JP2018027166A - バルーンカテーテル - Google Patents

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太輝人 犬飼
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泰徳 山下
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翔平 荒平
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吉伸 井坂
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Abstract

【課題】バルーンの送達時におけるブレードによるバルーンの損傷を抑制しつつ、ブレードを病変部の表面に対し滑ることなく確実に進入させることのできるバルーンカテーテルを提供する。
【解決手段】長尺状のシャフト10の先端部にバルーン11を有するバルーンカテーテル1であって、バルーン11は、ブレード13が外表面に沿う内層30と、内層30を外周側から覆い、かつ内層30より硬い材質である外層31との二層を有し、外層31は、バルーン11が拡張した状態でブレード13を突出させるように開くスリット部32を有するバルーンカテーテル1である。
【選択図】図5

Description

本発明は、カテーテルシャフトの先端部にバルーンを有するバルーンカテーテルに関する。
カテーテルを用いた血管病変の治療は、外科的侵襲が少ないことから広く行われている。例えば、経皮的冠動脈形成術(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)において、冠動脈の病変部を押し広げて血流を改善するためにバルーンカテーテルが用いられる。また、下肢の大腿動脈、腸骨動脈、膝窩動脈、膝下動脈等に発生した動脈硬化を治療するPTA(Percutaneous Transluminal Angioplasty:経皮的血管形成術)を行うためにも、バルーンカテーテルが用いられることがある。
動脈硬化が進行すると、病変部が石灰化して硬い部分が生じる。そして、バルーンカテーテルの拡張力だけでは、石灰化した病変部を押し広げられないことがある。この場合にも治療を可能とするデバイスとして、バルーンにブレードを設けたスコアリングバルーンカテーテルが知られている。スコアリングバルーンカテーテルは、バルーンに設けられた刃状あるいは線状のブレードを有しており、このブレードにより石灰化した部位に亀裂を入れて、病変部等の内腔を広げやすくすることができる。このようなブレードを有したバルーンカテーテルとしては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
特許第2591573号公報
ブレードをバルーンの表面に固定した場合、バルーンを病変部に送達するためバルーンカテーテルを血管内に挿入していく際に、血管の屈曲部等においてバルーンが血管内壁に接触することがある。このとき、ブレードが意図せずに血管内壁に損傷を与える可能性がある。
一方、ブレードの少なくとも一部をバルーンの表面に固定しなかった場合、病変部でバルーンを拡張する際に、ブレードが病変部の表面で軸方向または周方向に滑り、病変部に亀裂を入れにくくなることが考えられる。また、ブレードをバルーンの表面に固定していたとしても、バルーンが亀裂を入れたい病変部を逃がさないように十分固定できないことにより、同様にブレードが病変部の表面で滑り、亀裂を適切に入れられない可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、バルーンの送達時におけるブレードによる生体管腔壁の損傷を抑制しつつ、ブレードを病変部の表面に対し滑ることなく確実に亀裂を入れ、病変部の内腔を広げることのできるバルーンカテーテルを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係るバルーンカテーテルは、長尺状のシャフトの先端部にバルーンを有するバルーンカテーテルであって、
前記バルーンは、ブレードが外表面に沿う内層と、該内層を外周側から覆い、かつ前記内層より硬い材質である外層との二層を有し、
前記外層は、前記バルーンが拡張した状態で前記ブレードを突出させるように開くスリット部を有する。
上記のように構成したバルーンカテーテルは、バルーンが病変部で拡張するまでブレードがバルーンの外周側に突出しないので、バルーンの送達時にブレードによる生体管腔の内壁面の損傷を抑制できる。また、バルーンの拡張時には、ブレードがスリット部を介し外周側に突出するので、バルーンの周方向におけるブレードの移動可能範囲がスリット部の範囲内に制限され、ブレードが病変部の表面で滑ることを抑制できる。
