JP2018023177A - 減速機付モータ - Google Patents
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Abstract
Description
このため、マグネットを所定位置に保持するマグネットホルダを設ける技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。これによれば、接着剤を用いる必要がないので、メンテナンス回数を減少させることが可能になる。
また、モータ部を多極化(マグネットの個数を増大)しようとした場合、マグネットの位置決めに高い精度が必要になる。このため、マグネットホルダの構造が複雑だとマグネットの位置精度を出しにくいという課題がある。
図1は、減速機付モータ1の斜視図、図2は、減速機付モータ1の断面図、図3は、減速機付モータ1の分解斜視図である。
図1〜図3に示すように、減速機付モータ1は、DCブラシ付きモータとして構成された偏平形状のモータ部10と、モータ部10に給電を行うための給電装置40と、モータ部10の回転出力がクラッチ部60を介して伝達される減速機構100と、を備えている。
なお、以下の説明において、説明を分かり易くするために、出力軸111から出力を取り出す側を上側(図1〜図3における上側)と称し、その反対側を下側(図1〜図3における下側)と称する。また、モータ軸線L1に沿う方向を単に軸方向、モータ軸線L1回りの方向を単に周方向、モータ軸線L1に直交する方向を径方向と称して説明する場合がある。
図4は、ボトムケース15の斜視図である。
図2〜図4に示すように、ボトムケース15は、略円板状に形成されている。ボトムケース15の径方向略中央には、主軸部材2が立設されている。主軸部材2は、基端(下端)2aがボトムケース15の径方向略中央に設けられた円筒状の中央支持部15aに内嵌固定されている。主軸部材2の先端(上端)2bは、給電装置40、モータ部10、減速機構100、およびフレーム101を貫通し、上方に突出している。このような主軸部材2の中心線が、モータ軸線L1と同軸に設定されている。
位置決め壁16には、ボトムケース15とヨークハウジング11との周方向の位置決めを行うための2つのヨーク位置決め爪17が、先端側を径方向内側に折り返すように屈曲形成されている。ヨーク位置決め爪17は、モータ軸線L1を挟んで対向配置されている。
図5は、給電装置40の斜視図である。
図2、図3、図5に示すように、給電装置40は、略円板状に形成された絶縁樹脂製の給電ハウジング41に、ブラシホルダ42を介して、ブラシ45を支持させたものである。ブラシ45は、給電ハウジング41に支持されているコイルスプリング46によって、径方向中央に向かって付勢されている。これにより、ブラシ45の先端(径方向内側端)が、モータ部10を構成する後述のコンミテータ30に摺接される。
図6は、ヨークハウジング11を上から見た斜視図、図7は、ヨークハウジング11を下からみた斜視図である。
図2、図6、図7に示すように、モータ部10は、ヨークハウジング11と、このヨークハウジング11の径方向内側で回転自在に支持されているアーマチュア20と、を主構成としている。
ヨークハウジング11の外径は、ボトムケース15の位置決め壁16の内径とほぼ同一か、若干小さい程度に設定されている。これにより、位置決め壁16にヨークハウジング11の下端が内嵌される。
さらに、ヨークハウジング11の上端には、減速機構100を構成するリングギヤ102に設けられた位置決め凸部130aが嵌め込まれるギヤ位置決め切欠き部124が形成されている。
リングギヤ102は、ヨークハウジング11の軸方向中央から上端に至る間に、内嵌固定されている。リングギヤ102は樹脂により形成されており、円筒状のギヤ本体130を有している。このギヤ本体130の外周面が、ヨークハウジング11に内嵌されている。ギヤ本体130の軸方向の長さは、ヨークハウジング11の軸方向の長さの約半分の長さに設定されている。このギヤ本体130の上端外周縁に、ヨークハウジング11のギヤ位置決め切欠き部124に嵌め込まれる位置決め凸部130aが突出形成されている。
図8は、リングギヤ102を下からみた平面図である。
同図に示すように、第1保持凸部132、および第2保持凸部133は、各マグネット13間に介在されている。第1保持凸部132、および第2保持凸部133は、マグネット13を位置決め、保持するためのものであり、それぞれ3つずつ(合計6つ)形成されている。第1保持凸部132、および第2保持凸部133は、周方向に交互に配置され、且つ周方向に等間隔に配置されている。
また、第1保持凸部132の平坦側面132cと第2保持凸部133の平坦側面133cとの間の周長さL1(以下、凸部間の周長さL1という)は、マグネット13の周方向の長さL2(図7参照)の最小公差の寸法と一致するように設定されている。
