブトキシゲルマニウム、テトラ−t−ブトキシゲルマニウム、テトラメトキシハフニウム、テトラエトキシハフニウム、テトラ−i−プロポキシハフニウム、テトラ−n−ブトキシハフニウム、テトラ−t−ブトキシハフニウム、トリメトキシインジウム、トリエトキシインジウム、トリ−i−プロポキシインジウム、トリ−n−ブトキシインジウム、トリ−t−ブトキシインジウム、ペンタメトキシタンタル、ペンタエトキシタンタル、ペンタ−i−プロポキシタンタル、ペンタ−t−ブトキシタンタル、ペンタ−n−ブトキシタンタル、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−t−ブトキシチタン、テトラメトキシスズ、テトラエトキシスズ、テトラ−i−プロポキシスズ、テトラ−n−ブトキシスズ、テトラ−t−ブトキシスズ、が例示される。
表面層24としては、例えば、式(a)で表される4官能シラン系化合物(A)、式(b)で表される3官能シラン系化合物(B)、並びに、チタン、アルミニウム、及び亜鉛から選ばれる1種以上の金属原子を含有し、触媒作用発現のために光照射を必要としない金属触媒(C)を含む組成物の硬化層(4官能シラン系化合物(A)と3官能シラン系化合物(B)とを縮合した材料を含む層:以下、「特定組成物の硬化層」とも称する)も挙げられる。
特定組成物の硬化層は、表面の水の接触角が90°以上、かつ水の滑落角度が20°以下の特性を満たし易く、表面層24として特に好適である。
そして、特定組成物の硬化層は、面状態及び硬化性が良好であり、かつ、耐候性に優れたものとなる。
ここで、本発明者らは、シラン系化合物同士の反応により得られる重合体の構造について、形成直後の硬化層中に残存している(A)成分及び(B)成分に由来の単位中の未反応のアルコキシ基(式(a)中のOR、及び式(b)中のOR)並びに前記アルコキシ基が加水分解した未縮合のシラノール基の存在(以下、両者を合わせて単に「未縮合点」ともいう。)が、長期間の屋外暴露によって徐々に反応して硬化収縮を起こすことによって、硬化層に歪が発生してクラックの発生及び進行を促進するものと推測した。
当該推測に基づき、本発明者らは、形成直後の硬化層中に残存している未縮合点の存在を極力少なくすることにより、耐候性に優れた硬化層が得られることを見出した。
より具体的には、当該シラン系化合物同士の縮合反応が開始するためには、反応開始時に(A)成分及び(B)成分中のアルコキシ基(式(a)中のOR、及び式(b)中のOR)が水と反応して脱離し、水酸基に置換される必要がある。そこで、(A)成分及び(B)成分中のアルコキシ基が有するアルキル基(式(a)中のR1、及び式(b)中のR3)を特定の炭素数を有するアルキル基とすることで、当該反応が促進されて未縮合点が少ない架橋密度の高い硬化層が形成されると考えた。そして、当該アルキル基の炭素数を制御することで長期間の屋外暴露後においてもクラックの発生及び進行を抑制(以下、単に「クラック抑制効果」ともいう。)し、また、暴露前後における撥水性の低下が少ない(以下、単に「撥水性維持効果」ともいう。)硬化層を得られることを見出した。
また、本発明者らは、更に(B)成分に由来の単位中のアルキル基(式(b)中のR2)の炭素数を特定の値の範囲内に制御することで、より硬化性に優れ、優れたクラック抑制効果及び撥水性維持効果を有する硬化層が得られることを見出した。
以下、特定組成物に含まれる各成分について説明する。
・(A)成分:式(a)で表される4官能シラン系化合物
式(a):Si(OR(X4−p
〔式(a)中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。R及びXが複数存在する場合、複数のR及びXは、互いに同一でも、異なっていてもよい。pは0〜4の整数を表す。〕
なお、(A)成分は、1種のみからなる化合物から構成されていてもよく、上記式(a)で表される2種以上の化合物から構成されていてもよい。
として選択し得るアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、nペンチル基、n−ヘキシル基、ネオペンチル基、メチルペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、より良好な組成物の硬化性を得る観点から、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基及びエチル基がより好ましい。
として選択し得るアルキル基は、直鎖及び分岐鎖のいずれであってもよいが、直鎖であることが好ましい。
として選択し得るハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が好ましく、塩素原子がより好ましい。
なお、上記の式(a)で表されるシラン系化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(A)成分としては、前記式(a)中のpが4であるシラン系化合物を含むことが好ましい。
・(B)成分:式(b)で表される3官能シラン系化合物
式(b):RSi(OR(X3−q
〔式(b)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基を表す。Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは、ハロゲン原子を表す。R及びXが複数存在する場合、複数のR及びXは、互いに同一でも、異なっていてもよい。qは0〜3の整数を表す。〕
なお、(B)成分は、1種のみからなる化合物から構成されていてもよく、上記式(b)で表される2種以上の化合物から構成されていてもよい。
として選択し得るアルキル基の炭素数は1〜22であり、好ましくは4〜18である。
当該アルキル基の炭素数が23を超えると、特定組成物の硬化性、得られる特定組成物から形成される硬化層の撥水性維持効果、及びクラック抑制効果が劣る。また、得られる特定組成物がゲル化し易く、当該特定組成物から形成される硬化層の面状態も悪化する傾向にある。アルキル基の炭素数が4以上であれば、得られる特定組成物から形成される硬化層の表面について、水滴の滑落加速度が大きく、水滴を滑落させる時間を短縮させることができ、撥水性がより優れたものとなる。
として選択し得るアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−イコシル基、n−ドコシル基、メチルペンチル基、ペンチルヘキシル基、ブチルペンチル基、2−エチルヘキシルが挙げられ、特定組成物の硬化層の硬化性の観点からメチル基、エチル基が好ましく、また、より良好なクラック抑制効果を得る観点からメチル基がより好ましい。
として選択し得るアルキル基、及びXとして選択し得るハロゲン原子としては、上述の式(a)中のRとして選択し得るアルキル基、Xとして選択し得るハロゲン原子と同じものが挙げられる。
なお、上記の式(b)で表される3官能シラン系化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、(B)成分としては、前記式(b)中のqが3である3官能シラン系化合物を含むことが好ましい。