また、前記内層は、前記バルーンが拡張した状態で、前記ブレードを前記スリット部よりも外周側に突出させるように膨張する。これにより、バルーンは内層によってスリット部から押し出されるので、スリット部からブレードを大きく突出させ、病変部に確実に接触させることができる。
また、前記外層は、前記スリット部の縁部に外周側に向かって突出する突部を有し、
前記バルーンが収縮した状態で、前記ブレードは前記突部の先端より内周側に配置される。これにより、ブレードを外周側に突出させる際に、突部が病変部の表面に圧接されて、病変部を押さえた状態となるので、ブレードが病変部の表面で滑ることを抑制し、ブレードにより確実に病変部に対し亀裂を入れることができる。
また、前記スリット部は、前記バルーンが拡張するのに伴い前記内層により開かれる。これにより、バルーンの拡張に伴い、スリット部の縁部で病変部を周方向に押し広げることができ、病変部の表面に張力を加えることで、ブレードが病変部の表面で滑ることなく、確実に病変部に対し亀裂を入れることができる。
また、前記ブレードは、前記バルーンの軸方向に沿って配置されると共に、両端部が前記内層の外表面に固定されるようにすれば、ブレードをバルーンの表面に効率よく配置できる。
また、前記ブレードは、両端部がそれぞれ前記バルーンよりも基端側及び先端側に固定されるようにすれば、バルーンにブレードの固定部が形成されないので、バルーンの拡張、収縮に固定部が影響を与えないようにすることができる。
また、前記内層は、前記ブレードが配置される領域に、他の領域より硬い硬質部または厚肉部を有するようにすれば、バルーンの拡張時にブレードを押し出す力を大きくして、病変部に対して大きな力を作用させることができる。
また、前記外層は、前記バルーンが羽根状に折り畳まれた状態で頂部となる位置に前記スリット部を有するようにすれば、バルーンを折り畳んだ状態でスリット部の開口縁部が外周側に向かわないようにすることができ、バルーンの送達時にスリット部の開口縁部が生体管腔の内壁面に引っ掛かることを防止できる。
本実施形態のバルーンカテーテルの正面図である。 バルーンカテーテルの先端部付近を軸方向に沿って切断した断面図である。 バルーンの軸方向と直交する面で切断した第1の拡張状態のバルーンの断面図である。 第1の拡張状態におけるバルーン付近の拡大正面図である。 バルーンの軸方向と直交する面で切断した第2の拡張状態のバルーンの断面図である。 バルーンの軸方向と直交する面で切断した第3の拡張状態のバルーンの断面図である。 第3の拡張状態におけるバルーン付近の拡大正面図である。 生体管腔内における第1の拡張状態のバルーンの断面図である。 生体管腔内における第2の拡張状態のバルーンの断面図である。 生体管腔内における第3の拡張状態のバルーンの断面図である。 羽根部を有するように折られた状態のバルーンの断面図である。 硬質部を設けた場合のブレード付近拡大断面図である。 第1の拡張時の第2の形態のバルーン付近の拡大正面図である。 第3の拡張時の第2の形態のバルーン付近の拡大正面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。なお、本明細書では、シャフト10の生体管腔に挿入する側を「先端」若しくは「先端側」、操作する手元側を「基端」若しくは「基端側」と称することとする。
図1に示すように、バルーンカテーテル1は、長尺状のシャフト10と、このシャフト10の先端部に設けられるバルーン11と、シャフト10の基端部に設けられるハブ12とを有している。図2に示すように、シャフト10は、それぞれ長尺中空状に形成された外管20と内管21とが同心円状に配置されている。外管20の内径は内管21の外径よりも大きく、内管21は外管20の中空内部に納められている。内管21の中空内部は、ガイドワイヤ(図示しない)を挿通させるガイドワイヤルーメン23を形成する。また、外管20の中空内部であって、内管21の外側には、バルーン11の拡張用流体を流通させる拡張ルーメン22が形成される。
内管21は、外管20の先端よりもさらに先端側まで突出している。バルーン11は、基端側端部が外管20の先端部に固定され、先端側端部が内管21の先端部に固定されている。これにより、バルーン12の内部が拡張ルーメン22と連通している。拡張ルーメン22を介してバルーン11に拡張用流体を注入することで、バルーン11を拡張させることができる。拡張用流体は気体でも液体でもよく、例えばヘリウムガス、COガス、Oガス等の気体や、生理食塩水、造影剤等の液体を用いることができる。