このため、突起部134は、凸部間の周長さL1、およびマグネット13の周方向の長さL2がそれぞれ最大公差の場合、押し潰されることなく、マグネット13の周方向端面に当接する。また、突起部134は、凸部間の周長さL1、およびマグネット13の周方向の長さL2がそれぞれ最大公差よりも小さい公差である場合、若干押し潰され、これによって生じる弾性力により、第1保持凸部132の平坦側面132cにマグネット13の周方向端面を押し当てる。
図2、図3に示すように、アーマチュア20は、主軸部材2と同軸に配置されており、主軸部材2を囲んだ状態でヨークハウジング11内に配置されている。アーマチュア20は、コイル24が巻回されているアーマチュアコア21と、このアーマチュアコア21の上下方向から装着される下側のインシュレータ22および上側のインシュレータ23と、アーマチュアコア21の径方向中央で、且つ下側(給電装置40側)に配置されているコンミテータ30と、を備えている。
また、周方向に隣接するティース21b間には、スロット21sが設けられている。本実施形態では、ティース21bおよびスロット21sの数は9個である。そして、スロット21sに通されたコイル24が、ティース21bに装着された各インシュレータ22,23の上から集中巻き方式で巻回されている。
樹脂ボス部31は、その下半部がアーマチュアコア21から下方に突出する円筒壁35として構成されている。円筒壁35の内径は、円筒壁35内にボトムケース15の中央支持部15aを挿入可能な大きさに設定されている。すなわち、円筒壁35の下端は、ボトムケース15と微小隙間を介して対向していると共に、給電装置40の給電ハウジング41内に介在されている。
さらに、圧入嵌合部33の上端には、クラッチ部60が連結される。
クラッチ部60は、モータ部10の回転出力を減速機構100に伝達すると共に、減速機構100からモータ部10へ動力が伝達されることを阻止するためのものである。
クラッチ部60は、アーマチュアコア21に連結される駆動部61と、駆動部61の上側に設けられる従動部62と、駆動部61と従動部62との間に設けられるブレーキ部63と、により構成されている。
従動部62は、主軸部材2に転がり軸受82を介して回転自在に支持される円筒部62aを有している。円筒部62aの下端には、バランスウェイト69が一体成形されている。このバランスウェイト69は、減速機構100の荷重バランスを調整するため(後述の偏心リング67の偏心した質量とバランスをとるため)のものである。バランスウェイト69は、軸方向平面視で略扇状に形成されている。
減速機構100は、モータ部10の上側に配置されている。減速機構100は、ハイポサイクロイド減速機構として構成されており、偏心リング67、リングギヤ102の他に、偏心リング67に転がり軸受81を介して回転自在に取り付けられた揺動歯車103と、揺動歯車103に噛合される出力部110と、を備えている。
歯車本体103aの外周面には、リングギヤ102の内歯130bと噛合される外歯103bが形成されている。また、歯車本体103aの内周面には、内歯103cが形成されている。
このように構成された減速機構100は、ヨークハウジング11の上部開口11bを閉塞するフレーム101によって覆われている。
フレーム101は、略円板状に形成されている。フレーム101の径方向略中央には、出力軸111が挿通される円筒部115が立設されている。この円筒部115を介し、出力軸が軸方向上方に突出している。円筒部115と出力軸111との間は、Oリング116によってシール性が確保されている。
また、位置決め壁117には、径方向外側に向かって突出する3つのボルト座119が、周方向に等間隔で設けられている。ボルト座119は、減速機付モータ1を外部機器に締結固定するためのものであって、不図示のボルトが挿通可能に形成されている。
次に、減速機付モータ1の動作について説明する。
まず、モータ部10の動作について説明する。
不図示の外部電源(外部制御機器)にコネクタ48を電気的に接続すると、このコネクタ48、ブラシ45、およびセグメント32aを介してコイル24に給電が行われる。すると、アーマチュアコア21に所定の磁界が発生する。そして、この磁界と、マグネット13との間に磁気的な吸引力や反発力が作用し、アーマチュア20が回転する。
アーマチュア20が継続的に回転すると、この回転がクラッチ部60を介して減速機構100に伝達される。クラッチ部60は、モータ部10の回転出力を減速機構100に伝達すると共に、減速機構100からモータ部10へ動力が伝達されることを阻止する。
次に、減速機構100の動作について説明する。
アーマチュア20の回転により、クラッチ部60を介して偏心リング67が回転すると、その回転を受けて揺動歯車103が回転する。ここで、揺動歯車103は、偏心リング67に対して転がり軸受81を介して回転自在に設けられていると共に、外歯103bがリングギヤ102の内歯102aに噛合されている。このため、揺動歯車103は、モータ軸線L1回りに公転し、かつ偏心リング67の中心O1(図2、図3参照)回りに回転する。