また、本発明の特定組成物は、4官能シラン系化合物(A)と3官能シラン系化合物(B)との配合比(モル比)〔(A)/(B)〕が、(A)成分と(B)成分に由来する未縮合点の総量を減少でき、より優れたクラック抑制効果を発現させる観点から、好ましくは0.01以上10.00以下である。当該4官能シラン系化合物(A)と3官能シラン系化合物(B)との配合比(モル比)〔(A)/(B)〕の値が小さいと、4官能である(A)成分の配合量が少なくなるので、反応後に未縮合点となる可能性がある反応点の数を抑制でき、得られる特定組成物の硬化層中に残存する未縮合点の数を抑制することができると考えられる。一方で、当該配合比(モル比)〔(A)/(B)〕の値を小さくし過ぎると、増加していた(A)成分と(B)成分との反応率が低下し始めることも本発明者らは見出している。このような観点から、当該配合比(モル比)〔(A)/(B)〕は、より好ましくは0.05以上8.00以下、更に好ましくは0.10以上7.00以下である。
・(C)成分:金属触媒
金属触媒は、チタン、アルミニウム、及び亜鉛から選ばれる1種以上の金属原子を含有し、触媒作用発現のために光照射を必要としない金属触媒(C)である。
なお、本明細書において、当該「触媒作用発現のために光照射を必要としない金属触媒」とは、(A)成分と(B)成分との縮合反応に対する触媒作用を発現するために光照射を必要としない金属触媒のことを指す。例えば、酸化チタン(TiO2)や酸化亜鉛(ZnO)等の、光照射により電子と正孔を生成することで酸化反応及び還元反応を引き起こすといった、触媒作用発現のために光照射が必要とされる、一般に光触媒と呼ばれるものは除かれる。
なお、特定組成物の硬化層が光触媒を含有する場合には、例えば、光触媒自体が固形物であるため表面粗さが大きくなることによる撥水性の低下や、光触媒の親水性付与効果による撥水性の低下、並びにシラン化合物の重合体の加水分解を促進することによる耐久性の低下といった問題が生じる虞がある。
これらの特定の種類の金属触媒(C)を含むことで、(A)成分と(B)成分との縮合反応を効果的に促進させ、特定組成物の硬化層の硬化性を向上させることができる。
また、(A)成分及び(B)成分と共に(C)成分を含む特定組成物とすることで、比較的低温下(130℃以下)でも硬化反応を進行させることができる。
上記チタン系触媒としては、チタン原子を含有する光触媒以外の化合物であればよく、例えば、チタンアルコキシド、チタンキレート、チタンアシレート等が挙げられ、チタンの水酸化物、酢酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、及び塩化物等であってもよい。
チタンアルコキシドとしては、例えば、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンブトキシドダイマー、チタンテトラ−2−エチルヘキソキシド等が挙げられる。
チタンキレートとしては、例えば、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンテトラアセチルアセトネート等のチタンアセチルアセトネート; チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等のチタンエチルアセトアセテート; チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)等のチタントリエタノールアミネート;チタンテトラオクチレングリコネート、チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコネート)、チタンジ−2−エチルヘキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)等のチタンオクチレングリコネート;チタンラクテート、チタンラクテートアンモニウム塩等が挙げられる。
チタンアシレートとしては、例えば、ポリヒドロキシチタンステアレート等が挙げられる。
上記アルミニウム系触媒としては、アルミニウム原子を含有する光触媒以外の化合物であればよく、例えばアルミニウムのアセトアセテート錯体、アルミニウムのアセチルアセトネート錯体等が挙げられる。
アルミニウムのアセトアセテート錯体としては、例えば、ジイソプロポキシアルミニウムモノオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムビスオレイルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノオレエートモノエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノラウリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノステアリルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノイソステアリルアセトアセテート、モノイソプロポキシアルミニウムモノ−N−ラウロイル−β−アラネートモノラウリルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
アルミニウムのアセチルアセトネート錯体としては、例えば、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(イソブチルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(2−エチルヘキシルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(ドデシルアセトアセテート)キレート、モノアセチルアセトネートアルミニウムビス(オレイルアセトアセテート)キレート等が挙げられる。
亜鉛系触媒としては、亜鉛原子を含有する光触媒以外の化合物であればよく、例えば、亜鉛−クロム酸化物、亜鉛−アルミニウム酸化物、亜鉛−アルミニウム−クロム酸化物、亜鉛−クロム−マンガン酸化物、亜鉛−鉄酸化物、亜鉛−鉄−アルミニウム酸化物等が挙げられる。
なお、金属触媒(C)としては、シラン系化合物同士の縮合反応を効果的に促進させ、特定組成物の硬化層の硬化性を向上させる観点、及び、比較的低温下(130℃以下)でも硬化反応を進行させ得る特定組成物とする観点から、少なくともチタン系触媒を含有していることが好ましい。
チタン系触媒としては、チタンキレートが好ましく、チタンエチルアセトアセテート、チタンアセチルアセトネート又はチタンオクチレングリコネートがより好ましく、チタンエチルアセトアセテートが更に好ましく、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)がより更に好ましい。
特定組成物中の(C)成分の含有量は、特定組成物の硬化層の硬化性を向上させる観点、及び、比較的低温下(130℃以下)でも硬化反応を進行させ得る特定組成物とする観点から、(A)成分及び(B)成分の合計100モル%に対して、好ましくは0.010〜50.000モル%、より好ましくは0.100〜30.000モル%、更に好ましくは0.150〜20.000モル%、より更に好ましくは0.300〜10.000モル%、より更に好ましくは0.500〜6.000モル%、より更に好ましくは1.000〜3.000モル%である。