外管20および内管21は、ある程度の可撓性を有する材料により形成されるのが好ましい。そのような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、あるいはこれら二種以上の混合物等のポリオレフィンや、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、シリコーンゴム、ラテックスゴム等が挙げられる。
バルーン11は、内層30と外層31の二層構造となっている。外層31は、内層30を外周側から覆うように設けられている。外層31は、内層30に対して少なくとも一部が固定されている。固定方法は、接着剤による接着や、レーザーや熱による融着等があるが、特に限定されない。内層30と外層31の少なくとも一部が固定されていることにより、内層30の拡張力を外層31に対し確実に伝えることができる。また、内層30の拡張時に、内層30に対して外層31が周方向にずれることを防止できる。その結果、内層30に対する外層31の位置関係を適切な状態で維持したまま、バルーン11を確実に拡張させることができる。内層30は、ポリエチレンやシリコンなどの柔軟性が高く拡張しやすい材料によって形成され、外層31は、内層30よりも硬い材料、例えばナイロンなどによって形成される。内層30と外層31は、その他の材料を用いてもよく、また、内層30と外層31で同じ材料を用いてもよい。この場合、厚みや膜の形成条件などを変えることにより、外層31が内層30よりも硬くなるようにすることができる。バルーン11は、拡張した状態において、軸方向中央部が円筒状のストレート部40であり、その先端側と基端側は、それぞれテーパ部41である。
バルーン11は、病変部に送達されるまでは、折り畳まれた状態であり、病変部に到達したら拡張用流体が注入されて拡張される。図3に示しているのは、折り畳まれた状態から途中まで拡張された仮拡張の状態(以下、第1の拡張状態という)のバルーン11である。なお、図3は、第1の拡張状態にあるバルーン11の軸方向に垂直な断面図である。第1の拡張状態にあるバルーン11は、生体管腔の内壁面に対してバルーン11の外層31の外表面が圧接する。ここで圧接とは、生体管腔の内壁面に対して、バルーン11が押し付けられて、接触していることを言う。図3に示すように、バルーン11の内層30の外表面には、周方向4箇所に、軸方向に沿って伸びるワイヤ状のブレード13が設けられている。ブレード13は、金属製の線材であり、バルーン11の拡張時には石灰化した病変部に亀裂を入れることができる。なお、ブレード13は樹脂等から形成してもよい。
外層31は、周方向4箇所にスリット部32を有している。スリット部32は、バルーン11が縮径状態から第1の拡張状態に至るまで、バルーン11の周方向において互いに隣り合うスリット部32の縁部同士が、それぞれ近接した状態となっており、各スリット部32の内側にブレード13が配置されている。また、後で詳述するが、バルーン11は縮径状態から完全拡張するまでに、第1の拡張状態を含む3段階に拡張変形する。スリット部32の縁部には、外周側に向かって突出する突部33が形成されている。バルーン11の軸方向に垂直な断面において、突部33は、スリット部32の縁部から、内層30の接線に対して垂直な方向に向かって延びるように形成される。これにより、突部33を生体管腔の内壁面に対して押し込むことができる。そのため、後述の通り、バルーン11の第2の拡張状態において、生体管腔の内壁面を周方向に押し広げることができる。より好ましくは、突部33は、互いに隣り合う縁部同士が周方向に離反する方向に向かって互いに傾斜して延びるように形成される。これにより、バルーン11の第2の拡張状態において、生体管腔の内壁面を、より周方向に押し広げることができる。図3の第1の拡張状態において、生体管腔の内壁面に対する突部33の圧接は、外層31の突部33以外の外表面による生体管腔の内壁面の圧接に比べて圧力が大きい。そのため、突部33は、生体管腔の内壁面を生体管腔の外方へより押し込むことができる。これにより、第1の拡張状態において、バルーン11を生体管腔の内壁面に対し確実に固定することができるので、バルーン11の生体管腔に対する位置ずれを防止できる。また、このとき、ブレード13は、外層31が有する突部33の先端33aより内周側に配置されており、ブレード13は互いに近接した状態のスリット部32の縁部同士の間にある。これにより、バルーン11の周方向に対するブレード13の動きを規制することができる。そのため、第1の拡張状態において、スリット部32を介して突部33の先端より外周側に向かうブレード13の意図しない突出を抑制できる。
