JP2018017089A - 水栓器具 - Google Patents

水栓器具 Download PDF

Info

Publication number
JP2018017089A
JP2018017089A JP2016150408A JP2016150408A JP2018017089A JP 2018017089 A JP2018017089 A JP 2018017089A JP 2016150408 A JP2016150408 A JP 2016150408A JP 2016150408 A JP2016150408 A JP 2016150408A JP 2018017089 A JP2018017089 A JP 2018017089A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
valve body
valve seat
faucet
seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016150408A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6568024B2 (ja
Inventor
敏康 芳川
Toshiyasu Yoshikawa
敏康 芳川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takagi Co Ltd
Original Assignee
Takagi Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takagi Co Ltd filed Critical Takagi Co Ltd
Priority to JP2016150408A priority Critical patent/JP6568024B2/ja
Publication of JP2018017089A publication Critical patent/JP2018017089A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6568024B2 publication Critical patent/JP6568024B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Domestic Plumbing Installations (AREA)
  • Mechanically-Actuated Valves (AREA)
  • Multiple-Way Valves (AREA)

Abstract

【課題】流路切り替えの操作性が良く密閉機能に優れた水栓器具を提供する。【解決手段】水栓本体11と、水栓本体11に設けられ、液体が流通する孔部を有する弁座3と、水栓本体11に設けられ、弁座3を開閉して液体の流通を許容する流通状態と、液体の流通を遮断する遮断状態とを切り替える弁体2と、弁体2の弁座3に対する密閉方向Zとは異なる操作方向Xに操作して弁体2を動作させる操作部材4と、操作部材4の操作により弁体2が操作方向Xに移動する際に、弁体2あるいは弁体2を支持する弁支持体43に当接して、弁体2あるいは弁支持体43を密閉方向Zに移動させるよう水栓本体11に設けられた案内部52と、を備えている。【選択図】図2