・(D)成分:酸触媒
特定組成物は、特定組成物の硬化層の硬化性をより向上させる観点から、さらに酸触媒(D)を含むことが好ましい。
特定組成物中に酸触媒(D)を含有することで、(A)成分及び(B)成分が有する反応性官能基の加水分解が促進され、シラン系化合物同士の縮重合反応がより促進され、硬化性に優れた特定組成物の硬化層を形成することができる。
酸触媒(D)としては、(A)成分及び(B)成分の反応性官能基の加水分解を促進させる作用を有する成分であれば特に制限はないが、特定組成物の硬化層の硬化性をより向上させる観点から、塩酸、リン酸、酢酸、ギ酸、硫酸、メタンスルホン酸、臭酸、p−トルエンスルホン酸、及びトリフルオロ酢酸からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましく、塩酸を含むことがより好ましい。
特定組成物中の(D)成分の含有量は、特定組成物の硬化層の硬化性をより向上させる観点から、(A)成分及び(B)成分の合計100モル%に対して、好ましくは0.001〜1.000モル%、より好ましくは0.005〜0.500モル%、更に好ましくは0.010〜0.100モル%、より更に好ましくは0.020〜0.070モル%である。
以上説明した表面層24には、その他の添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、樹脂成分、硬化剤、老化防止剤、光安定剤、難燃剤、導電剤、帯電防止剤、可塑剤等が挙げられる。
表面層24の厚さとしては、氷雪や水滴の滑落加速度が大きく、氷雪や水滴を短時間で滑落させ得る優れた撥水性を有するシート10とする観点から、好ましくは0.001〜40μm、より好ましくは0.005〜25μm、更に好ましくは0.01〜15μm、より更に好ましくは0.05〜5μmである。
なお、基材20は、上記態様に限られず、例えば、表面層24の構成材料からなる単層体であってもよい。具体的には、例えば、基材20がシリコーン樹脂又はフッ素樹脂からなる単層のフィルムであってもよい。
(加熱素子)
加熱素子30は、例えば、一方向に延びた複数の導電性線状体32が、互いに平行に間隔をもって配列された疑似シート構造体で構成されている。より具体的には、加熱素子30は、例えば、直線状に伸びた導電性線状体32が、導電性線状体32の長さ方向と直交する方向に、等間隔で複数配列された疑似シート構造体で構成されている。つまり、加熱素子30は、例えば、導電性線状体32がストライプ状に配列された疑似シート構造体で構成されている。
ここで、加熱素子30において、導電性線状体32の直径Dと隣り合う導電性線状体32の間隔Lとの関係は式:L/D≧3を満たし、かつ導電性線状体32の直径Dと隣り合う導電性線状体32同士の間隔Lと導電性線状体32の体積抵抗率Rとの関係は、式:(D/R)×(1/L)≧0.003を満たすことが好ましい。式中において、DおよびLの単位はcmである。上記範囲の体積抵抗率Rの導電性線状体32を有する加熱素子30がこれらの関係を満たすことで、加熱素子30は光線透過性が高く、かつ面抵抗が低くなる。また、加熱素子30を構造物に対面させてシート10を貼付けるとき、シート10において、加熱素子30(その複数の導電性線状体32)から露出する接着剤層40の面積が大きくなり、シート10と構造体との接着が容易となる。
なお、加熱素子30の光線透過性及び面抵抗の点から、各関係は、式:350≧L/D≧3を満たし、かつ式:450≧(D/R)×(1/L)≧0.003を満たすことが好ましく、各関係は、式:250≧L/D≧5を満たし、かつ式:400≧(D/R)×(1/L)≧0.004を満たすことがより好ましい。
導電性線状体32の体積抵抗率Rは、1.0×10−8Ωcm〜1.0×10−1Ωcmであることが好ましく、1.0×10−7Ωcm〜1.0×10−2Ωcmがより好ましい。導電性線状体32の体積抵抗率Rを上記範囲にすると、加熱素子30の面抵抗が低下しやすくなる。
導電性線状体32の体積抵抗率Rの測定は、次の通りである。まず、後述する方法に従って、導電性線状体32の直径Dを求める。次に、導電性線状体32の両端に銀ペーストを塗布し、長さ40mmの部分の抵抗を測定し、導電性線状体32の抵抗値を求める。そして、直径Dの柱状の導電性線状体32と仮定して、導電性線状体32の断面積を算出し、これに上記の測定した長さを乗じて体積とする。得られた抵抗値を、この体積で除して、導電性線状体32の体積抵抗率Rを算出する。
導電性線状体32の直径Dは、0.0001cm(1μm)〜0.0125cm(125μm)が好ましい。特に、導電性線状体32がカーボンナノチューブを含む線状体である場合、導電性線状体32の直径は0.0003cm(3μm)〜0.0100cm(100μm)であることが好ましく、0.0005cm(5μm)〜0.0100cm(100μm)であることがより好ましく、0.0005cm(5μm)〜0.007cm(70μm)であることがさらに好ましく、0.0005cm(5μm)〜0.004cm(40μm)であることが最も好ましい。
特に、導電性線状体32がカーボンナノチューブを含む線状体である場合、導電性線状体32の直径を1μm〜125μmにすると、加熱素子30の製造の際に、導電性線状体32が切れることが抑制される。また、導電性線状体32の一本一本が肉眼で視認し難くなるため、加熱素子30の光線透過性が向上する。
導電性線状体32の直径Dは、デジタル顕微鏡(装置名「VHX−5000(キーエンス社製)」を用いて、加熱素子30の導電性線状体32を観察し、無作為に選んだ5箇所で、導電性線状体32の直径を測定し、その平均値とする。
導電性線状体32の間隔Lは、0.005cm(50μm)〜0.8cm(8000μm)が好ましく、0.008cm(80μm)〜0.65cm(6500μm)がより好ましい。導電性線状体32の間隔Lを0.005cm(50μm)〜0.8cm(8000μm)にすると、シート10(その加熱素子30)の面抵抗を低減しつつ、光線透過性が向上しやすくなる。
導電性線状体32の間隔Lは、デジタル顕微鏡(装置名「VHX−5000(キーエンス社製)」を用いて、その加熱素子30の導電性線状体32を観察し、無作為に選んだ5箇所で、隣り合う2つの導電性線状体32の間隔を測定し、その平均値とする。
なお、隣り合う2つの導電性線状体32の間隔とは、導電性線状体32を配列させていった方向に沿った長さであって、2つの導電性線状体32の対向する部分間の長さである(図2参照)。間隔Lは、導電性線状体32の配列が不等間隔である場合には、すべての隣り合う導電性線状体32同士の間隔の平均値であるが、間隔Lの値を制御しやすくする観点、光線透過性の均一性の確保の観点から、導電性線状体32は加熱素子30において、略等間隔に配列されていることが好ましい。