図4に示すように、ブレード13は、バルーン11のストレート部40において、先端と基端にそれぞれバルーン11に対する固定部13aを有する。スリット部32は、ブレード13よりも軸方向に若干短く形成されている。このように、ブレード13の固定部13aをバルーン11のストレート部40に設けることにより、固定部13aによるバルーン11の拡張に与える影響が最小限に抑えられる。
図5に示すように、バルーン11が第1の拡張状態からさらに拡張すると外層31のスリット部32の互いに隣り合う縁部同士が、バルーン11の周方向に離反しながら、バルーン11が拡張する。この時、突部33は、この突部33が押し込む生体管腔の内壁面を、周方向に向かって押し広げる。これにより、生体管腔の内壁面において亀裂を入れる部位をバルーン11によって逃すことなく固定できる。スリット部32の互いに隣り合う縁部同士がそれぞれ離反した状態(以下、第2の拡張状態という)にあるバルーン11において、突部33の先端33aは、バルーン11が亀裂を入れる病変部位を逃すことのないように捕捉する。
図6に示すように、バルーン11が第2の拡張状態からさらに拡張すると、柔らかい材料によって形成された内層30が、硬い材料によって形成された外層31よりもさらに大きく拡張しようとするので、スリット部32を介して、ブレード13が突部33の先端33aより外周側に突出し、生体管腔の内壁面に対して接触し、石灰化した部位に亀裂を入れることができる。ブレード13が突部33の先端33aより外周側に突出した状態(以下、第3の拡張状態という)にあるバルーン11は、ブレード13が病変部位に対して亀裂を入れる。また、第3の拡張状態は、バルーン11が完全に拡張した状態である。
図7に示すように、バルーン11が完全に拡張した状態では、互いに隣り合う縁部同士がそれぞれ離反したスリット部32を介して拡張した内層30が拡張することで、内層30の表面に沿うように設けられたブレード13が、スリット部32から外方に突出している。なお、バルーン11の3段階の拡張は、連続的に行われる。
ブレード13の病変部に対する接触についてより詳細に説明する。図8に示すように、第1の拡張状態にあるバルーン11が生体管腔50の内壁面に存在する病変部51の表面に圧接するとき、スリット部32の互いに隣り合う縁部同士は近接した状態にあり、突部33が生体管腔50の内壁面に存在する病変部51の表面を生体管腔50の外方へ押し込む。このとき、スリット部32の縁部である突部33は、病変部51の表面に圧接されていて、突部33が病変部51を押さえた状態となっているため、バルーン11が病変部51に対して周方向及び軸方向に滑らないようにすることができる。また、このとき、ブレード13はまだ外方に突出していない。
図9に示すように、バルーン11が第1の拡張状態からさらに拡張して第2の拡張状態になると、内層30が外層31を外方に押圧し、スリット部32の互いに隣り合う縁部同士がそれぞれ周方向に離反する。すなわち、第1の拡張状態にあるスリット部32の開口に比べて、第2の拡張状態にあるスリット部32の開口のほうが、より大きくなる。このとき、スリット部32の縁部である突部33が、第1の拡張状態において突部33により押さえた病変部51の表面を、周方向に向かって押し広げることができる。また、バルーン11の軸方向に垂直な断面において、突部33は、スリット部32の縁部から内層30の接線に対して垂直な方向に延びるように形成されている。そのため、第2の拡張状態において、図9に示す矢印方向のように、突部33が周方向に離反する時に働く力を病変部51の表面に伝えることができ、病変部51の亀裂を入れる部位を周方向に向かって確実に押し広げることができる。このように、突部33が病変部51の表面を周方向に向かって押し広げることで、病変部51の亀裂を入れる部位の表面を平坦にし、病変部51の表面に張力を加えることができる。これによって、ブレード13が、病変部51の表面で滑ることなく、確実に病変部51に対し亀裂を入れることができる。また、ブレード13が病変部51の表面に接触する第3の拡張状態まで、突部33によって病変部51の表面の平坦な状態を維持することができ、亀裂を入れる部位を逃すことなく固定できる。
図10に示すように、バルーン11が第2の拡張状態からさらに拡張して第3の拡張状態になると、内層30は外周側に向かってさらに拡張し、スリット部32を介してブレード13は突部33の先端よりも外周側に突出して病変部51に押し付けられ、これに亀裂を入れる。このとき、スリット部32の互いに隣り合う縁部同士がそれぞれ離反して、ブレード13が接触する部位に張力を加え、かつ、突部33が病変部50を押さえた状態で、ブレード13を病変部51に押し付けることができる。例えば、弾性の高い病変部や、凹凸形状の表面を有する病変部等は、ブレード13が特に滑りやすくなり、病変部に対して亀裂を入れにくくなるが、本実施形態のバルーンカテーテル1は、これらの病変部に対しても確実に亀裂を入れ、病変部を拡張させることができる。
