JP2018024174A - 成形断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】ガスによる断熱性能の低下を抑制し得た長寿命な成形断熱材を低コストの提供。【解決手段】炭素繊維シートを複数積層してなる炭素繊維シート積層体3と、前記成形断熱材の最表層に配された、炭素繊維を交絡させた繊維フェルト2と繊維フェルト2の炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する炭素繊維シート保護層1と、を有し、炭素繊維シート保護層1のかさ密度が0.3〜1.5g/cm3であり、炭素繊維シート保護層1の炭素繊維の体積分率が、炭素繊維シート積層体1の炭素繊維の体積分率以上で且つ11〜88%であり、炭素繊維シート保護層1の厚みが1〜6mmであり、炭素繊維シート積層体3のかさ密度が0.05〜0.25g/cm3であり、炭素繊維シート積層体3の炭素繊維の体積分率が3.0〜15%である、成形断熱材。【選択図】図1

Description

本発明は炭素繊維を用いた成形断熱材に関し、詳しくは耐久性を高めるための表面層を有する成形断熱材に関する。
炭素繊維系の断熱材は、熱的安定性や断熱性能に優れ且つ軽量であることから、種々の用途で使用されている。このような断熱材には、炭素繊維を交絡してなる炭素繊維フェルトや、炭素繊維フェルトに樹脂材料を含浸させ炭素化させた炭素繊維成形断熱材がある。炭素繊維フェルトは可とう性に優れるという長所を有し、炭素繊維成形断熱材は、形状安定性に優れ、微細な加工が可能であるという長所を有する。
何れの断熱材を使用するかは、使用目的や用途に応じて適宜選択される。後者の炭素繊維成形断熱材は、熱的安定性、断熱性能に優れ且つ形状安定性に優れることから、単結晶シリコン引き上げ装置、多結晶シリコンキャスト炉、金属やセラミックスの焼結炉、真空蒸着炉等の高温炉の断熱材として使用されている。
ところが、単結晶や多結晶シリコンなどの製造装置においては、高温炉内でSiOガスが発生したり、酸素ガスが不純物ガスとして製造雰囲気に混入したりする。SiOガスや酸素ガスは活性(反応性)が高く、炭素繊維成形断熱材とSiOガスとが反応するとSiCが生じ、炭素繊維成形断熱材と酸素ガスとが反応すると炭素酸化物(一酸化炭素、二酸化炭素等)が生じる。これにより特に炭素繊維が劣化し、炭素繊維により構成される骨格構造が崩れ、当該骨格構造が多数の空間を形成することにより得られる断熱作用が低下する。また、この劣化により特に炭素繊維が粉化して炉内雰囲気中に放出されて、製品品質を低下させるというおそれもある。
この問題に対して、特許文献1は、炭素繊維の粉化や劣化を防止する技術を提案している。
特許第4361636号
特許文献1の技術は、嵩密度0.1〜0.4g/cm3の炭素質断熱部材と、炭素繊維構造体に熱分解炭素を浸透せしめた嵩密度0.3〜2.0g/cm3の炭素質保護層と、該炭素質保護層よりも嵩密度の大きい熱分解炭素被膜層とを有し、上記炭素質断熱部材の表面の一部に上記炭素質保護層を接合して接合体が形成され、該接合体の表面のうち少なくとも上記炭素質断熱部材の面に熱分解炭素被膜層が形成されている複合炭素質断熱材に関する。
この技術によると、使用時の消耗、劣化、粉化が小さく、断熱特性に優れた炭素質断熱材が得られるとされる。
しかしながら、特許文献1の技術は、炭素繊維の劣化及び粉化の抑制が十分ではない。また、この技術によると、製造工程が複雑となり、製造コストが増大するという問題がある。
ところで、工業炉においては、炉内の気圧が大気圧よりも大きくなることがある。このような場合、圧力差によって炉内雰囲気ガス(窒素ガスやアルゴンガス)の気流が生じるが、成形断熱材の強度が不十分であると気流により成形断熱材の内部組織が変形してしまい、所望の断熱作用が失われてしまう。また、気流や熱対流によって高温となった雰囲気ガスが成形断熱材の内部空間に浸透すると、断熱作用が低下してしまう。上記特許文献1では、このような点について何ら考慮されていない。
この問題を解決するため、炭素繊維強化炭素複合材料あるいはC/Cコンポジット等と呼ばれる、炭素繊維のファブリック(布地)に炭素マトリックスを含浸させた材料を、成形断熱材表面に接合することが行われている。炭素繊維強化炭素複合材料は強度や気密性に優れるので、成形断熱材の内部の変形や雰囲気ガスの浸透を低減・抑制することができる。
ところが、炭素繊維強化炭素複合材料及び炭素繊維系の成形断熱材は、ともに炭素繊維を用いた材料であるものの、良好な接合が困難であるという問題がある。このため、両者の接合には、人造黒鉛や炭素繊維強化炭素複合材料を素材に用いたボルトやナットが使用されている。しかし、この方法では、ボルトやナットを用いた作業に手間がかかるとともに、これらの部材の分だけコスト高になる。また、これらの素材は成形断熱材よりも熱伝導性が高く、ボルトやナットを通じた熱移動により断熱作用が低減してしまうという問題がある。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、断熱作用の低下や無用なコスト高を招くことなく、成形断熱材の変形やガスの浸透を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するための成形断熱材に係る本発明は、次のように構成されている。
炭素繊維と、炭素繊維の表面を保護する炭素層と、を有し、炭素質のみからなる繊維シートが積層されてなる成形断熱材において、前記繊維シートは、炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する炭素繊維シートのみからなり、前記炭素繊維シートを複数積層してなる炭素繊維シート積層体と、前記成形断熱材の最表層に配された、炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する炭素繊維シート保護層と、を有し、前記炭素繊維シート保護層のかさ密度が0.3〜1.5g/cm3であり、前記炭素繊維シート保護層の炭素繊維の体積分率が、前記炭素繊維シート積層体の炭素繊維の体積分率以上で且つ11〜88%であり、前記炭素繊維シート保護層の厚みが1〜6mmであり、前記炭素繊維シート積層体のかさ密度が0.05〜0.25g/cm3であり、前記炭素繊維シート積層体の炭素繊維の体積分率が3.0〜15%であることを特徴とする成形断熱材。