導電性線状体32は、導電性を有するものであれば、特に制限はないが、金属ワイヤーを含む線状体、導電性糸を含む線状体が挙げられる。導電性線状体32は、金属ワイヤー及び導電性糸を含む線状体(金属ワイヤーと導電性糸を撚った線状体等)であってもよい。
金属ワイヤーを含む線状体、及び導電性繊維を含む線状体は、共に、高い電気伝導性を有するため、導電性線状体32として適用すると、加熱素子30の面抵抗を低減しつつ、光線透過性が向上しやすくなる。また、速やかな発熱が実現されやすくなる。さらに、上述したように直径が細い線状体を得られやすい。
金属ワイヤーを含む線状体は、1本の金属ワイヤーからなる線状体であってもよいし、複数本の金属ワイヤーを撚った線状体であってもよい。
金属ワイヤーとしては、銅、アルミニウム、タングステン等の金属、又は、金属を2種以上含む合金(例えば、鋼、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金等)を含むワイヤーが挙げられる。また、金属ワイヤーは、錫、亜鉛、銀、ニッケル、クロム、ニッケルクロム合金、はんだ等でめっきされたものであってもよく、グラファイト等の炭素材料又はポリマーにより表面が被覆されたものであってもよい。
一方、導電性糸を含む線状体は、1本の導電性糸からなる線状体であってもよいし、複数本の導電性糸を撚った線状体であってもよい。
導電性糸としては、導電性繊維(金属繊維、炭素繊維、イオン導電性ポリマーの繊維等)を含む糸、表面に金属(銅、銀、ニッケル等)をめっき又は蒸着した糸、金属酸化物を含浸させた糸等が挙げられる。
導電性糸を含む線状体としては、特に、カーボンナノチューブを利用した糸を含む線状体(以下「カーボンナノチューブ線状体」とも称する)が好適に挙げられる。
カーボンナノチューブ線状体は、例えば、カーボンナノチューブフォレスト(カーボンナノチューブを、基板に対して垂直方向に配向するよう、基板上に複数成長させた成長体のことであり、「アレイ」と称される場合もある)の端部から、カーボンナノチューブをシート状に引出し、引き出したカーボンナノチューブシートを束ねた後、カーボンナノチューブの束を撚ることにより得られる。このような製造方法において、撚りの際に捻りを加えない場合には、リボン状のカーボンナノチューブ線状体が得られ、捻りを加えた場合には、糸状の線状体が得られる。リボン状のカーボンナノチューブ線状体は、カーボンナノチューブが捻られた構造を有しない線状体である。このほか、カーボンナノチューブの分散液から、紡糸をすること等によっても、カーボンナノチューブ線状体を得ることができる。紡糸によるカーボンナノチューブ線状体の製造は、例えば、米国公開公報US 2013/0251619(日本国特開2011−253140号公報)に開示されている方法により行うことができる。カーボンナノチューブ線状体の直径の均一さが得られる観点からは、糸状のカーボンナノチューブ線状体を用いることが望ましく、純度の高いカーボンナノチューブ線状体が得られる観点からは、カーボンナノチューブシートを撚ることによって糸状のカーボンナノチューブ線状体を得ることが好ましい。カーボンナノチューブ線状体は、2本以上のカーボンナノチューブ線状体同士が編まれた線状体であってもよい。
カーボンナノチューブ線状体は、カーボンナノチューブと金属とを含む線状体(以下「複合線状体」とも称する)であってもよい。複合線状体は、カーボンナノチューブ線状体の上述した特徴を維持しつつ、線状体の導電性が向上しやすくなる。つまり、加熱素子30の抵抗を、低下させることが容易となる。
複合線状体としては、例えば、(1)カーボンナノチューブフォレストの端部から、カーボンナノチューブをシート状に引出し、引き出したカーボンナノチューブシートを束ねた後、カーボンナノチューブの束を撚るカーボンナノチューブ線状体を得る過程において、カーボンナノチューブのフォレスト、シート若しくは束、又は撚った線状体の表面に、金属単体又は金属合金を蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、湿式めっき等により担持させた複合線状体、(2)金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体と共に、カーボンナノチューブの束を撚った複合線状体、(3)金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体と、カーボンナノチューブ線状体又は複合線状体とを編んだ複合線状体等が挙げられる。なお、(2)の複合線状体においては、カーボンナノチューブの束を撚る際に、(1)の複合線状体と同様にカーボンナノチューブに対して金属を担持させてもよい。また、(3)の複合線状体は、2本の線状体を編んだ場合の複合線状体であるが、少なくとも1本の金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体が含まれていれば、カーボンナノチューブ線状体又は金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体若しくは複合線状体の3本以上を編み合わせてあってもよい。
複合線状体の金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛等の金属単体、これら金属単体の少なくとも一種を含む合金(銅−ニッケル−リン合金、銅−鉄−リン−亜鉛合金等)が挙げられる。
(接着剤層)
接着剤層40は、接着剤を含む層である。基材20と加熱素子30との間に接着剤層40を介在させたシート10とすることで、接着剤層40により、シート10の構造物への貼り付けが容易となる。具体的には、上述したように、シート10において、加熱素子30(その複数の導電性線状体32)から露出する接着剤層40により、シート10と構造物との接着が容易となる。
接着剤層40は、硬化性であってもよい。接着剤層が硬化することにより、加熱素子30を保護するのに十分な硬度が接着剤層40に付与される。また、硬化後の接着剤層40の耐衝撃性が向上し、衝撃による硬化後の接着剤層40の変形も抑制できる。
接着剤層40は、短時間で簡便に硬化することができる点で、紫外線、可視エネルギー線、赤外線、電子線等のエネルギー線硬化性であることが好ましい。なお、「エネルギー線硬化」には、エネルギー線を用いた加熱による熱硬化も含まれる。
エネルギー線による硬化の条件は、用いるエネルギー線によって異なるが、例えば、紫外線照射により硬化させる場合、紫外線の照射量は、10mJ/cm〜3,000mJ/cm、照射時間は1秒〜180秒であることが好ましい。
接着剤層40の接着剤は、熱により接着するいわゆるヒートシールタイプのもの、湿潤させて貼付性を発現させる接着剤なども挙げられるが、適用の簡便さからは、接着剤層40が、粘着剤(感圧性接着剤)から形成される粘着剤層であることが好ましい。粘着剤層の粘着剤は、特に限定されない。例えば、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、粘着剤は、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、およびゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、アクリル系粘着剤であることがより好ましい。