Description

水などの液体の流通を許容する流通状態と液体の流通を遮断する遮断状態とを切り替える弁体を備えた水栓器具に関する。
水栓器具としては、例えば水の流通状態を通常状態とシャワー状態とに切り替えたり、吐出する水を原水と浄水とに切り替えるものがある。水の流路を切り替えるには、水栓器具の内部に複数の流路を設けておき、切り替え操作に応じて所定の流路を選択する。その際に、夫々の流路どうしが連通しないように適所にシール部材が配置されている。
シール部材としてはゴムなどの弾性材が用いられる。例えば、二つの部材を相対回転させて夫々に設けた流路孔の位置を適宜組み合わせる構成において、異なる流路間で水が漏れないように二つの部材どうしの間にゴム製のシール部材が配置される。ただし、シール効果を得るためにはシール部材をある程度圧縮させる必要がある。そのため、二つの部材を相対回転させる際にはシール部材による摩擦力が生じ、切り替え操作が重くなるという不都合があった。
そこでこの不都合を改善するものとして、例えば弁体としてボール弁を用いた水栓器具がある(特開平8-275900号公報:特許文献1)。
この水栓器具は通常水とシャワー水とを切り替えるものである。器具の内部には通常水路とシャワー水路とを構成する二つの孔部が設けられた弁座があり、一つのボール弁が何れか一方の孔部を遮断することで水路が切り替えられる。ボール弁はカップ状の弁支持体に収容され、弁支持体の天井部とボール弁との間に設けられた付勢バネによって常に孔部の側に付勢されている。弁支持体はボタン操作によって押し引きされ、ボール弁が二つの孔部を行き来する。
特開平8-275900号公報
部材どうしの摩擦が問題とならないこのようなボール弁構造では操作力は軽減される。ただし、付勢バネの付勢力の大きさや、ボール弁と孔部のサイズによるボール弁の孔部への落ち込み深さの大小によっては切り替え操作力が大きなものとなる。
また、ボール弁が孔部に落ち込む際には一定の衝撃が生じる。この衝撃は操作ボタンに伝わり操作感の悪化の原因となる。
さらに、ボール弁が他方の孔部に移動する際には孔部の縁部を一旦乗り越える必要がある。特許文献1の弁座の材質は示されていないが、明細書中でシートパッキンと称されていることから弁座は弾性材で形成されていると思われる。この弁座がボール弁よりも摩耗し易いとすれば、ボール弁が弁座を乗り越える度に弁座の決まった位置が擦れ、水路の密閉度が損なわれるおそれがある。
このような問題を解決するためには、例えばボール弁の直径を大きくすることが考えられる。しかし、その場合、弁支持体が大きくなり、操作ボタンのストロークも伸ばさなければならず水栓器具そのものが大型化してしまう。また、ボール弁の球径が大きいと、開放されている孔部の近傍にボール弁が存在して流水の妨げとなり、必要な流水量が得られないおそれもある。
このような実情に鑑み、従来から、流路切り替えの操作性が良く密閉機能に優れた水栓器具が求められている。
(特徴構成)
本発明に係る水栓器具の特徴構成は、水栓本体と、前記水栓本体に設けられ、液体が流通する孔部を有する弁座と、前記水栓本体に設けられ、前記弁座を開閉して液体の流通を許容する流通状態と、液体の流通を遮断する遮断状態とを切り替える弁体と、前記弁体の前記弁座に対する密閉方向とは異なる操作方向に操作して前記弁体を動作させる操作部材と、前記操作部材の操作により前記弁体が前記操作方向に移動する際に、前記弁体あるいは前記弁体を支持する弁支持体に当接して、前記弁体あるいは前記弁支持体を前記密閉方向に移動させるよう前記水栓本体に設けられた案内部と、を備えた点にある。
(効果)
本構成のごとく、操作部材の操作により弁体を操作方向に移動させる際に、弁体あるいは弁体を支持する弁支持体に案内部が当接して弁体あるいは弁支持体を密閉方向に移動させることで、弁体が弁座に干渉するのを緩和し、あるいは、干渉をなくすことができる。
よって、液体の流通状態を切り替える際に、弁体と弁座との当接による衝撃が操作者に伝わり難くなり、操作感の良いものとなる。
また、弁座に対する弁体の当たりが軽減されるか解消するため、弁座あるいは弁体のうち干渉する部位の摩耗や損傷を防止することができ、流路切り替え機能の信頼性を高めることができる。
尚、ここで干渉を緩和するとは、例えば、弁体が案内部によって移動し、弁座に全く当接しなくなる場合や、当接はするものの案内部がない場合に比べて当接の衝撃が少なくなる場合も含む趣旨である。また、案内部によって弁支持体が移動する場合に、弁支持体と共に弁体が移動して弁体が弁座に当接しなくなる場合や、弁支持体は移動するが弁体の移動が少なく、弁体が弁座に当接する場合も含む。弁体が弁支持体に付勢支持されているような場合には、弁支持体が案内部によって移動することで、弁座に対する弁体の当接力が軽減する。よって、このような場合にも、操作感の向上や弁座の摩耗低減効果などを得ることができる。
(特徴構成)
本発明に係る水栓器具にあっては、前記操作部材が前記弁支持体に接続され、前記弁体が前記弁支持体に対して前記密閉方向に相対移動するよう前記弁体が前記弁支持体に支持されるものであって、前記案内部が前記弁体に当接するように構成することができる。
(効果)
本構成のように弁体と案内部とが当接するものであれば、弁体の動きは案内部によって直接に規定される。よって、弁座に対する弁体の移動軌跡を精度よく設定することができ、弁座に対する弁体の干渉を確実に軽減しあるいは防止することができる。
また、本構成のごとく、操作部材は弁支持体と接続され、この弁支持体と相対移動する弁体の動きを案内部によって規定することで、夫々別の動作を行う弁支持体の機構部と弁体の機構部とを分けて構成することができる。よって、これら機構部を構成する際の設計の自由度が高まる。
(特徴構成)
本発明に係る水栓器具にあっては、前記操作部材を前記操作方向に沿って往復移動するものとし、前記案内部を前記操作方向に沿って前記弁座を挟む両側に設けてもよい。
(効果)
本構成の操作部材は、弁体あるいは弁支持体を操作方向に沿って往復移動させるものである。その場合、弁体の移動経路が弁座の位置を挟む両側に亘る場合が考えられる。そこで本構成のごとく、弁座の両側に案内部を設けることで、弁体が弁座の位置を何れの方向に通過する際にも弁座に対する弁体の干渉を低減し、操作感や弁座の耐久性を向上させることができる。
(特徴構成)
本発明に係る水栓器具にあっては、前記弁体のうち前記弁座を密閉するシール部を前記弁体の一部にのみ形成することができる。
(効果)
本構成であれば、弁体のうち弁座に対するシール部以外の形状設定が自由になる。例えば、弁支持体に対する弁体の動作を円滑にするための弁体形状や、案内部と当接するのに都合の良い弁体形状、さらには、弁体の製造方法に応じた合理的な弁体形状などが選択でき、製造技術面或いはコスト面で有利な構造を得るための自由度が高まる。
(特徴構成)
本発明に係る水栓器具は以下の特徴構成を有する。
即ち、水栓本体と、前記水栓本体に設けられ、流体が流通する孔部を有する弁座と、前記水栓本体に設けられ、前記弁座を開閉して流体の流通を許容する流通状態と、流体の流通を遮断する遮断状態とを切り替える弁体と、前記弁体の前記弁座に対する密閉方向とは異なる操作方向に操作して前記弁体を動作させる操作部材と、前記操作部材の操作にもとづいて前記弁体に対して前記密閉方向に作用し、前記弁体が前記弁座を開閉する際に、前記弁体と前記弁座との前記操作方向に沿った干渉を低減する動弁機構と、を有する。
(効果)
本構成は、操作部材の操作により弁体を操作方向に移動させる際に、弁体と弁座との干渉を低減する機構を広く動弁機構と捉えるものである。
背景技術の欄で述べたように、従来この種の水栓器具における弁体としては、弁座に設けた複数の孔部の間を移動するボール弁があった。このような弁体に対して本構成の動弁機構は、例えば弁体が孔部を乗り越える際に弁体が孔部の縁部に一切当接しないものであっても良いし、弁体が縁部に当接するものの乗り越え力が小さくなるものであっても良い。即ち、動弁機構が弁体に対して密閉方向に何らかの作用を及ぼし、弁体と弁座との干渉を少なくすものであれば何れの構成であっても良い。
本構成であれば、弁体と弁座との当接の衝撃が緩和されるか解消され、水栓器具の操作感が良いものとなる。
また、弁座のうち弁体と干渉する部位の摩耗や損傷を防止することができ、流路切り替え機能の信頼性を高めることができる。