繊維フェルトと、繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層と、を有する炭素繊維シートが積層されてなる炭素繊維シート積層体を含んでなる成形断熱材は、その周囲に不純物として混入或いは炉内で発生した活性ガス(酸素ガス、SiOガス等)が存在する場合、炭素繊維表面を被覆する保護炭素層が炭素繊維に先んじて活性ガスと反応する。これにより炭素繊維と活性ガスとが反応して劣化することが抑制される。
ここで、保護炭素層が酸素ガスと反応する場合、保護炭素層を構成する炭素が炭酸ガスとなって除去され、また、SiOガスと反応する場合にはSiCとなって除去されることなく残存するが、いずれの場合も炭素繊維により構成される骨格構造が維持されるので、当該骨格構造が多数の空間を形成することにより得られる断熱作用が維持される。
そして、上記本発明では、成形断熱材の最表層(表面層)として、炭素繊維シート保護層が積層配置されている。この炭素繊維シート保護層は、かさ密度が0.3〜1.5g/cm3、炭素繊維の体積分率が11〜88%と、炭素繊維シート積層体よりも高く設定され、最表層の気密性や強度は、炭素繊維シート積層体よりも高くなっている。このため、最表層である炭素繊維シート保護層が、気流や対流による雰囲気ガスの成形断熱材内部への浸透や、圧力による成形断熱材の変形を抑制するように作用する。さらに、この炭素繊維シート保護層は、活性ガスによる炭素繊維シート積層体の劣化や摩擦による粉化(発塵)を抑制するようにも作用する。
また、上記本発明の構成では、炭素繊維シート積層体及び炭素繊維シート保護層が、いずれも炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する繊維シートからなり、両者の親和性が高く接合が容易である。このため、ボルトやナット等のその他の要素を含ませることなく、炭素質以外の成分を含まない(炭素質のみで構成された)繊維シートのみにより構成することができる。このため、その他の要素による不具合が生じることがない。
また、薄い繊維シートの保護炭素層の質量含有比率や、炭素繊維シート積層体における炭素繊維シートの積層枚数を制御することにより、所望の質量含有比率を持った成形断熱材とすることができる。よって、低コストで長寿命な成形断熱材を実現することができる。
ここで、炭素繊維シート保護層のかさ密度や炭素繊維・保護炭素層の体積分率を大きくしすぎるとコスト高につながるため、炭素繊維シート保護層のかさ密度、保護炭素層の体積分率の上限は、上記のように規制することが好ましい。
また、炭素繊維シート保護層のかさ密度は、0.3〜1.5g/cm3であることがより好ましく、0.4〜1.2g/cm3であることがさらに好ましい。また、炭素繊維シート保護層の炭素繊維の体積分率は、11〜88%であることがより好ましく、14〜72%であることがさらに好ましい。また、炭素繊維シート積層体のかさ密度は、0.05〜0.25g/cm3であることがより好ましく、0.07〜0.23g/cm3であることがさらに好ましい。また、炭素繊維シート積層体の炭素繊維の体積分率は、3.0〜15%であることがより好ましく、4.0〜13%であることがさらに好ましい。また、炭素繊維シート保護層の厚みは、1〜6mmであることがより好ましく、1〜5mmであることがさらに好ましい。
また、炭素繊維シート積層体は、かさ密度や体積分率が同じである炭素繊維シートが積層されたものであってもよく、これらが異なる炭素繊維シートが積層されたものであってもよい。
なお、本発明でいう炭素質とは広義のものを意味し、非晶質炭素のみの構造、黒鉛質炭素のみの構造、両者が混在した構造全てを含むものを意味する。
上記構成において、前記繊維シートは、前記炭素繊維シート保護層と、前記炭素繊維シート積層体との間に配置された、炭素繊維不織布に炭素マトリックスが形成されてなる炭素複合不織布層をさらに有し、前記炭素複合不織布層のかさ密度が0.03〜0.4g/cm3であり、前記炭素複合不織布層の炭素繊維の体積分率が1.1〜9.0%である構成とすることができる。
炭素繊維シート保護層は、炭素繊維の体積分率やかさ密度が大きく、これにより剛性が高くなっている。このため、炭素繊維シート保護層と炭素繊維シート積層体とを直接貼り合わせようとすると、多量の接着成分(例えば、熱硬化性樹脂)が必要となる場合がある。上記構成では、炭素繊維シート保護層と炭素繊維シート積層体との間に、炭素繊維不織布と炭素マトリックスとからなる炭素複合不織布層が配置されている。この層は、かさ密度が低く炭素繊維の体積分率が低いため、剛性の高さによる接着時の応力を緩和するように作用し、多量の接着成分を用いなくとも両者の接着性を高めることができる。
また、炭素複合不織布層のかさ密度は、0.03〜0.4g/cm3であることがより好ましく、0.05〜0.3g/cm3であることがさらに好ましい。また、炭素複合不織布層の炭素繊維の体積分率は、1.1〜9.0%であることがより好ましく、1.2〜6.6%であることがさらに好ましい。また、炭素複合不織布層の厚みは、0.1〜5.0mmであることが好ましく、0.5〜4.5mmであることがより好ましく、1.0〜4.0mmであることがさらに好ましい。
また、成形断熱材を構成する炭素繊維は、特に限定されることはなく、例えば石炭又は石油由来の異方性又は等方性ピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系、フェノール系、セルロース系等の炭素繊維を、単一種又は複数種混合して用いることができる。また、炭素繊維の微視的な構造としては特に限定されず、形状(巻縮型、直線型、直径、長さ等)が同一のもののみを用いてもよく、また異なる構造のものが混合されていてもよい。ただし、炭素繊維の種類やその微視的構造は、製造される成形断熱材の物性に影響を与えるので、用途に応じて適宜選択するのがよい。
中でも、炭素繊維シート保護層を構成する炭素繊維及び炭素繊維シート積層体を構成する炭素繊維が、いずれも等方性ピッチ系炭素繊維である構成とすることが好ましい。また、成形断熱材を構成するすべての炭素繊維が、等方性ピッチ系炭素繊維である構成とすることがより好ましい。成形断熱材を構成する炭素繊維を同質の炭素繊維とすることにより、各層の親和性が高まって接着性を高めることができる。また、コスト面や断熱性能の観点から、成形断熱材を構成する炭素繊維が、等方性ピッチ系炭素繊維であることが好ましい。