次に、折り畳み状態のバルーン11について説明する。図11に示すように、使用前のバルーン11は、周方向に4つの羽根部42を有するように折られている。羽根部42は、それぞれ内管31に沿うように折り畳まれる。
外層31のスリット部32は、羽根部42の頂部に位置している。このような配置で各羽根部42が折り畳まれると、突部33はバルーン11の周方向に沿う向きとなり、外周側に向かって突出しない。これにより、バルーン11を病変部まで送達する途中で、突部33が生体管腔の内壁面に傷を付けることを抑制できる。
ブレード13を病変部に押し付ける力を大きくするため、図12に示すように、内層30のブレード13が設けられる部分に硬質部を設けてもよい。図12では、内層30の内表面に硬質部材34を設けている。硬質部の構造としてはこれに限られず、内層30の一部を二層構造に形成し、もう一層を硬質な材料で形成するようにしてもよいし、内層30の一部が厚肉部を有するようにしてもよい。
これまで説明したバルーン11では、内層30の表面にブレード13の両端を固定しているが、ブレード13の両端をバルーン11の外部に固定してもよい。図13に示すように、本形態のバルーンカテーテル1では、ブレード13の先端を内管21または内管21の先端に設けられる先端チップに固定し、ブレード13の基端を外管20に設けられる可動筒部43に固定している。可動筒部43は、外管20の外周部に設けられる筒状の部材で、外管20の軸方向に沿って移動することができる。
ブレード13は、バルーン11に形成されるスリット部32の内側に配置されるように、軸方向中央部が内層30と外層31の間に納められる。バルーン11が収縮時及び第1の拡張時において、スリット部32の縁部同士は近接した状態であり、ブレード13は外周側に突出していない。
図14に示すように、バルーン11が第3の拡張状態になると、スリット部32は内層30によって押し広げられ、ブレード13が外周側に突出する。バルーン11の拡張により、ブレード13はバルーン11の中心軸から離れる方向に押し出される。これによるブレード13の変形に追従して、ブレード13の基端が固定された可動筒部43も、外管20の軸方向に沿って移動する。なお、ブレード13の基端を固定する部位は、必ずしも外管20の軸方向に移動可能となっていなくてもよい。その場合、ブレード13の固定部位をエラストマー等の伸縮自在な材料で形成し、外管20の軸方向に沿って伸縮可能とすることで、ブレード13をバルーン11の収縮時及び拡張時において保持できるようにすることができる。
以上のように、本実施形態に係るバルーンカテーテル1は、長尺状のシャフト10の先端部にバルーン11を有するバルーンカテーテル1であって、バルーン11は、ブレード13が外表面に沿う内層30と、内層30を外周側から覆い、かつ内層30より硬い材質である外層31との二層を有し、外層31は、バルーン11が拡張した状態でブレード13を突出させるように開くスリット部32を有する。これにより、バルーン11が病変部で拡張するまでブレード13がバルーン11の外周側に突出しないので、バルーン11の送達時にブレード13による生体管腔の内壁面の損傷を抑制できる。また、バルーン11の拡張時には、ブレード13がスリット部32を介し外周側に突出するので、バルーン11の周方向におけるブレード13の移動可能範囲がスリット部32の範囲に制限され、ブレード13が病変部の表面で滑ることを抑制できる。
また、内層30は、バルーン11が拡張した状態で、ブレード13をスリット部32よりも外周側に突出させるように膨張する。これにより、バルーン21は内層30によってスリット部32から押し出されるので、スリット部32からブレード13を大きく突出させ、病変部に確実に接触させることができる。
また、外層31は、スリット部32の縁部に外周側に向かって突出する突部33を有し、バルーン11が収縮した状態で、ブレード13は突部33の先端より内周側に配置される。これにより、ブレード13を外周側に突出させる際に、突部33が病変部の表面に圧接されて、病変部を押さえた状態となるので、ブレード13が病変部の表面に対して滑ることなく確実に病変部に亀裂を入れることができる。
また、スリット部32は、バルーン11が拡張するのに伴い内層30により開かれる。これにより、バルーン11の拡張に伴い、スリット部32の縁部で病変部51を周方向に押し広げることができ、病変部51の表面に張力を加えることで、ブレード13が病変部51の表面で滑ることなく、確実に病変部15に対し亀裂を入れることができる。