水栓器具の外観を示す斜視図 水栓器具の弁機構を示す斜視図 水栓器具の弁機構を示す斜視図 水栓器具の弁機構を示す平断面図 原水供給状態の弁機構を示す説明図 浄水供給状態の弁機構を示す説明図 弁体及び弁座の一実施形態を示す説明図 弁体及び弁座の一実施形態を示す説明図 ガイド部の一実施形態を示す説明図 ガイド部の一実施形態を示す説明図 弁体がボール弁である例を示す説明図 弁体及び弁座の一実施形態を示す説明図 弁体及び弁座の一実施形態を示す説明図 弁座の一実施形態の外観を示す説明図 弁体及び弁座の一実施形態と寸法を示す説明図 弁体の別実施形態を示す説明図
〔概要〕
本発明に係る水栓器具の一つの実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
本発明の水栓器具1は、図1乃至図3に示すごとく、例えば水道水の流水路の途中に弁体2を設け、流水路を流通状態と遮断状態とに切り替えるものである。
この水栓器具1は、水栓器具1の本体を構成する水栓本体11を備え、この水栓本体11に、液体が流通する孔部31を備えた弁座3と、この弁座3を開閉して液体の流通状態を切り替える弁体2とが備えられている。この弁体2の切り替えは、弁体2の弁座3に対する密閉方向Zとは異なる操作方向Xに操作する操作部材4によって行う。
本実施形態の水栓器具1では、弁座3に対する弁体2の干渉を低減し、弁体2の開閉動作を円滑にする動弁機構5を備えている。動弁機構5は、操作部材4の操作に伴って弁体2に作用し、弁体2が弁座3を開閉する際に、操作部材4の操作方向Xに沿う弁体2と弁座3との干渉を低減するものである。
以下、各部構成につき詳細に説明する。
〔水栓本体〕
水栓本体11は、例えば水道水を流通遮断するレバーハンドル(図外)の基端部から延出して水道水の吐出部61までを構成する部材である。全体は筒形形状を呈し、内部には、水道水を浄化する浄水カートリッジ62や、吐出水をストレート水形やシャワー水形に切り替える水形切替機構63などが設けられている。吐出部61の中央部には直流吐出口61aが形成されており、その周囲には複数の孔を有するシャワー吐出口61bが形成されている。水形切替機構63の上流部に、流水としての原水と浄水とを切り替える動弁機構5や操作部材4などが設けられている。
〔操作部材〕
操作部材4は、図2及び図5に示す如く、弁体2の位置を移動させるための部材である。操作部材4としては、例えば、水栓本体11の先端部に設けられたボタン41と、このボタン41に接続された中間部材42、さらには中間部材42が接続されたカップ状の弁支持体43とを備えている。弁支持体43は弁体2を包持している。中間部材42にはいわゆる公知のロック式オルタネイトスイッチが設けられており、ボタン41の操作によって弁支持体43が押し引きされ、弁体2が遮断位置と流通位置とに選択的に固定される。
本実施形態の水栓器具1では、図3乃至図6に示したように、原水の流通と浄水の流通とを交互に切り替えるために弁体2及び弁座3を二組設けている。一つのボタン41に対し、二つの中間部材42が各弁体2を包持する弁支持体43に夫々連結されている。二つの弁体2はボタン41に近い位置とボタン41から遠い位置との間で同時に切り替わる。これら二つの位置は、夫々の弁体において遮断位置あるいは流通位置である。
ボタン41の操作はいわゆるプッシュ・プッシュ方式であり、ボタン41が押されていない図4及び図5の状態では浄水用の弁体2が遮断状態(図5では上図)となり、原水用の弁体2が流通状態(図5では下図)となる。ボタン41が押し込まれた図6の状態では夫々の弁体2において流通状態と遮断状態とが入れ替わり、浄水用の弁体2が流通状態(上図)となり、原水用の弁体2が遮断状態(下図)となる。
本実施形態では、原水用の弁体2が流通状態にあるとき(図4及び図5下図)、弁体2は弁座3の位置に対して操作方向Xにおいて浄水カートリッジ62とは反対側に位置する。この構成であれば、原水の流量を確保し易くなる。つまり原水は、水栓本体11の内面と浄水カートリッジ62の外面とで挟まれた空間を流通し、図5下図に示したように二重管となった流路の外側流路12から原水用の弁室12aに至る。ボタン41が押し込まれていないとき、原水用の弁体2は弁座3に対してボタン41の側で開弁位置にある。このように弁体2は流通流路の外側に退避するため原水を流通させる際の妨げにはならない。
一方、浄水は、浄水カートリッジ62の内側の空間を流通し、図6上図に示したように、二重管となった流路の内側流路13から浄水用の弁室13aに至る。浄水が弁座3の孔部31を通過する際には、弁座3に対して弁体2が操作方向Xにおいて浄水カートリッジ62の側に移動しているから、浄水の流れが妨げられるとも考えられる。しかし、浄水は、浄水カートリッジ62を通過する際に既に大きな流通抵抗を受けているため、最大流通量であっても原水ほどの流通量はない。よって、実質的に弁体2が浄水流通の障害になることはない。
〔弁体及び弁座〕
弁体2が遮断位置と流通位置との間で切替わるとき、弁体2は、弁体2が遮断状態にあるときの弁座3に対する密閉方向Zと操作部材4が押し引きされる操作方向Xとの合成方向に動作する。
弁体2と弁座3の密閉度は、弁体2と弁座3との互いの当接力などによって決定される。弁体2及び弁座3の少なくとも何れか一方は、相手方に密着し易いように弾性材で構成するのが好ましい。弁座3の形状は、例えば図3に示すごとく環状である。
一方、弁体2の形状は、図2及び図5、図6、図15に示すごとく例えば一種の傘状に構成する。弁体2は、筒状の弁本体21と、この弁本体21の端部にあって弁座3を密閉する弁部22と、弁本体21と弁部22との間で径方向に突出形成されたフランジ部23とを備えている。フランジ部23は、図5乃至図7に示す如く、弁支持体43との間に設けられた付勢バネ7の受け部となる。
図7に示したように、弁部22の下面には、弁体側シール部として環状の凸部24が設けられている。これにより弁体2と弁座3との密閉度が高められる。凸部24は弁体2と一体の部材で構成しても良いし、予め別体の部材で形成したものを弁部22に取り付ける構造であっても良い。
このように弁体2を傘状に構成し、その一部に弁部22を設ける構造であれば、従来の球体で構成された弁体2などと比べて、弁体形成の自由度が得られる。つまり、密閉精度が求められる弁体側シール部を弁体2の一部にのみ構成すればよく、他の部位の形状を任意に設計することができる。よって、弁体構造や水栓器具1の全体構造がより合理的になり、製造工数や製造コストの削減も可能となる。
一方の弁座3には、弁座側シール部として単なる平面部32が設けられている。このように弁座側シール部が平面であり、この平面部32に上記弁部22が当接する構造であれば、弁座3に対して弁体2を開閉する際に、弁座3の角に弁体2の一部が乗り上げるような事態が生じ難くなる。よって、弁座3の内部に弁部22の一部が落ち込んで密閉される弁構造等に比べて、操作部材4の操作方向Xと異なる方向に弁体2を逃がす量が少なくなり、弁座3の摩耗や損傷を防止し易くなる。
本実施形態の弁座3は、図3に示すように、弁座側シール部を構成する円環状部3aと、この円環状部3aから径方向(円環における径方向)に突出する突出部3bを備える構成とし、その突出部3bを弁座3が嵌め込まれる水栓本体11に設けられる溝部15にはめ込む構成としている。弁座3は円環状部3aのみで構成することもできるが、突出部3bを設けて溝部15にはめ込む構成とすることにより、弁座3の水栓本体11に対する保持性を高めることができる。図3に示す実施形態では、円環状部3aから径方向外方に延在する第1突出部3b1と、第1突出部3b1につながって第1突出部3b1の延在方向とは異なる方向、具体的には第1突出部3b1の延在方向とは垂直な方向に延在する第2突出部3b2を設け、両突出部を共に溝部15にはめ込む構成としている。
弁部22の形状については以下に列挙するものであっても良い。
例えば、図8に示したように、弁座3のうち弁部22に対向する面に環状の凸部33を形成し、弁部22の下面を平面状の弁体側シール部とするものであっても良い。