アクリル系粘着剤としては、例えば、直鎖のアルキル基または分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む重合体(つまり、アルキル(メタ)アクリレートを少なくとも重合した重合体)、環状構造を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含むアクリル系重合体(つまり、環状構造を有する(メタ)アクリレートを少なくとも重合した重合体)等が挙げられる。ここで「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」および「メタクリレート」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
アクリル系重合体が共重合体である場合、共重合の形態としては、特に限定されない。アクリル系共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、またはグラフト共重合体のいずれであってもよい。
これらの中でも、アクリル系粘着剤としては、炭素数1〜20の鎖状アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート(a1’)(以下、「単量体成分(a1’)」ともいう)に由来する構成単位(a1)、および官能基含有モノマー(a2’)(以下、「単量体成分(a2’)」ともいう)に由来する構成単位(a2)を含むアクリル系共重合体が好ましい。
なお、当該アクリル系共重合体は、単量体成分(a1’)および単量体成分(a2’)以外のその他の単量体成分(a3’)に由来する構成単位(a3)をさらに含んでいてもよい。
単量体成分(a1’)が有する鎖状アルキル基の炭素数としては、粘着特性の向上の観点から、好ましくは1〜12、より好ましくは4〜8、さらに好ましくは4〜6である。単量体成分(a1’)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体成分(a1’)の中でも、ブチル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、ブチル(メタ)アクリレートがより好ましい。
構成単位(a1)の含有量は、上記アクリル系共重合体の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは50質量%〜99.5質量%、より好ましくは55質量%〜99質量%、さらに好ましくは60質量%〜97質量%、よりさらに好ましくは65質量%〜95質量%である。
単量体成分(a2’)としては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、ケト基含有モノマー、アルコキシシリル基含有モノマー等が挙げられる。これらの単量体成分(a2’)の中でも、ヒドロキシ基含有モノマーとカルボキシ基含有モノマーが好ましい。
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸が好ましい。
エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ基含有物モノマーとしては、例えばジアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
シアノ基含有モノマーとしては、例えばアクリロニトリル等が挙げられる。
構成単位(a2)の含有量は、上記アクリル系共重合体の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは0.1質量%〜50質量%、より好ましくは0.5質量%〜40質量%、さらに好ましくは1.0質量%〜30質量%、よりさらに好ましくは1.5質量%〜20質量%である。
単量体成分(a3’)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン等の環状構造を有する(メタ)アクリレート;酢酸ビニル;スチレン等が挙げられる。
構成単位(a3)の含有量は、上記アクリル系共重合体の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは0質量%〜40質量%、より好ましくは0質量%〜30質量%、さらに好ましくは0質量%〜25質量%、よりさらに好ましくは0質量%〜20質量%である。
なお、上述の単量体成分(a1’)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよく、上述の単量体成分(a2’)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよく、上述の単量体成分(a3’)は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系共重合体は架橋剤により架橋されていてもよい。架橋剤としては、例えば、公知のエポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。アクリル系共重合体を架橋する場合には、単量体成分(a2’)に由来する官能基を、架橋剤と反応する架橋点として利用することができる。
粘着剤層は、上記粘着剤の他に、エネルギー線硬化性の成分を含有していてもよい。
エネルギー線硬化性の成分としては、例えばエネルギー線が紫外線である場合には、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジメトキシジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート等の化合物であって、一分子中に紫外線重合性の官能基を2つ以上有する化合物等が挙げられる。
エネルギー線硬化性の成分は、単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。
また、粘着剤としてアクリル系粘着剤を適用する場合、エネルギー線硬化性の成分として、アクリル系共重合体における単量体成分(a2’)に由来する官能基に反応する官能基と、エネルギー線重合性の官能基とを一分子中に有する化合物を用いてもよい。当該化合物の官能基と、アクリル系共重合体における単量体成分(a2’)に由来する官能基との反応により、アクリル系共重合体の側鎖がエネルギー線照射により重合可能となる。粘着剤がアクリル系粘着剤以外でも、粘着剤となる共重合体以外の共重合体成分として、同様に側鎖がエネルギー線重合性である成分を用いてもよい。
粘着剤層がエネルギー線硬化性である場合には、粘着剤層は光重合開始剤を含有することがよい。光重合開始剤により、粘着剤層がエネルギー線照射により硬化する速度を高めることができる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、2−クロールアンスラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−ベンゾチアゾール−N,N−ジエチルジチオカルバメート、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−プロペニル)フェニル]プロパノン}等が挙げられる。