また、成形断熱材を構成する保護炭素層は、熱硬化性樹脂の炭素化物であることが好ましい。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。また、1種の熱硬化性樹脂の炭素化物でもよく、2種以上の熱硬化性樹脂の炭素化物であってもよい。
なお、炭素繊維シート保護層に、熱分解炭素が浸透されていてもよい。このような構成とすることにより、成形断熱材の損耗やガスの浸透の抑制効果を更に高めることができる。
上記の成形断熱材は、次に示すような3つの製造方法のいずれかにより製造することができる。
(第1の製造方法)
炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する炭素繊維シートのみからなり、前記炭素繊維シートを複数積層してなる炭素繊維シート積層体を準備する準備ステップと、炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させ、その後厚みが1〜6mmとなるように加圧しつつ加熱して前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、樹脂成形体シートを作製する樹脂成形体シート作製ステップと、前記炭素繊維シート積層体の表面に、その界面には熱硬化性樹脂を含む接着樹脂溶液を含浸させた状態で前記樹脂成形体シートを積層して、複合シート積層体となす積層ステップと、前記複合シート積層体を加圧しつつ加熱して、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、前記樹脂成形体シートと前記成形断熱材とを結着させる結着ステップと、前記結着ステップの後、前記積層体を不活性ガス雰囲気で熱処理して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、を有する成形断熱材の製造方法。
(第2の製造方法)
炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させ、その後厚みが1〜6mmとなるように加圧しつつ加熱して前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、樹脂成形体シートを作製する樹脂成形体シート作製ステップと、炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製するプリプレグ作製ステップと、前記プリプレグを複数積層し、かつこの積層物の表面に、その界面には熱硬化性樹脂を含む接着樹脂溶液を含浸させた状態で前記樹脂成形体シートを積層して、複合シート積層体となす積層ステップと、前記複合シート積層体を加圧しつつ加熱して、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、前記樹脂成形体シートと前記成形断熱材とを結着させる結着ステップと、前記結着ステップの後、前記積層体を不活性ガス雰囲気で熱処理して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、を有する成形断熱材の製造方法。
(第3の製造方法)
炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させ、その後厚みが1〜6mmとなるように加圧しつつ加熱して前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、樹脂成形体シートを作製する樹脂成形体シート作製ステップと、炭素繊維不織布と、熱硬化前の熱硬化性樹脂と、を含み、その後の熱処理により炭素化する、あるいは分解除去される材料以外の材料を含まない炭素複合不織布層前駆体を作製する炭素複合不織布層前駆体作製ステップと、炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製するプリプレグ作製ステップと、前記プリプレグを複数積層し、その最表面に前記炭素複合不織布層前駆体を積層し、さらにその上に前記樹脂成形体シートを積層してプリプレグ積層体となす積層ステップと、前記プリプレグ積層体を加圧しつつ加熱して、熱硬化前の前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、前記プリプレグ、前記炭素複合不織布層前駆体及び前記樹脂成形体シートを結着させる結着ステップと、前記結着ステップの後、前記プリプレグ積層体を不活性ガス雰囲気で熱処理して前記熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、を有する成形断熱材の製造方法。
上記3つの製造方法のいずれかを採用することにより、ボルトやナットを用いることなく、炭素繊維シート積層体又はプリプレグと、樹脂成形体シートと、必要に応じて炭素複合不織布層前駆体と、を積層し、加熱・加圧・炭素化するという簡便で手法で、炭素質のみからなる繊維シートが積層されてなる本発明に係る成形断熱材を製造することができる。
ここで、炭素繊維シート保護層と炭素繊維シート積層体とを直接貼り合わせる場合、炭素繊維シート保護層の材料には炭素化前である樹脂成形体シートを用いるが、炭素繊維シート積層体の材料は、炭素化前(第2の製造方法)でも炭素化後(第1の製造方法)でもよい。また、炭素複合不織布層を含む成形断熱材を作製する場合には、応力緩和の観点から、炭素複合不織布層、炭素繊維シート保護層、炭素繊維シート積層体の材料として、いずれも炭素化前のものを用い、この後炭素化する(第3の製造方法)。
また、第1又は第2の製造方法で用いる接着樹脂溶液は、熱硬化性樹脂を必須成分として含むが、その他に熱硬化性樹脂を溶解する溶媒や炭素質(非晶質又は黒鉛質)の粒子が含まれていてもよい。なお、接着樹脂溶液には、炭素化工程後において、炭素質として残存する成分や、分解や揮発により除去される成分は含まれていてもよいが、炭素質以外の状態で残存する成分は一切含まれないものとする。
ここで、接着樹脂溶液や炭素複合不織布層前駆体に含まれる熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。