また、弁部22の下面を図13及び図15(a)に示したように緩い凸曲面22aに形成しても良い。本構成であれば、弁座3との線接触部分を容易に形成できる。つまり、シール部の形状として、図7や図8に示したような環状の局所的な凸部を形成する必要がなく、弁部22の下面全体のうちの所定の位置がシール部を形成するから弁体2の形状が簡略化される。また、シール部の耐久性が向上する。この場合、従来のように全体が球形である弁体2を用いるものと比べて、一部の球面を形成するだけで良いから、弁座3の寸法に応じて任意の曲率を選択することができる。よって、弁体2や弁座3の材質や必要な密閉度を考慮して弁部22の曲率半径R1と弁座3の孔径とを最適に設定することができる。これら寸法については後述する。
また、弁部22の下面は、図15(b)に示すように、弁座3とは反対側に凹んだ凹曲面22bを外周部に形成しても良い。この場合にも形状が単純であるため、弁座3との線接触部分を容易に形成することができる。尚、この形状の場合、弁部22が弁座3の孔部31に対して係合しつつ嵌まり込む状態になるためより完全な密閉効果が期待できる。ただし、遮断状態にある弁体2を流通状態に移行させるには、弁部22が弁座3の角に強く干渉しないように、凹曲面22bの曲率半径R2や弁座3の孔部31の寸法、さらには、後述する案内部52の傾斜角度などを適切に設定する必要がある。これら寸法については後述する。
弁部22及び弁座3は適宜の材料を用いて形成可能である。双方を金属などの硬い材料で構成する場合には、遮断性能の信頼性が増す。また、環状の凸部及び面状のシール部のうち少なくとも一方をゴムなどの弾性材で構成することで、弁部22と弁座3との密閉度を高めることができる。このような弾性材は、弁体2あるいは弁座3に対して2色成形などによって一体的に構成しても良いし、別部材として形成したものを弁体2あるいは弁座3に取り付けるものであっても良い。
〔動弁機構〕
本実施形態の水栓器具1では、操作部材4による弁体2の主な移動方向は、液体の流通遮断時における弁体2と弁座3との密閉方向Zとは異なる。動弁機構5は、このように弁体2を弁座3に対して別の操作方向Xに動かす際に弁体2と弁座3との干渉を少なくするものである。具体的には、弁体2が弁座3を密閉する直前あるいは離間する直後に、弁体2を密閉方向Zに沿って移動させる機構である。
動弁機構5は、例えば図2及び図5、図6に示すように、弁体2の側面に設けた凸状の被案内部51と、この被案内部51に当接して弁体2を摺動案内するよう水栓本体11に設けられた案内部52とで構成される。弁体2は、弁支持体43に収納され、付勢バネ7によって弁座3の側に付勢されている。ボタン41の操作によって弁支持体43が図5及び図6の左右方向に押し引きされ、内部の弁体2がこれに従動する。
弁支持体43は天井部を有する円筒状を呈しており、水栓本体11に一体に設けられたケースガイド14によって特に上下位置を規制されつつ操作方向Xに沿って直線的に往復移動する。また、弁支持体43の底部には水栓本体11のうち弁座3の近傍の面に案内され、弁支持体43の上下位置を下方で規制する脚部44が設けられている。弁支持体43の側面には弁体2の被案内部51をスライド案内するスリット43aが設けられている。スライド案内の方向は弁体2と弁座3との密閉方向Zである。スリット43aは、径方向に沿って反対側に二箇所設けられている。また、弁本体21の筒状の外周面も、弁支持体43の内側に設けられた円筒面43bによってガイドされる。これらの構成により、弁体2は弁支持体43に対して回転不能に弁体2の密閉方向Zに沿って往復移動する。
案内部52は、弁座3とは別に水栓本体11に設けられる。案内部52は、図3に示すように一つの弁体2に対してボタン41の操作方向Xに沿って平行に一対設けられている。案内部52は操作方向Xに対して傾斜した領域と平行な領域とで構成される。このうち傾斜領域52aはボタン41操作に伴って弁体2が密閉方向Zに沿ってシフト移動する領域である。一方、平行領域52bは弁体2が弁座3に当接する位置に対応し、弁体2がこの位置にあるとき被案内部51と平行領域52bとは原則として非接触となる。
この非接触の状態は、弁体2が遮断状態となる限りにおいて被案内部51と案内部52との隙間は小さいほど好ましい。隙間が存在すれば、弁体2と弁座3とは確実に当接できる。一方、隙間が小さいほど、弁体2がボタン41によって操作方向Xに移動したときに弁体2が直ぐに持ち上げられ、弁座3との干渉が避け易くなる。尚、平行領域52bは原則として被案内部51が当接しない部位であるから敢えて設けなくても良い。
傾斜領域52aは、図9に示すごとく、平行領域52bを挟んで両側に形成することもできる。これは、例えば操作部材4としてプッシュ・プッシュ方式のオルタネイトスイッチを用いる場合、ボタン41の操作に応じて弁体2が弁座3の位置を通り過ぎるからである。例えば図9は遮断状態であるが、この状態から弁体2を流通状態に移行させるにはボタン41及び中間部材42を一旦押し込む。オルタネイトスイッチの構造上、この押し込みによって弁体2は図中の右側に少しだけ移動する。このとき、弁座3の右側に傾斜領域52aを設けていなければ、弁体側シール部は弁座3の上面を擦ることになる。ボタン41の押し込みを解除すると、中間部材42の後退に従って弁体2も弁座3の側に後退し、再び遮断状態となる。中間部材42はさらにボタン41の側に引かれ、弁体2の被案内部51はボタン41の側に形成された案内部52に沿って持ち上げられる。
そこで、図9乃至図13に示したように、弁座3の中央に対して両側に傾斜領域52aを設けておく。これにより、操作部材4の構造に応じて弁体2が弁座3の位置を何れの方向に通過する際にも弁座3に対する弁体2の干渉を減らすことができ、ボタン41の操作感や弁座3の耐久性を向上させることができる。
以上のごとく、案内部52によって弁体2を密閉方向Zに沿ってシフトさせることで、弁体2の開閉時における弁体2と弁座3との干渉が大幅に低減される。よって、ボタン41の操作感が良質なものとなるうえ、弁座3の特定の部位が摩耗したり変形したりする不都合がなくなり、弁体2のシール機能が長期に亘って維持されるようになる。
尚、傾斜領域52aの形状は種々選択が可能である。
例えば、図6乃至図9に示したごとく直線状にすることで、ボタン41を操作した際の被案内部51と案内部52との摩擦力がほぼ一定となり、操作感が安定したものとなる。
また、傾斜領域52aの形状としては、図10に示す如く弁体2の密閉方向Zに向けて凹状に構成しても良い。この場合、流通状態にある弁体2を閉じる場合には、弁体2を押圧する付勢バネ7の力によって被案内部51が傾斜領域52aを下り易くなる。よって、ボタン41の押し込み操作が加勢されて操作が楽になる。一方、遮断状態にある弁体2を開く場合に、被案内部51は付勢バネ7の力に抗って傾斜領域52aを登る必要がある。しかし、弁座3に近い側の案内部52の傾斜角度はボタン41の操作方向Xに近いから、この場合にも操作開始時の操作力は軽減される。
また、図9に示したごとく傾斜領域52aの形状として、傾斜領域52aの下端側つまり弁体2が弁座3を密閉する位置の近傍では、急に段落ちする形状としても良い。例えば弁座3に対する弁体2の押圧力を確実に得ようとすると、遮断状態にある弁体2の被案内部51と案内部52との隙間は大きい方が良い。しかし、この隙間が大きいと、弁体2が持ち上がるまでに弁体2を操作方向Xに移動する距離が大きくなって弁体2と弁座3の摩擦量が増大する。
よって、図9のごとく段部52cを設けることで、弁体2が弁座3の位置に到達した際に弁体2を弁座3の側に落とすことができる。これにより、弁体2と弁座3との摩擦が軽減される。ただし、段部52cの高さが過大となれば、操作部材4の操作時に弁体2が弁座3に当たる衝撃感が大きくなり、遮断状態の弁体2を傾斜領域52aまで引き上げる力が大きくなって、操作感が悪化する。よって、段部52cの高さは必要最小限に設定するのが好ましい。
尚、図示は省略するが、被案内部51と案内部52との摩擦を減らすために、被案内部51にローラーやボールなどの回転部材を設けても良い。また、案内部52あるいは被案内部51に摩擦係数の低い部材を取り付けておいても良い。
〔実施例〕
〔弁体及び弁座の寸法〕
図15(a)に示したように、弁部22の下面を凸曲面22aにする場合、弁座3との密着度や両部材の耐久性、さらには操作感などを勘案して両者のサイズを適切に設定する必要がある。例えば、凸曲面22aの曲率半径R1と、弁座3の開口の半径rとの比であるR1/rの値は、5〜16が良い。5未満となると、開口の縁部の磨滅・損傷・劣化が生じ易くなる。よって、8以上、特に10以上が良い。
このような数値を採る中で、凸曲面22aの曲率半径R1は、20mm以上、さらに25mm以上、特に30mm以上が良い。