粘着剤層は、無機充填剤を含有していてもよい。無機充填剤を含有することで、硬化後の粘着剤層の硬度をより向上させることができる。また、粘着剤層の熱伝導性が向上する。さらに、被着体がガラスを主成分とする場合に、シート10と被着体の線膨張係数を近づけることができ、これによって、シート10を被着体に貼付および硬化して得た装置の信頼性が向上する。
無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末;これらを球形化したビーズ;単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、無機充填剤としては、シリカフィラーおよびアルミナフィラーが好ましい。無機充填剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤は、硬化性官能基を有する化合物により表面修飾(カップリング)されていることが好ましい。
硬化性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、グリシジル基、エポキシ基、エーテル基、エステル基、エチレン性不飽和結合を有する基等が挙げられる。これら硬化性官能基を有する化合物としては、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
無機充填剤は、硬化後の粘着剤層の耐破壊性(硬化後の粘着剤層の強度)が維持されやすい点から、エチレン性不飽和結合を有する基等のエネルギー線硬化性官能基を有する化合物により表面修飾されていることがより好ましい。エチレン性不飽和結合を有する基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、マレイミド基等が挙げられるが、反応性の高さや汎用性の点から(メタ)アクリロイル基が好ましい。
エネルギー線硬化性官能基を有する化合物により表面修飾された無機充填剤であると、例えば、シート10を構造物に貼付けた後に硬化した粘着剤層が強靭となる。これにより、構造物に貼付けたシート10に吸盤を貼り付けて、シート10をはがす際等に、硬化後の粘着剤層が破壊することを回避することが容易となる。
なお、粘着剤層が表面修飾された無機充填剤を含有する場合には、粘着剤層は、別途エネルギー線硬化性の成分を含んでいることが好ましい。
無機充填剤の平均粒径は、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。無機充填剤の平均粒径がこのような範囲にあれば、シート10(つまり粘着剤層)の光線透過性が向上しやすくなり、また、シート10(つまり粘着剤層)のヘイズを小さくしやすくすることができる。無機充填剤の平均粒径の下限は特に限定されないが、5nm以上であることが好ましい。
なお、無機充填剤の平均粒径は、デジタル顕微鏡により無機充填剤を20個観察し、無機充填剤の最大径と最小径の平均径を直径として測定し、その平均値とする。
無機充填剤の含有量は、粘着剤層全体に対して、0質量%〜95質量%であることが好ましく、5質量%〜90質量%であることがより好ましく、10質量%〜80質量%であることがさらに好ましい。
硬化後の粘着剤層の鉛筆硬度は、HB以上であることが好ましく、F以上であることがより好ましく、H以上であることがさらに好ましい。これにより、硬化後の粘着剤層が加熱素子30を保護する機能がさらに向上し、より十分に加熱素子30を保護することができる。なお、鉛筆硬度は、JISK5600−5−4に準じて測定された値である。
粘着剤層には、その他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、有機溶媒、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、濡れ性調整剤等の周知の添加剤が挙げられる。
接着剤層40の厚さは、シート10の用途に応じて適宜決定される。例えば、接着性の観点から、接着剤層40の厚さは、3μm〜150μmであることが好ましく、5μm〜100μmであることがより好ましい。
(シートの製造方法)
本実施形態に係るシート10の製造方法は、特に限定されない。シート10は、例えば、次の工程を経て製造される。
まず、基材20の上に、接着剤層40の形成用組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、塗膜を乾燥させて、接着剤層40を作製する。次に、基材20と接着剤層40との積層体(その接着剤層40)上に、導電性線状体32を配列しながら配置して、加熱素子30を形成する。例えば、ロール部材の外周面に、基材20と接着剤層40との積層体を配置した状態で、ロール部材を回転させながら、接着剤層40上に導電性線状体32を螺旋状に巻き付ける。その後、螺旋状に巻き付けた導電性線状体32の列をロール部材の軸方向に沿って切断する。これにより、加熱素子30を形成すると共に、接着剤層40上に配置する。そして、基材20と接着剤層40と加熱素子30の積層体を、ロール部材から取り出す。この方法によれば、例えば、ロール部材を回転させながら、導電性線状体32の繰り出し部をロール部材の軸と平行な方向に沿って移動させることで、加熱素子30における隣り合う導電性線状体32の間隔Lを調整することが容易となる。
なお、導電性線状体32を配列して加熱素子30を形成した後、得られた加熱素子30を、基材20と接着剤層40との積層体(その接着剤層40)上に貼り合せて、シート10を作製してもよい。
(シートの使用方法)
本実施形態に係るシート10は、構造物に適用して使用される。このような適用の具体的な例として、上述のようにシート10が接着剤層40を有する場合には、シート10は、構造物に対して加熱素子30が設けられた側の面を対面させて、加熱素子30における「複数の導電性線状体」の間から露出する接着剤層40の接着力によって、構造物に貼付けて使用される。接着剤層40が硬化性を有する場合、シート10を構造物に貼付けた後、接着剤層40を硬化する。なお、構造物に貼付けたシート10では、基材20及び接着剤層40によって、加熱素子30が保護される。
シート10の貼付け対象となる構造物は、視認性が要求され又は光線透過性を有する構造物であることが好ましい。ただし、これら構造物に限られるわけではなく、視認性が要求され又は光線透過性を有しない構造物であっても、シート10によって、氷雪の付着が防止できる。
視認性が要求される構造物としては、屋外において使用又は設置する構造物であって、例えば、信号機、交通標識、電子看板、屋外ディスプレイ、照明灯、鏡(道路反射鏡等)等が例示できる。
一方、光線透過性を有する構造物としては、屋外において使用又は設置する構造物であって、例えば、窓(屋外観賞用の窓、ディスプレイ用の窓等)、太陽光発電パネルの光入射側の透明基板等が例示できる。