また、炭素複合不織布層前駆体には、その後の熱処理によって炭素繊維となる熱硬化性樹脂繊維や、熱処理によって分解される熱融着繊維が含まれていてもよい。このような繊維は、炭素複合不織布層前駆体の骨格を維持しつつ、炭素化工程では体積減少する。これにより、剛性の高い樹脂成形体シートの炭素化時の応力を大きく緩和し、炭素繊維シート保護層と炭素繊維シート積層体とがはがれることを防止できる。なお、これらの繊維を含ませる場合、炭素繊維不織布に占める熱硬化性樹脂繊維及び熱融着繊維の合計質量の割合は、5〜95%であることが好ましく、10〜90%であることがより好ましく、15〜85%であることがさらに好ましい。
熱融着繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ウレタン繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。これらの繊維を単一種又は複数種混合して用いても良い。また、不織布の目付は、20〜150g/m2程度であることが好ましい。
また、熱硬化性樹脂繊維としては、フェノール樹脂繊維、フラン樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、エポキシ樹脂繊維等が好ましい。
以上に説明したように、本発明によると、低コストでもってガスの浸透やガスによる変形を抑制し得た表面層を有する炭素繊維成形断熱材を実現することができる。
図1は、本発明に係る成形断熱材の炭素繊維強化炭素複合材料シート近傍の断面顕微鏡写真である。 図2は、ガス透過試験装置を模式的に示す図である。
(実施の形態)
本発明に係る成形断熱材は、炭素繊維と、炭素繊維の表面を保護する炭素質と、のみからなる繊維シートが積層されてなる成形断熱材である。そして、繊維シートは、炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する炭素繊維シートのみからなり、炭素繊維シートを複数積層してなる炭素繊維シート積層体と、成形断熱材の最表層に配された、炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する炭素繊維シート保護層と、を有している。さらに、炭素繊維シート保護層のかさ密度が0.3〜1.5g/cm3であり、炭素繊維シート保護層の炭素繊維の体積分率が11〜88%であり、炭素繊維シート保護層の厚みが1〜6mmであり、炭素繊維シート積層体のかさ密度が0.05〜0.25g/cm3であり、炭素繊維シート積層体の炭素繊維の体積分率が3〜15%に規制されている。
ここで、炭素繊維シート保護層と、炭素繊維シート積層体との間に、炭素繊維不織布に炭素マトリックスが形成されてなる炭素複合不織布層が配置されている構成とすることができる。このとき、炭素複合不織布層のかさ密度が0.03〜0.4g/cm3であり、炭素繊維シート積層体の炭素繊維の体積分率が1.1〜9.0%であることが好ましい。
この炭素複合不織布層は、炭素繊維シート保護層と、炭素繊維シート積層体との接着性を高めるための層であるが、この層を設けなくとも良好に接着可能な場合は、この層を省略してもよい。
また、炭素複合不織布層を設けない場合、炭素繊維シート保護層と、炭素繊維シート積層体との境界面近傍に、接着性向上のための炭素質粒子(炭素粒子又は黒鉛粒子)が含まれていてもよい。
ここで、保護炭素層及び炭素マトリックスは、炭素繊維に先んじて活性ガス(酸素ガス、SiOガス等)と反応し、当該シート内、あるいはより内側に配置されたシート内の炭素繊維の劣化を抑制するように作用する。
成形断熱材を構成する炭素繊維としては、特に限定されることはなく、例えば石炭又は石油由来の異方性又は等方性ピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系、フェノール系、セルロース系等の炭素繊維を、単一種又は複数種混合して用いることができる。
中でも、炭素繊維シート保護層を構成する炭素繊維及び炭素繊維シート積層体を構成する炭素繊維が、等方性ピッチ系炭素繊維からなるである構成とすることが好ましく、炭素繊維シート保護層を構成する炭素繊維、炭素繊維シート積層体を構成する炭素繊維及び炭素複合不織布層を構成する炭素繊維が、いずれも等方性ピッチ系炭素繊維からなるである構成とすることがより好ましい。成形断熱材を構成する炭素繊維を同じ炭素繊維とすることにより、各層の親和性が高まって接着性を高めることができる。また、コスト面や断熱性能の観点から、等方性ピッチ系炭素繊維を用いることが好ましい。
いずれの炭素繊維も、その微視的な構造としては特に限定されず、形状(巻縮型、直線型、直径、長さ等)が同一のもののみを用いてもよく、また異なる構造のものが混合されていてもよい。ただし、炭素繊維の種類やその微視的構造は、製造される成形断熱材の物性に影響を与えるので、用途に応じて適宜選択するのがよい。
また、炭素繊維シートや炭素繊維シート保護層を構成する炭素繊維フェルトの形状としては、特に限定されることはない。炭素繊維シートを構成する炭素繊維フェルトとしては、例えば厚みが3〜15mm程度のものを用いることができ、炭素繊維シート保護層を構成する炭素繊維フェルトとしては、例えば厚みが1〜6mm程度のものを用いることができる。また、長さや幅は特に限定されることはない。また、炭素繊維フェルトの微視的構造としては、ランダムな方向に配向した炭素繊維が複雑に交わっているものを用いることが好ましい。
また、保護炭素層及び炭素マトリックスは、炭素繊維の表面全部、あるいは、炭素繊維の表面の一部を被覆し、あるいは炭素繊維相互間を埋めるように存在しているものである。また、保護炭素層や炭素マトリックスは炭素質であればよく、その由来となる化合物は特に限定されることはない。なかでも、炭素繊維フェルトや炭素繊維系不織布に含浸可能な樹脂材料の炭素化物を用いることが好ましく、両者が同一の樹脂材料の炭素化物であることがより好ましい。このような樹脂材料としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂を用いると、積層した炭素繊維シート、炭素繊維シート保護層、炭素複合不織布層を熱硬化及び炭素化により簡便かつ強固に結着させることができる。
ここで、熱硬化性樹脂は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、熱硬化性樹脂は、そのまま繊維フェルトや炭素繊維系不織布に含ませてもよく、溶剤で希釈して繊維フェルトに含ませてもよい。溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコールを用いることができる。