一方、弁座3の開口については、密閉性を高めるためには円形とするのが良い。その半径rは2mm〜15mmが良い。2mm未満となると流量が小さくなる。よってさらに好ましくは3mm以上、特に5mm以上が良い。また、15mmを超えると水栓装置が大型化するので、12mm以下、特に8mm以下が好ましい。
また、図15(b)に示すように、弁部22の下面外周に弁座3とは反対側に凹んだ凹曲面22bを形成する場合には、凹曲面22bの曲率半径R2は2mm以上とするのが良い。2mm未満であれば、弁体2の横移動時に凹曲面22bの外周部が弁座3の角部と干渉して横移動が円滑に行われず、弁部22や弁座3のシール部及びその周辺が磨滅・変形し易くなる。よって、曲率半径R2は5mm以上、特に10mm以上が好ましい。
〔弁体及び弁座の材質〕
弁体2や弁座3として弾性や耐摩耗性を有する材料を用いる場合、例えば以下のような材料選択が可能である。
例えば、POM、ナイロン、テフロンが好適であり、夫々、以下の特徴を有する。
POM(ポリアセタール)は、結晶部と非晶部が混在し、機械的強度に優れるうえ、耐摩耗性、摺動性に優れている。また、寸法安定性も良い。連続使用温度は、ホモポリマーが約85℃であり、コポリマーが約105℃で短時間なら約150℃での使用が可能である。さらに、吸水性が小さく、耐溶剤性に優れる。
PA6(6ナイロン)は、結晶性が高く耐薬品性に優れる。例えば、ガソリン・オイル等の有機溶剤に対して優れた耐性がある。アミド基の水素結合を有するため、広い温度域で引っ張り強さに優れ、耐衝撃性、柔軟性に優れている。ガラス繊維などによる強化が可能であり、機械的強度の向上や熱変形温度の向上を図ることができる。食品衛生性もよい。
PA66(66ナイロン)は、ポリアミド系樹脂の中では結晶化度が高く、物性のバランスがとれたエンプラでもあり、ナイロン6と比較すると、耐熱性、機械的強度においてより優れた値を示す。機械的強度のバランスが良く、ナイロン系樹脂(ポリアミド系樹脂)の中では、最も優れた機械的強度を有する。ガソリン・オイル等の有機溶剤に対しても耐性があるなど、耐薬品性に優れている。充填剤により強化可能であり、ガラス繊維などを充填して、機械的強度・剛性・熱変形温度などを大きく向上させることができる。食品衛生性もよい。
テフロン(ポリテトラフルオロエチレン, PTFE)は、テトラフルオロエチレンの重合体で、フッ素原子と炭素原子のみからなるフッ素樹脂(フッ化炭素樹脂)である。テフロン(Teflon)の商品名で知られる。化学的に安定で耐熱性、耐薬品性に優れ、強い腐食性をもつフッ化水素酸にも溶解しない。また、摩擦係数が非常に小さい。一般には加熱によって熱流動を起こさず、通常の樹脂のように溶解成形を行うことができないが、溶解成形が可能なフッ素系樹脂として、類縁有機フッ素化合物の共重合体や有機フッ素塩素化合物の重合体が開発されている。
以上の材料の中では、寸法安定性、機械的強度、摺動性を総合的にみて、POMが好適である。
その他の材料としては、真鍮やステンレス鋼など表面の仕上げを良くすることで耐食性に優れた部品を得ることができる。鉄等においてもメッキ処理等を施すことにより耐食性を高めることができる。また、成形加工性の良い熱可塑性樹脂であってもよい。エラストマーはシール部などに用いることができる。弁体2の案内部52など、強度が高く摺動性の良い部位に用いる樹脂としてはABS/PPS/PC/PMMA/PEEK等が好適である。
また、特に弁座用に好適な材料としては以下のものがある。
EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコンゴム、エラストマー(オレフィン系)、EPDM、NBRを基材とする架橋ゴム、フッ素ゴム (フッ化ビニリデンとヘキサフルオルプロピレンの共重合体)、シリコンゴム(シリコーンを主成分とする合成樹脂)、ソフトセグメントとハードセグメンとからなるエラストマーなどが使用可能である。
その中でもEPDMは耐塩素性が高くNBR程ではないが安価である。NBRは、耐塩素性が低い場合が多いが、製品毎の要求を満たす範囲において使用可能である。フッ素ゴムは耐熱性が高い。シリコンゴムは耐熱性が高い。エラストマーは、熱可塑性エラストマーの場合は成形性に優れるが、一般に圧縮永久歪が大きいため、使用する場合は圧縮永久歪の小さいスチレン系を用いるのがよい。これらの中でも、特に耐塩素性が高く、市場での実績も高いEPDMが好ましい。
弁体2を弁座3の側に押し付ける付勢バネ7としては、金属スプリング(金属バネ)、樹脂スプリング(樹脂バネ)などのスプリング(バネ)や、架橋ゴムやエラストマー(ハードセグメントとソフトセグメントからなる熱可塑性エラストマーや熱硬化性エラストマー)などからなる成形物を用いることができる。特には、軽量性の確保や、十分な付勢力の確保、付勢力経時変化の少なさ等を総合的に鑑みて、金属スプリング(金属バネ)を用いるのが好ましい。
〔別実施形態〕
弁体2としては、図11に示すように、例えば金属製等のボール弁2aを用い、弁座3に設けた孔部31に落ち込む構成であっても良い。この場合、ボール弁2aのうちシール部とは異なる位置を案内部52に当接させてボール弁2aを持ち上げる構成とすることは、特に小さなボール弁2aでは弁座3と案内部52との位置が極めて近づくなど困難である。よって、ボール弁2aは筒部材45の内部に収容し、この筒部材45が弁支持体43の内部で密閉方向Zに往復移動できる構成にしておく。
ボール弁2aは筒部材45の内部で密閉方向Zに沿って往復移動可能である。筒部材45の一方側の開口部45aには、ボール弁2aの外径よりも小さい内径の爪部45bを設け、ボール弁2aの一部が弁座3の側に突出できる構成にしておく。これにより、ボール弁2aは筒部材45から弁座3の側に脱落することなく弁座3と当接可能となる。爪部45bは開口部45aの全周に亘って設けても良いし、周方向に沿って散点的に設けても良い。
筒部材45は弁支持体43の円筒面43eによって密閉方向Zに案内される。ボール弁2aと弁支持体43の天井部43dとの間には付勢バネ7が配置され、ボール弁2aは常に弁座3の側に押圧される。筒部材45の外周面には被案内部51が一体形成してあり、筒部材45は弁支持体43の壁部に設けたスリット43aに沿って密閉方向Zに往復移動可能である。弁支持体43の上面はケースガイド14に対向しており、弁支持体43は操作方向Xに沿って往復移動可能である。
本構成により、操作部材4及び中間部材42が操作されたとき、弁支持体43が操作方向Xに沿って移動し、筒部材45に設けた被案内部51が案内部52の上を摺動することで、筒部材45は弁支持体43に対して密閉方向Zに沿って往復移動する。
ボール弁2aが図11の密閉状態にあるとき、筒部材45はボール弁2aからやや下方に離れている。これにより、ボール弁2aは弁座3に対して密着することができる。尚、筒部材45はこの状態で密閉方向Zに沿って僅かにガタつくが、その動作範囲は僅かであるから実用上問題となるような振動や音は生じない。この状態から弁支持体43及び筒部材45が操作方向Xに引かれると、被案内部51が傾斜領域52aに乗り上がり爪部45bがボール弁2aに当接してボール弁2aを持ち上げ始める。筒部材45によって操作方向Xに移動を強いられたボール弁2aは、爪部45bによって持ち上げられるものでも良いし、弁座3に直に乗り上げて持ち上げられるものでも良い。前者の場合、ボール弁2aと弁座3との干渉が生じず、操作部材4の操作振動や異音は生じない。また、後者の場合であっても、ボール弁2aと弁座3との当接による衝撃が緩和され、操作感が良くなると共に弁座3の耐久性が増す。
このように筒部材45の内部に弁体2を設ける構成において、ボール弁2aでない弁体2を用いることが可能である。例えば図12は、図9に示したのとほぼ同じ形状の弁体2を用いる例である。弁体2は筒部材45の内部に収容される。弁体2の弁本体21は弁支持体43の内側の円筒面43bによって密閉方向Zに案内される。また、筒部材45が、弁支持体43のうち前記円筒面43bのさらに外側の円筒面43eに案内されて密閉方向Zに往復移動可能である。これにより、弁体2は筒部材45に収容されつつ弁支持体43に対して密閉方向Zに往復移動する。
筒部材45の一方側の開口部45aには、弁体2のフランジ部23の外径よりも小さい内径の爪部45bを設け、弁部22が弁座3の側に突出できる構成にしておく。これにより、弁体2は筒部材45から弁座3の側に脱落することなく弁座3と当接可能となる。爪部45bは開口部45aの全周に亘って設けても良いし、周方向に沿って散点的に設けても良い。