また、各保持凸部132,133によってマグネット13が位置決め、保持されるので、ヨークハウジング11とマグネット13との固定の際に使用される接着剤Jの使用量を最低限に抑えることができる。このため、マグネット13を、冶具を用いて固定する際、冶具に接着剤が付着することなく、冶具のメンテナンス回数を低減できる。
さらに、減速機付モータ1は、下から給電装置40、モータ部10、減速機構100の順に配置されている。このため、モータ部10と減速機構100とを隣接配置できる。よって、減速機構100(リングギヤ102)に、モータ部10に設けられているマグネット13を位置決めして保持する保持凸部132,133(第1保持凸部132、第2保持凸部133)を設けることが可能になる。
例えば、上述の実施形態では、減速機付モータ1を構成するモータ部10は、マグネット13の個数(磁極数)が6つ(6極)、アーマチュア20のスロット21sが9個、コンミテータ30のセグメント32aが9個のいわゆる6極9スロット9セグメントの集中巻き直流モータとして構成されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、マグネット13の磁極数、スロット数、およびセグメント数は、任意に設定することが可能である。この場合、マグネット13の個数に応じ、リングギヤ102に設けられる保持凸部132,133の個数も変更する。
10…モータ部
11…ヨークハウジング
13…マグネット
20…アーマチュア
40…給電装置
45…ブラシ
67…偏心部(入力軸、偏心軸)
100…減速機構
102…リングギヤ
103…揺動歯車
103b,104a…外歯
103c…内歯
104…出力歯車
132…第1保持凸部(マグネット保持部、第1凸部)
133…第2保持凸部(マグネット保持部、第2凸部)
134…突起部
L1…モータ軸線(回転軸線)
J…接着剤(接着部)
Claims (9)
- モータ部と、
該モータ部の回転を受けて駆動する減速機構と、
を備え、
前記モータ部は、
回転軸線回りに回転するアーマチュアと、
該アーマチュアを回転させるためのマグネットが複数配置されているヨークハウジングと、
を有し、
前記減速機構は、
前記回転軸線と同軸上に配置され前記アーマチュアの回転が伝達される入力軸と、
前記マグネットを位置決めして保持するマグネット保持部と、
を有している
ことを特徴とする減速機付モータ。 - 前記減速機構は、前記回転軸線と同心の内歯を有する円環状のリングギヤを有し、
該リングギヤに前記マグネット保持部が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の減速機付モータ。 - 前記入力軸は、前記回転軸線回りに回転する偏心軸であり、
前記減速機構は、
前記偏心軸に相対回転可能に連結され、外歯と内歯とを有する揺動歯車と、
前記回転軸線と同心の外歯を有する出力歯車と、
をさらに備えるハイポサイクロイド減速機構である
ことを特徴とする請求項2に記載の減速機付モータ。 - 前記マグネットは、前記リングギヤと前記回転軸線方向で重なる位置に固定されている
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の減速機付モータ。 - 前記ヨークハウジングに前記リングギヤが嵌合固定されており、
前記マグネット保持部は、前記リングギヤから前記回転軸線方向に沿って突出する複数の凸部である
ことを特徴とする請求項2〜請求項4の何れか1項に記載の減速機付モータ。 - 前記複数の凸部は、
個数が前記マグネットの個数と同数に設定されており、且つ各前記マグネット間にそれぞれ介在されており、
前記マグネットの周方向端部が当接される平坦面を有する第1凸部と、
前記第1凸部側へ前記マグネットを押圧する突起部を有する第2凸部と、を備えている
ことを特徴とする請求項5に記載の減速機付モータ。 - 前記ヨークハウジングおよび前記複数の凸部と、前記マグネットとの間に、接着部が設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の減速機付モータ。 - 前記第1凸部、および前記第2凸部は、周方向に交互に配置されている
ことを特徴とする請求項7に記載の減速機付モータ。 - 前記アーマチュアに給電を行うためのブラシが保持されている給電装置を有し、
該給電装置、前記モータ部、前記減速機構の順に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の減速機付モータ。
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