また、繊維フェルトや炭素繊維不織布は、長尺や長幅なものを用いて成形断熱材を作製後に切断等してもよく、成形断熱材のサイズにあらかじめ切断してもよい。
本実施の形態の構成では、成形断熱材の少なくとも1つの最表面には、炭素繊維の体積分率及びかさ密度が高い炭素繊維シート保護層が表面層として設けられており、活性ガス源(熱源)側の表面に炭素繊維シート保護層を配置することにより、気流による変形や断熱性能の低下が抑制される。さらにこの層は炭素繊維の劣化や粉化をも抑制する。したがって、断熱作用が長期間にわたって得られ、成形断熱材の長寿命化が図られる。
また、炭素繊維シート、炭素繊維シート保護層、炭素複合不織布層を積層させる方法では、シートごとの保護炭素層の質量含有比率や炭素繊維の体積分率を制御し易いとともに、工程増を招くことなく成形断熱材を作製することができるので、製造コストを低減することができる。
次に、成形断熱材の製造方法について説明する。
(第1の製造方法)
第1の製造方法は、炭素繊維シートが積層された炭素繊維シート積層体に直接炭素繊維シート保護層を貼り付ける方法に関する。
(繊維フェルトの準備)
繊維フェルトは、公知の方法で作製したものを用いることができ、好ましくは炭素繊維が三次元的に配向しやすい方法を採用する。繊維フェルトの形成方法としては、例えば開繊機により開繊、空気圧で上昇させ降り積もらせた後、ニードルパンチを用いる方法、溶液中で撹拌・混合し、抄紙網上に堆積させる方法、カード機などのカーディング手段により繊維フェルトを紡出した後、ニードルパンチを用いる方法等が例示できる。この繊維フェルトは、厚みが3〜25mmであることが好ましく、5〜20mmであることがより好ましい。
(樹脂成形体シートの作製)
こののち、繊維フェルトに熱硬化性樹脂溶液を噴霧し、熱硬化性樹脂溶液に浸漬し、あるいは熱硬化性樹脂溶液を塗布する。その後、厚みが1〜6mmとなるように加圧しつつ加熱して熱硬化性樹脂を熱硬化させて、樹脂成形体シートを作製する。このとき、樹脂含浸された繊維フェルトを積層した後に、加圧、加熱して樹脂成形体シートを作製してもよい。
(炭素繊維シート積層体の準備)
炭素繊維シート積層体は、公知の方法で作製したものを用いることができ、例えば市販の成形断熱材(表面層が形成されていないもの)を用いることもできる。また、次のような方法により作成することもできる。
(炭素繊維シート積層体の作製法)
上記と同様にして得た繊維フェルトに熱硬化性樹脂溶液を噴霧し、熱硬化性樹脂溶液に浸漬し、あるいは熱硬化性樹脂溶液を塗布してプリプレグとなす。このプリプレグを複数積層し、加圧しつつ加熱して熱硬化性樹脂を熱硬化させる。この後、不活性ガス雰囲気で1500〜2500℃で所定の時間(例えば、1〜20時間)加熱し、熱硬化性樹脂を炭素化させて、炭素繊維シート積層体を得る。
また、炭素繊維の集合体を開繊、堆積しつつ熱硬化性樹脂溶液をスプレーして、繊維フェルトの作製と同時に熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製してもよい。熱硬化性樹脂は、溶媒に溶解した状態で繊維フェルトに含浸させることが好ましい。
(積層ステップ)
炭素繊維シート積層体の表面に、界面には熱硬化性樹脂を含浸させた状態で樹脂成形体シートを積層して、複合シート積層体となす。
また、円柱ないし円筒状のマンドレルにらせん状に巻いて積層させる構成としてもよい。
(結着ステップ)
複合シート積層体を目的の厚みとなるようにプレス機を用いて加圧しつつ、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に加熱し、所定の時間(例えば、1〜10時間)保持して、複合シート積層体を結着する。
(炭素化ステップ)
結着された複合シート積層体を、不活性ガス雰囲気で1500〜2500℃で所定の時間(例えば、1〜20時間)加熱し、熱硬化性樹脂を炭素化させて、成形断熱材を得る。
ここで、特に2000℃以上の温度で熱処理する場合、保護炭素層や炭素マトリックスの黒鉛構造が発展する場合もあるが、本発明の保護炭素層や炭素マトリックスは、非晶質炭素からなる構造、黒鉛質炭素からなる構造、両者が混在した構造全てを含むものを意味する。
(第2の製造方法)
第1の製造方法は、すでに炭素化された炭素繊維シート積層体ではなく、炭素繊維シート積層体の炭素化前のものに直接炭素繊維シート保護層を直接貼り付ける方法に関する。ここで、繊維フェルトの準備、樹脂成形体シートの作製、炭素化ステップは、上記第1の製造方法と同様であるので、その説明を省略する。
(積層ステップ、結着ステップ)
上記と同様にして得た繊維フェルトに熱硬化性樹脂溶液を噴霧し、熱硬化性樹脂溶液に浸漬し、あるいは熱硬化性樹脂溶液を塗布してプリプレグとなす。このプリプレグを複数積層し、この上に樹脂成形体シートをさらに積層し、目的の厚みとなるようにプレス機を用いて加圧しつつ、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に加熱し、所定の時間(例えば、1〜10時間)保持して、複合シート積層体を結着する。
(第3の製造方法)
第3の製造方法は、炭素繊維シート積層体と炭素繊維シート保護層との間に、炭素複合不織布層が介在している構成に関するものである。ここで、繊維フェルトの準備、樹脂成形体シートの作製、炭素化ステップは、上記第1の製造方法と同様であるので、その説明を省略する。
(プリプレグの作製)
上記第1の製造方法と同様にして得た繊維フェルトに熱硬化性樹脂溶液を噴霧し、熱硬化性樹脂溶液に浸漬し、あるいは熱硬化性樹脂溶液を塗布してプリプレグとなす。また、炭素繊維の集合体を開繊、堆積しつつ熱硬化性樹脂溶液をスプレーして、繊維フェルトの作製と同時に熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製してもよい。熱硬化性樹脂は、溶媒に溶解した状態で繊維フェルトに含浸させることが好ましい。
(炭素複合不織布層前駆体の作製)
湿式または乾式で作製された炭素繊維系の不織布に、熱硬化性樹脂溶液を噴霧し、熱硬化性樹脂溶液に浸漬し、あるいは熱硬化性樹脂溶液を塗布して炭素複合不織布層前駆体となす。