フランジ部23と弁支持体43の天井部43dとの間には付勢バネ7が配置され、弁体2は常に弁座3の側に押圧される。筒部材45の外周面には被案内部51が一体形成してあり、筒部材45は弁支持体43の壁部に設けたスリット43aに沿って密閉方向Zに沿って往復移動可能である。弁支持体43の上面はケースガイド14に対向しており、弁支持体43は操作方向Xに沿って往復移動可能である。
本構成により、操作部材4及び中間部材42が操作されたとき、弁支持体43が操作方向Xに沿って移動し、筒部材45に設けた被案内部51が案内部52の上を摺動することで、筒部材45は弁支持体43に対して密閉方向Zに沿って往復移動する。
弁体2が図12の密閉状態にあるとき、筒部材45は弁体2からやや下方に離れている。これにより、弁体2は弁座3に対して密に当接することができる。尚、筒部材45はこの状態で密閉方向Zに沿って僅かにガタつくが、その動作範囲は僅かであるから実用上問題となるような振動や音は生じない。この状態から弁支持体43及び筒部材45が操作方向Xに引かれると、被案内部51が傾斜領域52aに乗り上がり爪部45bが弁体2に当接して弁体2を持ち上げ始める。筒部材45によって操作方向Xに移動を強いられた弁体2は、爪部45bによって持ち上げられる。
本構成の場合、弁体2には先の実施形態のように被案内部51が形成されておらず、外形が単に筒状の弁体2は筒部材45の内部で密閉方向Zに沿う軸芯8の周りで回転自在となる。よって、特に弁部22として弾性材による凸部24を設けてある場合等には、凸部24の特定の部位だけが摩耗することがなく弁体2の耐久性を高めることができる。
弁体の構成としては、図15(a)に、弁部22の下面全体を凸曲面22aとする例を示した。この場合、さらに図16(a)に示すように弁部22の下面のうちで弁座3のシール部と当接する部分のみを上記の曲率半径R1を有する凸曲面22aとしてもよい。即ち、凸曲面22aを環状に形成し、その内部には凹部22cを設ける。この凹部22cの形状は任意であり、例えば天井面を平面に構成することができる。本構成であれば、凹部22cの部分が弁座3のシール部と当接することがなく、弁部22の弁座3に対する干渉をさらに低減することができる。また、凹部22cによって弁体2が軽量化され、弁体2の移動が機敏になる。
また、図15(b)に示したように弁部22の下面に凹曲面22bを構成する場合には、さらに、図16(b)に示すように弁部22の下面のうちで弁座3のシール部と当接する部分のみを曲率半径R2を有する環状の凹曲面22bとしてもよい。この場合にも、凹曲面22bの内側には任意形状の凹部22cを設けることができる。この凹部22cも、例えば図16(b)に示すような平面形状の天井面とすることができる。本構成であれば、凹部22cの部分は弁座3のシール部と当接せず、弁部22の弁座3に対する干渉がさらに低減される。また、凹部22cによって弁体2が軽量化され、弁体2の移動が機敏になる。
案内部52としては傾斜領域52aの下端部に段部52cを設けておくとよい。段部52cにより、弁体2の開弁に際して弁支持体43を素早く持ち上げることができる。このとき、弁支持体43と共にボール弁2aが素早く持ち上げられるものであっても良いし、弁支持体43の持ち上げにやや遅れてボール弁2aが持ち上げられるものであっても良い。後者の場合、ボール弁2aの横移動に際してボール弁2aは弁座3の一部に干渉する。しかし弁支持体43が持ち上げられることで、付勢バネ7の圧縮力が緩和され、弁座3に対するボール弁2aの押圧力が小さくなる。よって、弁座3に及ぼす摩耗や変形が緩和される。このように、弁体2と弁座3とが操作部材4の操作方向Xに沿って明らかに干渉するものであっても、弁体2が弁座3に及ぼす力が少なくなる機構を備えるものは本発明の技術思想に含まれる。
なお、弁体2をボール弁2aとした場合には、本発明の適用により〔0008〕及び〔0009〕に記載した、弁体2と弁座3との当接による衝撃や、弁座3などが摩耗するといった課題は軽減されるものの、これらの課題が完全に解決されるものではない。ボール弁2aを用いる場合には、弁体2の形状が幾分かの転がり移動を期待するものであるため、弁体2と弁座3との衝撃が完全に解消されるとは限らない。
これに対し、本実施形態のうち、特に、弁体2のうち弁座3を密閉する弁部25を弁体2の一部にのみ形成して転がり移動が予定されない形状に弁体2を形成し、弁体2の姿勢を維持したまま弁体2を操作方向Xと密閉方向Zとの双方に移動させる案内部52を備えるものは、一見すると上記ボール弁2aに比べて衝撃や摩耗に係る課題の解決がより困難である。しかし、弁座3とは異なる位置であって水栓本体11に案内部52を設けることで、上記課題の解決が困難な弁形状であっても使用感及び耐久性に優れた水栓器具を提供できる。例えば、シール部を構成する弁部22と、弁体2を密閉方向Zに移動可能に支える弁本体21とを区別して構成することで姿勢変化を生じない弁体2の構成が容易となる。また、弁体2を密閉方向Zに沿って弁座3の側に押し付ける付勢力を受けるフランジ部23を備えるものであれば、流路遮断時の密閉効果がさらに向上する。
図示は省略するが、動弁機構5としては、摺動式の案内部52ではなく、弁体2あるいは弁支持体43にリンク機構の腕部材を連結しておき、これを操作部材4により動かして弁体2などを持ち上げるものであっても良い。
弁体2と弁座3とのシール部は線接触する構成に限られない。
図13及び図14に示す如く、弁座側シール部の一部については弁体2と面接触する構造であっても良い。例えば弁部22の下面が緩い凸曲面22aの場合、弁部22が弁座3に密着する状態では、弁部22の下面中央部が弁座3の孔部31に落ち込んだ状態となる。この状態からボタン41の操作によって弁体2を横移動させる場合、弁体側シール部と弁座側シール部との共通接線の方向に沿って弁部22を移動させることができれば弁座3と干渉しなくなる。
ただし、この場合、遮断状態にある弁体2と弁座3とは互いに押圧力を及ぼさず、単に近接しているだけの状態となる場合もある。そこで、図14に示す如く、環状の弁座側シール部のうちボタン41の操作方向Xに沿った径方向位置については、シール部の形状をエッジ状ではなく面状として対向面積を大きくする。例えば、弁部22の凸曲面22aが球面であれば、弁座側シール部は、内側に円形の縁部を有しその周囲に楕円形の輪郭を有する第1座面34が形成される。
第1座面34のうちボタン41の操作方向Xに沿った両端部では径方向の幅が広くなる。この部分は、弁体2が操作方向Xに沿って移動し易いように、弁部22と弁座3との当たりが弱くなるか接触しないように構成される。この両端部の傾斜方向は案内部52の傾斜方向と平行にする。
一方、上記両端部どうしの中間の部位では第1座面34の幅は狭くなる。ここでは弁部22と弁座3とが所定の圧力で当接するよう、双方の単位面積あたりの当接力を高めておくとよい。そのために、第1座面34に隣接し弁座3の平面部32に繋がる第2座面35は弁部22に当接しないように傾斜を緩めておく。
尚、第2座面35についても、弁部22に対する当接力は期待せず、弁部22への対向面積を増して密閉効果を高めたい場合には、第1座面34と連続した一つの球面にすることができる。この場合、流体の特性に応じて流体が漏れない程度に両者の当接力や隙間を設定するとよい。
上記実施形態では弁体2を付勢する付勢バネ7を設けたが、これは省略可能である。
例えば水栓器具1が台所に固定された給水栓である場合には、弁体2の垂直方向の姿勢は変化しない。よって、付勢バネ7を用いる代わりに、弁体2の重量を付加しておくなど別の手法を用いて弁体2を弁座3に押し付けることができる。
図示は省略するが、操作部材としては、上記実施形態のごとく往復移動式ではなく、回転式に構成しても良い。例えば、吐出部61の中心軸の回りに回動できる操作部材を設けておき、二つの弁体は、特定の円弧に沿って往復移動する構成にすることもできる。
本発明の水栓器具は、台所の給水栓や、浴室用の給水栓、あるいはその他工業設備用の給水栓など、流水の形態や流水の種類を切り替えるものに広く適用可能である。
1 水栓器具
11 水栓本体
2 弁体
3 弁座
31 孔部
4 操作部材
5 動弁機構
52 案内部
X 操作方向
Z 密閉方向