また、ブレード13は、バルーン11の軸方向に沿って配置されると共に、両端部が内層30の外表面に固定されるようにすれば、ブレード13をバルーン11の表面に効率よく配置できる。
また、ブレード13は、両端部がそれぞれバルーン11よりも基端側及び先端側に固定されるようにすれば、バルーン11にブレード13の固定部が形成されないので、バルーン11の拡張、収縮に固定部が影響を与えないようにすることができる。
また、内層30は、ブレード13が配置される領域に、他の領域より硬い硬質部34または厚肉部を有するようにすれば、バルーン11の拡張時にブレード13を押し出す力を大きくして、病変部に対して大きな力を作用させることができる。
また、外層31は、バルーン11が羽根状に折り畳まれた状態で頂部となる位置にスリット部32を有するようにすれば、バルーン11を折り畳んだ状態でスリット部32の開口縁部が外周側に向かわないようにすることができ、バルーン11の送達時にスリット部32の開口縁部が生体管腔の内壁面に引っ掛かることを防止できる。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、本実施形態のバルーンカテーテル1では、バルーン11の全体において、内層30の外周側に外層31が設けられているが、外層31はスリット部32が形成されるバルーン11のストレート部40の領域にのみ、設けられていてもよい。
また、スリット部32の縁部である突部33は、本実施形態ではスリット部32の両側で同じ高さを有しているが、スリット部32の一方側のみに突部が設けられていてもよく、また、スリット部32の両側で高さが異なっていてもよい。
また、本実施形態では、ブレード13は内層30に対し両端部のみ固定されているが、両端部に加えてそれ以外の位置でも固定されていてもよく、また、ブレード13の全体が内層30に固定されていてもよい。
また、本実施形態では、ブレード13は内層30に対して固定されているが、バルーン11が縮径状態にある時、少なくとも外層31の突部33の先端よりも内側にブレード13が配置されていれば、外層31に固定されていてもよい。
また、本実施形態では、ブレード13はバルーン11の周方向に4つ設けられているが、ブレード13の数はこれに限られず、1つ以上であれば任意の数に設定できる。
1 バルーンカテーテル
10 シャフト
11 バルーン
12 ハブ
13 ブレード
20 外管
21 内管
22 拡張ルーメン
23 ガイドワイヤルーメン
30 内層
31 外層
32 スリット部
33 突部
34 硬質部
40 ストレート部
41 テーパ部
42 羽根部
43 可動筒部
50 病変部

Claims (8)

  1. 長尺状のシャフトの先端部にバルーンを有するバルーンカテーテルであって、
    前記バルーンは、ブレードが外表面に沿う内層と、該内層を外周側から覆い、かつ前記内層より硬い材質である外層との二層を有し、
    前記外層は、前記バルーンが拡張した状態で前記ブレードを突出させるように開くスリット部を有するバルーンカテーテル。
  2. 前記内層は、前記バルーンが拡張した状態で、前記ブレードを前記スリット部よりも外周側に突出させるように膨張する請求項1に記載のバルーンカテーテル。
  3. 前記外層は、前記スリット部の縁部に外周側に向かって突出する突部を有し、
    前記バルーンが収縮した状態で、前記ブレードは前記突部の先端より内周側に配置される請求項1または2に記載のバルーンカテーテル。
  4. 前記スリット部は、前記バルーンが拡張するのに伴い前記内層により開かれる請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
  5. 前記ブレードは、前記バルーンの軸方向に沿って配置されると共に、両端部が前記内層の外表面に固定される請求項1〜4のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
  6. 前記ブレードは、両端部がそれぞれ前記バルーンよりも基端側及び先端側に固定される請求項1〜4のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
  7. 前記内層は、前記ブレードが配置される領域に、他の領域より硬い硬質部または厚肉部を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
  8. 前記外層は、前記バルーンが羽根状に折り畳まれた状態で頂部となる位置に前記スリット部を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載のバルーンカテーテル。
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