この不織布は、例えば、炭素繊維チョップと熱硬化性樹脂繊維とを湿式混合して得られる、0.5〜5mmのペーパー或いはシート形状の不織布や、炭素繊維チョップと熱融着繊維を乾式混合して得られる、0.5〜5mmのペーパー或いはシート形状の不織布を用いることができる。熱融着繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ウレタン繊維、ポリエステル繊維などが挙げられるが、この熱融着繊維は必須の要素ではない。これらの繊維を単一種又は複数種混合して用いても良い。これら不織布の目付は、20〜150g/m2程度であることが好ましい。なお、熱融着繊維は、その後の炭素化ステップにおいて分解されて焼失する。
炭素繊維チョップの長さは、例えば、3〜30mmである。炭素繊維としては、石炭又は石油由来の異方性又は等方性ピッチ系の炭素繊維が好ましいが、ポリアクリロニトリル(PAN)系、レーヨン系、フェノール系、セルロース系等の炭素繊維を、単一種又は複数種混合して用いても良い。
(積層ステップ)
プリプレグを複数積層し、この上に炭素複合不織布層前駆体を積層し、さらにこの上に樹脂成形体シートを積層して、プリプレグ積層体となす。また、円柱ないし円筒状のマンドレルにらせん状に巻いて積層させる構成としてもよい。
(結着ステップ)
プリプレグ積層体を目的の厚みとなるようにプレス機を用いて加圧しつつ、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度に加熱し、所定の時間(例えば、1〜10時間)保持して、複合シート積層体を結着する。
実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
(樹脂成形体シートの作製)
厚み10mm、大きさ150×150(mm)、目付500g/m2のニードルパンチ法で作製したピッチ系炭素繊維フェルトに、液状レゾール型フェノール樹脂を含浸させた。これを2枚重ねた後(厚み20mm)、厚みが2mm程度になるように圧縮して200℃で30分成形し、樹脂成形体シートを得た。
(炭素複合不織布層前駆体の作製)
厚み約3mm、大きさ150×150(mm)、であり目付75g/m2の等方性ピッチ系炭素繊維と、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)を主成分とする湿式成形された不織布に、液状レゾール型フェノール樹脂を浸漬させて、炭素複合不織布層前駆体を作製した。
(プリプレグの作製)
厚み10mm、大きさ150×150(mm)、目付500g/m2のニードルパンチ法で作製したピッチ系炭素繊維フェルトに、液状レゾール型フェノール樹脂を含浸させて、プリプレグを得た。
(積層と結着)
樹脂成形体シート、炭素複合不織布層前駆体、プリプレグ8枚をこの順番に重ね、厚みが40mm程度になるようにスペーサーを置いて圧縮して200℃で90分加圧した。
(炭素化)
得られた積層体を不活性ガス雰囲気下2000℃で焼成して、表面に炭素繊維シート保護層を有する成形断熱材を得た。この成形断熱材について、全体および各層のかさ密度及び熱硬化性樹脂由来の炭素質の体積分率を調べた。
なお、炭素繊維及び熱硬化性樹脂由来の炭素質の体積分率は、以下のように求めた。まず、炭素繊維および炭素質の見掛け密度をn−ブタノール浸漬法で求めた。ここでいう見掛け密度とは、n−ブタノールが炭素繊維又は炭素質に浸透する開気孔を除いた密度をいう。炭素質の質量は、熱硬化性樹脂の質量に熱処理温度における炭素化収率を掛けて求めた。また、炭素質の質量に見掛け密度を掛けて当該炭素質の体積を求めた。同様に、炭素繊維の質量に見掛け密度を掛けて炭素繊維の体積を求めた。各々の体積分率は、それぞれの値をそれらが存在する部分の体積で除して求めた。
この実施例1に係る成形断熱材は、全体として、そのかさ密度が0.17g/cm3、炭素繊維の体積分率が7.0%、熱硬化性樹脂由来の炭素化物の体積分率が3.7%であった。また、炭素繊維シート保護層部分は、そのかさ密度が0.7g/cm3、炭素繊維の体積分率が27.5%、保護炭素層(熱硬化性樹脂由来の炭素質)の体積分率が14.0%であった。また、炭素繊維シート積層体部分は、そのかさ密度が0.13g/cm3、炭素繊維の体積分率が5.5%、保護炭素層(熱硬化性樹脂由来の炭素質)の体積分率が2.8%であった。また、炭素複合不織布層部分は、そのかさ密度が0.07g/cm3、炭素繊維の体積分率が1.7%、炭素マトリックス(熱硬化性樹脂由来の炭素質)の体積分率が3.3%であった。なお、本実施例は、第3の製造方法にかかわるものである。
(比較例1)
プリプレグを8層積層したものを結着、炭素化したこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る成形断熱材を作製した。なお、比較例1に係る成形断熱材は、かさ密度が0.13g/cm3、炭素繊維の体積分率が5.5%、保護炭素層(熱硬化性樹脂由来の炭素質)の体積分率が3.7%であった。
上記実施例1に係る成形断熱材及び比較例1に係る成形断熱材について、以下の条件でガス透過率及び空気酸化試験を測定した。
(ガス透過試験)
ガス透過試験装置100は、図2に示すように、平板状の台42上にキャップ状の容器41が載置されており、これにより一次側空間20が形成されている。一次側空間20には透過セル21が備えられている。また、台42の中央部には貫通孔が設けられ、ここに配管35が接続されている。この台42よりも下方の空間が、二次側空間30である。また、ガス透過試験装置100は、一次側空間20及び二次側空間30の圧力を測定する圧力計31を備えている。
また、一次側空間20内部にガスを供給する吸気管23が設けられるとともに、ロータリー式真空ポンプ34にそれぞれ接続され、一次側空間20又は二次側空間内部のガスを排気する排気管25,33が設けられている。これらの管にはそれぞれバルブ22,24,32が設けられている。
上記の成形断熱材を長さ6cm、幅6cm、厚さ約2cmの大きさに切断して試験片10とし、ガス透過試験装置100の透過セル21内に設置した。この試験片10は、ガス漏れが発生しないよう周囲がシリコーンゴム11で目止めされており、且つ上下面にはシリコーンゴム製のOリング12が設置されている。これにより、一次側空間20内部のガスは、透過セル21内部の試験片10を経由しない限り、二次側空間30に移動することはできないようになっている。