Claims (5)

  1. 水栓本体と、
    前記水栓本体に設けられ、液体が流通する孔部を有する弁座と、
    前記水栓本体に設けられ、前記弁座を開閉して液体の流通を許容する流通状態と、液体の流通を遮断する遮断状態とを切り替える弁体と、
    前記弁体の前記弁座に対する密閉方向とは異なる操作方向に操作して前記弁体を動作させる操作部材と、
    前記操作部材の操作により前記弁体が前記操作方向に移動する際に、前記弁体あるいは前記弁体を支持する弁支持体に当接して、前記弁体あるいは前記弁支持体を前記密閉方向に移動させるよう前記水栓本体に設けられた案内部と、
    を備えている水栓器具。
  2. 前記操作部材が前記弁支持体に接続されると共に、
    前記弁体が前記弁支持体に対して前記密閉方向に相対移動するよう前記弁体が前記弁支持体に支持され、
    前記案内部が前記弁体に当接するように構成されている請求項1に記載の水栓器具。
  3. 前記操作部材は前記操作方向に沿って往復移動するものであり、
    前記案内部が前記操作方向に沿って前記弁座を挟む両側に設けられている請求項1又は2に記載の水栓器具。
  4. 前記弁体のうち前記弁座を密閉するシール部が前記弁体の一部にのみ形成されている請求項1から3の何れか一項に記載の水栓器具。
  5. 水栓本体と、
    前記水栓本体に設けられ、流体が流通する孔部を有する弁座と、
    前記水栓本体に設けられ、前記弁座を開閉して流体の流通を許容する流通状態と、流体の流通を遮断する遮断状態とを切り替える弁体と、
    前記弁体の前記弁座に対する密閉方向とは異なる操作方向に操作して前記弁体を動作させる操作部材と、
    前記操作部材の操作にもとづいて前記弁体に対して前記密閉方向に作用し、前記弁体が前記弁座を開閉する際に、前記弁体と前記弁座との前記操作方向に沿った干渉を低減する動弁機構と、
    を備えた水栓器具。
JP2016150408A 2016-07-29 2016-07-29 水栓器具 Active JP6568024B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016150408A JP6568024B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 水栓器具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016150408A JP6568024B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 水栓器具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018017089A true JP2018017089A (ja) 2018-02-01
JP6568024B2 JP6568024B2 (ja) 2019-08-28