そして、これらの構造物にシート10を貼付けることで、構造物の機能(視認性、光線透過性)を阻害することなく、構造物への氷雪の付着を防止し、氷雪による構造物の機能悪化を防ぐことができる。
特に、従来、信号機、交通標識、電子看板、照明灯等の視認性が要求される構造物は、光源として白熱電球等の発熱体が使用されており、光源自身の発熱により、付着する氷雪を溶解し、氷雪の付着による機能悪化を防止することができていた。しかし、近年、発熱量の小さい発光ダイオードに光源が置き換えられてきており、光源自身の発熱によって氷雪を溶解でき難くなってきている。
このため、光源として発光ダイオードを有する構造物に、本実施形態に係るシート10を適用することが有効である。また、光源を有さない構造物に、本実施形態に係るシート10を適用することも有効である。
ここで、本実施形態に係るシート10の使用例として、シート10を信号機に貼付けた例を図3に示す。図3に示すように、シート10は、信号機の発光面(信号表示面)を覆うようにして貼付けて、信号機に設置される。シート10を信号機に設置することで、シート10自体により信号機の信号表示機能を阻害することなく、シート10の加熱素子30により、発光面(信号表示面)にシート10を介して付着した氷雪を溶解しつつ、氷雪や水滴を容易に滑落させることができる。それにより、氷雪による信号機の信号表示面の視認性の悪化を防止する。図3中、100は信号機を示し、102は信号機の発光面(信号表示面)を示す。
なお、本実施形態に係るシート10は、図4に示すように、加熱素子30に給電する給電部(電極)42を設けて使用される。給電部42は、例えば、金属材料で構成され、加熱素子30の端部に電気的に接続する。給電部42と加熱素子30との接合は、加熱素子30の各導電性線状体32に給電可能に、半田等の周知な方法により行われる。
(変形例)
本実施形態に係るシート10は、上記形態に限定されず、変形、又は改良してもよい。以下、本実施形態に係るシート10の変形例について説明する。以下の説明では、本実施形態に係るシート10で説明した部材と同一であれば、図中に、同一符号を付してその説明を省略または簡略する。
−第1の変形例−
本実施形態に係るシート10は、例えば、図5に示すように、シート10が接着剤層40を有する場合において、加熱素子30の表面(接着剤層40と対面しない側の面)上に剥離層44を有するシート11であってもよい。
第1の変形例であるシート11では、シート11を構造物に貼付ける前において、剥離層44で加熱素子30及び加熱素子30(その複数の導電性線状体32)から露出する接着剤層40を保護し、取扱いによる加熱素子30の破損、及び接着剤層40の接着能の低下を抑制できる。一方で、剥離層44を剥離することで、シート11を構造物に貼付けることができる。
剥離層44としては、特に限定されない。例えば、取り扱い易さの観点から、剥離層44は、剥離基材と、剥離基材の上に剥離剤が塗布されて形成された剥離剤層とを備えることが好ましい。また、剥離層44は、剥離基材の片面のみに剥離剤層を備えていてもよいし、剥離基材の両面に剥離剤層を備えていてもよい。
剥離基材としては、例えば、紙基材、紙基材等に熱可塑性樹脂(ポリエチレン等)をラミネートしたラミネート紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。紙基材としては、グラシン紙、コート紙、キャストコート紙等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム;ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンフィルム等が挙げられる。剥離剤としては、例えば、オレフィン系樹脂、ゴム系エラストマー(例えば、ブタジエン系樹脂、イソプレン系樹脂等)、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
剥離層44の厚さは、特に限定されない。通常、剥離層34の厚さは、20μm〜200μmが好ましく、25μm〜150μmがより好ましい。
剥離層44の剥離剤層の厚さは、特に限定されない。剥離剤を含む溶液を塗布して剥離剤層を形成する場合、剥離剤層の厚さは、0.01μm〜2.0μmが好ましく、0.03μm〜1.0μmがより好ましい。
剥離基材としてプラスチックフィルムを用いる場合、プラスチックフィルムの厚さは、3μm〜150μmであることが好ましく、5μm〜100μmであることがより好ましい。
−第2の変形例−
本実施形態に係るシート10は、例えば、図6に示すように、シート10が接着剤層40を有する場合において、加熱素子30の表面(接着剤層40と対面しない側の面)上に接着剤層46及び剥離層44を順次積層したシート12であってもよい。
第2の変形例であるシート12では、シート12を構造物に貼付ける前において、接着剤層46及び剥離層44で加熱素子30を保護し、取扱いによる加熱素子30の破損を抑制できる。一方で、剥離層44を剥離することで、接着剤層46によりシート12を構造物に貼付けることができる。
接着剤層40と接着剤層46とは、同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
接着剤層40と接着剤層46との厚さは、各々、3μm〜150μmであることが好ましく、5μm〜100μmであることがより好ましい。また、接着剤層40と接着剤層40との厚さの合計値(接着剤層の総厚さ)は、10μm〜300μmが好ましく、20μm〜200μmであることがより好ましい。
また、本形態において、接着剤層40を省略した構成としてもよい。この場合には、加熱素子30における整列した導電性線状体32同士の間で基材20と接着剤層46とが接着し、加熱素子30及び接着剤層46が基材20上に固定される。
−第3の変形例−
本実施形態に係るシート10は、例えば、図7に示すように、加熱素子30の導電性線状体32が周期的に湾曲又は屈曲したシート13であってよい。具体的には、導電性線状体32は、例えば、正弦波、矩形波、三角波、のこぎり波等の波形状であってもよい。つまり、加熱素子30は、例えば、一方に延びた波形状の導電性線状体32が、導電性線状体32の延びる方向と直交する方向に、等間隔で複数配列された構造としてもよい。
なお、図7は、一方に延びた波形状の導電性線状体32が、導電性線状体32の延びる方向と直交する方向に、等間隔で複数配列された加熱素子30を有するシート15が示されている。
−第4の変形例−
本実施形態に係るシート10は、例えば、図8に示すように、配列された複数の導電性線状体32からなる疑似シート構造体を複数積層した加熱素子30を有するシート14であってもよい。複数の疑似シート構造体は、互いの導電性線状体32を平行に積層してもよいし、交差させて積層させてもよい。一方の疑似シート構造体において平行に配列され、交わることのない導電性線状体32同士が、他方の疑似シート構造体の導電性線状体32によっていわば橋渡しされ、これらの間の電気的な接続を生じさせることができる観点からは、互いの導電性線状体32を交差させて積層させることが好ましい。