測定は次のようにして行った。まず、バルブ24,32を開け、真空ポンプ34により、一次側空間20及び二次側空間30が一定の真空値になるまで減圧する。次いで、バルブ24,32を閉じ、真空ポンプ34の作動を停止する。そして、バルブ22を開けて一次側空間20に窒素ガスを一定のガス圧で供給する。窒素ガスは、一次側空間20から試験片10を透過して二次側空間30へと移動し、これにより、二次側空間30の圧力が上昇し始める。その圧力上昇率を圧力計31を用いて測定した。この圧力上昇率から次の式(3)、(4)を用いてガス透過率(K)を算出した。
K=(Qh)/(ΔPA)・・・(3)
Q={(p2-p1)V0}/t・・・(4)
ここで、Kは窒素ガス透過率、Qは通気量、ΔPは一次側と二次側の圧力差、Aは透過面積、hは試験片の厚さ、p1は二次側の初期圧力、p2は二次側の最終圧力、V0は二次側の容積、tは測定時間である。
このとき、次の式(5)式が成り立つような平均圧力Pm(一次側空間と二次側空間の圧力の平均値)の範囲で測定するため、平均圧力Pmが約50〜110kPaとなる範囲で測定を行った。下記のガス透過率は平均圧力Pmに対してガス透過率Kを3点以上プロットした際の最小二乗法による近似直線において、Pm=100kPaのときの値を示している。
K=aPm+b ・・・(5)
ここで、a、bは定数である。
ガス透過試験結果は、実施例1では1.1×103cm2/s、比較例1では1.6×104cm2/sであった。
(空気酸化試験)
実施例1、比較例1に係る成形断熱材をそれぞれ切断して試験片とし、電気炉に入れ、空気雰囲気中、50℃で8時間、700℃で2時間保持した。その結果、炭素繊維シート保護層に剥がれなど外観上の損傷は認められなかった。
この結果から、実施例1、比較例1を比較すると、本発明の炭素繊維シート保護層を設けることにより、ガス透過率を約7倍透過し難くできることが分かる。
以上のことから、本発明の製造方法によると、ガス透過率を低め、酸化消耗に強い成形断熱材を実現できることが分かる。
図1に、実施例1に係る成形断熱材の表面層近傍の断面顕微鏡写真を示す。この写真からわかるように、繊維間の空隙が最も少ないシート1と、繊維間の空隙が相対的に多いシート2と、繊維間の空隙が中間程度なシート3と、が剥離することなく接合されていることが分かる。この繊維間の空隙が少ないシート1が炭素繊維シート保護層であり、繊維間の空隙が相対的に多いシート2が炭素複合不織布層を構成する炭素繊維シートであり、繊維間の空隙が中間程度なシート3が炭素繊維シート積層体である。
(実施例2)
(接着樹脂溶液の作製)
液状レゾール型フェノール樹脂と、黒鉛粒子(平均粒径30μm)と、質量比70:30で配合して、接着樹脂溶液を作製した。
(積層と結着)
実施例1と同様に作製した樹脂成形体シートの表面に、接着樹脂溶液を塗布したのち、これを実施例1と同様に作製したプリプレグの8枚の積層物の上にさらに積層し、厚みが40mm程度になるようにスペーサーを置いて圧縮し、200℃で90分加圧した。
(炭素化)
得られた積層体を不活性ガス雰囲気下2000℃で焼成して、表面に炭素繊維シート保護層を有する成形断熱材を得た。この成形断熱材は、炭素繊維シート積層体と炭素繊維シート保護層との接着性が実施例1と同様であり、実際の使用に問題が生じるものではなかった。なお、本実施例は、第2の製造方法にかかわるものである。
この成形断熱材は、全体としてのかさ密度が0.17g/cm3、炭素繊維の体積分率が7.5%、熱硬化性樹脂の炭素化物の体積分率は3.8%であった。また、炭素繊維シート保護層部分は、そのかさ密度が0.5g/cm3、炭素繊維の体積分率が28.9%、熱硬化性樹脂の炭素化物の体積分率は14.7%であった。また、炭素繊維シート積層体部分は、そのかさ密度が0.13g/cm3、炭素繊維の体積分率が6.0%、熱硬化性樹脂の炭素化物の体積分率は3.0%であった。
(実施例3)
(積層と結着)
実施例1と同様に作製した樹脂成形体シートと、比較例1と同様に作製したプリプレグ8枚を積層して炭素化した炭素繊維シート積層体と、を、実施例2と同様に作製した接着樹脂溶液とを用いて張り合わせた。
(炭素化)
得られた積層体を不活性ガス雰囲気下2000℃で焼成して、表面に炭素繊維シート保護層を有する成形断熱材を得た。この成形断熱材は、炭素繊維シート積層体と炭素繊維シート保護層との接着性が実施例1と同様であり、実際の使用に問題が生じるものではなかった。なお、本実施例は、第1の製造方法にかかわるものである。
この成形断熱材は、全体としてのかさ密度が0.17g/cm3、炭素繊維の体積分率が7.1%、熱硬化性樹脂の炭素化物の体積分率は3.6%であった。また、炭素繊維シート保護層部分は、そのかさ密度が0.4g/cm3、炭素繊維の体積分率が28.0%、熱硬化性樹脂の炭素化物の体積分率は14.3%であった。また、炭素繊維シート積層体部分は、そのかさ密度が0.13g/cm3、炭素繊維の体積分率が5.6%、熱硬化性樹脂の炭素化物の体積分率は2.9%であった。
これらの結果から、炭素複合不織布層を形成しなくとも、接着樹脂溶液を用いて炭素繊維シート積層体に炭素繊維シート保護層を良好に貼り付けることができることが分かる。したがって、いずれの製造方法を用いるかは、使用環境における対流や気流の影響や製造コスト等を考慮して決定すればよい。
なお、上記実施例では炭素繊維シートに用いる炭素繊維は平均直径13μmとしたが、この太さに限定されることはない。ただし、繊維の直径は、製造される成形断熱材の断熱性能やかさ密度等に影響を及ぼすので、目的とする断熱性能・かさ密度に応じて直径等を選択すればよい。
また、上記実施例では同じ厚みの炭素繊維シートを10層積層したが、この積層枚数や厚みに限定されることはなく、目的とする断熱性能・かさ密度・厚み等に応じて、異なる厚みの炭素繊維シートを積層したり、積層枚数を変更したりすることができる。
上記で説明したように、本発明によると、コスト上昇を伴うことなく、ガスによる変形や断熱性能の低下を抑制し得た表面層を有する成形断熱材を実現できるので、その産業上の利用可能性は大きい。
1 炭素繊維シート保護層(表面層)
2 炭素複合不織布層
3 炭素繊維シート積層体
10 試験片
11 目止め
12 Oリング
20 一次側空間
21 透過セル
22 バルブ
23 吸気管
24 バルブ
25 排気管
30 二次側空間
31 圧力計
32 バルブ
33 排気管