Family

ID=61081493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016150408A Active JP6568024B2 (ja) 2016-07-29 2016-07-29 水栓器具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6568024B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS558285U (ja) * 1978-07-03 1980-01-19
JPH11270720A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 Toray Ind Inc 多方弁および浄水器
JP2002088836A (ja) * 2000-09-14 2002-03-27 Kotobuki Tsusho:Kk 浄水機能付きシャワーヘッド
JP2005146520A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Mitsubishi Rayon Co Ltd 切換弁及び浄水器
JP2013160312A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Toto Ltd 弁の開閉機構、及びそれを備えたハンドシャワーヘッド

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS558285U (ja) * 1978-07-03 1980-01-19
JPH11270720A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 Toray Ind Inc 多方弁および浄水器
JP2002088836A (ja) * 2000-09-14 2002-03-27 Kotobuki Tsusho:Kk 浄水機能付きシャワーヘッド
JP2005146520A (ja) * 2003-11-11 2005-06-09 Mitsubishi Rayon Co Ltd 切換弁及び浄水器
JP2013160312A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Toto Ltd 弁の開閉機構、及びそれを備えたハンドシャワーヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP6568024B2 (ja) 2019-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5593470B2 (ja) チェックバルブ
TWI594928B (zh) 具有提動閥之水瓶
US11174626B2 (en) Mixer faucet
KR20200043259A (ko) 볼 밸브
JP6568024B2 (ja) 水栓器具
US10598291B2 (en) Guided check valve
EP1452244A2 (en) An intercept valve for highpressure water guns in water-cleaning machines
JP2007100842A (ja) 自動給水装置
CA2605898C (en) Gate valve with streamlined flow
US11280429B2 (en) Valve and valve member for controlling fluid flow
KR102006169B1 (ko) 볼 밸브
JP2005003022A (ja) スピンドル式切換弁
JP2007078092A (ja) バルブ
KR101173306B1 (ko) 이중 개폐형 디스크를 갖는 버터플라이밸브
KR101879375B1 (ko) 직선형 글로브밸브
US11976729B2 (en) Shaft sealing structure
JP7403752B2 (ja) 軸シール構造
JP2018044425A (ja) 水栓装置
JPH07174246A (ja) 水 栓
JPH0432528Y2 (ja)
JP2010284299A (ja) 内視鏡の管路切換操作弁
WO2019224986A1 (ja) 湯水混合栓
JP2017180797A (ja) ダイヤフラム弁
KR101487905B1 (ko) 물성이 우수한 합성수지 시트를 구비한 밸브 조립체
JP2023020681A (ja) アクチュエータ

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160804

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190729

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190801

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6568024

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250