ここで、一方の疑似シート構造体における導電性線状体32が、他方の疑似シート構造体における間隙部分(隣り合う導電性線状体32同士の間隔の部分)と重なり、間隙部分が塞がれることによって、光線透過性が低下する可能性があるが、L/Dの値を上述した範囲内で調整することで、容易に十分な光線透過性を確保することができる。
なお、図8には、互いの導電性線状体32を交差させて、2つの疑似シート構造体を積層した加熱素子30を有するシート14が示されている。
−第5の変形例−
本実施形態に係るシート10は、例えば、図9に示すように、加熱素子30をシート面方向(シート表面に沿った方向)に複数配列したシート15であってもよい。複数の加熱素子30は、互いの導電性線状体32を平行に配列してもよいし、交差させて配列させてもよい。
なお、図9には、互いの導電性線状体32を平行に配列させて、2つの加熱素子30を配列したシート15が示されている。
ここで、第1〜第5の変形例は、一例であり、本実施形態に係るシート10は目的に応じて種々の構成とすることができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
[実施例1]
(1)特定組成物の調製
次に示す種類及び配合量比(有効成分の比率であり、テトラエトキシシランのモル数を100とした場合におけるそれぞれの成分のモル数の比率(モル%)により記載した。)の各成分を配合し、エタノールを加えて希釈し、有効成分濃度1.8Mの特定組成物の溶液を調製した。
・テトラエトキシシラン 100モル%
・ヘキシルトリエトキシシラン 50.0モル%
・チタンジイソプロポキシビス(エチルアセテート)、マツモトファインケミカル(株)製、「オルガチックス TC−750」 3.000モル%
・塩酸 0.059モル%
(2)基材の作製
基材本体として、片面にプライマー層が設けられたポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製、製品名「コスモシャインA−4100」、厚さ50μm)を用いた。
この基材本体のプライマー層上に、上記のとおり調整した特定組成物の溶液を、マイヤーバーを用いて、塗布して塗膜を形成した。次いで、当該塗膜を80℃で2分間乾燥し、厚さ0.7μmの表面層を有する基材を作製した。
(3)加熱素子の作製
直径3cmのゴムロールに、厚さ38μmの第一の剥離フィルム上に厚さ10μmのアクリル粘着剤層を設けた積層シートをアクリル粘着剤層が露出するように巻き付けた。そして、ゴムロールの円周方向における積層シートの両端部を両面テープで固定した。一本の金属ワイヤーからなる導電性線状体(金属種:タングステン、株式会社トクサイ製、TWG−B、直径:10μm、体積抵抗率5.29×10−8Ω・m)を、ゴムロールの端部付近に位置する積層シートのアクリル粘着剤層表面に付着させた上で、導電性線状体を繰り出しながらゴムロールで巻き取り、少しずつゴムロールをロール軸と平行な方向に等速移動させていき、導電性線状体が等間隔でらせんを描きながらゴムロールに巻きつくようにした。さらに、導電性線状体が設けられた粘着剤層の表面及び導電性線状体を覆うように、第二の剥離フィルムを貼り合わせた。次に、ロール軸と平行に、第一の剥離フィルム、粘着剤層、及び導電性線状体を第二の剥離フィルムごと切断し、第一の剥離フィルム、粘着剤層、導電性線状体が配列された加熱素子、及び第二の剥離フィルムをこの順で有する積層体を得た。導電性線状体は等間隔に配列され、各間隔は0.5mmであった。
(4)氷雪付着防止シートの作製
次に、この積層体から、第二のフィルムを剥がし、加熱素子、及び加熱素子(その導電性線状体)から露出した粘着剤層を覆うように、上記の基材を、表面層が設けられていない面を対向させて貼付けた。
以上の操作を経て、氷雪付着防止シートを作製した。
[実施例2]
基体として、厚さ38μmの剥離フィルム「SP−PET381130(リンテック(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、氷雪付着防止シートを作製した。
ここで、剥離フィルム「SP−PET381130(リンテック(株)製)は、PETフィルムの片面に、シリコーン樹脂を含む剥離剤を塗布し、乾燥して溶媒を揮発させて、剥離処理を施したフィルムである。そして、剥離フィルムの剥離非処理面と、加熱素子及び加熱素子(その導電性線状体)から露出した粘着剤層とが対面するように、剥離フィルムを貼付けた。
[比較例1]
基体として、剥離処理がされていない厚さ50μmのPETフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、氷雪付着防止シートを作製した。
[各種測定]
各例で得られた氷雪付着防止シートの水の接触角、水の滑落角度、光線透過率及び面抵抗について、既述の方法に従って、測定した。また、各例で得られた氷雪付着防止シートの加熱素子について、導電性線状体の直径D及び間隔Lを既述の方法に従って、測定した。結果を表1に示す。
[評価]
各例で得られた氷雪付着防止シートを50mm×100mmの長方形に裁断し、2mmの厚さのフロートガラス板に貼り付けて試料を得た。裁断は、長方形の100mmの長さの辺の方向と導電性線状体が伸びている方向が一致するようにした。この試料を−10℃環境に放置した。試料が−10℃以下になった事を確認し、水滴をヒーター表面に14ml垂らした。水滴が凍った後、試料を20°、60°、90°の角度に傾け、氷雪を付着させた状態で、24V−2A、5分の条件でシートの加熱素子に通電し、電圧を印加した。そして、電圧印加後、表面に水滴が付着しているかを確認し、各角度について下記基準により評価した。
A:通電完了直後に氷雪または水滴が付着していなかった。
B:通電完了直後に氷雪または水滴が付着していた。
上記結果から、本実施例の氷雪付着防止シートは、高い光線透過率を有し、かつ比較例の氷雪付着防止シートに比べ、加熱素子により溶解する氷雪や水滴が滑落し易いことがわかる。
特に、水の接触角90°以上、かつ水の滑落角度が20°以下の氷雪付着防止シートは、水の接触角90°以上、かつ水の滑落角度が20°超えの氷雪付着防止シートに比べ、加熱素子により溶解する氷雪や水滴が滑落し易いことがわかる。
10 氷雪付着防止シート
20 基材
22 基材本体
24 表面層
30 加熱素子
32 導電性線状体
34 剥離層
40 接着剤層
42 給電部
44 剥離層
46 接着剤層

Claims (4)

  1. 基材と、前記基材上に設けられ、複数の導電性線状体を有する加熱素子と、を備え、
    構造物に貼付けたときに露出する露出面における水の接触角が90°以上である氷雪付着防止シート。
  2. 前記構造物に貼り付けたときに露出する露出面における水の滑落角度が20°以下である請求項1に記載の氷雪付着防止シート。
  3. 光線透過率が70%である請求項1又は請求項2に記載の氷雪付着防止シート。
  4. 前記導電性線状体が、金属ワイヤーを含む線状体、又は導電性糸を含む線状体である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の氷雪付着防止シート。
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