34 ロータリー式真空ポンプ
35 配管
41 容器
42 台
100 ガス透過試験装置


Claims (6)

  1. 炭素繊維と、炭素繊維の表面を保護する炭素層と、を有し、炭素質のみからなる繊維シートが積層されてなる成形断熱材において、
    前記繊維シートは、炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する炭素繊維シートのみからなり、前記炭素繊維シートを複数積層してなる炭素繊維シート積層体と、前記成形断熱材の最表層に配された、炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する炭素繊維シート保護層と、を有し、
    前記炭素繊維シート保護層のかさ密度が0.3〜1.5g/cm3であり、
    前記炭素繊維シート保護層の炭素繊維の体積分率が、前記炭素繊維シート積層体の炭素繊維の体積分率以上で且つ11〜88%であり、
    前記炭素繊維シート保護層の厚みが1〜6mmであり、
    前記炭素繊維シート積層体のかさ密度が0.05〜0.25g/cm3であり、
    前記炭素繊維シート積層体の炭素繊維の体積分率が3.0〜15%である、
    ことを特徴とする成形断熱材。
  2. 前記繊維シートは、前記炭素繊維シート保護層と、前記炭素繊維シート積層体との間に配置された、炭素繊維不織布に炭素マトリックスが形成されてなる炭素複合不織布層をさらに有し、
    前記炭素複合不織布層のかさ密度が0.03〜0.4g/cm3であり、
    前記炭素複合不織布層の炭素繊維の体積分率が1.1〜9.0%である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の成形断熱材。
  3. 前記炭素繊維シート保護層を構成する炭素繊維及び前記炭素繊維シート積層体を構成する炭素繊維が、いずれも等方性ピッチ系炭素繊維である、
    ことを特徴とする請求項1及び2に記載の成形断熱材。
  4. 炭素繊維を交絡させた繊維フェルトと前記繊維フェルトの炭素繊維表面を被覆する炭素質からなる保護炭素層とを有する炭素繊維シートのみからなり、前記炭素繊維シートを複数積層してなる炭素繊維シート積層体を準備する準備ステップと、
    炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させ、その後厚みが1〜6mmとなるように加圧しつつ加熱して前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、樹脂成形体シートを作製する樹脂成形体シート作製ステップと、
    前記炭素繊維シート積層体の表面に、その界面には熱硬化性樹脂を含む接着樹脂溶液を含浸させた状態で前記樹脂成形体シートを積層して、複合シート積層体となす積層ステップと、
    前記複合シート積層体を加圧しつつ加熱して、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、前記樹脂成形体シートと前記成形断熱材とを結着させる結着ステップと、
    前記結着ステップの後、前記積層体を不活性ガス雰囲気で熱処理して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、
    を有する成形断熱材の製造方法。
  5. 炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させ、その後厚みが1〜6mmとなるように加圧しつつ加熱して前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、樹脂成形体シートを作製する樹脂成形体シート作製ステップと、
    炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製するプリプレグ作製ステップと、
    前記プリプレグを複数積層し、かつこの積層物の表面に、その界面には熱硬化性樹脂を含む接着樹脂溶液を含浸させた状態で前記樹脂成形体シートを積層して、複合シート積層体となす積層ステップと、
    前記複合シート積層体を加圧しつつ加熱して、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、前記樹脂成形体シートと前記成形断熱材とを結着させる結着ステップと、
    前記結着ステップの後、前記積層体を不活性ガス雰囲気で熱処理して、前記熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、
    を有する成形断熱材の製造方法。
  6. 炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させ、その後厚みが1〜6mmとなるように加圧しつつ加熱して前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、樹脂成形体シートを作製する樹脂成形体シート作製ステップと、
    炭素繊維不織布と、熱硬化前の熱硬化性樹脂と、を含み、その後の熱処理により炭素化する、あるいは分解除去される材料以外の材料を含まない炭素複合不織布層前駆体を作製する炭素複合不織布層前駆体作製ステップと、
    炭素繊維を交絡させた厚み5〜20mmの炭素繊維フェルトに、熱硬化前の熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを作製するプリプレグ作製ステップと、
    前記プリプレグを複数積層し、その最表面に前記炭素複合不織布層前駆体を積層し、さらにその上に前記樹脂成形体シートを積層してプリプレグ積層体となす積層ステップと、
    前記プリプレグ積層体を加圧しつつ加熱して、熱硬化前の前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて、前記プリプレグ、前記炭素複合不織布層前駆体及び前記樹脂成形体シートを結着させる結着ステップと、
    前記結着ステップの後、前記プリプレグ積層体を不活性ガス雰囲気で熱処理して前記熱硬化性樹脂を炭素化させる炭素化ステップと、
    を有する成形断熱材の製造方法。
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